特許第6241935号(P6241935)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6241935繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241935
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20171127BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20171127BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20171127BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   G01B11/24 K
   G01B11/02 H
   G01B11/30 A
   G01N21/88 Z
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-24183(P2014-24183)
(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公開番号】特開2015-152342(P2015-152342A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年1月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐々本 裕方
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4691562(JP,B2)
【文献】 特開2011−104906(JP,A)
【文献】 特開2013−154541(JP,A)
【文献】 特開平06−055656(JP,A)
【文献】 特開2008−196892(JP,A)
【文献】 特開2014−35183(JP,A)
【文献】 特開2014−126378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の表面に複数並べて貼り付けられた繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置であって、
前記繊維強化プラスチックテープの被検査領域に向けて観察用照明光を照射する照明部と、
前記観察用照明光が前記被検査領域表面で反射した反射光を観察する観察部と、
前記観察部で観察された画像の濃淡差に基づいて前記繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査するコントラスト検査部と、
前記繊維強化プラスチックテープの被検査領域に向けて光切断観察用照明光を照射する光切断照明部と、
前記光切断観察用照明光が前記被検査領域表面で反射した反射光を観察する光切断反射光観察部と、
前記光切断反射光観察部で観察された輝点群の位置情報に基づいて前記繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する光切断検査部と、
前記コントラスト検査部を用いて検査するか否か、並びに、前記光切断検査部を用いて検査するか否かを切り替える、検査方式切替部とを備えた、
繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置。
【請求項2】
前記検査方式切替部は、予め登録された検査レシピデータに基づいて、前記コントラスト検査部を用いて検査するか否か、並びに、前記光切断検査部を用いて検査するか否かを切り替える
ことを特徴とする、請求項1に記載の繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置。
【請求項3】
前記検査方式切替部は、前工程のテープ貼付装置若しくは工程統括システムから送信されたテープ貼付位置データに基づいて、前記コントラスト検査部を用いて検査するか否か、並びに、前記光切断検査部を用いて検査するか否かを切り替える
ことを特徴とする、請求項1に記載の繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置。
【請求項4】
前記観察部又は前記光切断反射光観察部は、検査対象となる構造物の表面全体のうち、少なくとも一部分を観察するものであり、
当該観察部又は当該光切断反射光観察部を前記検査対象となる構造物の表面に沿って相対移動させる相対移動部を備え、
前記検査方式切替部は、前記相対移動部の位置情報に基づいて、検査対象部位毎に前記コントラスト検査部と前記光切断検査部のいずれを用いて検査するかを切り替える
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の表面に複数並べて貼り付けられた繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、構造物の軽量かつ高性能が要求される航空宇宙用途やスポーツ用途において、繊維強化プラスチック材料が使用されている。特に航空機用途では、プリプレグと呼ばれる炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた半硬化状態のシート状成形用中間材料が数多く採用されている。このプリプレグは、構造物上を多層積層された後、熱で硬化させることで成形が行われている。
