特許第6241786号(P6241786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241786
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】用紙積載装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/24 20060101AFI20171127BHJP
   B65H 31/18 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B65H31/24
   B65H31/18
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-251947(P2013-251947)
(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公開番号】特開2015-107873(P2015-107873A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2016年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】391063352
【氏名又は名称】グラドコジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081709
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴若 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】増成 一茂
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−036455(JP,A)
【文献】 特開2002−020022(JP,A)
【文献】 特開平04−358638(JP,A)
【文献】 特開平06−009086(JP,A)
【文献】 特開平09−216761(JP,A)
【文献】 特開2008−087965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00 − 31/40
G03G 15/00
B41J 13/00 − 13/32
B65H 1/00 − 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が記録された用紙を積載する用紙積載装置であり、
用紙を移送する用紙移送路と、
前記用紙移送路の下方位置に重ねて配置され用紙を積載する複数個の積載トレイと、
用紙のサイズ情報に基づき前記複数個の積載トレイを昇降させ積載を実行する用紙積載部を備え、
前記用紙積載部は、
前記積載トレイを昇降させる昇降手段と、
前記積載トレイを平行移動させる平行移動手段と、
用紙のサイズ情報に基づき前記昇降手段と前記平行移動手段を駆動する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記昇降手段により上方に位置する前記積載トレイから順に昇降させて用紙を積載し、
前記平行移動手段により積載が完了した前記積載トレイから順に平行移動して排出可能にしたことを特徴とする用紙積載装置。
【請求項2】
画像が記録された用紙を積載する用紙積載装置であり、
用紙を移送する用紙移送路と、
前記用紙移送路の下方位置に重ねて配置され用紙を積載する複数個の積載トレイと、
用紙のサイズ情報に基づき前記複数個の積載トレイを昇降させ積載を実行する用紙積載部を備え、
前記用紙積載部は、
前記積載トレイを昇降させる昇降手段と、
前記積載トレイを平行移動させる平行移動手段と、
用紙のサイズ情報に基づき前記昇降手段と前記平行移動手段を駆動する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記平行移動手段により前記積載トレイを順に平行移動させて並べ、
前記昇降手段により並べた前記複数個の積載トレイを一緒に昇降させて用紙を積載し排出可能にしたことを特徴とする用紙積載装置。
【請求項3】
画像が記録された用紙を積載する用紙積載装置であり、
用紙を移送する用紙移送路と、
前記用紙移送路の下方位置に重ねて配置され用紙を積載する複数個の積載トレイと、
用紙のサイズ情報に基づき前記複数個の積載トレイを昇降させ積載を実行する用紙積載部を備え、
前記用紙積載部は、
前記積載トレイを昇降させる昇降手段と、
前記積載トレイを平行移動させる平行移動手段と、
用紙のサイズ情報に基づき前記昇降手段と前記平行移動手段を駆動する制御手段を備え、
前記制御手段は、
用紙の小サイズ情報に基づき、
前記昇降手段により上方に位置する前記積載トレイから順に昇降させて用紙を積載し、
前記平行移動手段により積載が完了した前記積載トレイから順に平行移動して排出可能にし、
用紙の大サイズ情報に基づき、
前記平行移動手段により前記積載トレイを順に平行移動させて並べ、
前記昇降手段により並べた前記複数個の積載トレイを一緒に昇降させて用紙を積載し排出可能にしたことを特徴とする用紙積載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に、複写機若しくはプリンタから排出された用紙が、順序通りになるように順番にトレイに積載する用紙積載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から複写機若しくはプリンタで記録に供された用紙は、プリンタ内から排出され、排出された記録紙はトレイなどを有する排紙収納機構に収納されるようになっている。
【0003】
このような排紙収納機構として例えば、プリンタから排出された用紙を載置するためのトレイに放出されるようになっているが、トレイあるいはトレイ上の収納済みの用紙の上面に当接した状態を維持し、滑り落ちることができない。
