(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係るプログラムを実行するゲームシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。図示のように、ゲームシステム1は、複数の端末10と、ゲームサーバ12Aと、画像認識サーバ12B等の情報処理装置を備える。これらの情報処理装置は、インターネットやイントラネット等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
端末10は、画像情報を用いたゲームをプレイヤに提供するものである。端末10は、例えば、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ、アーケードゲーム装置、又は、コンシューマゲーム装置等の情報処理装置(コンピュータ)である。本実施形態では、端末10が携帯電話である場合を説明する。上記画像情報は、端末10が備えるカメラ(画像撮影手段)で撮影して取得されたものであっても、他の端末やカメラと通信して取得されたものであっても、通信ネットワークNT上に接続されている不図示の装置からダウンロードして取得されたものであってもよい。本実施形態では、画像情報は、プレイヤがカメラで撮影して取得されたものとして説明する。
【0014】
ゲームサーバ12Aは、例えば、プレイヤに関する各種情報を管理したり、ゲームの一部の処理を実行したりする等、端末10がゲームを提供する上でその一部の機能を担う情報処理装置である。本実施形態では、ゲームサーバ12Aは、端末10から画像情報等を受信する。
【0015】
画像認識サーバ12Bは、ゲームサーバ12Aを介し、端末10から画像情報を受信し、受信した画像情報に対して画像認識処理を行う情報処理装置である。
【0016】
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態における端末10のハードウェア構成について説明する。
【0017】
図2は、本実施形態における端末10のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。図示のように、端末10は、主制御部20と、タッチパネル22と、カメラ24と、移動体通信用アンテナ30と、移動体通信部32と、無線LAN通信用アンテナ34と、無線LAN通信部36と、記憶部38と、スピーカ42、マイクロフォン44と、ハードボタン46と、ハードキー48等の構成を備える。
【0018】
主制御部20には、上述の構成のうち主制御部20以外の他の構成が接続されている。主制御部20は、他の構成を各種制御する。
【0019】
タッチパネル22は、表示装置及び入力装置の両方の機能を備え、表示機能を担うディスプレイ(表示画面)22Aと、入力機能を担うタッチセンサ22Bとで構成される。ディスプレイ22Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの一般的な表示デバイスにより構成される。タッチセンサ22Bは、ディスプレイ22Aの上面に配置された接触操作を検知するための素子およびその上に積層された透明な操作面を備えて構成される。タッチセンサ22Bの接触検知方式としては、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式など既知の方式のうちの任意の方式を採用することができる。
【0020】
タッチパネル22は、主制御部20による記憶部38に記憶されているゲームプログラム40の実行により生成されるゲーム画面を表示する。入力装置としてのタッチパネル22は、操作面に対して接触する接触物(遊技者の指やタッチペンなどを含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する)の動作を検知することで、操作入力を受け付け、その接触位置の情報を主制御部20に与える。指の動作は、接触点の位置または領域を示す座標情報として検知され、座標情報は、例えば、タッチパネル22の短辺方向および長辺方向の二軸上の座標値として表される。
【0021】
端末10は、移動体通信用アンテナ30や無線LAN通信用アンテナ34を通じて通信ネットワークNTに接続され、ゲームサーバ12Aとの間でデータ通信をすることが可能である。
【0022】
記憶部38には、例えば、本実施形態に係るゲームプログラム40等が記憶されている。
【0023】
図3は、
図1に示すゲームサーバ12Aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示のように、ゲームサーバ12Aは、ハードウェア構成として、制御装置50と、通信装置56と、記憶装置58と、を備える。制御装置50は、CPU52及びメモリ54を主に備える。
【0024】
制御装置50では、CPU52がメモリ54或いは記憶装置58等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能実現手段として機能する。この機能実現手段の詳細については後述する。
【0025】
通信装置56は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置56は、例えば、端末10との間で各種の情報を送受信する。
【0026】
記憶装置58は、ハードディスク等で構成される。記憶装置58は、制御装置50における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0027】
なお、ゲームサーバ12Aは、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、ゲームサーバ12Aは、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
【0028】
また、
図3は、ゲームサーバ12Aが有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、ゲームサーバ12Aは、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、画像認識サーバ12Bのハードウェア構成も、上述したゲームサーバ12Aのハードウェア構成と同様であるので、その説明は省略する。
【0029】
<ゲーム概要>
次に、本実施形態に係るゲームプログラム40を端末10が実行することにより実現されるゲームの概要を説明する。
【0030】
