(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定手段は、前記座部の上昇動作時に、前記各荷重センサの検出信号の電圧値がゼロか否かをチェックし、前記訓練者が前記座部に体重をかけているか又は当該座部から離間したかを判定し、
前記制御手段は、前記訓練者が前記座部から離間したと判定された時点で、当該座部が前記立上り高さ位置に達していないときでも、当該座部の上昇動作を停止させる
ことを特徴とする請求項2に記載の屈伸動作支援装置。
前記判定手段は、前記生体信号検出手段から得られた生体信号が、前記訓練者の膝関節又は股関節の筋力を発生させないときの下限電位以下の場合に、前記各荷重センサの検出信号の電圧値が所定荷重の閾値以上か否かをチェックし、
当該閾値以上の場合のみ、前記生体信号検出手段から得られた生体信号が、前記訓練者の膝関節又は股関節の筋力を発生させる際の上限電位以上であるかをさらにチェックし、当該訓練者による立ち上がり動作又は着席動作の開始時点を判定する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の屈伸動作支援装置。
前記判定手段は、前記生体信号検出手段から得られた生体信号が、前記訓練者の膝関節又は股関節の筋力を発生させないときの下限電位以下の場合に、前記各荷重センサの検出信号の電圧値が所定荷重の閾値以上か否かをチェックし、
当該閾値以上の場合のみ、前記生体信号検出手段から得られた生体信号が、前記訓練者の膝関節又は股関節の筋力を発生させる際の上限電位以上であるかをさらにチェックし、当該訓練者による立ち上がり動作又は着席動作の開始時点を判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の屈伸動作支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0013】
〔実施形態1〕
図1は本発明による屈伸動作支援装置の実施形態1を示す図である。
図1に示されるように、屈伸動作支援装置10は、座部20と、台座30と、屈伸機構(屈伸手段)40と、制御ユニット50とを有する。座部20に着席する訓練者Pには、予め膝関節、股関節の動作に伴う伸展あるいは屈曲動作意思を反映した生体信号(生体電位)を検出する生体信号検出センサ70が装着される。また、訓練者Pは、生体信号検出センサ70により検出された生体信号を無線信号に変換して送信する無線通信ユニット80を所持している。尚、無線通信ユニット80は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)シリアル通信などの短距離無線通信技術により送受信可能な通信機である。
【0014】
座部20は、平板状に形成されており、屈伸機構40により上下方向(伸展方向又は屈曲方向)に昇降可能に支持されている。尚、座部20に着席した訓練者Pは、屈伸機構40による上下方向の昇降動作に応じて膝関節及び股関節を伸展あるいは屈曲させることができる。
【0015】
屈伸機構40は、座部20と台座30との間に設けられた円筒カバー部材42の内部に収納されており、例えば、ボールネジ(伝達手段)44と、駆動モータ(駆動手段)46とからなる。駆動モータ46は、台座30に固定され、制御ユニット50から出力される制御信号により回転駆動力を発生し、ボールネジ44を駆動する。そのため、ボールネジ44は、駆動モータ46の回転を上下方向の直線運動に変換してモータ駆動力を伝達して座部20を昇降させる。尚、屈伸機構40は、上記ボールネジ44、駆動モータ46以外の駆動手段(例えば、空圧シリンダ、油圧シリンダ等の直動型アクチュエータ)を用いても良い。
【0016】
制御ユニット50は、座部高さ設定部52と、手動操作スイッチ54と、無線通信部56と、モータ駆動部58と、制御部60とを有する。座部高さ設定部52は、座部20に着席する訓練者Pの身長又は当該訓練者Pの下肢の動作範囲(膝関節及び股関節における伸展又は屈曲の距離)に応じた任意の高さ位置を入力操作して設定される。無線通信部56は、訓練者Pに装着された無線通信ユニット80から送信された生体信号(生体電位)の無線信号を受信する。
【0017】
制御部60は、受信した生体信号に基づいて、後述する制御処理を実行して訓練者Pが膝関節及び股関節を伸展あるいは屈曲させるかを判定する(立ち上がり動作を行う体勢になったか否かを判定する)判定手段を有する。また、制御部60は、判定手段により当該訓練者が膝関節及び股関節を伸展させると判定された場合、屈伸機構40を駆動して座部20を伸展方向に移動させ、当該訓練者Pが膝関節及び股関節を屈曲させると判定された場合、屈伸機構40を駆動して座部20を屈曲方向に移動させる制御手段を有する。
