(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各々が所定の長さ及び所定の幅を有した放射素子、短絡素子、給電素子から成る逆Fアンテナ導体と、前記逆Fアンテナ導体と同一平面内に配設された接地導体とを備える逆F平面アンテナにおいて、
前記給電素子は、給電点の側に設けられた第1の矩形部と、前記放射素子の側に設けられた第2の矩形部とを含み構成され、
前記接地導体は、前記第1の矩形部の両側に配設され、
前記短絡素子は、前記給電素子の縦方向と同一方向に、前記放射素子と前記接地導体を連結するように配設され、
前記給電素子の縦方向と直交する横方向であって、前記第2の矩形部の左側及び右側のいずれか一方の前記短絡素子側に、前記短絡素子に到達しない所定の長さ及び所定の幅を有した整合素子が配設され、
前記整合素子は、前記放射素子の側に所定の長さを有した第1の整合部が配設され、前記接地導体の側に所定の長さを有した第2の整合部が配設され、前記第1の整合部の長さが前記第2に整合部の長さと異なる
逆F平面アンテナ。
【背景技術】
【0002】
近年、WiFi(Wireless Fidelity:ブランド名)に代表される無線LANや中距離通信や移動体通信等に使用されるWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの無線通信技術は、携帯情報端末や可搬型のノートPCに採用されている。これらの機器に実装されるアンテナは、薄型、軽量が要求されるため、プリント基板等によって形成される平面アンテナが主流となりつつある。
【0003】
従来の平面アンテナは、例えば逆F字アンテナが典型であるが、使用できる周波数帯域が狭いという課題がある。無線通信の規格において、無線LANでは周波数帯として、2.4GHz、5.2GHz、5.5GHzが推奨されている。またWiMAXでは、2.5GHz、3.5GHz、5.8GHzが推奨されている。
【0004】
図21は、従来例に係る逆F平面アンテナ300の構成例を示す平面図である。
図21に示す逆F平面アンテナ300は、放射素子11、短絡素子12、給電素子13及び接地導体20から構成される。給電素子13は矩形部31,32を有している。接地導体20は導体部21,22を有している。放射素子11はプリント基板の上方でその横方向(x)に配置される。給電素子13は放射素子11のほぼ中央で縦方向(y)に配置される。給電素子13の下方は導体部21及び導体部22で挟まれている。放射素子11の一端と導体部22とは短絡素子12で短絡されている。
【0005】
これらにより、放射素子11、短絡素子12及び給電素子13から構成される形状がローマ字の”F”を90°時計回りに回転させた状態に見えることから逆F字状を称される。
【0006】
図22は、逆F平面アンテナ300のリターンロス特性例を示すグラフ図である。
図22において、縦軸は反射損失[dB]であり、横軸は周波数[GHz]である。図中の実線は、単体の逆F平面アンテナ300のリターンロス特性曲線である。当該特性曲線によれば、周波数2.2GHz付近でグラフの谷部分(共振点)が見られる。逆F平面アンテナ300のリターンロス特性によれば、反射損失=−10dB以下の領域が狭いことが分かる。
【0007】
このため、特許文献1および特許文献2で複数の周波数帯に対応できる逆F平面アンテナが提案されている。特許文献1は片面プリント基板にてアンテナを形成するものであり、1つの逆F字アンテナパターンと、グランドを共有するもう1つの寸法の異なる逆F字アンテナパターンとを備え、2つの周波数帯に対応するものである。
【0008】
特許文献2も片面プリント基板にてアンテナを形成するものであり、給電線を共有する4つの異なる寸法の逆F字アンテナパターンを備え、4つの周波数帯に対応するものである。しかしこれらは、基本的に周波数帯に応じた複数のアンテナを備えるものであるため、アンテナ全体の寸法が大きくなるという問題がある。
【0009】
また、2.0GHz〜5.0GHz帯の無線通信のデータ転送速度を向上させるために、MIMO(Multiple Input Multiple Output)と呼ばれる通信方式が採用されつつある。これは、複数のアンテナを同時に使用するものである。MIMOシステムによれば、例えば、2本の送信アンテナを用い、それぞれのアンテナから異なるデータを同時に送信し、それを2本の受信アンテナで両方のデータをそれぞれ受信した後、演算処理によって2つのデータとして分離するものである。単純に言えばデータ転送速度が2倍になる。この方式では2本のアンテナが独立であること、すなわちアンテナ間の相互影響が少ないことが必要である。
【0010】
図23は従来例に係るMIMO用の逆F平面アンテナ装置400の構成例を示す平面図である。
図23に示す逆F平面アンテナ装置400によれば、