【0003】
さらに、航空機胴体に代表される円筒等の湾曲した面を形成する場合、幅の広いシート状のプリプレグを湾曲した構造物の表面形状に倣って貼り付けようとすると、プリプレグに皺が生じやすい。そのため、湾曲した面にプリプレグを貼り付け積層する場合は、シートを適宜スリットして細幅のテープ状にして貼り付け、均一に積層してゆく手法が採用されている。
【0004】
また、プリプレグは、繊維の延びる方向と、それに交差する方向とでは、強度が異なる。そのため、航空機の胴体部分についての貼り付け、積層については、繊維の延びる方向が縦・斜め・横・斜めというように、必ず下の層と45度以上向きを変えて積層され、この積層は、数十層〜100層程度行われる。また、1つの層に貼り付けられるプリプレグは、数本から50本程度を並べて、一度に貼り付けられるのが一般的である。
【0005】
そして、上記のようにして細幅のテープ状にして貼り付けられたプリプレグは、互いに所定の間隔で並べられているか、お互いに重なり合っていないかなど、貼付状態の検査が行われている。この検査は、人の目視によって行われているが、熟練者の確保、検査時間の迅速性、検査品質の再現性などの観点から、自動による検査も提案されている(例えば、特許文献1,2)。
【0006】
また、いわゆる光切断方式による3次元デジタイザを用い、測定対象物の3次元データを取得する方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4691562号公報
【特許文献2】特表2009−513984号公報
【特許文献3】特開2007−303828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、プリプレグの貼付対象である構造物の一部に開口部がある場合や、突出した部分がある場合には、この様な部位にプリプレグを貼り付けず、この部位の周囲を囲むようにプリプレグを重ねて貼り付けることがある。この様な場合、上述の特許文献1に示す様な方式では、検査対象となる細幅のテープ状に貼り付けられたプリプレグの直下に同一方向に貼り付けられたプリプレグのテープ層が存在する場合、検査対象となる最上層のテープの端部位置による影か、下層のテープの端部位置による影かが判別できず、最上層のテープの端部位置を正確に検出できないという課題があった。
【0009】
一方、特許文献3に示す様な光切断方式では、検査精度を上げようとすると、検査速度が遅くなるため、面積の広い検査対象の全域に対して用いると、迅速な検査ができなくなるという課題があった。
【0010】
そこで、本発明は、検査対象となる細幅のテープ状に貼り付けられたプリプレグの直下に同一方向に貼り付けられたプリプレグのテープ層が存在する状態と、プリプレグのテープが上層と下層では交差する方向に貼り付けられている状態とが混在していても、迅速かつ高精度な検査が可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するために、第1の発明は、
構造物の表面に複数並べて貼り付けられた繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置であって、
前記繊維強化プラスチックテープの被検査領域に向けて観察用照明光を照射する照明部と、
前記観察用照明光が前記被検査領域表面で反射した反射光を観察する観察部と、
前記観察部で観察された画像の濃淡差に基づいて前記繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査するコントラスト検査部と、
前記繊維強化プラスチックテープの被検査領域に向けて光切断観察用照明光を照射する光切断照明部と、
前記光切断観察用照明光が前記被検査領域表面で反射した反射光を観察する光切断反射光観察部と、
前記光切断反射光観察部で観察された輝点群の位置情報に基づいて前記繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する光切断検査部と、
前記コントラスト検査部と前記光切断検査部のいずれを用いて検査するかを切り替える、検査方式切替部とを備えた、
繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置である。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、
前記検査方式切替部は、予め登録された検査レシピデータに基づいて、前記コントラスト検査部と前記光切断検査部のいずれを用いて検査するかを切り替えることを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、第1の発明において、
前記検査方式切替部は、前工程のテープ貼付装置若しくは工程統括システムから送信されたテープ貼付位置データに基づいて、前記コントラスト検査部と前記光切断検査部のいずれを用いて検査するかを切り替えることを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、
