特許第6242006号(P6242006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242006
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】電動車用充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20171127BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20171127BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20171127BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20171127BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   H02J7/35 K
   H02J7/00 P
   H02J3/38 130
   H01M10/44 Q
   B60L11/18 C
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-112431(P2014-112431)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-228714(P2015-228714A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2016年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 雅史
【審査官】 田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−191773(JP,A)
【文献】 特開2010−041819(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/127673(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00− 7/12
7/34− 7/36
B60L 11/18
H01M 10/44
H02J 3/00− 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電装置で得られる発電電力と系統から供給される商用電力とを用いて電動車の車載バッテリを充電する電動車用充電装置であって、
入力が前記太陽光発電装置の出力に接続されるとともに、出力が車載電力変換部を介して前記車載バッテリに接続された第1電力変換部と、
入力が前記太陽光発電装置の出力に接続されるとともに、出力が前記系統に接続された第2電力変換部と、
入力が前記系統に接続されるとともに、出力が前記車載電力変換部を介して前記車載バッテリに接続された第3電力変換部と、
使用者からの指令および前記電動車の要求に基づいて、前記第1電力変換部、前記第2電力変換部および前記第3電力変換部を制御する制御部と、
を備え、
前記使用者が、前記発電電力のみを用いて前記車載バッテリを充電するのか、前記発電電力および前記商用電力の両方を用いて前記車載バッテリを充電するのかを選択可能であり、
前記制御部は、(1)前記使用者が前記発電電力および前記商用電力を用いて充電することを選択し、かつ前記発電電力が前記電動車の要求充電電力を上回っている場合は、前記第1電力変換部に前記要求充電電力に等しい電力を出力させ、前記第2電力変換部に余剰分の電力を出力させ、前記第3電力変換部を停止させる一方、(2)前記使用者が前記発電電力および前記商用電力を用いて充電することを選択し、かつ前記発電電力が前記電動車の要求充電電力を下回っている場合は、前記第1電力変換部に前記発電電力に等しい電力を出力させ、前記第2電力変換部を停止させ、前記第3電力変換部に不足分の電力を出力させる
ことを特徴とする電動車用充電装置。
【請求項2】
前記制御部は、(1)前記使用者が前記発電電力のみを用いて充電することを選択し、かつ前記発電電力が前記電動車の要求充電電力を上回っている場合は、前記第1電力変換部に前記要求充電電力に等しい電力を出力させ、前記第2電力変換部に余剰分の電力を出力させ、前記第3電力変換部を停止させる一方、(2)前記使用者が前記発電電力のみを用いて充電することを選択し、かつ前記発電電力が前記電動車の要求充電電力を下回っている場合は、前記第1電力変換部に前記発電電力に等しい電力を出力させ、前記第2電力変換部および前記第3電力変換部を停止させることを特徴とする請求項1に記載の電動車用充電装置。
【請求項3】
