特許第6242037号(P6242037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特許6242037-水中油型乳化皮膚化粧料 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242037
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】水中油型乳化皮膚化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20171127BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20171127BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20171127BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20171127BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20171127BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A61K8/06
   A61K8/44
   A61K8/64
   A61K8/73
   A61K8/87
   A61Q19/00
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-59687(P2012-59687)
(22)【出願日】2012年3月16日
(65)【公開番号】特開2013-193963(P2013-193963A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年2月24日
【審判番号】不服-12938(P-12938/J1)
【審判請求日】2016年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100094570
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼野 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】大村 孝之
(72)【発明者】
【氏名】西川 紗織
【合議体】
【審判長】 大熊 幸治
【審判官】 長谷川 茜
【審判官】 小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/136270(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/064678(WO,A1)
【文献】 特開2011−178693(JP,A)
【文献】 特開2009−292734(JP,A)
【文献】 特開2003−286126(JP,A)
【文献】 特開2007−217338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して、下記成分(a)を1.0〜3.0質量%と、成分(b)を0.1〜0.5質量%と、成分(c)を0.005〜2.0質量%とを含有することを特徴とし、さらに成分(a)と成分(b)との含有量の質量比が、成分(a)/成分(b)=5/1〜8/1であり、水中油型乳化皮膚化粧料の粘度が20000〜80000mPa・sであることを特徴とする水中油型乳化皮膚化粧料。

(a)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー
(b)ゲル化能を有する親水性化合物からなる平均粒径0.1〜1000μmのミクロゲル
(c)N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ミリストイル−メチルアラニン(フィトステリルデシルテトラデシル)からなる群から選択される1種又は2種以上
【請求項2】
前記ゲル化能を有する親水性化合物が、寒天、カラギーナン、カードラン、ゼラチン、ジェランガム、アルギン酸からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用感に優れた皮膚化粧料に関する。さらに詳しくは、肌へののびとなじみが良好で、べたつきがなく、エモリエント感、はり感等の使用感に極めて優れた水中油型乳化皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料の増粘方法として、キサンタンガム等の多糖類、ポリアクリル酸等の親水性合成高分子、ベントナイト等の粘土鉱物などを増粘剤として用いる方法が知られている。
【0003】
しかしながら、キサンタンガム等の多糖類を増粘剤として用いた場合、薬剤成分や塩類を同時配合した系での安定性は優れるものの、べたつき感がするなど使用性の面において不具合があった。また、ポリアクリル酸等の親水性合成高分子を用いた場合、べたつき感がなく、さっぱり感が得られ、使用性が良好であるものの、耐塩性、耐イオン性が低いため、薬剤成分や塩類を多配合した場合、系の粘度低下等を引き起こすという不具合があった。さらに、ベントナイト等の粘土鉱物を増粘剤として用いた場合、きしみ感が感じられるなど使用性の点で問題があった。
【0004】
一方、優れた増粘効果を有する水溶性増粘剤として、疎水変性ポリエーテルウレタン(会合性高分子)からなる増粘剤が開発され(特許文献1)、化粧料に利用されている(特許文献2〜3)。すなわち、特許文献2では、疎水変性ポリエーテルウレタンと、カルボキシビニルポリマー及び/又はキサンタンガムを含む化粧料組成物が開示されており、特許文献3では、疎水変性ポリエーテルウレタンとコラーゲンを含む皮膚外用剤が開示されている。
