特許第6242008号(P6242008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242008
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】無停電電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20171127BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20171127BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   H02J9/06 110
   H02J7/00 302C
   H02J7/00 B
   H01M10/44 P
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-130334(P2014-130334)
(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公開番号】特開2016-10250(P2016-10250A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】坂本 仁一
(72)【発明者】
【氏名】椛澤 孝
【審査官】 田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−130158(JP,A)
【文献】 特開平3−56042(JP,A)
【文献】 特開2012−196058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/00−11/00
H01M 10/44
H02J 7/00− 7/12
7/34− 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から負荷装置へ電力を供給する電源ラインに並列に接続される入出力端子と、
定格電圧が前記外部電源の電圧と同じ電圧である第1電池パック及び第2電池パックを含む電池ユニットと、
前記外部電源の電圧を前記第1電池パック及び前記第2電池パックの充電電圧まで昇圧して前記電池ユニットを充電する充電回路と、
前記外部電源の停電時に、前記入出力端子を通じて前記電池ユニットから前記負荷装置へ放電する放電回路と、
前記充電回路及び放電回路を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記第1電池パックの充電中、及び前記第1電池パックを満充電状態まで充電した後に前記第1電池パックの電圧が前記負荷装置の上限電圧以下に低下するまでの間、前記第1電池パックの放電を禁止して前記第2電池パックの放電を許可し、
前記第2電池パックの充電中、及び前記第2電池パックを満充電状態まで充電した後に前記第2電池パックの電圧が前記負荷装置の上限電圧以下に低下するまでの間、前記第2電池パックの放電を禁止して前記第1電池パックの放電を許可する、無停電電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無停電電源装置において、前記制御装置は、前記第1電池パック及び前記第2電池パックの電圧がいずれも前記負荷装置の下限電圧より低いことを条件として、前記第1電池パック及び前記第2電池パックの電圧が前記負荷装置の上限電圧になるまで、前記第1電池パック及び前記第2電池パックを同時に充電するとともに、前記第1電池パック及び前記第2電池パックの放電を許可する、無停電電源装置。
【請求項3】
請求項2に記載の無停電電源装置において、前記放電回路は、前記電池ユニットから前記入出力端子への放電経路に設けられ、前記電池ユニットの電圧を降圧する半導体素子と、前記半導体素子をバイパスするバイパス回路と、を含む、無停電電源装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の無停電電源装置において、前記制御装置は、停電時に前記第1電池パックの放電が許可されている場合には、前記第1電池パックの電圧が前記負荷装置の下限電圧より低下したことを条件として前記第2電池パックの放電を許可し、
停電時に前記第2電池パックの放電が許可されている場合には、前記第2電池パックの電圧が前記負荷装置の下限電圧より低下したことを条件として前記第1電池パックの放電を許可する、無停電電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無停電電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無停電電源装置は、停電等によって外部電源から負荷装置へ電力が供給されない状態になったときに、負荷装置の動作を継続するために、予め充電した二次電池から負荷装置へ電力を供給する電源装置である。無停電電源装置の二次電池は、通常時に外部電源の電力で充電されるのが一般的である。無停電電源装置に用いられる二次電池の一例として、例えばニッケル水素二次電池等のアルカリ二次電池が公知である。
【0003】
