特許第6241710号(P6241710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241710
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】実装端子の固定構造
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20171127BHJP
   H01F 27/06 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   H01F15/10 J
   H01F27/06
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-107672(P2013-107672)
(22)【出願日】2013年5月22日
(65)【公開番号】特開2014-229723(P2014-229723A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096862
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 千春
(72)【発明者】
【氏名】佐野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】廣中 純
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 元一郎
【審査官】 井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−252137(JP,A)
【文献】 実開昭58−049413(JP,U)
【文献】 特開2013−162113(JP,A)
【文献】 実開昭56−157716(JP,U)
【文献】 実公昭31−017659(JP,Y1)
【文献】 特開2006−073853(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0024734(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/29
H01F 27/06
H01F 27/28
H01F 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻線部品の実装面側に設けられたベースプレートに固定された平板状の実装端子の固定構造において、
上記ベースプレートは、外周部近傍に貫通が形成されているとともに、
上記実装端子は、一端部側の表面に上記貫通孔に挿通される柱状の突起部が設けられ、かつ他端部側に孔部が穿設され、上記突起部が上記ベースプレートの上記貫通孔の実装面側から挿通されているとともに、当該実装面と非実装面との表裏面に当接されてコ字状に折曲され、上記他端部の孔部に上記貫通孔から突出した上記突起部の端部が挿入されて当該端部が拡径されることにより上記ベースプレートに固定されていることを特徴とする実装端子の固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーチョークやノイズフィルタなどに用いられる面実装に対応した巻線部品の実装端子の固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、巻線部品の小型化により、基板に直接実装する面実装が主流となってきている。これにより、巻線部品には実装端子を取り付けるためのベースプレートが設けられている。このベースプレートに実装端子を取り付けるには、図に示すように、ベースプレート13にクリップ形状の実装端子14を嵌め込む方法がある。
【0003】
また、図に示すように、ベースプレート13に金属板の実装端子14を折り曲げて取り付ける方法がある。その他、ベースプレートに実装端子を接着剤により貼り付ける方法や、インサート成形によりベースプレートに実装端子を取り付ける方法などが一般的である。
【0004】
しかしながら、これら従来の取付方法においては、端子金属材質や厚さなどにより制約を受ける場合も多い。例えば、ベースプレート13にクリップ形状の実装端子14を嵌め込む方法では、金属材質に硬さが必要となるが、軟質の銅を主材としているために外れやすく、接着剤での補強が必要になる。そのため、製作工数が増えてしまうという問題がある。
【0005】
また、ベースプレート13に金属板の実装端子14を折り曲げて取り付ける方法では、当該ベースプレート13が小さいため、折り曲げる作業が困難であるとともに、外れやすく、同様に接着剤での補強が必要となる。そのため、生産性が悪く、製作工数が増えるという問題がある。
【0006】