【0005】
また、曳糸性のないさっぱりとした使用感触の増粘剤としてゲル化能を有する親水性化合物ゲルを破砕して得たミクロゲルからなる増粘剤が開発され、化粧料に利用されている(特許文献4)。上記ミクロゲル以外にも、水溶性エチレン性不飽和モノマーをラジカル重合して得たミクロゲルが別途開発され、水溶性エチレン性不飽和モノマーのラジカル重合によるミクロゲルと疎水変性ポリエーテルウレタンを含む増粘性組成物及び化粧料が開発されている(特許文献5)。
【0006】
しかしながら、上記特許文献2〜5に開示された組成物や化粧料はいずれも、クリーム状基剤など、比較的高粘度の基剤の調製を目的としたものである。上記特許文献2に開示された組成物は、増粘効果、使用感触(しっとりさ、べたつき感のなさ)を有するが、低〜中粘度域での粘度安定性や、みずみずしい使用感触についての検討は行なわれていなかった。また、上記特許文献3に開示された組成物も、増粘効果、使用感触(弾力感)を有するが、低〜中粘度域での粘度安定性や、みずみずしい使用感触についての検討は行なわれていなかった。さらに、上記特許文献4に開示された増粘剤は、増粘効果、みずみずしい使用感触効果を有するが、低〜中粘度域での粘度安定性や、なじみ感についての検討は行なわれていなかった。上記特許文献5に開示された組成物は、増粘効果、新規な感触(新規な弾力感)効果を有するが、低〜中粘度域での粘度安定性等についての検討は行なわれていなかった。
【0007】
また、本発明の必須構成成分である成分(a)疎水変性ポリエーテルウレタンと、成分(b)ゲル化能を有する親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルとを含有する増粘性組成物は既に知られている(特許文献6)。
当該増粘剤組成物は、使用感触に優れ(みずみずしく、べたつき感がなく、肌なじみがよい)、常温25℃における粘度が50〜50000mPa・sといった低〜中粘度域において粘度を安定に保つことができ、塩型成分を配合した場合であっても粘度の変化を生じない増粘性組成物としては、有用な技術である。
しかしながら、上記構成成分のみでは、塗布時の使用感触(肌へののびがよく、みずみずしく、べたつかない)や塗布直後のエモリエント感は得られるが、塗布直後のはりの向上実感が得られず、したがって、塗布直後のしわ・たるみ改善効果は得られないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−71766号公報
【特許文献2】特開2000−239120号公報
【特許文献3】特開2005−343841号公報
【特許文献4】特開2001−342451号公報
【特許文献5】特開2007−291026号公報
【特許文献6】特開2011−231061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明者は上述の観点から好ましい使用感触を兼ね備えた新規な皮膚化粧料を製造すべく鋭意研究を重ねた結果、(a)特定の疎水変性ポリエーテルウレタンと、(b)ゲル化能を有する親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルと、(c)N−ラウロイル−L−グルタミン酸エステル及び/又はN−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンエステルとを特定量配合して水中油型乳化皮膚化粧料を製造すると、肌へののびとなじみが良好で、べたつきがなく、エモリエント感、はり感等の使用感に極めて優れた皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の目的は、肌へののびとなじみが良好で、べたつきがなく、塗布直後のエモリエント感、エモリエント感の持続性、はり感等の使用感に極めて優れた水中油型乳化皮膚化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明は、水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して、下記成分(a)を1.0〜3.0質量%と、成分(b)を0.1〜0.5質量%と、成分(c)を0.005〜2.0質量%とを含有することを特徴とし、さらに成分(a)と成分(b)との含有量の質量比が、成分(a)/成分(b)=5/1〜8/1であり、水中油型乳化皮膚化粧料の粘度が20000〜80000mPa・sであることを特徴とする水中油型乳化皮膚化粧料を提供するものである。

(a)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー
(b)ゲル化能を有する親水性化合物からなる平均粒径0.1〜1000μmのミクロゲル
(c)N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ミリストイル−メチルアラニン(フィトステリルデシルテトラデシル)からなる群から選択される1種又は2種以上
【0016】
さらに、本発明は、前記ゲル化能を有する親水性化合物が、寒天、カラギーナン、カードラン、ゼラチン、ジェランガム、アルギン酸からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする上記の水中油型乳化皮膚化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は、肌へののびとなじみが良好で、べたつきがなく、塗布直後のエモリエント感、エモリエント感の持続性、はり感等の使用感に極めて優れた水中油型乳化皮膚化粧料である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の必須成分の(a)疎水変性ポリエーテルウレタン(会合性増粘剤)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について詳述する。
