特許第6242022号(P6242022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242022
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20171127BHJP
   H04N 5/33 20060101ALI20171127BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20171127BHJP
   H04N 9/07 20060101ALI20171127BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   H01L27/146 D
   H04N5/33
   H04N5/369
   H04N9/07 A
   G02B5/20 101
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-182771(P2015-182771)
(22)【出願日】2015年9月16日
(65)【公開番号】特開2016-201524(P2016-201524A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2015年9月16日
(31)【優先権主張番号】14/683,792
(32)【優先日】2015年4月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】黄 自維
(72)【発明者】
【氏名】林 綺涵
【審査官】 安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−165216(JP,A)
【文献】 特開2013−125933(JP,A)
【文献】 特開2014−225667(JP,A)
【文献】 特開2010−186818(JP,A)
【文献】 特開2015−012619(JP,A)
【文献】 特開2006−237737(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0307107(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0313206(US,A1)
【文献】 特開2012−227478(JP,A)
【文献】 特開2010−034426(JP,A)
【文献】 特開2010−062604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 9/07−083
H04N 5/33−378
G02B 5/18−20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光電変換素子を含む半導体基板、
前記半導体基板上に配置された高誘電率フィルム、
前記高誘電率フィルム上に配置されたバッファ層、
前記バッファ層の上面に配置された遮光層、
前記バッファ層の上面に配置され、第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターを含むカラーフィルターアレイ、および
前記カラーフィルターアレイに配置され、前記第1、第2、および第3のカラーフィルターの1つを囲む分離隔壁を含み、前記第1、第2、および第3のカラーフィルターの他の2つは互いに接触し、前記分離隔壁は、前記第1、第2、および第3のカラーフィルターの屈折率より低い屈折率を有し、
前記遮光層は、グリッド形状を有し、前記第1、第2、および第3のカラーフィルターのそれぞれの間に配置され、前記遮光層の上部は前記カラーフィルターアレイの上部より低く、前記分離隔壁は前記遮光層上に配置されるイメージセンサ。
【請求項2】
前記カラーフィルターアレイは、前記カラーフィルターアレイの繰り返し単位の1つの赤色カラーフィルター、2つの緑色カラーフィルター、および1つの青色カラーフィルターで配置され、前記分離隔壁は、前記赤色カラーフィルターを囲み、前記青色カラーフィルターは、前記緑色カラーフィルターと接触している請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記カラーフィルターアレイは、前記カラーフィルターアレイの繰り返し単位の1つの赤色カラーフィルター、2つの緑色カラーフィルター、および1つの青色カラーフィルターで配置され、前記分離隔壁は、前記青色カラーフィルターを囲み、前記赤色カラーフィルターは、前記緑色カラーフィルターと接触している請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
複数の光電変換素子を含む半導体基板、
前記半導体基板上に配置された高誘電率フィルム、
前記高誘電率フィルム上に配置されたバッファ層、
前記バッファ層の上面に配置された遮光層、
前記バッファ層の上面に配置され、第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、第3のカラーフィルター、および第4のカラーフィルターを含むカラーフィルターアレイ、および
前記カラーフィルターアレイに配置され、前記第1、第2、第3、および第4のカラーフィルターの1つを囲む分離隔壁を含み、前記分離隔壁は、前記第1、第2、第3、および第4のカラーフィルターの屈折率より低い屈折率を有し、
前記遮光層は、グリッド形状を有し、前記第1、第2、第3、および第4のカラーフィルターのそれぞれの間に配置され、前記遮光層の上部は前記カラーフィルターアレイの上部より低く、前記分離隔壁は前記遮光層上に配置され、
前記カラーフィルターアレイは、前記カラーフィルターアレイの繰り返し単位の1つの赤色カラーフィルター、1つの第1の緑色カラーフィルター、1つの第2の緑色カラーフィルター、および1つの青色カラーフィルターで配置され、前記分離隔壁は、前記第1の緑色カラーフィルターを囲み、前記第2の緑色カラーフィルターは、前記赤色および青色カラーフィルターと接触しているイメージセンサ。
【請求項5】
前記カラーフィルターアレイ上に配置されたマイクロレンズ構造を更に含む請求項1〜請求項4のいずれかの1項に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
複数の光電変換素子を含む半導体基板、
前記半導体基板上に配置された高誘電率フィルム、
前記高誘電率フィルム上に配置されたバッファ層、
前記バッファ層の上面に配置された遮光層、
前記バッファ層の上面に配置され、第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、第3のカラーフィルター、および赤外線フィルターを含むフィルターアレイ、および
