特許第6241933号(P6241933)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241933
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機および空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20171127BHJP
   F24F 13/32 20060101ALI20171127BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   F24F11/02 S
   F24F1/00 426
   F24F11/02 103A
   F24F1/00 401B
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-9085(P2014-9085)
(22)【出願日】2014年1月22日
(65)【公開番号】特開2015-137792(P2015-137792A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】倉知 淳
(72)【発明者】
【氏名】土橋 一浩
(72)【発明者】
【氏名】中山 聡
(72)【発明者】
【氏名】伏見 直之
【審査官】 関口 知寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−190941(JP,A)
【文献】 特開2004−044855(JP,A)
【文献】 特開2009−186139(JP,A)
【文献】 特開2013−164217(JP,A)
【文献】 特開2008−281213(JP,A)
【文献】 特開2012−083077(JP,A)
【文献】 特開平3−77032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00−11/08
F24F 13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に向かってそれぞれが異なる方向に空気を吹き出す複数の吹出口と、室内の人を検知する人検知手段と、を備えた空気調和機の室内機において、
前記人検知手段は、前記複数の吹出口に対応して設けられる複数の人感センサと、該人感センサ毎に設けられるレンズと、を備え、
前記複数の人感センサは、それぞれが異なる前記複数の吹出口に対応する範囲を検知し、
前記複数の人感センサの一つの人感センサの検知範囲と、他の人感センサに対応する前記吹出口の空調範囲とが重なる範囲を遮光する遮光カバーを備えることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機の室内機において、
前記複数の人感センサに外部から同時に赤外線が入射することで該複数の人感センサで同時に人を検知可能なことを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の空気調和機の室内機において、
前記遮光カバーは、前記人感センサ及び前記レンズの一部を赤外線入射側から覆う形状であることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の空気調和機の室内機において、
前記遮光カバーは、前記人感センサに入射する赤外線のうち該人感センサに対応する前記吹出口の空調範囲外から入射する赤外線を遮ることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の空気調和機の室内機において、
記遮光カバーは前記複数の人感センサそれぞれに対応する位置に開口部を有することを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の空気調和機の室内機において、
前記人検知手段は、前記複数の人感センサと、前記レンズと、前記遮光カバーと、を覆い、赤外線を透過する材料で形成された赤外線透過カバーを備えることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の空気調和機の室内機において、
室内機本体となる筐体の室内への露出部に設けられる化粧パネルと、該化粧パネルの角部に設けられる複数のコーナー部カバーと、該コーナー部カバーが取り付けられる複数の取付部と、を備え、
前記人検知手段は、前記複数のコーナー部カバーの何れかに設けられ、
前記複数のコーナー部カバーは、前記複数の取付部の何れにも取り付け可能であることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の空気調和機の室内機おいて、