ゲームとしては、画像情報を用いたゲームであれば特に限定されない。その一例としては、ロールプレイングゲームや、アクションゲーム、パズルゲーム、シューティングゲーム等が挙げられる。本実施形態では、例えばゲームがロールプレイングゲームであって、プレイヤが現実世界に存在する様々な物体をカメラ24で撮影することで現実世界に隠れているモンスターを発見・捕獲しながら、ストーリーを進めるゲームである場合を説明する。本ゲームの世界観は、現実世界でモンスターを発見して捕獲するという特徴から、完全なファンタジーではなく、現実と空想の合間、空想科学世界を構築している。本ゲームでは、捕獲したモンスターを用いてライバル等と戦闘したり、育成したり、交換したり、捕獲したモンスターと戦闘することができる。また本ゲームでは、特別なアイテム「レンズ」(後述する「画像認識関数」に相当)を獲得し、獲得したレンズを用いることで新しいモンスターを発見できるようになったり、モンスターとモンスターを配合して新しいモンスターを生み出したりといった楽しみがある。
【0031】
図4は、端末10に表示される戦闘画面の一例を説明する図である。図示のように、戦闘画面60は、一又は複数のプレイヤキャラクタ62と、一又は複数の敵キャラクタ64と、を含む。
【0032】
プレイヤキャラクタ62及び敵キャラクタ64には、例えば、能力値、体力値(HP)や習得した技能等のステータス情報が設定されている。プレイヤキャラクタ62又は敵キャラクタ64が相手方から攻撃されることによって、設定されているHPが「0」になると、HPが「0」になったプレイヤキャラクタ62又は敵キャラクタ64は死亡し、戦闘画面60から消える。プレイヤは、プレイヤキャラクタ62を操作して、敵キャラクタ64を攻撃して当該敵キャラクタ64を全て死亡させることで、戦闘に勝利することができる。
【0033】
プレイヤキャラクタ62には、ステータス情報の一つとしてのレベルが設定されている。このレベルは、プレイヤキャラクタ62の強さの段階を表すものであり、レベルが上昇することによって、他のステータス情報が向上するようになっている。また、プレイヤ自身にもレベルと同様のランクが設定されている。
【0034】
プレイヤキャラクタ62のレベルは、第1パラメータに基づいて上昇してもよい。また、第1パラメータと第2パラメータの両方に基づいて上昇してもよい。第1パラメータとしては、例えば、敵キャラクタ64との戦闘に勝つことにより得られる経験値やコイン等が挙げられる。第2パラメータとしては、例えば、プレイヤがプレイヤキャラクタ62(プレイヤが既に保有しているモンスター)と同じモンスターを捕獲等した場合に上昇するプレイヤキャラクタ62の魅力等が挙げられる。本実施形態では、コインとプレイヤキャラクタ62の魅力の両方がそれぞれ一定値に達するとレベルが一つ上昇する。
【0035】
<機能構成>
次に、ゲームシステム1の機能的な構成(機能構成)について説明する。
【0036】
図5は、ゲームシステム1の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。図示のように、ゲームシステム1は、抽出手段104を備える。抽出手段104は、ゲームに使用される複数のゲーム要素の中から画像情報及び関連情報等の判断材料に基づいて画像情報及び関連情報に関係するゲーム要素を抽出する抽出処理に係る処理を実行し、抽出結果を取得する機能手段である。抽出手段104は、例えば、抽出要求手段104Aと、抽出処理手段104Bと、画像認識手段104Cとを備える。これら抽出要求手段104Aと、抽出処理手段104Bと、画像認識手段104Cは、全て一つの装置に設けられてもよく、機能毎に異なる装置に設けられてもよい。本実施形態では、抽出要求手段104Aは端末10に設けられ、抽出処理手段104Bはゲームサーバ12Aに設けられ、画像認識手段104Cは画像認識サーバ12Bに設けられる場合を説明する。なお、これら抽出要求手段104Aと、抽出処理手段104Bと、画像認識手段104Cの各機能の説明は後述する。
【0037】
端末10は、ゲーム進行手段100を備える。ゲームサーバ12Aは、抽出処理手段104Bと、記憶手段120と、を備える。画像認識サーバ12Bは、画像認識手段104Cと、記憶手段130と、受付手段132と、を備える。
【0038】
まず、記憶手段120と記憶手段130について説明する。記憶手段120と記憶手段130は、
図3に示す一又は複数の記憶装置58で実現される。
【0039】
記憶手段120には、例えば、プレイデータ120Aと、ゲーム要素テーブル120Bと、が記憶されている。プレイデータ120Aは、プレイヤのプレイヤ識別情報に対応付けられている。
【0040】
プレイデータ120Aは、ゲームプログラム40が生成したゲームデータであって、プレイヤによるゲームのプレイ状況を示すデータである。このプレイ状況には、プレイヤがクリアしたゲームステージ数(ゲームの進行状況)、ユーザが操作するキャラクタのレベル、獲得ポイント、獲得アイテム、プレイ時間等の情報が含まれる。なお、プレイヤ識別情報としては、ゲームをプレイする前にWebサイト上において予め登録するプレイヤIDや、端末10の端末ID等が挙げられる。
【0041】
ゲーム要素テーブル120Bには、例えば、物体を特定するための物体識別情報(物体情報)や関連情報が対応付けられたゲーム要素群(複数のゲーム要素)が記述されている。このテーブルの具体例については後述する。ゲーム要素としては、上述したモンスターのように、ゲームのプレイヤに付与されるキャラクタであってもよいし、キャラクタ以外の戦艦や戦闘機等のユニットであってもよいし、武器や防具等のゲームアイテムや、新しいクエスト、特別なクエスト、仮想通貨、あるキャラクタとの対戦権等であってよい。本実施形態では、ゲーム要素がモンスターである場合を説明する。
【0042】
記憶手段130には、例えば、複数の学習データ130Aと、複数の画像認識関数130Bと、が対応付けられて記憶されている。
【0043】
複数の学習データ130Aはそれぞれ、物体の画像と物体識別情報の組み合わせのデータを複数含む。複数の学習データ130Aはそれぞれ、現実世界に存在する物体の種類に応じて作成・設定されており、例えば、生き物系や食べ物系、道具系等が設定されている。生き物系の学習データ130Aとしては、例えば、さんまの画像と「さんま」という識別情報の組み合わせのデータ、さばの画像と「さば」という識別情報の組み合わせのデータ等が挙げられる。食べ物系の学習データ130Aとしては、りんごの画像と「りんご」という識別情報という組み合わせのデータ、みかんの画像と「みかん」という識別情報の組み合わせのデータ等が挙げられる。
【0044】