図21に示した1対の逆F平面アンテナ301,302が同一平面内に所定の間隔Dを隔てて左右対称に配置される。間隔Dは40mmである。
【0011】
図24は、逆F平面アンテナ装置400のリターンロス特性例を示すグラフ図である。
図24において、縦軸は反射損失[dB]であり、横軸は周波数[GHz]である。図中の実線は、2つの逆F平面アンテナ301,302を並べた逆F平面アンテナ装置400のリターンロス特性曲線である。当該特性曲線によれば、周波数2.2GHz付近でグラフの谷部分(共振点)が見られる。逆F平面アンテナ装置400のリターンロス特性によれば、単体の逆F平面アンテナ300の場合と同様にして、反射損失=−10dB以下の領域が狭いことが分かる。2つの逆F平面アンテナ301,302を同一基板上に配置しても狭帯域は変わらない。
【0012】
図25は、逆F平面アンテナ装置400の|S21|特性を示すグラフ図である。
図25において、縦軸は|S21|[dB](通過特性)であり、横軸は周波数[GHz]である。図中の実線は、逆F平面アンテナ装置400の|S21|特性曲線である。この|S21|特性によれば、単体の逆F平面アンテナ300が元々狭帯域であるため、逆F平面アンテナ装置400でも|S21|特性は−15dB以下となっており、2つの逆F平面アンテナ301,302の相互影響が少ないことが分かる。
【0013】
なお、非特許文献1および非特許文献2には、広帯域で相互影響の少ない平面アンテナが提案されている。非特許文献1は両面プリント基板にてアンテナを形成するものであり、表面に矩形形状のモノポールアンテナパターンを左右対称に配置し、裏面にL字形の切欠きを設けたグランドを配置するものである。非特許文献2も両面プリント基板にてアンテナを形成するものであり、表面に特殊な形状のアンテナパターンを左右対称に配置し、裏面にグランドを配置するものである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態としての逆F平面アンテナ及びアンテナ装置について説明する。
<第1の実施形態>
本発明に係るプリント基板型の逆F平面アンテナ100は、アンテナ中央にある給電素子13に2枚のプレート(整合部)を加え、さらに給電素子13の外側に位置する接地導体20の大きさを変更することで広帯域化を図ったものである。
【0032】
図1に示す逆F平面アンテナ100は2GHz〜6GHzの周波数帯に使用可能なものであって、逆Fアンテナ導体10と接地導体20とを備えている。逆F平面アンテナ100は所定の厚みを有したプリント基板1(銅箔基板)をパターニングすることにより構成される。図中、斜線部分が銅箔パターンであり、梨地が誘電体(絶縁)板である。なお、逆F平面アンテナ100は1枚の基板上の銅箔から形成されるが、便宜上、各素子領域を画定するために斜線の向きを変えて領域を分けて記載している。
【0033】
逆Fアンテナ導体10は放射素子11、短絡素子12及び給電素子13から成り、逆F字状を成している。逆F字状については従来例と同様であるので、その説明を省略する。放射素子11、短絡素子12及び給電素子13の各々は
図2に示すように所定の長さ及び所定の幅を有している。
【0034】
給電素子13は第1の矩形部31及び第2の矩形部32を含み構成される。矩形部31は給電点の側に設けられ、矩形部32は放射素子11の側に設けられる。矩形部31はコプレーナ線路を構成し、この範囲がストリップラインと称される。矩形部31の入力側は給電点となされ、図示しない給電線を介して発信回路又は受信回路等の信号処理回路33に接続される。給電線には50Ω又は75Ω等の特性インピーダンスZoを有した同軸ケーブルが使用される。
【0035】
給電素子13の縦方向(y)と直交する横方向(x)であって、矩形部32の左側及び右側の少なくともいずれか一方に1以上の整合素子40が配設されている。整合素子40は所定の長さ及び所定の幅を有している。整合素子40は、例えば、プレート状の第1の整合部41及び第2の整合部42を含み構成される。整合部41は、所定の長さを有して放射素子11の側に設けられる。整合部42は、所定の長さを有して接地導体20の側に設けられる。
【0036】
接地導体20は逆Fアンテナ導体10と同一平面内に配設されている。接地導体20は、矩形部31の両側に配設されている。例えば、接地導体20は所定の面積の第1の導体部21及び第2の導体部22を含み構成される。導体部21は矩形部31の左側に配置され、導体部22は矩形部31の右側に配置されて短絡素子12に接続される。導体部21の縦方向の長さは、少なくとも、導体部22の縦方向の長さに対して可変調整されている。この例では、導体部22の縦方向の長さに比べて導体部21の縦方向の長さが短くなっている。導体部21及び導体部22は、各々がグランド(GND)に接続される。
【0037】
ここで、
図2(A)及び(B)を参照して、逆F平面アンテナ100の各部の寸法例について説明をする。なお、