【0020】
<成分(a)>
本発明に用いる成分(a)は(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーであり、会合性増粘剤として作用する。会合性増粘剤とは、親水基部を骨格とし、末端に疎水性部分をもつコポリマーであり、水性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し増粘作用を示すものをいう。このような会合性増粘剤は、図1に示すように水性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し、親水部がループ状、ブリッジ状をなし、増粘作用を示す。
【0027】
本発明では、成分(a)として、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば「アデカノールGT−700」(旭電化工業(株)製)等が挙げられる。
【0028】
成分(a)の配合量は、本発明の水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して、1.0〜3.0質量%であり、好ましくは1.5〜2.5質量%である。
1.0質量%未満では、成分(a)の添加効果が認められず、一方、3.0質量%超では、粘度が高くなりすぎ、組成物製造の作用効率が低下したり、使用性の点でべたつきを生じたりすることがあるので好ましくない。
【0029】
<成分(b)>
本発明に用いる成分(b)のゲル化能を有する親水性化合物からなるゲルの破砕により得られるミクロゲルは、ゲル化能を有する親水性化合物を水または水性成分に溶解した後、放置冷却して形成したゲルを粉砕してなる平均粒子径0.1〜1000μmのミクロゲルが好ましく用いられる。平均粒子径は透過電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径などの常法によって測定される。
【0030】
上記成分(b)のゲル化能を有する親水性化合物としては、ゲル化能を有する水溶性化合物であって、化粧料、医薬品分野で用いられ得るものであれば特に限定されるものでない。具体的には、ゼラチン、コラーゲン等のゲル化能を有する親水性タンパク質や、寒天、カードラン、スクレログルカン、シゾフィラン、ジェランガム、アルギン酸、カラギーナン、マンナン、ペクチン、ヒアルロン酸等の親水性多糖類等が例示される。中でも、ゼラチン、寒天、カードラン、ジェランガム、アルギン酸、カラギーナンは、塩やイオンの影響を受け難く、安定なゲルを調製可能であることから特に好ましく用いられる。ゲル化能を有する親水性化合物は1種または2種以上を用いることができる。
【0031】
これらゲル化能を有する親水性化合物を、水または水性成分に溶解した後、放置冷却して固化させ、ゲルを形成する。上記化合物の水または水性成分への溶解は、混合、加熱等によって行うことができる。
ゲル化(固化)は、溶解後、加熱を止めてゲル化温度(固化温度)より低温となるまで放置(静置)することにより行う。
水性成分としては、化粧料、医薬品分野において用いられ得る水性成分であれば特に限定されるものでなく、例えば1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類や、エタノール、プロパノール等の低級アルコールのほか、一般に化粧料の水相成分として配合される成分(メタリン酸塩、エデト酸塩等のキレート剤や、pH調整剤、防腐剤等)を含有することができる。
【0032】
なお、ゲル化能を有する親水性化合物としてジェランガムを用いる場合、ゲル強度をより向上させるために、水性成分中に陽イオンを添加するのが好ましい。陽イオンとしては、特に限定されるものでないが、1価または2価の陽イオンが好ましく、具体的には1価の陽イオン(H+)を放出する酸、例えば酢酸、クエン酸等、1価または2価の陽イオン、例えばMg++、Ca++、Na+、K+を放出する塩、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
【0033】
上記ゲルのゲル強度は、ゲル自体がその形状を維持でき、また次工程のミクロゲルを得ることができる程度のものであれば特に限定されるものでない。本発明では、ゲル強度がかなり高いものでも使用することができ、例えばゼリー強度が1,000g/cm2(日寒水式測定)若しくはそれ以下程度の高ゼリー強度のものでも用いることができる一方、ゼリー強度30g/cm2程度のかなり弱いゲル強度でもミクロゲルを得ることができる。使用性向上の点からはゼリー強度100g/cm2前後のものが好ましい。
【0034】
上記ゲル化能を有する親水性化合物とともに、さらに使用感を変えるため等の目的から、ゲル化能をもたない増粘性化合物を併用してもよい。ゲル化能をもたない増粘性化合物としては、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアルキルアクリルアミド/ポリアクリルアミドコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、プルロニックをはじめとする親水性合成高分子や、キサンタンガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガムをはじめとする親水性天然高分子のほか、ラポナイト、ベントナイト、スメクタイト等の親水性粘土鉱物等の親水性増粘性化合物が例示される。またこれら化合物の塩も用いることができる。これらゲル化能をもたない親水性の増粘性化合物を併用することにより、得られるゲルのゲル強度を自在に調整することができる。ゲル化能をもたない増粘性化合物の配合割合を増加させることによりゲル強度は低下する。ゲル化能をもたない増粘性化合物は1種または2種以上を用いることができる。
