(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ベルトコンベアに用いられるベルトの管理を行う管理サーバと、ベルトコンベアが設置されている場所に設けられた端末と、ベルトの製造販売を行う会社に設けられたデータサーバとからなるベルト個体管理システムであり、
前記管理サーバが、所定の期間毎に前記端末から供給される前記ベルトの厚さを示すベルト残厚データを時系列に受信する送受信部と、
前記ベルト残厚データを時系列に管理データベースに書き込み、前記管理データベースから時系列に記憶されている前記ベルト残厚データを読み出し、前記所定の期間の差分を、前記所定の期間における前記ベルトの使用量により除算し、使用量単位の単位変化量を求め、最新のベルト残厚データから、交換する指標となるベルトの厚さを示す管理限界値を減算し、減算結果を前記単位変化量で除算することにより、これから交換するまでの前記使用量を示す残存寿命を求めるベルト寿命予測部と、
ベルトコンベア単位に、ベルトの種類毎に、少なくとも前記ベルトの価格、メンテナンス費用、電気代を含む総所有コストが書き込まれて記憶されている費用データベースと、
前記費用データベースに記載された前記ベルトの価格、メンテナンス費用、電気代を加算した総計を、前記使用量により除算し、使用量単位の総コストを求め、対応するベルトコンベアのベルトに対応して前記費用データベースに書き込んで記憶させる総所有コスト算出部と
を備え、
前記ベルト寿命予測部が、前記残存寿命が予め定めた所定の期間における使用量を下回った場合、前記端末及び前記データサーバに対して前記ベルトの交換を促すアラームを送信するベルト個体管理システム。
前記使用量がベルトコンベアが搬送する搬送物の重量であり、前記残存寿命が最新のベルト残厚データを測定した時点から搬送することのできる重量を示している請求項1に記載のベルト個体管理システム。
前記使用量がベルトコンベアが搬送物を搬送する期間であり、前記残存寿命が最新のベルト残厚データを測定した時点から、前記搬送物を搬送することのできる期間を示している請求項1に記載のベルト個体管理システム。
前記管理サーバが、前記ベルトコンベアの配置されている前記場所におけるベルトの種類毎の在庫量と、このベルトの種類毎にベルトコンベアを管理するために必要な最小の在庫量を示す管理残量とが予め書き込まれて記憶されている在庫データベースと、
前記在庫量が前記管理残量を下回った場合、前記端末及び前記データサーバに購入の必要を促すベルト在庫管理部と
をさらに有する請求項1に記載のベルト個体管理システム。
前記管理サーバが、ライン毎に設定されたベルトの異常の有無を判定する検出閾値を示す異常データベースと、前記端末から供給されるベルトの状態を示す検出値と、前記検出閾値とを比較し、比較結果が前記ベルトの異常を示す場合、前記端末及び前記データサーバにベルトに異常が発生したことを示す通知を送信する異常管理部と
をさらに有する請求項1に記載のベルト個体管理システム。
ベルトコンベアに用いられるベルトの管理を行う管理サーバと、ベルトコンベアが設置されている場所に設けられた端末と、ベルトの製造販売を行う会社に設けられたデータサーバとからなるベルト個体管理システムを動作させるベルト個体管理方法であり、
前記管理サーバにより、所定の期間毎に前記端末から供給される前記ベルトの厚さを示すベルト残厚データを時系列に受信する受信過程と、
前記管理サーバにより、前記ベルト残厚データを時系列に管理データベースに書き込み、前記管理データベースから時系列に記憶されている前記ベルト残厚データを読み出し、前記所定の期間の差分を、前記所定の期間における前記ベルトの使用量により除算し、使用量単位の単位変化量を求め、最新のベルト残厚データから、交換する指標となるベルトの厚さを示す管理限界値を減算し、減算結果を前記単位変化量で除算することにより、これから交換するまでの前記使用量を示す残存寿命を求めるベルト寿命予測過程と、
ベルトコンベア単位に、ベルトの種類毎に、少なくとも前記ベルトの価格、メンテナンス費用、電気代を含む総所有コストが書き込まれて記憶されている費用データベースに記載された前記ベルトの価格、メンテナンス費用、電気代を加算した総計を、前記使用量により除算し、使用量単位の総コストを求め、対応するベルトコンベアのベルトに対応して前記費用データベースに書き込んで記憶させる総所有コスト算出過程と
を含み、
前記ベルト寿命予測過程において、前記残存寿命が予め定めた所定の期間における使用量を下回った場合、前記端末及び前記データサーバに対して前記ベルトの交換を促すアラームを送信するベルト個体管理方法。
前記ベルトコンベアには前記ベルト残厚データを測定する測定部が設けられており、前記端末から、前記測定部によって所定の期間毎に測定された前記ベルト残厚データを、前記管理サーバに送信する請求項8に記載のベルトの個体管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態によるベルト個体管理システムの構成例を示す図である。
図1において、管理サーバ1は、インターネットを含む情報通信網Iに接続され、工場や鉱物の採掘場などで用いられているベルトコンベアのベルト(コンベアベルト)の交換時期や在庫管理などの処理を行う。
端末2は、上述した工場や鉱物の採掘場の管理棟などの各ラインに対応した場所に配置され、情報通信網Iを介して管理サーバ1及び後述するデータサーバ3との間におけるデータの送受信を行う。
データサーバ3は、工場や鉱物の採掘場などで用いられているベルトコンベアのベルトの製造及び販売を行う会社(製造販売会社)に設けられており、情報通信網Iを介して管理サーバ1及び端末2との間におけるデータの送受信を行う。
【0019】
また、本実施形態において、例えば、ベルト個体管理システムは、端末2と、データサーバ3と、管理サーバ1とを連携させ、管理サーバ1が端末2及びデータサーバ3に対して効率的にクラウドサービスを提供する。このクラウドサービスは、ベルトの残存寿命(後述)を含む在庫管理を行うアプリケーションの実行基盤を提供するPaaS(Platform as a Service)として構築されている。ここで、管理サーバ1は、1つのサーバで構成しても良いし、ベルトを管理する機能を複合的に処理する複数のサーバで構成しても良い。
【0020】
また、作業者は、端末2から上述したベルト個体管理システムのアプリケーションを実行する場合、端末2から管理サーバ1のオンラインサービスに接続する。そして、端末2は、このオンラインサービスによって起動したアプリケーションの制御により、例えば、表示画面にID(Identification)コード及びパスワード(端末2を識別する識別情報)の入力欄と、この入力欄にIDコード及びパスワードの入力を促す画像を表示する。すなわち、この端末2を識別する識別情報は、各ラインが配置されている工場及び採掘場を識別する情報である。
