特許第6241730号(P6241730)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241730
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/00 20060101AFI20171127BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20171127BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20171127BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171127BHJP
【FI】
   F21S8/00 120
   F21S8/00 300
   F21S9/02 200
   F21L4/00 100
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-248433(P2013-248433)
(22)【出願日】2013年11月29日
(65)【公開番号】特開2015-106509(P2015-106509A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(72)【発明者】
【氏名】奥浦 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 工輔
(72)【発明者】
【氏名】蘇 勇錦
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3108623(JP,U)
【文献】 特開2007−141598(JP,A)
【文献】 特開平09−265814(JP,A)
【文献】 特開2007−335282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/00
F21L 4/00
F21S 9/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源のコンセントに着脱自在に接続されるプラグと、
放射光が第1色温度である第1照明負荷と、放射光が前記第1色温度とは異なる第2色温度である第2照明負荷と、を点灯させる点灯回路と、
前記第2照明負荷を点灯又は消灯させるために操作される操作部と、
入射面に入射した前記第1照明負荷の放射光及び前記第2照明負荷の放射光を導光して出射面から外部に放射する導光板と、
周囲の明るさに応じて出力の大きさが変化する照度変換部と、
前記照度変換部の出力から求めた明るさが所定値よりも暗くなると、前記コンセントから前記プラグを介して供給される電力で前記第1照明負荷を点灯させるように前記点灯回路を制御し、前記操作部を用いて点灯操作が行われると電池から供給される電力で前記第2照明負荷を点灯させるように前記点灯回路を制御する制御部と、
前記プラグ、前記点灯回路、前記操作部、前記導光板、前記照度変換部、及び前記制御部を有し、前記導光板の前記出射面を一面から露出させる器体とを備え、
前記導光板の前記出射面は、前記一面の半分以上の面積を有し、
記電池から供給される電力で点灯する前記第2照明負荷の前記第2色温度が、前記商用電源から供給される電力で点灯する前記第1照明負荷の前記第1色温度よりも高
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記電池から供給される電力で点灯する前記第2照明負荷の放射光は、白色であり、
前記商用電源から供給される電力で点灯する前記第1照明負荷の放射光は、電球色である
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具
【請求項3】
前記器体に設けられ、第1面に前記照度変換部を実装し、厚み方向において前記第1面とは反対側の第2面に前記第1照明負荷と前記第2照明負荷とを実装する基板を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に照明器具、より詳細には商用電源のコンセントに差し込まれて通路の床面を照明するナイトライトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通路の壁面のコンセントに差し込まれて、周囲の暗さや人の通行を検知して通路の足元を照明する足元灯があった(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の足元灯は、一次電池を備えており、コンセントから取り外して一次電池を電源とする携帯電灯として用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3108623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の足元灯は、コンセントから取り外して携帯電灯として用いることができるが、床面を照らす足元灯のため、照らす範囲が狭く、携帯電灯としての使い勝手が悪かった。