【0035】
ゲル化能をもたない親水性の増粘性化合物の配合割合は、特に限定されるものでないが、ゲル化能を有する親水性化合物に対して1〜100重量%程度の割合で配合することができる。
【0036】
次いで、上記形成されたゲルをホモジナイザー、ディスパー、メカニカルスターラー等により破砕し、目的とするミクロゲルを得る。本発明においてミクロゲルの平均粒子径は0.1〜1,000μmであり、好ましくは1〜300μm程度、より好ましくは10〜200μm程度である。ミクロゲルの平均粒子径が1,000μm超では、指どれが悪くなるなど使用性上問題となる場合があり、一方、0.1μm未満ではゲル製剤としての粘性が保てなくなる場合もある。破砕の度合いは、得られるミクロゲルの平均粒子径が上記本発明での範囲を逸脱しない程度において、目的に応じて調節可能であり、より滑らかな使用性が必要とされる場合には高速攪拌により十分に破砕し、細かな粒子径のミクロゲルとし、一方、ミクロゲル自体の触感を必要とする場合には軽い攪拌により破砕の度合いを弱めてやや大き目の粒子径のミクロゲルとする。なお、平均粒子径は透過電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径などの常法によって測定される。
【0037】
成分(b)の配合量は、本発明の水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して、0.1〜0.5質量%であり、好ましくは0.2〜0.4質量%である。0.1質量%未満では(b)成分添加効果が認められず、一方、0.5質量%超では、使用性の点でべたつきを生じることがあるので好ましくない。
【0038】
本発明においては、成分(a)と成分(b)の配合比(質量比)を、成分(a)/成分(b)=5/1〜8/1の範囲とすることが好ましい。
成分(a)が上記比率より多いとみずみずしさが損なわれ、一方、少ないと粘度を安定に保つことができず、好ましくない。
【0039】
本発明では、上記成分(a)、成分(b)を組み合せることで、肌へののびがよく、みずみずしく、かつなじみがよいという優れた使用感触とともに、成分(a)、成分(b)をそれぞれ単独で用いた場合に比べ、増粘性を飛躍的に増大させることができる。このように、本発明においては、水中油型乳化皮膚化粧料の増粘性を飛躍的に高めることができるため、成分(a)、成分(b)の低配合により、水中油型乳化皮膚化粧料の粘度を安定に保つことができる。
【0040】
本発明の水中油型乳化型皮膚化粧料では、粘度20000〜80000mPa・s(BH型粘度計、ローターNo.6、10回転、30℃)が好ましく、より好ましくは、30000〜70000mPa・sである。
粘度20000mPa・s未満では、成分(c)のN−ラウロイル−L−グルタミン酸エステルを配合した際、十分な安定性を保てない。一方、80000mPa・sを超えると、使用時の肌へののび、肌へのなじみが悪くなるからである。
【0041】
<成分(c)>
本発明に用いる成分(c)は、N−ラウロイル−L−グルタミン酸エステル及び/又はN−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンエステルである。
本発明に用いる成分(c)は、水を抱含して均一なペースト状態となることができ、自重単体の場合の質量と比較し、抱含した水の質量分多くなることができる抱水性を有する油分である。
【0042】
本発明に用いるN−ラウロイル−L−グルタミン酸エステルとしては、具体的には、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)が挙げられる。
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリルオクチルドデシル)の市販品としてはエルデュウCL−202(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)が挙げられ、ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(オクチルドデシル・コレステリル・ベヘニル)の市販品としてはエルデュウCL−301(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)が挙げられ、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリルオクチルドデシル)の市販品としてはエルデュウPS−203(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)が挙げられ、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(オクチルドデシル・フィトステリル・ベヘニル)の市販品としてはエルデュウPS−304(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)が挙げられる。
【0043】
また、本発明に用いるN−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンエステルとしては、具体的には、N−ミリストイル−メチルアラニン(フィトステリルデシルテトラデシル)が挙げられる。市販品としては、エルデュウAPS−307(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)が挙げられる。
【0044】
成分(c)のN−ラウロイル−L−グルタミン酸エステル及び/又はN−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンエステルの含有量は、水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して、0.005〜2.0質量%が好ましい。より好ましくは、0.01〜1.0質量%である。
