特許第6242017号(P6242017)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242017
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】車両の荷室の扉構造
(51)【国際特許分類】
   E05B 83/26 20140101AFI20171127BHJP
   E05B 65/10 20060101ALI20171127BHJP
   B65D 88/12 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   E05B83/26
   E05B65/10 K
   B65D88/12 P
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-37326(P2015-37326)
(22)【出願日】2015年2月26日
(65)【公開番号】特開2016-160578(P2016-160578A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229900
【氏名又は名称】日本フルハーフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107238
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 尚志
(72)【発明者】
【氏名】菅原 昭彦
【審査官】 秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−21392(JP,A)
【文献】 実開昭53−14791(JP,U)
【文献】 実開昭59−117760(JP,U)
【文献】 特開昭58−207516(JP,A)
【文献】 実公昭45−12639(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 83/26
B65D 88/12
E05B 65/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷室の入出口を開閉する扉の外面に、前記荷室の外側から操作されて前記扉を閉止位置に保持する扉ロック装置が設けられる荷室の扉構造であって、
前記扉の内面側と外面側とを貫通するボルト挿通孔と、
前記ボルト挿通孔の前記外面側に配置され、前記扉ロック装置との相対回転が規制された状態で該扉ロック装置に設けられる雌ネジ部と、
前記扉の前記内面側に配置される締結頭部と、該締結頭部から一体的に直線状に延び前記ボルト挿通孔を挿通して前記雌ネジ部と螺合するボルト軸と、前記締結頭部に支持されるカムレバーと、を有する締結部材と、
前記扉の前記内面側に固定される回転規制部と、を備え、
前記カムレバーは、前記ボルト軸の軸方向と交叉し且つ前記ボルト軸と一体的に回転する回転軸を中心として回転自在に前記締結頭部に連結されるレバー基部と、該レバー基部から延びる操作部とを一体的に有し、前記操作部が前記レバー基部から前記ボルト軸の反対方向へ延びる起立位置と該起立位置から倒れる所定の倒伏位置との間で前記回転軸を中心として傾動可能であり、
前記レバー基部は、前記ボルト軸の先端との間の前記軸方向に沿った距離が、前記起立位置よりも前記倒伏位置の方が短縮するカム面を有し、
前記回転規制部は、前記ボルト挿通孔を挿通して前記雌ネジ部に螺合した前記ボルト軸を所定の締結位置まで締付け方向に回転した締結可能状態で、前記起立位置と前記倒伏位置との間の前記カムレバーの傾動を許容し、且つ前記締結位置から締付け解除方向への前記ボルト軸の回転を前記倒伏位置の前記カムレバーとの当接によって規制する位置に配置され、
前記扉ロック装置は、前記締結可能状態の前記カムレバーを前記起立位置から前記倒伏位置へ倒すことにより、前記カム面と前記雌ネジ部との間で締付けられて前記扉に固定される
ことを特徴とする車両の荷室の扉構造。
【請求項2】
請求項1に記載の荷室の扉構造であって、
前記扉の内面側には、前記外面側に凹んでレバー収容空間を区画する凹部が設けられ、
前記レバー収容空間は、前記締結可能状態で前記倒伏位置に倒された前記カムレバーを収容し、
前記回転規制部は、前記レバー収容空間を区画する凹部内側面である