前記使用者が、前記発電電力のみを用いて前記車載バッテリを充電するのか、前記商用電力のみを用いて前記車載バッテリを充電するのか、前記発電電力および前記商用電力の両方を用いて前記車載バッテリを充電するのかを選択可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動車用充電装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記使用者が前記商用電力のみを用いて充電することを選択した場合は、前記第1電力変換部を停止させ、前記第3電力変換部に前記要求充電電力に等しい電力を出力させ、前記第2電力変換部に前記発電電力に等しい電力を出力させることを特徴とする請求項3に記載の電動車用充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置で得られる発電電力と系統から供給される商用電力とを用いて電動車の車載バッテリを充電する電動車用充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽光発電装置で得られるクリーンな電力を用いて電動車の車載バッテリを充電する電動車用充電装置が使用されている。このような電動車用充電装置としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。図6に示すように、特許文献1に記載の電動車用充電装置100は、太陽光発電装置SCに接続された第1変換器101と、系統Gに接続された双方向型の第2変換器102と、不図示のコネクタを介して電動車200の車載バッテリに接続された第3変換器103と、これらを制御する制御部104とを備えている。
【0003】
制御部104は、太陽光発電装置SCの発電電力が電動車200の車載バッテリを充電するのに十分な場合は、第1変換器101および第3変換器103を動作させて車載バッテリを充電するとともに、第2変換器102を放電動作させて余った電力を系統Gに向けて出力させる。一方、制御部104は、発電電力が不十分な場合は、充電時間が予定よりも長くなるのを防ぐために、第2変換器102を充電動作させることにより得られた電力で発電電力の不足を補いながら車載バッテリを充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−41819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の電動車用発電装置100では、使用者が予定通りに充電を完了させることよりも充電コストの低減を優先させたい場合でも、太陽光発電装置SCの発電電力が不足すると系統Gの商用電力により不足分が自動的に補われるので、使用者の希望に反して充電コストが高くなることがある。また、併用される商用電力の量は天候により大きく変動するので、使用者が充電コストを予測するのは、通常、極めて困難である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、使用者の希望に応じて充電コストを優先させた充電を行うことができる電動車用充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電動車用充電装置は、太陽光発電装置で得られる発電電力と系統から供給される商用電力とを用いて電動車の車載バッテリを充電する電動車用充電装置であって、入力が太陽光発電装置の出力に接続されるとともに、出力が車載電力変換部を介して車載バッテリに接続された第1電力変換部と、入力が太陽光発電装置の出力に接続されるとともに、出力が系統に接続された第2電力変換部と、入力が系統に接続されるとともに、出力が車載電力変換部を介して車載バッテリに接続された第3電力変換部と、使用者からの指令および電動車の要求に基づいて、第1電力変換部、第2電力変換部および第3電力変換部を制御する制御部を備え、使用者が、発電電力のみを用いて車載バッテリを充電するのか、発電電力および商用電力の両方を用いて車載バッテリを充電するのかを選択可能であり、制御部が、(1)使用者が発電電力および商用電力を用いて充電することを選択し、かつ発電電力が電動車の要求充電電力を上回っている場合は、第1電力変換部に要求充電電力に等しい電力を出力させ、第2電力変換部に余剰分の電力を出力させ、第3電力変換部を停止させる一方、(2)使用者が発電電力および商用電力を用いて充電することを選択し、かつ発電電力が電動車の要求充電電力を下回っている場合は、第1電力変換部に発電電力に等しい電力を出力させ、第2電力変換部を停止させ、第3電力変換部に不足分の電力を出力させることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、太陽光発電装置で得られる発電電力のみを用いることを選択することにより充電コストを優先させた充電を行うことができる。また、この構成によれば、太陽光発電装置で得られる発電電力と系統から供給される商用電力の両方を用いることを選択することにより、従来通り、充電時間を優先させた充電を行うこともできる。充電時間を優先させた充電を行う場合、制御部は、上記(1),(2)の制御を行えばよい。
【0010】
また、上記電動車用充電装置は、制御部が、(1)使用者が発電電力のみを用いて充電することを選択し、かつ発電電力が電動車の要求充電電力を上回っている場合は、第1電力変換部に要求充電電力に等しい電力を出力させ、第2電力変換部に余剰分の電力を出力させ、第3電力変換部を停止させる一方、(2)使用者が発電電力のみを用いて充電することを選択し、かつ発電電力が電動車の要求充電電力を下回っている場合は、第1電力変換部に発電電力に等しい電力を出力させ、第2電力変換部および第3電力変換部を停止させることで、充電コストを優先させることができる。