図2(A)においては、寸法記載を明確にするために、プリント基板1における誘電体(梨地)の記載を省略する。例えば、アンテナ動作時の中心周波数がfo=3.75GHzで、λ/2=40mmの逆F平面アンテナ100を設計する場合、
図2の(A)において、Swは逆F平面アンテナ100の横方向の全体のmmであって、放射素子11の長さでもある。Swは、ほぼ半波長(λ/2)に等しい40mmである。
【0038】
P1〜P3は放射素子11に対する矩形部32の接続位置を特定するための補助寸法である。この例では、P1=P3=18mmである。P2は矩形部32の幅でもあり、P2は4mmである。dは矩形部31の幅であり、dは6mmである。S1は逆F平面アンテナ100の縦方向の全体の長さであり、S1は27mmである。Shtは放射素子11の幅であり、Shtは2.0mmである。
【0039】
Sh1は短絡素子12の長さであり、給電素子13の矩形部32の長さでもある。Sh1は10mmである。Shwは短絡素子12の幅であり、Shwは2.0mmである。Pw1は整合素子40の整合部41の長さであり、Pw1は7.0mmである。Pl1は整合部41の幅であり、Pl1は3.0mmである。Pw2は整合部42の長さであり、Pw2は4.0mmである。Pl2は整合部42の幅であり、Pl2は3.0mmである。
【0040】
Gl1は導体部21の縦方向の長さであり、Gl1は10mmである。 Gl2は導体部22の縦方向の長さであり、Gl2は15mmである。 Gl2は矩形部31の縦方向の長さでもある。Gw1は導体部21の横方向の長さであり、Gw1は16mmである。Gw2は導体部22の横方向の長さであり、Gw2は14mmである。
【0041】
また、図中のaは横方向(x)において、導体部21と矩形部31との隙間であり、bは同様にして矩形部31と導体部22との隙間である。cは縦方向(y)において、整合部41と整合部42との隙間であり、fは同様にして整合部42と導体部22との隙間である。tは同様にして整合部41と放射素子11との隙間である。
【0042】
隙間aは、導体部21の横方向の長さや矩形部31の幅dにもよるが、この例ではa=1mm程度である。隙間bは矩形部31の幅dや導体部22の横方向の長さ等にもよるが、この例ではb=3mm程度である。隙間cは、整合部41の幅Pl1や整合部42の幅Pl2にもよるが、この例ではc=0.5mm程度である。
【0043】
隙間fは整合部42の幅Pl2や、導体部22の縦方向の長さGl2にもよるが、この例ではf=0.5mm程度である。隙間tは整合部41の幅Pl1や放射素子11の幅Shtにもよるが、この例では、t=3.0mm程度である。
【0044】
図2の(B)において、hはプリント基板1の厚みであり、h=3.2mm程度である。銅箔の厚みは0.018mm程度である。プリント基板1の比誘電率εrは4.7程度である。これらにより、プリント基板型の広帯域の逆F平面アンテナ100を構成する。
【0045】
逆F平面アンテナ100の形成方法については周知の技術が利用できる。例えば、所定の厚みh及び比誘電率εrを有したプリント基板1を準備する。次に、プリント基板1上に
図2の(A)で説明した寸法で逆Fアンテナ導体10、接地導体20及び整合素子40を得るためのレジストをパターンニングする。その後、当該レジストをマスクにして余分な銅箔を除去する。ウエットエッチングの場合は塩化第二鉄などのエッチング液を使用する。ドライエッチングの場合は、所望のエッチングガス(CF
4等)を使用する。その後、レジストを除去することで、逆F平面アンテナ100を形成することができる。
【0046】
続いて、
図3を参照して、逆F平面アンテナ100のリターンロス特性例(Pw1>Pw2)について説明する。
図3において、縦軸は反射損失(Return Loss;以下RLという)[dB]である。反射損失は入力電力に対する反射電力の比をデシベル、すなわち、反射係数(反射電力/入力電力)をEとすると、RL=−20log
10Eで表現したものである。横軸は周波数[GHz]であり、逆F平面アンテナ100へ供給される高周波電力の搬送周波数である。
【0047】
図3に示す実線は、単体の逆F平面アンテナ100のリターンロス特性曲線である。当該特性曲線によれば、周波数2.2GHz、2.5GHz、4.1GHz及び5.4GHz付近でグラフの谷部分が見られ、特に、2.2GHz、2.5GHz及び5.4GHzに深い谷部(共振点)が見られる。
【0048】
一般に、アンテナとして許容される反射損失の基準値をRLr=−10dB(VSWR; Voltage Standing Wave )としたとき、逆F平面アンテナ100によれば、2GHzから6GHz付近まで広帯域化していることが明確となった。
【0049】
ここで、
図4〜