前記複数の人感センサと前記複数の吹出口との配置関係を対応させる制御を行う制御部を備えることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載の空気調和機の室内機を備えることを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内機および空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2011−174693公報(特許文献1)がある。この公報には、「ケーシングに複数の吹出口と空調室における情報を検知するセンサとが設けられた空気調和装置の天井設置型室内ユニットにおいて、効果的に各吹出エリアにおける情報を検知できるようにするために、空気調和装置1の天井設置型室内ユニット4は、空調室の天井に設けられるものであって、ケーシング51と、複数の人検知センサ62a〜62dとを有している。ケーシング51は、空調空気を空調室内に吹き出す複数の吹出口56a〜56dを有している。人検知センサ62a〜62dは、各吹出口56a〜56dに対応するようにケーシング51に設けられ、空調室における人の存在の有無を検知する。そして、各人検知センサ62a〜62dの検知エリアA、B、C、Dは、各吹出口56a〜56dから吹き出される空調空気の気流が到達する吹出エリアA’、B’、C’、D’に合わせられている。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−174693公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、各吹出口から吹き出される空調空気の気流が到達する吹出エリアに合わせた各人感センサの検知エリアを得るために、専用の人感センサもしくは人感センサ用レンズを使用する必要がある。つまり、複数の人感センサを使用する場合、専用の人感センサもしくは複数の人感センサを覆う専用の人感センサ用レンズが用いられることでコストアップにつながり、また、別の吹出エリアを持つ他の空気調和システムに適用することができない。例えば、吹出しエリアを4箇所持つ空気調和システム専用の人感センサもしくは人感センサ用レンズを、吹出しエリアを2箇所持つ空気調和システムに適用することはできない。
【0005】
そこで、本発明では単一の範囲を見る汎用的な人感センサと人感センサ用レンズとを用いて、ある所定の範囲の検知を行うことができ、かつ所望する複数の範囲を検知することができる人感センサを搭載した空気調和機の室内機および空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、室内に向かってそれぞれが異なる方向に空気を吹き出す複数の吹出口と、室内の人を検知する人検知手段と、を備えた空気調和機の室内機において、前記人検知手段は、前記複数の吹出口に対応して設けられる複数の人感センサと、該人感センサ毎に設けられるレンズと、を備え、前記複数の人感センサは、それぞれが異なる前記複数の吹出口に対応する範囲を検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の人感センサと、人感センサをそれぞれ覆うレンズを備えることで、各人感センサとレンズは単一の範囲を見る汎用的な人感センサとレンズを使い、かつ所望する複数の範囲の検知を行う空気調和機の室内機および空気調和機を提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例に係る空気調和機の全体図である。
図2】本発明の実施例に係る室内機の斜視図である。
図3】本発明の実施例に係る室内機の人感センサ部の赤外線透過カバーと赤外線遮光カバーと人感センサのレンズを外した状態の正面図である。
図4】本発明の実施例に係る室内機の人感センサ部の赤外線透過カバーと赤外線遮光カバーを外した状態の正面図である。
図5】本発明の実施例に係る室内機の人感センサ部の赤外線透過カバーを外した状態の正面図である。
図6】本発明の実施例に係る室内機の人感センサ部の正面図である。
図7】本発明の実施例に係る室内機の人感センサ部の断面図である。
図8】本発明の実施例に係る室内機の人感センサの検知範囲の模式図である。
図9】本発明の実施例に係る室内機の化粧パネル部のコーナー部カバーを外した状態の正面図である。
図10】本発明の実施例に係る室内機の化粧パネル部のコーナー部カバーを外した状態の正面図の拡大図である。
図11】本発明の実施例に係るリモコンの表示を示す図である。