【0045】
<本発明に配合可能な薬剤成分又は塩類>
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は、薬剤成分、塩類を配合しても粘度低下などの変化を生じないという効果もある。薬剤成分や塩類は水溶性、油溶性のいずれも用いることができる。
薬剤成分としては、ビタミン類、抗炎症剤、抗菌剤等が例示される。薬剤成分の具体例としては、ビタミンB、P、水溶性ビタミンA、D等のビタミン類およびその誘導体、パントテニールエチルエーテル、カルシウムパントテネート、グリチルリチン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン、グリチルレチン酸塩、ロ−ヤルゼリー、ポリフェノール、ニコチン酸およびその誘導体(例えばニコチン酸アミド)、レゾルシンおよびその誘導体、イオウ、サリチル酸およびその誘導体、アルコキシサリチル酸およびその塩、L−アスコルビン酸およびその誘導体、トラネキサム酸およびその誘導体グルコシド、尿素、キシリトール、トレハロース、カフェイン等が挙げられる。
また、塩類としては、有機酸塩、アミノ酸塩、無機塩などが挙げられる。有機酸塩としては、クエン酸、乳酸、シュウ酸、スルホン酸等の塩酸塩、金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)、アミン塩などが例示される。アミノ酸塩としては、グリシン、アラニン、プロリン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の塩酸塩、金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)、アミン塩などが例示される。無機塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、ハロゲン化合物(塩化ナトリウム、塩化カリウム等)等が挙げられる。
【0046】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は耐塩性が高く、これら塩類を配合したり、あるいは上記薬剤成分を塩の形で用いたものを配合した場合であっても、同時配合する他成分によって系の安定性が左右されることがなく、また、使用性に優れる。
なお、従来、寒天、カラギーナン、カードラン、ゼラチン等のゲル化能を有する化合物を増粘剤として用いることもあったが、その場合、これら化合物を加熱、溶解し、攪拌しながら徐冷することにより、固化(ゲル化)させることなく粘稠な状態を得ていた(例えば、特開平11−209262号公報、等)。しかしながら、上記従来法に示すようにゲル化能を有する化合物を攪拌しながら徐冷して増粘剤とする場合、系の増粘の程度に限界がある。特に薬剤成分や塩類等を配合した場合、系の粘度低下が生じる。
これに対し、本発明では、これら化合物をいったん完全にゲル化(固化)した後、これを粉砕してミクロゲルとしたものを増粘剤として用いる。このようにして得られる本発明の(b)成分の増粘剤は、従来化粧料に用いられてきた増粘多糖類あるいは合成高分子増粘剤と異なり、分子レベルの絡み合いにより増粘効果を発揮するものではなく、ゲルを粉砕したミクロゲル同士の摩擦によるものである。したがって、高分子溶液に特徴的な曳糸性は全くみられず、非常にさっぱりとした使用感を実現することができる。また、高分子溶液は配合する薬剤、塩等による影響を受けて粘度低下を起こし、配合が制限される場合があるが、本発明の場合そのような心配がなく、化粧料等の処方の幅を広げることができる。
【0047】
なお、本発明において薬剤成分や塩類等として水溶性のものを用いる場合、上記ゲル化能を有する親水性成分とともに水あるいは水性成分中に溶解させた後、これを放置冷却し固化させてゲルを形成し、次いで該ゲルを粉砕してミクロゲルとして用いてもよく、あるいは、上記ゲル化能を有する親水性化合物を水あるいは水性成分中に溶解させた後、放置冷却、固化させて形成したゲルを粉砕してミクロゲルとしたものと薬剤成分や塩類等とを混合して用いてもよい。
一方、薬剤成分や塩類等として油溶性のものを用いる場合、上記ゲル化能を有する親水性成分を水あるいは水性成分中に溶解させた後、これを放置冷却し固化させてゲルを形成し、次いで該ゲルを粉砕してミクロゲルとする一方、これとは別に、油溶性薬剤成分や塩類等を他の油性成分とともに水系中で予備乳化しておき、この予備乳化物と上記ミクロゲルとを混合、乳化して用いるのが好ましい。
【0048】
<水中油型乳化皮膚化粧料>
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料には、上記必須成分の他に、水中油型乳化皮膚化粧料を製造するために必要な界面活性剤(乳化剤)、油分、水を配合する。以下に説明する。
【0049】
「界面活性剤(乳化剤)」
製品に応じて任意の界面活性剤を配合する。