図9を参照して、逆F平面アンテナ100の整合素子40の最適な大きさ(縦・横方向)について考察する。この例では、整合素子40の最適な大きさを見出すために、縦方向のパラメータとなる幅Pl1(ピーエル1と読む),幅Pl2(ピーエル2と読む),間隔c,f,t及び横方向のパラメータとなる長さPw1,Pw2のいずれか1つを変えた場合を考察した。
【0050】
図4に示すリターンロス特性例は、整合部41の幅Pl1及び隙間tを可変した時のグラフ図である。すなわち、Pl1とtの設定値のみを変化させ、Pl2,c,f,Pw1,Pw2は
図2に示した値に固定している。なお、逆F平面アンテナ100の外形寸法(Sw,S1)は固定しているため、放射素子11と整合部41との隙間tも変化することになる。
【0051】
この例では、Pl1+t=6mmが一定となるように寸法を振ってリターンロス特性を取得した。
図4に示す狭い点線は、Pl1=1.0mm、t=5.0mmのときのリターンロス特性曲線である。一点鎖線は、Pl1=2.0mm、t=4.0mmのときのリターンロス特性曲線である。太い実線は、Pl1=3.0mm、t=3.0mmのときのリターンロス特性曲線である。二点鎖線は、Pl1=4.0mm、t=2.0mmのときのリターンロス特性曲線である。広い点線は、Pl1=5.0mm、t=1.0mmのときのリターンロス特性曲線である。
【0052】
この結果、Pl1=3.0mm、t=3.0mmが最適な設定値であることが明確となった。整合部41の幅Pl1は寸法が変わると、5GHz帯に比べて2GHz帯及び4GHz帯のリターンロス特性が劣化する傾向となるが、1.0≦Pl1≦5.0mmの範囲で広帯域を維持することが明確となった。
【0053】
図5に示すリターンロス特性例は、整合部42の幅Pl2及び隙間tを可変した時のグラフ図である。すなわち、Pl2とtの設定値のみを変化させ、Pl1,c,f,Pw1,Pw2は
図2に示した値に固定している。
【0054】
この例では、Pl2+t=6mmが一定となるように寸法を振ってリターンロス特性を取得した。
図5に示す狭い点線は、Pl2=0.5mm、t=5.5mmのときのリターンロス特性曲線である。一点鎖線は、Pl2=1.0mm、t=5.0mmのときのリターンロス特性曲線である。二点鎖線は、Pl2=2.0mm、t=4.0mmのときのリターンロス特性曲線である。太い実線は、Pl2=3.0mm、t=3.0mmのときのリターンロス特性曲線である。広い点線は、Pl2=4.0mm、t=2.0mmのときのリターンロス特性曲線である。
【0055】
この結果、Pl1と同様にして、Pl2=3.0mm、t=3.0mmが最適な設定値であることが明確となった。整合部42の幅Pl2は寸法が変わると、Pl1と同様にして、5GHz帯に比べて2GHz帯及び4GHz帯のリターンロス特性が劣化する傾向となるが、0.5≦Pl2≦4.0mmの範囲で広帯域を維持することが明確となった。
【0056】
図6に示すリターンロス特性例は、整合部41の長さPw1を可変した時のグラフ図である。すなわち、Pw1の設定値のみを変化させ、Pl1,Pl2,c,f,t,Pw2は
図2に示した値に固定している。
【0057】
この例では、Pw1を5.0〜9.0mmの範囲内で1.0mmピッチで寸法を振ってリターンロス特性を取得した。
図7に示す広い点線は、Pw1=5.0mmのときのリターンロス特性曲線である。狭い点線は、Pw1=6.0mmのときのリターンロス特性曲線である。太い実線は、Pw1=7.0mmのときのリターンロス特性曲線である。一点鎖線は、Pw1=8.0mmのときのリターンロス特性曲線である。二点鎖線は、Pw1=9.0mmのときのリターンロス特性曲線である。
【0058】
この結果、Pw1=7.0mmが最適な設定値であることが明確となった。整合部41の長さPw1は寸法が変わると、5GHz帯に比べて2GHz帯及び4GHz帯のリターンロス特性が改善される傾向となり、5.0≦Pw1≦8.0mmの範囲で広帯域を維持することが明確となった。
【0059】
図7に示すリターンロス特性例は、整合部42の長さPw2を可変した時のグラフ図である。すなわち、Pw2の設定値のみを変化させ、Pl1,Pl2,c,f,t,Pw1は
図2に示した値に固定している。
【0060】
この例では、Pw2を3.0〜6.0mmの範囲内で1.0mmピッチで寸法を振ってリターンロス特性を取得した。
図6に示す狭い点線は、Pw2=3.0mmのときのリターンロス特性曲線である。太い実線は、Pw2=4.0mmのときのリターンロス特性曲線である。一点鎖線は、Pw2=5.0mmのときのリターンロス特性曲線である。二点鎖線は、Pw2=6.0mmのときのリターンロス特性曲線である。
【0061】
この結果、Pw2=4.0mmが最適な設定値であることが明確となった。整合部42の長さPw1は寸法が変わると、5GHz帯に比べて2GHz帯及び4GHz帯のリターンロス特性が改善される傾向となり、3.0≦Pw2≦6.0mmの範囲で広帯域を維持することが明確となった。