前記フィルターアレイに配置され、前記第1、第2、および第3のカラーフィルター、ならびに赤外線フィルターの1つを囲む分離隔壁を含み、前記第1、第2、および第3のカラーフィルター、ならびに赤外線フィルターの少なくとも2つは互いに接触し、前記分離隔壁は、前記第1、第2、および第3のカラーフィルターの屈折率より低く、且つ前記赤外線フィルターの屈折率より低い屈折率を有し、
前記遮光層は、グリッド形状を有し、前記第1、第2、および第3のカラーフィルター、ならびに赤外線フィルターとの間に配置され、前記遮光層の上部は前記カラーフィルターアレイの上部より低く、前記分離隔壁は前記遮光層上に配置されるイメージセンサ。
【請求項7】
前記フィルターアレイは、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルター、および赤外線フィルターを含み、前記分離隔壁は、前記赤色カラーフィルターを囲み、前記緑色カラーフィルターは、前記青色カラーフィルターおよび赤外線フィルターと接触している請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記フィルターアレイは、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルター、赤外線フィルターを含み、前記分離隔壁は、前記青色カラーフィルターを囲み、前記緑色カラーフィルターは、前記赤色カラーフィルターおよび赤外線フィルターと接触している請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記フィルターアレイは、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルター、および赤外線カラーフィルターを含み、前記分離隔壁は、赤外線フィルターを囲み、前記緑色カラーフィルターは、前記赤色および青色カラーフィルターと接触している請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記フィルターアレイに配置された追加の分離隔壁を更に含み、前記フィルターアレイは、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルター、および赤外線フィルターを含み、前記分離隔壁および前記追加の分離隔壁は、前記赤色および青色カラーフィルターをそれぞれ囲み、前記赤外線フィルターは、前記緑色カラーフィルターと接触している請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記フィルターアレイ上に配置されたマイクロレンズ構造を更に含む請求項6〜請求項10のいずれかの1項に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記フィルターアレイは、前記フィルターアレイの繰り返し単位の8つの緑色カラーフィルター、4つの赤外線フィルター、2つの赤色カラーフィルター、および2つの青色カラーフィルターで配置されるかまたは、前記フィルターアレイの繰り返し単位の8つの緑色カラーフィルター、4つの青色カラーフィルター、2つの赤色カラーフィルター、および2つの赤外線フィルターで配置される請求項6〜請求項11のいずれか1項に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関し、特に、フィルターアレイに分離隔壁(isolated partition)を有するイメージセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、イメージセンサは、各種の画像取り込み装置、例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラなどに広く用いられている。イメージセンサ、例えば、電荷結合素子(CCD)イメージセンサまたは相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサは、入射光を電気信号に変換する光電変換器を有する。イメージセンサは、画素アレイを有し、各画素は、1つの光電変換装置を有する。イメージセンサは、電気信号を送信し処理する論理回路も有する。
【0003】
また、イメージセンサは、通常、カラー画像を発生するカラーフィルター層を有する。カラーフィルター層は、二次元的に配置された光電変換装置の受光表面上に積層された、赤色(R)、青色(B)、および緑色(G)セグメントの原色カラーフィルター含むことができる。カラーフィルター層は、各カラーセグメントが1つの光電変換装置に対応する所定のパターンを有する。
【0004】
いくつかの例では、赤色(R)、青色(B)、および緑色(G)セグメントは、一緒に連結されて、連結したカラーフィルター層を形成する。連結したカラーフィルター層の赤色(R)、青色(B)、および緑色(G)セグメントは、それぞれ異なる量子効率(QE)を有する。いくつかの他の例では、グリッド構造は、赤色(R)、青色(B)、および緑色(G)セグメントとの間に配置され、不連続なカラーフィルター層を形成する。不連続なカラーフィルター層の赤色(R)、青色(B)、および緑色(G)セグメントも、それぞれ異なる量子効率(QE)を有する。
【0005】
イメージセンサの品質は、多くの特性、例えば、ダイナミックレンジ、感度、応答性、均一性などによって示される。対象物の画像がイメージセンサを用いて高照度と低照度間の転送で撮像されるとき、ダイナミックレンジは特に重要である。高ダイナミックレンジアプリケーション用にイメージセンサの画素の量子効率(QE)を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態では、イメージセンサは、フィルターアレイに配置された分離隔壁を有し、分離隔壁はフィルターアレイのフィルター素子の1種を囲む。これにより、分離隔壁によって囲まれたフィルター素子の1種に対応するイメージセンサの画素の量子効率(QE)は、向上される。従って、本発明のイメージセンサは、高ダイナミックレンジアプリケーションに適している。
【0007】
いくつかの実施形態では、イメージセンサが提供される。イメージセンサは、複数の光電変換素子を含む半導体基板を含む。イメージセンサは、半導体基板上に配置されたカラーフィルターアレイも含む。カラーフィルターアレイは、第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターを含む。イメージセンサは、カラーフィルターアレイに配置された分離隔壁を更に含み、分離隔壁は、第1、第2、および第3のカラーフィルターの1つを囲む。分離隔壁は、第1、第2、および第3のカラーフィルターの屈折率より低い屈折率を有する。
【0008】
