(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される技術では、スラットの横ずれを検知することができるが、このスラットの横ずれが巻取シャフトの横ずれ(回転軸方向のずれ)に起因する場合も考えられる。
【0007】
この場合、特許文献1に開示される技術では、あくまでもスラットそのものの横ずれを検知するものであり、巻取シャフトの横ずれを検知することができないものとなっている。
【0008】
このため、仮に、巻取シャフトの横ずれが生じている場合において、スラットの横方向の位置を修正してスラットの横ずれの検知を回避できたとしても、巻取シャフトの横ずれを維持したままシャッター開閉動作がされてしまうことになる。
【0009】
そして、巻取シャフトの横ずれが進行し、軸受から巻取シャフトが脱落などしてしまった場合には、巻取シャフトが天井内において軸受から離脱することや、巻取ケース内において軸受から離脱する不具合が生じることが懸念される。
【0010】
仮に、このような不具合が生じてしまった場合には、復旧作業に時間がかかるとともに、天井材、巻取りケースなどの他の部位の破損も引き起こすことになり、副次的な不具合が生じ易いものとなってしまう。
【0011】
以上のことから検討するに、巻取シャフトの横ずれの検知は、スラットの横ずれの検知とは個別に検知されるものであるが、従来は、このような巻取シャフトの横ずれを直接的に検知し、報知する技術は存在しなかった。
【0012】
そこで、本発明は、以上の問題点に鑑み、シャッター装置の巻取シャフトの不具合検知に関し、新規な技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0014】
即ち、請求項1に記載のごとく、開口部を開閉するシャッターカーテンを巻回する巻取ドラムに取り付けられる巻取シャフトと、
前記巻取シャフトの端部を支持するブラケットと、シャッターカーテンの開閉操作を行うための制御信号を出力する操作部と、前記巻取シャフトを駆動する駆動部と、前記操作部からの制御信号に基づいて、前記駆動部を制御する制御部と、前記巻取シャフトの軸方向の位置ずれを検知可能な検知部と、を備え、
前記検知部は検知子と検知センサを有し、前記検知子は、前記ブラケットよりも前記巻取ドラム側に配置され、前記巻取ドラムの一方の軸方向のずれを検知するための第一検知部と、前記巻取ドラムの他方の軸方向のずれを検知するための第二検知部と、を有して構成され、前記巻取ドラムの一方の軸方向のずれは、前記巻取ドラムが前記第一検知部に当接した際に前記検知センサにて検知され、前記巻取ドラムの他方の軸方向のずれは、前記巻取シャフトに配設されるシャフト側被検知部が、前記第二検知部に当接した際に、前記検知センサにて検知される、ことを特徴とするシャッター装置とする。
【0015】
また、請求項2に記載のごとく、前記検知部が前記巻取シャフトの位置ずれを検知した場合に、前記制御部が前記駆動部を停止状態とする。
【0016】
また、請求項3に記載のごとく、前記駆動部が停止状態にあることを報知する報知部を備えた構成とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
即ち、請求項1に記載の発明においては、巻取シャフトの横ずれを直接的に検知することができ、巻取シャフトの脱落や、脱落に伴う副次的な不具合の発生を防ぐことができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明においては、巻取シャフトの横ずれが生じた際に、操作部が操作されたとしても駆動部の駆動がなされることが無く、例えば、巻取シャフトが横ずれ、或いは、脱落した状態で回転駆動されてしまうことで、予期せぬ不具合が発生、拡大してしまうことを防止できる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明においては、例えば、警報音を発生させてシャッター装置の設置場所において異常を認識させることや、外部の監視装置によって駆動部が停止したことを認識させることができ、シャッター装置が設置された建物に作業員を動因して確認、復旧作業を実施させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、シャッター装置1の巻取シャフト10の配置などについて示す平面概要図である。シャッター装置1は、建物開口部に設けられ、シャッターカーテン2が左右のガイドレール3・3に案内されて上昇/降下し、建物開口部の開放/閉鎖を行う。
【0023】