前記観察部又は前記光切断反射光観察部は、検査対象となる構造物の表面全体のうち、少なくとも一部分を観察するものであり、
当該観察部又は当該光切断反射光観察部を前記検査対象となる構造物の表面に沿って相対移動させる相対移動部を備え、
前記検査方式切替部は、前記相対移動部の位置情報に基づいて、前記コントラスト検査部と前記光切断検査部のいずれを用いて検査するかを切り替える
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
検査対象となる細幅のテープ状に貼り付けられたプリプレグの直下に同一方向に貼り付けられたプリプレグのテープ層が存在する状態と、プリプレグのテープが上層と下層では交差する方向に貼り付けられている状態とが混在していても、迅速かつ高精度な検査が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る検査装置の概略構成を示す斜視図である。
図2】本発明に係る検査装置の照明部と観察部の配置を示す図である。
図3】本発明に係る検査装置のブロック図である。
図4】本発明に係る検査装置で検査対象物を観察した状態を示す図である。
図5】本発明に係る別の形態の検査装置の概略構成を示す斜視図である。
図6】照明回転式の照明方向変更部を備えた検査装置の外観図である。
図7】照明スイッチング式の照明方向変更部を備えた検査装置の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る繊維強化プラスチックテープ(以下、単にテープと呼ぶ場合もある)の貼付状態を検査する装置(以下、検査装置という)の具体例について、図を用いながら説明をする。図中、検査対象物の被検査領域面をX,Y方向とし、それに直交するテープ厚み方向をZ方向と表現する(以下同じ)。
【0018】
図1は、本発明に係る検査装置の概略構成を示す斜視図であり、平板状の検査対象となる構造物w1(以下、検査対象物w1という)について検査をする1つの形態について例示したものである。この検査対象物w1は、構造物w1sの表面上に繊維強化プラスチックテープw1pが方向を変えながら何層も積層されている。
【0019】
本発明に係る検査装置1は、検査対象物w1の表面に複数並べて貼り付けられた繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査する装置であり、照明部2と、観察部3と、コントラスト検査部4と、光切断照明部5と、光切断反射光観察部6と、光切断検査部7と、検査方式切替部8とを備えて構成されている。さらに、検査装置1は、相対移動部9(不図示)を備えて構成されている。
【0020】
照明部2は、検査対象である繊維強化プラスチックテープの被検査領域f1に向けて観察用照明光を照射するものである。具体的には、照明部2は、複数の照明ユニット21a,21bと、それらを同時に点灯させる光源ユニット(不図示)とを含んで構成されている。複数の照明ユニット21a,21bは、検査対象である繊維強化プラスチックテープの被検査領域f1に向けて観察用照明光22a,22bを照射するものであり、被検査領域f1よりも広い照明光照射領域24に対して、所定の方向から、所定の角度で均一な光を照射するように配置されて構成されている。より具体的には、複数の照明ユニット21a,21bは、LED照明やハロゲン照明が例示できるが、それ以外にも、レーザ光やその他の可視光線、紫外線、赤外線を照射するものが例示できる。
【0021】
観察部3は、観察用照明光22が被検査領域表面f1で反射した反射光r1を観察するものである。具体的には、観察部3は、観察カメラ31と、レンズ32とを含んで構成されている。なお、ここでいう反射光r1は、正反射成分の光に限定されず、いわゆる散乱成分の光も含む。観察カメラ31は、詳細を後述する検査部4に対して観察画像を出力するものである。より具体的には、観察カメラ31としては、CCDやCMOSに代表されるような、エリアイメージセンサを備えたものが例示できる。また、レンズ32は、検査対象物w1の表面に設定された被検査領域f1の像を、観察カメラ31のエリアイメージセンサに投影するものである。具体的には、レンズ32としては、凸レンズや凹レンズを複数組み合わせて備えるものを用いることができ、一般に入手可能なCCTVやテレセントリックレンズ、光学顕微鏡の対物レンズ等が例示できる。
【0022】
図2は、本発明に係る検査装置1の照明部2と観察部3の配置を示す図であり、図1で示した検査装置1の照明部2と観察部3について、Y方向から見た様子を示している。
同時に点灯する複数の照射ユニット21a,21bは、繊維強化プラスチックテープの繊維の延びる方向と交差する方向(好ましくは、直交する方向)であって、検査対象物w1に設定した被検査領域f1の法線n1に対して、お互いが対称となる方向(図中のα1,α2)から一対の観察用照明光22a,22bを照射するように配置されている。
【0023】
図3は、本発明に係る検査装置のブロック図であり、検査装置1を構成する各部について詳細を示している。
【0024】