そして、訓練者Pが立ち上がり動作を行う体勢になったと判定された場合には、モータ駆動部58にモータ駆動開始の制御信号を出力する。これにより、屈伸動作支援装置10は、訓練者Pが立ち上がり動作を行う体勢になった時点で座部20を上昇させることができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0018】
制御ユニット50は、手動操作スイッチ54が設けられているため、訓練者Pが手動操作スイッチ54を手動操作して座部20の高さ位置を任意の高さに調整することができる。また、生体信号検出センサ70により検出される生体信号の電位が小さい場合には、手動操作スイッチ54を手動操作して訓練者Pの立ち上がり動作を支援することも可能である。尚、手動操作スイッチ54は、操作しやすい座部20の近傍、あるいは近くの壁面などに設けても良い。
【0019】
図2は実施形態1の座部高さ制御処理を説明するためのフローチャートである。
図2に示されるように、制御部60は、S11で無線通信ユニット80から送信された生体信号Eを読み込む。次のS12では、生体信号検出センサ70により検出された生体信号Eの電位が筋力を発生させないときの下限電位E1以下か否かをチェックする。S12において、生体信号検出センサ70により検出された生体信号Eが下限電位E1以下の場合(YESの場合)、S13に進み、座部高さ設定部52により設定された当該訓練者Pの身長に応じた高さ設定値H1を読み込む。
【0020】
続いて、S14では、生体信号検出センサ70により検出された生体信号Eの電位が筋力を発生させる際の上限電位E2以上か否かをチェックする。S14において、生体信号Eの電位が上限電位E2未満の場合(NOの場合)、当該訓練者Pの膝関節及び股関節の筋力が発生していないことから訓練者Pが座部20に着席した状態で立ち上がり動作を開始していないものと判断して待機状態となる。
【0021】
例えば、
図4に示されるように、立ち上がり動作の前段階動作として、訓練者Pが上体を前方に傾けて重心を前側に移行すると共に、腰を座部20から浮かそうと両脚の筋力を発生させる体勢になる。この前かがみとなる体勢では、生体信号検出センサ70により検出された生体信号Eの電位が大きくなる。そのため、S14において、生体信号Eの電位が上限電位E2以上の場合(YESの場合)、当該訓練者Pの膝関節及び股関節の筋力が発生しているため、S15に進み、訓練者Pが座部20に着席した状態から立ち上がり動作を開始した状態に変化したものと判断する。
【0022】
続いて、S16では、モータ駆動部58にモータの駆動制御を行うための制御信号を出力する。これにより、屈伸機構40の駆動モータ46がボールネジ44を回転駆動して座部20を上昇させる。すなわち、屈伸動作支援装置10は、訓練者Pが立ち上がり動作(伸展方向の動作)を行う体勢になった時点で座部20を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0023】
そのため、
図5に示されるように、訓練者Pは、座部20が上昇すると共に、腰の位置が高くなり、自然と立ち上がり動作を行える。このとき、当該訓練者Pは、座部20の上昇動作により、立ち上がり動作が支援されるため、膝関節及び股関節の筋力で全体重を支える必要がなく、その分、体力的な負担が軽減される。よって、訓練者Pが脚力の衰えた高齢者、あるいは脳性麻痺などを伴う歩行障害を有する患者の場合でも、訓練者Pはスムーズに立ち上がることができる。
【0024】
次のS17では、ボールネジ44の回転量から座部20の高さ位置Hを求め、座部20の高さ位置Hが座部高さ設定部52により設定された当該訓練者Pの身長に応じた高さ設定値H1に達したか否かをチェックする。S17において、座部20の高さ位置Hが高さ設定値H1(H=H1)に達した場合(YESの場合)、当該訓練者Pに対する立ち上がり動作の支援が完了したものと判断してS18に進み、モータ駆動部58への制御信号を停止させる。これで、座部20は、座部高さ設定部52により設定された任意の高さ位置で停止する。そのため、座部20の高さが訓練者Pの身長に合った高さで停止することで、無理に立ち上がり動作をさせることがなく、訓練者Pが立ち上がり動作を中止した場合でも訓練者Pに無理な力が掛からずに済む。
【0025】
図3は実施形態1の着席高さ制御処理を説明するためのフローチャートである。
図3に示されるように、制御部60は、前述した
図2の座部高さ制御処理を終了した後、S21において、座部20の高さ位置Hが座部高さ設定部52により設定された当該訓練者Pの身長に応じた高さ設定値H1に達したか否かをチェックする。S21において、座部20の高さ位置Hが高さ設定値H1(H=H1)に達した場合(YESの場合)、S22に進み、無線通信ユニット80から送信された生体信号Eを読み込む。次のS23では、生体信号検出センサ70により検出された生体信号Eの電位が筋力を発生させないときの下限電位E1以下か否かをチェックする。S23において、生体信号検出センサ70により検出された生体信号Eが下限電位E1以上の場合(NOの場合)、当該訓練者Pが歩行訓練などを行っているので、上記S22の処理に戻り、待機状態となる。