複数の画像認識関数130Bは、学習データ130Aと同様に、例えば生き物系や食べ物系、道具系等、物体の種類に応じて設定され、対応する種類の物体を認識するためのものとして記憶手段120に記憶されている。また、複数の画像認識関数130Bは、互いに入出力関係が異なっている。画像認識関数130Bは、対応する学習データ130Aに基づき図示しない関数生成手段によって生成される。例えば、生き物系の画像認識関数130Bは、対応する生き物系の学習データ130Aに基づき生成される。この画像認識関数130Bは、API(Application Programming Interface)等で構成される。なお、プレイヤに対する画像認識関数130Bの表現は、特定の物体に関係するモンスターを発見しやすいカメラ24のレンズを選ばせる感覚を与えるために、いきものレンズや食べ物レンズ等、プレイヤにとってより親しみやすい表現に変更してもよい。また、複数の画像認識関数130Bのうちプレイヤが指定可能な画像認識関数は、プレイヤ毎のプレイデータ120Aに記憶されている。
【0045】
上記画像認識関数130Bに画像情報が入力されると、画像認識関数130Bは、当該画像情報を解析し、画像情報内の物体の物体情報を決定して出力する。この物体情報としては、物体の名称やID等の物体識別情報の他、物体の形状情報、物体の状態情報(物体が生き物であれば例えば年齢、性別、健康状態等)、物体の位置情報等が挙げられる。本実施形態では、物体情報は、物体識別情報(ID)である場合を説明する。一例として、画像認識関数130Bに鮭の画像情報が入力されると、鮭のID或いは魚のID等が出力される。なお、学習データ130Aと画像認識関数130Bは、適宜、後述する画像認識手段104Cによって更新される。
【0046】
次に、端末10のゲーム進行手段100について説明する。
【0047】
ゲーム進行手段100は、主制御部20がゲームプログラム40を実行することにより実現される。ゲーム進行手段100は、プレイヤの操作に応答して、ロールプレイングゲームを進行する機能手段である。ゲーム進行手段100は、取得手段102と、抽出要求手段104Aと、報知手段106と、色表示手段108と、制限手段110と、変更手段112と、解除手段114等の機能手段を含む。ゲーム進行手段100は、ゲームの進行中に、適宜、これらの機能手段(サブルーチン)を呼び出して実行する。
【0048】
取得手段102は、画像情報及び当該画像情報に関連する関連情報を取得する機能手段である。本実施形態では、取得手段102は、プレイヤの操作に基づき、カメラ24を制御し、物体を撮影することで画像情報及び関連情報を取得する。関連情報は、取得手段102が画像情報を解析することなしに得られるものを含むだけでなく、取得手段102が画像情報を解析することにより得られるものを含んでもよい。関連情報としては、例えば、撮影した画像情報内の色情報や、物体を撮影した時の照度情報、物体を撮影した時の時間情報(時刻情報、日付情報、年月情報を含む。)、物体を撮影した時の端末10の傾き情報(仰角の情報を含む)等を含む。本実施形態では、色情報は取得手段102が画像情報を解析することで取得する。この色情報は、例えば、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)の三つの成分で表現されたHSV値であっても、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の組合せで表現されたRGB値であってもよい。この色情報は、画像の中心に位置する画素の色情報であってもよいし、画像情報を構成する各画素の平均値であってもよい。
【0049】
抽出要求手段104Aは、抽出処理に係る処理として、取得手段102が取得した画像情報及び関連情報を含む抽出要求をゲームサーバ12Aに送信する機能手段である。これにより、抽出要求手段104Aは、ゲームサーバ12Aを介して画像認識サーバ12Bに対して画像情報を解析させて画像情報内の物体の物体識別情報を決定させ、ゲームサーバ12Aに対してゲーム要素テーブル120Bにおける複数のモンスターの中から物体識別情報及び関連情報に基づいてモンスター(の識別情報)を抽出させ、抽出結果をゲームサーバ12Aから受信することで取得する。
【0050】
報知手段106は、モンスターが抽出された場合に抽出結果を報知する機能手段であって、ゲーム要素が抽出されている間に、言い換えれば、ゲーム要素が抽出される前に、取得手段102が取得した関連情報に基づいて抽出結果の事前情報を報知する機能手段である。本実施形態では、関連情報毎に事前情報が設けられており、報知手段106は、複数の事前情報の中から取得手段102が取得した関連情報に対応する事前情報を選択(決定)し、選択した事前情報を報知する。この事前情報は、コメントや、音、画像、動画、振動、臭い等の情報を含む。また、事前情報は、抽出処理手段104Bの抽出結果を示唆する示唆情報を含んでもよい。なお、事前情報の報知は、モンスターの抽出結果の報知に至る演出の一つと考えることができ、この考えに基づき、事前情報の報知を「一次演出」と表現し、抽出結果の報知を「二次演出」と表現してもよい。
【0051】
色表示手段108は、撮影時(実際に撮影する前であってカメラ24が起動した後も含む)に、取得手段102を介して、画像情報内の色情報、例えば画像情報内の物体の色情報を取得し、取得した色情報を端末10に表示する機能手段である。色情報の表示方法は特に限定されないが、本実施形態では、色表示手段108は、複数の色をグラデーションで表現したカラーパレット(カラー表示計)を端末10に表示し、当該カラーパレットにおいて、取得した色情報に対応する位置に目印(カーソル)を設けることで、取得した色情報を表示する。
【0052】
制限手段110は、所定の画像認識関数に設定された設定情報に基づき、当該所定の画像認識関数を画像認識手段104Cが選択して利用することを制限する機能手段である。設定情報としては、所定の画像認識関数の選択可能回数(第1閾値)や選択可能期間(第2閾値)、選択可能レベル(第3閾値)、選択可能ゲーム進行度合(第4閾値)等が挙げられる。本実施形態では、画像認識関数130Bは、設定情報として選択可能回数や選択可能期間が設定された関数を含んでいる。そして、制限手段110は、画像認識手段104Cによる所定の画像認識関数の選択回数が、設定されている選択可能回数に達した場合や、現在の日時が、設定されている選択可能期間以外である場合、当該所定の画像認識関数を画像認識手段104Cが選択して利用することを制限する。
【0053】
変更手段112は、プレイヤがゲームに関する第1条件を満たした場合、対応するプレイヤのプレイデータ120Aを参照し、当該対応するプレイヤが指定可能な関数を変更(増減)する。第1条件としては、プレイヤによってある関数に対応する量の仮想通貨が支払われたという条件や、特別な敵キャラクタ64を倒したという条件、プレイヤのランクが所定値まで上昇したという条件、所定のプレイヤキャラクタ62のレベルが所定値まで上昇したという条件、ゲームが所定の進行度合に到達したという条件、特別なプレイヤキャラクタ62を捕獲したという条件等が挙げられる。