いくつかの他の実施形態では、イメージセンサが提供される。イメージセンサは、複数の光電変換素子を含む半導体基板を含む。イメージセンサは、半導体基板上に配置されたフィルターアレイも含む。フィルターアレイは、第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、第3のカラーフィルター、および赤外線フィルターを含む。イメージセンサは、フィルターアレイに配置された分離隔壁を更に含み、分離隔壁は、第1、第2、第3のカラーフィルター、および赤外線フィルターの1つを囲む。分離隔壁は、第1、第2、および第3のカラーフィルターの屈折率より低く、且つまた赤外線フィルターの屈折率より低い屈折率を有する。
【0009】
詳細な説明は、添付の図面と併せて以下の実施形態に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのカラーフィルターアレイの部分的な平面図を示している。
図1B】いくつかの実施形態に係る、図1Aのライン1−1’に沿ったイメージセンサの部分的な断面図を示している。
図1C】いくつかの実施形態に係る、図1A図1Bに示されたイメージセンサのR、G1、G2、B画素のQE対波長曲線と、R画素の比較曲線のグラフを示している。
図2A】いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのカラーフィルターアレイの部分的な平面図を示している。
図2B】いくつかの実施形態に係る、図2Aのライン2−2’に沿ったイメージセンサの部分的な断面図を示している。
図2C】いくつかの実施形態に係る、図2A図2Bに示されたイメージセンサのR、G1、G2、B画素のQE対波長曲線と、B画素の比較曲線のグラフを示している。
図3A】いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのカラーフィルターアレイの部分的な平面図を示している。
図3B】いくつかの実施形態に係る、図3Aのライン3−3’に沿ったイメージセンサの部分的な断面図を示している。
図3C】いくつかの実施形態に係る、図3A図3Bに示されたイメージセンサのR、G1、G2、B画素のQE対波長曲線と、G1画素の比較曲線のグラフを示している。
図4A】いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図4B】いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図4C】いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図4D】いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図4E】いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図5A】いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図5B】いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図5C】いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図5D】いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図5E】いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位の種々の部分的な平面図を示している。
図6】フィルターアレイに配置される隔壁がないイメージセンサのR、G1、B、IR画素のQE対波長曲線のグラフを示している。
図7】いくつかの実施形態に係る、図4Cのライン7−7’に沿ったイメージセンサの部分的な断面図を示している。
図8】いくつかの実施形態に係る、図4Dのライン8−8’に沿ったイメージセンサの部分的な断面図を示している。
図9】いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサの部分的な断面図を示している。
図10】いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサの部分的な断面図を示している。
図11】いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサの部分的な断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面とともに以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明はより完全に理解できる。
以下の説明は、本発明を実施するベストモードが開示されている。この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のためのもので本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にして決定される。
【0012】
図1Aは、いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのカラーフィルターアレイ120の部分的な平面図が示されている。いくつかの実施形態では、カラーフィルターアレイ120は、カラーフィルターアレイ120の繰り返し単位120Uの1つの赤色(R)カラーフィルター113−1、2つの緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2、113−4、および1つの青色(B)カラーフィルター113−3で配置される。いくつかの実施形態では、分離隔壁115は、カラーフィルターアレイ120に配置され、繰り返し単位120Uの赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む。青色(B)カラーフィルター113−3は、2つの緑色カラーフィルター113‐2と113−4と接触している。図1Aに示されるように、上面図からは、カラーフィルターアレイ120の分離隔壁115は、互いに連結されていない。
【0013】
図1Bは、いくつかの実施形態に係る、図1Aに示されたライン1−1’に沿ったイメージセンサ100の部分的な断面図を示している。いくつかの実施形態では、イメージセンサ100は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサ(CIS)である。イメージセンサ100は、半導体基板101、例えば、シリコンウエハまたはチップを含む。半導体基板101は、複数の光電変換素子103、例えば、フォトダイオードを含む。イメージセンサ100は、画素アレイに配置された複数の画素を有する。各光電変換素子103は、1つの各画素に配置される。また、光電変換素子103は、互いに分離されている。図1Bは、3つの画素を示しているが、実際にはイメージセンサ100は、数百万以上の画素を有する。イメージセンサ100の画素は、領域およびピッチで同じ大きさを有する。例えば、図1Bに示されるR、G1、B画素の領域は同じ大きさであり、R、G1、B画素のピッチA、B、Cは同等である。
【0014】