【0026】
また、S23において、生体信号検出センサ70により検出された生体信号Eが下限電位E1未満の場合(YESの場合)、S24に進み、訓練者Pが腰を座部20に載せて股関節及び膝関節の筋力を低下させ、着席動作を開始したものと判断する。続いて、S25では、駆動モータ46を上昇時と逆方向に回転駆動して座部20を降下させる。
【0027】
次のS26では、座部20の高さ位置Hが着席高さ位置H2に達したか否かをチェックする。S26において、座部20の高さ位置Hが着席高さ位置H2に達すると、S27に進み、駆動モータ46を停止させる。これで、着席位置への降下制御処理が終了する。このように、訓練者Pは、座部20に座ったまま屈伸機構40を駆動させて座部20を繰り返し昇降させて股関節及び膝関節のリハビリテーションを行うことが可能になる。
【0028】
このように、屈伸動作支援装置10は、上記股関節及び膝関節のリハビリテーションを行えると共に、当該訓練者Pの屈伸動作を支援することで血栓防止のための運動支援、及びベッドへの移動を支援することもできる。
【0029】
尚、上記S23において、生体信号の代わりに、座部20に荷重センサを設けて訓練者Pが腰を掛けたことを検出した場合に駆動モータ46を駆動させて座部20を着席高さ位置へ降下(屈曲方向の動作)させても良い。
【0030】
また、着席高さ制御処理および昇降の速度調整を、手動操作スイッチ54の操作により行なうことも可能である。
【0031】
〔実施形態2〕
図6は本発明による屈伸動作支援装置の実施形態2を示す図である。
図6において、前述した
図1と同一部分には、同一符号を付して、説明を省略する。
【0032】
図6に示されるように、屈伸動作支援装置10Aは、座部20の上面に複数の荷重センサ(重心位置検出手段)90が設けられている。各荷重センサ90(90a、90b)は、少なくとも座部20の前側と後側の2箇所に設けられ、例えば圧力に応じた電圧を発生する圧電素子などからなる。従って、屈伸動作支援装置10Cは、訓練者Pに装着された生体信号検出センサ70及び複数の荷重センサ90(90a、90b)の各検出信号に基づく重心位置から訓練者Pの体勢を判定する。尚、座部20の上面に多数(2個以上)の荷重センサ90をX、Y方向に整列させ、座部20の各位置に応じた荷重Wの変化をマトリックス(X、Y座標)で検出して着座動作及び離座動作に伴う座部20の荷重分布を求めて訓練者Pの状態を判定しても良い。
【0033】
訓練者Pが座部20に着席した状態では、各荷重センサ90(90a、90b)に当該訓練者Pの体重がほぼ均等に印加されるため、各荷重センサ90(90a、90b)の検出信号(電圧)もほぼ一様となる。ここで、訓練者Pが立ち上がろうとした場合、上体が前に傾くことになり、座部20の前側に配置された第1荷重センサ90aに検出された検出信号が後側の第2荷重センサ90bに検出された検出信号よりも大きい値に変化する。そのため、各荷重センサ90(90a、90b)の検出信号の変化を比較することで、当該訓練者Pが立ち上がる体勢になったか否かを判定することが可能になる。これにより、屈伸動作支援装置10Aは、訓練者Pが立ち上がり動作(伸展方向の動作)を行う体勢になった時点で座部20を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0034】
図7は実施形態2の座部高さ制御処理を説明するためのフローチャートである。
図7に示されるように、S31、S32は前述したS11、S12(
図2を参照)と同じ処理なので、説明を省略する。
【0035】
制御部60は、S33で座部20の上面に設けられた各荷重センサ90(90a、90b)に検出された検出信号の電圧値Wを読み込む。続いて、S34に進み、各荷重センサ90(90a、90b)に検出された検出信号の電圧値Wが予め設定された所定荷重の閾値W1以上か否かをチェックする。S34において、各荷重センサ90(90a、90b)に検出された検出信号の電圧値Wが所定荷重W1未満の場合(NOの場合)、例えば座部20に荷物が置かれた状態などが想定されることから訓練者Pが着席していない可能性が高いので、待機状態となる。
【0036】
また、上記S34において、各荷重センサ90(90a、90b)に検出された検出信号の電圧値Wが所定荷重W1以上の場合(YESの場合)、S35〜S37の処理を行う。S35〜S37の処理は、前述したS13〜S15(
図2を参照)と同じ処理であるので、説明を省略する。
【0037】