コントラスト検査部4は、観察部3で観察された画像の濃淡差に基づいて繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査するものである。コントラスト検査部4は、詳細を後述するが、画像入力部41と、画像処理部43と、項目別検査部44と、検査結果出力部45とを備えている。
【0025】
具体的には、コントラスト検査部4は、一般に入手可能な画像処理装置を用いることができ、観察カメラ31から出力される画像データを入力する画像入力部41と、入力した画像データを予めプログラミングされた手順に従って画像処理を行う画像処理部43と、画像処理部43から出力されたデータに対して予め規定された検査基準とを比較して項目別に検査を行う項目別検査部44と、項目別に検査した結果を検査結果出力部45から結果を出力するように構成されている。
【0026】
画像処理部43は、2値化処理部43aと、2値計測部43bと、領域認識部43cを備えている。
2値化処理部43aは、画像入力部41で取得した画像データを2値化して、明るく写っているテープ部分を白画像、暗く写っている下層のテープ層を黒画像として抽出するものである。2値計測部43bは、2値化処理部43aで白黒に2値化された画像データに対して、白部分の塊毎に、面積や幅、長さ、方向などを演算して算出するものである。
【0027】
領域認識部43cは、白部分の塊のうち、所定の面積、幅、長さ、方向の範囲に入っている塊をテープ部分として認識し、このテープ部分が存在する領域を検査対象領域として認識するものである。領域認識部43cは、テープ部分と認識した範囲それぞれに対して、例えば外接長方形フィッティング処理を行う。この外接長方形フィッティング処理は、テープ部分として認識した白部分の塊について、長方形が外接するように最小二乗法に基づいてフィッティング処理を行い、X,Y方向それぞれの端部の位置座標を算出する。
【0028】
具体的には、画像処理部43は、画像処理装置のハードウェアと、上述した2値化処理部43a、2値計測部43b、領域認識部43cそれぞれの機能を具現化する実行プログラム(ソフトウェア)を組み合わせて構成されている。
【0029】
項目別検査部44は、端部位置検査部44a、間隔計測部44c、間隔検査部44d、重なり検査部44e、異物検査部44fを備えている。
【0030】
図4は、本発明に係る検査装置で検査対象物を観察した状態を示す図であり、図4(a)は被検査領域f1内の検査対象物w1の外観を示した図で、図4(b)は観察画像を示したイメージ図である。
図4(a)には、検査対象物w1ついて、下記の様な種々のエラーが生じている様子が表わされている。
1)矢印401で示した部分は、他のテープと端部の位置がY方向にずれており、「端部不揃い」と呼ばれるエラーが生じている
2)矢印402で示した部分は、隣り合うテープ同士のX方向の間隔が規定値よりも広いため、「ギャップ異常」と呼ばれるエラーが生じている。
3)矢印403で示した部分は、隣り合うテープ同士が重なり合っており、「ラップ異常」と呼ばれるエラーが生じている。
4)矢印404で示した部分は、テープの表面に異物が付着しており、「異物付着」と呼ばれるエラーが生じている。
【0031】
図4(b)には、図4(a)に対応する領域を観察カメラ31で撮像し、2値化処理により白黒の画像イメージとして出力された状態が表されている。
この図4(a),(b)に示したテープは、それぞれの繊維がY方向に伸びている状態で貼り付けられており、本発明を適用して検査対象物w1を観察すると、最も上の層のテープ部分は白く(明部として)観察され、それより下の層のテープは黒く(暗部として)観察される。そのため、検査対象となる層を形成するテープが貼り付けられた部分が白く表示され、上述の種々のエラーが生じている部分は、次のように表示される。
1)矢印501で示す、端部不揃いのエラーが生じている場所は、白部分と黒部分の境目がずれている。
2)矢印502で示す、ギャップ異常のエラーが生じている場所は、黒部分の間隔が広くなっている。
3)矢印503で示す、ラップ異常のエラーが生じている場所は、黒部分が無い、或いは、白部分の間隔が所定の幅の2倍近くになっている。
4)矢印504で示す、異物付着のエラーが生じている場所は、白色であるべき領域の中に黒い領域が入り込んでいる。
これらのエラーについては、上述した項目別検査部44の各検査部にて、検出を行う。
【0032】
端部位置検査部44aは、領域認識部43cで算出した各テープ部分のY方向の端部の位置座標を直線近似させ、規定の範囲から外れた端部位置の外接長方形があれば、当該テープ部分を「エラー」と判定するものである。これにより、端部不揃いのエラーが検出できる。
【0033】
間隔計測部44cは、領域認識部43cで算出した各テープ部分のX方向の端部の位置を測定し、各テープ部分の隙間(つまり、黒部分のX方向)の幅を測定するものである。間隔検査部44dは、この黒部分の幅が、規定値の範囲内にあれば「OK」とし、規定値の範囲を外れれば、「エラー」と判定するものである。これにより、ギャップ異常のエラーが検出できる。重なり検査部44eは、白部分の幅が、規定値の範囲内にあれば「OK」とし、規定値の範囲を外れれば、「エラー」と判定するものである。これにより、ラップ異常のエラーが検出できる。
【0034】
