特許第6242039号(P6242039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242039自動センタリング機能付きのジャイロ制御されるゲーム視点のための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242039
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】自動センタリング機能付きのジャイロ制御されるゲーム視点のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/5258 20140101AFI20171127BHJP
   A63F 13/211 20140101ALI20171127BHJP
【FI】
   A63F13/5258
   A63F13/211
【請求項の数】26
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-119991(P2012-119991)
(22)【出願日】2012年5月25日
(65)【公開番号】特開2013-176528(P2013-176528A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2015年4月28日
(31)【優先権主張番号】13/152,829
(32)【優先日】2011年6月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】宮本 茂
(72)【発明者】
【氏名】中田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】池端 良仁
(72)【発明者】
【氏名】スコット ロバート ハンセン
【審査官】 前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−298160(JP,A)
【文献】 特開2003−334379(JP,A)
【文献】 特開2009−172010(JP,A)
【文献】 再公表特許第2009/084213(JP,A1)
【文献】 特開2007−267851(JP,A)
【文献】 【MH3】モンスターハンター3(tri-)操作説明動画『基本操作』,YouTube,2009年 7月 4日,[2016年 6月27日検索],URL,https://www.youtube.com/watch?v=SC7-IV_p9x4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置の検出された姿勢に基づいて仮想カメラを制御する方法であって、当該方法は、
前記仮想カメラが第1方向において第1オブジェクトを視界内に捉える状態で当該仮想カメラを第1位置に配置する工程;
前記電子装置の前記検出された姿勢の変化に基づいて、前記仮想カメラを第2位置に移動させる工程;および
前記仮想カメラが前記第1位置から前記第2位置に移動する間、前記第1オブジェクトを前記仮想カメラの視線方向の所定の位置に保持するように、第2方向に向けて前記仮想カメラを移動する工程を含み、
前記電子装置は、角速度センサを内蔵する筐体と前記仮想カメラによる撮像画像を表示するための表示部とが一体化している携帯型ゲーム装置であり、
前記仮想カメラは、前記第1オブジェクトが第2オブジェクトと相互に作用する場合に、位置を移動し
前記第1オブジェクトはプレイヤキャラクタであり、前記仮想カメラは、三人称視点で当該プレイヤキャラクタを視界内に捉える、方法。
【請求項2】
前記検出された姿勢の前記変化は、角速度センサからの測定値を用いて検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仮想カメラは、前記第1オブジェクトを前記仮想カメラの前記視線方向の前記所定の位置に保持するように、前記角速度センサによる前記測定値に基づいて、前記第1オブジェクトを中心とする方向に移動する、請求項2に記載の方法
【請求項4】
前記仮想カメラは、前記角速度センサによって測定された角回転と同じ方向に移動する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記仮想カメラは、前記角速度センサによって測定された角回転と反対の方向に移動する、請求項2に記載の方法
【請求項6】
前記所定の位置は、前記仮想カメラの前記視線方向の実質的な中心位置である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
電子装置の検出された姿勢に基づいて仮想カメラを制御するためのプログラムであって、当該プログラムは、
前記仮想カメラが第1方向において第1オブジェクトを視界内に捉える状態で当該仮想カメラを第1位置に配置させ;
前記電子装置の前記検出された姿勢の変化に基づいて、前記仮想カメラを第2位置に移動させ;そして
前記仮想カメラが前記第1位置から前記第2位置に移動する間、前記第1オブジェクトを前記仮想カメラの視線方向の所定の位置に保持するように、第2方向に向けて前記仮想カメラを移動させる処理をコンピュータに実行させ、
前記電子装置は、角速度センサを内蔵する筐体と前記仮想カメラによる撮像画像を表示するための表示部とが一体化している携帯型ゲーム装置であり、
前記仮想カメラは、前記第1オブジェクトが第2オブジェクトと相互に作用する場合に、位置を移動し
前記第1オブジェクトはプレイヤキャラクタであり、前記仮想カメラは、三人称視点で当該プレイヤキャラクタを視界内に捉える、プログラム。
【請求項8】
前記検出された姿勢の前記変化は、角速度センサからの測定値を用いて検出される、請求項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記仮想カメラは、前記第1オブジェクトを前記仮想カメラの前記視線方向の前記所定の位置に保持するように、前記角速度センサによる前記測定値に基づいて、前記第1オブジェクトを中心とする方向に移動する、請求項に記載のプログラム
【請求項10】
前記仮想カメラは、前記角速度センサによって測定された角回転と同じ方向に移動する、請求項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記仮想カメラは、前記角速度センサによって測定された角回転と反対の方向に移動する、請求項に記載のプログラム
【請求項12】
前記所定の位置は、前記仮想カメラの前記視線方向の実質的な中心位置である、請求項に記載のプログラム。
【請求項13】
ゲーム装置であって、当該ゲーム装置は、
仮想カメラを制御するためのプログラムを記憶するように構成される記憶装置;
前記ゲーム装置の姿勢を検出するためのセンサ;および
前記ゲーム装置の前記検出された姿勢に基づいて前記仮想カメラを制御するために構成されるプロセッサを備え、当該プロセッサは、
前記仮想カメラが第1方向において第1オブジェクトを視界内に捉える状態で当該仮想カメラを第1位置に配置し;
前記ゲーム装置の前記検出された姿勢の変化に基づいて、前記仮想カメラを第2位置に移動させ;そして
前記仮想カメラが前記第1位置から前記第2位置に移動する間、前記第1オブジェクトを前記仮想カメラの視線方向の所定の位置に保持するように、第2方向に向けて前記仮想カメラを移動させるように構成され、
前記ゲーム装置は、前記センサを内蔵する筐体と前記仮想カメラによる撮像画像を表示するための表示部とが一体化している携帯型ゲーム装置であり、
前記仮想カメラは、前記第1オブジェクトが第2オブジェクトと相互に作用する場合に、位置を移動し
前記第1オブジェクトはプレイヤキャラクタであり、前記仮想カメラは、三人称視点で当該プレイヤキャラクタを視界内に捉える、ゲーム装置。
【請求項14】
前記センサは角速度センサであり、前記検出された姿勢の前記変化は、当該角速度センサからの測定値を用いて検出される、請求項13に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記第1オブジェクトを前記仮想カメラの前記視線方向の前記所定の位置に保持するように、前記仮想カメラを、前記角速度センサによる測定値に基づいて、前記第1オブジェクトを中心とする方向に移動させるように構成される、請求項14に記載のゲーム装置
【請求項16】
前記仮想カメラは、前記角速度センサによって検出された角回転と同じ方向に移動する、請求項14に記載のゲーム装置。
【請求項17】
前記仮想カメラは、前記角速度センサによって検出された角回転と反対の方向に移動する、請求項14に記載のゲーム装置
【請求項18】
前記所定の位置は、前記仮想カメラの前記視線方向の実質的な中心位置である、請求項13に記載のゲーム装置。
【請求項19】
コンピュータプロセッサを用いて、仮想世界において初期の向きおよび初期位置を有する仮想カメラの視野内にある仮想オブジェクトの第1画像を生成する工程;
装置の動作を検出する工程;
前記検出された動作に基づいて、前記仮想カメラの向きを前記初期の向きから変更する工程;および
前記検出された動作に基づいて、前記仮想カメラの位置を前記初期位置から変更する工程であって、少なくとも、生成される第2画像における当該仮想オブジェクトの位置が前記第1画像におけるものと同じ位置にとどまるように、当該仮想カメラの位置は、当該仮想カメラの向きが変更されるのと同時に変更される、工程を含み、
前記装置は、ジャイロセンサを内蔵する筐体と前記仮想カメラによる撮像画像を表示するための表示部とが一体化している携帯型ゲーム装置であり、
前記仮想オブジェクトはプレイヤキャラクタであり、前記仮想カメラは、三人称視点で当該プレイヤキャラクタを視界内に捉え
前記仮想オブジェクトが当該仮想オブジェクトとは異なる所定の他のオブジェクトと相互に作用する場合に、前記仮想カメラの位置を前記初期位置から変更する、方法。