S36において、生体信号Eの電位が上限電位E2未満の場合(NOの場合)、S37に進み、座部20の上面に設けられた各荷重センサ90(90a、90b)に検出された検出信号の電圧値Wを読み込む。続いて、S38に進み、各荷重センサ90(90a、90b)のうち座部20の前側に配置された第1荷重センサ90aに検出された荷重Waと座部20の後側に配置された第2荷重センサ90bに検出された荷重Wbとを比較して重心位置を求める。S38において、Wa≦Wbの場合(NOの場合)、訓練者Pが座部20に着席した状態で立ち上がり動作を開始していないものと判断して上記S36の処理に戻る。従って、S36において、生体信号Eの電位が上限電位E2未満の場合(NOの場合)と、S38において、Wa≦Wbの場合(NOの場合)とが繰り返される場合は、訓練者Pが座部20に着席したままであるので、待機状態となる。
【0038】
また、上記S36において、生体信号Eの電位が上限電位E2以上の場合(YESの場合)、当該訓練者Pの膝関節及び股関節の筋力が発生しているため、S39に進み、訓練者Pが座部20に着席した状態から立ち上がり動作を開始した状態に変化したものと判断する。あるいは、上記S38において、Wa>Wbの場合(YESの場合)、訓練者Pが
図4に示すように訓練者Pが上体を前方に傾けて重心を前側に移すと共に、腰を座部20から浮かそう両脚の筋力を発生させる体勢に変化したため、S39に進み、訓練者Pが座部20に着席した状態から立ち上がり動作を開始した状態に変化したものと判断する。
【0039】
このように、当該訓練者Pが生体信号を検出しにくい場合には、前側の第1荷重センサ90aに検出された荷重Waと座部20の後側に配置された第2荷重センサ90bに検出された荷重Wbとの差から立ち上がり動作を開始したことを判定できる。特に生体信号の弱い高齢者や身体障害者の場合、立ち上がり動作を開始したことを正確に判定できる。
【0040】
次のS40では、モータ駆動部58にモータの駆動制御を行うための制御信号を出力する。これにより、屈伸機構40の駆動モータ46がボールネジ44を回転駆動して座部20を上昇させる。すなわち、屈伸動作支援装置10Aは、訓練者Pが立ち上がり動作を行う体勢になった時点で座部20を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作(伸展方向の動作)とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0041】
続いて、S41に進み、座部20の上面に設けられた各荷重センサ90(90a、90b)に検出された検出信号の電圧値Wを読み込む。続いて、S42に進み、各荷重センサ90(90a、90b)に検出された検出信号の電圧値Wがゼロか否かをチェックする。S42において、W=0でない場合(NOの場合)、当該訓練者Pが座部20に体重を掛けているため、S43に進み、ボールネジ44を回転量から座部20の高さ位置Hを求め、座部20の高さ位置Hが座部高さ設定部52により設定された当該訓練者Pの身長に応じた高さ設定値H1に達したか否かをチェックする。S43において、座部20の高さ位置Hが高さ設定値H1に達していない場合(NOの場合)、上記S41の処理に戻る。
【0042】
また、上記S42において、W=0である場合(YESの場合)、訓練者Pが座部20から離間したものと判断してS44に進み、モータ駆動部58への制御信号を停止させる。また、上記S43において、座部20の高さ位置Hが高さ設定値H1に達した場合(YESの場合)、S44に進み、モータ駆動部58への制御信号を停止させる。従って、座部20の高さ位置Hが高さ設定値H1に達しないときでも訓練者Pが座部20から離間した場合には、座部20の上昇動作を自動的に停止させることができる。そのため、例えば訓練者Pが十分な脚力を有する場合には、座部20の高さが設定値に達する前に訓練者P自身の力で立ち上がることができるので、屈伸機構40を停止させて駆動モータ46の性能低下を抑制できる。
【0043】
また、上記各実施形態2では、訓練者Pが立ち上がり動作する場合について説明したが、これに限らず、例えば、実施形態1と同様に、訓練者Pが着席する場合に座部20を所定高さ位置から降下(屈曲方向の動作)させるようにモータ制御を行っても良い。
【0044】
このように、屈伸動作支援装置10Aは、上記股関節及び膝関節のリハビリテーションを行えると共に、当該訓練者Pの屈伸動作を支援することで血栓防止のための運動支援、及びベッドへの移動を支援することもできる。
【0045】
〔実施形態3〕
図8は本発明による屈伸動作支援装置の実施形態3を示す図である。
図8において、前述した
図1、
図6と同一部分には、同一符号を付して、説明を省略する。
【0046】