半導体基板101の裏面は、通常、その上に形成された光電変換素子103を有する。半導体基板101の表面は、通常、種々の配線の配線層(図1Bに示されていない)およびその上に形成されたイメージセンサ100に必要な電子回路を有する。いくつかの実施形態では、イメージセンサ100は、裏面照射型(BSI)イメージセンサである。BSIイメージセンサでは、その上に形成された光電変換素子103を有する半導体基板101の裏面は、イメージセンサ100の受光面に近い。その上に形成された配線層を有する半導体基板101の表面は、イメージセンサ100の受光面から遠い。
【0015】
いくつかの他の実施形態では、イメージセンサ100は、表面照射型(FSI)イメージセンサである。FSIイメージセンサでは、その上に形成された配線層を有する半導体基板101の表面は、イメージセンサ100の受光面に近い。その上に形成された光電変換素子を有する半導体基板101の裏面は、イメージセンサ100の受光面から遠い。
【0016】
図1Bに示されるように、いくつかの実施形態では、イメージセンサ100は、半導体基板101上に形成され、光電変換素子103をカバーする高誘電率(high−k)フィルム105を更に含む。high−kフィルム105は、堆積プロセスによって、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタルハフニウム(HfTaO)、酸化チタンハフニウム(HfTiO)、酸化ジルコニウムハフニウム(HfZrO)、タンタル五酸化物(Ta)、またはその他の好適なhigh−k誘電材料で形成されることができる。high−kフィルム105は、高屈折率および光吸収能を有する。いくつかの実施形態では、high−kフィルム105上に形成されたバッファ層107も含む。バッファ層107は、堆積プロセスによって、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはその他の好適なhigh−k誘電材料で形成されることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、イメージセンサ100は、バッファ層107上、且つカラーフィルターアレイ120の下方に形成された遮光層109を含む。遮光層109は、イメージセンサ100の画素間に配置された複数の遮光隔壁109Pを含む。上面図からは、遮光隔壁109Pは、グリッド構造を構成する。いくつかの実施形態では、遮光層109は、金属からできており、遮光隔壁109Pは、金属グリッドとも呼ぶことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、イメージセンサ100は、バッファ層107上に形成されたパッシベーション層111を更に含む。パッシベーション層111は、遮光層109もカバーし、平坦上面を有する。パッシベーション層111は、堆積プロセスによって、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、およびその他の好適な絶縁材料で形成されることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、図1Aに示されたカラーフィルターアレイ120は、パッシベーション層111の平坦上面上に形成される。カラーフィルターアレイ120は、色が異なる第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターを含み、半導体基板101の上方に配置される。例えば、第1、第2、および第3のカラーフィルターは、それぞれ赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4、および青色(B)カラーフィルター113−3である。図1Aに示された緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2および113−4は、同じ色である。記号G1とG2は、緑色カラーフィルター113−2と113−4の異なる位置をラベル表示するのに用いられる。図1Bに示されるように、カラーフィルターアレイ120の各カラーフィルターは、イメージセンサ100の1つのそれぞれの画素に配置される。
【0020】
図1A図1Bに示されるように、いくつかの実施形態では、分離隔壁115は、カラーフィルターアレイ120に配置され、赤色カラーフィルター113−1を囲む。分離隔壁115は、カラーフィルターアレイ120の赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2と113−4、および青色(B)カラーフィルター113−3の屈折率より低い屈折率を有する。いくつかの実施形態では、分離隔壁115は、約1.3〜約1.5の屈折率を有する酸化ケイ素でできている。赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2と113−4、および青色(B)カラーフィルター113−3は、これに限定されるものではないが、約1.6〜約1.9の屈折率を有する。
【0021】
図1Cは、いくつかの実施形態に係る、図1A図1Bに示されたイメージセンサ100のR、G1、G2、B画素のQE対波長曲線R、G1、G2、Bのグラフを示している。図1Cは、R画素の比較曲線R0も示している。比較曲線R0は、赤色カラーフィルターを囲む分離隔壁がないイメージセンサのR画素から得られる。曲線Rは、赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む分離隔壁115があるイメージセンサ100のR画素から得られる。図1Cに示されるように、曲線RのQEは、比較曲線R0のQEより高い。これは、赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む分離隔壁115がイメージセンサ100のR画素のQEを向上させることができることを意味する。赤色(R)カラーフィルター113−1の屈折率より低い屈折率を有する分離隔壁115は、分離隔壁115と赤色(R)カラーフィルター113‐1との間のインターフェースに全反射構造を構成することができる。従って、いくつかの実施形態に対応して、イメージセンサ100のR画素のQEピーク調整(peak adjustment)は、高ダイナミックレンジアプリケーション、例えば監視アプリケーションを実現している。
【0022】
また、図1Bに示されるように、分離隔壁115を形成する材料は、イメージセンサ100の周辺領域100Pのパッシベーション層111上にも形成され、延長部115Pとなる。周辺領域100Pは、イメージセンサ100のアクティブ領域100Aを囲む。アクティブ領域100Aは、その中に配置される光電変換素子103を有する。いくつかの実施形態では、分離隔壁115および延長部115Pは、赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2と113−4、および青色(B)カラーフィルター113−3と同じ高さである。
