(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241767
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】機器制御システム、プログラム及びコントローラ
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20171127BHJP
H04Q 9/02 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04Q9/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-135172(P2016-135172)
(22)【出願日】2016年7月7日
(62)【分割の表示】特願2011-244559(P2011-244559)の分割
【原出願日】2011年11月8日
(65)【公開番号】特開2016-174433(P2016-174433A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2016年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】山口 英亮
(72)【発明者】
【氏名】廣石 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】河崎 誠
(72)【発明者】
【氏名】喜多村 賢志
【審査官】
藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−041344(JP,A)
【文献】
特開2007−158565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03J9/00−9/06
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04Q9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象である複数の機器の一覧を表示部に表示させる処理部と、
前記複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部と、を備え、
前記処理部は、センサから検出された前記環境データが閾値を超えた機器に対して、前記表示部に表示させる優先度を高く設定し、
前記記憶部が記憶する前記環境データの閾値は、ユーザの入力部からの操作入力に基づいて、設定または変更されることを特徴とする機器制御システム。
【請求項2】
コンピュータに、
複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部、および、
センサから検出された前記環境データが、前記記憶部に記憶された制御対象である前記複数の機器毎の前記環境データにおける閾値を超えた場合、前記環境データが閾値を超えた機器に対して表示部に表示させる優先度を高く設定する処理部、
としての機能を実行させ、
前記記憶部が記憶する前記環境データの閾値は、ユーザの入力部への操作入力に基づいて、設定または変更されることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部と、
制御対象である前記複数の機器を制御するユーザの操作が入力され、前記記憶部が記憶する環境データの閾値を設定または変更する入力部と、
前記複数の機器の一覧を表示する表示部と、を備えた機器制御システムにおいて、
センサから検出された周辺環境の前記環境データが、前記複数の機器毎の前記環境データにおける閾値を超えた場合、前記環境データが閾値を超えた機器の優先度が高く前記表示部に表示されることを特徴とする機器制御システム。
【請求項4】
コンピュータに、
複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部、
制御対象である前記複数の機器を制御するユーザの操作が入力され、前記記憶部が記憶する環境データの閾値を設定または変更する入力部、および
前記複数の機器の一覧を表示部に表示させる処理部、としての機能を実行させるプログラムにおいて、
前記処理部は、センサから検出された周辺環境の前記環境データが、前記複数の機器毎の前記環境データにおける閾値を超えた場合、前記環境データが閾値を超えた機器の優先度を高く前記表示部に表示させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部を備え、
前記複数の機器を一覧で表示部に表示させるコントローラにおいて、前記複数の機器毎に対応した周辺環境の前記環境データにおける閾値が設定されており、前記環境データが閾値を超えた機器を優先的に表示させ、
前記記憶部が記憶する前記環境データの閾値は、ユーザの入力部への操作入力に基づいて、設定または変更されることを特徴とするコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク内の複数の機器を制御する機器制御システム、プログラム及びコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の範囲の機器を統合して管理する、いわゆるホームネットワーク等において、制御対象である機器を制御する機器制御システムが知られている。このような機器制御システムは、ネットワーク内の機器を表示する表示部を備えるリモートコントローラ(操作端末)により、表示された機器の制御を行うことができる(特許文献1参照)。
【0003】
このような機器制御システムでは、制御対象となり得る機器の数が増えると、一度に機器の一覧を表示部に表示することが難しくなる。これに対して、リモートコントローラは、表示画面を複数頁生成し、頁を切り替えることにより、制御すべき機器を選択可能とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−87275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
制御対象となり得る機器の数が増え、機器の選択画面が複数頁ある場合において、目的の機器を操作する際、頁を切り替える為のリモートコントローラに対する操作回数が増え、ユーザの利便性を損なう虞がある。
【0006】
本発明は、ユーザの利便性を向上させることができる機器制御システム、プログラム及びコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る機器制御システムは、制御対象である複数の機器の一覧を表示部に表示させる処理部と、前記複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部と、を備え、前記処理部は、センサから検出された