図12】本発明の実施例に係る室内機の制御のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の空気調和機に係る実施例について図1図12を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例に係る空気調和機の全体構成について示す。図1において、天井埋込型の室内機1と室外機2が冷媒配管及び伝送線3によって接続されており、室内機1は設置された室内の空調を行う。室内機1はリモコン4とリモコン伝送線5によって接続され、利用者がリモコン4を操作することで室内機1の動作指令が行われる。室外機2は、図示しないが熱源となる圧縮機、室外空気と作動流体とを熱交換させる室外熱交換器、室外熱交換器に送風を行う室外ファンを備える。
【0011】
図2は、室内機1を下から見た斜視図である。室内機1は、本体部10と本体部10の室内側に面する下方部を覆う化粧パネル部11を備える。本体部10は、天井内に埋め込まれ、化粧パネル部11が室内の天井面に露出して構成される。また、図示していないが室内機1はその内部に室内ファンと熱交換器を持つ。室内ファンは室内機1の吸込み口22から室内空気を吸い込み、吸い込んだ空気が熱交換器を通過することで空気と冷媒との熱交換が行われ、4方の吹出し口20a〜20dから空調された空気が吹き出して室内を空調する。ルーバ21a〜21dは、吹出し口20a〜20dから吹出す空気の吹出方向を室内の高さ方向にそれぞれ可変する。
【0012】
空調の際には、空調空間の人の在、もしくは不在や、人がどの程度動作しているかという人検知情報を得るために、人感センサ35が化粧パネル部11に設置されている。人感センサ35は、赤外線センサを採用する場合には人が動作する等で検知範囲内の赤外線が変化した際に検知する。室内制御部13(図示せず)は、これらの人検知情報によって空調運転の設定温度、室内機の風量、ルーバ21a〜21dの角度を変化させる。これにより、空調空間の冷やしすぎや、暖めすぎを防止し、空調空間の人の快適性を高める。
【0013】
また、人感センサ35は、空調空間の人検知情報を空調空間内で分割して得るため、1台の室内機1に複数個設けられる場合もある。このとき、複数個の人感センサの検知範囲は、吹出し口20a〜20dそれぞれの吹出し口に対応する空調範囲26a〜26d(図8参照)に対応するよう設けられることが望ましい。この対応により、例えば、空調範囲26aの人検知情報にたいしてルーバ21aを動作させ、空調範囲26bの人検知情報にたいしてルーバ21bを動作させることで、それぞれの空調範囲26a〜26dに対し、個別に空調することが可能となる。
【0014】
ところで、空調範囲26a〜26dのそれぞれは、断面が扇型の錐形状をしている。他方、汎用的な人感センサと人感センサのレンズの検知範囲は、断面が円の錐形状をしている。そのため、汎用的な人感センサと人感センサのレンズは、空調範囲26a〜26dに対応して使用できない。つまり、空調範囲26a〜26d外であるにも関わらず人を検知してルーバ21を制御してしまう問題が生じる。また、汎用品の人感センサとレンズの組合せでは、上述のとおり検知範囲が円の錐形状であるため、重複する部分が生じてしまうことにより、複数の人感センサで重複して人を検知する虞もある。したがって、空調範囲26a〜26dに対しては、専用の人感センサもしくは専用の人感センサのレンズを使用する必要があったが、以下、本実施例においてはこれらの課題を解決する空気調和機の構成について説明する。
【0015】
まず、図3図7を用いて本発明の実施例に係る人感センサ部の構造について説明する。図3図6は、室内機1における人感センサ35が取り付けられる位置の拡大図である。
【0016】
図3に示すように、人感センサ35は、人感センサ取付部に所定の角度を設けた人感センサの台座33の上に設置する。本実施例では4つの人感センサ35a〜35dを設置している。
【0017】
次に図4に示すように、人感センサ35a〜35dそれぞれに入射してくる赤外線を所定の屈折率で屈折させることで検知範囲を拡げる(もしくは狭める)レンズ36a〜36dを取り付ける。これにより、各人感センサ35a〜35dが所定の範囲で検知を可能となる。
【0018】
図5に示すように、レンズ36a〜36dの上方には、人感センサ35に入射する光を一部の範囲で遮る赤外線遮光カバー32を設ける。この赤外線遮光カバー32は、人感センサ35に入射する光のうち、その人感センサ35に対応する吹出し口20の空調範囲26(吹出し方向)外から入射する光を遮るように構成される。
【0019】
赤外線遮光カバー32は、ポリスチレンや鉄などの赤外線を透過しない材質で形成される。また、赤外線遮光カバー32は、人感センサ35それぞれに対応する位置に開口部53a〜53dを有する。したがって、赤外線遮光カバー32の開口部53a〜53dを通過した赤外線だけが人感センサ35a〜35dに入射することになる。
【0020】
図6に示すように、レンズ36a〜36dの上方には、人感センサ部の保護及び意匠性を考慮した赤外線透過カバー31を設ける。この赤外線透過カバー31は、人感センサ35が検知する赤外線を遮らないように高密度ポリエチレン等の赤外線を透過する材質で形成される。
