(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241749
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】ろ布蛇行修正装置
(51)【国際特許分類】
B30B 9/24 20060101AFI20171127BHJP
B01D 33/04 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
B30B9/24 E
B01D33/04 Z
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-206063(P2014-206063)
(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公開番号】特開2016-73998(P2016-73998A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2016年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000197746
【氏名又は名称】株式会社石垣
(72)【発明者】
【氏名】溝渕 勝信
(72)【発明者】
【氏名】石丸 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】片山 雅義
【審査官】
石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−091398(JP,A)
【文献】
実開昭52−156080(JP,U)
【文献】
特開2012−187504(JP,A)
【文献】
特開平05−137916(JP,A)
【文献】
特開平05−184822(JP,A)
【文献】
特公平02−001600(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 9/24
B01D 33/04
F15B 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状のろ布(8)を走行自在に掛け回し、ろ布(8)に挟持した汚泥を脱水すると共に、エアーシリンダー(9)により作動する修正ローラー(7)でろ布(8)の蛇行を修正するろ布蛇行修正装置において、
エアーシリンダー(9)への流路を切り替えるエアーオペレートバルブ(10)と、
エアーオペレートバルブ(10)の切り替えを制御するメカニカルバルブ(11)と、
メカニカルバルブ(11)を開閉する検知レバー(14)と、
メカニカルバルブ(11)から流出するエアー排気量を調整する排気量調整バルブ(16)と、
一つのエアー源(15)からメカニカルバルブ(11)へ接続する配管(1)と、
配管(1)から分岐してエアーオペレートバルブ(10)へ接続する配管(2)と、
エアーオペレートバルブ(10)からエアーシリンダー(9)のロッド室(13)へ接続する配管(3)と、
エアーオペレートバルブ(10)からエアーシリンダー(9)のヘッド室(12)へ接続する配管(4)と、
メカニカルバルブ(11)からエアーオペレートバルブ(10)へ接続する配管(5)と、
メカニカルバルブ(11)から排気量調整バルブ(16)へ接続する配管(6)と、を備え、
ろ布(8)の蛇行で検知レバー(14)が所定角度に傾倒することでメカニカルバルブ(11)を開閉し、
エアーオペレートバルブ(10)の切り替えを行うことを特徴とするろ布蛇行修正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトプレス等のろ布を走行させて使用する脱水機の、ろ布の蛇行を修正するためのろ布蛇行修正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベルトプレス等の脱水機において、ろ布が蛇行した際には先行文献1のように、エアーシリンダーを用いてろ布の張力を調整し、ろ布の蛇行を修正していた。エアーシリンダーの調整には光学式の検出器や電磁弁等を用いていた。
また、先行文献2にはろ布に当接したロールを傾けろ布の蛇行を修正する装置が開示されており、ろ布の蛇行により回転するレバーを備えたベルト蛇行検知装置
を用いて、レバーの開度に合わせてロールを傾け、蛇行の修正を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−184822号公報