前記環境データが閾値を超えた機器に対して、前記表示部に表示させる優先度を高く設定
し、前記記憶部が記憶する前記環境データの閾値は、ユーザの入力部への操作入力に基づいて、設定または変更されることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様に係るプログラムは、コンピュータに、
複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部、および、センサから検出された
前記環境データが、
前記記憶部に記憶された制御対象である
前記複数の機器毎の前記環境データにおける閾値を超えた場合、前記環境データが閾値を超えた機器に対して表示部に表示させる優先度を高く設定する処理部、としての機能を実行させ
、前記記憶部が記憶する前記環境データの閾値は、ユーザの入力部への操作入力に基づいて、設定または変更されることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の態様に係る機器制御システムは、
複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部と、制御対象である
前記複数の機器を制御する
ユーザの操作が入力され
、前記記憶部が記憶する前記環境データの閾値を設定または変更する入力部と、前記複数の機器の一覧を表示する表示部と、を備えた機器制御システムにおいて、センサから検出された周辺環境の
前記環境データが、前記複数の機器毎の前記環境データにおける閾値を超えた場合、前記環境データが閾値を超えた機器の優先度が高く前記表示部に表示されることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の態様に係るプログラムは、コンピュータに、
複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部、制御対象である
前記複数の機器を制御する
ユーザの操作が入力され、
前記記憶部が記憶する前記環境データの閾値を設定または変更する入力部
、前記複数の機器の一覧を表示部に表示させる処理部
、としての機能を実行させるプログラムにおいて、前記処理部は、センサから検出された周辺環境の
前記環境データが、前記複数の機器毎の前記環境データにおける閾値を超えた場合、前記環境データが閾値を超えた機器の優先度を高く前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の態様に係るコントローラは、
複数の機器毎に、周辺環境の環境データにおける閾値を記憶する記憶部を備え、前記複数の機器を一覧で表示部に表示させ、
前記複数の機器毎に対応した周辺環境の
前記環境データにおける閾値が設定されており、前記環境データが閾値を超えた機器を優先的に表示させ
、前記記憶部が記憶する前記環境データの閾値は、ユーザの入力部への操作入力に基づいて、設定または変更されることを特徴とするコントローラ。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上する機器制御システム、プログラム及びコントローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係る機器制御システムの基本的な構成を説明する模式的なブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る機器制御システムが備えるリモートコントローラを説明する模式的なブロック図である。
【
図3】(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る機器制御システムが備えるリモートコントローラのタッチパネルの表示画面の一例である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る機器制御システムに用いる優先度テーブルを図示した一例である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る機器制御システムに用いる優先度テーブルを図示した一例である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る機器制御システムに用いる優先度テーブルを図示した一例である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る機器制御システムに用いる優先度テーブルを図示した一例である。
【
図8】本発明の実施の形態に係る機器制御システムに用いる優先度テーブルを図示した一例である。
【
図9】本発明の実施の形態に係る機器制御システムに用いる優先度テーブルを図示した一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法、及びこれらの装置を用いたシステムを例示するものであって、本発明の技術的思想は、下記の実施の形態に例示した装置や方法、及びこれらの装置を用いたシステムに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
(機器制御システム)
本発明の実施の形態に係る機器制御システムは、
図1に示すように、リモートコントローラ1と、リモートコントローラ1による制御対象である複数の機器2a,2b,2c,2d,2e,2fと、センサ3a,3bとを備える。リモートコントローラ1は、機器2a〜2fの動作を制御するコントローラである。機器2a〜2fは、例えば、照明機器、エアコン、電動式の天窓、床暖房、給排気ファン、電動シャッタ、給湯器、電気錠、カメラ、洗濯機等、種々の電気機器とすることができる。
【0016】
センサ3a,3bは、周辺環境の環境データを検出する。センサ3a,3bは、例えば、温度センサ、照度センサ、湿度センサ等である。この場合、センサ3a,3bは、環境データとして温度、湿度、照度等を検出する。センサ3a,3bは、機器2a〜2fが設置される部屋、廊下等の空間に設置されてもよく、機器2a〜2fが内部に備えてもよい。この他、環境データを検出するデータは、リモートコントローラ1が内部に備えるようにしてもよい。
【0017】
リモートコントローラ1は、
図2に示すように、通信部11と、処理部12と、記憶部13と、センサ部14と、表示部15と、入力部16とを備える。リモートコントローラ1は、例えば、可搬型であり、通信部11により、機器2a〜2fに機器2a〜2fを制御する制御信号を無線送信することができる。通信部11は、機器2a〜2f、センサ3a,3bに通信可能に接続する。