【0023】
また、図1A図1Bに示されるように、1つの分離隔壁115は、完全に1つの画素の中に配置される。従って、1つの分離隔壁115と分離隔壁115によって囲まれた1つのカラーフィルターとを合わせた領域は、分離隔壁115によって囲まれていない他の1つのカラーフィルターの領域と同じである。例えば、1つの分離隔壁115と1つの赤色(R)カラーフィルター113−1とを合わせた領域は、1つの緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2もしくは113−4、または青色(B)カラーフィルター113−3の領域と同じである。
【0024】
図1Bに示すように、イメージセンサ100は、カラーフィルターアレイ120上に配置されたマイクロレンズ構造117を更に含む。マイクロレンズ構造117は、複数のマイクロレンズ素子117MLを含む。各マイクロレンズ素子117MLは、カラーフィルターアレイ120の1つの各カラーフィルターに対応する。
【0025】
図2Aは、いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのカラーフィルターアレイ120の部分的な平面図を示している。図2Bは、いくつかの実施形態に係る、図2Aに示されたライン2−2’に沿ったイメージセンサ100の部分的な断面図である。図2A図2Bの実施形態では、分離隔壁115は、カラーフィルターアレイ120に配置され、繰り返し単位120Uの青色カラーフィルター113−3を囲む。赤色カラーフィルター113−1は、2つの緑色カラーフィルター113‐2と113−4と接触している。図2Aに示されるように、上面図からは、カラーフィルターアレイ120の分離隔壁115は、互いに連結されていない。図2Bの実施形態に示されたイメージセンサ100の他の素子は、図1Bと同じであることができる。
【0026】
図2Cは、いくつかの実施形態に係る、図2A図2Bに示されたイメージセンサのR、G1、G2、B画素のQE対波長曲線と、B画素の比較曲線のグラフを示している。図2Cは、B画素の比較曲線B0も示している。比較曲線B0は、青色カラーフィルターを囲む分離隔壁がないイメージセンサのB画素から得られる。曲線Bは、青色(B)カラーフィルター113−3を囲む分離隔壁115があるイメージセンサ100のB画素から得られる。図2Cに示されるように、曲線BのQEは、比較曲線B0のQEより高い。これは、青色(B)カラーフィルター113−3を囲む分離隔壁115がイメージセンサ100のB画素のQEを向上させることができることを意味する。青色(B)カラーフィルター113−3の屈折率より低い屈折率を有する分離隔壁115は、分離隔壁115と青色(B)カラーフィルター113‐3との間のインターフェースに全反射構造を構成することができる。従って、いくつかの実施形態に対応して、イメージセンサ100のB画素のQEピーク調整は、高ダイナミックレンジアプリケーションを実現している。
【0027】
図3Aは、いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのカラーフィルターアレイ120の部分的な平面図を示している。図3Bは、いくつかの実施形態に係る、図3Aに示されたライン3−3’に沿ったイメージセンサ100の部分的な断面図である。図3A図3Bの実施形態では、分離隔壁115は、カラーフィルターアレイ120に配置され、2つの緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2と113−4の1つを囲む。例えば、分離隔壁115は、繰り返し単位120Uの緑色(G1)カラーフィルター113−2を囲む。もう1つの緑色(G2)カラーフィルター113−4は、赤色カラーフィルター113‐21と青色カラーフィルター113−3と接触している。図3Aに示されるように、上面図からは、カラーフィルターアレイ120の分離隔壁115は、互いに連結されていない。図3Bの実施形態に示されたイメージセンサ100の他の素子は、図1Bと同じであることができる。
【0028】
図3Cは、いくつかの実施形態に係る、図3A図3Bに示されたイメージセンサのR、G1、G2、B画素のQE対波長曲線と、B画素の比較曲線のグラフを示している。図3Cは、G1画素の比較曲線G10も示している。比較曲線G10は、G1カラーフィルターを囲む分離隔壁がないイメージセンサのG1画素から得られる。曲線G1は、緑色(G1)カラーフィルター113−2を囲む分離隔壁115があるイメージセンサ100のG1画素から得られる。図3Cに示されるように、曲線G1のQEは、比較曲線G10のQEより高い。これは、緑色(G1)カラーフィルター113−2を囲む分離隔壁115がイメージセンサ100のG1画素のQEを向上させることができることを意味する。緑色(G1)カラーフィルター113−2の屈折率より低い屈折率を有する分離隔壁115は、分離隔壁115と緑色(G1)カラーフィルター113‐2との間のインターフェースに全反射構造を構成することができる。従って、いくつかの実施形態に対応して、イメージセンサ100のG1画素のQEピーク調整は、高ダイナミックレンジアプリケーションを実現している。
【0029】
いくつかの実施形態では、カラーフィルターアレイ120の赤色、緑色、青色カラーフィルターアレイは、図1A、2A、および3Aと異なる種々のパターンで配置されることができる。いくつかの他の実施形態では、カラーフィルターアレイ120は、白色(W)カラーフィルター(図示されていない)を更に含むことができる。赤色、緑色、青色カラーフィルターと白色(W)カラーフィルターは、種々のパターンで配置されることができる。また、分離隔壁は、カラーフィルターアレイのカラーフィルターの1種を囲む。
【0030】
図4A図4Eは、いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uの部分的な平面図を示している。フィルターアレイ130は、色の異なる第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターを含み、赤外線(IR)フィルターを更に含む。いくつかの実施形態では、フィルターアレイ130は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uの8つの緑色(G1とG2)カラーフィルター113−2と113−4、4つの赤外線(IR)フィルター113−5、2つの赤色(R)カラーフィルター113−1、および2つの青色(B)カラーフィルター113−3で配置される。図4Aに示されるように、いくつかの実施形態では、2つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、2つの赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む。緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4は、青色(B)カラーフィルター113−3と赤外線(IR)フィルター113−5と接触している。