異物検査部44fは、領域認識部43cで矩形近似した白色部分の領域内に存在する、黒部分の面積を測定し、所定面積以上の黒部分がなければ「OK」とし、所定面積以上の黒部分があれば「エラー」と判定するものである。これにより、異物付着のエラーが検出できる。
【0035】
具体的には、項目別検査部44は、画像処理装置のハードウェアと、上述した端部位置検査部44a、間隔計測部44c、間隔検査部44d、重なり検査部44e、異物検査部45fそれぞれの機能を具現化する実行プログラム(ソフトウェア)を組み合わせて構成されている。
【0036】
検査結果出力部45は、項目別検査部44で検出したエラーを外部へ出力するものである。具体的には、検査結果出力部45は、画像処理装置に備えられた信号出力部やデータ送信部、或いは画像処理装置に接続された信号出力ユニットやデータ送信ユニットを例示できる。
【0037】
以下、図1,3を用いながら説明をする。
【0038】
光切断照明部5は、繊維強化プラスチックテープの被検査領域f2に向けて光切断観察用照明光54を照射するものである。
具体的には、光切断照明部5は、レーザダイオード51などの光源から出射された光線52をシリンドリカルレンズ53や回転するポリゴンミラーなどを用いて直線状のライトシート光線にし、当該光線を光切断観察用照明光54として、被検査領域f2に照射するように構成されている。さらに、光切断観察用照明光54は、被検査領域f2の法線n2の方向から矢印55に示す方向に照射される。或いは、法線n2に対して所定の角度だけ傾けた方向(不図示)から照射する様に構成しても良い。
【0039】
光切断反射光観察部6は、光切断観察用照明光54が被検査領域表面f2で反射した反射光r2を観察するものである。
具体的には、光切断反射光観察部6は、エリアセンサー61と結像レンズ62と信号出力部とを含んで構成されている。反射光r2は、光切断観察用照明光54が照射される方向(つまり、矢印55の方向)とは異なる方向に反射する光である。そのため、被検査領域表面f2に凹凸があると、その凹凸形状に対応した輝点群がエリアセンサー61に結像され、輝点群の位置が当該凹凸形状に対応してずれた状態で、信号出力部64から映像信号や画像データが出力される。
【0040】
光切断検査部7は、光切断反射光観察部6で観察された輝点群の位置情報に基づいて繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査するものである。
具体的には、光切断検査部7は、信号入力部71と、処理部72と、判定基準登録部73と、判定部74とを備えている。信号入力部71は、光切断反射光観察部6の信号出力部64から出力された映像信号や画像データを取得するものであり、実質的には光切断反射光観察部6で観察された輝点群の位置情報を取得することができる。処理部72は、取得した映像信号や画像データ信号に対して、所定の信号処理や画像処理を行うものであり、いわゆるノイズ処理やフィルタ処理、補間処理などを行い、凹凸形状の隙間や段差などの寸法若しくは寸法に対応する値を出力するものである。判定基準登録部73は、処理部72から出力された凹凸形状の隙間や段差などの寸法若しくは寸法に対応する値が正常な状態の範囲内であるかどうかを判定するための、判定基準寸法又判定基準値を登録しておくためのものである。判定部74は、処理部72から出力された凹凸形状の隙間や段差などの寸法若しくは寸法に対応する値と、判定基準登録部73に登録された判定基準寸法又判定基準値とを比較するものである。この様な構成をしているため、光切断検査部7は、光切断反射光観察部6で観察された輝点群の位置情報に基づいて繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査することができる。
【0041】
より具体的には、光切断照明部5、光切断反射光観察部6及び光切断検査部7は、光切断原理に基づいた表面形状測定や段差測定ができる機器を用いて構成することができる。また、光切断照明部5と光切断反射光観察部6は、それぞれ独立した機器で構成しても良いが、破線で示す様な筐体110に組み込んで構成しても良い。
【0042】
検査方式切替部8は、コントラスト検査部4を用いて検査するか否か、並びに、光切断検査部7を用いて検査するか否かを切り替えるものである。実質的には、ある検査対象領域に対して、コントラスト検査部4と光切断検査部7のどちらの検査結果を選択するかを切り替えるものである。つまり、ある検査対象領域を同時に観察して検査ができる構成であれば、どちらか一方で検査を行い、検査結果を取得する構成とする。一方、ある検査対象領域を同時に観察できず、所定の時間差を生じて観察を行う構成であれば、当該所定の時間差を考慮しつつ、コントラスト検査部4を用いた検査、並びに、光切断検査部7を用いた検査を、「する」又は「しない」の切り替えを行う。そうすることで、当該検査対象部位については、コントラスト検査部4か光切断検査部7のどちらか一方の検査結果を、最終的に取得できる構成となる。
【0043】
相対移動部9は、照明部2、観察部3、光切断照明部5及び光切断反射光観察部6を、検査対象となる構造物の表面W1に沿って相対移動させるものである。具体的には相対移動部9は、次のような構成が例示できる。