例えば、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、モノラウロイルモノエタノールアミドPOEスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、カゼインナトリウム等のアニオン系界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム塩等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム等のカチオン系界面活性剤;2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキシド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸塩等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POE・メチルポリシロキサン共重合体等の親油性非イオン性界面活性剤;POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノオレエート、POEグリセリンジステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEコレスタノールエステル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという。)モノブチルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POE脂肪酸アミド、POEアルキルアミン、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド等の親水性非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
本発明に特に好ましい界面活性剤としては、POEアルキルエーテル類、POE脂肪酸エステル類の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0050】
界面活性剤の配合量はその種類によって適宜決定されるが、好ましくは、水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して0.5〜3.0質量%である。
【0051】
「油分」
製品に応じて任意の油分が配合される。例えば、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂;
カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固型油脂;
ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)ラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類;
流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素;
ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2−ヘプチルウンデシル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル等のエステル油;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸等の高級脂肪酸;
ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の直鎖若しくは分岐高級アルコール;
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油;
パーフルオロヘキサン、トリパーフルオロ−n−ブチルアミン等のパーフルオロカーボンないしパーフルオロポリエーテル等を挙げることができる。
本発明に特に好ましい油分としては、高級アルコール、エステル油、シリコーン油が挙げられる。
【0052】
油分の配合量は、乳液やクリーム等の製品の種類によって適宜決定されるが、好ましくは、水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して5.0〜30.0質量%である。
【0053】
「水」
水はイオン交換水や精製水が好ましく使用される。その配合量は製品の種類によって適宜決定されるが、好ましくは、水中油型乳化皮膚化粧料全量に対して40.0〜80.0質量%である。
【0054】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料には上記必須成分の他に、通常、化粧料に用いられる成分、例えば、粉末、色素、アルコール、キレート剤、シリコーン類、酸化防止剤(抗酸化剤)、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、防腐剤、中和剤、pH調整剤等必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で適宜配合して、常法により製造することができる。
【実施例】
【0055】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限りすべて質量%である。
なお、本実施例においては、(a)成分及び(b)成分は下記化合物を用いた。
また、水中油型乳化皮膚化粧料の粘度は、BH型粘度計、ローターNo.6、10回転、30℃で測定した。
【0056】
〔(a)成分〕(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー
アデカノールGT−700(旭電化工業(株)製)を用いた。
〔(b)成分〕寒天ミクロゲル
寒天2質量%水分散液を90℃に加熱し完全に溶解したことを確認した後、静置して流動しないゲル状組成物を得た。このゲルをホモジナイザーにより粉砕して得た寒天ミクロゲル(平均粒子径約50μm)を用いた。
〔(b)成分〕ジェランガムミクロゲル
ジェランガム1質量%水分散液を80℃に加熱し完全に溶解したことを確認した後、塩化ナトリウム2.8質量%水溶液を添加し均一に攪拌し、静置して流動しないゲル状組成物を得た。このゲルをホモジナイザーにより破砕して得たジェランガムミクロゲル(平均粒子径約50μm)を用いた。
【0057】
[使用性評価]