【請求項20】
前記第1画像および第2画像における前記仮想オブジェクトの同じ位置は、当該画像のの各々の中心にあり、前記装置の前記動作は、前記ジャイロセンサを用いて検出される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
システムであって、当該システムは、
携帯型装置の動作に応じてデータを出力するように構成されるセンサ;
コンピュータプロセッサを備え、当該コンピュータプロセッサは
前記センサよって出力されたデータを受信し;
初期の向きおよび初期位置を有する仮想カメラの視野内にある仮想オブジェクトの第1画像を生成し;
前記受信データに基づいて、前記仮想カメラの向きを前記初期の向きから変更し;
前記受信データに基づいて、前記仮想カメラの向きが変更されるのと同時に、当該仮想カメラの位置を前記初期位置から変更し;そして
その向きおよび位置が変更された前記仮想カメラの視野内にある前記仮想オブジェクトの第2画像を、少なくとも、当該第2画像における当該仮想オブジェクトの位置が前記第1画像におけるものと同じ位置にとどまるように、生成するものとして構成され、
前記携帯型装置は、前記センサを内蔵する筐体と前記仮想カメラによる撮像画像を表示するための表示部とが一体化している携帯型ゲーム装置であり、
前記仮想オブジェクトはプレイヤキャラクタであり、前記仮想カメラは、三人称視点で当該プレイヤキャラクタを視界内に捉え
前記仮想オブジェクトが当該仮想オブジェクトとは異なる所定の他のオブジェクトと相互に作用する場合に、前記仮想カメラの向きを前記初期の向きから変更し、かつ、当該仮想カメラの位置を前記初期位置から変更する、システム。
【請求項22】
前記センサは、ジャイロセンサである、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1画像および第2画像における前記仮想オブジェクトの同じ位置は、当該画像の各々の中心にある、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記携帯型装置は、前記ジャイロセンサと前記コンピュータプロセッサの両方を内部に備えるハウジングを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記携帯型装置に配置され前記第1および第2画像を表示するように構成されるディスプレイをさらに備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記仮想カメラの向きおよび位置の同時の変更によって、前記仮想オブジェクトの位置が、前記第1画像および前記第2画像における同じ位置にとどまる、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動センタリング機能付きのジャイロ制御されるゲーム視点のための装置および方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
従来のビデオゲームソフトウェア環境では、プレイヤキャラクタが、多くの場合、プレイヤによる入力に基づいて、表示画面を動き回る。そのうえ、例えば、仮に、そのゲームが当該プレイヤキャラクタの一人称視点で行われる場合、プレイヤによる入力によって、プレイヤキャラクタが見通せる範囲(visual perspective)も動かされ得る。従来、キャラクタまたは仮想カメラを動かすためのプレイヤによる入力が、十字スイッチとボタンとを有するコントローラを用いて行われた。
【0003】
動作に基づくコントローラによる入力の到来によって、現在、プレイヤが、コントローラ装置自体を移動および/または傾動させることによって、プレイヤキャラクタに対する指示を入力できる。動作に基づくコントローラによる入力は、例えば任天堂Wiiのような家庭用据置型ビデオゲーム娯楽装置に用いられるだけでなく、例えば任天堂3DSのような携帯型ビデオゲーム娯楽装置にも用いられる。加速度計またはジャイロスコープのような動作検知装置が、ビデオゲームの仮想カメラの視界(view)をどのように変えるかを決定するために用いられ得、それによって、プレイヤは、プレイヤキャラクタの視界を「移動」させたりまたは仮想カメラの視野(field−of−view)を移動させたりできる。
【0004】
例えば、仮想カメラの視野がプレイヤキャラクタの一人称視点であるゲームでは、携帯型娯楽装置の動作によって、プレイヤキャラクタの一人称視点が動かされ得る。よって、仮に、プレイヤが携帯型娯楽装置を右に動かした場合、仮想カメラの視野は、右に移動する。場合によっては、仮に、プレイヤが装置を前に動かした場合、仮想カメラは、プレイヤが前方にまっすぐ歩くように、前方に「ズーム」する。
【0005】
仮想カメラから見通せる範囲(perspective)の移動は、ゲームプレイが、プレイヤキャラクタの一人称視点の移動となる状況に限定されない。例えば、プレイヤが、三人称視点でプレイヤキャラクタの動きを見ながら、仮想カメラを制御できるゲームがある。前述と同様に、仮想カメラは、携帯型娯楽装置の動作に応じて移動し、よって、もし当該装置が右に動くと、仮想カメラも同様に右に移動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
視点が一人称であろうと三人称であろうと、仮想カメラは、携帯型電子装置の動作に応じて移動する。しかしながら、これらの状況では、興味対象のオブジェクトが、プレイヤキャラクタであろうとまたは他のオブジェクトであろうと、そのオブジェクトは、仮想カメラが携帯型電子装置の動作に応じて移動する場合、仮想カメラの視野の中心から移動する。多くの場合、この興味対象のオブジェクトは、仮にその装置が1方向にあまりにも大きく移動または傾動されたりした場合、仮想カメラの視野の外へ完全に移動してしまう。これによって、プレイヤにとっては煩わしいものとなり得る。なぜならば、興味対象のオブジェクトを視野内に保持するように、ゲーム装置の位置を常に変えなければいけなくなるからである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題に対処するため、ゲーム環境が提供され、その仮想カメラは、当該ゲーム環境における興味対象のオブジェクトを中心にして自動的に置かれる。このシステムによって、プレイヤが携帯型電子装置に動作検知技術を用いることにより仮想カメラの方向および位置を変更することが可能となる。興味対象のオブジェクトを視界内に捉える際に、仮想カメラの視野は、当該興味対象のオブジェクトを中心におき、興味対象のオブジェクトに応じて移動する。よって、興味対象のオブジェクトは、たとえ仮想カメラの方向および位置が仮想世界内で変化しても、動画の中心にとどまり得る。
【0008】
角速度センサの傾向に基づいて仮想カメラを制御する方法が提供される。仮想カメラが、第1方向において第1オブジェクトを視界内に捉える状態で当該仮想カメラが第1位置に配置される。本システムが移動すると、上記仮想カメラは、角速度センサの向きの変化に基づいて、第2位置に移動する。上記仮想カメラが移動する間、上記仮想カメラの視線方向は、興味対象のオブジェクトが上記仮想カメラの視線方向の実質的な中心位置にとどまるように、変化する。
【0009】
前述の段落に記載された仮想カメラ制御方法を実行するために提供されるコンピュータ読み取り可能なコードを組み込んだ非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が開示される。
【0010】
別の局面は、仮想カメラを制御するためのプログラムを記憶するように構成される記憶装置を有するゲーム装置に関する。上記ゲーム装置は、角速度センサと、当該角速度センサによって測定されたゲーム装置の向きに基づいて上記仮想カメラを制御するように構成されるプロセッサとを、さらに有する。上記プロセッサは、仮想カメラが第1方向において第1オブジェクトを視界内に捉える状態で当該仮想カメラを第1位置に配置し、上記角速度センサの向きの変化に基づいて、上記仮想カメラを第2位置に移動させ、そして、興味対象のオブジェクトが上記仮想カメラの視線方向の実質的な中心位置にとどまるように、上記仮想カメラの視線方向を移動させるようにさらに構成される。
【0011】
さらに別の局面は、プロセッサを用い、仮想世界において初期の向きおよび初期位置を有する仮想カメラの視野内にある仮想オブジェクトの第1画像を生成する方法に関する。この方法は、ジャイロセンサを用いて装置の動作を検出し、当該検出された動作に基づいて、上記仮想カメラの向きを上記初期の向きから変更し、そして、当該検出された動作に基づいて、上記仮想カメラの位置を上記初期位置から変更する。少なくとも、生成される第2画像における上記仮想オブジェクトの位置が、上述の第1画像におけるものと同じ位置にとどまるように、その仮想カメラの位置は、当該仮想カメラの向きが変更されると同時に変更される。この第1画像および第2画像における仮想オブジェクトの位置は、その画像の各々の視野の中心となり得る。
【0012】
別の局面は、携帯型装置の動作に応じてデータを出力するように構成されるセンサを有するシステムに関する。このシステムは、ジャイロセンサによって出力されたデータを受信し、初期の向きおよび初期位置を有する仮想カメラの視野内にある仮想オブジェクトの第1画像を生成するように構成されるコンピュータプロセッサを、さらに有する。上述の受信データに基づいて、その仮想カメラの位置および向きが、上記初期の向きから変更される。そのプロセッサは、その向きが変更されそして位置が変更された仮想カメラの視野内にある上記仮想オブジェクトの第2画像を、少なくとも、当該第2画像における仮想オブジェクトの位置が上記第1画像におけるものと同じ位置にとどまるように、生成する。この第1画像および第2画像における仮想オブジェクトの位置は、その画像の各々の視野の中心となり得る。