また、足元灯は一般的に、足元灯の明かりをまぶしく感じにくくするために、電球色の明かりを採用しているので、携帯電灯としての使い勝手が悪かった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為され、ハンディライトの使い勝手を向上させた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の照明器具は、プラグと、第1照明負荷と第2照明負荷を点灯させる点灯回路と、操作部と、導光板と、照度変換部と、制御部と、器体とを備えることを特徴とする。前記第1照明負荷の放射光は、第1色温度である。前記第2照明負荷の放射光は、前記第1色温度とは異なる第2色温度である。前記プラグは、商用電源のコンセントに着脱自在に接続される。前記操作部は、前記第2照明負荷を点灯又は消灯させるために操作される。前記導光板は、入射面に入射した前記第1照明負荷の放射光及び前記第2照明負荷の放射光を導光して出射面から外部に放射する。前記照度変換部は、周囲の明るさに応じて出力の大きさが変化する。前記制御部は、前記照度変換部の出力から求めた明るさが所定値よりも暗くなると、前記コンセントから前記プラグを介して供給される電力で前記第1照明負荷を点灯させるように前記点灯回路を制御する。前記制御部は、前記操作部を用いて点灯操作が行われると電池から供給される電力で前記第2照明負荷を点灯させるように前記点灯回路を制御する。前記器体は、前記プラグ、前記点灯回路、前記操作部、前記導光板、前記照度変換部、及び前記制御部を有し、前記導光板の前記出射面を一面から露出させる。前記導光板の前記出射面は、前記一面の半分以上の面積を有する。前記電池から供給される電力で点灯する前記第2照明負荷の前記第2色温度が、前記商用電源から供給される電力で点灯する前記第1照明負荷の前記第1色温度よりも高ことを特徴とする。
【0007】
この発明において、前記電池から供給される電力で点灯する前記第2照明負荷の放射光は、白色であり、前記商用電源から供給される電力で点灯する前記第1照明負荷の放射光は、電球色であることも好ましい。
この発明において、前記照明器具は、基板を更に備えることも好ましい。前記基板は、前記器体に設けられる。前記基板は、第1面に前記照度変換部を実装する。前記基板は、厚み方向において前記第1面とは反対側の第2面に前記第1照明負荷と前記第2照明負荷とのうち少なくとも一方を実装する。
【発明の効果】
【0008】
導光板は、器体の一面における半分以上の面積を有し、器体の一面に露出して照明器具の周囲を照らすので、照明器具をハンディライトとして使用した際に、より広い範囲を照らすことができる。また、照明器具をナイトライトとして使用するときの放射光の色温度に比べて、ハンディライトとして使用するときの放射光の色温度が高いので、視認性がよくなり、ハンディライトとして使いやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態における照明器具を示し、(a)は要部を説明する正面図、(b)は要部を説明する右断面図、(c)は上面図である。
図2】本実施形態における照明器具を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は要部を説明する分解斜視図である。
図3】本実施形態における照明器具の概略的な回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本実施形態の照明器具について、図1図3を参照して説明する。尚、以下の説明では図1(a)に示す向きを基準として上下左右の方向を規定し、図1(b)における左方向を前方向、図1(b)における右方向を後方向として説明する。
【0011】
本実施形態の照明器具は、例えば壁面に設けられたコンセントに接続され、周囲が暗くなると床面を照らす足元灯として用いられる。照明器具は電池を備えており、コンセントから取り外して電池を電源とするハンディライト(携帯電灯)として用いることができる。
【0012】
本実施形態の照明器具1は、図3に示すように、点灯回路6と、LED(Light Emitting Diode)5a,5b(照明負荷)と、LED9a(点灯部9)と、制御回路7(制御部)と、電池12とを備えている。さらに照明器具1は、電源回路18と、停電検知回路11と、電圧測定回路14とを備えている。
【0013】
電源回路18は、例えばバックコンバータ方式のスイッチング電源(図示せず)で構成されていて、1次側に入力される交流電圧を所定の直流電圧に変換して2次側に出力する。電源回路18の1次側は、プラグ4に電気的に接続している。電源回路18は、プラグ4が商用電源17のコンセント(図示せず)に挿入されることにより、商用電源17から電力が供給される。電源回路18の2次側には点灯回路6が接続されている。尚、電源回路18は、スイッチング電源で構成されることに限定されず、1次側に入力される交流電圧を所定の直流電圧に変換して2次側に出力することができる適宜の構成でもよい。