1)平板状の検査対象物w1を固定させたまま、照明部2、観察部3、光切断照明部5及び光切断反射光観察部6を、いわゆるXYスライダー機構上に取り付けた構成とする。このXYスライダー機構は、X方向に延びるレールと、その上を所定の速度で移動し所定の位置で静止するX軸スライダーとで構成されたX軸スライダー機構と、Y方向に延びるレールと、その上を所定の速度で移動し所定の位置で静止するY軸スライダーとで構成されたY軸スライダー機構とが組み合わされて構成されたものである。X軸スライダー機構とY軸スライダー機構は、ボールねじと回転モータを組み合わせたものや、リニアモータを用いたものが例示できる。
2)検査装置1を固定させた状態で、平板状の検査対象物w1を上述と同様のXYスライダー機構上に設置する。
3)平板状の検査対象物w1と検査装置1を、独立して配置したX軸スライダー機構とY軸スライダー機構上(X/Yが逆でも良い)に、それぞれ取り付けた構成とする。
【0044】
そして、検査対象物w1に対して、照明部2、観察部3、光切断照明部5及び光切断反射光観察部6を一体的に相対移動させる。なお、具体的な相対移動の形態としては、次のような形態が例示できる。
1)検査対象物w1の全面を、観察部3と光切断観察部6でトレースして検査する形態。
2)検査対象物w1の内、観察部3でトレースする領域と、光切断観察部6でトレースする領域とを別々に設定して検査する形態。
【0045】
そして、検査対象物w1上の被検査領域f1,f2の場所を変更しつつ、被検査領域毎に検査を行うといった一連の動作をさせ、検査対象物w1の全面に対して検査を行う。このような構成をしているため、検査装置1は、照明部2、観察部3、光切断照明部5及び光切断反射光観察部6を一体的に相対移動させて、検査対象物w1の全面について、上述のような検査を行うことができる。
【0046】
[別の実施形態]
上述では、平面状の構造物w1の表面に貼り付けられたプリプレグを検査対象物とする検査装置1の具体的な構成について説明した。しかし、本発明を適用した検査装置は、平面状の構造物w1に限定されず、下記のような構成とすることで、円筒状の構造物w2(以下、検査対象物w2という)に対しても適用することができる。
【0047】
図5は、本発明に係る別の形態の検査装置の概略構成を示す斜視図であり、検査対象物w2について検査をする1つの形態について例示したものである。この検査対象物w2は、円筒状の構造物の表面上に繊維強化プラスチックテープが方向を変えながら何層も積層されている。一方、検査対象物w2の一部には、開口部Hが設けられており、開口部Hの周囲については、下層に貼り付けられた繊維強化プラスチックテープと同じ方向に、幾重にも繊維強化プラスチックテープが積層されている。
【0048】
別の実施形態としての検査装置1bは、上述の検査装置1の構成を含み、さらに相対移動部9aを含んで構成されている。
【0049】
相対移動部9aは、照明部2、観察部3、光切断照明部5及び光切断反射光観察部6を、検査対象物w2の表面との距離を一定に保ちつつ、検査対象物w2の表面に沿って観察場所を相対的に移動させるものである。具体的には、検査対象物w2の表面と平行に配置された、Y方向に延びるレール91と、レール91上を自在に移動しつつ、所定の位置で静止できるY軸スライダー52と、Y軸スライダー92上に取り付けられた固定ブラケット95を含んで構成されている。これにより、相対移動部9のスライダー92は、検査対象物w2の表面との距離を一定に保ちつつ、矢印93で示す方向に照明部2、観察部3、光切断照明部5及び光切断反射光観察部6を一体的に移動させることができる。
【0050】
検査対象物w2は、検査対象物w2の両端からマンドレル104と呼ばれる保持部材で挟んで保持されている。さらに、マンドレル104は、床面あるいは床面に設置したプレート101上に配置した支柱102に設けられた回転軸103を回転中心として、回転可能なように配置され、取り付けられている。さらに回転軸103には、回転駆動用モータや位置検出器、減速機、ブレーキ機構など(不図示)が取り付けられており、マンドレル104で挟んで保持された検査対象物w2を、矢印105の方向に所定の角度だけ回転させ、所定の位置で静止させることができるように構成されている。
【0051】
相対移動部は、これ以外の形態であっても良く、多軸制御が可能な多関節ロボットを用いて、検査対象物w2の表面上を相対移動するように構成してもよい。
【0052】
[照明の方向の変更機構]
なお、本発明を具現化する形態として、複数の照明ユニット21a,21bは上述したとおり、お互いが被検査領域f1の法線を挟んで対称となる方向から一対の観察用照明光22a,22bを照射するように配置されている構成を例示した。そして、この様な形態において、照明部2には、複数の照明ユニット21a,21bから照射される一対の観察用照明光22a,22bの方向を、被検査領域f1の法線周りに変更する照明方向変更部を、さらに備えた構成としても良い。
【0053】
照明方向変更部は、詳細を後述するが、観察用照明光22a,22bが被検査領域f1に向けられたままで、複数の照明ユニット21a,21bを、被検査領域f1の法線を回転中心として、破線25で示す軌道上を矢印26に示す方向に回転移動させるものや、全周方向に多数並べられた照明をスイッチングにより選択する形態のもので具現化することができる。なお、被検査領域f1の法線と観察部3の観察光軸35とが一致する形態であれば、複数の照明ユニット21a,21bを、観察部3の観察光軸35を回転中心として観察光軸35周りに回転移動等させれば良い。