【0013】
限定されない例示的な実装例では、上記携帯型装置は、上記ジャイロセンサと上記コンピュータプロセッサの両方を内部に備えるハウジングを備える。この携帯型装置は、当該携帯型装置に配置されたディスプレイであって上述の第1画像および第2画像を表示するように構成されるものを、さらに有してもよい。
【0014】
限定されない例示的な実装例では、上記仮想カメラは、上記角速度センサの角回転の変化に基づいて、上記第1オブジェクトを中心に移動する。上記仮想カメラは、上記第1オブジェクトが第2オブジェクトと相互に作用する場合に、移動してもよい。
【0015】
別の限定されない例示的な実装例では、上記角速度センサは、上記角速度センサの角回転の変化に基づいた動き情報を出力する。一実施形態では、上記仮想カメラは、その角速度センサの向きの変化と同じ方向に移動してもよい。別の実施形態では、上記仮想カメラは、その角速度センサの向きの変化と反対方向に移動してもよい。
【0016】
さらに別の限定されない例示的な実装例では、上記第1オブジェクトは、プレイヤキャラクタであり、上記仮想カメラは、三人称視点で当該プレイヤキャラクタを視界内に捉える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、開状態のゲーム装置10の一例を示す正面図である。
図2図2は、開状態のゲーム装置10の一例を示す側面図である。
図3図3Aは、閉状態のゲーム装置10の一例を示す左側面図である。図3Bは、閉状態のゲーム装置10の一例を示す正面図である。図3Cは、閉状態のゲーム装置10の一例を示す右側面図である。図3Dは、閉状態のゲーム装置10の一例を示す背面図である。
図4図4は、ゲーム装置10の内部構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、本システムのためのアプリケーション処理を示す例示的なアプリケーションフローチャートである。
図6図6は、第1位置に保持されているゲーム装置10の一例を示す例示的な図である。
図7図7は、ゲーム装置10が第2位置に移動された一例を示す例示的な図である。
図8A図8Aは、仮想カメラが、第1位置に配置される状況を示す一例である。
図8B図8Bは、仮想カメラが第2位置への方向に移動する一例である。
図8C図8Cは、仮想カメラが別の第2位置への方向に移動する一例である。
図9A図9Aは、仮想カメラが、別の第1位置に配置される別の例である。
図9B図9Bは、仮想カメラが別の第2位置への方向に移動する別の例である。
図9C図9Cは、仮想カメラが別の第2位置への方向に移動する別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本システムの実施形態に係る画像処理プログラムを実行する画像処理装置の具体例を記載する。以下の実施形態は、しかしながら、例示的なものであって、本システムは、以下の実施形態の構成に限定されるものではない。
【0019】
なお、以下の実施形態では、コンピュータによって処理されたデータは、図表および自然言語を用いて例示されることに留意すべきである。しかし、より具体的には、このデータは、コンピュータ認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、機械語、配列等によって規定される。本実施形態は、そのデータを表す方法を限定しない。
【0020】
まず、図を参照して、本実施形態に係る画像処理プログラムを実施する画像処理装置の一例としての携帯ゲーム装置10を説明する。本システムに係る画像処理装置は、しかしながら、ゲーム装置に限定されない。本システムに係る画像処理装置は、汎用コンピュータ等の所定のコンピュータであってもよい。画像処理装置は、携帯型電子ゲーム装置にも限定されず、例えば、任天堂のWii(例えば、ジャイロスコープセンサを有するWiiモーションプラスを含む)等の家庭用娯楽ゲーム装置に実装されてもよい。家庭用娯楽ゲーム装置の一例の記載が、米国特許出願12/222,873号(米国特許出願公開第2009/0181736号)に見出され得て、当該公報は、参考として本明細書中で援用される。この家庭用娯楽ゲーム装置は、例えば、標準的なテレビ、3Dテレビ、または、ホログラフィックテレビでプレイできる。
【0021】
なお、本実施形態に係る画像処理プログラムは、ゲームプログラムである。本システムに係る画像処理プログラムは、しかしながら、ゲームプログラムに限定されない。本システムに係る画像処理プログラムは、所定のコンピュータシステムによって実行されることによって適用され得る。さらに、本実施形態の処理は、ネットワーク化された複数の機器による分散処理を受けてもよく、主な処理がサーバによって行われた後、その処理結果が端末に分散されるネットワークシステムによって、行われてもよく、いわゆるクラウドネットワークによって行われてもよい。
【0022】
図1、2、3A、3B、3Cおよび3Dは、それぞれ、ゲーム装置10の外観の一例を示す平面図である。図1〜3Dに示すゲーム装置10は、撮像部(カメラ)を備え、したがって、当該撮像部を用いて画像を撮像し、撮像画像を画面に表示し、当該撮像画像のデータを記憶可能である。さらに、ゲーム装置10は、交換可能なメモリーカードに記憶されたゲームプログラムまたはサーバまたは他のゲーム装置からネットワークを介して受信したゲームプログラムを実行可能である。ゲーム装置10は、例えば、仮想空間内に設定された仮想カメラによって撮像された画像等、コンピュータグラフィックス処理によって生成された画像を、画面に表示することも可能である。なお、本明細書では、カメラで画像データを取得する行為は、「撮像」として記載し、撮像画像の画像データを記憶する行為を「撮影」として記載する。
【0023】
図1〜3Dに示すゲーム装置10は、下側ハウジング11と上側ハウジング21とを備える。下側ハウジング11および上側ハウジング21は、ヒンジ構造によって、折り畳む様式で開閉可能(折り畳み可能)に連結されている。そなわち、上側ハウジング21は、下側ハウジング11に対して回転可能(枢動可能)に下側ハウジング11に接続されている。よって、ゲーム装置10は、以下の2つの形態、例えば図3Aおよび3Cに見られるように上側ハウジング21が下側ハウジング11と密着する閉状態と、上側ハウジング21が下側ハウジング11に対して回転して密着状態が解放される状態(開状態)を取る。上側ハウジング21は、図2に示すように、上側ハウジング21と下側ハウジング11が開状態で互いにほぼ平行になる位置にまで回転できる(図2参照)。
【0024】
図1は、開いている(開状態の)ゲーム装置10の一例を示す正面図である。下側ハウジング11および上側ハウジング21のそれぞれの平面形状は、長手方向(横方向(左右方向):図1ではx方向)と横断方向(上下方向)とを有する、横長な長方形板状の形状である。下側ハウジング11および上側ハウジング21は、下側ハウジング11の長手方向上側外端と上側ハウジング21の長手方向下側外端で、ヒンジ構造によって、互いに回転可能に連結されている。通常、ユーザは、開状態でゲーム装置10を使用する。ユーザは、閉状態でゲーム装置10を保管する。さらに、上側ハウジング21は、例えば、下側ハウジング11と上側ハウジング21の連結部分に発生する摩擦力によって、下側ハウジング11と上側ハウジング21とがなす所望の角度で静止状態を維持可能である。すなわち、ゲーム装置10は、上側ハウジング21を、下側ハウジング11に対して所望の角度で静止できる。一般に、上側ハウジング21に設けられた画面の視認性の観点から、上側ハウジング21は、下側ハウジング11に対して、直角または鈍角で開く。以下、ゲーム装置10の閉状態において、上側ハウジング21および下側ハウジング11の各対向する面を、「内側面」または「主面」と呼ぶ。さらに、上側ハウジング21および下側ハウジング11の各内側面(主面)と反対の面を、「外側面」と呼ぶ。
【0025】
突起部11Aが、下側ハウジング11の上側長辺部に設けられ、各突起部11Aは、下側ハウジング11の内側面(主面)11Bに対して垂直(図1のz方向)に突出している。突起部(軸受け)21Aが、上側ハウジング21の下側短辺部に設けれ、当該突起部21Aは、上側ハウジング21の下側面から、上側ハウジング21の下側面に対して垂直に突出している。突起部11Aおよび21A内には、例えば、回転軸(図示せず)が、収容され、一方の突起部11Aから突起部21Aを介して他方の突起部11Aへとx方向に延在している。上側ハウジング21は、下側ハウジング11に対して回転軸を中心に回転自在である。よって、下側ハウジング11および上側ハウジング21は、折り畳み可能な様式で連結している。
【0026】
図1に示す下側ハウジング11の内側面11Bは、下側液晶表示装置(LCD)12と、タッチパネル13と、操作ボタン14A〜14Lと、アナログスティック15と、第1LED16Aと、第4LED16Dと、マイクロフォン用孔18とを含む。
【0027】
下側LCD12は、下側ハウジング11に収容される。下側LCD12の平面形状は、横長の長方形であり、下側LCD12の長辺方向が下側ハウジング11の長手方向(図1のx方向)に一致するように配置される。下側LCD12は、下側ハウジング11の内側面(主面)の中心に設けられる。下側LCD12の画面は、下側ハウジング11の内側面の開口を介して露出される。ゲーム装置10は、用いられない場合、閉状態であり、それによって、下側LCD12の画面が汚れたり損傷したりするのが防止される。一例として、下側LCD12の画素数は、320dot×240dot(横×縦)である。後述する上側LCD22と異なり、下側LCD12は、平面的な様式で(立体視可能な様式ではなく)画像を表示する表示装置である。なお、LCDが、第1の実施形態では表示装置として用いられるが、エレクトロルミネッセンス(EL)を用いる表示装置等の他の任意の表示装置が用いられてもよい。さらに、所望の解像度を有する表示装置が、下側LCD12として用いられてもよい。