下記処方に示す水中油型乳化型皮膚化粧料を調製し、得られた水中油型乳化型皮膚化粧料について、後述の各方法により、使用性(肌へののび、肌へのなじみ、べたつきのなさ、塗布直後のエモリエント感、塗布12時間後のエモリエント感、塗布直後のはり感、連用1ヶ月間後のはり感)評価した。
【0058】
[使用性(肌へののび)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌へののびについて、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
○:7〜9名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
△:3〜6名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
×:0〜2名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
【0059】
[使用性(肌へのなじみ)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌へのなじみについて、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、肌へのなじみがあると判定した。
○:7〜9名が、肌へのなじみがあると判定した。
△:3〜6名が、肌へのなじみがあると判定した。
×:0〜2名が、肌へのなじみがあると判定した。
【0060】
[使用性(べたつき)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、べたつきについて、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
○:7〜9名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
△:3〜6名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
×:0〜2名が、べたつきがなく、しっとりした判定した。
【0061】
[使用性(塗布直後および塗布12時間後のエモリエント感)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、塗布直後および塗布12時間後にエモリエント感について、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名全員が、エモリエント感があると判定した。
○:7〜9名が、エモリエント感があると判定した。
△:3〜6名が、エモリエント感があると判定した。
×:0〜2名が、エモリエント感があると判定した。
【0062】
[使用性(塗布直後および連用1ヶ月後のはり感)]
◎:10名全員が、はり感があると判定した。
○:7〜9名が、はり感があると判定した。
△:3〜6名が、はり感があると判定した。
×:0〜2名が、はり感があると判定した。
【0063】
[使用性(塗布直後および連用1ヶ月後のしわ・たるみ改善効果)]
◎:10名全員が、しわ・たるみ改善効果があると判定した。
○:7〜9名が、しわ・たるみ改善効果があると判定した。
△:3〜6名が、しわ・たるみ改善効果があると判定した。
×:0〜2名が、しわ・たるみ改善効果があると判定した。
【0064】
「表1」に示す水中油型乳化皮膚化粧料(ジェルクリーム)を、次に示す方法により調整した。
<製法>
一部の(1)、(2)、一部の(4)、(8)、(9)、(15)、(16)、(17)、(20)、(21)を90℃で均一に混合溶解し、一昼夜常温で放置する。翌日、このゲルをホモミキサーで粉砕する。次いで、残部の(1)、(7)、(18)と、残部の(4)、(13)、(10)、(12)、(14)、(19)、(22)とを、順次、先に粉砕したゲルに添加する。これに、(5)、(11)、(23)を添加してホミミキサーで乳化する。最後に、(3)、(6)の混合物を95℃に加熱して均一としたものを先の乳化物に添加して、脱気して目的の水中油型乳化皮膚化粧料を得る。


















【0065】
【表1】
(*1)商品名:アデカノールGT−700、旭電化工業(株)社製
(*2)商品名:エルデュウPS−203、味の素ヘルシーサプライ株式会社製
【0066】
上記「表1」の結果から、本願発明の実施例1は、肌へののび、肌へのなじみ、べたつきのなさ、塗布直後のエモリエント感、塗布12時間後のエモリエント感、塗布直後のはり感、連用1ヶ月後のはり感の全ての使用感に優れることが分かる。
これに対し、本願発明の必須成分である成分(A)〜(C)のいずれかを欠いた比較例1〜3は、上記の使用感のいずれかを欠いたものとなり、実施例のように全ての使用感を発揮することが出来ないことが分かる。
【0067】
本発明に関し、さらに実施例を下記に示す。実施例2〜5の水中油型乳化皮膚化粧料は、いずれも実施例1と同様に本願発明の効果に優れた皮膚化粧料である。
【0068】
[実施例2]ジェルクリーム(オールインワンタイプ)
配合成分 配合量(質量%)
(1)イオン交換水 残 余
(2)グリセリン 8.0
(3)ジプロピレングリコール 6.0
(4)サン酸オクチル 2.0
(5)成分(a)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)
コポリマー 1.5
(6)タルク/二酸化チタン/酸化アルミニウム/二酸化ケイ素 0.5
(7)塩化ナトリウム 1.0
(8)成分(b)寒天ミクロゲル 0.8
(9)緑茶エキス 0.1
(10)成分(c)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(オクチルドデシル・フィトステリル・ベヘニル) 1.2
商品名:エルデュウPS−304、
(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)