ことを特徴とする車両の荷室の扉構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷室の扉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、扉枠の左右の柱にヒンジを介して回動自在に扉を蝶着し、扉の外表面にロックロッドを回動自在に装着し、ロックロッドの上下端にカムを設け、ハンドルの一端をロックロッドに上下に回動可能に枢着し、扉を閉じた後、ハンドルの操作によってロックロッドを回動して上下端のカムを扉枠の上下に固着したカムホルダーに係脱自在に係合することによって施錠し、この状態を保持するためにハンドルをハンドルラッチ部で固定するコンテナの扉施錠構造が記載されている。
【0003】
この扉施錠構造では、誤ってコンテナの内部に人が入っているのに気付かないで外部から扉を施錠した場合にコンテナの内側から扉の開放を可能とするため、ハンドルラッチ部をコンテナの内側から蝶ボルトで着脱可能に蝶着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭59−14611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構造では、手作業での締結解除が可能な程度に蝶ボルトを締結する必要があるため、走行中の振動等によって蝶ボルトが緩み、扉に対するハンドルラッチ部(扉ロック装置)に固定状態が不安定となってしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑み、扉ロック装置を荷室内から工具を要することなく手作業によって容易に取外すことが可能で、且つ扉ロック装置の締結状態が走行中の振動等によって緩むことを確実に防止することができる荷室の扉構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、車両の荷室の入出口を開閉する扉の外面に、荷室の外側から操作されて扉を閉止位置に保持する扉ロック装置が設けられる荷室の扉構造であって、ボルト挿通孔と、雌ネジ部と、締結部材と、回転規制部と、を備える。
【0008】
ボルト挿通孔は、扉の内面側と外面側とを貫通する。雌ネジ部は、ボルト挿通孔の外面側に配置され、扉ロック装置との相対回転が規制された状態で扉ロック装置に設けられる。締結部材は、締結頭部とボルト軸とカムレバーとを有する。締結頭部は、扉の内面側に配置される。ボルト軸は、締結頭部から一体的に直線状に延びボルト挿通孔を挿通して雌ネジ部と螺合する。カムレバーは、締結頭部に支持される。回転規制部は、扉の内面側に固定される。
【0009】
カムレバーは、レバー基部と操作部とを一体的に有する。レバー基部は、ボルト軸の軸方向と交叉し且つボルト軸と一体的に回転する回転軸を中心として回転自在に締結頭部に連結される。操作部は、レバー基部から延び、カムレバーは、操作部がレバー基部からボルト軸の反対方向へ延びる起立位置と操作部が起立位置から倒れる所定の倒伏位置との間で回転軸を中心として傾動可能である。レバー基部は、カム面を有する。カム面とボルト軸の先端との間の軸方向に沿った距離は、起立位置よりも倒伏位置の方が短縮する。
【0010】
回転規制部は、ボルト挿通孔を挿通して雌ネジ部に螺合したボルト軸を所定の締結位置まで締付け方向に回転した締結可能状態で、起立位置と倒伏位置との間のカムレバーの傾動を許容し、且つ締結位置から締付け解除方向へのボルト軸の回転を倒伏位置のカムレバーとの当接によって規制する位置に配置される。
【0011】
扉ロック装置は、締結可能状態のカムレバーを起立位置から倒伏位置へ倒すことにより、カム面と雌ネジ部との間で締付けられて扉に固定される。
【0012】
上記構成では、扉ロック装置を扉に取付ける場合、締結部材のボルト軸を内面側からボルト挿通孔に挿入し、ボルト軸の先端を雌ネジ部に螺合し、カムレバーを起立位置に設定し、ボルト軸を締結位置まで締付け方向に回転して締結可能状態とし、カムレバーを起立位置から倒伏位置へ倒す。カムレバーを倒伏位置へ倒すことにより、扉ロック装置がカム面と雌ネジ部との間で締付けられて扉に固定される。従って、扉ロック装置を扉の外面に強固に固定することができる。
【0013】
扉ロック装置を取付けた状態では、締結位置から締付け解除方向へのボルト軸の回転は、回転規制部が倒伏位置のカムレバーと当接することによって規制される。従って、扉ロック装置の締結状態が走行中の振動等によって緩むことを確実に防止することができる。