【0028】
タッチパネル13は、ゲーム装置10の入力装置の1つである。タッチパネル13は、下側LCD12の画面を覆うように装着されている。第1の実施形態では、タッチパネル13は、抵抗膜方式タッチパネルでもよいが、それには限定されない。タッチパネルは、静電容量方式等、任意の加圧方式のタッチパネルであってもよい。第1の実施形態では、タッチパネル13は、下側LCD12と解像度と同じ解像度(検出精度)を有する。しかしながら、タッチパネル13および下側LCD12の解像度は、必ずしも一致している必要ははい。
【0029】
操作ボタン14A〜14Lは、それぞれ、所定の入力を提供するための入力装置である。操作ボタン14A〜14Lのうち、十字ボタン14A(方向入力ボタン14A)、ボタン14B、ボタン14C、ボタン14D、ボタン14E、電源ボタン14F、セレクトボタン14J、ホームボタン14Kおよびスタートボタン14Lは、下側ハウジング11の内側面(主面)に設けられる。
【0030】
十字ボタン14Aは、十字形状であり、かつ、少なくとも上方向、下方向、左方向および右方向をそれぞれを示すボタンを備える。十字ボタン14Aは、下側LCD12の左の領域の下側領域に設けられる。十字ボタン14Aは、下側ハウジング11を保持している左手の親指によって操作されるように配置される。
【0031】
ボタン14B、ボタン14C、ボタン14Dおよびボタン14Eは、下側LCD12の右の領域の上側部分に十字状に配置される。ボタン14B、ボタン14C、ボタン14Dおよびボタン14Eは、下側ハウジング11を保持している右手の親指が自然に置かれる箇所に配置される。電源ボタン14Fは、下側LCD12の右の領域の下側部分に配置される。
【0032】
セレクトボタン14J、ホームボタン14Kおよびスタートボタン14Lは、下側LCD12の下側領域に設けられる。ボタン14A〜14E、セレクトボタン14J、ホームボタン14Kおよびスタートボタン14Lは、ゲーム装置10によって実行されるプログラムに従って、それぞれ機能が適宜割り当てられる。十字ボタン14Aは、例えば、ゲーム中でのキャラクタの選択操作および移動操作のために用いられる。操作ボタン14B〜14Eは、例えば、決定操作または取消操作のために用いられる。電源ボタン14Fは、ゲーム装置10の電源をオン/オフするために用いられ得る。別の実施形態では、電源ボタン14Fは、省電力を目的とするスリープモードになるようにゲーム装置10に指示するために用いられ得る。
【0033】
アナログスティック15は方向を指示するための装置である。アナログスティック15は、下側ハウジング11の内側面(主面)の、下側LCD12の左の領域の上側部分に設けられる。すなわち、アナログスティック15は、十字ボタン14Aの上側に設けられる。アナログスティック15は、下側ハウジング11を保持している左手の親指によって操作されるように配置される。上側領域にアナログスティック15を設けることによって、アナログスティック15は、下側ハウジング11を保持しているユーザの左手の親指が自然に置かれる位置に配置されることになる。十字ボタン14Aは、下側ハウジング11を保持している左手の親指がわずかに下に移動した位置に配置される。これによって、ユーザは、下側ハウジング11を保持している左手の親指を上下に動かすことによって、アナログスティック15と十字ボタン14Aを操作できるようになる。アナログスティック15のキートップは、下側ハウジング11の内側面に平行にスライドするように構成される。アナログスティック15は、ゲーム装置10によって実行されるプログラムに従って機能する。例えば、ゲーム装置10が、所定のオブジェクトが3次元仮想空間に登場するゲームを実行する場合、アナログスティック15は、3次元仮想空間内で当該所定のオブジェクトを移動させるための入力装置として機能する。この場合、所定のオブジェクトは、アナログスティック15のキートップがスライドした方向に動かされる。なお、アナログスティック15は、上方向、下方向、右方向、左方向および斜め方向のいずれかの方向に所定量だけ傾倒されることによって、アナログ入力を提供可能な部品であってもよい。
【0034】
なお、4つのボタン、つまり、ボタン14B、ボタン14C、ボタン14Dおよびボタン14Eならびにアナログスティック15は、下側LCD12に対して互いに対称となるように配置される。これによって、例えば、左利きの人が、ゲームプログラムによって、これら4つのボタン、つまり、ボタン14B、ボタン14C、ボタン14Dおよびボタン14Eを用いて方向指示入力を提供できるようにもなる。
【0035】
第1LED16A(図1)は、ユーザに、ゲーム装置10の電源のON/OFF状況を通知する。第1LED16Aは、下側ハウジング11の内側面(主面)と下側ハウジング11の下側面に共有される端部の右部分に設けられる。これによって、ユーザは、ゲーム装置10の開/閉状態に関わらず、第1LED16Aが点灯しているか否かを見ることができる。第4LED16D(図1)は、ユーザに、ゲーム装置10が充電中であることを通知し、第1LED16Aの近傍に配置される。
【0036】
マイクロフォン用孔18は、音声入力装置としてゲーム装置10に内蔵されるマイクロフォン用の孔ある。内蔵マイクロフォンおよびマイクロフォン用孔18は、下側ハウジング11の内側面(主面)上の電源ボタン14Fの下側に設けられる。
【0037】
下側ハウジング11の上側面は、タッチペン28用の開口17(図1および3Dに示す点線)を含む。開口17は、タッチパネル13に対する操作を行うために用いられるタッチペン28を収容可能である。なお、通常、入力が、タッチペン28を用いて、タッチパネル13に提供される。しかしながら、タッチパネル13は、タッチペン28だけでなくユーザの指によっても操作され得る。
【0038】
下側ハウジング11の上側面は、ゲームプログラムを記憶している外部メモリ45が挿入される挿入口11D(図1および3Dに示す点線)を含む。挿入口11D内には、コネクタ(図示せず)が、取り外し可能な様式でゲーム装置10と外部メモリ45とを電気的に接続するために設けられる。外部メモリ45のゲーム装置10への接続によって、内部回路に含まれるプロセッサが、所定のゲームプログラムを実行できる。なお、コネクタおよび挿入口11Dは、下側ハウジング11の他の面(例えば、右側面)に設けられてもよい。
【0039】
図1に示す上側ハウジング21の内側面21Bは、スピーカ用孔21Eと、上側LCD22と、内側撮像部24と、3D調整スイッチ25と、3Dインジケータ26とを含む。内側撮像部24は、第1撮像装置の一例である。
【0040】
上側LCD22は、立体視可能な画像を表示可能な表示装置である。上側LCD22は、略同一の表示領域を用いて、左眼用画像と右眼用画像を表示可能である。具体的には、上側LCD22は、左眼用画像と右眼用画像が所定単位で(例えば、1列ずつ)横方向に交互に表示される方式を用いる表示装置である。なお、上側LCD22は、左眼用画像と右眼用画像が、所定時間、交互に表示される方式を用いる表示装置であってもよい。さらに、上側LCD22は、裸眼で立体視可能な画像を表示可能な表示装置である。この場合、レンチキュラー方式の表示装置またはパララックスバリア方式の表示装置が、横方向に交互に表示される左眼用画像と右眼用画像が左眼と右眼で別々に視認され得るように、用いられる。第1の実施形態では、上側LCD22は、パララックスバリア方式の表示装置である。上側LCD22は、右眼用画像と左眼用画像を用いて、裸眼で立体視可能な画像(立体画像)を表示する。すなわち、上側LCD22は、視差バリアを用いて、ユーザに、ユーザの左眼で左眼用画像をユーザの右眼で右眼用画像を視認させる。これによって、立体感をユーザに与える立体画像(立体視可能な画像)を表示可能となる。さらに、上側LCD22は、上記視差バリアを無効にすることが可能である。視差バリアを無効にする場合、上側LCD22は、画像を平面的な様式で表示可能である(上側LCD22は、上記の立体視可能な画像とは反対に、平面視画像を表示可能である。これは、同一の表示画像が左眼と右眼の両方で視認され得る表示モードである。)。よって、上側LCD22は、立体視可能な画像を表示するための立体表示モードと画像を平面的な様式で表示する(平面視画像を表示する)ための平面表示モードとの間で切り替え可能な表示装置である。表示モードの切り替えは、後述の3D調整スイッチ25によって行われる。
【0041】
上側LCD22は、上側ハウジング21に収容される。上側LCD22の平面形状は、横長の長方形であり、上側LCD22の長辺方向が上側ハウジング21の長辺方向に一致するように、上側ハウジング21の中心に配置される。一例として、上側LCD22の画面の面積は、下側LCD12より大きく設定される。具体的には、上側LCD22の画面は、下側LCD12の画面より横方向に長く設定される。すなわち、上側LCD22の画面のアスペクト比における幅の割合は、下側LCD12より大きく設定される。上側LCD22の画面は、上側ハウジング21の内側面(主面)21Bに設けられ、上側ハウジング21の内側面の開口を介して露出される。さらに、上側ハウジング21の内側面は、透明な画面カバー27によって覆われる。画面カバー27は、上側LCD22の画面を保護し、上側LCD22と上側ハウジング21の内側面を一体化させ、それによって、単一性をもたらす。一例として、上側LCD22の画素数は、800dot×240dot(横×縦)である。なお、LCDが、第1の実施形態では上側LCD22として用いられる。しかしながら、上側LCD22は、これには限定されず、ELを用いる表示装置等が用いられてもよい。さらに、任意の解像度を有する表示装置が、上側LCD22として用いられてもよい。