【0031】
図4Bに示されるように、いくつかの実施形態では、2つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、2つの青色(B)カラーフィルター113−3を囲む。緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4は、赤色(R)カラーフィルター113−1と赤外線(IR)フィルター113−5と接触している。
【0032】
図4Cに示されるように、いくつかの実施形態では、4つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、4つの赤外線(IR)フィルター113−5を囲む。緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4は、赤色(R)カラーフィルター113−1と青色(B)カラーフィルター113−3と接触している。
【0033】
図4Dに示されるように、いくつかの実施形態では、2つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、2つの赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む。また、2つの追加の分離隔壁115’は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、2つの青色(B)カラーフィルター113−3を囲む。赤外線(IR)フィルター113−5は、緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4と接触している。
【0034】
図4Eに示されるように、いくつかの実施形態では、4つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、4つの緑色(G1)カラーフィルター113−2を囲む。いくつかの他の実施形態では、4つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、4つの緑色(G2)カラーフィルター113−4を囲む。
【0035】
図4A図4Eに示されるように、上面図からは、カラーフィルターアレイ120の分離隔壁115または追加の分離隔壁115’を加えた分離隔壁115は、互いに連結されていない。
【0036】
また、図4A図4Eの分離隔壁115および追加の分離隔壁115’は、同じ材料でできており、赤色(R)、緑色(G1、G2)、および青色(B)カラーフィルター113−1、113−2、113−4、113−3の屈折率より低く、且つまた赤外線(IR)フィルター113−5の屈折率より低い、同じ屈折率を有する。従って、図4Aに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのR画素のQEが向上される。図4Bに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのB画素のQEが向上される。図4Cに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのIR画素のQEが向上される。図4Dに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのR画素のQEとB画素のQEの両者が向上される。図4Eに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのG1画素のQEが向上される。
【0037】
図5A図5Eは、いくつかの実施形態に係る、イメージセンサのフィルターアレイの繰り返し単位130Uの部分的な平面図を示している。フィルターアレイ130は、色の異なる第1のカラーフィルター、第2のカラーフィルター、および第3のカラーフィルターを含み、赤外線(IR)フィルターを更に含む。いくつかの実施形態では、フィルターアレイ130は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uの8つの緑色(G1とG2)カラーフィルター113−2と113−4、4つの青色(B)カラーフィルター113−3、2つの赤色(R)カラーフィルター113−1、および2つの赤外線(IR)カラーフィルター113−5で配置される。図5Aに示されるように、いくつかの実施形態では、2つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、2つの赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む。緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4は、青色(B)カラーフィルター113−3と赤外線(IR)フィルター113−5と接触している。
【0038】
図5Bに示されるように、いくつかの実施形態では、4つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、4つの青色(B)カラーフィルター113−3を囲む。緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4は、赤色(R)カラーフィルター113−1と赤外線(IR)フィルター113−5と接触している。
【0039】
図5Cに示されるように、いくつかの実施形態では、2つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、2つの赤外線(IR)フィルター113−5を囲む。緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4は、赤色(R)カラーフィルター113−1と青色(B)カラーフィルター113−3と接触している。
【0040】
図5Dに示されるように、いくつかの実施形態では、2つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、2つの赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む。また、4つの追加の分離隔壁115’は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、4つの青色(B)カラーフィルター113−3を囲む。赤外線(IR)フィルター113−5は、緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4と接触している。
【0041】