【0062】
図8に示すリターンロス特性例は、隙間c及び隙間tを可変した時のグラフ図である。すなわち、隙間c,tの設定値のみを変化させ、Pl1,Pl2,f,Pw1,Pw2は
図2に示した値に固定している。
【0063】
この例では、c+t=3.5mmが一定となるように寸法を振ってリターンロス特性を取得した。
図8に示す太い実線は、c=0.5mm、t=3.0mmのときのリターンロス特性曲線である。狭い点線は、c=1.0mm、t=2.5mmのときのリターンロス特性曲線である。一点鎖線は、c=1.5mm、t=2.0mmのときのリターンロス特性曲線である。二点鎖線は、c=2.0mm、t=1.5mmのときのリターンロス特性曲線である。広い点線は、c=2.5mm、t=1.0mmのときのリターンロス特性曲線である。
【0064】
この結果、c=0.5mm、t=3.0mmが最適な設定値であることが明確となった。隙間cは寸法が変わると、2GHz帯及び4GHz帯のリターンロス特性にほとんど変化が無いのに対して、最適な設定値以外では5GHz帯で共振点が低い周波数の側に移行する傾向となる。しかし、0.5≦c≦2.5mmの範囲で広帯域を維持することが明確となった。
【0065】
図9に示すリターンロス特性例は、隙間f及び隙間tを可変した時のグラフ図である。すなわち、隙間f,tの設定値のみを変化させ、Pl1,Pl2,c,Pw1,Pw2は
図2に示した値に固定している。
【0066】
この例では、f+t=3.5mmが一定となるように寸法を振ってリターンロス特性を取得した。
図9に示す太い実線は、f=0.5mm、t=3.0mmのときのリターンロス特性曲線である。狭い点線は、f=1.0mm、t=2.5mmのときのリターンロス特性曲線である。一点鎖線は、f=1.5mm、t=2.0mmのときのリターンロス特性曲線である。
【0067】
この結果、f=0.5mm、t=3.0mmが最適な設定値であることが明確となった。隙間fは寸法が変わると、最適な設定値以外で2GHz帯及び4GHz帯のリターンロス特性に劣化傾向が見られると共に、5GHz帯で共振点が低い周波数の側に移行する傾向となる。しかし、0.5≦f≦1.0mmの範囲で広帯域を維持することが明確となった。
【0068】
図10(A)に示す逆F平面アンテナ100のPw1,Pw2可変時の寸法例によれば、整合部41の長さPw1=2.0mm、幅Pl1=2.0mm、整合部42の長さPw2=3.0mm、幅Pl2=2.0mm、t=5.0mmであり、他の寸法は
図2と同一である。上述の寸法例において、下側の整合部42のほうを上側の整合部41より長くしたときの
図10(B)に示すリターンロス特性(Pw1<Pw2)によれば、2GHzから4GHz付近まで−10dBを下回っており、従来例に係る逆F平面アンテナ300よりも広帯域になっていることが明確である。
【0069】
図11(A)に示す逆F平面アンテナ100のP1,P2,P3可変時の寸法例によれば、放射素子11の補助寸法であるP1=P3=17.0mm、P2=d=6.0mm、整合部41の幅Pl1=2.0mm、整合部42の幅Pl2=2.0mm、t=5.0mmであり、他の寸法は
図2と同一である。上述の寸法例において、給電素子13の第1の矩形部31及び第2の矩形部32の幅を同一としたときの
図11(B)に示すリターンロス特性(d=P2)によれば、2GHzから6GHz付近まで−10dBを下回っており、
図2の寸法関係によって得られる
図3のリターンロス特性と同程度の広帯域になっていることが明確である。
【0070】
このように、第1の実施形態としての逆F平面アンテナ100によれば、給電素子13の矩形部32の右側に所定の長さPw1,PW2及び所定の幅Pl1,Pl2を有した2つの整合部41,42が配設されるものである。
【0071】
この構成によって、整合部41,42等の整合素子40が無い従来方式の逆F平面アンテナ300に比べ、リターンロス特性において、−10dB以下の周波数帯を格段に拡張でき、2GHz帯、5GHz帯といった使用周波数の広帯域化を図ることができる。
【0072】
この実施形態では、矩形部32の右側に整合部41,42を配設する場合について説明したが、これに限られることはなく、矩形部32の左側に整合部41,42を配設する場合についても同様な効果が得られる。従って、片面プリント基板等の同一平面内に2つの逆F平面アンテナ100を所定の距離を隔てて左右対称に配置したアンテナ装置(
図12参照)を提供できるようになる。更に、アンテナの広帯域化が図れることから、アプリケーション、あるいは、国によって周波数帯が異なる事情に対して1つのアンテナで対応できるようになる。
【0073】
<第2の実施形態>
続いて、
図12〜
図14を参照して、第2の実施形態としての逆F平面アンテナ装置200について説明をする。