【0042】
スピーカ用孔21Eは、ゲーム装置10の音声出力装置として機能するスピーカ44からの音声が出力される孔である。スピーカ用孔21Eは、上側LCDに対して対称となるように配置される。後述のスピーカ44からの音声は、スピーカ用孔21Eを通って出力される。
【0043】
内側撮像部24は、撮像方向を、上側ハウジング21の内側面21Bの内側法線方向と同じ方向とする撮像部として機能する。内側撮像部24は、所定の解像度を有する撮像素子とレンズとを備える。レンズは、ズーム機構を有するものでもよい。
【0044】
内側撮像部24は、上側ハウジング21の内側面21B上で、上側LCD22の画面の上端の上側で、かつ、左右方向の上側ハウジング21の中心に(上側ハウジング21(上側LCD22の画面)を左右に2等分する線上に)配置される。内側撮像部24をそのように配置することによって、ユーザが上側LCD22を正面から見たとき、内側撮像部24が、ユーザの顔を正面から撮像可能となる。左外側撮像部23aと右外側撮像部23bについては、後述する。
【0045】
3D調整スイッチ25は、スライドスイッチであり、上記のように上側LCD22の表示モードを切り替えるために用いられる。また、3D調整スイッチ25は、上側LCD22に表示された立体視可能な画像(立体画像)の立体感を調整するために用いられる。3D調整スイッチ25は、ゲーム装置10の開/閉状態に関わらずユーザに見えるように、上側ハウジング21の内側面と右側面によって共有される端部に設けられる。3D調整スイッチ25は、所定の方向(例えば、上下方向)の任意の位置にスライド可能なスライダを備え、上側LCD22の表示モードが、当該スライダの位置に応じて設定される。
【0046】
例えば、3D調整スイッチ25のスライダが最下点位置に位置する場合、上側LCD22は平面表示モードに設定され、平面画像が上側LCD22の画面に表示される。なお、上側LCD22が立体表示モードに設定され、よって平面表示を行う間、同一の画像が、左眼用画像と右眼用画像として用いられてもよい。他方、スライダが、最下点位置より上に位置する場合、上側LCD22は立体表示モードに設定される。この場合、立体視可能な画像が、上側LCD22の画面に表示される。スライダが、最下点位置より上に位置する場合、立体画像の視認性が、スライダの位置に応じて調整される。具体的には、右眼用画像の位置および左眼用画像位置の横方向のずれ量が、スライダの位置に応じて、調整される。
【0047】
3Dインジケータ26は、上側LCD22が立体表示モードであるか否かを示す。例えば、3Dインジケータ26は、LEDであり、上側LCD22の立体表示モードが有効の場合に点灯する。3Dインジケータ26は、上側LCD22の画面の近傍の上側ハウジング21の内側面21Bに配置される。したがって、ユーザが上側LCD22の画面を正面から見る場合、ユーザは、3Dインジケータ26を容易に視認可能である。これによって、ユーザは、上側LCD22の画面を見ている際であっても、上側LCD22の表示モードを容易に確認できる。
【0048】
図2は、開状態のゲーム装置10の一例を示す右側面図である。下側ハウジング11の右側面は、第2LED16Bと、無線スイッチ19と、Rボタン14Hとを含む。第2LED16Bは、ユーザに、ゲーム装置10の無線通信の確立状況を通知する。ゲーム装置10は、他の機器と無線通信可能であり、第2LED16Bは、ゲーム装置10と他の機器との間で無線通信が確立している場合に点灯する。ゲーム装置10は、例えば、IEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANとの接続を確立する機能を有する。無線スイッチ19は、この無線通信の機能を有効/無効にする。Rボタン14Hについては、後述する。
【0049】
図3Aは、閉まっている(閉状態の)ゲーム装置10の一例を示す左側面図である。図3Aに示す下側ハウジング11の左側面は、開閉可能なカバー部11Cと、Lボタン14Hと、音量ボタン14Iとを含む。音量ボタン14Iは、ゲーム装置10のスピーカの音量を調整するために用いられる。
【0050】
カバー部11C内には、コネクタ(図示せず)が、ゲーム装置10とデータ保存用外部メモリ46とを電気的に接続するために設けられる(図1参照)。データ保存用外部メモリ46は、コネクタに取り外し可能に装着される。データ保存用外部メモリ46は、例えば、ゲーム装置10によって撮像された画像のデータを記憶(保存)するために用いられる。なお、コネクタとカバー部11Cは、下側ハウジング11の右側面に設けられてもよい。Lボタン14Gについては、後述する。
【0051】
図3Bは、閉状態のゲーム装置10の一例を示す正面図である。図3Bに示す上側ハウジング21の外側面は、左外側撮像部23aと、右外側撮像部23bと、第3LED16Cとを含む。
【0052】
左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bはそれぞれ、所定の共通の解像度を有する撮像素子(例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ)とレンズとを備える。レンズは、ズーム機構を有するものでもよい。左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bの撮像方向(カメラの光軸)は、それぞれ、外側面21Dの外側法線方向と同じ方向である。すなわち、左外側撮像部23aの撮像方向および右外側撮像部23bの撮像方向は、互いに平行である。以下、左外側撮像部23aと右外側撮像部23bを、総称して「外側撮像部23」と呼ぶ。外側撮像部23は、第2撮像装置の一例である。
【0053】
外側撮像部23に含まれる左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bは、上側LCD22の画面の横方向に沿って配置される。すなわち、左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bは、左外側撮像部23aと右外側撮像部23bとを結ぶ直線が上側LCD22の画面の横方向に沿って位置するように、配置される。ユーザが、上側ハウジング21を下側ハウジング11に対して所定の角度(例えば、90°)に枢動させ、上側LCD22の画面を正面から見る場合、左外側撮像部23aは、画面を見ているユーザの左側に位置し、右外側撮像部23bは、ユーザの右側に位置する(図1参照)。左外側撮像部23aと右外側撮像部23bとの距離は、人の両眼の距離に対応するように設定され、例えば、30mm〜70mmの範囲に設定されてもよい。但し、左外側撮像部23aと右外側撮像部23bとの距離は、この範囲に限定されない。なお、第1の実施形態では、左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bは、ハウジング21に固定され、したがって、撮像方向は変更され得ない。
【0054】
左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bは、上側LCD22(上側ハウジング21)を左右に2等分する線に対して対称になるように配置される。さらに、左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bは、上側ハウジング21が開いた状態において、上側ハウジング21の上側部分に、かつ、上側LCD22の画面の上端より上の部分の裏側に、設けられる(図1参照)。すなわち、左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bは、上側ハウジング21の外側面に配置され、もし上側LCD22が上側ハウジング21の外側面上で突出する場合、突出する上側LCD22の画面の上端より上に配置される。
【0055】
よって、外側撮像部23の左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bは、横断方向に延在する上側LCD22の中央線に対して対称になるように配置される。これによって、ユーザが上側LCD22を正面から見る場合、外側撮像部23の撮像方向がユーザの右眼と左眼の各視線の方向に一致し得る。また、外側撮像部23は、上側LCD22の画面の上端よりも上の部分の裏側に配置され、したがって、外側撮像部23および上側LCD22は、上側ハウジング21の内部で、互いに干渉しない。さらに、図3Bの点線によって示すように、上側ハウジング21の内側面に設けられた内側撮像部24が、上側ハウジング21の外側面上で突出する場合、左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bは、突出する内側撮像部24に対して対称になるように配置される。これによって、外側撮像部23が上側LCD22の画面の裏側に配置される場合、または外側撮像部23が内側撮像部24の裏側に配置される場合と比較して、上側ハウジング21の厚さを低減できる。
【0056】