【0054】
解除手段114は、抽出手段104が抽出の際に判断材料として利用する関連情報のうち少なくとも一部がロック(利用できない状況に)されている場合において、ゲームに関する第2条件を満たしたとき、そのロックを解除する機能手段である。第1条件と第2条件は、同じであっても、異なっていてもよい。なお、抽出処理手段104Bは、物体情報、及び解除手段114によって解除された関連情報に基づきモンスターを抽出する。
【0055】
次に、ゲームサーバ12Aの抽出処理手段104Bについて説明する。
抽出処理手段104Bは、抽出要求手段104Aの抽出要求に応答して、ゲーム要素テーブル120Bを参照し、判断材料としての、画像情報から解析された物体識別情報及び関連情報に基づいて、モンスター群の中から物体識別情報及び関連情報に関係する一以上のモンスターを抽出する機能手段である。
【0056】
次に、画像認識サーバ12Bの受付手段132と画像認識手段104Cについて説明する。
【0057】
受付手段132は、画像情報等を含む画像認識要求をゲームサーバ12Aから受け付ける機能手段である。
【0058】
画像認識手段104Cは、受付手段132が画像情報等を含む画像認識要求をゲームサーバ12Aから受け付けた場合、これに応答して、複数の画像認識関数130Bの中から所定の条件に従って、少なくとも一つの画像認識関数を選択し、選択した画像認識関数を利用して、画像認識要求に含まれる画像情報を解析し、当該画像情報内の物体の物体識別情報を認識(決定)する機能手段である。画像認識手段104Cは、認識結果(物体識別情報)を、ゲームサーバ12Aに返信する。なお、画像認識関数130Bの選択方法は特に限定されないが、画像認識手段104Cは、プレイヤが予め選択しているものを決定してもよいし、複数の画像認識関数130Bの中から予め定められた順番に従って画像認識要求をゲームサーバ12Aから受け付ける度に選択してもよいし、画像認識要求をゲームサーバ12Aから受け付けてから物体の物体識別情報を決定する間に一定秒数ごとに複数の画像認識関数130Bの中から予め定められた順番に従って切り替え(選択)してもよいし、抽選により選択してもよいし、端末10が有する各種入力手段から得られる各種情報(位置情報、加速度情報など)に従って選択してもよいし、他の端末から得られる各種情報(近距離無線通信から得られる情報を含む)に従って選択してもよい。
本実施形態では、画像認識関数を選択するための所定の条件として、予め撮影の段階等において、ゲーム進行手段100が複数の画像認識関数130Bの中から一つの画像認識関数をプレイヤに選択(指定)させておき、指定された画像認識関数を特定するための指定情報を受け付けておく。そして、受付手段132は、端末10からゲームサーバ12Aを介して、指定情報を受け付け、画像認識手段104Cは、指定情報に基づいて選択する。
【0059】
<ゲーム要素テーブル120Bの構造>
次に、ゲーム要素テーブル120Bのデータ構造について説明する。
【0060】
図6は、ゲーム要素テーブル120Bのデータ構造の一例を示す図である。図示のように、ゲーム要素テーブル120Bには、条件番号毎に、関連情報(色情報、照度情報、方位情報、時刻情報)と、物体識別情報と、重みと、ゲーム要素としてのモンスターの識別情報(モンスター識別情報)と、対応ランク等の情報がそれぞれ対応付けられて記述されている。このゲーム要素テーブル120Bでは、例えば条件番号1と条件番号10000のように、物体識別情報が「りんご」と「猫」のように異なると、モンスター識別情報が「A」と「AB」となり、異なるようになっている。また、このゲーム要素テーブル120Bでは、例えば条件番号1と条件番号2のように、物体識別情報が互いに同じ「りんご」でも、関連情報が異なれば、モンスター識別情報が「A」と「B」となり、異なるようになっている。
【0061】
ゲーム要素テーブル120Bの情報のうち、例えば時刻情報は、時間帯で表現されてもよいし、朝の時刻、昼の時刻、夜の時刻等で表現されてもよい。モンスター識別情報は、原則、条件毎に異なっているが、一部の条件番号同士では同じであってもよい。対応ランクは、プレイヤのランクが当該対応ランクに達していないと、その対応ランクに対応する条件番号のモンスターが抽出されず、プレイヤのランクが当該対応ランクに達していると、その対応ランクに対応する条件番号のモンスターが初めて抽出されるようになるものである。
【0062】
<ゲームシステム1の処理の流れ>
次に、以上説明したゲームシステム1の処理の流れについて説明する。
図7は、ゲームシステム1の処理の流れのうち、本実施形態に係るゲームプログラム40を端末10が実行した場合における端末10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0063】
(ステップSP100)
ゲーム進行手段100は、ゲームのメニュー画面を端末10に表示する。そして、処理は、ステップSP102の処理に移行する。
【0064】
(ステップSP102)
ゲーム進行手段100は、プレイヤの操作によって戦闘要求を受け付けたか否かを判定する。そして、肯定判定された場合には、処理は、ステップSP104の処理に移行し、否定判定された場合には、処理は、ステップSP114の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP104)
ゲーム進行手段100は、
図4に示したような戦闘画面60を端末10に表示し、プレイヤキャラクタ62と敵キャラクタ64とを戦闘させる。その戦闘においてプレイヤキャラクタ62が勝利すると、プレイヤに経験値やコインを付与する。具体的には、ゲーム進行手段100は、ゲームサーバ12Aを介して、戦闘に対応する経験値やコインを、プレイヤに対応するプレイデータ120Aに記述されている経験値やコインに加算する。そして、処理は、ステップSP106の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP106)
ゲーム進行手段100は、プレイヤの経験値が閾値に達したか否かを判定する。そして、肯定判定された場合には、処理は、ステップSP108の処理に移行し、否定判定された場合には、処理は、ステップSP114の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP108)
ゲーム進行手段100は、プレイヤのランクを上昇する。そして、処理は、ステップSP110の処理に移行する。
【0068】
(ステップSP110)