そして、作業者がIDコード及びパスワードを入力欄に入力すると、端末2は入力されたIDコード及びパスワードを、情報通信網Iを介して管理サーバ1へ送信する。
【0021】
管理サーバ1は、端末2から供給されたIDコード及びパスワードの認証を行い、このIDコード及びパスワードに対応する各テーブル(後述する管理データベース15、費用データベース16、在庫データベース17及び異常データベース18の各々に予め書き込まれて記憶されているテーブル)のデータを用い、IDコード及びパスワードに対応する工場や採掘場などのラインにおけるベルトコンベアのベルトに対する管理を行う。
【0022】
次に、
図2は、
図1のベルト個体管理システムにおける管理サーバ1の構成例を示すブロック図ある。
この図において、管理サーバ1は、送受信部10、ベルト寿命予測部11、総所有コスト算出部12、ベルト在庫管理部13、異常管理部14、管理データベース15、費用データベース16、在庫データベース17及び異常データベース18を備えている。送受信部10は、情報通信網Iを介して、端末2及びデータサーバ3の各々と後述する各データ及び通知信号(アラーム)の送受信を行う。
以下、上記ベルト寿命予測部11、総所有コスト算出部12、ベルト在庫管理部13、異常管理部14の各々の動作を順次説明する。
【0023】
<ベルト寿命予測部11>
ベルト寿命予測部11は、端末2から一定の周期(一定周期)毎に時系列に送られてくるベルトの厚さを示すベルト残厚データから、ベルトの摩耗速度(時間を単位とする単位変化量)を算出する。なお、ベルト残厚データが送られてくるのは一定周期でなくても、所定の期間毎でもよく、例えば、端末2が残厚データを送信する間隔が、1週間であったり、3日間であったりと不定期であってもよい。このベルト残厚データは、ベルト交換のための指標として端末2から前記端末2の識別情報が付加されて供給されるデータである。作業員が測定して端末2に入力したデータでも、後述するように測定装置が測定して、端末2がこの測定装置から予め設定された測定の周期(一定の周期であり、この期間を使用量単位とする)において収集して送信するデータでもどちらでも良い。使用量とは、本実施形態において、使用した期間、あるいは後述するように、搬送した搬送物の搬送量とする。
また、ベルト寿命予測部11は、予め設定された管理限界値から現在のベルト残厚データを減算し、減算結果の差分を摩耗速度で除算することにより、今後の使用可能の期間を算出し、残存寿命として出力する。ここで、管理限界値とは、ベルトの厚さが下回ると損壊の可能性が高くなる数値として設定され、ベルトコンベアのメンテナンスを行う作業者が、搬送する搬送物の種類やベルトの種類により、従来の経験を加味して、ベルトコンベアのライン毎に予め設定する。
【0024】
次に、
図3A、
図3B及び
図3Cは、ベルト寿命予測部11による残存寿命の算出を説明する図である。
図3Aは、周期的に端末2から供給されるベルトの幅方向のベルト残厚データを示す図である。ここでベルトの幅方向とは、ベルトコンベアのベルトの搬送物を載せる面において、搬送方向に対して垂直な方向を示している。
図3Aにおいて、横軸がベルトの幅方向の位置(例えば、P0が右端、P4が中央、P8が左端)を示し、縦軸がベルトの厚さ(残厚)を示している。
【0025】
図3Bは、
図3Aにおける幅方向の厚さデータの組であるベルト残厚データのデータ構成を説明する図である。
図3Bに示すように、ベルト残厚データは、ベルトの幅方向の複数の位置、すなわち9箇所の位置P0〜P8の各々の厚さデータの組である。
また、このベルト残厚データは、周期毎に搬送方向の複数の測定位置、例えば搬送方向における位置Q1からQ7の各々のベルト残厚データが端末2より供給される。この搬送方向の位置は、ベルトの全長さを複数、
図3Bにおいては、7つに分割して、その分割した長さ単位に設けられている。
【0026】
図3Cは、時間t1、t2、t3の各々のベルト残厚データにより、単位時間当たりのベルトの残厚の変化量を示す直線lを求める図である。この
図3Cにおいて、横軸が時間であり、縦軸がベルトの厚さを示し、直線lの傾きが摩耗速度となる。また、直線lの破線部分が推定した部分であり、一点鎖線が管理限界値となった時間tTがベルトの交換を行う必要があると予想される時間となる。この
図3Cにおいて用いられるベルト残厚データは、位置Q1から位置Q7の各々における位置P0から位置P8の60個の測定箇所において、最も残厚の少ないベルト残厚データ(ベルト最小残厚データ)である。
【0027】
次に、
図4A及び
図4Bは、管理データベース15に記憶されている、ある工場にあるベルトコンベアのライン毎の管理テーブルと、ライン毎のベルトの使用履歴を示す使用履歴テーブルとの構成を示す図である。この管理テーブルは、IDコード及びパスワードに対応して設けられており、異なるIDコード及びパスワードの端末2からは参照できない。
図4Aは、ある工場にあるベルトコンベアのライン毎の管理テーブルであり、複数のライン各々、例えば、ラインL1、L2及びL3の各々の管理データが予め管理データベース15の管理テーブルの記憶領域に予め書き込まれて記憶されている。ここで、管理データは、ベルト長さ、ベルトメーカ、ベルト品番、搬送対象、ベルト厚さ初期値及び管理限界値などがある。
【0028】
すなわち、ベルト長さは、ラインのベルトコンベアに用いられているベルトの全長(m:メートル)である。ベルトメーカは、ラインのベルトコンベアに用いられているベルトの製造・販売を行うメーカ名(会社名)を示す。ベルト品番は、ベルトの種類を示す製品番号である。搬送対象は、各ラインで搬送する搬送物の種類を示す。ベルト厚さ初期値は、ベルトコンベアを設置した際のベルトの厚さ(取り付け初期の厚さ)を示す。管理限界値は、すでに説明したように、搬送する搬送物の種類やベルトの種類により、従来の経験を加味して、設定された品質上から交換が必要なベルトの厚さを示す。
ここで、ベルト長さ、ベルトメーカ、ベルト品番、搬送対象、ベルト厚さ初期値及び管理限界値の各々のデータは、予め端末2で入力されて、管理データベース15の管理テーブルに予め送受信部10により書き込まれて記憶される。
【0029】
図4Bは、
図4Aの各ラインのベルトの使用履歴を示す使用履歴テーブルであり、複数のライン各々、例えばラインL1、L2及びL3の各々の使用履歴データが予め管理データベース15の使用履歴テーブルの記憶領域に予め書き込まれて記憶されている。ここで、使用履歴データは、設置日、最終測定日、経過日数、総輸送量、厚さデータ、摩耗速度、残存寿命、交換予定日などがある。