左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bは、ゲーム装置10に実行されるプログラムによって、ステレオカメラとして用いられ得る。代替的に、プログラムによって、外側撮像部23が非ステレオカメラとしても用いられ得るように、2つの外側撮像部(左外側撮像部23aと右外側撮像部23b)のいずれか一方が、単独で用いられてもよい。プログラムが、左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23bをステレオカメラとして機能させるために実行される場合、左外側撮像部23aが、ユーザの左眼で視認される左眼用画像を撮像し、右外側撮像部23bが、ユーザの右眼で視認される右眼用画像を撮像する。さらに代替的に、プログラムによって、2つの外側撮像部(左外側撮像部23aおよび右外側撮像部23b)によって撮像された画像が、合成されてもよく、またお互いを補完するように用いられてもよく、それによって、広がった撮像範囲で撮像を行われ得る。さらに代替的に、視差を有する左眼用画像と右眼用画像が、外側撮像部23aおよび23bの一方を用いて撮像された1つの画像から生成されてもよく、擬立体画像が、まるで2つのカメラから撮像されたかのごとく生成され得る。擬立体画像を生成するために、仮想カメラ間の距離を適宜設定可能である。
【0057】
第3LED16Cは、外側撮像部23が動作中の場合、点灯し、外側撮像部23が動作中であることを通知する。第3LED16Cは、上側ハウジング21の外側面上の外側撮像部23近傍に設けられる。
【0058】
図3Cは、閉状態のゲーム装置10の一例を示す右側面図である。図3Dは、閉状態のゲーム装置10の一例を示す背面図である。
【0059】
Lボタン14GおよびRボタン14Hは、図3Dに示す下側ハウジング11の上側面に設けられる。Lボタン14Gは、下側ハウジング11の上側面の左端部に設けられ、Rボタン14Hは、下側ハウジング11の上側面の右端部に設けられる。Lボタン14GおよびRボタン14Hは、ゲーム装置10によって実行されるプログラムに従って、それぞれ機能が適宜割り当てられる。例えば、Lボタン14GおよびRボタン14Hは、上記の撮像部のシャッターボタン(撮像指示ボタン)として機能する。
【0060】
なお、図示しないが、ゲーム装置10の電源として機能する充電式電池が、下側ハウジング11に収容され、当該電池は、下側ハウジング11の側面(例えば、上側面)に設けられた端子を介して充電され得る。
【0061】
図4は、ゲーム装置10の内部構成の一例を示すブロック図である。ゲーム装置10は、上記の各部品に加えて、情報処理部31、メインメモリ32、外部メモリインターフェイス(外部メモリI/F)33、データ保存用外部メモリI/F34、データ保存用内部メモリ35、無線通信モジュール36、ローカル通信モジュール37、リアルタイムクロック(RTC)38、加速度センサ39、角速度センサ40、電源回路41、インターフェース回路(I/F回路)42等の電子部品を備えている。これらの電子部品は、電子回路基板上に実装され、下側ハウジング11に収容されているが、上側ハウジング21に収容されてもよい。
【0062】
情報処理部31は、所定のプログラムを実行する中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)311、画像処理を行うグラフィックスプロセッシングユニット(Graphics Processing Unit:GPU)312等を含む情報処理手段である。第1の実施形態では、所定のプログラムが、ゲーム装置10に含まれるメモリ(例えば、外部メモリI/F33に接続された外部メモリ45、またはデータ保存用内部メモリ35)に記憶されている。情報処理部31のCPU311は、この所定のプログラムを実行することによって、後述の画像処理またはゲーム処理を行う。なお、情報処理部31のCPU311によって実行されるプログラムは、他の機器から、当該他の機器との通信によって、取得されてもよい。情報処理部31は、さらにビデオRAM(video RAM:VRAM)313を含む。情報処理部31のGPU312は、情報処理部31のCPU311からの命令に応じて画像を生成し、VRAM313に当該画像を描画する。情報処理部31のGPU312は、VRAM313に描画された画像を上側LCD22および/または下側LCD12に出力し、当該画像が上側LCD22および/または下側LCD12に表示される。
【0063】
情報処理部31には、メインメモリ32、外部メモリI/F33、データ保存用外部メモリI/F34およびデータ保存用内部メモリ35が接続される。外部メモリI/F33は、外部メモリ45との取り外し可能な接続を確立するためのインターフェースである。データ保存用外部メモリI/F34は、データ保存用外部メモリ46との取り外し可能な接続を確立するためのインターフェースである。
【0064】
メインメモリ32は、情報処理部31(CPU311)のワーク領域またはバッファ領域として用いられる揮発性の記憶手段である。すなわち、メインメモリ32は、画像処理またはゲーム処理で用いられる各種データを一時的に記憶したり、ゲーム装置10の外部(外部メモリ45、他の機器等)から取得されるプログラムを一時的に記憶したりする。第1の実施形態では、メインメモリ32は、例えば、疑似SRAM(pseudo SRAM:PSRAM)である。
【0065】
外部メモリ45は、情報処理部31によって実行されるプログラムを記憶するための不揮発性の記憶手段である。外部メモリ45は、例えば読み取り専用の半導体メモリで構成される。外部メモリ45が外部メモリI/F33に接続されると、情報処理部31は、外部メモリ45に記憶されたプログラムを読み込むことができる。情報処理部31に読み込まれたプログラムの実行に従って、所定の処理が行われる。データ保存用外部メモリ46は、不揮発性の読み書き可能なメモリ(例えば、NAND型フラッシュメモリ)で構成され、所定のデータを記憶するために用いられる。例えば、データ保存用外部メモリ46は、外側撮像部23で撮像された画像および/または他の機器で撮像された画像を記憶する。データ保存用外部メモリ46がデータ保存用外部メモリI/F34に接続されると、情報処理部31は、データ保存用外部メモリ46に記憶された画像を読み込み、当該画像が、上側LCD22および/または下側LCD12に表示され得る。
【0066】
データ保存用内部メモリ35は、読み書き可能な不揮発性メモリ(例えば、NAND型フラッシュメモリ)で構成され、所定のデータを記憶するために用いられる。例えば、データ保存用内部メモリ35は、無線通信モジュール36を介した無線通信によってダウンロードされたデータおよび/またはプログラムを記憶する。
【0067】
無線通信モジュール36は、例えばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANへの接続を確立する機能を有する。さらに、ローカル通信モジュール37は、所定の通信方式(例えば、赤外線通信)により同種の他のゲーム装置と無線通信を行う機能を有する。無線通信モジュール36およびローカル通信モジュール37は、情報処理部31に接続される。情報処理部31は、無線通信モジュール36を用いてインターネットを介して他の機器との間でデータを送受信したり、ローカル通信モジュール37を用いて同種の他のゲーム装置との間でデータを送受信したりすることができる。
【0068】
加速度センサ39は、情報処理部31に接続される。加速度センサ39は、それぞれ3軸(本実施形態では、xyz軸)方向に沿った直線方向の加速度(直線加速度)の大きさを検出できる。加速度センサ39は、例えば下側ハウジング11内に設けられる。図1に示すように、下側ハウジング11の長辺方向は、x軸方向として定義され、下側ハウジング11の短辺方向は、y軸方向として定義され、下側ハウジング11の内側面(主面)に垂直な方向は、z軸方向として定義される。加速度センサ39は、よって、各軸方向に生じる直線加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ39は、例えば、静電容量式の加速度センサであるが、他の方式の加速度センサであってもよい。さらに、加速度センサ39は、1軸方向の加速度または2軸方向の加速度を検出するための加速度センサであってもよい。情報処理部31は、加速度センサ39によって検出された加速度を示すデータ(加速度データ)を受信して、ゲーム装置10の向きおよび動きを計算する。
【0069】
ジャイロスコープセンサ等の角速度センサ40は、情報処理部31に接続される。角速度センサ40は、ゲーム装置10の3軸(本実施例では、xyz軸)周りに生じる角速度をそれぞれ検出し、検出した角速度を示すデータ(角速度データ)を情報処理部31へ出力する。角速度センサ40は、例えば下側ハウジング11内に設けられる。情報処理部31は、角速度センサ40から出力された角速度データを受信して、ゲーム装置10の向きおよび動きを計算する。
【0070】
RTC38および電源回路41は、情報処理部31に接続される。RTC38は、時間をカウントして、カウントした時間を情報処理部31に出力する。情報処理部31は、RTC38によってカウントされた時間に基づき現在時刻(日付)を計算する。電源回路41は、ゲーム装置10の電源(下側ハウジング11に収容される上記充電式電池)からの電力を制御し、ゲーム装置10の各部品に電力を供給する。
【0071】
I/F回路42は、情報処理部31に接続される。I/F回路42には、マイク43、スピーカ44、およびタッチパネル13が接続される。具体的には、I/F回路42には、図示しないアンプを介してスピーカ44が接続される。マイク43は、ユーザからの音声を検知して音声信号をI/F回路42に出力する。アンプは、I/F回路42からの音声信号を増幅し、音声をスピーカ44から出力させる。I/F回路42は、マイク43およびスピーカ44(アンプ)を制御する音声制御回路と、タッチパネル13を制御するタッチパネル制御回路とを含む。例えば、音声制御回路は、音声信号に対してA/D変換およびD/A変換を行ったり、音声信号を所定の形式の音声データに変換したりする。タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号に基づいて、所定の形式のタッチ位置データを生成し、当該タッチ位置データを情報処理部31に出力する。タッチ位置データは、タッチパネル13の入力面における入力が提供された位置(タッチ位置)の座標を示すデータである。なお、タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号の読み込みと、タッチ位置データの生成とを、所定時間に1回行う。情報処理部31は、タッチ位置データを取得することにより、タッチパネル13において入力が提供されたタッチ位置を認識する。