ゲーム進行手段100の解除手段114は、ゲームに関する第2条件を満たしたか否か、例えばプレイヤのランクがXの倍数か否かを判定する。なお、Xは正の整数であり、例えば「1」や「5」等である。そして、肯定判定された場合には、処理は、ステップSP112の処理に移行し、否定判定された場合には、処理は、ステップSP114の処理に移行する。
【0069】
(ステップSP112)
解除手段114は、プレイヤのランクに応じて、ロックされている関連情報(例えば方位情報等)を解除する。そして、処理は、ステップSP114の処理に移行する。
【0070】
(ステップSP114)
ゲーム進行手段100は、プレイヤの操作によって捕獲要求を受け付けたか否かを判定する。そして、肯定判定された場合には、処理は、ステップSP116の処理に移行し、否定判定された場合には、処理は、ステップSP118の処理に移行する。
【0071】
(ステップSP116)
ゲーム進行手段100は、モンスターの捕獲処理を行う。この処理の詳細は、後述する。そして、処理は、ステップSP118の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP118)
ゲーム進行手段100は、プレイヤの操作によって購入要求を受け付けたか否かを判定する。そして、肯定判定された場合には、処理は、ステップSP120の処理に移行し、否定判定された場合には、処理は、ステップSP100の処理に戻る。
【0073】
(ステップSP120)
ゲーム進行手段100は、仮想通貨の支払処理を行う。そして、処理は、ステップSP122の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP122)
ゲーム進行手段100の変更手段112は、ゲームに関する第1条件を満たしたか否か、例えば支払処理が完了したか否かを判定する。そして、肯定判定された場合には、処理は、ステップSP124の処理に移行し、否定判定された場合には、処理は、ステップSP100の処理に戻る。
【0075】
(ステップSP124)
変更手段112は、プレイヤが新たなレンズ(画像認識関数)をプレイヤに付与する。具体的には、変更手段112は、ゲームサーバ12Aを介して、当該新たなレンズを、プレイヤに対応するプレイデータ120Aに追加することで、プレイヤが指定可能な画像認識関数を増やす。
【0076】
図8は、
図7に示すステップSP116の捕獲処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。なお、この処理の実行は、内容によって、端末10と、ゲームサーバ12Aと、画像認識サーバ12Bと、に分担される。
【0077】
(ステップSP10)
端末10の取得手段102は、プレイヤによる表示操作に応答して、カメラ24を起動し、撮影画面を表示する。撮影画面には、カメラ24の先にある物体や風景等の画像が映し出される。ここで、取得手段102は、画像の中心に位置する画素の色情報を解析し、端末10の色表示手段108は、例えば二次元のカラーパレットを撮影画面内に表示し、当該カラーパレットにおいて、取得手段102が取得した色情報に対応する位置に目印を設ける。カラーパレットにおいて、ある色の、明度と、色相と、彩度は、異なる方法で表現される。例えば、色の明度は、カラーパレットの中心から外側に向かって変化するように表現される(例えば、中心ほど高く、外側ほど低くなる。)。また、色の色相は、カラーパレットにおいて、円環状に変化するように表現される。また、色の彩度は、カラーパレット全体の色の濃淡が変化するように表現される。
【0078】
図10(A)は、端末10に表示される撮影画面200Aの一例を示した図である。図示のように、撮影画面200Aには、カラーパレット202と、照度表示計206とが設けられている。
【0079】
カラーパレット202は、円形状に形成されており、円形状の内部において複数の色をグラデーションで表現している。このカラーパレット202において、取得手段102が取得した色情報に対応する位置には、カーソル208が設けられている。照度表示計206は、現在の照度の度合(照度情報)を視覚的に表示するものである。
【0080】
図10(B)は、
図10(A)に示す色情報からその明度が高い値に変化した場合のカラーパレットを含む撮影画面200Bの一例を示した図である。
図10(A)及び(B)に示すように、
図10(A)に示す色情報からその明度が高い値に変化すると、カーソル208が中心側に移動する。
【0081】
図11(B)は、
図11(A)に示す色情報からその色相が変化した場合のカラーパレットを含む撮影画面200Cの一例を示した図である。なお、
図10(A)、
図11(A)、
図12(A)に表示される撮影画面は、同じ撮影画面200Aであるものとする。
図11(A)及び(B)に示すように、
図11(A)に示す色情報からその色相が変化すると、カーソル208が同じ円環状の他の位置に移動する。
【0082】
図12(B)は、
図12(A)に示す色情報からその彩度が低い(淡い)値に変化した場合のカラーパレットを含む撮影画面200Dの一例を示した図である。
図12(A)及び(B)に示すように、
図12(A)に示す色情報からその彩度が低い値に変化すると、カラーパレット202全体が淡く変化する。
【0083】
図13(A)及び(B)は、照度表示計206が示す照度情報の変化の様子を説明するための説明図であって、
図13(A)は、照度情報の変化前の様子を説明するための説明図であり、
図13(B)では、照度情報の変化後の様子を説明するための説明図である。
【0084】
図13(A)及び(B)に示すように、照度情報が高くなると、照度表示計206が同心円状に点灯する。
【0085】
以上説明したような撮影画面202A等が端末10に表示されると、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0086】
(ステップSP12)
取得手段102は、プレイヤの撮影指示操作に応答して、物体の画像を撮影し、撮影した画像情報及び関連情報を取得する。また、取得手段102は、プレイヤにより予め指定された画像認識関数130Bを示す指定情報も取得する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0087】
(ステップSP14)
抽出要求手段104Aは、モンスターの抽出処理に係る一部の処理として、画像情報、関連情報及び指定情報を含む抽出要求を生成し、当該抽出要求をゲームサーバ12Aに送信する。そして、処理は、ステップSP16とステップSP30の処理に移行する。なお、ステップSP16の処理とステップSP30の処理は並行して実行される。
【0088】
(ステップSP16)