図8に示されるように、屈伸動作支援装置10Bは、生体信号検出センサ70の他に訓練者Pの靴底に少なくとも一対の床反力センサ(重心位置検出手段)100a、100bが設けられている。床反力センサ100a、100bは、訓練者Pの歩行動作に応じた床面からの反力に応じた検出信号(電圧値)Rf、Rrを出力する圧電素子などからなる。従って、屈伸動作支援装置10Bは、訓練者Pに装着された生体信号検出センサ70及び床反力センサ100a、100bの各検出信号に基づく重心位置から訓練者Pの体勢を判定する。
【0047】
第1床反力センサ100aは、靴底の前端に設けられ、訓練者Pのつま先部分に作用する反力Rfを検出する。また、第2床反力センサ100bは靴底の後端に設けられ、訓練者Pの踵部分に作用する反力Rrを検出する。従って、床反力センサ100a、100bにより検出される反力Rf、Rrは、当該訓練者Pの歩行動作と共に変化している。
【0048】
そして、床反力センサ100a、100bにより検出された両反力Rf、Rrを比較することで重心位置を求め、重心位置の変化から当該訓練者Pが立ち上がり動作を開始する否かを判定することが可能になる。例えば、訓練者Pが座部20に着席している体勢のときは、踵側に重心があるため、Rf<Rrとなる。また、訓練者Pが立ち上がり動作を開始する体勢となると、つま先側に重心が移るため、Rf>Rrとなる。
【0049】
この判定結果に基づいて座部20を上昇させることにより、訓練者Pが立ち上がり動作を行う体勢になった時点で座部20を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作(伸展方向の動作)とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0050】
図9は実施形態3の座部高さ制御処理を説明するためのフローチャートである。
図9において、S51〜S54の処理は、前述したS11〜S14(
図2を参照)の処理と同じ処理なので、説明を省略する。制御部60は、S54において、生体信号Eの電位が上限電位E2未満の場合(NOの場合)、当該訓練者Pの膝関節及び股関節の筋力が発生していないことから訓練者Pが座部20に着席した状態で立ち上がり動作を開始していないものと判断してS55の処理に進む。S55では、当該訓練者Pの靴底に設けられた床反力センサ100a、100bにより検出された反力Rf、Rrの検出信号を読み込む。
【0051】
続いて、S56において、床反力センサ100a、100bにより検出された反力Rf、Rrを比較することで当該訓練者Pが立ち上がり動作を開始する否かを判定することが可能になる。S56において、Rf≦Rrの場合(NOの場合)、踵側に重心があるため、訓練者Pが座部20に着席している体勢であると判定してS54の処理に戻る。また、S56において、Rf>Rrの場合(YESの場合)、つま先側に重心が移るため、S57に進み、訓練者Pが立ち上がり動作を開始したものと判定する。
【0052】
また、上記S54において、生体信号Eの電位が上限電位E2以上の場合(YESの場合)、当該訓練者Pの膝関節及び股関節の筋力が発生しているため、S57に進み、訓練者Pが座部20に着席した状態から立ち上がり動作を開始した状態に変化したものと判断する。このように、生体信号検出センサ70及び床反力センサ100a、100bの各検出信号に基づいて立ち上がり動作の判定を行うため、例えば、生体信号が検出しにくい訓練者Pの場合には、床反力センサ100a、100bにより検出された反力Rf、Rrの検出信号に基づいて立ち上がり動作の判定を行うことが可能になる。これにより、屈伸動作支援装置10Bは、訓練者Pが立ち上がり動作を行う体勢になった時点で座部20を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0053】
尚、S58〜S60の処理は、前述したS16〜S18(
図2を参照)の処理と同じため、説明を省略する。
【0054】
このように、屈伸動作支援装置10Bは、上記股関節及び膝関節のリハビリテーションを行えると共に、当該訓練者Pの屈伸動作を支援することで血栓防止のための運動支援、及びベッドへの移動を支援することもできる。
【0055】
また、上記各実施形態3では、訓練者Pが立ち上がり動作する場合について説明したが、これに限らず、例えば、実施形態1と同様に、訓練者Pが着席する場合に座部20を所定高さ位置から降下(屈曲方向の動作)させるようにモータ制御を行っても良い。
【0056】
〔実施形態4〕
図10は本発明による屈伸動作支援装置の実施形態4を示す図である。
図10において、前述した
図1、
図6、
図8と同一部分には、同一符号を付して、説明を省略する。
【0057】
図10に示されるように、屈伸動作支援装置10Cは、生体信号検出センサ70の他に座部20の上面に複数の荷重センサ90(90a、90b)が設けられ、且つ訓練者Pの靴底に少なくとも一対の床反力センサ100a、100bが設けられている。従って、屈伸動作支援装置10Cは、訓練者Pに装着された生体信号検出センサ70及び複数の荷重センサ90a、90b及び床反力センサ100a、100bの各検出信号に基づいて訓練者Pの体勢を判定する。