【0011】
また、上記電動車用充電装置は、使用者が、発電電力のみを用いて車載バッテリを充電するのか、商用電力のみを用いて車載バッテリを充電するのか、発電電力および商用電力の両方を用いて車載バッテリを充電するのかを選択可能であることが好ましい。ここで、制御部は、使用者が商用電力のみを用いて充電することを選択した場合は、第1電力変換部を停止させ、第3電力変換部に要求充電電力に等しい電力を出力させ、第2電力変換部に発電電力に等しい電力を出力させることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、使用者の希望に応じて充電コストを優先させた充電を行うことができる電動車用充電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1に係る電動車用充電装置のブロック図である。
図2】本発明の実施例1に係る電動車用充電装置の動作フロー図である。
図3】本発明の実施例1に係る電動車用充電装置の動作フロー図である。
図4】本発明の実施例2に係る電動車用充電装置のブロック図である。
図5】本発明の実施例2に係る電動車用充電装置の動作フロー図である。
図6】従来の電動車用充電装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る電動車用充電装置の実施例1および実施例2について説明する。
【0015】
[実施例1]
まず、図1を用いて、本発明の実施例1に係る電動車用充電装置10の構成について説明する。同図に示すように、電動車用充電装置10は、太陽光発電装置SCで得られる発電電力と系統Gから供給される商用電力とを用いて電動車20の車載バッテリ23を充電するためのもので、主に、DC/DCコンバータ13(本発明の「第1電力変換部」に相当する)と、インバータ14(本発明の「第2電力変換部」に相当する)と、AC/DCコンバータ15(本発明の「第3電力変換部」に相当する)と、これらを制御する制御部11と、使用者によって操作される操作部12とを備えている。
【0016】
DC/DCコンバータ13は、入力が太陽光発電装置SCに接続されるとともに、出力が電動車20に搭載された車載DC/DCコンバータ22(本発明の「車載電力変換部」に相当する)を介して車載バッテリ23に接続されている。DC/DCコンバータ13と車載バッテリ23の間には、逆流を防ぐためのダイオード18と、電動車用充電装置10と電動車20を着脱可能に接続するコネクタCも設けられている。制御部11の制御下でDC/DCコンバータ13が電力を出力すると、当該電力により車載バッテリ23は充電される。
【0017】
インバータ14は、入力が太陽光発電装置SCに接続されるとともに、出力が遮断器Bを介して系統Gに接続されている。系統Gには、分電盤DBが接続され、分電盤DBには不図示の負荷が接続されている。制御部11の制御下でインバータ14が電力を出力すると、当該電力は系統Gに供給されて売電されるか、または分電盤DBの先にある負荷に供給される。
【0018】
AC/DCコンバータ15は、入力が系統Gに接続されるとともに、出力が車載DC/DCコンバータ22を介して車載バッテリ23に接続されている。AC/DCコンバータ15と車載DC/DCコンバータ22の間には、逆流を防ぐためのダイオード19と、前述のコネクタCも設けられている。制御部11の制御下でAC/DCコンバータ15が電力を出力すると、当該電力により車載バッテリ23は充電される。
【0019】
操作部12は、使用者に動作モードを選択させるためのスイッチを有する。本実施例では、操作部12は、太陽光発電装置SCの発電電力のみを用いて車載バッテリ23を充電するモードAを選択するためのスイッチと、太陽光発電装置SCの発電電力および商用電力の両方を用いて車載バッテリ23を充電するモードBを選択するためのスイッチとを有する。操作部12は、タッチパネル等であってもよい。
【0020】
制御部11は、電動車20の制御部21と相互に通信可能となっている。制御部11は、操作部12が受け付けた使用者からの指令、すなわち使用者が選択した動作モードに関する情報と、電動車20(制御部21)からの要求と、電圧検知部16が検知した太陽光発電装置SCの出力電圧とに基づいて、DC/DCコンバータ13、インバータ14およびAC/DCコンバータ15を制御する。制御部11は、制御している各部に異常が生じていないか監視することもできる。また、制御部11は、電力検知部17が検知したDC/DCコンバータ13の出力状況およびAC/DCコンバータ15の出力状況を制御部21に通知することもできる。
【0021】
電動車20は、制御部21と、車載DC/DCコンバータ22と、車載バッテリ23とを備えている。制御部21の制御下で車載DC/DCコンバータ22が動作すると、DC/DCコンバータ13の出力電力により、またはDC/DCコンバータ13とAC/DCコンバータ15の出力電力を足し合わせた電力により車載バッテリ23は充電される。
【0022】
続いて、図2および図3を用いて、本実施例に係る電動車用充電装置10の動作フローについて説明する。