ゲームサーバ12Aは、抽出要求を端末10から受信する。これに応答して、抽出処理手段104Bは、抽出要求に含まれる画像情報、関連情報及び指定情報を記憶手段120に記憶する。そして、抽出処理手段104Bは、記憶した画像情報及び指定情報を含む画像認識要求を生成し、当該画像認識要求を画像認識サーバ12Bに送信する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0089】
(ステップSP18)
画像認識手段104Cは、画像認識要求をゲームサーバ12Aから受信した場合、これに応答して、複数の画像認識関数130Bの中から指定情報が示す一つの画像認識関数を選択する。
ここで、制限手段110は、選択された画像認識関数に選択可能回数が設定されている場合、当該画像認識関数の選択回数が選択可能回数(例えば1回)に達したか否か判定する。そして、肯定判定した場合には、制限手段110は、選択した画像認識関数に対応するレンズをプレイヤのプレイデータ120Aから削除することで、選択された画像認識関数を画像認識手段104Cが再度選択することを制限する。また、制限手段110は、選択された画像認識関数に選択可能期間が設定されている場合、現在の日時が選択可能期間以外か否か判定する。そして、肯定判定した場合には、制限手段110は、選択された画像認識関数を、通常の画像認識関数等、ダミーの画像認識関数に変更することで、選択可能期間が設定されている画像認識関数を画像認識手段104Cが実際に選択して利用することを制限する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0090】
(ステップSP20)
画像認識手段104Cは、選択した画像認識関数を利用して、画像認識要求に含まれる画像情報を解析し、当該画像情報内の物体の物体識別情報を決定(認識)する。言い換えれば、画像認識手段104Cは、選択した画像認識関数に画像情報を入力し、当該画像認識関数から出力される情報を、画像情報内の物体の物体識別情報として認識する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0091】
(ステップSP22)
画像認識手段104Cは、解析結果(物体識別情報)をゲームサーバ12Aに送信する。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0092】
(ステップSP24)
ゲームサーバ12Aは、解析結果を画像認識サーバ12Bから受信する。これに応答して、抽出処理手段104Bは、ゲーム要素テーブル120Bを参照し、抽出の判断材料としての解析結果(物体識別情報)及び関連情報に基づいて、ゲーム要素群の中から一以上のモンスター識別情報を抽出する抽出処理を実行する。なお、抽出の処理(抽出処理)の詳細は、後述する。また、判断材料となる関連情報は、解除手段114によりロックが解除された関連情報を含む。関連情報が全てロックされている場合は、抽出処理手段104Bは、物体識別情報のみに基づいてモンスター識別情報を抽出する。
抽出処理の後、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0093】
(ステップSP26)
抽出処理手段104Bは、抽出結果(抽出したモンスターの識別情報等)を端末10に送信する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0094】
(ステップSP28)
端末10は、抽出結果をゲームサーバ12Aから受信する。これに応答して、端末10の報知手段106は、端末10のディスプレイ22Aやスピーカ42等に抽出結果を出力(表示等)することで、当該抽出結果をプレイヤに報知する。この際、抽出結果の報知前に、報知手段106は、抽出結果に対応する演出も出力してもよい。また、抽出結果の報知前に、解析結果に要した時間に対応する演出(「お待たせしました」等のコメント)を出力してもよい。
【0095】
図14は、端末10に表示される、抽出結果を含むゲーム画面の一例を示す図である。
図14では、抽出されたモンスターの画像や名前がゲーム画面に設けられている。
【0096】
ここで、抽出処理の際に画像認識を行うと、その分だけ、抽出処理に掛かる処理時間は長くなる。そこで、
図8に戻って、本実施形態では、ステップSP14の後であって、ゲームサーバ12A等によってモンスターが抽出されている間(画像認識の間も含む)に、以下のステップが実行される。
【0097】
(ステップSP30)
端末10の報知手段106は、取得手段102が取得した関連情報に基づき、複数の事前情報の中から、一つの事前情報を選択する。なお、報知手段106は、ゲームサーバ12Aに選択要求を送信し、ゲームサーバ12Aに事前情報を選択させ、その選択結果を受信してもよい。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0098】
(ステップSP32)
報知手段106は、端末10のディスプレイ22Aやスピーカ42等に選択した事前情報を出力(表示等)することで、当該事前情報をプレイヤに報知する。なお、報知内容や報知時間は、抽出結果に要する時間を予測して、その予測時間に応じて変更してもよい。
【0099】
図15(A)〜(E)は、端末10に表示されるゲーム画面であって事前情報を含むゲーム画面の一例をそれぞれ示す図である。
図15(A)〜(E)に示すゲーム画面は、抽出毎に対応するもののみが表示されてもよいし、一回の抽出の際にそれぞれが連続して表示されてもよい。例えば、
図15(B)に示すように、関連情報の色情報が「赤色」を示す場合は、抽出結果も赤色のモンスターとなる可能性があるので、その可能性、すなわち抽出結果を示唆するような、「あかい・・・あかいぞ!」や「モエルゼ」などの示唆情報(コメント)がディスプレイ22Aに表示(報知)される。なお、連続的に事前情報を報知する場合は、後になればなるほど抽出結果をより示唆する示唆情報を報知するようにしてもよい。これにより、プレイヤに与える期待感を徐々に増していくことができる。
【0100】
図9は、
図8に示すステップSP24の処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0101】
(ステップSP50)
抽出処理手段104Bは、例えば
図6に示すゲーム要素テーブル120Bを読み込む。そして、処理は、ステップSP52の処理に移行する。
【0102】
(ステップSP52)
抽出処理手段104Bは、読み込んだゲーム要素テーブル120Bの条件番号群の中から、プレイヤのランクが対応ランクに達していない条件番号を排除する。そして、処理は、ステップSP54の処理に移行する。
【0103】
(ステップSP54)
抽出処理手段104Bは、上記条件を排除した条件番号群の中から、物体識別情報と関連情報の両方に一致する条件番号を検索する。そして、処理は、ステップSP56の処理に移行する。