(11)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60EO) 1.0
(12)メタリン酸Na 0.01
(13)フェノキシエタノール 0.5
(14)エタノール 5.0
(15)香料 適 量
<製法>
表1の実施例1と同様の方法により製造した。粘度は64000mPa・sであった。
【0069】
[実施例3]美白美容液
配合成分 配合量(質量%)
(1)イオン交換水 残 余
(2)ジメチコン(1.5mPa・s) 3.0
(3)グリセリン 2.0
(4)1,3−ブチレングリコール 5.0
(5)ポリエチレングリコール1500 3.0
(6)ポリエチレングリコール20000 3.0
(7)オクタン酸セチル 3.0
(8)クエン酸 0.01
(9)クエン酸ナトリウム 0.1
(10)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
(11)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(12)アスコルビン酸グルコシド 2.0
(13)酢酸トコフェロール 0.1
(14)ユキノシタエキス 0.1
(15)成分(c)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル) 1.5
商品名:エルデュウCL−202
(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)
(16)エデト酸塩 0.01
(17)キサンタンガム 0.1
(18)ステアリン酸PEG−40 0.5
(19)成分(a)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/
HDI)コポリマー 1.0
(20)成分(b)ジェランガムミクロゲル 2.0
(21)フェノキシエタノール 0.5
(22)パラベン 0.15
<製法>
表1の実施例1と同様の方法により製造した。粘度は38000mPa・sであった。
【0070】
[実施例4]抗老化美容液
配合成分 配合量(質量%)
(1)イオン交換水 残 余
(2)ジメチコン(5mPa・s) 3.0
(3)グリセリン 2.0
(4)1,3−ブチレングリコール 5.0
(5)エリスリトール 3.0
(6)ポリエチレングリコール20000 3.0
(7)ピバリン酸イソデシル 3.0
(8)クエン酸 0.01
(9)クエン酸ナトリウム 0.1
(10)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
(11)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(12)カルノシン 3.0
(13)酢酸トコフェロール 0.1
(14)チオタウリン 0.1
(15)成分(c)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル・オクチルドデシル) 1.5
商品名:エルデュウPS−203
(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)
(16)エデト酸塩 0.01
(17)アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー
0.05
(18)アセンヤクエキス 0.01
(19)成分(a)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/
HDI)コポリマー 1.0
(20)成分(b)ジェランガム 2.0
(21)フェノキシエタノール 0.5
(22)パラベン 0.15
<製法>
表1の実施例1と同様の方法により製造した。粘度は45000mPa・sであった。
【0071】
[実施例5]美白美容液
配合成分 配合量(質量%)
(1)イオン交換水 残 余
(2)ジメチコン(2mPa・s) 2.0
(3)イソドデカン 2.0
(4)グリセリン 2.0
(5)1,3−ブチレングリコール 5.0
(6)キシリトール 3.0
(7)ポリエチレングリコール20000 3.0
(8)ピバリン酸イソデシル 3.0
(9)クエン酸 0.01
(10)クエン酸ナトリウム 0.1
(11)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
(12)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(13)4−メトキシサリチル酸カリウム 1.0
(14)酢酸トコフェロール 0.1
(15)トラネキサム酸 2.0
(16)成分(c)N−ミリストイル−メチルアラニン
(フィトステリルデシルテトラデシル) 1.5
商品名:エルデュウAPS−307
(味の素ヘルシーサプライ株式会社製)
(17)エデト酸塩 0.01
(18)アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー
0.05
(19)ビャクレンカエキス 0.01
(20)成分(a)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/
HDI)コポリマー 1.0
(21)成分(b)ジェランガム 2.0
(22)フェノキシエタノール 0.5
(23)パラベン 0.15
<製法>
表1の実施例1と同様の方法により製造した。粘度は25000mPa・sであった。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、肌へののびとなじみが良好で、べたつきがなく、エモリエント感、はり感等の使用感に極めて優れた水中油型乳化皮膚化粧料を提供出来る。
図1