アルカリ二次電池は、その性質上、定格電圧よりも高い電圧で充電を行う必要がある。しかし一般的に無停電電源装置において、アルカリ二次電池の定格電圧は、外部電源の電圧と同じである。そのため、そのままでは外部電源の電力でアルカリ二次電池を満充電状態まで充電することができない。
【0004】
例えば外部電源の電圧より低い定格電圧の二次電池を用いれば、外部電源の電力で二次電池を満充電状態まで充電することができる。そして停電時には、例えばDC/DCコンバータで二次電池の電圧を外部電源の電圧と同じ電圧まで昇圧することによって、二次電池の電力で負荷装置を動作させることができる。しかしこの場合、停電時に二次電池の電圧を昇圧するDC/DCコンバータを設けることによって、無停電電源装置の大型化やコスト増といった課題が生ずる。
【0005】
このような課題に対し、二次電池の定格電圧を外部電源の電圧と同じ電圧とした上で、充電時に外部電源の電圧をDC/DCコンバータで昇圧し、そのDC/DCコンバータの出力電圧で二次電池を充電するバックアップ電源装置が公知である(例えば特許文献1を参照)。このような構成の従来技術によれば、停電時に二次電池の電圧を昇圧するDC/DCコンバータが不要になり、それによって無停電電源装置の小型化や低価格化が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−95129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記の従来技術は、停電時にダイオード又はFETを通して二次電池から負荷装置へ電力を供給する構成である。つまり当該従来技術は、二次電池から負荷装置へ電力を供給する際に、ダイオード又はFETにおいて生ずる電圧降下及び電力損失によって二次電池の電力を効率良く利用できないという課題がある。
【0008】
このような状況に鑑み本発明はなされたものであり、その目的は、二次電池の電力を効率良く利用することができる無停電電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、外部電源から負荷装置へ電力を供給する電源ラインに並列に接続される入出力端子と、定格電圧が前記外部電源の電圧と同じ電圧である第1電池パック及び第2電池パックを含む電池ユニットと、前記外部電源の電圧を前記第1電池パック及び前記第2電池パックの充電電圧まで昇圧して前記電池ユニットを充電する充電回路と、前記外部電源の停電時に、前記入出力端子を通じて前記電池ユニットから前記負荷装置へ放電する放電回路と、前記充電回路及び放電回路を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1電池パックの充電中、及び前記第1電池パックを満充電状態まで充電した後に前記第1電池パックの電圧が前記負荷装置の上限電圧以下に低下するまでの間、前記第1電池パックの放電を禁止して前記第2電池パックの放電を許可し、前記第2電池パックの充電中、及び前記第2電池パックを満充電状態まで充電した後に前記第2電池パックの電圧が前記負荷装置の上限電圧以下に低下するまでの間、前記第2電池パックの放電を禁止して前記第1電池パックの放電を許可する、無停電電源装置である。
【0010】
充電電圧で充電中のアルカリ二次電池の電圧は、満充電状態に至る手前では定格電圧より高い電圧となる。また満充電状態まで充電したアルカリ二次電池の電圧は、充電直後は充電電圧とほぼ同じ電圧であり、その後、徐々に低下していく。そのため充電中及び満充電状態まで充電した直後のアルカリ二次電池は、負荷装置の上限電圧より高い電圧になっている可能性がある。したがって、そのときに停電が発生してアルカリ二次電池から負荷装置へ電力が供給されると、負荷装置の停止や故障等が生ずる虞がある。
【0011】
本発明の無停電電源装置は、定格電圧が外部電源の電圧と同じ電圧である第1電池パック及び第2電池パックが設けられており、外部電源の電圧を充電電圧まで昇圧して第1電池パック及び第2電池パックを充電する構成となっている。そして第1電池パックの充電中、及び第1電池パックを満充電状態まで充電した後に第1電池パックの電圧が負荷装置の上限電圧以下に低下するまでの間は、第1電池パックの放電を禁止して第2電池パックの放電を許可する。同様に、第2電池パックの充電中、及び第2電池パックを満充電状態まで充電した後に第2電池パックの電圧が負荷装置の上限電圧以下に低下するまでの間は、第2電池パックの放電を禁止して第1電池パックの放電を許可する。
【0012】
このような構成によって停電時には、常に第1電池パック又は第2電池パックのいずれか一方から負荷装置へ電力を供給することができるので、負荷装置の動作を確実に継続させることができる。また停電時に電池ユニットから負荷装置へ電力が供給されるときには、常に電池ユニットの出力電圧は負荷装置の上限電圧以下になっているので、負荷装置の停止や故障等を未然に防止することができる。そして停電時には、電池ユニットから負荷装置へ直接電力を供給することができるので、電池ユニットの電力を効率良く利用することができる。
【0013】