【0014】
荷室内に作業者等が居ることに気付かずに誤って外部から扉が施錠された場合、荷室内に閉じ込められた作業者等は、カムレバーを倒伏位置から起立位置へ起こせばよい。カムレバーを起立位置へ起こすことにより、カム面と雌ネジ部との間の軸方向に沿った距離が伸長し、締結部材の締付け力が低下し、比較的容易にボルト軸を締付け解除方向へ回転することができる。締付け解除方向へボルト軸を回転することにより、ボルト軸が雌ネジ部から外れるため、工具を要することなく扉ロック装置を荷室内から取外して扉を開放することができる。
【0015】
本発明の第2の態様は、第1の態様の扉構造であって、扉の内面側には、外面側に凹んでレバー収容空間を区画する凹部が設けられる。レバー収容空間は、締結可能状態で倒伏位置に倒されたカムレバーを収容する。回転規制部は、レバー収容空間を区画する凹部内側面である。
【0016】
上記構成では、カムレバーを収容するレバー収容空間を区画する凹部内側面を回転規制部として利用するので、回転規制部を別途設ける必要がない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、工具を要することなく扉ロック装置を荷室内から手作業によって容易に取外すことができ、且つ扉ロック装置の締結状態が走行中の振動等によって緩むことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態の扉ロック装置が取付けられた扉を外側から視た外面図である。
図2図1の扉ロック装置の正面図である。
図3図2の扉ロック装置の分解図である。
図4図1の扉を内側から視た要部内面図である。
図5図4のV−V矢視断面図である。
図6図5の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明の前後方向及び左右方向は、特に説明がない限り後扉7L,7Rを閉じた状態での車両1の前後方向及び車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の車両1は、荷箱3を車両後部に備えたバン型貨物自動車である。荷箱3は、前壁(図示省略)、左右の側壁4、屋根5、床6及び左右の後扉7L,7Rから構成される6面体であり、その内部に荷室2が区画される。荷箱3の後端には矩形枠状の後部門口10が立設され、左右の側壁4、屋根5及び床6の各後端縁部は後部門口10に結合される。後部門口10は、作業者等が入出可能な入出口8を区画する。
【0021】
左右の後扉7L,7Rの車幅方向の外縁部(左の後扉7Lの左縁部及び右の後扉7Rの右縁部)は、後部門口10の左右の隅柱10aに上下3箇所のヒンジ11を介してそれぞれ取付けられる。左右の後扉7L,7Rは、入出口8を閉止して荷室2を密閉するとともに、左右に観音開き状に開移動して荷室2(入出口8)を開放する。左右の後扉7L,7Rのうち一方(本実施形態では左)の後扉7Lは先開き(後閉まり)し、他方(本実施形態では右)の後扉7Rは後開き(先閉まり)する。
【0022】
左右の後扉7L,7Rの各外面には、上下に延びる左右のロックロッド12L,12Rが複数のロッドブラケット13によって回転自在に取付けられ、各ロックロッド12L,12Rの中間部には、ハンドル17の一端部がピン14によって回転自在に連結される。左右のピン14はロックロッド12L,12Rの各軸方向と略直交し、左右のハンドル17は、ロックロッド12L,12Rの各軸と略平行な平面内でピン14を中心として傾動する。
【0023】
ロックロッド12L,12Rの上端部及び下端部は、後扉7L、7Rの上端縁及び下端縁から上方及び下方にそれぞれ突出し、これらの上端部及び下端部にロックカム15が設けられる。後部門口10の上枠体10bと下枠体10cとには、各ロックロッド12L,12Rの上下のロックカム15と係合可能なカムキーパ16が取付けられる。ロックカム15は、後扉7L,7Rを閉じた状態でロックロッド12L,12Rが回転することによって、カムキーパ16と係脱する。ハンドル17が後扉7L,7Rに沿って延びるロックロッド12L,12Rの回転位置では、ロックカム15がカムキーパ16と係合し、後扉7L,7Rが施錠されて閉止位置に保持される。係る施錠状態からハンドル17の他端部側を後方へ引っ張ってロックロッド12L,12Rを回転させると、ロックカム15とカムキーパ16との係合が解除され、後扉7L,7Rが開移動可能となる。従って、ロックカム15とカムキーパ16とが係合した状態でロックロッド12L,12Rの回転(ハンドル17の後方への傾動)を規制することによって、後扉7L,7Rの施錠状態が保持される。