【0023】
使用者が操作部12を操作して動作モードを選択すると、制御部11は、ステップS1として、選択された動作モードがモードA(太陽光発電装置SCの発電電力のみを用いて車載バッテリ23を充電する動作モード)なのか、モードB(太陽光発電装置SCの発電電力および商用電力の両方を用いて車載バッテリ23を充電する動作モード)なのかを判定する。モードAが選択されていた場合、制御部11は、ステップS2a〜ステップS12aを実行する。
【0024】
ステップS2aにおいて、制御部11は、電動車20の制御部21と通信を行い、電動車20が要求する充電電力(以下、「要求充電電力」という)を確認する。このとき、電動車20の制御部21は、車載バッテリ23の残容量(SOC)やDC/DCコンバータ13の出力能力等に基づいて要求充電電力を決定する。
【0025】
ステップS3aにおいて、制御部11は、電圧検知部16が検知した太陽光発電装置SCの出力電圧に基づいて、太陽光発電装置SCから取り出せる電力、すなわち太陽光発電装置SCの発電電力を算出する。このとき、制御部11は、出力電圧と発電電力の既知の関係に基づいて発電電力を算出する。
【0026】
ステップS4aにおいて、制御部11は、太陽光発電装置SCの発電電力が要求充電電力を上回っているか否かを判定する。言い換えると、制御部11は、余剰電力があるか否かを判定する。
【0027】
余剰電力がない場合、制御部11は、DC/DCコンバータ13に太陽光発電装置SCの発電電力に等しい電力を出力させるとともに、AC/DCコンバータ15およびインバータ14を停止させる(ステップS5a〜ステップS7a)。一方、余剰電力がある場合、制御部11は、DC/DCコンバータ13に要求充電電力に等しい電力を出力させるとともに、インバータ14に余剰電力に等しい電力を出力させて、余剰電力を有効利用する(ステップS8a、ステップS10a)。余剰電力がない場合と同様、AC/DCコンバータ15は停止させる(ステップS9a)。なお、ステップS5a〜ステップS7aの実行順序およびステップS8a〜ステップS10aの実行順序は、入替え可能である。
【0028】
ステップS7aまたはステップS10aに続くステップS11aにおいて、制御部11は、電動車20の制御部21と通信を行い、DC/DCコンバータ13の出力状況を通知する。本実施例では、出力状況として、電力検知部17が検知したDC/DCコンバータ13の出力電力を通知する。ステップS11aを実行することにより、要求通りの電力が出力されているか否かを電動車20に知らせることができる。
【0029】
ステップS12aにおいて、制御部11は、充電が終了したか否かを判定する。この判定は、例えば、電動車20の制御部21から定期的に通知される車載バッテリ23の電圧または残容量に基づいて行われる。車載バッテリ23の電圧または残容量が充電終了の条件を満たしていた場合、制御部11は、各部を停止させて充電を終了させる。一方、車載バッテリ23の電圧または残容量が充電終了の条件を満たしていない場合、制御部11は、ステップS2a以降のステップを繰り返し実行する。
【0030】
ステップS1においてモードBが選択されていると判定した場合、制御部11は、図3に示すステップS2b〜ステップS12bを実行する。ステップS2b〜ステップS12bは、ステップS6aとは異なるステップS6bを含む点、およびステップS11aとは異なるステップS11bを含む点でステップS2a〜ステップS12aと相違している。なお、ステップS2bにおいて、電動車20の制御部21は、車載バッテリ23の残容量やDC/DCコンバータ13の出力能力とAC/DCコンバータ15の出力能力の合計等に基づいて要求充電電力を決定する。
【0031】
ステップS6bにおいて、制御部11は、AC/DCコンバータ15に不足電力(=要求充電電力−発電電力)に等しい電力を出力させる。この結果、DC/DCコンバータ13が出力する電力(=発電電力)とAC/DCコンバータ15が出力する電力(=不足電力)とを足し合わせた電力(=要求充電電力)が電動車20に出力されることになる。
【0032】
ステップS11bにおいて、制御部11は、電動車20の制御部21と通信を行い、DC/DCコンバータ13およびAC/DCコンバータ15の出力状況を通知する。本実施例では、出力状況として、DC/DCコンバータ13の出力電力およびAC/DCコンバータ15の出力電力を通知する。
【0033】
ここで、実際のAC/DCコンバータ15は、出力電圧と出力電流を計測しているが、安定な商用電力に基づいて生成した電力を出力するので、制御部11がある電力を出力するようにAC/DCコンバータ15を制御すると、AC/DCコンバータ15からは必ずその電力が出力される。したがって、制御部11は、センサを用いなくてもAC/DCコンバータ15の出力電力を常に把握することができるものとしている。一方、DC/DCコンバータ13は、不安定な発電電力に基づいて生成した電力を出力するので、DC/DCコンバータ13の出力電力を把握するためには、電力検知部17のようなセンサが重要となる。なお、本実施例では、説明のために電力検知部17を別途設けたが、DC/DCコンバータ13内に設けても良い。
【0034】