【0054】
図6は、照明回転式の照明方向変更部を備えた検査装置の外観図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は図6(a)に対応する部分面側面図である。
照明回転式の照明方向変更部16は、照明ホルダ部16Aと、照明ホルダ回転部16Bとを備えて構成されている。さらに、複数の照明ユニット21a,21bは、少なくとも2方向から被検査領域f1に向けて観察用照明光22a,22bを照射するように配置されている。
【0055】
照明ホルダ部16Aは、複数の照射ユニット21a,21bを所定の角度で固定保持するものである。具体的には、以下の構成により具現化できる。開口部161hを有するリング状の固定用ブラケット161を用意して、その上に観察カメラ31を保持する固定ブラケット162を取り付ける。さらに、リング状の固定用ブラケット161に、観察光軸35と等距離で、観察光軸35周りに移動できるリング状のガイド部163を設けておく。このガイド部163は、ベアリングガイド、湾曲したレール、連続溝などを用いて具現化できる。そして、ガイド部163に沿って移動できる、リング状のブラケット164を配置し、リング状のブラケット164の上に複数の照明ユニット21a,21bを配置する。このとき、複数の照明ユニット21a,21b同士は、お互いが観察光軸35を挟んで対称となる方向から、被検査領域f1に向けて、被検査領域f1より広い範囲に対して観察用照明光22a,22bを照射するように配置しておく。
【0056】
照明ホルダ回転部16Bは、前記同時に点灯する複数の照射ユニットを観察部3の観察光軸35周りに回転させるものである。具体的には、以下の構成により具現化できる。リング状のブラケット164は、その内周面の一部を歯車状にしておく。一方、リング状の固定用ブラケット161には、モータ165を取り付けておき、モータ165に取り付けた歯車166は、歯車状にされたリング状のブラケット164の内周面とかみ合う状態にしておく。
【0057】
そうすることで、モータ165を駆動することで、リング状のブラケット164が観察光軸35周りに回転し、リング状のブラケット164に取り付けられた複数の照明ユニット21a,21bが、矢印26の方向に一対で回転移動する。それにより、同時に点灯する複数の照明ユニット21a,21bから照射される一対の観察用照明光22a,22bの方向を被検査領域f1の法線周りに変更することができる。なお、コントラスト検査部での検査が不要な場合は、すべての照明ユニットを消灯状態とするよう、スイッチング部(不図示)を備え、照明光のON/OFFの切り替えができる構成としておく。
【0058】
なお、上述の説明では、照明回転式の照明方向変更部16を用い、照明部2の方向のみを変更する機構について説明をした。しかし、照明の方向を変更する形態としては、上記構成の外に、観察部3が観察部2と共に回転する構成や、照明部2、観察部3、光切断照明部5及び光切断反射光観察部6が一体となって回転する構成であっても良い。或いは、照明部2、観察部3、光切断照明部5及び光切断反射光観察部6側が固定された状態で、検査対象物である構造体側が回転移動する構成であっても良い。
【0059】
また、照明方向変更部は、上述の照明回転式の形態に限らず、複数組の照明を観察部2の周りを囲むように取り付けておき、それらの照明の内、検査に用いる一対の照明をスイッチングにて切り替える構成としても良い。
【0060】
図7は、本発明に係る照明スイッチング式の照明方向変更部を備えた検査装置の外観図であり、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)に対応する側面図である。
照明スイッチング式の照明方向変更部17は、以下の構成をしている。
【0061】
照明部には複数の照明ユニット21a〜21hが備えられており、被検査領域f1に向けて被検査領域f1の法線に対して全周方向から観察用照明光が照射されるように配置されている。照明方向変更部は、同時に点灯する複数の照射ユニットを選択的に点灯させるスイッチング部を更に備えている。このスイッチング部は、前記全周方向のうち、少なくとも所定の2方向を選択することで、前記観察用照明光を切り替えて照射するものである。
【0062】
照明ユニット21a〜21hは、開口部171hを有するリング状のブラケット171の周囲に取り付けられており、ブラケット171はブラケット172を介して観察カメラ31に取り付けられている。
【0063】
図7では、同時に点灯する複数の照射ユニット21a,21bのみから、被検査領域f1の法線に対してお互いが対称となる方向から一対の観察用照明光22a,22bを照射している様子が示されている。つまり、複数の照射ユニット21aと21bが一対で同時に点灯する。同様に、複数の照射ユニット21cと21d、21eと21f、21gと21hが、それぞれ一対で同時に点灯する。そして、これら一対となった複数の照明ユニットのうち、どの対を点灯させるかは、スイッチング部(不図示)で切換をして選択する。なお、コントラスト検査部での検査が不要な場合は、すべての照明ユニットを消灯状態とする。