【0021】
図7は人感センサ部の断面図を示すが、上述のとおり内部から順に人感センサの台座33、人感センサ35、レンズ36、赤外線遮光カバー32、赤外線透過カバー31が配置される。
【0022】
次に、図8を用いて人感センサ35の検知範囲50a〜50dおよび赤外線遮光カバー32の遮光範囲について説明する。
【0023】
空調範囲26a〜26dは、ルーバ21a〜21dにより吹出し口20からの送風が達する範囲を示す。そして、検知範囲50a〜50dは、レンズ36a〜36dが設けられた各人感センサ35a〜35dが人を検知できる範囲を示す。すなわち、人が移動する等で範囲内の赤外線が変化したときに、その変化を人感センサ35a〜35dと人感センサのレンズ36a〜36dが検知することができる範囲のことである。検知範囲50a〜50dは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0024】
人感センサ35a〜35dと人感センサのレンズ36a〜36dの検知範囲50a〜50d内でかつ赤外線遮光カバー32で覆われている遮光範囲51は、赤外線が変化しても、人感センサ35a〜35dは検知させず、人感センサ35a〜35dと人感センサのレンズ36a〜36dの検知範囲50a〜50d内でかつ赤外線透過カバー31で覆われている非遮光範囲52は、赤外線が変化した場合、人感センサ35a〜35dは検知する。
【0025】
ここで、汎用品の人感センサを用いる場合、図8のように検知範囲50a〜50dはそれぞれ円の錐形状に拡がり空調範囲26a〜26d外までに及んでいる。そこで、赤外線遮光カバー32は、各人感センサの検知範囲50a〜50dが、各空調範囲26a〜26dに対応した範囲内に収まるように開口部53を形成する。つまり、空調範囲26a〜26d外の人感センサの検知範囲50a〜50dを遮光する。図8に示すとおり検知範囲50cにおいて、空調範囲26外となる範囲と、さらに空調範囲26内であっても一つの人感センサの検知範囲50cと他の人感センサ35b,35dに対応する吹出し口20b,20dの空調範囲26b,26dとが重なる範囲と、を赤外線遮光カバー32により遮光することで、検知範囲50cにおける非遮光範囲52cを空調範囲26cに対応させる。
【0026】
これらの構成により、各人感センサの検知範囲50a〜50dと、対応する空調範囲26a〜26dとを略同一の範囲とすることができる。したがって、空調範囲と異なる検知範囲を有する汎用品の人感センサ及び人感センサ用レンズを用いたとしても、各人感センサ35a〜35dは、対応する各空調範囲26a〜26d内で人を検知することができる。
【0027】
以上のように、本実施例では人感センサ35毎にレンズ36を設けてそれぞれが異なる吹出し口20に対応する範囲を検知するようにし、さらには、赤外線遮光カバー32により空調範囲26外の人感センサ35の検知範囲50を遮光することで、汎用品を用いて所望の検知範囲を得ることができる。
【実施例2】
【0028】
本実施例では、空調範囲26a〜26dにあわせた検知範囲を持った人感センサ付きのコーナー部カバー30の取付部を変更することができる場合を説明する。
【0029】
図1は本実施例の構成の全体を示した図である。実施例1と同様の点については説明を省略する。空調空間の人検知情報62a〜62dを分割して得る場合では、人感センサ35a〜35dは、それぞれの人検知情報62a〜62dを室内制御部13に送信し、室内制御部はそれぞれの人検知情報62a〜62dに対応したルーバ63a〜63dを動作させる。このとき、吹出し口のルーバ21aと、吹出口20aに対応する空調範囲26aと、人感センサ35aは同一の方向を向いており、人感センサ35aの人検知情報62aに対し、吹出し口のルーバ21aが動作する。以下同様に、人感センサ35bに対し吹出し口のルーバ21bが、人感センサ35cに対し吹出し口のルーバ21cが、人感センサ35dに対し吹出し口のルーバ21dが、それぞれ動作する。
【0030】
この場合、人感センサ付きのコーナー部カバー30は、初期のコーナー部カバー取付部から変更することができない。なぜならば、仮に初期のコーナー部カバー取付部が24aの場合に24bに取り付けた場合、人感センサ35aの人検知情報62aに対し、吹出し口のルーバ21bが動作してしまい、人感センサとルーバの対応関係が90度異なってしまうためである。この場合、現地施工の際に、人感センサ付きのコーナー部カバー30の位置を変更することができない。一方、同一空間内に複数の室内機1を設置する場合では、意匠面の統一のためにコーナー部カバー30の位置の変更が必要な場合がある。
【0031】
本実施例では、図9に示すように人感センサ付きのコーナー部カバー30はコーナー部カバー取付部24a〜24dの何れにも取付が可能な構造としており、他のコーナー部カバー23も何れの取付部24a〜24dにも取り付け可能である。人感センサ付きのコーナー部カバー30とコーナー部カバー23は略同一形状であり、取付部24a〜24dに対応した取付部を有する。