これにより本発明の第1の態様によれば、二次電池の電力を効率良く利用することができる無停電電源装置を提供できるという作用効果が得られる。
【0014】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記制御装置は、前記第1電池パック及び前記第2電池パックの電圧がいずれも前記負荷装置の下限電圧より低いことを条件として、前記第1電池パック及び前記第2電池パックの電圧が前記負荷装置の上限電圧になるまで、前記第1電池パック及び前記第2電池パックを同時に充電するとともに、前記第1電池パック及び前記第2電池パックの放電を許可する、無停電電源装置である。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、第1電池パック及び第2電池パックの電圧がいずれも負荷装置の下限電圧より低い場合には、両方を同時に充電することによって、第1電池パック及び第2電池パックを短時間に効率良く充電することができる。またその間、第1電池パック及び第2電池パックの両方の放電を許可することによって、充電中に停電が発生しても負荷装置へ電力を供給することができる。
【0016】
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第2の態様において、前記放電回路は、前記電池ユニットから前記入出力端子への放電経路に設けられ、前記電池ユニットの電圧を降圧する半導体素子と、前記半導体素子をバイパスするバイパス回路と、を含む、無停電電源装置である。
【0017】
第1電池パック及び第2電池パックに同時に充電するとともに、第1電池パック及び第2電池パックの両方の放電を許可している状態においては、第1電池パック及び第2電池パックの電圧が負荷装置の上限電圧になると、それ以上充電することができなくなる。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、電池ユニットから入出力端子への放電経路に半導体素子が設けられているので、第1電池パック及び第2電池パックの電圧が、半導体素子で生ずる電圧降下の分だけ負荷装置の上限電圧より高くなるまで、第1電池パック及び第2電池パックを充電することができる。それによって第1電池パック及び第2電池パックに同時に充電する時間を長くすることができるので、より効率良く第1電池パック及び第2電池パックを充電することができる。また停電時に電池ユニットの電力を負荷装置へ供給する際には、放電経路に設けられた半導体素子をバイパスする。それによって停電時に、半導体素子で生ずる電圧降下及び電力損失によって電池ユニットの電力を効率良く利用できなくなることを回避することができる。
【0019】
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、前述した本発明の第1〜第3の態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、停電時に前記第1電池パックの放電が許可されている場合には、前記第1電池パックの電圧が前記負荷装置の下限電圧より低下したことを条件として前記第2電池パックの放電を許可し、停電時に前記第2電池パックの放電が許可されている場合には、前記第2電池パックの電圧が前記負荷装置の下限電圧より低下したことを条件として前記第1電池パックの放電を許可する、無停電電源装置である。
このように第1電池パック又は第2電池パックのいずれか一方の放電を許可し、その電圧が負荷装置の下限電圧より低下するまで放電した後、他方の放電を許可することによって、第1電池パック又は第2電池パックの継ぎ足し充電の機会を低減することができる。したがって本発明の第4の態様によれば、電池ユニットにおいてメモリー効果による一時的な電圧降下が生ずる虞を低減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、二次電池の電力を効率良く利用することができる無停電電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る無停電電源装置の構成を図示した回路図。
図2】本発明に係る無停電電源装置の充放電制御を図示したタイミングチャート。
図3】本発明に係る無停電電源装置の変形例の構成を図示した回路図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、本発明は、以下説明する実施例に特に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0023】
<無停電電源装置10の構成>
本発明に係る無停電電源装置10の構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、無停電電源装置10の構成を図示した回路図である。
【0024】
無停電電源装置10は、停電等によって外部電源20から負荷装置30へ電力を供給できない状態になったときに、負荷装置30の動作を継続するために、負荷装置30へ電力を供給する電源装置である。
無停電電源装置10は、入出力端子11、電池ユニット12、充放電回路13、制御装置14を備える。
【0025】