図5Eに示されるように、いくつかの実施形態では、4つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、4つの緑色(G1)カラーフィルター113−2を囲む。いくつかの他の実施形態では、4つの分離隔壁115は、フィルターアレイ130の繰り返し単位130Uに配置され、4つの緑色(G2)カラーフィルター113−4を囲む。
【0042】
図5A図5Eに示されるように、上面図からは、カラーフィルターアレイ120の分離隔壁115または追加の分離隔壁115’を加えた分離隔壁115は、フィルターアレイ130にグリッド構造を構成していない。
【0043】
また、図5A図5Eの分離隔壁115および追加の分離隔壁115’は、同じ材料でできており、赤色(R)、緑色(G1、G2)、および青色(B)カラーフィルター113−1、113−2、113−4、113−3の屈折率より低く、且つまた赤外線(IR)フィルター113−5の屈折率より低い、同じ屈折率を有する。従って、図5Aに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのR画素のQEが向上される。図5Bに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのB画素のQEが向上される。図5Cに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのIR画素のQEが向上される。図5Dに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのR画素のQEとB画素のQEの両者が向上される。図5Eに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサでは、イメージセンサのG1画素のQEが向上される。
【0044】
図6は、フィルターアレイに配置される隔壁がないイメージセンサのR、G、B、IR画素のQE対波長曲線R、G、B、IRのグラフを示している。いくつかの実施形態では、イメージセンサは、図4A図4Cに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含み、図5A〜5C、および5Eは、図6に示された曲線R、G、B、IRのQEピークをそれぞれ向上させることができる。いくつかの他の実施形態では、図4A図4Cおよび図4E、ならびに図5A図5Cおよび図5Eに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサは、図6に示された曲線R、G、B、IRのQEピークをそれぞれ向上させることができる。いくつかの他の実施形態では、図4Dおよび図5Dに示されたフィルターアレイ130の繰り返し単位130Uを含むイメージセンサは、図6に示された曲線RおよびBのQEピークの両者を向上させることができる。
【0045】
図7は、いくつかの実施形態に係る、図4Cのライン7−7’に沿ったイメージセンサ100の部分的な断面図を示している。いくつかの実施形態では、分離隔壁115は、フィルターアレイ130に配置され、IRフィルター113−5を囲む。図4C図7に示されるように、各分離隔壁115は、1つのIR画素に完全に配置される。従って、1つの分離隔壁115と1つのIRフィルター113−5とを合わせた領域は、分離隔壁115によって囲まれていない他の1つのカラーフィルター、例えば、赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4、または青色(B)カラーフィルター113−3の領域と同じである。フィルターアレイ130を除く図7に示されたイメージセンサ100の構成要素は、図1Bと同じであることができる。
【0046】
図8は、いくつかの実施形態に係る、図4Dのライン8−8’に沿ったイメージセンサ100の部分的な断面図を示している。いくつかの実施形態では、分離隔壁115は、フィルターアレイ130に配置され、赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む。また、追加の分離隔壁115は、フィルターアレイ130に配置され、青色(B)カラーフィルター113−3を囲む。各分離隔壁115は、1つのR画素に完全に配置される。また、各分離隔壁115’は、1つのB画素に完全に配置される。従って、1つの分離隔壁115と1つの赤色(R)フィルター113−1とを合わせた領域と、1つの分離隔壁115’と1つの青色(B)フィルター113−3とを合わせた領域と、分離隔壁115と追加の分離隔壁115’によって囲まれていない他の1つのフィルター、例えば赤外線(IR)カラーフィルター113−5、または緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4の領域とは同じである。フィルターアレイ130を除く図8に示されたイメージセンサ100の構成要素は、図1Bと同じであることができる。
【0047】
図9は、いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサ100の部分的な断面図を示している。いくつかの実施形態では、分離隔壁115の材料は、マイクロレンズ構造117の材料と同じである。実施形態では、赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1またはG2)カラーフィルター113−2または113−4、および青色(B)カラーフィルター113−3をパッシベーション層111に形成したあと、赤色(R)カラーフィルター113−1を囲むように間隙がR画素に形成される。マイクロレンズ構造117の材料がR画素の間隙内に充填され、赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む分離隔壁115を形成する。また、マイクロレンズ構造117の材料は、イメージセンサ100の周辺領域100Pのパッシベーション層111上にも形成され、延長部115Pを形成する。分離隔壁115および延長部115Pの材料を除く図9に示されたイメージセンサ100の構成要素は、図1Bと同じであることができる。この実施形態では、分離隔壁115は、酸化ケイ素の屈折率より高く、赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2と113−4、および青色(B)カラーフィルター113−3の屈折率より低い屈折率を有する。例えば、酸化ケイ素の屈折率は、約1.3〜約1.4であり、図9に示された分離隔壁115は、約1.4〜約1.5の屈折率を有する。
【0048】