このグラフにより、現在以降に、どの程度の期間にわたって搬送物を搬送できるかが明確に判り、現時点からあとどの程度ベルトが使用できるかの推定を行うことが容易にでき、各ベルトの発注の計画を高い精度で組めることになる。
【0030】
すなわち、設置日は、各ラインのベルトコンベアのベルトを新しいベルトに交換した年月日を示す。最終測定日は、最新のベルト残厚データが供給された年月日を示す。経過日数は、最新の設置日から現在の年月日までの経過日数を示す。総輸送量は、ベルトが設置日から最終経過日数で搬送した搬送物の総重量を示す。厚さデータは、最新のベルトの最小の厚さデータ(ベルト最小残厚データ)を示す。摩耗速度は、ベルトの摩耗する速度であり、ベルト厚さ初期値から厚さデータを減算し、減算結果の差分を最終測定日と設置日との日数差により除算した日単位の摩耗量を示す。残存寿命は、現在から交換予定日までの日数であり、厚さデータから管理限界値を減算し、減算結果の差分を摩耗速度で除算し、除算結果から経過日数と最終測定日との差日数を減算した日数を示す。交換予定日は、ベルトを交換する予定日であり、厚さデータから管理限界値を減算し、減算結果の差分を摩耗速度で除算し、除算結果を最終測定日に加算した年月日を示す。ここで、ライン名、設置日、最終測定日(今回のベルト残厚データが供給された日)、総輸送量、厚さデータ(前回のベルト最小残厚データ)の各々のデータは、端末2から供給され、管理データベース15の使用履歴テーブルに、送受信部10により書き込まれて記憶される。
【0031】
図2に戻り、ベルト寿命予測部11は、残存寿命及び交換予定日を、各端末2の設置されている工場や採掘現場におけるライン毎に予測する。
ベルト寿命予測部11は、端末2から送受信部10を介して、一定の周期毎に送られてくる複数、例えば位置Q1から位置Q7のベルト残厚データの中から、最小の厚さデータを抽出し、ベルト最小残厚データとする。ここで、ベルト寿命予測部11は、この一定周期でベルト残厚データが送信される毎に、受信日を最終測定日として管理データベース15の使用履歴テーブルに書き込んで記憶させる。
そして、ベルト寿命予測部11は、1回の周期で送信された複数の位置のベルト残厚データから、最小の厚さデータをベルト最小残厚データとして抽出し、
図3Cに示すように、直線lを求め、この直線の傾きとしての摩耗速度を算出する。また、ベルト寿命予測部11は、最終測定日におけるベルト最小残厚データを厚さデータとして、管理データベース15の使用履歴テーブルに書き込んで記憶させる。
【0032】
このとき、ベルト寿命予測部11は、管理データベース15の使用履歴テーブルから前回のベルト最小残厚データを読み出し、今回の(最新の)ベルト最小残厚データから前回の(直前の)ベルト最小残厚データ間の傾きとして摩耗速度を求める。すなわち、ベルト寿命予測部11は、前回のベルト最小残厚データから今回のベルト最小残厚データを減算し、減算結果の差分を測定の周期の時間で除算して摩耗速度を求める。
そして、ベルト寿命予測部11は、求めた摩耗速度を管理データベース15の使用履歴テーブルに書き込んで記憶させる。
【0033】
また、ベルト寿命予測部11は、管理データベース15の管理テーブルからベルト厚さ初期値を読み出し、この読み出したベルト厚さ初期値から今回のベルト最小残厚データを減算し、減算結果の差分を管理データベース15の使用履歴テーブルから読み出した経過日数で除算してもよい。このとき、ベルト寿命予測部11は、管理データベース15の使用履歴テーブルから設置日及び最終測定日を読み出し、最終測定日から設置日を減算して経過日数を算出する。そして、ベルト寿命予測部11は、求めた摩耗速度を管理データベース15の使用履歴テーブルに書き込んで記憶させる。また、ベルト寿命予測部11は、今回のベルト最小残厚データを、管理データベース15の使用履歴テーブルの厚さデータに書き込む。
【0034】
また、ベルト寿命予測部11は、管理データベース15の管理テーブルから管理限界値を読み出し、使用履歴テーブルから摩耗速度を読み出し、最新のベルト最小残厚データから管理限界値を減算し、この減算結果の差分を摩耗速度により除算し、残存寿命を求める。
そして、ベルト寿命予測部11は、残存寿命を最終測定日に加算し、管理限界値を下回る日、すなわち交換予定日を求める。ここで、ベルト寿命予測部11は、求めた残存寿命及び交換予定日の各々を管理データベース15の使用履歴テーブルに書き込んで記憶させる。
【0035】
ここで、ベルト寿命予測部11は、求めた残存寿命が、予め管理データベース15に記憶されている基本残存寿命を下回った場合、端末2及びデータサーバ3に対して、ベルトの交換を促す通知を、このラインを識別する情報(いずれの場所においてどのベルトコンベアで用いられているかを示す情報、すなわちIDコード及びパスワード、ライン名など)を付加して送受信部10を介して行う。
また、この基本残存寿命は、例えば、ベルト寿命予測部11が、測定の一周期の間の摩耗量、すなわち一周期の時間に摩耗速度を乗じて求め、ベルト寿命予測部11により予め管理データベース15に書き込まれている。なお、基本残存寿命は一定の周期に基づいて算出しなくてもよく、予め定めた所定の時間に摩耗速度を乗じる等により求めてもよい。
【0036】
次に、
図5は、搬送量とベルト残厚データにおけるベルト最小残厚データとの対応を示す図である。このグラフの直線lの傾きは、単位搬送量に対応した摩耗量を示している。このように、測定の周期単位の搬送量(一定の周期における搬送量を使用量単位とする))により、残存寿命を求めても良い。このときの残存寿命は、あと搬送物をどの程度搬送することにより、ベルト最小残差データが管理限界値を下回るかを示す搬送量(搬送量を単位とする単位変化量)として求められる。搬送量MTは、ベルト最小残厚データが管理限界値を下回る搬送物の総重量を示している。このグラフにより、現在以降に、どの程度の搬送物を搬送することができるかが明確に判り、搬送物の搬送予定から、あとどの程度ベルトが使用できるかの推定を行うことが容易にでき、各ベルトの発注の計画を高い精度で組めることになる。
【0037】
図2に戻り、ベルト寿命予測部11は、最新のベルト最小残厚データから管理限界値を減算し、減算結果の差分を単位搬送量に対応した摩耗量で除算することにより、管理限界値にベルト最小残厚データが達するまでの搬送量を求め、残存寿命とする。
また、ベルト寿命予測部11は、最新のベルト残厚データが得られた際の総輸送量を経過日数で除算し、除算結果を1日あたりの搬送物の搬送量である平均搬送量とする。