【0072】
操作ボタン14は、上記の操作ボタン14A〜14Lを含み、情報処理部31に接続される。操作データが、操作ボタン14から情報処理部31へ出力され、当該操作データは、各操作ボタン14A〜14Iに提供された入力の状況(操作ボタン14A〜14Iが押下されたか否か)を示すものである。情報処理部31は、操作ボタン14から操作データを取得することによって、操作ボタン14に提供された入力に応じた処理を行う。
【0073】
下側LCD12および上側LCD22は、情報処理部31に接続される。下側LCD12および上側LCD22は、それぞれ、情報処理部31(GPU312)からの指示に従って画像を表示する。第1の実施形態では、情報処理部31は、手描き画像入力操作のための画像を下側LCD12に表示させ、外側撮像部23および内側撮像部24のいずれか一方から取得された画像を上側LCD22に表示させる。すなわち、例えば、情報処理部31は、例えば、内側撮像部24によって撮像された右眼用画像および左眼用画像を用いて、立体画像(立体視可能な画像)を上側LCD22に表示させ、または外側撮像部23によって撮像された右眼用画像および左眼用画像の一方を用いて、平面画像を上側LCD22に表示させる。
【0074】
具体的には、情報処理部31は、上側LCD22のLCDコントローラ(図示せず)に接続され、当該LCDコントローラに対して視差バリアのON/OFFを設定する。上側LCD22において視差バリアがONになっている場合、情報処理部31のVRAM313に記憶された(外側撮像部23によって撮像された)右眼用画像および左眼用画像が、上側LCD22に出力される。より具体的には、LCDコントローラは、縦方向に1ライン分の右眼用画像の画素データの読み出しと、縦方向に1ライン分の左眼用画像の画素データの読み出しとを交互に繰り返すことによって、VRAM313から右眼用画像および左眼用画像を読み出す。これにより、右眼用画像および左眼用画像は、それぞれ、縦方向に並んだ1ラインの画素を各有する短冊状画像に分割され、分割された右眼用短冊状画像および左眼用短冊状画像が交互に配置された画像が、上側LCD22の画面に表示される。ユーザが上側LCD22の視差バリアを介して当該画像を視認することによって、ユーザの右眼に右眼用画像が、ユーザの左眼に左眼用画像が視認される。これにより、立体視可能な画像が、上側LCD22の画面に表示される。
【0075】
外側撮像部23および内側撮像部24は、情報処理部31に接続される。外側撮像部23および内側撮像部24は、それぞれ、情報処理部31からの指示に従って画像を撮像し、当該撮像画像のデータを情報処理部31に出力する。第1の実施形態では、情報処理部31は、外側撮像部23および内側撮像部24のいずれか一方に、画像を撮像する指示を与え、当該指示を受けた撮像部は、画像を撮像し、当該撮像画像のデータを情報処理部31に送信する。具体的には、ユーザは、タッチパネル13および操作ボタン14を用いた操作によって、使用する撮像部を選択する。情報処理部31(CPU311)は、撮像部が選択されたことを検出し、そして、外側撮像部23および内側撮像部24のうちの選択された方に、画像を撮像する指示を与える。
【0076】
情報処理部31(CPU311)からの指示によって開始される際、外側撮像部23および内側撮像部24は、例えば毎秒60画像の速度で、撮像を行う。外側撮像部23および内側撮像部24によって撮像された撮像画像は、情報処理部31に順次送信され、情報処理部31(GPU312)によって、上側LCD22または下側LCD12に表示される。情報処理部31に出力される際、撮像画像は、VRAM313に記憶され、上側LCD22または下側LCD12に出力され、そして、所定の時間に削除される。よって、画像が、例えば毎秒60画像の速度で撮像され、当該撮像画像が表示されることによって、ゲーム装置10は、外側撮像部23および内側撮像部24の撮像範囲の視界をリアルタイムで下側LCD12または上側LCD22に表示できる。
【0077】
3D調整スイッチ25は、情報処理部31に接続される。3D調整スイッチ25は、スライダの位置に応じた電気信号を、情報処理部31に送信する。
【0078】
3Dインジケータ26は、情報処理部31に接続される。情報処理部31は、3Dインジケータ26を点灯するか否かを制御する。例えば、上側LCD22が立体表示モードである場合、情報処理部31は、3Dインジケータ26を点灯させる。
【0079】
図5は、仮想カメラ自動センタリングシステムのためのアプリケーションフローチャートの一例を示す。このシステムは、S1を開始して、そこでは、仮想カメラが、第1位置に配置され、そして、第1視線方向(viewing direction)(すなわち、視野角(viewing angle)または表示方向(viewing orientation))を有するように配置される。その位置は、ゲームプレイのデフォルト位置であり得る。例えば、プレイヤキャラクタがゲーム装置10の表示上での位置を移動させる際に、その仮想カメラは、三人称視点で当該プレイヤキャラクタを視界内に捉えるためのデフォルトの視界を有し得る。
【0080】
第1位置に仮想カメラを配置した後、上記システムは、S2に進み、そこで、当該仮想カメラの位置および角度を変更する必要があるか否かを判定する。この実施形態には限定されないが、このシステムは、ゲーム状態における特定の変化またはプレイヤによる入力に基づいて、その仮想カメラを移動させる必要があるか否かを判定する。例えば、プレイヤキャラクタは、画面上で、他のオブジェクトと相互に作用し始め、それによって、そのシステムが「自由表示」(free viewing)状態に入り得る。その状態では、ユーザは、例えばゲーム装置10を移動または傾動させたりすることによって、仮想カメラを移動できる。別の例では、ユーザは、ボタンまたは十字スイッチを押すことによって、そのシステムを「自由表示」状態に入らせることもできる。
【0081】
上記システムは、「自由表示」状態に入ったと判定すると、S3に進み、そこで、動作制御装置からの測定された出力を処理する。例示的な実施形態では、そのシステムは、ゲーム装置10内のジャイロスコープセンサ(例示的な角速度センサ)により回転動作の角速さ(angular rate)を測定する。別の実施形態では、そのシステムは、1つ以上の加速度計からの出力を測定する。回転動作の角速さを測定すると、当該システムは、以下にさらに記載するように、当該回転動作の角速さに基づいて、仮想カメラを移動させる。
【0082】
ステップS3では、ゲーム装置10の回転動作の速さが、ゲーム装置10に含まれるジャイロスコープ等の角速度センサ40によって、検出される。角速度センサ40は、ゲーム装置10の回転の角速さ(すなわち、角速度)を測定し得る。上記システムは、これらの測定を用いて、ゲーム装置10の角度方向(すなわち、角度位置)の変化を測定し得る。例えば、回転の角速さ(すなわち、角速度)を知ることによって、そのシステムは、数学的な計算を行うことによって、角度位置の変化も測定し得る。したがって、そのシステムは、回転の検出された角速さまたは角度位置の算出された変化のいずれかを用いて、ゲーム装置10の向きを測定し得る。
【0083】
動作制御装置からの出力を測定した後、上記システムは、S4に進み、そこで、仮想カメラの位置および方向(すなわち、視野角または表示方向)を移動させ始める。例示的な実施形態では、仮想カメラは、そのシステム内のジャイロスコープセンサによって検出された回転動作の角速さに直線的に対応するように移動する。例えば、仮に、ゲーム装置10が、上側ハウジング21Bがプレイヤに向かって移動するように、当該上側ハウジングが上向けて傾動された場合、仮想カメラは、下の位置に移動し、当該仮想カメラの視線方向は、上を向く。すなわち、仮想カメラは、プレイヤキャラクタの「眼の高さ」の視野よりも下側の新たな位置に移動し、かつ、「底面」側からそのプレイヤキャラクタを視界内に捉えるように、上を向く(すなわち、上を向く方向を有する)。
【0084】
上記システムがS4で仮想カメラを移動させ始めると、当該システムは、S5に進み、そこで、プレイヤキャラクタが当該仮想カメラの視野の実質的な中心位置にくるように、当該仮想カメラの視界を同時に変更する。すなわち、仮想カメラがそのプレイヤキャラクタの周りを動きつつ、第1オブジェクトは、当該仮想カメラの表示の中心にとどまる。ある意味、仮想カメラは、そのプレイヤキャラクタを中心に移動する。このように、そのプレイヤキャラクタは、仮想カメラが位置および視線方向を変えると、当該仮想カメラの視点とした際の視野の実質的な中心にとどまる。
【0085】
よって、ステップS1にて第1位置に配置され第1視線方向を有する仮想カメラで生成された表示画像が、プレイヤキャラクタをその中心に含み得る。角速度センサによって測定されたゲーム装置10の角速度の結果、仮想カメラが第1位置および第1視線方向から変更されると、続いて表示される画像が生成される。しかしながら、たとえ仮想カメラの位置および視線方向が変更されても、そのプレイヤキャラクタは、本明細書に記載の自動修正によって、続いて表示された画像における同じ位置(すなわち、画像の中心)にとどまる。
【0086】