【0014】
停電検知回路11は、電源回路18の一次側に入力される電圧を監視することによって、商用電源17が供給されているか否かを検知する。停電検知回路11は、商用電源17が供給されていると、制御回路7に信号SN1を出力する。
【0015】
点灯回路6は、レギュレータ15と、昇圧回路16と、スイッチSW1〜SW3とを備えている。レギュレータ15には電源回路18又は昇圧回路16の何れか一方から直流電圧が入力される。レギュレータ15は、入力電圧の変動を抑制して制御回路7及びLED5a,5b,9aに出力する。尚、レギュレータ15と電源回路18との間、及びレギュレータ15と昇圧回路16との間にはそれぞれ、例えば逆流防止用のダイオード(図示せず)が接続されている。
【0016】
点灯回路6には、照明用のLED5a,5bと、電池12の残容量の低下を報知するために設けられたLED9aがそれぞれ接続されている。LED5aはスイッチSW1を介してレギュレータ15に接続している。同様に、LED5bはスイッチSW2を介してレギュレータ15に接続していて、LED9aはスイッチSW3を介してレギュレータ15に接続している。スイッチSW1〜SW3はそれぞれ制御回路7によってオン/オフ操作される。
【0017】
昇圧回路16は、例えば昇圧チョッパ回路等で構成され、電池12の電圧を昇圧してレギュレータ15に出力する。昇圧回路16の動作は、制御回路7から入力される信号SN2によって制御される。
【0018】
電池12は、例えばマンガン乾電池やアルカリ・マンガン乾電池等の単三型の一次電池であり、昇圧回路16の1次側に接続されている。
【0019】
照明器具1は、電池12の出力電圧を測定する電圧測定回路14を備える。電圧測定回路14は、所定期間毎に電池12の電圧をA/D変換し、制御回路7に出力する。
【0020】
制御回路7は、例えばマイクロコンピュータを備えていて、組み込みのプログラムを実行することによって、点灯回路6の制御が実現される。制御回路7の電源端子VDDには、レギュレータ15から直流電圧が入力されている。
【0021】
制御回路7には、切替スイッチ31と、点灯スイッチ8(操作部)と、明るさセンサ3a(照度変換部)が接続されている。
【0022】
明るさセンサ3aは、周囲の明るさを検知する素子(例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ等)で構成される。明るさセンサ3aの出力電流は周囲の明るさに応じて変化する。
【0023】
切替スイッチ31は、左右方向に移動自在なスライドスイッチであり、ナイトライト機能を有効にするか否かを切り替えるためのスイッチである。切替スイッチ31がナイトライト機能を有効にするように設定された状態で、明るさセンサ3aの出力電流から求めた周囲の明るさが所定値よりも暗くなると、制御回路7はスイッチSW1をオン状態にしてLED5aを点灯させる。切替スイッチ31がナイトライト機能を有効にするように設定された状態で、明るさセンサ3aの出力電流から求めた周囲の明るさが所定値よりも明るくなると、制御回路7はスイッチSW1をオフ状態にしてLED5aを消灯させる。尚、LED5aの点灯/消灯を切り替えるしきい値(上記の所定値)にヒステリシスを設けてもよい。
【0024】
一方、切替スイッチ31がナイトライト機能を無効にするように設定された状態では、明るさセンサ3aの出力電流から求めた周囲の明るさが所定値よりも暗くなっても、制御回路7はスイッチSW1のオフ状態を維持し続ける。
【0025】
次に、照明器具1の構造について図1図2を参照して説明する。
【0026】
器体2は、図2(a)(b)に示すように、前面側が開口した矩形箱状のボディ22と、前面が矩形状に形成されてボディ22の前面の開口部を覆うカバー21とを備える。
【0027】
カバー21の正面における上側部分には、カバー21の下側部位よりも前側に突出している張出部21aが形成されている。カバー21における張出部21aを除く前面部分には、矩形状に開口した開口部21cが設けられていて、開口部21cを塞ぐように導光板13がカバー21に取り付けられている。
【0028】
導光板13は、前面が矩形の光取り出し部13a(出射面)と、光取り出し部13aの上面から上側に突き出るように形成されて張出部21aの内側に挿入される光入射部13b(入射面)とを備えている。光入射部13bの入射面(本実施形態では上側面)は、それぞれのLED5a,5bに対向するように設けられており、LED5a,5bから光入射部13bの入射面に放射された光を光取り出し部13aに導く。光取り出し部13aは、張出部21aの前面と面一になるように形成されていて、開口部21cから外部に露出している。光取り出し部13aの背面には光取り出し部13a内を通る光を拡散する光拡散部19が設けられていて、光拡散部19で拡散した光が光取り出し部13aの前面から外部に放射される。