ブラケット5・6が開口部の幅方向に離間して設けられており、両ブラケット5・6の間に巻取シャフト10と巻取ドラム4が配置される。巻取シャフト10や巻取ドラム4は、図示せぬケース内や、天井裏などに納められる。
【0024】
また、巻取シャフト10は、図示せぬ駆動部(開閉機)にて回転駆動されるようになっており、操作スイッチを有してなる操作部8により駆動部を操作することで、巻取シャフト10に固定された巻取ドラム4が回転駆動され、巻取ドラム4に固定されるシャッターカーテン2の上昇/降下が行えるようになっている。
【0025】
巻取ドラム4とブラケット5の間の位置には、巻取シャフト10の横ずれ、即ち、巻取シャフト10の軸方向の位置ずれを検知するための検知部20が設けられている。なお、「巻取シャフト10の横ずれ」が生じると、当該巻取シャフト10に固定される「巻取ドラム4の横ずれ」も生じるものであり、本明細書において、「巻取シャフト10の横ずれの検知」の用語は、「巻取ドラム4の横ずれの検知」をも含んで解釈されるものである。
【0026】
図2及び
図3(A)は、検知部20の詳細構造について示す図である。ブラケット5には、巻取シャフト10の一側端部を軸承する軸受51が設けられる。巻取シャフト10の一側端部は、ブラケット5の外側に延出され、延出された部位に駆動スプロケット52(
図1参照)が固定されている。駆動スプロケット52(
図1参照)は図示せぬモーター(駆動部)に対しチェーンを介して接続される。
【0027】
図2に示すように、巻取シャフト10には巻取ドラム4が固定されており、巻取シャフト10において巻取ドラム4と軸受51の間の位置に、円盤状のシャフト側被検知部41が配設されている。このシャフト側被検知部41は、巻取シャフト10と一体的に形成されてもよく、また、巻取シャフト10と別部材の円環状の部材で構成されてもよい。
【0028】
巻取ドラム4とブラケット5の間となる位置には、検知部20が配設されている。検知部20は、検知センサ22と検知子24を有して構成されている。
【0029】
検知センサ22は、収容ボックス26内に収容されており、検知子24は収容ボックス26に対して巻取シャフト10の軸方向に移動可能に支持されている。検知センサ22は検知部22aが押圧された際に信号を出力する接触式センサ(マイクロスイッチ(リミットスイッチ))にて構成される。
【0030】
検知子24は、巻取シャフト10の軸方向と同一方向に伸びる棒状部24aを有し、棒状部24aにおける検知センサ22と対向する位置には、検知センサ22の検知部22aが差し込まれる溝部24bが形成されている。
【0031】
図3(A)に詳細に示されるように、棒状部24aの溝部24bは、溝の底部分の幅が狭く、溝の開放部分の幅が広く構成され、溝断面にて八の字を形成し、棒状部24aの軸方向において互いに対向するテーパー面24c,24dを有する構成としている。
【0032】
棒状部24aの溝部24bを挟んで両側の位置には、付勢バネ24m,24nがそれぞれ配設され、付勢バネ24m,24nの付勢力のバランスにより検知センサ22の検知部22aのセンター位置と、溝部24bのセンター位置が一致するように位置合わせがなされ、検知センサ22による検知がされない検知待機状態が確立される(
図3(A)の状態)。
【0033】
図2に示すごとく、検知子24は、巻取ドラム4の側端部にて構成されるドラム側被検知部4aに対向する第一検知部24eを有している。本実施例では、棒状部24aを収容ボックス26から巻取ドラム4に向けて突出させ、その突端部にて第一検知部24eが構成される。
【0034】
また、検知子24は、シャフト側被検知部41における巻取シャフト10の側の側端部41aに対向する第二検知部24fを有している。本実施例では、収容ボックス26から巻取ドラム4側に突出された棒状部24aにおいて、巻取シャフト10側に伸びる棒状部を突設することで第二検知部24fが構成される。
【0035】
そして、以上の構成において、巻取シャフト10が右側(ブラケット5側)に横ずれした場合には、巻取ドラム4(ドラム側被検知部4a)が検知子24の第一検知部24eに当接し、
図3(B)に示すように、荷重F1によって棒状部24aが右側へと移動する。
【0036】
この際、テーパー面24cが右側に移動することで、溝部24b内に入り込んだ検知部22aが下方へと押圧され、検知センサ22による巻取シャフト10の横ずれが検知される。
【0037】
同様に、巻取シャフト10が左側(反ブラケット5側)に横ずれした場合には、シャフト側被検知部41が検知子24の第二検知部24fに当接し、
図3(C)に示すように、荷重F2によって棒状部24aが左側へと移動する。