【0018】
処理部12は、リモートコントローラ1の各部が行う種々の演算を処理する。記憶部13は、処理部12による処理に必要なプログラムファイル、一時ファイル等の種々のデータを記憶する。センサ部14は、例えば、センサ3a,3bと同等センサから構成され、周辺環境の環境データを検出することができる。
【0019】
表示部15は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置で構成される。入力部16は、タッチセンサ、各種スイッチ等の入力装置で構成され、機器2a〜2fを制御するユーザの操作を入力する。表示部15及び入力部16は、入力装置とディスプレイ装置とを応用した構成としてタッチパネル(15,16)としてもよい。
【0020】
例えば、タッチパネル(15,16)の表示部15は、
図3に示すように、制御対象である機器2a〜2fの一覧を表示する。機器2a〜2fの数が多く、一度に機器2a〜2fの一覧を表示できない場合、処理部12は、表示画面を複数頁生成し、頁を切り替えることにより、タッチパネル(15,16)の表示部15に機器2a〜2fの一覧を表示させる。頁の切り替えは、例えば、入力部16に対するユーザの入力により行われる。
【0021】
処理部12は、表示部15に表示される機器2a〜2fに対して、優先度を設定し、優先度の高い機器から順に優先的に表示させる。
図3に示す例では、第1頁を示す
図3(a)の左端(寝室照明)から右端(浴室乾燥機)、次いで、第2頁を示す
図3(b)の左端(照明A)から右端(IH調理器)の順で高い優先度となっている。ユーザは、一覧から制御対象の機器を選択し、入力部16に対する操作入力により、所望の制御を行うことができる。
【0022】
記憶部13は、処理部12が優先度の設定に用いる優先度テーブルを記憶する。優先度テーブルは、例えば、
図4に示すように、機器2a〜2f毎に、環境データの閾値を記憶する。
図4に示す例では、環境データは温度であり、例えば機器「電気ストーブ」の閾値は「13℃以下」である。記憶部13が記憶する環境データの閾値は、入力部16からの操作入力より、適宜変更、設定されてよい。その他、記憶部13が記憶する優先度テーブルは、
図5に示すように、機器2a〜2f毎に、機器2a〜2fに対する入力部16の操作回数等を記憶する。
【0023】
処理部12は、センサ3a,3bが検出した環境データを入力すると、記憶部13が記憶する優先度テーブルを参照し、機器2a〜2fに対して、表示部15に表示させる優先度を設定する。すなわち、処理部12は、環境データの閾値を超えた機器に対して、優先度を高く設定する。
【0024】
例えば、センサ3が環境データとして温度14℃を検出した場合において、環境データの閾値「15℃以下」を超えた機器は「床暖房」である。よって、処理部12は、番号「3」の機器「床暖房」の行を、番号「1」へと繰り上げ、優先度を高く設定する。
【0025】
例えば、表示部15の表示画面に、機器の一覧の第1頁として「電気ストーブ」、「エアコン」の2つのみが表示され、「床暖房」が第2頁として表示される場合を考える。この場合、「床暖房」の環境データが閾値を超えたため、「床暖房」の優先度が高く設定され、機器の一覧の第1頁に表示されるようになる。
【0026】
処理部12は、環境データが閾値を超えた機器が複数ある場合、更にユーザが所望する制御対象である可能性が高い機器に対して、優先度を更に高く設定することができる。例えば
図5に示すように、環境データが温度12℃である場合、すべての機器2が閾値を超え、優先度を高くする対象となってしまう。
【0027】
処理部12は、優先度テーブルの操作回数を参照し、操作回数の多い機器から順に高い優先度となるように、更に優先度を設定する。よって、処理部12は、環境データが閾値を超えた機器が複数ある場合、利用頻度の高いと考えられる機器2a〜2fから優先的に表示部15に表示させることができる。
【0028】
また、優先度テーブルは、機器2a〜2f毎に、任意に設定可能な任意優先度が設定されてもよい。例えば
図6に示すように、優先度テーブルは、機器「エアコン」に任意優先度(
図6等において単に「優先度」と表示)が設定されている。処理部12は、温度12℃で、操作回数の多い機器から順に「電気ストーブ」、「床暖房」、「エアコン」となる場合であっても、「エアコン」に任意優先度が設定されており、「エアコン」の優先度を最高にすることができる。任意優先度がレベルを有する場合、処理部12は、任意優先度の高い順に、優先度を更に高く設定するようにしてもよい。
【0029】
また、優先度テーブルの「操作回数」の項は、時間帯毎に記憶されてもよい。例えば、
図7、
図8、
図9に示すように、「朝」、「昼」、「夜」のように時間帯を区分けし、処理部12は、ユーザが操作する時間帯に応じた「操作回数」の項を参照するようにすればよい。時間帯は、例えば、朝を6時〜9時、昼を9時〜16時、夜を16時〜6時のように設定できる。時間帯の設定は、入力部16からのユーザの入力により、例えば朝:5時〜8時、昼:8時〜17時、夜:17時〜5時のように変更、設定可能である。
【0030】
例えば、朝7時にユーザがリモートコントローラ1を操作する場合、時間帯は「朝」に該当し、
図7に示す操作回数を参照し、「電気ストーブ」、「エアコン」、「床暖房」の順に優先度を更に高く設定する。
【0031】
本発明の実施の形態に係る機器制御システムによれば、ユーザが所望する制御対象である可能性が高い機器を優先的に表示できるため、不要な操作を省略することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0032】
また、本発明の実施の形態に係る機器制御システムによれば、入力部からの入力により、環境データの閾値、優先度等を任意に設定できるため、各ユーザの生活スタイルにあった設定を行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0033】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0034】
機器2a〜2f、センサ3a,3b等の数は、例示であり、本発明の実施の形態において説明した数に限るものではない。また、通信方式は、本発明の実施の形態において説明した方式に限るものではなく、有線または無線を適宜選択することができる。
【0035】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0036】
1…リモートコントローラ
2…機器
3…センサ
11…通信部
12…処理部
13…記憶部
15…表示部
16…入力部