図12に示す逆F平面アンテナ装置200はアンテナ装置の一例を構成し、送信側及び受信側に複数の無線モジュールと共に使用され、当該無線モジュールに接続可能な多入力−多出力(Multiple Input Multiple Output:MIMO)用のアンテナ装置を構成する。
【0074】
逆F平面アンテナ装置200は、少なくとも、第1の逆F平面アンテナ101と第2の逆F平面アンテナ102とが同一平面内に所定の間隔Dを隔てて左右対称に配置される。例えば、1対の逆F平面アンテナ101,102を逆向きに向い合せるように配置する。逆F平面アンテナ101,102は、本発明に係る広帯域プリント基板型の逆F平面アンテナ100から成るものである。このように配置することで、2つの逆F平面アンテナ101,102の相互影響を低く抑えることができ、MIMOシステムへの対応が可能となる。
【0075】
続いて、
図13を参照して、逆F平面アンテナ101,102を2つ並べ、間隔D=40mmとした場合の逆F平面アンテナ装置200のリターンロス特性例について説明する。リターンロス特性については、電磁界シミュレーターCST(Studio Suite 2006)を用いて解析を行った。
図13において、縦軸は反射損失[dB]であり、横軸は周波数[GHz]である。
【0076】
図13に示す実線は、逆F平面アンテナ装置200のリターンロス特性曲線である。当該特性曲線によれば、周波数2.2GHz、2.7GHz、4.0GHz、5.0GHz及び5.5GHz付近でグラフの谷部分が見られ、特に、2.2GHz、5.0GHz及び5.5GHzに深い谷部(共振点)が見られる。
【0077】
ここで、本発明に係る逆F平面アンテナ装置200のリターンロス特性と、従来例に係る逆F平面アンテナ装置400のリターンロス特性とを比較する。比較条件は間隔Dが40mmの場合である。従来例に係るリターンロス特性によれば、リターンロス≦−10dBとなる周波数帯域が1.93GHz〜2.10GHzであった(
図24参照)。
【0078】
これに対して、本発明に係るリターンロス特性によれば、
図13に示すようにリターンロス≦−10dBとなる周波数帯域が2.00GHz〜5.75GHzと大幅に広帯域化していることが明確となった。
【0079】
このように、逆F平面アンテナ装置200によれば、
図3に示した単体の逆F平面アンテナ100と同様にして、2素子の逆F平面アンテナ100を並べた場合も、RLr=−10dB以下の領域が広く、2GHzから5GHz付近まで広帯域を維持している。従って、逆F平面アンテナ100を2個配置した場合もリターンロス特性が変わらないことから、MIMO用のアンテナ装置を提供できるようになった。
【0080】
続いて、
図14を参照して、逆F平面アンテナ装置200の|S21|特性例について説明する。
図14において、縦軸はSパラメータの|S21|[dB](通過特性)であり、|S21|は入力電力に対する通過電力の比をデシベル、すなわち、通過係数(通過電力/入力電力)をFとすると、|S21|=−20log
10Fで表現したものである。横軸は周波数[GHz]である。
【0081】
図14に示す実線は、逆F平面アンテナ装置200の|S21|特性曲線である。当該特性曲線によれば、周波数2.0GHz、2.3GHz及び5.2GHz付近でグラフの山部分が見られる。
【0082】
ここで、本発明に係る逆F平面アンテナ装置200の|S21|特性と、従来例に係る逆F平面アンテナ装置400の|S21|特性とを比較する。比較条件は間隔Dが40mmの場合である。従来例に係る|S21|特性によれば、リターンロス≦−10dBとなる周波数帯域が2.0GHz〜2.6GHzであった(
図25参照)。
【0083】
これに対して、本発明に係る|S21|特性によれば、
図13に示したリターンロスの少ない(−10dB以下)周波数領域(使用可能領域)で、|S21|が−15dB以下となっている。すなわち、本発明によれば、リターンロス≦−10dBとなる周波数領域(2.00GHz〜5.75GHz)で、
図14に示す|S21|特性は、−18dB以下であった。これにより、2.00GHz〜5.75GHzの周波数帯域において、|S21|特性が抑えられていることが確認できる。しかも、逆F平面アンテナ101,102で相互影響が少ないことが明確となった。
【0084】
このように、第2の実施形態としての逆F平面アンテナ装置200によれば、本発明に係る逆F平面アンテナ101,102が備えられるので、WiMaxやWiFi通信において多いに発揮可能な広帯域MIMOシステム用アンテナおよび多周波共用MIMOシステム用アンテナを提供できるようになる。
【0085】
<第3の実施形態>
続いて、
図15〜
図17を参照して、第3の実施形態としての逆F平面アンテナ装置210について説明をする。