【0004】
そのため、トレイもしくはトレイ上の収納済みの用紙の上面の位置である排紙収納位置を、プリンタから排出された用紙が当接した後にトレイもしくはトレイ上の収納済みの用紙の上面に沿って滑ることを可能とするために、トレイは排紙ローラに対して角度を直角から離れた鋭角にするような適当な高低差をもった位置に水平に固設されているものがある。
【0005】
しかし、排出された用紙の先端が、トレイあるいはトレイ上の収納済みの用紙の上面に沿って滑るようにするため、排紙ローラとトレイとの鉛直距離を小さくせざるを得ず、このため収納可能な用紙の枚数が制限され、多量の用紙を収納するのには好適ではないことから、トレイ上に収納された用紙の重さに比例して、トレイが、先端部近傍を支持されて回動可能となり、排紙収納位置を、排出された用紙が滑るようにし、多量の用紙を収納可能とするものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−330010号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、トレイ上に収納された用紙の重さに比例して、トレイが、先端部近傍を支持されて回動可能となるための機構が複雑であり、しかも確実に用紙の重さに比例して回動させることができないなどの問題がある。また、単一のトレイに積載するだけであり、多量の用紙を積載することが困難であり、しかも用紙のサイズに対応したトレイへの積載もできなかった。
【0008】
この発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、簡単な構造で、用紙のサイズに応じて多量の用紙の積載を可能とする用紙積載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0011】
請求項に記載の発明は、画像が記録された用紙を積載する用紙積載装置であり、
用紙を移送する用紙移送路と、
前記用紙移送路の下方位置に重ねて配置され用紙を積載する複数個の積載トレイと、
用紙のサイズ情報に基づき前記複数個の積載トレイを昇降させ積載を実行する用紙積載部を備え、
前記用紙積載部は、
前記積載トレイを昇降させる昇降手段と、
前記積載トレイを平行移動させる平行移動手段と、
用紙のサイズ情報に基づき前記昇降手段と前記平行移動手段を駆動する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記昇降手段により上方に位置する前記積載トレイから順に昇降させて用紙を積載し、
前記平行移動手段により積載が完了した前記積載トレイから順に平行移動して排出可能にしたことを特徴とする用紙積載装置である。
【0012】
請求項に記載の発明は、画像が記録された用紙を積載する用紙積載装置であり、
用紙を移送する用紙移送路と、
前記用紙移送路の下方位置に重ねて配置され用紙を積載する複数個の積載トレイと、
用紙のサイズ情報に基づき前記複数個の積載トレイを昇降させ積載を実行する用紙積載部を備え、
前記用紙積載部は、
前記積載トレイを昇降させる昇降手段と、
前記積載トレイを平行移動させる平行移動手段と、
用紙のサイズ情報に基づき前記昇降手段と前記平行移動手段を駆動する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記平行移動手段により前記積載トレイを順に平行移動させて並べ、
前記昇降手段により並べた前記複数個の積載トレイを一緒に昇降させて用紙を積載し排出可能にしたことを特徴とする用紙積載装置である。
【0013】
請求項に記載の発明は、画像が記録された用紙を積載する用紙積載装置であり、
用紙を移送する用紙移送路と、
前記用紙移送路の下方位置に重ねて配置され用紙を積載する複数個の積載トレイと、
用紙のサイズ情報に基づき前記複数個の積載トレイを昇降させ積載を実行する用紙積載部を備え、
前記用紙積載部は、
前記積載トレイを昇降させる昇降手段と、
前記積載トレイを平行移動させる平行移動手段と、
用紙のサイズ情報に基づき前記昇降手段と前記平行移動手段を駆動する制御手段を備え、
前記制御手段は、
用紙の小サイズ情報に基づき、
前記昇降手段により上方に位置する前記積載トレイから順に昇降させて用紙を積載し、
前記平行移動手段により積載が完了した前記積載トレイから順に平行移動して排出可能にし、
用紙の大サイズ情報に基づき、
前記平行移動手段により前記積載トレイを順に平行移動させて並べ、
前記昇降手段により並べた前記複数個の積載トレイを一緒に昇降させて用紙を積載し排出可能にしたことを特徴とする用紙積載装置である。
【発明の効果】
【0014】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0016】
請求項に記載の発明では、昇降手段により上方に位置する積載トレイから順に昇降させて用紙を積載し、平行移動手段により積載が完了した積載トレイから順に平行移動して排出可能にしたことで、用紙のサイズに応じて、簡単な構造で、多量の用紙を積載することが可能である。
【0017】
請求項に記載の発明では、平行移動手段により積載トレイを順に平行移動させて並べ、昇降手段により並べた複数個の積載トレイを一緒に昇降させて用紙を積載し排出可能にしたことで、用紙のサイズに応じて、簡単な構造で、多量の用紙を積載することが可能である。
【0018】
請求項に記載の発明では、用紙の小サイズ情報に基づき、昇降手段により上方に位置する積載トレイから順に昇降させて用紙を積載し、平行移動手段により積載が完了した積載トレイから順に平行移動して排出可能にし、用紙の大サイズ情報に基づき、平行移動手段により積載トレイを順に平行移動させて並べ、昇降手段により並べた複数個の積載トレイを一緒に昇降させて用紙を積載し排出可能にしたことで、簡単な構造で、用紙のサイズに応じて多量の用紙を積載することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】用紙積載装置の構成図である。