そして、ベルト寿命予測部11は、搬送量としての残存寿命を平均搬送量で除算し、除算結果を最終測定日に加算し、加算結果を交換予定日として求める。
【0038】
<総所有コスト算出部12>
総所有コスト算出部12は、端末2から供給されるコストデータを、費用データベース16の費用テーブルに書き込んで記憶させる。
次に、
図6A及び
図6Bは費用データベース16の費用テーブル(後述する稼働テーブル及び使用履歴テーブル)の構成例を示す図である。この費用テーブルは、管理テーブルと同様に、IDコード及びパスワードに対応して設けられており、異なるIDコード及びパスワードの端末2からは参照できない。
図6Aは、工場あるいは採掘現場の各ラインで使用されているベルトコンベアのベルト及びベルトコンベアの稼働に対するコストを示す費用データベース16の稼働テーブルの構成を示す。
図6Aにおいて、ライン名は各ラインを示し、会社名はラインのベルトコンベアで使用しているベルトのメーカを示し、設置日はベルトがベルトコンベアに設置された日を示し、資材コストはベルトの価格を示している。また、エンドレス作業費は各ラインにおいてベルトコンベアとしてベルトを環状につないで取り付ける作業費を示している。メンテナンス費は、ベルトコンベアのベルトの補修などのメンテナンスにかかった費用を示している。電気代は、ベルトコンベアを稼働するために使用した電気の代金を示している。
図2に戻り、総所有コスト算出部12は、(ベルト購入費用+エンドレス費用+電力)を使用期間、例えば年で除算し、この除算結果をベルト長さで除算して、この除算結果を使用期間に対応したTOC(総コスト(/年))とする。また、総所有コスト算出部12は、(ベルト購入費用+エンドレス費用+電力)を搬送した搬送量(例えば、トン数)で除算し、除算結果を搬送量に対応したTOC(総コスト(/トン))とする。そして、総所有コスト算出部12は、求めたTOCを費用データベース16の費用テーブルに書き込んで記憶させる。ここで、ベルト購入費用は、
図6A及び
図6Bにおける資材コストである。
すなわち、総コスト(/年)は、後述する式で求めた、ベルトを設置してから現時点までの総費用を使用した年数で除算した年間あたりのコストを示している。また、総コスト(/トン)は、後述する式で求めた、設置してから現時点までの総費用を搬送した搬送物の総搬送量(たとえばトン単位)で除算した重量あたりのコストを示している。また、複数のベルトコンベア間におけるベルトの比較を容易にするため、総コスト(/年)及び総コスト(/トン)を各ベルトコンベアにおけるベルトの長さで除算しても良い。
【0039】
図6Bは、工場あるいは採掘現場の各ラインで使用されているベルトコンベアのベルト及びベルトコンベアの交換履歴を示す費用データベース16の使用履歴テーブルの構成例である。
図6Bにおいて、ライン名は各ラインを示し、設置期間はベルトが設置されてから交換されるまでの期間を示し、会社名はラインのベルトコンベアで使用しているベルトのメーカを示し、資材コストはベルトの価格を示している。エンドレス作業費は各ラインにおいてベルトコンベアとしてベルトを環状につないで取り付ける作業費を示している。
メンテナンス費は、ベルトコンベアのベルトの補修などのメンテナンスにかかった費用を示している。電気代は、ベルトコンベアを稼働するために使用した電気の代金を示している。また、総コスト(/年)は、後述する式で求めた、ベルトを設置してから現時点までの総費用を使用した年数で除算した年間あたりのコストを示している。総コスト(/トン)は、後述する式で求めた、ベルトを設置してから現時点までの総費用を搬送した搬送物の総搬送量(たとえばトン単位)で除算した重量あたりのコストを示している。
【0040】
図2に戻り、総所有コスト算出部12は、端末2から送受信部10を介して供給されるライン名、会社名、設置日、資材コスト、エンドレス作業費、メンテナンス費、搬送物の総搬送量及び電気代(コストデータ)を元に、後述する式により総コスト(/年)及び総コスト(/トン)を算出する。そして、総所有コスト算出部12は、費用データベース16の稼働テーブル及び使用履歴テーブルに書き込んで記憶させる。
また、
図6Bにおけるライン1の履歴において、設置期間がX〜は現在使用されているベルトコンベアのベルトに対する情報である。一方、設置期間がS〜Xは現在使用している直前の期間に使用されていたベルトコンベアのベルトに関する情報が示されている。これにより、ベルトコンベアの稼働を含めた全操業のコストを示すTCO(Total Cost of Ownership:総所有コスト)が、端末2の作業者に対して可視化されることになる。
【0041】
これにより、本実施形態においては、作業者がベルトの価格だけでなく、各ラインのベルトコンベアのTCOを、ベルトコンベアに使用されているベルトの種類ごとに把握し、使用されるベルトのコストパフォーマンスの比較が容易にできる。
【0042】
<ベルト在庫管理部13>
ベルト在庫管理部13は、端末2から送受信部10を介して供給される在庫データを、在庫データベース17の在庫テーブルに書き込んで記憶させる。この在庫データは、メーカ、品番、ベルト識別情報、残量(在庫量)、品番総残量及び管理残量である。また、在庫テーブルは、管理テーブルと同様に、IDコード及びパスワードに対応して設けられており、異なるIDコード及びパスワードの端末2からは参照できない。
次に、
図7は在庫データベース17の在庫テーブルの構成例を示す図である。この
図7において、メーカはベルトの製造販売を行う会社名であり、品番はそのベルトの製品の種類を示す番号であり、ベルト識別情報はそのベルトのロット単位、例えばベルトが巻かれたロール単位で個々のベルトを識別する情報である。また、残量はそのベルト識別情報の示すロットのベルトの残量としての在庫量(例えば、m単位)を示し、残量の「FUL」は未使用製品であり例えば1000m全てが残っており、使用されたロットに関しては残量(在庫量)がそのままm単位で示される。品番総残量は、同一製品の全ての残量を示す。
例えば、A社の品番B1に関しては「FUL」が2個であり、1個が200mであるため、品番総残量は2200mとなる。管理残量は、過去の経験から、ベルトコンベアのベルトに異常が発生した場合に対処可能となるベルトの最小の必要量な在庫量を示している。
【0043】
図2に戻り、ベルト在庫管理部13は、端末2から送受信部10を介して供給される在庫データを、在庫データベース17の在庫テーブルに書き込むとともに、品番総残量を算出する。ここで、ベルト在庫管理部13は、品番が同様のべルトの残量を全て加算し、加算結果を品番総残量として、在庫データベース17の在庫テーブルの品番に対応させて書き込んで記憶させる。