【0038】
この際、テーパー面24dが左側に移動することで、溝部24b内に入り込んだ検知部22aが下方へと押圧され、検知センサ22による巻取シャフト10の横ずれが検知される。
【0039】
以上のようにして、巻取シャフト10の横ずれを検知することができる。なお、検知部20の構成については、
図2、
図3を用いて説明した構成とするほか、各種の構成とすることが考えられる。
【0040】
例えば、
図4(A)に示される構成では、巻取ドラム4の軸方向の両側方にそれぞれ接触する接触式センサ22b,22cを配設し、巻取ドラム4に横ずれが生じて接触式センサ22b,22cに接触した際に、巻取シャフト10の横ずれが検知される構成とするものである。またこの構成では、二つの接触式センサ22b,22cを用いているため、巻取シャフト10の右方向、左方向に二方向の横ずれを個別に検知できる。なお、二つの接触式センサ22b,22cのうちいずれか一方を設置することで、巻取シャフト10の片側のみの横ずれを検知する構成としてもよい。
【0041】
また、
図4(B)に示される構成では、巻取シャフト10に二列の円盤状のシャフト側被検知部42a,42bを配設するととともに、両シャフト側被検知部42a,42bの間の溝部42cの位置において検知待機状態をなす非接触式センサ22dを配設し、巻取シャフト10が移動してシャフト側被検知部42a,42bが非接触式センサ22dに近づいた際に、巻取シャフト10の横ずれが検知される構成とするものである。
【0042】
また、
図4(C)に示される構成では、巻取シャフト10に配設される円盤状のシャフト側被検知部42dの両側に二つの接触式センサ22e,22fを配設し、シャフト側被検知部42dの横方向の移動を接触式センサ22e,22fにてそれぞれ検知して、巻取シャフト10の横ずれが検知される構成とするものである。また、この構成では、二つの接触式センサ22e,22fを用いているため、巻取シャフト10の右方向、左方向に二方向の横ずれを個別に検知でき、左右のずれが識別可能となる。なお、二つの接触式センサ22e,22fのうちいずれか一方を設置することで、巻取シャフト10の片側のみの横ずれを検知する構成としてもよい。
【0043】
また、
図4(D)に示される構成では、巻取シャフト10に円周溝部42fを有する円盤状のシャフト側被検知部42eを配設するとともに、円周溝部42fに検知部が挿入される接触式センサ22gを配設し、シャフト側被検知部42eの横方向の移動を接触式センサ22gにて検知して、巻取シャフト10の横ずれが検知される構成とするものである。また、一つのセンサによって左右方向の横ずれを検知可能である。
【0044】
また、
図5(A)に示される構成では、ブラケット6の外側に突出された巻取シャフト10の端部に、円盤状のシャフト側被検知部42gが配設されるとともに、シャフト側被検知部42gの外周部に常時接触する接触式センサ22hをブラケット6の外側面に配設する構成とするものであり、シャフト側被検知部42gが接触式センサ22hから外れたことを検知することで、巻取シャフト10の横ずれが検知される構成とするものである。
【0045】
また、
図5(B)に示される構成では、ブラケット6の外側に突出された巻取シャフト10の端部に、円盤状のシャフト側被検知部42hが配設されるとともに、シャフト側被検知部42hの両側面にそれぞれ対向する接触式センサ22j,22kをブラケット6の外側面に配設する構成とするものであり、シャフト側被検知部42hの移動を接触式センサ22j,22kで検知することで、巻取シャフト10の横ずれが検知される構成とするものである。また、この構成では、二つの接触式センサ22j,22kを用いているため、巻取シャフト10の右方向、左方向に二方向の横ずれを個別に検知できる。なお、二つの接触式センサ22j,22kのうちいずれか一方を設置することで、巻取シャフト10の片側のみの横ずれを検知する構成としてもよい。
【0046】
また、
図5(C)に示される構成では、ブラケット6の外側に突出された巻取シャフト10の端部に、二枚の円盤を対向させてなるシャフト側被検知部42nを配設するとともに、二枚の円盤の間の隙間42mに検知部が挿入される接触式センサ22mを配設し、シャフト側被検知部42nの移動を接触式センサ22mで検知することで、巻取シャフト10の横ずれが検知される構成とするものである。
【0047】
また、
図5(D)に示される構成では、巻取シャフト10に赤外線を反射するリフレクター42pを配設するとともに、リフレクター42pに赤外線を照射してその反射を検知する赤外線センサ22pを配設し、巻取シャフト10が移動してリフレクター42pの位置が移動し、赤外線の反射が検知されなくなった際に、巻取シャフト10の横ずれが検知される構成とするものである。