【0104】
(ステップSP56)
抽出処理手段104Bは、検索結果が一つか否かを判定する。そして、肯定判定された場合には、処理は、ステップSP58の処理に移行し、否定判定された場合には、処理は、ステップSP60の処理に移行する。
【0105】
(ステップSP58)
抽出処理手段104Bは、物体情報と関連情報の両方に一致する条件番号に対応するモンスター(の識別情報)を抽出する。これにより、抽出処理手段104Bはモンスターを抽出する。次に、抽出処理手段104Bは、抽出結果を、抽出要求をしたプレイヤに対応するプレイデータ120Aに反映する。これにより、抽出処理手段104Bは、抽出したモンスターをプレイヤキャラクタ62としてプレイヤに付与する。そして、
図9に示すサブルーチンの処理は終了する。
【0106】
(ステップSP60)
抽出処理手段104Bは、検索結果が複数ある、すなわち条件番号が複数ある場合に、当該複数の条件番号に対応するモンスター毎に重みを取得する。例えば、抽出処理手段104Bは、ある条件に対応付けられているモンスターが他の条件に対応付けられていない場合、当該ある条件に対応付けられている重みを取得する。また、ある条件に対応付けられているモンスターが他の条件にも対応付けられている場合、ある条件に対応付けられている重みと、他の条件に対応付けられている重みを合算することで、当該モンスターの重みを取得する。そして、処理は、ステップSP62の処理に移行する。
【0107】
(ステップSP62)
抽出処理手段104Bは、取得した重みに基づき、物体識別情報と関連情報の両方に一致する条件番号群に対応するモンスターの中から、モンスター(の識別情報)を取得する。これにより、抽出処理手段104Bはモンスターを抽出する。本実施形態では、抽出処理手段104Bは、取得したモンスター毎の重みをそれぞれ、全ての重みの合計値で除算し、モンスター毎の抽出確率を算出する。そして、抽出処理手段104Bは、物体情報と関連情報の両方に一致する条件番号群に対応するモンスターの中から、抽出確率に基づき、モンスター(の識別情報)を抽出する。なお、抽出処理手段104Bは、抽出確率ではなく、取得した重みが最も高いモンスターを抽出してもよい。次に、抽出処理手段104Bは、抽出結果を、抽出要求をしたプレイヤに対応するプレイデータ120Aに反映する。これにより、抽出処理手段104Bは、抽出したモンスターをプレイヤキャラクタ62としてプレイヤに付与する。そして、
図9に示すサブルーチンの処理は終了する。
【0108】
<作用>
以上、本実施形態によれば、画像情報内の物体の物体識別情報に関係するモンスターを抽出するので、例えば画像情報内の色情報が同じであっても、異なるモンスターを抽出することができる。これにより、プレイヤにとって、被写体である物体を適切に選んで画像情報を取得しようという動機が生まれ、ゲームの興趣性を向上することができる。
また、複数のモンスターの中から、物体識別情報に関係するモンスターを抽出するので、抽出されるモンスターは、プレイヤが意図するもの、言い換えれば、プレイヤが画像情報内の物体から予測できるものとなる。これにより、異なる物体を含む画像情報を取得(撮影)しようという動機がプレイヤに生まれ、ゲームの興趣性を向上することができる。
また、実施形態によれば、抽出されるモンスターは、現実世界に存在する物体の物体識別情報に関係するので、現実と空想を繋ぎ、ゲームの世界観を広げることができ、ゲームの興趣性を向上することができる。
また、本実施形態によれば、プレイヤが画像情報内の物体の種類を判断して、その種類に応じた関数を指定しておけば、その指定情報に基づいて、画像情報内の物体の種類に応じて適切な画像認識関数を選択し、当該適切な画像認識関数で物体識別情報を認識することができる。これにより、物体識別情報の誤認識や物体識別のための処理負荷を低減することができる。誤認識を低減することができると、画像情報内の物体の物体識別情報に関係するモンスターを正確に抽出することができる。また、物体識別のための処理負荷を低減することができると、物体識別情報に関係するモンスターの抽出までの待ち時間を軽減することができ、もってプレイヤに与えるストレスを低減することができる。
【0109】
また、本実施形態によれば、プレイヤが画像認識関数の指定情報を変更すれば、撮影した画像情報が全く同じだとしても、参照する画像認識関数が違うことで、結果として決定される物体の物体識別情報が変わり、異なるモンスターを抽出することになるので、プレイヤに対して撮影する行為を飽きさせないようにすることができ、もってゲームの興趣性を向上することができる。例えば、りんごを撮影した場合に、食べ物系の画像認識関数が使用されれば物体識別情報は「りんご」と認識し、道具系の画像認識関数が使用されれば物体識別情報は「ボール」と認識して、それぞれの物体識別情報に対応するモンスターを抽出することになる。
【0110】
また、本実施形態によれば、複数の画像認識関数130Bは、画像認識手段104Cによる選択可能回数が設定された関数を含むので、プレイヤに対して様々な画像認識関数を利用させることができ、もってゲームの興趣性を向上することができる。
【0111】
同様に、本実施形態によれば、複数の画像認識関数130Bは、画像認識手段104Cによる選択可能期間が設定された関数を含むので、プレイヤに対して様々な画像認識関数を利用させることができ、もってゲームの興趣性を向上することができる。
【0112】
また、本実施形態によれば、ゲームに関する条件を満たした場合、プレイヤが新たな画像認識関数を指定することが可能なレンズをプレイヤに付与するので、新たな画像認識関数を利用して新たなモンスターを得ようという動機がプレイヤに生まれ、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0113】
また、本実施形態によれば、ゲームサーバ12Aがモンスターを抽出している間に、すなわち、モンスターの抽出結果を報知するまでのプレイヤの待ち時間の間に、関連情報に基づいて抽出結果の事前情報を報知するので、プレイヤに与えるストレスを低減することができる。この結果、待ち時間の間、プレイヤのゲームに対する興味を維持することができる。
【0114】
また、本実施形態によれば、事前情報として、抽出結果を示唆する示唆情報を報知することで、プレイヤに対して抽出結果に対する期待感を持たせことができる。この結果、待ち時間の間、プレイヤのゲームに対する興味をより維持することができる。
【0115】