【0029】
張出部21aの内側には、図1(a)(b)に示すようにサブ基板51が配置されている。サブ基板51は、器体2の上面に平行するように器体2内部の上面付近に取り付けられていて、メイン基板10に電気的に接続されている。
【0030】
サブ基板51には、照明用のLED5a,5bと、報知用のLED9aと、明るさセンサ3aと、切替スイッチ31が実装されている。LED9aはサブ基板51の上面の一端側(本実施形態では左側)に実装されている。明るさセンサ3aはサブ基板51の上面の他端側(本実施形態では右側)に実装されている。切替スイッチ31はサブ基板51の上面中央に実装されていて、LED5a,5bはそれぞれサブ基板51の下側表面に実装されている。LED5aは、ナイトライトとして使用される場合に発光し、LED5aの発光色はおよそ2700〜3000K程度の電球色である。LED5bはハンディライトとして使用される場合に発光し、LED5bの発光色はおよそ4000K程度の白色である。
【0031】
器体2の上面には、図1(c)に示すように、透光窓3b,9bと、切替スイッチ31の操作部に被せられた切替つまみ32を露出させるための孔21bが設けられている。
【0032】
透光窓9bは、例えばアクリル樹脂等の透光性材料で形成され、カバー21の上面においてLED9aに対向する部位に設けられていて器体2の上側に露出している。LED9aが点灯すると、LED9aの光は透光窓9bを透過してカバー21の上面から外部に放射される。そのため、プラグ4がコンセントに接続された状態で、電池12の残容量が低下してLED9aが点灯すると、透光窓9bからLED9aの光が放射される。本実施形態では、LED9aと透光窓9bとで点灯部9が構成されている。
【0033】
透光窓3bは、例えばアクリル樹脂等の透光性材料で形成され、カバー21の上面における明るさセンサ3aに対向する部位に設けられていて、器体2の上側に露出している。器体2の周囲の光が透光窓3bを透過して明るさセンサ3aに入射すると、明るさセンサ3aの出力電流は周囲の明るさに応じて変化する。
【0034】
切替つまみ32は、切替スイッチ31の操作部を覆った状態で、器体2の上面の孔21bから外部に露出するように設けられている。切替つまみ32を左右方向にスライド移動させることにより、切替スイッチ31が切り替えられる。切替つまみ32がスライド方向の一端側(本実施形態では図1(a)の右側)に設定されているとナイトライト機能が有効になり、切替つまみ32がスライド方向の他端側(本実施形態では図1(a)の左側)に設定されているとナイトライト機能が無効になる。
【0035】
器体2における左右方向の一方の側面(本実施形態では器体2の左側面)には、点灯スイッチ8が設けられている。点灯スイッチ8は、商用電源17から電力が供給されていない状態でLED5bを点灯/消灯させるスイッチである。点灯スイッチ8は、例えばプッシュスイッチで構成される。商用電源17から電力が供給されていない状態で、点灯スイッチ8を一回押すごとに制御回路7がLED5bの点灯/消灯を切り替える。尚、点灯スイッチ8は、プッシュスイッチに限定されず、切替後の状態が保持される適宜の種類のスイッチでよい。
【0036】
ボディ22の背面にはプラグ4が取り付けられている。プラグ4は、プラグ4の先端部がボディ22の背面方向(図2(a)参照)を向く位置と、上面方向(図1(b)参照)を向く位置との間で回転自在に支持されている。プラグ4を商用電源17のコンセント(図示せず)から引き抜いた状態で、プラグ4の先端部が上面方向を向くようにプラグ4を図2(a)の矢印A1方向に回転させると、ボディ22に設けた溝41内にプラグ4を収納することができる。
【0037】
器体2の背面の下側には、図2(c)に示すように、電池12を収納する収納凹部23aが設けられている。この収納凹部23aは、ボディ22に着脱自在に取り付けられる蓋23bによって塞がれる。電池12は、入手性のよい一次電池であり、電池12の長手方向が器体2の左右方向に沿うように収納凹部23aに収納される。
【0038】
器体2の内側には、図1(b)に示すように、メイン基板10が収納されている。メイン基板10には、点灯回路6と、制御回路7と、電源回路18と、停電検知回路11と、電圧測定回路14を構成する回路部品が実装されている。メイン基板10は、サブ基板51と、電池12と、プラグ4にそれぞれ電気的に接続している。
【0039】
ここで、本実施形態の照明器具1の動作を説明する。
【0040】
まず、切替つまみ32がナイトライト機能を有効にする位置に切り替えられている場合の動作を説明する。
【0041】