入出力端子11は、外部電源20から負荷装置30へ電力を供給する電源ライン21に並列に接続される。ここで外部電源20は、例えば商用交流電力を電圧V1の直流電力に変換する電源装置である。また負荷装置30は、電圧V1の直流電力で動作する電子機器である。
【0026】
電池ユニット12は、ニッケル水素二次電池等のアルカリ二次電池を直列乃至並列に接続することによって構成された第1電池パック121及び第2電池パック122を含む。第1電池パック121及び第2電池パック122は、いずれも外部電源20の電圧V1と同じ定格電圧の電池電源である。また電池ユニット12は、第1電池パック121及び第2電池パック122の電圧及び温度を検出する回路を含む(図示省略)。
【0027】
「充電回路」及び「放電回路」としての充放電回路13は、外部電源20の電圧V1を第1電池パック121及び第2電池パック122の充電電圧V3まで昇圧して電池ユニット12を充電する。また充放電回路13は、外部電源20の停電時に、入出力端子11を通じて電池ユニット12から負荷装置30へ放電する。充放電回路13は、DC/DCコンバータ131、第1充電スイッチSW1、第1放電スイッチSW2、第2充電スイッチSW3及び第2放電スイッチSW4を含む。
【0028】
DC/DCコンバータ131は、外部電源20の電圧V1を第1電池パック121及び第2電池パック122の充電電圧V3まで昇圧する電圧変換装置である。より具体的にはDC/DCコンバータ131は、入出力絶縁型の昇圧型DC/DCコンバータである。
【0029】
第1充電スイッチSW1は、第1電池パック121の充電をオン/オフするスイッチである。より具体的には第1充電スイッチSW1は、一端側がDC/DCコンバータ131の出力に接続され、他端側が第1電池パック121の正極に接続されている。第1電池パック121の負極は、グランドに接続されている。第1電池パック121は、第1充電スイッチSW1をオンすることによって、DC/DCコンバータ131の出力電圧(充電電圧V3)で充電される。
【0030】
第1放電スイッチSW2は、第1電池パック121の放電をオン/オフするスイッチである。より具体的には第1放電スイッチSW2は、一端側が入出力端子11に接続され、他端側が第1電池パック121の正極に接続されている。第1電池パック121は、第1放電スイッチSW2をオンすることによって、入出力端子11を通じて負荷装置30へ放電可能な状態、つまり放電を許可された状態になる。
【0031】
第2充電スイッチSW3は、第2電池パック122の充電をオン/オフするスイッチである。より具体的には第2充電スイッチSW3は、一端側がDC/DCコンバータ131の出力に接続され、他端側が第2電池パック122の正極に接続されている。第2電池パック122の負極は、グランドに接続されている。第2電池パック122は、第2充電スイッチSW3をオンすることによって、DC/DCコンバータ131の出力電圧(充電電圧V3)で充電される。
【0032】
第2放電スイッチSW4は、第2電池パック122の放電をオン/オフするスイッチである。より具体的には第2放電スイッチSW4は、一端側が入出力端子11に接続され、他端側が第2電池パック122の正極に接続されている。第2電池パック122は、第2放電スイッチSW4をオンすることによって、入出力端子11を通じて負荷装置30へ放電可能な状態、つまり放電を許可された状態になる。
【0033】
制御装置14は、充放電回路13を制御する公知のマイコン制御装置である。より具体的には制御装置14は、第1電池パック121の電圧V21や温度、第2電池パック122の電圧V22や温度等に基づいて、第1充電スイッチSW1、第1放電スイッチSW2、第2充電スイッチSW3及び第2放電スイッチSW4のオン/オフ制御を実行する。
【0034】
<無停電電源装置10の充放電制御>
制御装置14が実行する第1電池パック121及び第2電池パック122の充放電制御について、図2を参照しながら説明する。
図2は、無停電電源装置10の充放電制御を図示したタイミングチャートである。図2のタイミングチャートにおいて、第1電池パック121の電圧V21は実線で、第2電池パック122の電圧V22は波線で、それぞれ図示されている。
【0035】
ここでは一実施例として、外部電源20の電圧V1、第1電池パック121の定格電圧及び第2電池パック122の定格電圧は、いずれも54Vとする。またDC/DCコンバータ131の出力電圧(充電電圧V3)は、60Vとする。そして負荷装置30は、動作電圧が40V〜56Vの電子機器であり、その下限電圧を40V、上限電圧を54Vに設定する。
【0036】
第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22がいずれも負荷装置30の下限電圧(40V)より低いことを条件として、第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22が負荷装置30の上限電圧(54V)になるまで、第1電池パック121及び第2電池パック122を同時に充電するとともに、第1電池パック121及び第2電池パック122の放電を許可する。より具体的には、第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22が54Vになるまで、第1充電スイッチSW1、第1放電スイッチSW2、第2充電スイッチSW3及び第2放電スイッチSW4を全てオンする。