また、本実施形態によれば、端末10は、画像情報及び関連情報を含む抽出要求をゲームサーバ12Aに送信する抽出要求手段104Aを含むので、実際に抽出処理するのは、端末10でなく、ゲームサーバ12Aとなる。これによって、端末10の処理負担を軽減するとともに、端末10に比べて一般的に処理能力の高いサーバが処理することで、抽出処理の時間、すなわち、プレイヤの待ち時間を低減することができ、プレイヤに与えるストレスを低減することができる。
【0116】
また、本実施形態によれば、関連情報は、物体を撮影した時の照度情報及び時間情報を含むので、照度情報及び時間情報に応じたモンスターを抽出することができ、もって、同じシーンや物体を撮影した場合であっても、抽出するモンスターに多様性を持たせることができる。また、本実施形態によれば、照度情報又は時間情報に応じた事前情報を報知することができ、もって、同じシーンや物体を撮影した場合であっても、事前情報に多様性を持たせることができる。そして、このように多様性を持たせると、プレイヤのゲームに対する興味をより維持することができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、関連情報は、画像情報内の色情報を含むので、色情報に応じたモンスターを抽出することができ、もって、抽出するモンスターに多様性を持たせることができる。また、本実施形態によれば、色情報に応じた事前情報を報知することができ、もって、事前情報に多様性を持たせることができる。そして、このように多様性を持たせると、プレイヤのゲームに対する興味をより維持することができる。
【0118】
また、本実施形態によれば、関連情報は、物体を撮影した時の端末の仰角情報を含むので、
当該仰角情報に応じたモンスターを抽出することができ、もって、抽出するモンスターに多様性を持たせることができる。例えば、画像情報から物体識別情報として「鳥」を撮影したと判断したときに、更に仰角の情報を加味することで、正面または下方を向けて撮影されていた場合には、飛んでいない鳥を撮影していたと判断し、飛べない鳥である「ダチョウ」を模したモンスターを抽出するように設定し、上方を向けて撮影されていた場合には、飛んでいる鳥を撮影していたとして飛べる鳥である「ツバメ」を模したモンスターを抽出することが可能である。また、本実施形態によれば、仰角情報に応じた事前情報を報知することができ、もって、同じシーンや物体を撮影した場合であっても、事前情報に多様性を持たせることができる。そして、このように多様性を持たせると、プレイヤのゲームに対する興味をより維持することができる。
【0119】
また、本実施形態によれば、抽出されるゲーム要素は、上記モンスターのように、ゲームのプレイヤに付与されるプレイヤキャラクタ62を含むので、プレイヤは撮影をするほどプレイヤキャラクタ62が多くなり、ゲームを有利に進めることができ、もって、プレイヤのゲームに対する興味をより維持することができる。
【0120】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0121】
例えば、上記実施形態では、端末10と、ゲームサーバ12Aと、画像認識サーバ12Bが別々の装置である場合を説明したが、画像認識サーバ12Bの機能は、ゲームサーバ12Aに設けてもよい。また、画像認識サーバ12B及びゲームサーバ12Aの機能は、端末10に設けてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、端末10(ゲームプログラム40)は、抽出手段104として抽出要求手段104Aのみを備える場合を説明したが、抽出処理手段104B又は画像認識手段104Cも備えてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、ゲームプログラム40は、端末10が実行する場合を説明したが、ゲームサーバ12Aが実行してもよい。この場合、ゲームサーバ12Aが、実行結果(ゲーム機能)を端末10に提供する。また、ゲームプログラム40の一部が端末10に記憶され、残りがゲームサーバ12Aに記憶され、それぞれの装置が記憶されたゲームプログラムを共同で実行してもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、抽出処理手段104Bは、物体識別情報及び関連情報に基づいてモンスターを抽出する場合を説明したが、抽出処理手段104Bは、物体識別情報、関連情報、画像情報の構図、端末10の環境情報、及び、プレイヤの操作情報の少なくとも何れか一つに基づいてモンスターを抽出してもよい。構図は、例えば、画像情報内の物体の位置や物体と物体との位置関係等を含む。環境情報は、例えば、端末10の位置情報や設定情報、端末10周囲の気温や温度、天候、臭い等を含む。また、操作情報は、例えば、画像情報を撮影する際に押下する撮影ボタンを押下する押下量や、捕獲する際の操作の順番、操作のタイミング等を含む。このように、プレイヤが同じ物体を撮影した場合であっても、構図や環境情報等に応じて異なるモンスターを抽出することができ、ゲームの興趣性を向上することができる。また、特に、端末10の現実世界での位置情報などを環境情報として使用することで、例えば著名な建物を物体識別情報として取得した位置が、その建物の立地とは全く異なる場所である場合には、該当する著名な建物に基づくモンスターを抽出しない、または抽出し難いように抽出確率を算出する等の処理を行なうことで、不正な要求にペナルティを課すことができる。
【0125】
また、解除手段114は、関連情報のロックを解除する場合を説明したが、環境情報や操作情報等がロックされている場合、これらのロックを解除してもよい。
【0126】
また、画像認識手段104Cは、複数の画像認識関数130Bの中から指定情報が示す一つの画像認識関数を選択する場合を説明したが、画像認識手段104Cは、プレイヤのステータス情報(ランクやゲーム進行度)、関連情報、画像情報の構図、端末10の環境情報、及び、プレイヤの操作情報の少なくとも何れか一つに基づいて選択してもよい。例えば、画像認識手段104Cは、プレイヤのランクが高いほど、画像認識の精度が高い画像認識関数を選択するようにしてもよい。
【0127】
また、プレイヤは所有するレンズ(画像認識関数)をベースアイテムとし、他のレンズを素材アイテムとして合成ができることとしてもよい。例えば、或るレンズがベースアイテムとして合成が行われた場合、そのレンズのモンスターを発見できる確率が上昇する。他にも、例えば、或るレンズ(例えば生き物レンズ)と他のレンズ(例えば食べ物レンズ)が合成された場合、生き物と食べ物が識別可能なレンズになる。
【解決手段】情報処理装置が、画像情報を受け付ける受付手段132と、複数の関数のうち少なくとも一つを利用して、画像情報内の物体の物体情報を認識する画像認識手段104Cと、複数のゲーム要素の中から前記物体情報に関係するゲーム要素を抽出する抽出処理手段104Bと、を備える。