【0048】
以上のように、各種の構成によって巻取シャフト10の横ずれを検知することができる。さらに、これらの構成は、新設のシャッター装置に採用されるほか、既存のシャッター装置についても追加的に設置(後付)することも可能である。
【0049】
次に、この横ずれを検知した際のシャッター装置の制御の例について説明する。
図6は、横ずれの検知の制御に関連するシステムの概要図である。
シャッター装置を制御するための制御部61は、巻取シャフトを駆動するモータを含む駆動部を制御するモータ制御回路部61a、報知装置62への報知の開始/停止を制御する報知制御回路部61b、外部へ異常信号を出力する外部信号出力回路を構成する外部信号出力回路部61c、特定の制御状態を維持する自己保持回路を構成する自己保持回路部61d、などを有して構成することができる。
【0050】
制御部61には検知センサ22が接続され、巻取シャフトの横ずれが検知された際には、検知センサ22からの検知信号が制御部61に入力される。
【0051】
制御部61には報知装置62が接続され、巻取シャフトの横ずれが生じた際には、報知装置62によって異常状態を報知することができる。報知装置62の具体的構成については特に限定されるものではないが、例えば、ブザーを鳴動させる警報器や回転灯(異常灯)などを用いることが考えられる。この報知装置62は、シャッター装置が設置される場所や、監視室などの離れた箇所に設置することも考えられる。
【0052】
制御部61にはバッテリー63が接続され、停電時などでは制御部61の電源が確保されるようになっている。
【0053】
制御部61には操作スイッチを有してなる操作部8が接続され、操作部8からの入力操作に応じて制御部61がモータの駆動/停止を行う。
【0054】
制御部61は、シャッター装置が設置される場所から離れた同一施設内の集中管理室や、地理的に離れた箇所の管理会社の管理室などに設置される監視装置64(監視盤)と接続される。監視装置64での操作により、制御部61のモニターや、制御部61への指令が可能とされる。
【0055】
以上の構成において、巻取シャフトの横ずれが生じた際の制御例について説明する。以下の説明中の符号は適宜他の図面に現れるものを参照する。なお、制御部61において、外部信号出力回路部61c、自己保持回路部61dのいずれか一方、或いは、両方を備えない構成とする場合も考えられ、以下では、外部信号出力回路部61c及び自己保持回路部61dの有無に応じた制御例を用いて説明する。
【0056】
<制御例1>
図7の制御フローに示すごとく、巻取シャフトの横ずれが生じて検知センサ22からの信号入力(S1)があると、制御部61は、シャッターが昇降動作中(モータ駆動中)であるか否かを判断(S2)し、動作中である場合にはモータ駆動を停止する(S3)。このようにモータ駆動を停止することで、巻取シャフトの横ずれ量が増大する前に好適にモータ駆動を停止することができ、巻取シャフトの脱落などに伴う副次的な不具合の発生を防止することができる。
【0057】
また、制御部61は、報知装置62に報知開始の信号を出力し、報知装置62にて警報音などが発生される(S4)。
【0058】
制御部61は、検知センサ22からの検知信号の入力が継続する間、報知装置62による報知を継続する(S5)。検知センサ22からの検知信号の入力がなくなった場合には、報知装置62による報知を停止させる(S6)。
【0059】
以上の制御フローによれば、検知センサ22による巻取シャフトの横ずれの発生の検知が行われるとともに、報知に基いた確認、復旧作業などを実施することが可能となる。
【0060】
<制御例2>
図8の制御フローは、外部信号出力回路部61cを備える構成での制御例である。
即ち、
図7の制御フローに加え、外部の監視装置64に対する異常信号(例えば、検知部による横ずれ検知の信号や、駆動部の停止状態の信号)の出力がなされる(S7)。この異常信号の出力は、検知センサ22からの検知信号の入力が継続する間継続され、検知センサ22からの検知信号の入力がなくなった場合には、異常信号の出力が停止される(S8)。
【0061】
以上の制御フローによれば、外部の監視装置64によって巻取シャフトの横ずれの発生を認識することができ、シャッター装置が設置された建物に作業員を動因して確認、復旧作業を実施させることが可能となる。
<制御例3>
【0062】
図9の制御フローは、自己保持回路部61dを備える構成での制御例である。