【0064】
なお、上述のような照明方向変更部を用いる際は、検査対象となる構造物の表面に複数並べて貼り付けられた繊維強化プラスチックテープの繊維の延びる方向がどちらであるか(つまり、検査に適した照明の方向をどの方向に設定するか)は、作業者が設定するか、外部の装置から通知を受けて設定する構成としておく。そして、設定された繊維強化プラスチックテープの繊維の延びる方向に応じて、照明方向変更部16のモータ165を回転させたり、照明方向変更部17のスイッチング部に制御信号やデータを出力して、照明の方向を変更する。そうすれば、縦・横・斜め方向と繊維強化プラスチックテープが積層される層毎に繊維の延びる方向が異なっても、最上層の繊維強化プラスチックテープの繊維の延びる方向に適した状態で繊維強化プラスチックテープの貼付状態の検査を行うことができる。
【0065】
この様な構成をしているため、本発明に係る検査装置は、検査対象となる構造物の表面W1,W2の任意の場所を観察し、当該構造物の表面W1,W2に複数並べて貼り付けられた繊維強化プラスチックテープの貼付状態を検査することができ、その際に、コントラスト検査部4と光切断検査部7のいずれを用いて検査するかを切り替えることができる。つまり、検査対象となる構造物の一部に開口部がある場合や、突出した部分がある場合に、検査対象となる細幅のテープ状に貼り付けられたプリプレグの直下に同一方向に貼り付けられたプリプレグのテープ層が存在する状態と、プリプレグのテープが上層と下層では交差する方向に貼り付けられている状態とが混在していても、迅速かつ高精度な検査が可能となる。
[別の実施形態]
本発明を具現化する上で、検査方式切替部8は、予め登録された検査レシピデータに基づいて、前記コントラスト検査部と前記光切断検査部のいずれを用いて検査するかを切り替える構成とすることが好ましい。そうすれば、コントラスト検査と光切断検査とを併用し、迅速かつ高精度な検査ができる。
【0066】
[別の実施形態]
また、上述の構成に限定されず、上述の検査方式切替部は、前工程のテープ貼付装置若しくは工程統括システムから送信されたテープ貼付位置データに基づいて、前記コントラスト検査部と前記光切断検査部のいずれを用いて検査するかを切り替える構成としても良い。
【0067】
[別の実施形態]
なお、上述の説明では、相対移動部を備え、検査対象となる構造物の表面W1に沿って、照明部2、観察部3、光切断照明部5及び光切断観察部6を、平面状の構造物w1や円筒状の構造物w2に対して相対移動させる構成を示した。
【0068】
この様な構成であれば、検査に適した観察視野サイズに比べて検査対象が広い場合に、検査精度を損なうことなく、迅速な検査ができるため、好適な形態と言える。
【0069】
しかし、本発明を具現化する上で、相対移動部は必須の構成要素ではなく、下述の構成であれば、相対移動部を備えなくても、迅速かつ高精度な検査ができる。つまり、観察部3や光切断観察部6に、極めて高精細で高速処理のできる観察手段を備え、検査対象となる範囲がそれらの観察視野の中に収まる場合であれば、一度に同じ場所を観察することが可能である。その上で、観察した視野内をいくつかのエリアに分割し、それぞれの分割エリア毎に、コントラスト検査部4を用いるか光切断検査部7を用いるかを切り替える構成とする。

【符号の説明】
【0070】
1 検査装置
1a 検査装置
2 照明部
3 観察部
4 コントラスト検査部
5 光切断照明部
6 光切断反射光観察部
7 光切断検査部
8 検査方式切替部
9 相対移動部
16 照明方向変更部(回転式)
17 照明方向変更部(スイッチング式)
21a 照明ユニット
21b 照明ユニット
22a 観察用照明光
22b 観察用照明光
25 破線(照明光が回転移動する軌道)
26 矢印
31 観察カメラ
32 レンズ
35 観察光軸
41 画像入力部
43 画像処理部
43a 2値化処理部
43b 2値計測部
43c 領域認識部
44 項目別検査部
44a 端部位置検査部
44c 間隔計測部
44d 間隔検査部
44e 重なり検査部
44f 異物検査部
45 検査結果出力部
51 レーザダイオード
52 出射された光線
53 シリンドリカルレンズ
54 光切断観察用照明光
55 矢印
61 エリアセンサー
62 結像レンズ
64 信号出力部
71 信号入力部
72 処理部
73 判定基準登録部
74 判定部
81 レール
82 スライダー
83 矢印
85 ブラケット
101 プレート
102 支柱
103 回転軸
104 マンドレル
105 矢印
16A 照明ホルダ部
16B 照明ホルダ回転部
161 リング状のブラケット
161h 開口部
162 ブラケット
163 ガイド部
164 ブラケット
165 モータ
166 歯車
171 リング状のブラケット
171h 開口部
172 ブラケット
f1 被検査領域(コントラスト検査)
f2 被検査領域(光切断検査)
n1 法線
n2 法線
r1 反射光
r2 反射光
w1 平面状の検査対象物
w1s 構造物
w1p 強化繊維プラスチックテープ
w1f 繊維
w1r 樹脂
w2 円筒状の検査対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7