そして、ベースプレートに実装端子を接着剤により貼り付ける方法では、作業工数が増えるとともに、接着剤の乾燥に時間が掛かるという問題がある。また、インサート成形によりベースに実装端子を取り付ける方法では、コストが嵩むという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、面実装に対応した巻線部品のベースプレートに実装端子が確実に固定可能な実装端子の固定構造を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、巻線部品の実装面側に設けられたベースプレートに固定された平板状の実装端子の固定構造において、上記ベースプレートは、外周部近傍に貫通が形成されているとともに、上記実装端子は、一端部側の表面に上記貫通孔に挿通される柱状の突起部が設けられ、かつ他端部側に孔部が穿設され、上記突起部が上記ベースプレートの上記貫通孔の実装面側から挿通されているとともに、当該実装面と非実装面との表裏面に当接されてコ字状に折曲され、上記他端部の孔部に上記貫通孔から突出した上記突起部の端部が挿入されて当該端部が拡径されることにより上記ベースプレートに固定されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、実装端子の表面の一端部側に設けられた柱状の突起部が、ベースプレートに形成された貫通孔の実装面側から挿通され、当該実装面と非実装面との表裏面に当接されてコ字状に折曲されるとともに、他端部の孔部に上記貫通孔から突出した上記突起部の端部が挿入されて、当該端部を拡径することにより、上記ベースプレートと上記実装端子とを固定するため、上記実装端子を上記ベースプレートの実装面側と非実装面側に密着して固定することができ、実装面側での平坦度を向上させることができる。
【0010】
また、上記ベースプレートの上記貫通孔から突出した上記突起部の端部を拡径することによって、上記ベースプレートに上記実装端子を固定するため、簡便な方法により確実に固定することができ、接着剤なでの補強を必要としない。この結果、製造コストを抑えることができるとともに、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態を示し、(a)は実装端子の固定構造によるベースプレートの斜視図、(b)は実装端子の展開図である。
図2図1のベースプレートを配設した巻線部品の斜視図である。
図3実施形態の実装端子の固定構造におけるベースプレートへの実装端子の固定方法を示し、(a)は実装端子の突起部をベースプレートの貫通孔に挿入した状態を示す断面図、(b)は実装端子の他端部側をベースプレートの外端部に沿ってL字状に折曲した状態を示す断面図である。
図4実施形態の実装端子の固定構造におけるベースプレートへの実装端子の固定方法を示し、(a)は実装端子の他端部側をベースプレートの外端部に沿ってコ字状に折曲し突起部に孔部を挿通させた状態を示す断面図、(b)は実装端子の孔部から突出した突起部の端部を拡径した状態を示す断面図である。
図5従来の実装端子の固定構造によるベースプレートの斜視図である。
図6その他の従来の実装端子の固定構造によるベースプレートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図4は、本発明に係る実装端子の固定構造の一実施形態を示すもので、巻線部品6の実装面側に設けられたベースプレート1の4角隅部(外周部)に、各々実装端子2が固定されて概略構成されている。
【0013】
ここで、実装端子2は、図1(b)の展開図に示すように、銅を主材とした平板状に形成されているとともに、平面視においてL字状に形成されている。この実装端子2の長辺部2aの基端部側(一端部側)の短手方向の中心に、円筒状の突起部4が立設されているとともに、先端部側(他端部側)の短手方向の中心に孔部5が形成されている。この孔部5は、突起部4の直径より若干大きな孔が穿設されている。また、実装端子2の短辺部2bの先端部の短手方向の中心に、U字状の凹部9が形成されている。
【0014】
そして、ベースプレート1は、ポリプロピレンなどの合成樹脂により、平面視において長方形に形成されている。また、ベースプレート1は、角隅部近傍にコ字状に折曲させた実装端子2の長辺部2aが収納される凹部7が形成されている。この凹部7は、非実装面側1の長手方向の角隅部から外縁部に沿って、実装端子2の長辺部2aの幅寸法と略同一の幅寸法により形成されている。
【0015】
さらに、実装面1a側の角隅部は、実装端子2の長辺部2aの基端部側、および短辺部2bの基端部側の当接部を含めて全域が、当該実装端子2の厚さ寸法に切削された段部8が形成されている。そして、凹部7および段部8の位置には、実装端子2の円筒状の突起部4が挿通する貫通孔3が各々形成されている。この貫通孔3は、実装端子2の突起部4の直径より若干大きな径により穿設されている。
【0016】