巻取シャフトの横ずれが生じて検知センサ22からの信号入力(S1)があると、制御部61は自己保持回路を作動させて、次の制御状態を保持する(S9)。
【0063】
まず、シャッターが昇降動作中(モータ駆動中)であるか否かを判断(S2)し、動作中である場合にはモータ駆動を停止する(S3)。
【0064】
また、制御部61は、報知装置62に報知開始の信号を出力し、報知装置62にて警報音などが発生される(S4)。
【0065】
また、制御部61は、操作部8から入力される信号を無視し、モータ制御回路部61aによるモータ駆動が開始されないようにする(S10)。
【0066】
制御部61は、外部の監視装置64から自己保持回路の停止の信号が入力されるまで、自己保持による制御を継続する(S11)。そして、現場による確認、復旧などが行われた後に、例えば、監視装置64から自己保持回路の停止の信号が入力されると、自己保持による制御が終了する(S12)。
【0067】
次いで、制御部61は、報知装置62による報知を停止させる(S6)とともに、操作部8から入力される信号の無視の状態を解除し、操作部8の操作に応じてモータ制御回路部61aによるモータ駆動が開始できるようにする(S13)。
【0068】
以上の制御フローによれば、巻取シャフトの横ずれが生じた際に、操作部8が操作されたとしてもモータの駆動がなされることが無く、例えば、巻取シャフトが横ずれ、或いは、脱落した状態で回転駆動されてしまうことで、予期せぬ不具合が発生、拡大してしまうことを防止できる。
<制御例4>
【0069】
図10の制御フローは、外部信号出力回路部61cと自己保持回路部61dを備える構成での制御例である。
即ち、
図9の制御フローに加え、外部の監視装置64に対する異常信号(例えば、検知部による横ずれ検知の信号や、駆動部の停止状態の信号)の出力がなされる(S7)。この異常信号の出力は、例えば、監視装置64から自己保持回路の停止の信号が入力され、自己保持による制御が終了するまで行われる(S12)。
【0070】
以上の制御フローによれば、外部の監視装置64によって巻取シャフトの横ずれの発生を認識することができ、シャッター装置が設置された建物に作業員を動因して確認、復旧作業を実施させることが可能となる。さらに、巻取シャフトの横ずれが生じた際に、操作部8が操作されたとしてもモータの駆動がなされることが無く、例えば、巻取シャフトが横ずれ、或いは、脱落した状態で回転駆動されてしまうことで、予期せぬ不具合が発生、拡大してしまうことを防止できる。
【0071】
以上に説明した実施形態から明らかなように、本発明では以下の構成にて実施することができる。
即ち、
図1及び
図6に示すごとく、開口部を開閉するシャッターカーテン2を巻回する巻取ドラム4が取り付けられる巻取シャフト10と、シャッターカーテン2の開閉操作を行うための制御信号を出力する操作部8と、巻取シャフト10を駆動する駆動部(不図示)と、操作部8からの制御信号に基づいて、駆動部を制御する制御部61と、巻取シャフト10の軸方向の位置ずれを検知可能な検知部20と、を備えたことを特徴とするシャッター装置とする。
【0072】
この構成によれば、巻取シャフト10の横ずれを直接的に検知することができ、巻取シャフト10の脱落や、脱落に伴う副次的な不具合の発生を防ぐことができる。
【0073】
また、
図7乃至
図10の制御例に示されるように、検知部20が巻取シャフト10の位置ずれを検知した場合に、制御部61が巻取シャフト10を駆動する駆動部を停止状態とする。
【0074】
これにより、巻取シャフト10の横ずれが生じた際に、操作部8が操作されたとしても駆動部の駆動がなされることが無く、例えば、巻取シャフト10が横ずれ、或いは、脱落した状態で回転駆動されてしまうことで、予期せぬ不具合が発生、拡大してしまうことを防止できる。
【0075】
また、
図7乃至
図10の制御例を実現すべく、
図6の例に示されるように、駆動部が停止状態にあることを報知する報知部を備えた構成とする。なお、この報知部は、報知装置62、報知装置62への報知の開始/停止を制御する報知制御回路部61b、外部へ異常信号を出力するための外部信号出力回路部61cの各装置、各回路の単独構成、或いは、組合せによって実現することができる。
【0076】
これにより、例えば、報知装置62にて警報音を発生させてシャッター装置の設置場所において異常を認識させることや、外部信号出力回路部61cにて異常信号を出力し外部の監視装置によって駆動部が停止したことを認識させることができ、シャッター装置が設置された建物に作業員を動因して確認、復旧作業を実施させることが可能となる。