【0058】
この判定結果に基づいて座部20を上昇させることにより、訓練者Pが立ち上がり動作を行う体勢になった時点で座部20を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作(伸展方向の動作)とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0059】
図11は実施形態4の座部高さ制御処理を説明するためのフローチャートである。
図11において、S71〜S75の処理は、前述したS31〜S35(
図7を参照)の処理と同じ処理なので、説明を省略する。また、S76〜S80は、前述したS54〜S58(
図9を参照)の処理と同じ処理であり、S81〜S84は、前述したS41〜S44の処理と同じ処理である。
【0060】
すなわち、上記S76では、生体信号Eの電位が上限電位E2以上の場合(YESの場合)、当該訓練者Pの膝関節及び股関節の筋力が発生しているため、訓練者Pが座部20に着席した状態から立ち上がり動作を開始したものと判断できる。さらに、S78では、Rf≦Rrの場合(NOの場合)、踵側に重心があるため、訓練者Pが座部20に着席している体勢であると判定できる。また、S78において、Rf>Rrの場合(YESの場合)、つま先側に重心が移るため、訓練者Pが立ち上がり動作を開始したものと判定できる。
【0061】
このように、屈伸動作支援装置10Cは、生体信号検出センサ70及び床反力センサ100a、100bの各検出信号による立ち上がり動作の判定を行うため、例えば、生体信号が検出しにくい訓練者Pの場合には、床反力センサ100a、100bにより検出された床反力Rf、Rrの検出信号に基づいて立ち上がり動作の判定を行うことが可能になる。
【0062】
これにより、屈伸動作支援装置10Cは、訓練者Pが立ち上がり動作を行う体勢になった時点で座部20を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作(伸展方向の動作)とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0063】
また、屈伸動作支援装置10Cは、上記S82において、荷重センサ90(90a、90b)により検出された荷重WがW=0である場合(YESの場合)、訓練者Pが座部20から離間したものと判断して、モータ駆動部58への制御信号を停止させる。また、上記S83では、座部20の高さ位置Hが高さ設定値H1に達した場合(H=H1)、当該訓練者Pに対する立ち上がり動作の支援が完了したものと判断して駆動モータ46の駆動を停止する。
【0064】
従って、座部20の高さ位置Hが高さ設定値H1に達しないときでも訓練者Pが座部20から離間した場合には、荷重センサ90(90a、90b)により検出された荷重Wに基づいて当該訓練者Pに対する立ち上がり動作の支援が完了したものと判断して座部20の上昇動作を停止させることができる。そのため、例えば訓練者Pが十分な脚力を有する場合には、座部20の高さが設定値に達する前に訓練者P自身の力で立ち上がることができるので、屈伸機構40を停止させて駆動モータ46の性能低下を抑制できる。
【0065】
また、上記各実施形態4では、訓練者Pが立ち上がり動作する場合について説明したが、これに限らず、例えば、実施形態1と同様に、訓練者Pが着席する場合に座部20を所定高さ位置から降下(屈曲方向の動作)させるようにモータ制御を行っても良い。
【0066】
このように、屈伸動作支援装置10Cは、上記股関節及び膝関節のリハビリテーションを行えると共に、当該訓練者Pの屈伸動作を支援することで血栓防止のための運動支援、及びベッドへの移動を支援することもできる。
【0067】
〔実施形態5〕
図12は本発明による屈伸動作支援装置の実施形態5を示す図である。
図12において、前述した
図1、
図6、
図8、
図10と同一部分には、同一符号を付して、説明を省略する。
【0068】
図12に示されるように、屈伸動作支援装置10Dは、生体信号検出センサ70の他に台座30の底面に複数の荷重センサ110(110a、110b)が設けられ、且つ訓練者Pの靴底に少なくとも一対の床反力センサ100a、100bが設けられている。台座30の底面(床との接地面)に複数の荷重センサ110(110a、110b)は、前述した座部20の荷重センサ90と同様に、床からの反力を受けて訓練者Pの体勢の変化に応じた荷重変化を検出することができる。従って、屈伸動作支援装置10Dは、訓練者Pに装着された生体信号検出センサ70及び複数の荷重センサ110a、110b及び床反力センサ100a、100bの各検出信号に基づいて訓練者Pの体勢を判定する。
【0069】