また、ベルト在庫管理部13は、端末2からベルトの在庫データの更新情報が供給される毎に、この在庫データから品番を抽出する。そして、ベルト在庫管理部13は、上述したように、抽出した品番に対応した品番総残量を求める。
【0044】
次に、ベルト在庫管理部13は、品番に対応した管理残量を読み出し、新たに求めた品番総残量と比較する。
この比較の結果、ベルト在庫管理部13は、品番総残量が管理残量を下回った場合、端末2及びこのベルトの製造販売を行うメーカのデータサーバ3に対して、ラインを識別する情報を付加して、品番と発注を促す内容とを含む通知を送信する。
また、上述した在庫テーブルはメーカで分類する構成となっているが、ベルトコンベアのライン毎に、メーカ、品番、ベルト識別情報、残量、品番総残量及び管理残量の表を作成しても良い。
【0045】
これにより、工場及び採掘現場などの作業者が、常に最新の在庫状況を確認することが可能となり、適切なベルトの量(長さ)をいつ発注したら良いかのスケジューリングを容易に行うことができ、不要な在庫を持つことなく、ベルトが損傷した場合に対応可能な量の適正な在庫管理が行える。
また、ベルトの製造販売を行うメーカは、工場や採掘現場の各々からいつ頃、どの程度のベルトの量の発注があるかを予想することが可能となり、製造のスケジュールを立てることができ、不要な在庫の保持や発注に即座に対応できないなどの問題を防止することができる。
【0046】
また、上述のベルト識別情報は、各ベルトのロールや梱包材に添付あるいは貼着されたRFID(Radio Frequency IDentification)あるいはバーコードなどに書き込まれている。工場及び採掘現場などの作業者は、定期的にRFIDもしくはバーコードの読み取り機により、在庫品のベルト識別情報を読み取る。そして、未使用であれば「FUL」、使用中であれば実際の残量を、またメーカ、品番を付加して、在庫データとする。そして、作業者は、読み取り機を端末2に接続し、端末2から在庫データを管理サーバ1へ送信する。
【0047】
<異常管理部14>
異常管理部14は、端末2から送受信部10を介して供給される検出データを、予め設定された閾値(後述する検出閾値)と比較して異常か否かの判定を行い、異常と判定した場合、異常データベース18の異常テーブルに書き込んで記憶させる。この異常データは、検出日、ライン番号、検出位置などである。また、異常テーブルは、管理テーブルと同様に、IDコード及びパスワードに対応して設けられており、異なるIDコード及びパスワードの端末2からは参照できない。
【0048】
次に、
図8A及び
図8Bは、異常データベース18に予め書き込まれて記憶されているテーブルの構成例を示す図である。
図8Aは、ライン毎に設定された損壊などの異常の有無を判定する検出閾値を示す閾値テーブルである。この
図8Aにおいて、ライン番号は、工場あるいは採掘場などに配置されているラインの番号(ラインを識別する情報)であり、検出閾値は、ライン毎に設定されたおり、一定周期で送信されるラインで用いられているベルトの状態を示す検出値と比較する閾値である。
図8Bは、異常と判定されたラインの情報を時系列に示す異常履歴テーブルである。この
図8Bにおいて、検出日はラインの異常が検出された年月日を示し、ライン番号はベルトの異常が検出されたライン番号であり、検出位置はベルトの異常が検出された位置を示し、インデックスはベルトの異常の発生した位置を示す画像が記憶された領域を示すアドレスである。
【0049】
次に、
図9は、ベルトコンベアのベルト113に埋め込まれた、ベルトの損壊状態の一つである縦裂きを検出するための被検出体117を示す図である。
ベルト113は、ベルト長手方向(搬送物の搬送方向)Lに延在する本体ゴム116と、前記本体ゴム116に、ベルト長手方向Lに間隔をあけて配設された複数の被検出体117と、を備えている。本体ゴム116は、例えば硫黄加硫可能なゴム材料で形成されている。このゴム材料としては、例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)等を、単独であるいは混合して使用してもよい。
【0050】
また、図示しないが抗張体は、ベルト長手方向Lに沿って延在するスチールコードまたは有機繊維コードとされ、ベルト幅方向Hに沿って複数配設されている。有機繊維コードとしては、例えばナイロン、ポリエステル若しくはアラミド等が挙げられる。また複数の抗張体は、本体ゴム116内において、本体ゴム116の厚さ方向の中央部にベルト幅方向Hのほぼ全域にわたって配設されている。
【0051】
被検出体117は、本体ゴム116内において、抗張体が埋設された前記厚さ方向の中央部よりも、本体ゴム116の裏面側に位置する部分に埋設されている。被検出体117には、コイル部119を有するとともにベルト113を前記厚さ方向から見た平面視で環状をなす環状回路120が備えられている。環状回路120は、本体ゴム116の両側端部間にわたってベルト幅方向Hに延在しており、図示の例では、環状回路120は、前記平面視でベルト幅方向Hに長い矩形環状をなしている。
【0052】
コイル部119は、導線119aがコイル軸回りに周回されてなり、図示の例では、導線119aが複数周、周回されてなる。コイル部119のコイル軸は、前記厚さ方向に沿って延在しており、コイル部119は、電流が供給されたときに前記厚さ方向に磁界を励起する。コイル部119は、前記平面視において、導線119aの一端から他端に向かうに従い漸次、縮径しながら周回される渦巻き状に形成され、コイル部119の径方向に隣接し合う導線119a同士の間隔は、同等となっている。
また、複数の被検出体117の各コイル部119は、ベルト幅方向Hの位置が互いに同等となるように配設されており、本実施形態では、各コイル部119が、本体ゴム116の両側端部のうちの一方側の側端部に共通して配置されることで、各コイル部119のベルト幅方向Hの位置が、互いに同等となっている。
【0053】
そして本実施形態では、環状回路120には、振動が印加されることにより発電して電力をコイル部119に供給する振動発電部121が備えられている。
振動発電部121は、コイル部119に電気的に接続された起電コイル122と、起電コイル122と同軸に配設された磁石体123と、これらの起電コイル122および磁石体123が収容された収容ケース124と、を備えている。
【0054】
収容ケース124は、前記平面視において辺部がベルト長手方向Lおよびベルト幅方向Hの両方向に沿う直方体状に形成されている。
起電コイル122は、導線122aがコイル軸回りに周回されてなり、図示の例では、コイル部119のコイル軸は、ベルト幅方向Hに沿って延在している。起電コイル122は、導線122aが複数周、ベルト幅方向Hに位置をずらされながら同径になるように周回されてなり、全体としてベルト幅方向Hに延在する円筒状に形成されている。