図15に示す逆F平面アンテナ装置210はアンテナ装置の一例を構成し、送信側及び受信側に複数の無線モジュールと共に使用され、当該無線モジュールに接続可能な多入力−多出力(Multiple Input Multiple Output:MIMO)用のアンテナ装置を構成する。
【0086】
逆F平面アンテナ装置210は、少なくとも、第1の逆F平面アンテナ101aと第2の逆F平面アンテナ101bとが同一平面内に所定の間隔Dを隔てて同一の向きに配置される。逆F平面アンテナ101a,101bは、本発明に係る広帯域プリント基板型の逆F平面アンテナ100から成るものである。
【0087】
続いて、
図16を参照して、逆F平面アンテナ101a,101bを同じ向きに2つ並べ、間隔D=40mmとした場合の逆F平面アンテナ装置210のリターンロス特性例について説明する。
図16において、縦軸は反射損失[dB]であり、横軸は周波数[GHz]である。
【0088】
図16に示す実線は、逆F平面アンテナ装置210のリターンロス特性曲線である。当該特性曲線によれば、周波数2.2GHz、2.7GHz、4.0GHz、5.0GHz及び5.5GHz付近でグラフの谷部分が見られ、特に、2.2GHz、5.0GHz及び5.5GHzに深い谷部(共振点)が見られ、
図13に示した逆F平面アンテナ装置200とほぼ同等の特性となっている。
【0089】
続いて、
図17を参照して、逆F平面アンテナ装置210の|S21|特性例について説明する。
図17において、縦軸はSパラメータの|S21|[dB](通過特性)であり、|S21|は入力電力に対する通過電力の比をデシベル、すなわち、通過係数(通過電力/入力電力)をFとすると、|S21|=−20log
10Fで表現したものである。横軸は周波数[GHz]である。
【0090】
図17に示す実線は、逆F平面アンテナ装置210の|S21|特性曲線である。当該特性曲線によれば、周波数2.0GHz、2.3GHz及び5.2GHz付近でグラフの山部分が見られ、
図16に示したリターンロスの少ない(−10dB以下)周波数領域(使用可能領域)で、|S21|が−15dB以下となっている。すなわち逆F平面アンテナ101a,101bで相互影響が少ないことが明確となった。
【0091】
このように、第3の実施形態としての逆F平面アンテナ装置200によれば、本発明に係る逆F平面アンテナ101a,101bが備えられるので、WiMaxやWiFi通信において多いに発揮可能な広帯域MIMOシステム用アンテナおよび多周波共用MIMOシステム用アンテナを提供できるようになる。
【0092】
続いて、
図18〜
図20を参照して、
参考例としての逆F平面アンテナ111〜113、115、116、および変形
例としての逆F平面アンテナ11
4、117〜119について説明する。MIMO用の逆F平面アンテナ装置200,210を構成する逆F平面アンテナ101,101a,101b,102については、本発明に係る逆F平面アンテナ100に限られない。
図18(A)〜(C)に示すように整合素子40が1要素のものであってもよい。
【0093】
図18(A)に示す逆F平面アンテナ111は、矩形部32の右側に1個の整合部41を有している。整合部41は所定の長さ及び所定の幅を有している。整合部41は矩形部32の中央から右側の横方向に突出している。整合部41は放射素子11、短絡素子12、導体部22及び給電素子13により囲まれている。他の要素は従来例に係る逆F平面アンテナ300と同様であるので、その説明を省略する。これらにより、逆F平面アンテナ111を構成する。
【0094】
図18(B)に示す逆F平面アンテナ112は、矩形部32の左側に1個の整合部41’を有している。整合部41’は矩形部32の中央から左側の横方向に突出している。整合部41’は放射素子11、導体部21及び給電素子13でコ状に挟まれている。これらにより、逆F平面アンテナ112を構成する。
【0095】
図18(C)に示す逆F平面アンテナ113は、矩形部32の左側に1個の整合部41aを有し、かつ、右側に1個の整合部41bを有している。整合部41a,41bは矩形部32の中央から左右の側の横方向に突出している。整合部41a,41bは横方向の中心位置が一致している。整合部41aは放射素子11、導体部21及び給電素子13でコ状に挟まれている。整合部41bは放射素子11、短絡素子12、導体部22及び給電素子13に囲まれている。これらにより、逆F平面アンテナ113を構成する。
【0096】
図19(A)及び(B)に示す整合素子40は2要素変形例の場合である。
図19(A)に示す逆F平面アンテナ114は、矩形部32の左右の側に各々2個ずつ整合部41a,41b,42a,42bを有している。整合部41a,41b,42a,42bは所定の長さ及び所定の幅を有している。例えば、整合部41a,41bに比べて整合部42a,42bが長い。整合部41a,42aは矩形部32の中央から左側の横方向に突出している。整合部41a,42aは放射素子11、導体部21及び給電素子13でコ状に挟まれている。