この判定結果に基づいて座部20を上昇させることにより、訓練者Pが立ち上がり動作を行う体勢になった時点で座部20を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作とのタイミングを一致させることが可能になる。尚、実施形態5の制御処理は、前述した
図11に示すフローチャートの制御処理と同様なため、説明を省略する。
【0070】
また、屈伸動作支援装置10Dは、台座30の底面(床との接地面)に設けた荷重センサ110(110a、110b)により検出された荷重Wにより訓練者Pが座部20に着座していることが分かり、荷重センサ110(110a、110b)により検出された荷重WがW=0である場合、当該訓練者Pに対する立ち上がり動作の支援が完了したものと判断して座部20の上昇動作を停止させることができる。
【0071】
すなわち、屈伸動作支援装置10Dは、生体信号検出センサ70及び床反力センサ100a、100b、荷重センサ110a、110bの各検出信号による立ち上がり動作の判定を行うため、例えば、生体信号が検出しにくい訓練者Pの場合には、床反力センサ100a、100b及び荷重センサ110a、110bによる検出信号に基づいて立ち上がり動作の判定を行うことが可能になる。これにより、屈伸動作支援装置10Cは、訓練者Pが立ち上がり動作(伸展方向の動作)を行う体勢になった時点で座部20を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0072】
このように、屈伸動作支援装置10Dは、上記股関節及び膝関節のリハビリテーションを行えると共に、当該訓練者Pの屈伸動作を支援することで血栓防止のための運動支援、及びベッドへの移動を支援することもできる。
【0073】
また、上記各実施形態5では、訓練者Pが立ち上がり動作する場合について説明したが、これに限らず、例えば、実施形態1と同様に、訓練者Pが着席する場合に座部20を所定高さ位置から降下(屈曲方向の動作)させるようにモータ制御を行っても良い。
【0074】
尚、本実施形態5では、荷重センサ110(110a、110b)により検出された荷重Wの変化により訓練者Pの体勢を推測することが可能であるので、生体信号検出センサ70及び複数の荷重センサ110a、110b及び床反力センサ100a、100bの各検出信号を組み合わせて訓練者Pの体勢を判定しても良いし、あるいは、荷重センサ110a、110b又は床反力センサ100a、100bの何れかの検出信号と選択的に組み合わせて訓練者Pの体勢を判定することも可能である。
【0075】
〔実施形態6〕
図13は本発明による屈伸動作支援装置の実施形態6を示す図である。
図13に示されるように、屈伸動作支援装置10Eは、車椅子200と、車椅子200の座部220を昇降させる屈伸機構240とを有する。屈伸機構240は、駆動モータ246の底部が車椅子200のフレーム250に支持され、ボールネジ244の上端が座部220に連結されている。
【0076】
車椅子200は、訓練者Pが着席しているときは、座部220が低位置(着席高さ位置)に降下しているため、通常の車椅子と同様に病院での患者搬送手段、又は家庭内の移動手段として使用される。また、介護施設や病院などの施設においては、車椅子200に乗った訓練者Pをベッドに移乗させる場合、当該訓練者Pが手動操作スイッチ54をオンに操作、あるいは訓練者Pが立ち上がり動作を開始する。これにより、制御部60は、前述した各実施形態1〜5と同様に屈伸機構240へモータ駆動信号を出力する。そして、屈伸機構240の駆動モータ246がボールネジ244を回転駆動して座部220を所定高さまで上昇させる。このように訓練者Pが立ち上がり動作を行う体勢になった時点で座部220を上昇させことができ、訓練者Pの動作と座部20の上昇動作とのタイミングを一致させることが可能になる。
【0077】
訓練者Pは、座部220が上昇すると共に、腰が持ち上げられて立ち上がり動作(伸展方向の動作)を支援される。この後、訓練者Pは、体の向きを変えてベッドに移動する。このように、屈伸動作支援装置10Eは、他の実施形態1〜4と同様に訓練者Pの屈伸動作を支援できると共に、血栓防止のための運動支援、及びベッドへの移動を支援することもできる。
【0078】
また、車椅子200以外にも、例えば、リハビリテーションを行う施設等の支援装置として用いることができる。
【0079】
また、上記各実施形態5では、訓練者Pが立ち上がり動作する場合について説明したが、これに限らず、例えば、実施形態1と同様に、訓練者Pが着席する場合に座部220を所定高さ位置から降下(屈曲方向の動作)させるようにモータ制御を行うこともできる。
【0080】
このように、屈伸動作支援装置10Eは、上記股関節及び膝関節のリハビリテーションを行えると共に、当該訓練者Pの屈伸動作を支援することで血栓防止のための運動支援、及びベッドへの移動を支援することもできる。
【0081】