また、起電コイル122を形成する導線122aの両端部はそれぞれ、収容ケース124のうち、ベルト長手方向Lに対向し合う各部分に固定されている。
【0055】
磁石体123は、ベルト幅方向Hに移動可能に配設され、この磁石体123が起電コイル122のコイル軸上をベルト幅方向Hに移動すると、起電コイル122に電磁誘導による起電力が生じる。図示の例では、磁石体123は、棒状に形成されるとともに起電コイル122内に挿通されており、磁石体123のベルト幅方向Hに沿った大きさは、起電コイル122のベルト幅方向Hに沿った大きさと同等となっている。磁石体123のベルト幅方向Hの両端部は、収容ケース124の内面に、ベルト幅方向Hに弾性変形可能な弾性部材125を介して各別に連結されている。図示の例では、弾性部材125は、コイルスプリングにより形成されている。
【0056】
また、複数の被検出体117の各振動発電部121は、ベルト幅方向Hの位置が互いに同等となるように配設されており、本実施形態では、各振動発電部121が、本体ゴム116の両側端部のうち、コイル部119が配設されていない他方側の側端部に共通して配置されることで、各振動発電部121のベルト幅方向Hの位置が、互いに同等となっている。また、振動発電部121のベルト長手方向Lの位置は、コイル部119のベルト長手方向Lの位置と同等になっている。
【0057】
また環状回路120には、環状回路120の周方向に延在し、コイル部119と振動発電部121とを接続する接続導線126が備えられている。接続導線126は、コイル部119と振動発電部121とをベルト長手方向Lに挟むように一対配設されている。
接続導線126は、ベルト幅方向Hに延在するとともに両端部が本体ゴム116の各側端部に配置された主導線126aと、主導線126aの両端部からベルト長手方向Lに延設された一対の副導線126bと、を備えている。
【0058】
副導線126bの両端部のうち、主導線126aに接続されていない端部は、コイル部119を形成する導線119a、または振動発電部121の起電コイル122を形成する導線122aの端部に各別に連結されている。図示の例では、これらの端部は一体に連結されており、コイル部119、起電コイル122および接続導線126は、一体に形成されている。また、接続導線126の副導線126bのうち、コイル部119を形成する導線119aの前記他端に連結される副導線126bは、コイル部119のうちの前記他端以外の部分と非接触になるように、コイル部119よりも、前記厚さ方向に沿った本体ゴム116の裏面側に配設されている。
【0059】
図10は、
図9に示した被検出体117を設けたベルト113を用いたベルトコンベア110の側面図である。
図10に示すように、検出部114、115としては、キャリア側のベルト113が通過するベルト経路において、ホッパ130に駆動プーリ111側から隣接する搬送開始位置P1に配置された第1検出部114と、リターン側のベルト113が通過するベルト経路における戻り開始位置P2に配置された第2検出部115と、が備えられている。第1検出部114は、ホッパ130にベルト長手方向Lに隣接するように配置されており、第2検出部115は、振り落とし手段131にベルト幅方向Hに隣接するように配置されている。
【0060】
各検出部114、115は、ベルト113の裏面側に、本体ゴム116の前記一方側の側端部に対向するように、ベルト113のベルト幅方向Hの中央よりも外側に配設されており、コイル部119により励起された磁界を検出することで、ベルト113の縦裂きを検出する。検出部114、115としては、例えば、コイル部119により励起された磁界により誘導電流が生じる図示しない検出コイルと、この検出コイルに生じた誘導電流の電流値を検出し、端末2に検出データとしてライン名とともに出力する。
【0061】
ここで、
図10に示すように、ベルト113の走行時には、ホッパ130から搬送物が投下され、キャリア側のベルト113に外力が付加されることにより、搬送開始位置P1を通過するキャリア側のベルト113に振動が印加されるとともに、振り落とし手段131が作動することにより、戻り開始位置P2を通過するリターン側のベルト113に振動が印加される。
【0062】
このように振動が印加される両位置P1、P2を、ベルト113のうち、環状回路120が配設された部分が通過するときには、環状回路120が断線していなければ、振動発電部121が発電することでコイル部119に電流が流れて磁界が励起される一方、ベルト113に縦裂きが形成され、環状回路120が断線していると、コイル部119に電流が流れず磁界が励起されない。したがって、両位置P1、P2に配置された各検出部114、115が、コイル部119により励起された磁界を検出することで、ベルト113の縦裂きを検出することができる。
【0063】
ここで、個々の被検出体117と徐々に隣接する他の被検出体117との距離を変化させることにより、縦裂きを起こした地点を、検出部114、115の検出される電流の周期により検出することができる。また、上述したベルトの被検出体117の配置開始位置として、ベルト113にマークを設定し、例えば、摩耗しないベルト113の側部に磁石等を埋め込み、磁気センサによりこのマークを検出し、端末2がベルト113の周回単位の検出データを蓄積する。
【0064】
次に、端末2は、磁気センサの出力により、ベルトが周回する毎に、時系列にサンプリングした検出部114、115の出力する検出データを管理サーバ1に対して送信する。
そして、異常管理部14は、端末2から供給された検出データ、すなわち検出部114、115の測定した電流値を順次、閾値テーブルから読み出した検出閾値(電流値)と比較する。
ここで、異常管理部14は、検出閾値を超える電流値をピーク値として検出し、このピーク値の検出される周期を測定し、周期が順番に長くなる場合は正常と判定する。一方、異常管理部14は、ピーク値の検出される周期が一端長くなり、再度直前の周期より短くなった場合、検出閾値を超える電流値が検出されていない、すなわちその位置の被検出体117が損壊していると判定する。この被検出体117の損壊は、ベルト113の縦裂きを示す。このため、異常管理部14は、ベルト113に縦裂きの損壊が発生したことを検出する。
【0065】
次に、異常管理部14は、ベルト113に異常が発生したため、再度直前の周期より短くなった電流のピークを含むピーク数の、開始のマークからの並び順の位置の被検出体117の位置の画像を生成し、異常データベース18に書き込んで記憶させる。