【0037】
このように第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22がいずれも負荷装置30の下限電圧より低い場合には、両方を同時に充電することによって、第1電池パック121及び第2電池パック122を短時間に効率良く充電することができる。またその間、第1電池パック121及び第2電池パック122の両方の放電を許可することによって、充電中に停電が発生しても負荷装置30へ電力を供給することができる。
【0038】
第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22が外部電源20の電圧V1と同じ電圧になった時点で、第1電池パック121の充電を継続しつつ、第2電池パック122の充電を停止する。また第1電池パック121の放電を禁止するとともに、第2電池パック122の放電は許可したままとする。より具体的には、第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22が54Vになった時点で(タイミングT1)、第1放電スイッチSW2及び第2充電スイッチSW3をオフする。
【0039】
第1電池パック121が満充電状態まで充電された時点で、第1電池パック121の充電を停止する。より具体的には、第1電池パック121が満充電状態まで充電された時点で(タイミングT2)、第1充電スイッチSW1をオフする。そして第1電池パック121を満充電状態まで充電した後、第1電池パック121の電圧V21が負荷装置30の上限電圧(54V)以下に低下した時点で、第1電池パック121の放電を許可するとともに、第2電池パック122の放電を禁止して充電を開始する。より具体的には、第1電池パック121の電圧V21が54V以下に低下した時点で(タイミングT3)、第1放電スイッチSW2及び第2充電スイッチSW3をオンするとともに、第2放電スイッチSW4をオフする。
【0040】
つまり制御装置14は、第1電池パック121の充電中、及び第1電池パック121を満充電状態まで充電した後に第1電池パック121の電圧V21が負荷装置30の上限電圧以下に低下するまでの間、第1電池パック121の放電を禁止(第1放電スイッチSW2をオフ)し、第2電池パック122の放電を許可(第2放電スイッチSW4をオン)する。
【0041】
第2電池パック122が満充電状態まで充電された時点で、第2電池パック122の充電を停止する。より具体的には、第2電池パック122が満充電状態まで充電された時点で(タイミングT4)、第2充電スイッチSW3をオフする。そして第2電池パック122を満充電状態まで充電した後、第2電池パック122の電圧V22が負荷装置30の上限電圧(54V)以下に低下した時点で、第2電池パック122の放電を許可するとともに、第1電池パック121の放電を禁止して充電を開始する。より具体的には、第2電池パック122の電圧V22が54V以下に低下した時点で(タイミングT5)、第2放電スイッチSW4及び第1充電スイッチSW1をオンするとともに、第1放電スイッチSW2をオフする。
【0042】
つまり制御装置14は、第2電池パック122の充電中、及び第2電池パック122を満充電状態まで充電した後に第2電池パック122の電圧V22が負荷装置30の上限電圧以下に低下するまでの間、第2電池パック122の放電を禁止(第2放電スイッチSW4をオフ)し、第1電池パック121の放電を許可(第1放電スイッチSW2をオン)する。
【0043】
このように無停電電源装置10は、常に第1電池パック121又は第2電池パック122のいずれか一方が充電され、他方が放電を許可された状態が維持される。つまり無停電電源装置10は、停電時には、常に第1電池パック121又は第2電池パック122のいずれか一方から負荷装置30へ電力を供給することができるので、負荷装置30の動作を確実に継続させることができる。また停電時に電池ユニット12から負荷装置30へ電力が供給されるときには、常に電池ユニット12の出力電圧(第1電池パック121の電圧V21又は第2電池パック122の電圧V22)は負荷装置30の上限電圧以下になっているので、負荷装置30の停止や故障等を未然に防止することができる。そして停電時には、電池ユニット12から負荷装置30へ直接電力を供給することができるので、電池ユニット12の電力を効率良く利用することができる。
【0044】
このようにして本発明によれば、二次電池の電力を効率良く利用することができる無停電電源装置10を提供することができる。
【0045】