【0097】
整合部41b,42bは矩形部32の中央から右側の横方向に突出している。整合部41b,42bは放射素子11、短絡素子12、導体部22及び給電素子13により囲まれている。他の要素は従来例に係る逆F平面アンテナ300と同様であるので、その説明を省略する。これらにより、逆F平面アンテナ114を構成する。
【0098】
図19(B)に示す逆F平面アンテナ115は、矩形部32の左右の側に各々1個ずつ整合部41a,42bを有している。整合部41a,42bは各々が所定の長さ及び所定の幅を有している。例えば、整合部41aに比べて整合部42bが長い。整合部41aは放射素子11に近い側であって、矩形部32の上方から左側の横方向に突出している。整合部41aは放射素子11、導体部21及び給電素子13でコ状に挟まれている。
【0099】
整合部42bは導体部22に近い側であって、矩形部32の下方から右側の横方向に突出している。整合部41a,42bは横方向の中心が相互に上下にずれている。整合部42bは放射素子11、短絡素子12、導体部22及び給電素子13により囲まれている。これらにより、逆F平面アンテナ115を構成する。
【0100】
図20(A)〜(D)に示す整合素子40は3要素変形例の場合である。
図20(A)に示す逆F平面アンテナ116は、矩形部32の左側に3個の整合部41,42,43を有している。整合部43は第3の整合部の一例であり、例えば、整合部41の上方に配設される。もちろん、整合部43は整合部42の下方に配設しても、整合部41,42の間に配設してもよい。整合部41,42,43は所定の長さ及び所定の幅を有している。
【0101】
例えば、整合部41に比べて整合部43が長く、整合部42は整合部43に比べて長く設定される。この寸法限定は周波数帯域を広げるためである。整合部41,42,43は矩形部32から左側の横方向に突出している。整合部41,42,43は放射素子11、導体部21及び給電素子13でコ状に挟まれている。他の要素は従来例に係る逆F平面アンテナ300と同様であるので、その説明を省略する。これらにより、逆F平面アンテナ116を構成する。
【0102】
図20(B)に示す逆F平面アンテナ117は、矩形部32の右側に3個の整合部41’,42’,43’を有している。整合部41’,42’,43’は所定の長さ及び所定の幅を有している。整合部41’,42’,43’は矩形部32から右側の横方向に突出している。整合部41’,42’,43’は放射素子11、短絡素子12、導体部22及び給電素子13により囲まれている。これらにより、逆F平面アンテナ117を構成する。
【0103】
図20(C)に示す逆F平面アンテナ118は、矩形部32の左右の側に各々3個ずつの整合部41a,41b,42a,42b,43a,43bを有している。整合部41a,41b,42a,42b,43a,43bは所定の長さ及び所定の幅を有している。整合部41a,42a,43aは、図に示す順序で矩形部32から左側の横方向に突出している。整合部41a,42a,43aは放射素子11、導体部21及び給電素子13でコ状に挟まれている。整合部41b,42b,43bも同様にして矩形部32から右側の横方向に突出している。整合部41b,42b,43bは放射素子11、短絡素子12、導体部22及び給電素子13により囲まれている。これらにより、逆F平面アンテナ118を構成する。
【0104】
図20(D)に示す逆F平面アンテナ119は、矩形部32の左側に1個、右側に2個の整合部41a,42b,43bを有している。整合部41a,42b,43bは所定の長さ及び所定の幅を有している。整合部41aは矩形部32の中央から左側の横方向に突出している。整合部41aは放射素子11、導体部21及び給電素子13でコ状に挟まれている。整合部42b,43bは矩形部32の上下方から右側の横方向に突出している。整合部42b,43bは放射素子11、短絡素子12、導体部22及び給電素子13により囲まれている。これらにより、逆F平面アンテナ119を構成する。
【0105】
これらの逆F平面アンテナ111〜119から選択される1対又は多対の逆F平面アンテナを同一平面内において所定の間隔Dを隔てて左右対称に配置することで、MIMO用の逆F平面アンテナ装置200,210を構成することができる。
【0106】
このように、変形
例としての逆F平面アンテナ11
4、117〜119によれば、第2、第3の実施形態としての逆F平面アンテナ装置200,210に応用できるので、WiMaxやWiFi通信において多いに発揮可能な広帯域MIMOシステム用のアンテナ装置及び多周波共用MIMOシステム用のアンテナ装置を提供できるようになる。しかも、片面プリント基板に2つの逆F平面アンテナ101,102等を並べて形成できるため、製造コストの低廉化を図ることができる。