そして、実装端子2は、その突起部4がベースプレート1の貫通孔3の実装面1a側から挿通されているとともに、当該実装面1a側の段部8と非実装面1b側の凹部7との表裏面に当接されてコ字状に折曲され、かつ他端部の孔部5に貫通孔3から突出した突起部4の端部が挿入されるとともに、当該端部が拡径されてベースプレート1に固定されている。さらに、実装端子2の短辺部2bが、ベースプレート1の短手方向の外縁部に沿ってL字状に折曲されている。
【0017】
また、実装端子2が固定されたベースプレートの非実装面1bに、チョークコイル10は、フェライトコア(図示なし)を内装したコアカバー11に、コイル12がα巻きに巻回されている。そして、コイル12の両端部12aが、各々ベースプレート2の短手方向の外縁部に沿ってL字状に折曲された実装端子2の短辺部2bの先端に形成されたU字状の凹部9に挿入されている。
【0018】
上記構成からなる実装端子の固定構造を組み立てる際には、まず、図1(b)に示すように、平面視においてL字状の実装端子2を用意する。次いで、図3(a)に示すように、ベースプレート1の貫通孔3に、当該ベースプレート1の実装面1a側から実装端子2の突起部4を挿入する。その際、平面視においてL字状に形成された実装端子2の長辺部2aと短辺部2bの各々基端部側を段部8に当接させる。これによって、突起部4の先端部が非実装面1b側の凹部7から突出する。
【0019】
そして、図3(b)に示すように、実装端子2の長辺部2aの先端側をベースプレート1の長手方向の外縁部の凹部7に沿ってL字状に折曲させる。さらに、図4(a)に示すように、L字状に折曲させた実装端子2の長辺部2aの先端側をベースプレート1の非実装面1b側の凹部に沿って、当該長辺部2aがコ字状になるように折曲させるとともに、長辺部2aの先端に形成された孔部5に、ベースプレート1の貫通孔2から突出した実装端子2の突起部4の先端を挿通させる。これにより、実装端子2の長辺部2aが、ベースプレート1の実装面1a側と非実装面1b側との表裏面に当接される。
【0020】
次に、図4(b)に示すように、実装端子2の長辺部2aの先端に形成された孔部5から突出した実装端子2の突起部4の端部に、圧力などを加えて拡径させる。これにより、ベースプレート1に実装端子2が固定される。
【0021】
さらに、実装端子2の短辺部2bの先端側をベースプレート1の短手方向の外縁部に沿って、L字状に折曲される。そして、ベースプレート1の角隅部近傍に、四つの実装端子2を上記手順で固定した後に、当該ベースプレート1上に、チョークコイル10を配設する。その際に、図2に示すように、チョークコイル10のコアカバー11に巻回されたコイル12の四つの端部12aを実装端子2の短辺部2bのU字状の凹部9に挿入する。
【0022】
そして、チョークコイル10のコイル12の端部12aと、実装端子2の短辺部2bのU字状の凹部9とをロウ付けなどにより固定するとともに、ベースプレート1とチョークコイル10のコアカバー11とを接着して固定することにより、巻線部品が完成する。
【0023】
以上の構成からなる実装端子の固定構造によれば、実装端子2の表面の一端部側に設けられた円筒状の突起部4が、ベースプレート1に形成された貫通孔3の実装面1a側から挿通され、当該実装面1aと非実装面1bとの表裏面に当接されてコ字状に折曲されるとともに、他端部の孔部5に貫通孔3から突出した突起部4の端部が挿入されて、当該端部を拡径することにより、ベースプレート1と実装端子2とを固定するため、実装端子2をベースプレート1の実装面1a側と非実装面1b側に密着して固定することができ、実装面1a側での平坦度を向上させることができる。
【0024】
また、ベースプレート1の貫通孔3から突出した突起部4の端部を拡径することによって、ベースプレート1に実装端子2を固定するため、簡便な方法により確実に固定することができ、接着剤なでの補強を必要としない。この結果、製造コストを抑えることができるとともに、作業性を向上させることができる。
【0025】
なお、上記実施形態においては、実装端子2の長辺部2aの基端部側に立設された突起部4を円筒状に形成したものを用いる場合のみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、楕円円筒状、多角筒状や円柱状、楕円円柱状、多角柱など柱状であれば対応可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
パワーチョークやノイズフィルタなどに用いられる面実装に対応した巻線部品に利用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ベースプレート
2 実装端子
3 貫通孔
4 突起部
5 孔部
6 巻線部品
7 凹部
8 段部
9 凹部
10 チョークコイル
11 コアカバー
12 コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6