このように、実施例1に係る電動車用充電装置10では、発電電力が不足しても商用電力で不足分を補わずに発電電力だけで充電を行うモードAと、発電電力が不足すると商用電力で不足分を補って電動車20の要求通りの充電を行うモードBとを使用者が選択することができる。つまり、本実施例に係る電動車用充電装置10によれば、充電コストと充電時間のどちらを優先させるのかを使用者が選択することができる。
【0035】
[実施例2]
次に、図4および図5を用いて、本発明の実施例2に係る電動車用充電装置10’について説明する。図4に示すように、実施例2に係る電動車用充電装置10’は、制御部11’を備えている点と、操作部12’を備えている点において電動車用充電装置10と相違している。
【0036】
操作部12’は、モードAを選択するためのスイッチと、モードBを選択するためのスイッチとに加え、さらに、商用電力のみを用いて車載バッテリ23を充電するモードCを選択するためのスイッチを有する。操作部12と同様、操作部12’は、タッチパネル等であってもよい。
【0037】
使用者が操作部12’を操作して動作モードを選択すると、制御部11’は、ステップS1’として、選択された動作モードがモードA(太陽光発電装置SCの発電電力のみを用いて車載バッテリ23を充電する動作モード)なのか、モードB(太陽光発電装置SCの発電電力および商用電力の両方を用いて車載バッテリ23を充電する動作モード)なのか、モードC(商用電力のみを用いて車載バッテリ23を充電する動作モード)なのかを判定する。モードAが選択されていた場合、制御部11’は、前述のステップS2a〜ステップS12aを実行する。モードBが選択されていた場合、制御部11’は、前述のステップS2b〜ステップS12bを実行する。一方、モードCが選択されていた場合、制御部11’は、図5に示すステップS2c〜ステップS8cを実行する。なお、ステップS5b〜ステップS7bの実行順序、ステップS8b〜ステップS10bの実行順序、およびステップS4c〜ステップS6cの実行順序は、入替え可能である。
【0038】
ステップS2cにおいて、制御部11’は、電動車20の制御部21と通信を行い、要求充電電力を確認する。このとき、電動車20の制御部21は、車載バッテリ23の残容量(SOC)やAC/DCコンバータ15の出力能力等に基づいて要求充電電力を決定する。
【0039】
ステップS3cにおいて、制御部11’は、電圧検知部16が検知した太陽光発電装置SCの出力電圧に基づいて、太陽光発電装置SCから取り出せる電力、すなわち太陽光発電装置SCの発電電力を算出する。
【0040】
続いて、制御部11’は、AC/DCコンバータ15に要求充電電力に等しい電力を出力させ、インバータ14に発電電力に等しい電力を出力させるとともに、DC/DCコンバータ13を停止させる(ステップS4c〜ステップS6c)。モードAおよびモードBとは異なり、制御部11’は、余剰電力の有無を判定しない。
【0041】
ステップS6cにおいて、制御部11’は、電動車20の制御部21と通信を行い、AC/DCコンバータ15の出力状況を通知する。本実施例では、出力状況として、AC/DCコンバータ15の出力電力を通知する。
【0042】
ここで、AC/DCコンバータ15は、制御部11’から指示された通りの電力、すなわち要求充電電力を出力することができるので、ステップS6cを実行することは正常動作時には必要ではない。しかしながら、例えば、電動車用充電装置10’に障害が発生すると、制御部11’がAC/DCコンバータ15に指示した電力と要求充電電力とが一致しないことが起こり得る。ステップS6cを実行すれば、電動車20側においてこのような障害の発生を検知することができる。
【0043】
ステップ7cにおいて、制御部11’は、モードAのステップS12aと同じ要領で充電が終了したか否かを判定する。
【0044】
このように、実施例2に係る電動車用充電装置10’によれば、使用者がモードCを選択することで、DC/DCコンバータ13を停止させ、DC/DCコンバータ13における消費電力を削減しながら、発電電力を売電することもできる。
【0045】
以上、本発明に係る電動車用充電装置の実施例について説明してきたが、本発明は実施例の構成に限定されるものではない。例えば、本発明は、車載バッテリ23の放電電力を分電盤DBに接続された負荷に供給可能な、Vehicle to Home(V2H)システムに適用することもできる。ただし、この場合は、AC/DCコンバータ15および車載DC/DCコンバータ22を双方向型のものに変更し、ダイオード19を取り除く必要がある。
【符号の説明】
【0046】
10、10’ 電動車用充電装置
11、11’ 制御部
12、12’ 操作部
13 DC/DCコンバータ(第1電力変換部)
14 インバータ(第2電力変換部)
15 AC/DCコンバータ(第3電力変換部)
16 電圧検知部
17 電力検知部
18 ダイオード
19 ダイオード
20 電動車
21 制御部
22 車載DC/DCコンバータ(車載電力変換部)
23 車載バッテリ
B 遮断器
DB 分電盤
G 系統
SC 太陽光発電装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6