【0032】
また、リモコン4にはリモコンの設定項目60があり、設定項目60に対し、リモコンの設定項目の選択肢61が設けられている。図11の例では、設定項目60としてb1が選択され、その選択肢61は00の場合を示す。また、選択肢61は00の他に、01、02、03を持っている。ここで、設定項目60のb1は、他の記号でもよいし、「センサー取付位置」等の名称を入れてもよい。
【0033】
また、選択肢61についても同様に、A〜Dなどの記号でもよい。ここでは、選択項目60と選択肢61を持つことのみが必要である。また、選択肢61は、現地施工の際に変更が可能である。
【0034】
ここで、選択肢61が00のとき、室内制御部は、人感センサの人検知情報62aをルーバ21aの動作に使用し、人感センサの人検知情報62bをルーバ21bに、人感センサの人検知情報62cをルーバ21cに、人感センサの人検知情報62dをルーバ21dに使用する。
【0035】
選択肢61が01のとき、室内制御部は、人感センサの人検知情報62aをルーバ21bの動作に使用し、人感センサの人検知情報62bをルーバ21cに、人感センサの人検知情報62cをルーバ21dに、人感センサの人検知情報62dをルーバ21aに使用する。
【0036】
選択肢61が02のとき、室内制御部は、人感センサの人検知情報62aをルーバ21cの動作に使用し、人感センサの人検知情報62bをルーバ21dに、人感センサの人検知情報62cをルーバ21aに、人感センサの人検知情報62dをルーバ21bに使用する。
【0037】
選択肢61が03のとき、室内制御部は、人感センサの人検知情報62aをルーバ21dの動作に使用し、人感センサの人検知情報62bをルーバ21aに、人感センサの人検知情報62cをルーバ21bに、人感センサの人検知情報62dをルーバ21cに使用する。
【0038】
本実施例の構成では、人感センサ付きのコーナー部カバー30をコーナー部カバー取付部24aに取り付けた場合は選択肢61を00に設定すれば動作可能である。また、以下同様に、コーナー部カバー取付部24bに取り付けた場合は選択肢61を01に、コーナー部カバー取付部24cに取り付けた場合は選択肢61を02に、コーナー部カバー取付部24bに取り付けた場合は選択肢61を03に、設定すれば動作可能である。
【0039】
以上の通り、本実施例では、人感センサの配置とルーバとの配置関係が90°ごとにずれた設定を備えておくことで、人感センサ付きの人感センサ付きのコーナー部カバー30は初期のコーナーカバー取付部から変更することが可能となる。このように複数の人感センサ35と複数の吹出し口20との配置関係を対応させる制御を行う室内制御部13を有することにより、同一空間内に複数の室内機1を設置する場合では、意匠面の統一のために現地施工の際にコーナー部カバー30の位置を変更できる。
【0040】
また、化粧パネル11のコーナー部カバー取付部24a〜24dにそれぞれA〜Dなどの目印25を設け、リモコン4の設定項目の選択肢61を同じくA〜Dとすることもできる。このとき、Aの目印のコーナー部カバー取付部24a〜24dに人感センサ付きのコーナー部カバー30を取り付けた場合は設定項目の選択肢61はAを選択するようにすれば、より簡便に現地施工することが可能である。
【0041】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 室内機
2 室外機
3 冷媒配管及び伝送線
4 リモコン
5 リモコン伝送線
10 室内機の本体部
11 化粧パネル部
12 リモコンの表示
13 室内制御部
20 20a 20b 20c 20d 吹出し口
21 21a 21b 21c 21d ルーバ
22 吸込み口
23 コーナー部カバー
24 24a 24b 24c 24d コーナー部カバー取付部
25 コーナー部カバーの目印
26 26a 26b 26c 26d 空調範囲
30 人感センサ付きのコーナー部カバー
31 赤外線透過カバー
32 赤外線遮光カバー
33 人感センサの台座
35 35a 35b 35c 35d 人感センサ
36 36a 36b 36c 36d レンズ
50 50a 50b 50c 50d 検知範囲
51 51a 51b 51c 51d 遮光範囲
52 52a 52b 52c 52d 非遮光範囲
53 53a 53b 53c 53d 開口部
60 リモコンの設定項目
61 リモコンの設定項目の選択肢
62 62a 62b 62c 62d 人感センサの人検知情報
63 63a 63b 63c 63d ルーバの動作出力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12