また、異常管理部14は、供給された年月日、ライン番号(ライン名)、検出位置(開始のマークから何番目の被検出体117)、ベルト113における被検出体117の位置を示す画像を記憶した領域のアドレスを、異常データベース18の異常履歴テーブルに書き込んで記憶させる。
【0066】
そして、異常管理部14は、ラインのベルトに損壊、すなわち異常が発生したことを示す通知に前記ラインを識別する情報を付加して、端末2及びデータサーバ3に対し、電子メールなどを用いて通知する。
これにより、ベルトコンベアの保守を行う作業者は異常の発生を確認することができ、短期間に対応することができる。一方、ベルトの製造販売を行う会社は、いずれの場所のベルトコンベアであり、どの種類のベルトに異常が発生したかの情報を知ることができるため、発注が来た際に即座に対応する準備ができる。
また、ベルト113のスチールコードの破断を検知するため、X線装置によりベルト113のX線画像を撮り、このX線画像の画像処理によりスチールコードの破断位置を検出しても良い。この場合の破断位置は、ベルトコンベアにおけるベルトの端部を接続した位置と、ベルトコンベアの搬送速度から特定することができる。
【0067】
<ベルト残厚データ及び搬送物の搬送量の測定>
図11は、本実施形態におけるラインにおけるベルトコンベア装置210の側面図である。
図12は、
図11に示すベルトコンベア装置210を構成する要部の部分縦断面図である。
図11および
図12に示すように、ベルトコンベア装置210は、搬送物Yを輸送する無端帯状のベルト211と、ベルト211において搬送物Yが積載される表面211aの摩耗量を測定する摩耗量測定手段(周回検出手段)212と、ベルト211に積載された搬送物Yの積載高さを測定する積載高さ測定手段213と、摩耗量測定手段212および積載高さ測定手段213から測定データを各別に取得する演算部(周回数測定手段)214と、を備えている。この演算部214は端末2に設けられている。
【0068】
ベルト211は、水平方向に延在する回転軸回りに回転可能な一対のプーリ215、216の間に巻回されている。図示の例では、一対のプーリ215、216として駆動プーリ215および従動プーリ216が備えられており、これらの両プーリ215、216の回転軸は、互いに平行であるとともに、ベルト幅方向Hに沿って延在している。
【0069】
また、表面211aが鉛直上側を向くキャリア側のベルト211は、駆動プーリ215および従動プーリ216の間に、ベルト周方向Lに複数配置されたベルト支持手段217によってトラフ状に支持された状態で走行する。ベルト支持手段217は、ベルト幅方向Hに沿って延在する回転軸回りに回転自在に配設され、ベルト211のベルト幅方向Hの中央部を支持するセンタローラ218と、このセンタローラ218のベルト幅方向Hの両外側に配置されるとともにセンタローラ218の回転軸に対して傾斜した回転軸回りに回転自在に配設され、ベルト211のベルト幅方向Hの側端部を各別に支持する一対のサイドローラ219と、を備えている。
【0070】
そして、キャリア側のベルト211は、ベルト211に積載される搬送物Yを、従動プーリ216(一方のプーリ)側から駆動プーリ215(他方のプーリ)側に向けて搬送する。キャリア側のベルト211の上方には、搬送物Yをベルト211上に投下する図示しないホッパが設けられており、キャリア側のベルト211は、このホッパから投下された搬送物Yを、駆動プーリ215側に設けられた図示しない荷降ろし部に搬送する。
図示の例では、表面211aが鉛直下側を向くリターン側のベルト211は、ベルト幅方向Hに沿って平坦に展開された状態で走行する。
【0071】
またベルト211には、ベルト211の表面211a側に向けて磁界を発生させる第1磁界発生手段220および第2磁界発生手段221が各別に配設されている。本実施形態では、これらの第1磁界発生手段220および第2磁界発生手段221は、ベルト周方向Lの位置が互いに異なり、かつベルト幅方向Hの位置が互いに同等となるように配設されている。
【0072】
第1磁界発生手段220および第2磁界発生手段221の各磁界の極性は、ベルト211の表面211a側において互いに異なっている。本実施形態では、各磁界発生手段220、221は、ベルト211に追従して変形可能な程度の柔軟性が具備された1つのゴム磁石により構成されており、第1磁界発生手段220を構成するゴム磁石と、第2磁界発生手段221を構成するゴム磁石と、の各磁界が、ベルト211の表面211a側において異極となっている。前記ゴム磁石は、例えば永久磁石材料の磁性粉が配合ゴム中に分散されてなるボンド磁性体などにより、ベルト211の厚さ方向に磁化されるように形成され、前記磁性粉としては、例えば、ネオジウム鉄ボロンまたはサマリウム鉄窒素などの希土類磁石、アルコ磁石、およびフェライト等を採用することができる。
【0073】
また第1磁界発生手段220は、例えばベルト211に、その表面211aから露出するように埋設される等しており、ベルト211の表面211aの摩耗に伴い第1磁界発生手段220も摩耗される。このようなベルト211の表面211aの摩耗に伴い、例えば第1磁界発生手段220の磁界の大きさ、第1磁界発生手段220の磁界のベルト幅方向Hに沿った範囲、および第1磁界発生手段220の磁界のベルト周方向Lに沿った範囲などが変化する。すなわち、この第1磁界発生手段220は、測定点が明確となるように、
図3Bの各測定点に対応させてベルト211に配置されている。
【0074】
摩耗量測定手段212は、使用開始時のベルト211を基準とした摩耗量を測定し、本実施形態では、前述のようにベルト211の表面211aの摩耗量に応じて変化する第1磁界発生手段220の磁界を、ベルト211の表面211aの摩耗量として測定する磁気センサにより構成されている。磁気センサとしては、例えばガウスメータやループコイルなどを採用することができる。
【0075】
摩耗量測定手段212は、リターン側のベルト211の表面211aに対向するように配置されている。リターン側のベルト211が通過するベルト経路のうち、摩耗量測定手段212に対向する対向部分には、ベルト211のベルト幅方向Hに沿った移動を規制する図示しない幅方向ガイドや、ベルト211をその裏面側から支持し、ベルト211が摩耗量測定手段212からベルト211の厚さ方向に離間することを規制する厚さ方向ガイドなどが設けられてもよい。
【0076】
また本実施形態では、摩耗量測定手段212は、ベルト211の一周回の開始および終了を検出する。図示の例では、摩耗量測定手段212は、ベルト211の一周回の開始および終了として、第2磁界発生手段221の磁界を検出しており、ベルト211の一周回の終了を検出したときに、ベルト211の次の一周回の開始が検出される。