また、上記実施形態1〜5では、1人の訓練者Pが屈伸動作する場合について説明したが、これに限らず、例えば、複数の訓練者Pが同時にグループで屈伸訓練を行う場合にも本発明を適用できる。
【0082】
〔実施形態7〕
図14は本発明による屈伸動作支援装置の実施形態7を示す図である。
図14に示されるように、屈伸動作支援装置10Fは、訓練者Pが水平方向の屈伸動作を支援するための装置であり、訓練者Pが長椅子140に仰向けに横たわった体勢で股関節及び膝関節を訓練することができる。尚、訓練者Pは、予め膝関節、股関節の動作に伴う生体信号(生体電位)を検出する生体信号検出センサ70が装着されている。
【0083】
屈伸動作支援装置10Fの制御ユニット50は、水平移動距離設定部52Aと、手動操作スイッチ54と、無線通信部56と、モータ駆動部58と、制御部60とを有する。水平移動距離設定部52Aは、当該訓練者Pの下肢の動作範囲(膝関節及び股関節における伸展又は屈曲の距離)に応じた水平方向の任意の移動距離を入力操作して設定される。
【0084】
屈伸動作支援装置10Fは、床面に設置されるガイド部120と、ガイド部120に沿って移動可能な可動ベース130と、可動ベース130に搭載された長椅子140とを有する。ガイド部120は、水平方向に延在形成されており、両端が載置台122、124により床面に支持(固定)されている。
【0085】
可動ベース130は、内部にリニアモータあるいはエアシリンダ等の直動型アクチュエータを内蔵している。そのため、可動ベース130は、制御ユニット50からの制御信号によりX1方向(屈曲方向)又はX2方向(伸展方向)に往復移動することができる。
【0086】
長椅子140は、可動ベース130と共にX1方向又はX2方向に往復移動することで、訓練者Pの股関節及び膝関節の屈伸動作を支援する動作を行えるように構成されている。具体的には、長椅子140は、訓練者Pの体形及び各関節に対応して角度が調整される構成であり、足置き141、膝下支持部142、膝上支持部143、座部144、背支持部145を有する。
【0087】
足置き141と膝下支持部142との間には、訓練者Pの足首のくるぶしに対応する第1回動部150が設けられている。また、膝下支持部142と膝上支持部143との間には、訓練者Pの膝関節に対応する第2回動部152が設けられている。また、膝上支持部143と座部144との間には、訓練者Pの股関節に対応する第3回動部154が設けられている。また、腰支持部144と背支持部145との間には、訓練者Pの上体の姿勢に応じて角度を調整できるリクライニング機構156が設けられている。
【0088】
足置き141は、固定側ブラケット160によりガイド部120に結合されている。また、座部144は、可動側ブラケット162により可動ベース130に結合されている。そのため、訓練者Pは、背中を傾斜させた背支持部145に当接させ、足置き141を脚力で押圧すると、その反力により座部144及び背支持部145をX2方向に水平移動させることができる。尚、足置き141及び背支持部145は、それぞれ傾斜角度を調整可能な構成であるが、ロック機構により調整位置にロックされ、訓練中に動くことが防止される。
【0089】
その際、第1回動部150、第2回動部152、第3回動部154は、訓練者Pの各関節の動きに合わせて回動し、訓練者Pの各関節に負荷を与えないように動作する。また、膝関節及び股関節の屈伸訓練中は、座部144及び背支持部145がX1方向(屈曲方向)又はX2方向(伸展方向)に移動すると共に、足置き141と背支持部145との距離が相対的に変化する。この水平動作に伴って第1回動部150、第2回動部152、第3回動部154の回動角度が変化することで訓練者Pの足首関節、膝関節、股関節の屈伸動作を支援することができる。
【0090】
屈伸動作支援装置10Fにおいては、制御部60が長椅子140に仰向けに横たわった訓練者Pに装着された各生体信号検出センサ70の各検出信号に基づいて訓練者Pの体勢を判定する。そして、制御部60は、各生体信号検出センサ70の各検出信号に基づいて可動ベース130に内蔵された直動型アクチュエータを駆動して可動ベース130をX1方向及びX2方向に往復移動させる。これに伴い、訓練者Pは、足首関節、膝関節、股関節の屈伸動作を支援されながら血栓防止のための運動支援を受けることができる。
【0091】
このように、屈伸動作支援装置10Fは、上記股関節及び膝関節のリハビリテーションを行えると共に、当該訓練者Pの屈伸動作を支援することで血栓防止のための運動支援、及びベッドへの移動を支援することもできる。
【0092】
また、実施形態7では、訓練者Pの屈伸方向が水平方向(X1、X2方向)となるように可動ベース130を移動させたが、これに限らず、例えば、可動ベース130の移動方向を訓練者Pの体調に合わせて水平方向に対して所定角度(例えば、15°〜30°)傾斜させても良い。