【0024】
後扉7L,7Rの各外面には、施錠状態のハンドル17の後方への移動(施錠解除方向へのロックロッド12L,12Rの回転)を規制する扉ロック装置20L,20Rが取付けられる。扉ロック装置20L,20Rは、荷室2の外側から操作されて後扉7L,7Rを閉止位置に保持する。左右の後扉7L,7Rのうち先開きする左の後扉7Lの扉ロック装置20Lは、内側から工具を使用することなく手作業によって締結の解除が可能な締結部材21(図4及び図5参照)によって後扉7Lに締結固定され、後開きする右の後扉7Rの扉ロック装置20Rは、締結を解除する場合に工具が必要な一般的なボルト(図示省略)によって後扉7Rに締結される。なお、右の扉ロック装置20Rも左と同様に締結部材21によって後扉7Rに締結してもよい。
【0025】
扉ロック装置20L,20Rは、ブラケットハンドル22とラッチハンドル23とから構成される。ハンドル17及びブラケットハンドル22を荷室2の外側から操作することにより、後扉7L,7Rを閉止位置に保持することが可能となる。なお、左右の扉ロック装置20L,20Rは同様の構成であるため、以下では左の後扉7L及び扉ロック装置20Lについて主に説明し、右の後扉7R及び扉ロック装置20Rの説明を適宜省略する。
【0026】
図2図3図5及び図6に示すように、ブラケットハンドル22は、後扉7Lの外面に面接触する平板状のブラケット基部24と、ブラケット基部24の下部で後方に突出する断面ハット状のハンドル支持部25とを一体的に有する板材であり、外周が非円形状の上下のラッチナット26,27に後述する上下の締結部材21の各ボルト軸44を羅合することによって、後扉7Lの外面に締結固定される。
【0027】
ブラケット基部24の上部には、上側のラッチナット26の先端部が挿入されるナット挿入孔28が形成される。ナット挿入孔28は、ラッチナット26の先端部の外周に合わせた非円形状であり、ナット挿入孔28に挿入されたラッチナット26は、ブラケットハンドル22に対して回り止めされた状態となる。
【0028】
ハンドル支持部25のハット状断面の頂面部25aは、ブラケット基部24と同一面状に連続し、ハンドル支持部25の中央のナット収容凹部(ハット状断面の凹部)29には、下側のラッチナット27が収容される。ラッチナット27の外周は、ナット収容凹部29に合わせた非円形状であり、ナット収容凹部29に収容されたラッチナット27は、上側のラッチナット26と同様にブラケットハンドル22に対して回り止めされた状態となる。
【0029】
ハンドル支持部25の上部は、ブラケット基部24との間に上方に開口するハンドル挿入空間30を形成し、上記施錠状態において、ハンドル17の中間部は、ハンドル挿入空間30に上方から挿入されてハンドル支持部25に載置される(図5参照)。
【0030】
ラッチハンドル23は、略Z状に曲折された板材であり、ラッチハンドル23の上部には、上側のラッチナット26が挿通するナット挿通孔31が形成される。ラッチナット26は、基端側(後端側)から先端側(前端側)に向かって階段状に細くなる外周形状を有し、ナット挿通孔31は、ラッチナット26の基端側から離脱しない大きさに形成され、ラッチナット26の中間部がナット挿通孔31を挿通する。ナット挿通孔31は、略矩形状の幅狭な上部と円形状の幅広な下部とが連続する二段形状であり、ラッチハンドル23が自重によって鉛直方向に垂下した状態では、ナット挿通孔31の上部をラッチナット26が挿通し、ラッチナット26(ブラケットハンドル22)に対するラッチハンドル23の回転が規制される。係る状態からラッチハンドル23を上方へ移動させると、ナット挿通孔31の下部をラッチナット26が挿通し、ラッチナット26に対するラッチハンドル23の回転が許容される。
【0031】