また本発明の無停電電源装置10は、停電時に第1電池パック121の放電が許可されている場合には、第1電池パック121の電圧V21が負荷装置30の下限電圧より低下したことを条件として第2電池パック122の放電を許可するのが好ましい。同様に、停電時に第2電池パック122の放電が許可されている場合には、第2電池パック122の電圧V22が負荷装置30の下限電圧より低下したことを条件として第1電池パック121の放電を許可するのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、このような構成とすることによって、第1電池パック121又は第2電池パック122の継ぎ足し充電の機会を低減することができるので、電池ユニット12においてメモリー効果による一時的な電圧降下が生ずる虞を低減することができる。
【0046】
<変形例>
本発明に係る無停電電源装置10の変形例について、図3を参照しながら説明する。
図3は、無停電電源装置10の変形例の構成を図示した回路図である。
【0047】
無停電電源装置10の変形例は、充放電回路13の構成が異なる以外は、図1に図示した無停電電源装置10と同じ構成であり、共通する構成要素については、同一の符合を付して詳細な説明を省略する。より具体的には変形例の充放電回路13は、図1に図示した充放電回路13に加えて、さらにダイオードD1、D2及びバイパススイッチSW5が設けられている。
【0048】
ダイオードD1、D2は、直列に接続されている。ダイオードD1のカソードは、入出力端子11に接続されている。ダイオードD2のアノードは、第1放電スイッチSW2及び第2放電スイッチSW4を通じて第1電池パック121及び第2電池パック122の正極に接続されている。つまりダイオードD1、D2は、電池ユニット12から入出力端子11への放電経路に設けられており、電池ユニット12の電圧を降圧する半導体素子である。
【0049】
「バイパス回路」としてのバイパススイッチSW5は、一端がダイオードD1のカソードに接続されており、他端がダイオードD2のアノードに接続されている。つまりバイパススイッチSW5は、電池ユニット12から入出力端子11への放電経路において、ダイオードD1、D2をバイパスするスイッチである。バイパススイッチSW5は、制御装置14によってオン/オフ制御される。
【0050】
前述したように制御装置14は、第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22がいずれも負荷装置30の下限電圧(40V)より低いことを条件として、第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22が負荷装置30の上限電圧(54V)になるまで、第1電池パック121及び第2電池パック122を同時に充電するとともに、第1電池パック121及び第2電池パック122の放電を許可する。図1に図示した充放電回路13は、第1電池パック121及び第2電池パック122を同時に充電するとともに、第1電池パック121及び第2電池パック122の放電を許可している状態では、第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22が負荷装置30の上限電圧(54V)になると、それ以上充電することができなくなる。
【0051】
それに対して変形例の充放電回路13(図3)は、ダイオードD1、D2で約1Vの電圧降下が生ずる。したがってバイパススイッチSW5をオフした状態では、第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22を入出力端子11において約1V低下させることができる。それによって変形例の充放電回路13は、第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22が、ダイオードD1、D2で生ずる電圧降下の分(約1V)だけ負荷装置30の上限電圧(54V)より高くなるまで、第1電池パック121及び第2電池パック122を充電することができる。
【0052】
すなわち変形例の充放電回路13は、第1電池パック121の電圧V21及び第2電池パック122の電圧V22が約55Vになるまで、第1電池パック121及び第2電池パック122の放電を許可している状態で、第1電池パック121及び第2電池パック122に同時に充電することができる。それによって変形例の充放電回路13は、第1電池パック121及び第2電池パック122に同時に充電する時間を長くすることができるので、より効率良く第1電池パック121及び第2電池パック122を充電することができる。
【0053】
また制御装置14は、停電時に電池ユニット12の電力を負荷装置30へ供給する際には、バイパススイッチSW5をオンしてダイオードD1、D2をバイパスする。それによって停電時に、ダイオードD1、D2で生ずる電圧降下及び電力損失によって電池ユニット12の電力を効率良く利用できなくなることを回避することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 無停電電源装置
11 入出力端子
12 電池ユニット
13 充放電回路
14 制御装置
20 外部電源
30 負荷装置
121 第1電池パック
122 第2電池パック
131 DC/DCコンバータ
D1、D2 ダイオード
SW1 第1充電スイッチ
SW2 第1放電スイッチ
SW3 第2充電スイッチ
SW4 第2放電スイッチ
SW5 バイパススイッチ
図1
図2
図3