図2】複数個の積載トレイ毎に昇降させる積載を説明する図である。
図3】複数個の積載トレイを並べて昇降させる積載を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の用紙積載装置の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0021】
この実施の形態の用紙積載装置を、図1乃至図3図に基づいて説明する。図1は用紙積載装置の構成図、図2は複数個の積載トレイ毎に昇降させる積載を説明する図、図3は複数個の積載トレイを並べて昇降させる積載を説明する図である。この用紙積載装置1は、画像が記録された用紙を積載する装置であり、この用紙積載装置1は、複写機若しくはプリンタ90に接続される。
【0022】
この用紙積載装置1は、用紙を移送する用紙移送路2と、用紙移送路2の下方位置に重ねて配置され用紙を積載する複数個の積載トレイ3a〜3cと、用紙のサイズ情報に基づき積載を実行する用紙積載部4を備える。用紙移送路2には、一対の排紙ローラ2aが配置されている。また、この実施の形態では、3個の積載トレイ3a〜3cを用いたが、これに限らず複数であればよい。
【0023】
この用紙積載部4は、積載トレイを昇降させる昇降手段41と、積載トレイを平行移動させる平行移動手段42と、用紙のサイズ情報に基づき昇降手段41と平行移動手段42を駆動する制御手段43を備える。昇降手段41は、機械的機構により重ねた複数個の積載トレイ3a〜3cの上方位置のトレイから順に1個ずつ昇降可能で、かつ並べた複数個の積載トレイ3a〜3cを一緒に昇降させることが可能に構成される。平行移動手段42は、機械的機構により複数個の積載トレイ3a〜3cの上方位置のトレイから順に1個ずつ用紙を積載した状態で平行移動可能で、かつ順に1個ずつ用紙を積載しない状態で平行移動可能に構成される。
【0024】
制御手段43は、用紙のサイズ情報に基づき、複数個の積載トレイ3a〜3c毎に昇降させる積載と複数個の積載トレイ3a〜3cを並べて昇降させる積載とを実行する。用紙のサイズ情報は、複写機若しくはプリンタ90から送られ、制御手段43は、用紙の小サイズ情報に基づき、昇降手段41により上方に位置する積載トレイから順に昇降させて用紙を積載し、平行移動手段42により積載が完了した積載トレイから順に平行移動して排出可能にし、用紙の大サイズ情報に基づき、平行移動手段42により積載トレイを順に平行移動させて並べ、昇降手段41により並べた複数個の積載トレイ3a〜3cを一緒に昇降させて用紙を積載し排出可能にする。
【0025】
次に、図2に基づき複数個の積載トレイ毎に昇降させる積載を詳細に説明する。複数個の積載トレイ3a〜3cが重ねて配置されている(図2(a))。複写機若しくはプリンタ90において用紙に画像が記録され、画像が記録された用紙が用紙移送路2に送られる共に、用紙のサイズ情報が制御手段43に送られる。制御手段43では、用紙の小サイズ情報に基づき、昇降手段41により上方に位置する積載トレイ3aを上昇させ(図2(b))、この積載トレイ3aを下降させながら用紙を積載する(図2(c))。
【0026】
平行移動手段43により積載が完了した積載トレイ3aを平行移動すると共に(図2(d))、昇降手段41により上方に位置する積載トレイ3bを上昇させ(図2(e))、この積載トレイ3bを下降させながら用紙を積載する(図2(f))。同様に、平行移動手段43により積載が完了した積載トレイ3bを平行移動すると共に(図2(g))、昇降手段41により最後の積載トレイ3cを上昇させ(図2(h))、この積載トレイ3cを下降させながら用紙を積載する(図2(i))。
【0027】
次に、図3に基づき複数個の積載トレイを並べて昇降させる積載を詳細に説明する。複数個の積載トレイ3a〜3cが重ねて配置されており、複写機若しくはプリンタ90において用紙に画像が記録され、画像が記録された用紙が用紙移送路2に送られると共に、用紙のサイズ情報が制御手段43に送られる。制御手段43では、用紙の大サイズ情報に基づき、平行移動手段42により複数個の積載トレイ3a〜3cを順に平行移動させて並べ(図3(a))、昇降手段41により並べた複数個の積載トレイ3a〜3cを一緒に昇降させて用紙を積載し排出可能にし(図3(b))、この複数個の積載トレイ3a〜3cを下降させながら用紙を積載する(図3(c))。
【0028】
このように、用紙の小サイズ情報に基づき、昇降手段41により上方に位置する積載トレイから順に昇降させて用紙を積載し、平行移動手段42により積載が完了した積載トレイから順に平行移動して排出可能にし、一方用紙の大サイズ情報に基づき、平行移動手段42により積載トレイを順に平行移動させて並べ、昇降手段41により並べた複数個の積載トレイ3a〜3cを一緒に昇降させて用紙を積載し排出可能にする。用紙のサイズ情報に基づき、複数個の積載トレイ3a〜3c毎に昇降させる積載と複数個の積載トレイ3a〜3cを並べて昇降させる積載とを実行し、簡単な構造で、用紙のサイズに応じて多量の用紙を積載することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
この発明は、複写機若しくはプリンタから排出された用紙が、順序通りになるように順番にトレイに積載する用紙積載装置に適用可能であり、簡単な構造で、用紙のサイズに応じて多量の用紙の積載を可能とする。
【符号の説明】
【0030】
1 用紙積載装置
2 用紙移送路
2a 一対の排紙ローラ
3a〜3c 積載トレイ
4 用紙積載部
41 昇降手段
42 平行移動手段
43 制御手段
図1
図2
図3