図10は、いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサ100の部分的な断面図を示している。いくつかの実施形態では、イメージセンサ100は、バッファ層107上に形成された遮光層109を有する。遮光層109は、イメージセンサ100の画素間に配置された複数の遮光隔壁109Pを含む。上面図からは、遮光隔壁109Pは、グリッド構造を構成する。各赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2と113−4、および青色(B)カラーフィルター113−3は、遮光隔壁109P間の間隙内にそれぞれ充填され、バッファ層107上に配置される。いくつかの実施形態では、遮光層109は、グリッドの形状を有し、図1A図2A、および図3Aに示された赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2と113−4、および青色(B)カラーフィルター113−3の間に配置される。従って、遮光層109とカラーフィルターアレイ120は、バッファ層107の上面上に配置される。いくつかの他の実施形態では、遮光層109は、グリッドの形状を有し、図4A〜4Eおよび図5A〜5Eに示された赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2と113−4、青色(B)カラーフィルター113−3、および赤外線(IR)フィルター113−5の間に配置される。従って、遮光層109とフィルターアレイ130は、バッファ層107の上面に配置される。
【0049】
図10に示されるように、遮光層109の上部は、カラーフィルターアレイ120の上部より低い。いくつかの実施形態では、分離隔壁115は、マイクロレンズ構造117の材料と同じ材料でできており、遮光層109上に配置されて、赤色(R)カラーフィルター113−1を囲む。マイクロレンズ構造117の材料は、延長部115Pとなる、イメージセンサ100の周辺領域100Pの遮光層109上にも形成される。
【0050】
図11は、いくつかの他の実施形態に係る、イメージセンサ100の部分的な断面図を示している。いくつかの実施形態では、分離隔壁115は、酸化ケイ素の屈折率より低い屈折率を有する、低い屈折率(n)でできている。例えば、酸化ケイ素の屈折率は、約1.3〜約1.4であり、分離隔壁115は、約1.2〜約1.3の屈折率を有する。低い屈折率(n)の材料は、遮光隔壁109P上の間隙内に充填されて、赤色(R)カラーフィルター113−1を囲み、分離隔壁115が形成される。また、マイクロレンズ構造117の材料は、イメージセンサ100の周辺領域100Pの遮光層109の上に形成され、延長部115Pとなる。分離隔壁115の材料を除く図11に示されたイメージセンサ100の構成要素は、図10と同じであることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、図9図11に示されたカラーフィルターアレイ120は、図4A〜4Eおよび図5A〜5Eに示されたフィルターアレイ130と代替されることができる。分離隔壁115または追加の分離隔壁115’は、マイクロレンズ構造117と同じ材料、または酸化ケイ素の屈折率より低い屈折率を有する低い屈折率(n)の材料で形成されることができる。また、分離隔壁115と追加の分離隔壁115’を形成する材料は、遮光層109の間隙を充填し、赤色(R)カラーフィルター113−1、緑色(G1、G2)カラーフィルター113−2と113−4、青色(B)カラーフィルター113−3、および赤外線(IR)フィルター113−5の1種または2種を囲むことができる。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、分離隔壁は、カラーフィルターアレイまたはフィルターアレイに配置され、カラーフィルターアレイまたはフィルターアレイのフィルター素子の1種を囲む。いくつかの実施形態では、カラーフィルターアレイは、各種のパターンで配置されることができる第1、第2、第3のカラーフィルター、例えば、赤色、緑色、および青色カラーフィルターを含む。従って、分離隔壁は、カラーフィルターアレイに配置されて赤色、もしくは緑色、または青色カラーフィルターを囲む。いくつかの実施形態では、フィルターアレイは、各種のパターンで配置されることができる第1、第2、および第3のカラーフィルター、ならびに赤外線フィルター、例えば赤色、緑色、および青色カラーフィルター、ならびにIRフィルターを含むことができる。従って、分離隔壁は、カラーフィルターアレイに配置され、赤色、もしくは緑色、または青色カラーフィルターを囲む。
【0053】
本発明の実施形態では、上面図からは、カラーフィルターアレイまたはフィルターアレイの分離隔壁は、グリッド構造を構成していない。従って、カラーフィルターアレイまたはフィルターアレイの分離隔壁の形状は、グリッドの形状でない。また、イメージセンサは、画素アレイに配置された複数の画素を有する。各分離隔壁は、イメージセンサの1つの画素に個別に配置され、隣接の画素に延伸されない。また、イメージセンサの各画素は、領域で同じ大きさを有する。従って、1つの分離隔壁の領域と分離隔壁によって囲まれた1つのフィルター素子の領域とを合わせた領域は、分離隔壁によって囲まれていない他の1つのフィルター素子の領域と同じである。
【0054】
本発明の実施形態では、分離隔壁は、カラーフィルターアレイとフィルターアレイのフィルター素子の屈折率より低い屈折率を有する。従って、分離隔壁によって囲まれたフィルター素子の1種に対応するイメージセンサの素子のQEが向上される。従って、本発明の実施形態では、カラーフィルターアレイまたはフィルターアレイの分離隔壁は、高ダイナミックレンジアプリケーションおよびカスタマイズしたアプリケーション用にQEを調整し、イメージセンサの画素の特定の種類のQEを向上させることができる。また、本発明のイメージセンサは、BSIまたはFSIイメージセンサに用いられることもできる。
【0055】
本発明は、実施例の方法及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。よって、添付の請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0056】
120 カラーフィルターアレイ
120U カラーフィルターアレイ120の繰り返し単位
113−1 赤色(R)カラーフィルター
113−2 緑色(G1)カラーフィルター
113−4 緑色(G2)カラーフィルター
113−3 青色(B)カラーフィルター
115 分離隔壁
100 イメージセンサ
101 半導体基板
103 光電変換素子
105 高誘電率(high−k)フィルム
107 バッファ層
109 遮光層
109P 遮光隔壁
111 パッシベーション層
115P 延長部
100P イメージセンサの周辺領域
117 マイクロレンズ構造
117ML マイクロレンズ素子
130 カラーフィルターアレイ
130U フィルターアレイ130の繰り返し単位
113−5 赤外線(IR)カラーフィルター

図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8
図9
図10
図11