器体2は商用電源17のコンセント(図示せず)にプラグ4を接続した状態で、壁面(図示せず)に取り付けられる。電源回路18は、商用電源17から供給される交流電圧を所定の直流電圧に変換して点灯回路6に出力する。停電検知回路11は、電源回路18の一次側に入力される電圧を監視し、商用電源17が供給されている状態では、制御回路7に信号SN1を出力する。制御回路7は、信号SN1が入力されると昇圧回路16の昇圧動作を停止状態にする。制御回路7及び点灯回路6はそれぞれ、商用電源17から供給される電力で動作する。
【0042】
商用電源17から電力が供給されている状態で、明るさセンサ3aの出力電流から求めた周囲の明るさが所定値よりも暗くなると、制御回路7はスイッチSW1をオン状態にしてLED5aを自動的に点灯させる。LED5aが光入射部13bに放射した光は光拡散部19で拡散され、光取り出し部13aから外部に放射される。導光板13の光取り出し部13aから放射された光が照明器具1の周囲の床面(図示せず)を照らす。LED5aの発光色は電球色であるため、夜間に床面を照らしていてもまぶしく感じにくい。一方、商用電源17から電力が供給されている状態で、明るさセンサ3aの出力電流から求めた周囲の明るさが所定値よりも明るくなると、制御回路7はスイッチSW1をオフ状態にしてLED5aを自動的に消灯させる。
【0043】
一方、切替スイッチ31がナイトライト機能を無効にする位置に切り替えられている場合、制御回路7は、明るさセンサ3aの出力電流から求めた周囲の明るさが所定値よりも暗くなってもスイッチSW1のオフ状態を維持し、LED5aの消灯状態を維持する。
【0044】
次に、電池12が供給する電力で動作する場合の照明器具1の動作について説明する。
【0045】
商用電源17のコンセント(図示せず)からプラグ4を引き抜くか、又は停電が発生すると、停電検知回路11は、信号SN1の出力を停止する。制御回路7は、停電検知回路11から信号SN1が入力されなくなると、昇圧回路16に昇圧動作を行わせ、昇圧回路16からレギュレータ15に所定の直流電圧を出力させる。制御回路7及び点灯回路6は、電池12から供給される電力で動作する。制御回路7は昇圧回路16を動作させた後、スイッチSW2をオン状態にしてLED5bを点灯させる。そのため、照明器具1がコンセントに接続された状態で停電が発生すると、LED5bが自動点灯し、導光板13の光取り出し部13aから放射された光が照射方向に照射される。LED5bの発光色は白色であるため、ハンディライトとして照明器具1を使用すると、視認性がよくなり、周囲の状況をより認識しやすくなる。
【0046】
電池12から供給される電力でLED5bが点灯している状態で、点灯スイッチ8がオフ操作されると、制御回路7はスイッチSW2をオフ状態にしてLED5bを消灯させる。同様に、電池12から供給される電力で動作している状態で点灯スイッチ8がオン操作されると、制御回路7は、スイッチSW2をオン状態にしてLED5bを点灯させて導光板13の光取り出し部13aから光を放射させる。
【0047】
ところで、制御回路7及び点灯回路6がそれぞれ商用電源17から供給される電力で動作していても、例えば自然放電等により電池12の残容量は徐々に低下する。電圧測定回路14が出力する電池12の電圧値が所定の電圧値を下回ると、制御回路7は、電池12の残容量が報知レベルである所定容量を下回ったと判断し、スイッチSW3をオン状態にしてLED9aを点灯させる。LED9aが点灯すると、LED9aの光は透光窓9bを透過して器体2の上側から外部に放射される。使用者は、器体2の上側から見てLED9aの光を認識しやすいため、電池の残容量の低下を認識しやすくなり、内蔵している電池12の電池交換が必要であることを把握できる。
【0048】
照明器具1が電池12から供給される電力で動作する場合でも、電池12の出力電圧が所定電圧を下回ると制御回路7がLED9aを点灯させてもよい。電池12の電力消費をより抑えながらLED9aを点灯させるために、制御回路7は、例えばLED9aを所定期間点灯させた後にLED9aを消灯させたり、LED9aを所定周期で点滅させたりしてもよい。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の照明器具1は、プラグ4と、照明負荷(LED5a,5b)と、電池12と、点灯回路6と、点灯スイッチ8(操作部)と、導光板13と、明るさセンサ3a(照度変換部)と、制御回路7(制御部)と、器体2とを備える。プラグ4は、商用電源17のコンセントに着脱自在に接続される。点灯回路6は、照明負荷(LED5a,5b)を点灯させる。点灯スイッチ8(操作部)は、照明負荷(LED5b)を点灯又は消灯させるために操作される。導光板13は、入射面(光入射部13bの上側面)に入射した照明負荷(LED5a,5b)の放射光を導光して出射面(光取り出し部13aの前面)から外部に放射する。明るさセンサ3a(照度変換部)は、周囲の明るさに応じて出力の大きさ(電流値)が変化する。