また、ラッチハンドル23が自重によって垂下した状態では、ラッチハンドル23の中間部がハンドル挿入空間30を上方から覆い、ハンドル挿入空間30に挿入されたハンドル17の離脱を阻止する。係る状態から、ナット挿通孔31の下部にラッチナット26が達するまでラッチハンドル23を上方へ移動させ、ラッチナット26を中心としてラッチハンドル23を回転させることによって、ハンドル挿入空間30の上部が開口し、ピン14を中心としてハンドル17を上方へ回転させることによって、ハンドル17がハンドル挿入空間30から離脱する。
【0032】
後扉7L,7Rは、外部に露出する外装板32と、荷室2に露出する内装板33と、外装板32と内装板33とに挟まれる中間板34とから概略構成される。後扉7L,7Rのうち扉ロック装置20L,20Rが配置される領域(ロック装置配置部)の内面側には、外面側に凹む凹部35が設けられる。凹部35は、内装板33及び中間板34を矩形状に切除し、この切除した部分に合わせて凹状に凹むケース36を装着することによって形成される。ケース36の底板と外装板32との間には、ケース36と外装板32との隙間を埋める矩形板状のスペーサ37が配置される。凹部35(ケース36)は、レバー収容空間40を区画する。
【0033】
後扉7L,7Rのロック装置配置部には、ケース36の底板とスペーサ37と外装板32とを貫通する上下のボルト挿通孔38、39が形成される。上側のボルト挿通孔38は、ラッチナット26の雌ネジ部26aと連通し、下側のボルト挿通孔39は、ブラケットハンドル22のハンドル支持部25の頂面部25aに形成されたボルト挿通孔41を介してラッチナット27の雌ネジ部27aと連通する。このように、ラッチナット26,27の雌ネジ部26a,27aは、ボルト挿通孔38,39の外面側に配置され、ブラケットハンドル22との相対回転が規制された状態でブラケットハンドル22に支持される。
【0034】
上述したように、左の扉ロック装置20Lは、上下2つの締結部材21によって後扉7Lに締結固定され、右の扉ロック装置20Rは、上下2本の一般的なボルトによって後扉7Rに締結される。
【0035】
図4図6に示すように、締結部材21は、締結頭部43とボルト軸44とカムレバー45と調節部材46とを有する。
【0036】
ボルト軸44は、締結頭部43から一体的に直線状に延びる。ボルト軸44の外周面には、ボルト挿通孔38,39,41を挿通してラッチナット26,27の雌ネジ部26a,27aと螺合する雄ネジ部44aが形成される。
【0037】
カムレバー45は、レバー基部47と操作部48とを一体的に有する。レバー基部47は、ボルト軸44の軸方向と交叉し且つボルト軸44と一体的に回転する回転軸49を中心として回転自在に締結頭部43に連結される。操作部48は、レバー基部47から一体的に直線状に延びる。カムレバー45は、操作部48がレバー基部47からボルト軸44の反対方向(前方)へ延びる起立位置(図5に二点鎖線60で示す)と、この起立位置から倒れる所定の倒伏位置(図5に二点鎖線61で示す)との間で回転軸49を中心として傾動可能である。レバー基部47の後面側には、湾曲面状のカム面52が形成される。カム面52の湾曲形状は、カム面52とボルト軸44の先端との間の軸方向に沿った距離が起立位置よりも倒伏位置の方が短縮するように設定される。
【0038】
調節部材46は、内筒体50と外筒体51とを有し、ボルト軸44とカム面52との間に配置される。内筒体50は、ボルト軸44の軸方向に沿ってスライド移動可能に締結頭部43に支持される。内筒体50の外周面には雄ネジ部(図示省略)が、外筒体51の内周面には雌ネジ部(図示省略)がそれぞれ形成され、内筒体50の雄ネジ部に外筒体51の雌ネジ部が螺合することによって、内筒体50に外筒体51が取付けられる。内筒体50に対して外筒体51を回転することによって、調節部材46の全長(ボルト軸44の軸方向に沿った長さ)が伸縮する。調節部材46の全長を伸縮することにより、締結部材21の締結力が調節される。
【0039】
ボルト軸44を後扉7Lの内面側(荷室2側)からボルト挿通孔38,39,41に挿通してラッチナット26,27(雌ネジ部26a,27a)に螺合し、ボルト軸44を所定の締結位置(本実施形態では操作部48が略鉛直下方へ延びる位置)まで締付け方向(時計回り)に回転した締結可能状態で、調節部材46の全長を調節し、カムレバー45を起立位置から倒伏位置へ倒すことにより、調節部材46がカム面52によってケース36の底板に押付けられ、ブラケットハンドル22がカム面52とラッチナット26,27との間で締付けられて後扉7Lに固定される。