【特許文献2】特公平02−1600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行文献1のようなろ布蛇行修正装置は、機能的に問題がないが、電磁弁等を用いるため電気を必要としており、その他電気配線、端子ボックス等を伴うため、高価な装置を必要とする。また、それらの設計費等も必要となるためコストが高い。
その他、ろ布の蛇行検知にリミットスイッチを用いることもあるが、ベルトプレスを配設する処理場の多くは現場雰囲気が悪いため、リミットスイッチが故障することがあった。
先行文献2では、電気を用いないでエアーのみでろ布の蛇行を修正している。先行文献2に開示されている検知装置は特殊なもので、ろ布の蛇行量に応じて2次空気の排出量を変化させている。しかし、回転孔と排出空気用の通孔の形状、傾きを適切に設定しなければ2次空気量の調整が不安定となるうえ、その設定は形状、傾きに依存するため調整が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
無端状のろ布を走行自在に掛け回し、ろ布に挟持した汚泥を脱水すると共に、エアーシリンダーにより作動する修正ローラーでろ布の蛇行を修正するろ布蛇行修正装置において、エアーシリンダーへの流路を切り替えるエアーオペレートバルブと、エアーオペレートバルブの切り替えを制御するメカニカルバルブと、メカニカルバルブを開閉する検知レバーと、
メカニカルバルブから流出するエアー排気量を調整する排気量調整バルブと、一つのエアー源からメカニカルバルブへ接続する配管と、配管から分岐してエアーオペレートバルブへ接続する配管と、エアーオペレートバルブからエアーシリンダーのロッド室へ接続する配管と、エアーオペレートバルブからエアーシリンダーのヘッド室へ接続する配管と、メカニカルバルブからエアーオペレートバルブへ接続する配管と、メカニカルバルブから排気量調整バルブへ接続する配管と、を備え、ろ布の蛇行で検知レバーが所定角度に傾倒することでメカニカルバルブを開閉し、エアーオペレートバルブの切り替えを行うことで、エアーのみで作動する簡素な装置でろ布の蛇行修正が行える。
【0006】
前記検知レバーがろ布の蛇行を検知して所定角度に傾倒するまで、メカニカルバルブからのエアー排気量を調整する排気量調整バルブを備えることで、エアーの消費量を最小限にすることができる。
【発明の効果】
【0007】
装置がエアーのみで作動するため、電気を必要とせず、電磁弁、端子ボックス、電気配線なども必要としない。安価で市場に流通しているバルブを用いることができるため、容易に用いることができ、大幅なコストダウンが望める。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係るろ布蛇行修正装置の概念図である。
【
図2】同じく、ろ布が正常に走行している場合の回路図である。
【
図3】同じく、ろ布が蛇行した場合の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ベルトプレス等の脱水機に掛け回したろ布の蛇行を修正する装置である。
図1は本発明に係るろ布蛇行修正装置の概念図である。
本発明のろ布蛇行修正装置の修正ローラー7は走行するろ布8に摺接させると共に、修正ローラー7の両端にエアーシリンダー9を接続している。ろ布8が蛇行した際には、エアーシリンダー9を伸縮させることで修正ローラー7を傾け、修正ローラー7の傾けた方向にろ布8を誘導している。また、ろ布蛇行修正装置は、ろ布8の蛇行が所定幅以上となると作動する。
【0010】
本発明のろ布蛇行修正装置は、ろ布8の蛇行を修正する修正ローラー7と、修正ローラー7の両端で修正ローラー7の傾きを調節するエアーシリンダー9と、エアーシリンダー9への流路を切り替えるエアーオペレートバルブ10と、ろ布8の蛇行を検知してエアーオペレートバルブ10の切り替えを制御するメカニカルバルブ11と、メカニカルバルブ11を開閉する検知レバー14と、で構成される。
【0011】
≪エアーオペレートバルブ≫
ここで、本発明に用いるエアーオペレートバルブ10は、エアーシリンダー9のヘッド室12とロッド室13に配管を接続し、エアーの流路を切り替えてエアーシリンダー9を伸縮させる。ろ布8が蛇行した際にはエアーシリンダー9を伸縮し、ろ布8の蛇行を修正するように修正ローラー7を傾ける。
【0012】
≪メカニカルバルブ≫
また、本発明に用いるメカニカルバルブ11は、ろ布8の蛇行に伴って傾倒する検知レバー14を設けている。検知レバー14は走行するろ布8の左右に配設し、ろ布8が蛇行した際には検知レバー14と接触し、傾倒するように配設する。