制御回路7(制御部)は、明るさセンサ3a(照度変換部)の出力から求めた明るさが所定値よりも暗くなると、コンセントからプラグ4を介して供給される電力で照明負荷(LED5a)を点灯させるように点灯回路6を制御する。制御回路7(制御部)は、点灯スイッチ8(操作部)を用いて点灯操作が行われると電池12から供給される電力で照明負荷(LED5b)を点灯させるように点灯回路6を制御する。器体2は、プラグ4、点灯回路6、点灯スイッチ8(操作部)、導光板13、明るさセンサ3a(照度変換部)、及び制御回路7(制御部)を有し、導光板13の出射面(光取り出し部13aの前面)を一面(前面)から露出させる。導光板13の出射面(光取り出し部13aの前面)は、一面(器体2の前面)の半分以上の面積を有する。制御回路7は、電池12から供給される電力で点灯する照明負荷(LED5b)の色温度が、商用電源17から供給される電力で点灯する照明負荷(LED5a)の色温度よりも高くなるように点灯回路6を制御する。
【0050】
導光板13は、器体2の前面における半分以上の面積を有し、器体2の前面に露出して照明器具1の周囲を照らすので、照明器具1をハンディライトとして使用した際に、より広い範囲を照らすことができる。また、照明器具1をナイトライトとして使用するときの放射光の色温度に比べて、ハンディライトとして使用するときの放射光の色温度が高いので、視認性がよくなり、ハンディライトとして使いやすい。
【0051】
本実施形態の照明器具1において、電池12から供給される電力で点灯する照明負荷(LED5b)の放射光は白色であり、商用電源17から供給される電力で点灯する照明負荷(LED5a)の放射光は、電球色であることも好ましい。照明器具1をハンディライトとして使用すると、導光板13から放射された白色の放射光がより広い範囲を照らすので視認性がよくなる。照明器具1をナイトライトとして使用すると、導光板13から電球色の放射光が放射されるので、夜間に床面を照らしていてもまぶしく感じにくい。
【0052】
本実施形態における制御回路7は、電池12から供給される電力でLED5bが点灯するようにスイッチSW2を制御し、商用電源17から供給される電力でLED5aが点灯するようにスイッチSW1を制御して、色温度の異なる2つの放射光を実現している。
【0053】
本実施形態における照明負荷は2つのLED5a,5bで構成されているが、LEDは2つに限定されず、色温度の異なる2つの放射光をそれぞれ放射できる構成であれば、LEDは1つでも3つ以上でもよい。また照明負荷の種類もLEDに限定されず、色温度の異なる2つの放射光をそれぞれ放射できる適宜の構成でよい。さらに、色温度の異なる2つの放射光を切り替える方法は、照明負荷のスイッチをオン/オフすることに限定されず、適宜の切替方法でよい。
【0054】
近年、一次電池の性能が向上し長寿命の一次電池が製品化されているので、本実施形態の照明器具1では、二次電池に比べて入手性の良好な一次電池を電池12に採用している。ただし一次電池である電池12を充電することはできないため、電池12の残容量は自然放電等で徐々に低下する。そのため、電池12の残容量が低下していることに使用者が気付かない可能性があり、ハンディライトとして照明器具1を使用する際に、照明器具1を十分に使用できない可能性がある。本実施形態の照明器具1は、点灯部9を点灯させて電池12の残容量の低下を報知するので、使用者は電池12の残容量の低下を認識しやすくなる。
【0055】
本実施形態における点灯部9はLED9a及び透光窓9bで構成されているが、器体2の上側から光が放射される構成であればよく、例えばサブ基板51に実装された砲弾型のLEDの先端部分が器体2の上側に露出していてもよい。
【0056】
本実施形態における明るさセンサ3aは、照度に応じて電流値が変化する素子で構成されているが、例えば照度に応じて抵抗値が変化するフォトレジスタ等でもよい。
【0057】
本実施形態における電池12は単三型の一次電池であるが、単三型以外の型式でもよいし、充電済みの二次電池(例えばニッケル・水素充電池等)でもよい。
【0058】
本実施形態における電圧測定回路14は、電池12の残容量を検知するために出力電圧を測定しているが、出力電圧の測定に限定されず、電池の残容量を検知できる適宜の方法でよい。
【符号の説明】
【0059】
1 照明器具
10 メイン基板
11 停電検知回路
12 電池
13 導光板
13a 光取り出し部(出射面)
13b 光入射部(入射面)
14 電圧測定回路
15 レギュレータ
16 昇圧回路
17 商用電源
18 電源回路
2 器体
21 カバー
21a 張出部
22 ボディ
23b 蓋
31 切替スイッチ
3a 明るさセンサ(照度変換部)
3b 透光窓
4 プラグ
5a,5b LED(照明負荷)
51 サブ基板
6 点灯回路
7 制御回路(制御部)
8 点灯スイッチ(操作部)
9 点灯部
9a LED
9b 透光窓
SN1,SN2 信号
SW1〜SW3 スイッチ
図1
図2
図3