【0040】
後扉7Lの凹部35(ケース36)は、上記締結可能状態で、起立位置と倒伏位置との間のカムレバー45の傾動を許容する形状及び大きさに設定され、レバー収容空間40は、締結可能状態で倒伏位置に倒されたカムレバー45を収容する。また、レバー収容空間40の右側を区画するケース36の内側面(凹部内側面)36aは、カムレバー45を倒伏位置に倒してブラケットハンドル22を固定した状態で、締結位置から締付け解除方向(反時計回り)へボルト軸44が回転しようとした際に、倒伏位置のカムレバー45(操作部48)が当接してボルト軸44の回転を規制する位置に配置される。すなわち、凹部内側面36aは、回転規制部として機能する。
【0041】
本実施形態によれば、扉ロック装置20L(ブラケットハンドル22)を後扉7Lに取付ける場合、締結部材21のボルト軸44を内面側からボルト挿通孔38,39,41に挿入し、ボルト軸44の先端をラッチナット26,27の雌ネジ部26a,27aに螺合し、カムレバー45を起立位置に設定し、ボルト軸44を締結位置まで締付け方向(図5に矢印70で示す)に回転して締結可能状態とし、内筒体50に対して外筒体51を回転して調節部材46の全長を調節し、カムレバー45を起立位置から倒伏位置へ倒す(図5に矢印71で示す)。カムレバー45を倒伏位置へ倒すことにより、ブラケットハンドル22がカム面52とラッチナット26,27との間で締付けられて後扉7Lに固定される。従って、扉ロック装置20Lのブラケットハンドル22を後扉7Lの外面に強固に固定することができる。
【0042】
扉ロック装置20Lを取付けた状態では、図4に二点鎖線で示すように、締結位置から締付け解除方向へのボルト軸44の回転は、ケース36の凹部内側面36aが倒伏位置のカムレバー45(操作部48の先端角部)と当接することによって規制される。従って、扉ロック装置20Lの締結状態が走行中の振動等によって緩むことを確実に防止することができる。
【0043】
荷室2内に作業者等が居ることに気付かずに誤って外部から後扉7Lが施錠された場合、荷室2内に閉じ込められた作業者等は、カムレバー45を倒伏位置から起立位置へ起こせばよい。カムレバー45を起立位置へ起こすことにより、カム面52とラッチナット26,27との間の軸方向に沿った距離が伸長し、締結部材21の締付け力が低下し、比較的容易にボルト軸44を締付け解除方向へ回転することができる。締付け解除方向へボルト軸44を回転することにより、ボルト軸44がラッチナット26,27の雌ネジ部26a,27aから外れるため、工具を要することなく扉ロック装置20Lを荷室2内から取外して後扉7Lを開放することができる。
【0044】
また、カムレバー45を収容するレバー収容空間40を区画する凹部内側面36aによってボルト軸44の緩みを防止するので、ボルト軸44の緩みを防止するための部品を別途設ける必要がない。
【0045】
なお、上述の実施形態は本発明の一例であり、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施形態以外であっても種々の変更が可能であることは勿論である。
【0046】
例えば、後扉7Lに凹部35を設けず、後扉7Lの内面に回転規制部を突設してもよい。また、ブラケットハンドル22及びラッチハンドル23によって構成される扉ロック装置20Lとは異なる扉ロック装置を締結部材21によって固定してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1:車両
2:荷室
7L,7R:後扉
8:入出口
12L,12R:ロックロッド
15:ロックカム
16:カムキーパ
17:ハンドル
20L,20R:扉ロック装置
21:締結部材
22:ブラケットハンドル
23:ラッチハンドル
26,27:ラッチナット
26a,27a:雌ネジ部
28:ナット挿入孔
29:ナット収容凹部
30:ハンドル挿入空間
31:ナット挿通孔
32:外装板
33:内装板
34:中間板
35:凹部
36:ケース
36a:凹部内側面(回転規制部)
37:スペーサ
38,39,41:ボルト挿通孔
40:レバー収容空間
43:締結頭部
44:ボルト軸
44a:雄ネジ部
45:カムレバー
46:調節部材
47:レバー基部
48:操作部
49:回転軸
50:内筒体
51:外筒体
52:カム面
図1
図2
図3
図4
図5
図6