通常、ろ布8が蛇行していない場合は検知レバー14が傾倒しておらず、メカニカルバルブ11が閉止している。ろ布8が蛇行し、検知レバー14が所定の角度に傾倒することでメカニカルバルブ11が開き、メカニカルバルブ11と接続したエアーオペレートバルブ10が切り換わる。エアーオペレートバルブ10が切り換わることで、エアーシリンダー9が作動する。
なお、検知レバー14はワイヤー型、ローラー型など、公知のものを利用できる。
【0013】
≪回路≫
図2はろ布が正常に走行している場合の回路図である。
エアー源15から配管1をメカニカルバルブ11のポート11aへ接続する。
配管1から分岐した配管2は、エアーオペレートバルブ10のポート10Bへ接続する。
エアーオペレートバルブ10のポート10Dからエアーシリンダー9のロッド室13へ配管3を接続する。
また、エアーオペレートバルブ10のポート10Eからエアーシリンダー9のヘッド室12へ配管4を接続する。
メカニカルバルブ11のポート11bからエアーオペレートバルブ10に配管5を接続し、供給されたエアーの圧力によりエアーオペレートバルブ10の回路の切り替えを行う。
メカニカルバルブ11のポート11cに接続した配管6は、排気側に排気量調整16バルブを備える。
【0014】
図2が示すように、ろ布8が蛇行せず、正常に走行している場合、メカニカルバルブ11の検知レバー14は傾倒しておらず、メカニカルバルブ11は閉止している。
まず、エアー源15から配管1にエアーが供給される。メカニカルバルブ11のポート11aは閉止しているため、配管1から分岐した配管2へエアーが流入する。エアーは、配管2と接続したエアーオペレートバルブ10のポート10Bから流入し、ポート10Dから流出する。エアーは、ポート10Dと接続した配管3を介してエアーシリンダー9のロッド室13へ流入し、エアーシリンダー9を収縮させる。
また、エアーシリンダー9のヘッド室12のエアーは、ヘッド室12からエアーオペレートバルブ10のポート10Eに連通する配管4を通り、ポート10Cから排出される。
【0015】
図3はろ布が蛇行した場合の回路図である。
本発明のろ布蛇行修正装置は予めろ布蛇行量の上限を設定しておき、上限を超えるとろ布蛇行修正装置を作動させる。
ろ布8が蛇行し、メカニカルバルブ11の検知レバー14が所定の角度に傾倒したとき、メカニカルバルブ11が開く。
エアー源15から配管1にエアーが供給される。メカニカルバルブ11のポート11aからポート11bを通り、エアーが配管5に流出する。配管5と接続したエアーオペレートバルブ10は、流入したエアーの圧力によって切り換わる。
配管1から分岐した配管2に流入したエアーは、切り換わったエアーオペレートバルブ10のポート10Bからポート10Eを通り、配管4を介してエアーシリンダー9のヘッド室12へ流入し、エアーシリンダー9を伸長させる。
また、エアーシリンダー9のロッド室13のエアーは、ロッド室13からエアーオペレートバルブ10のポート10Dに連通する配管3を通り、ポート10Aから排出される。
【0016】
≪排気量調節バルブ≫
ここで、メカニカルバルブ11のポート11cに接続する配管6に、排気量調節バルブ16を設けてもよい。
排気量調節バルブ16は常時微小な開口を有しており、ろ布8が正常に走行している場合は、メカニカルバルブ11のポート11cとポート11bが連通している。
ろ布8蛇行時、メカニカルバルブ11の検知レバー14が所定角度まで傾くことでメカニカルバルブ11が切り換わるが、検知レバー14が所定角度に傾倒するまでの中間位置にある場合、バルブの切り換わりが不完全なため、メカニカルバルブ11のポート11aからポート11cへエアーが流れ込み、エアーが漏れ出ていた。
ポート11cからの漏出防止のため、ポート11cを完全に閉止した場合、検知レバー14が所定角度に傾倒する前に配管5にエアーが流入し、エアーオペレートバルブ10が切り換わることがある。
【0017】
そこで、ポート11cに接続した配管6に排気量調整バルブ16を設け、ポート11cから流出するエアーの量を制限する。そうすることによって、ポート11cから少量ずつエアーが流出し、検知レバー14が所定角度に傾倒するまでエアーオペレートバルブ10が切り換わることはなく、エアーの消費を最小限にできる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明のろ布蛇行修正装置は、ベルトプレスのろ布やベルト等を走行させる装置に広く用いることができ、簡素な構成であるため、実施・メンテナンスが容易でコストも抑えることができる。
【符号の説明】
【0019】
7 修正ローラー
8 ろ布
9 エアーシリンダー
10 エアーオペレートバルブ
11 メカニカルバルブ
14 検知レバー
16 排気量調整バルブ