【0077】
積載高さ測定手段213は、ベルト211のうちの一部分に積載された搬送物Yの積載高さを測定する。本実施形態では、積載高さ測定手段213は、キャリア側のベルト211のベルト経路のうち、前記ホッパよりも駆動プーリ215側に位置する測定部分に配設されており、この積載高さ測定手段213は、ベルト211のうち、測定部分を通過する一部分に積載された搬送物Yの積載高さを測定する。
【0078】
また積載高さ測定手段213は、ベルト211の表面211a側に配設されるとともに、搬送物Yの積載高さとして、前記積載高さ測定手段213から搬送物Yまでの距離を、例えばレーザー光等の光または超音波を出射して前記光または超音波の反射を受信することで測定する距離センサにより構成されている。
本実施形態では、積載高さ測定手段213は、ベルト211およびベルト支持手段217よりも上方に配設されており、ベルト211に積載された搬送物Yに向けて、光または超音波を出射する。
【0079】
図示の例では、積載高さ測定手段213は、ベルト211の表面211aに搬送物Yが非積載とされている状態で、ベルト211の表面211aのうちのベルト幅方向Hの中央に向けて光または超音波を出射するように、ブラケット222により保持されている。また積載高さ測定手段213は、ベルト211のベルト幅方向Hの中央部よりもベルト幅方向Hの外側に位置しており、光または超音波を、ベルト幅方向Hに沿った内側に向かう斜め下方に向けて出射する。
積載高さ測定手段213から搬送物Yまでの距離は、ベルト211に積載された搬送物Yの積載高さが大きいと短くなる一方、小さいと長くなり、前記積載高さに応じて変化する。
【0080】
演算部214には、予め定められた単位積載高さあたりの搬送物Yの積載量が記憶されており、演算部214は、この単位積載高さあたりの搬送物Yの積載量と、積載高さ測定手段213から取得された測定データと、に基づいて、前記測定データが取得されたタイミングにおいて、ベルト211のうち、前記測定部分を通過する一部分に積載された搬送物Yの積載量を算出可能である。
【0081】
また、演算部214は、ベルト211の稼働、非稼働を判定する。本実施形態では、演算部214は、摩耗量測定手段212から取得されるベルト211の一周回の開始および終了の検出データに基づいて、ベルト211の一周回の開始を検出してから、予め定められた周回予定時間以内に前記一周回の終了が検出された場合、ベルト211が稼働していると判定するとともに、前記一周回の開始を検出してから、前記周回予定時間よりも時間が経過しても、前記一周回の終了が検出されない場合、ベルト211が非稼働であると判定する。前記周回予定時間としては、例えばベルト211の一周回に要する標準時間に、余裕時間を加算したもの等を採用することができる。
さらに演算部214は、ベルト211の使用開始時からのベルト211の周回数を測定する。本実施形態では、摩耗量測定手段212からの前記検出データに基づいて、ベルト211の一周回が終了するごとにベルト211の周回数に一周回を加算することで、前記周回数を測定する。
【0082】
また本実施形態では、演算部214は、摩耗量測定手段212から取得されるベルト211の摩耗量の測定データに基づいて、ベルト211の残り厚さを算出する。ベルト211の残り厚さ(ベルト残厚データにおけるベルト厚さデータ)は、演算部214に予め記憶されたベルト211の使用開始時の厚さ(ベルト厚さ初期値)から、ベルト211の摩耗量を減ずることにより算出される。
【0083】
次に、ベルトコンベア装置210の作用について説明する。
ベルトコンベア装置210では、駆動プーリ215によりベルト211を走行させるときに、演算部214は、ベルト211の稼働、非稼働を判定するとともに、積載高さ測定手段213から継続して測定データを取得する。積載高さ測定手段213から取得された測定データのうち、ベルト211が稼働していると判定されたときに取得されたデータは、後述する搬送物Yの総量の算出に用いられる。演算部214は、ベルト211が非稼働であると判定されたときには、積載高さ測定手段213から測定データを取得しなくてもよい。
【0084】
また演算部214は、ベルト211の周回数を測定し、ベルト211が、例えば1000周回などの一定数、周回するごとに、摩耗量測定手段212から測定データを取得し、摩耗量測定手段212により摩耗量を測定する。
そして本実施形態では、演算部214は、摩耗量測定手段212による摩耗量の測定時に、ベルト211の使用開始時から前記摩耗量の測定時までに積載高さ測定手段213から取得された測定データに基づいて、前記摩耗量の測定時までにベルト211により搬送された搬送物Yの総量を算出する。
【0085】
このとき、演算部214は、前記摩耗量の測定時までに、ベルト211の稼働中の異なるタイミングで積載高さ測定手段213から取得された複数の測定データと、前記単位積載高さあたりの搬送物Yの積載量と、に基づいて、複数の測定データそれぞれが取得された各タイミングにおいてベルト211に積載された搬送物Yの積載量を各別に算出する。
その後、演算部214は、これらの各積載量を積算することで、前記搬送物Yの総量を算出する。
【0086】
以上説明したように、本実施形態に係るベルトコンベア装置210によれば、演算部214が、摩耗量測定手段212による摩耗量の測定時に、前記摩耗量の測定時までにベルト211により搬送された搬送物Yの総量を算出する。
そして、端末2は、測定の周期毎に、演算部214が求めたベルト残厚データ及び前回の周期から今回の周期までの搬送物Yの搬送量を管理サーバ1に対して送信する。
【0087】
また、
図1における管理サーバ1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりベルトコンベアのベルトの管理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含む。
【0088】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含む。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含む。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現しても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現しても良い。
【0089】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。