上記プレイヤキャラクタを、その仮想カメラを視点とした際の視野の中心に保持しながら(よって、プレイヤキャラクタを動画の中心に保持しながら)当該仮想カメラが第2位置に移動すると、上記システムは、S6に進み、そこで、当該仮想カメラは移動し続ける必要があるか否かを判定する。例えば、プレイヤは、ゲーム装置10を移動または傾動させ続けることによって、仮想カメラを、移動し続けるように要求し得る。仮に、そのシステムが、仮想カメラは移動し続ける必要があると判定した場合、当該システムは、S3に戻り、そこで、当該システムは、当該仮想カメラは動き続ける必要がないと判定するまで、S3からS6までを繰り返す。
【0087】
上記システムは、仮想カメラは動き続ける必要がないと判定すると、S7に進み、そこで、当該仮想カメラが第2位置に配置される。例えば、ユーザが、その装置の移動または傾動をやめたり(すなわち、角速度が、現時点で「0」となる)、またはゲーム状態が、仮想カメラが「自由表示」モードではない状態に変わる場合がある。仮想カメラは、プレイヤが自由表示モード中に再びゲーム装置10を動かし始めるまで、第2位置にとどまる。仮に、プレイヤが「自由表示」モードではない場合、そのシステムは、必要に応じて、仮想カメラをデフォルト状態に戻し得るか、または当該仮想カメラの位置および角度を変更し得ると理解されるべきである。
【0088】
図6は、ゲーム装置10が第1位置に保持されている例示的な実施形態の図を示す。この例では、プレイヤキャラクタPCが、右に向いて立っていて、仮想カメラは、当該プレイヤキャラクタと「同じ高さ」(level)にある。この例では、プレイヤキャラクタPCは、懐中電灯をオブジェクトOBJに当てている。図6からも理解され得るように、この例のオブジェクトOBJは、箱である。この例では、仮想カメラがそのプレイヤキャラクタと「同じ高さ」に配置され、ゲーム装置10の角度位置の変化に基づいて移動すると理解されるべきである。すなわち、ゲーム装置10が「水平」でなくても(すなわち、わずかに傾いていても)、仮想カメラは、ゲーム装置10の現在の向きではなく、角速度センサ40によって測定された回転動作の角速さに基づいて、自身の位置を変える。
【0089】
この例では、プレイヤキャラクタPCがオブジェクトOBJと相互に作用しようとしている。この実施形態には限定されないが、プレイヤキャラクタPCがオブジェクトOBJと相互に作用すると、上記システムは、角速度センサ40によって測定されたゲーム装置10の回転動作の角速さに基づいて、仮想カメラVCを移動させ始める。
【0090】
図7は、プレイヤキャラクタPCがオブジェクトOBJと相互に作用しながら、ゲーム装置10が動かされる一例の図を示す。この例では、ゲーム装置10が、「水平」すなわち「中心」位置から、「右上」位置に動かされる。例えば、上側ハウジング21Bが観察者から離れるように移動し、上側ハウジング21Bの右側部分も、観察者から離れるように移動する。
【0091】
上記で説明したように、ゲーム装置10は、ゲーム装置10の動きの角速度を測定する角速度センサ40を含む。ゲーム装置10は、角速度センサ40によって測定された、動かされたゲーム装置10の角速度の変化に基づいて、仮想カメラVCの位置を変更する。この例では、角速度センサ40は、ゲーム装置10が上方向および右方向に動くと、当該ゲーム装置10の変化を検出する。この例の角速度センサ40は、「左」方向および「下」方向の当該センサの変化を検出する。よって、この例では、仮想カメラの位置は、プレイヤキャラクタPCの右上に位置する。プレイヤキャラクタPCを仮想カメラVCの視界の中心に保持するために、当該仮想カメラVCは、その視界を左下に位置させる(すなわち、視線方向が変わる)。このようにして、仮想カメラVCの視線位置および方向が、プレイヤキャラクタPCを当該仮想カメラVCの視野の実質的な中心に保持しながら、同時にかつ自動的に変わる。
【0092】
図7の例から理解され得るように、仮想カメラVCが第2位置に移動しても、プレイヤキャラクタPCは、三人称視点で当該仮想カメラVCを視点とした際の視野の中心にとどまる。すなわち、仮想カメラVCが移動しても、当該仮想カメラVCがそのプレイヤキャラクタPCを「中心に」移動するように、当該プレイヤキャラクタPCは、当該仮想カメラVCを視点とした際の視野の中心に常にとどまる。すなわち、プレイヤキャラクタPCは、見えない「XYZ」軸の中心にあるように視認され、仮想カメラVCは、その「XYZ」軸がはる3次元仮想空間内で当該プレイヤキャラクタを中心に移動する。これによって、ゲーム装置は、プレイヤキャラクタPCを三人称視点で視界内に捉えながら、当該プレイヤキャラクタPCを、仮想カメラVCを視点とした際の視野の中心に保持できる。よって、プレイヤキャラクタPCは、仮想カメラVCがゲーム装置10の測定された角速度に基づいて移動しても、表示画像の実質的な中心にとどまる。
【0093】
仮想カメラの位置および方向は、ゲーム装置が動く方向と反対の方向に変化してもよいと理解されるべきである。例えば、ゲーム装置10が、上記で説明したように、「上」方向および「右」方向に傾動された場合、仮想カメラVCは、その位置を左下方向に移動させながら、その視界を右上方向に位置させてもよい。このようにして、仮想カメラは、ゲーム装置10が移動または傾動された方向とは反対方向に移動してもよい。
【0094】
図8A〜Cは、本システムの実施形態の例を示す。図8Aは、仮想カメラが「デフォルト」位置すなわち第1位置にある状態を示す。図8Aから理解され得るように、その仮想カメラは、プレイヤキャラクタと「同じ高さ」にある。
【0095】
図8Bは、ゲーム装置10が動かされ「上」に傾動され得る一例を示す。この動作は、角速度センサ40によって測定される。すなわち、ゲーム装置10の上側ハウジング21Bが、プレイヤから離れるように移動する。図8Bから理解され得るように、仮想カメラは、上方向に移動し、上記プレイヤキャラクタを中心に移動するように、当該プレイヤキャラクタを当該仮想カメラを視点とした際の視野の中心に保持する。さらに具体的に、図8Bでは、仮想カメラは、その視野角を下に移動させながら、「上方」に、その初期位置より上側の位置へ移動し、それによって、そのプレイヤキャラクタが、当該仮想カメラを視点とした際の視野の実質的な中心にとどまる。
【0096】
同様に、図8Cは、ゲーム装置10が動かされ「下」方向に傾動され得て、仮想カメラが、上記プレイヤキャラクタを当該仮想カメラの視野の中心に保持しながら、下方向に移動する場合を示す。この動作は、角速度センサ40によって測定される。この例では、ゲーム装置10の上側ハウジング21Bが、プレイヤに向う方向に移動する。図8Cでは、仮想カメラの視野角すなわち視線方向を上方向に移動しながら、当該仮想カメラを「下方向」の位置、かつその仮想カメラの初期位置より下側の位置に移動し、それによって、そのプレイヤキャラクタが、当該仮想カメラを視点とした際の視野の実質的な中心にとどまる。すなわち、図8A〜Cに示された例は、たとえ仮想カメラが、角速度センサ40によって検出されたように移動しても、そのプレイヤキャラクタPCは、実質的に同じ位置(例えば、各画面の中心)にとどまることを示している。
【0097】
図9A〜Cは、本システムの実施形態の別の一連の例を示す。図9Aは、上記プレイヤキャラクタと基本的に「同じ高さ」にある仮想カメラの別の「デフォルト」状態を示す。図9Aでは、そのプレイヤキャラクタは、三人称視点における当該プレイヤキャラクタの側方を見るように向けられている。
【0098】
図9Bは、ゲーム装置10が右上に動かされた一例を示す。この動作は、角速度センサ40によって測定される。図9Bから理解され得るように、仮想カメラは、上記プレイヤキャラクタを当該仮想カメラを視点した際の視野の中心に保持しながら、右上位置に移動する。この例では、上側ハウジング21Bは、ユーザから離れるように移動しつつ、当該上側ハウジング21Bの右側部分もユーザから離れるように移動するが、その左側部分はユーザに向かう方向に移動する。この例では、仮想カメラの位置が「上方」にかつ、そのプレイヤキャラクタの上側に移動し、当該プレイヤキャラクタの右に配置される。それに対応して、仮想カメラの視線方向は、そのプレイヤキャラクタを当該仮想カメラの視野の中心に保持するように、「下方」かつ「左」に向けられる。
【0099】
同様に、図9Cは、ゲーム装置10が、左下に傾動された一例を示す。この動作は、角速度センサ40によって測定される。すなわち、上側ハウジング21Bは、ユーザの方向に向かいつつ、当該上側ハウジング21Bの右側部分がユーザから離れるように移動する。その結果、仮想カメラが、上記プレイヤキャラクタを当該仮想カメラを視点とした際の視野の中心に保持しながら、右下に移動する。この例では、仮想カメラの位置が、「下方」に、かつ、そのプレイヤキャラクタの下側に移動し、当該プレイヤキャラクタの「左」に配置される。それに対応して、そのプレイヤキャラクタを当該仮想カメラの視野の中心に保持するように、その仮想カメラの視線方向は、「上方」かつ「右」に向けられる。すなわち、図9A〜Cに示された例は、たとえ仮想カメラが、角速度センサ40によって検出されたように移動しても、そのプレイヤキャラクタPCは、実質的に同じ位置(例えば、各画面の中心)にとどまることを示している。
【0100】
単一の仮想カメラを用いて、システムを上記で説明したが、同様のシステムが、2つの仮想カメラを用いたシステムにおいて、実施され得る。例えば、このシステムは、少なくとも2つの仮想カメラを用いた3D視聴システムにおいて実施され得る。
【0101】
本願のシステムが、最も実用的で好ましい実施形態であると現時点で考えられるものと関連づけて説明した。しかしながら、当該システムは、その開示された実施形態に限定されず、それどころか、添付の特許請求の範囲に記載される要旨およびその範囲に属する様々な改良物および均等な構成をも裏付けることが意図されると理解されるべきである。
【0102】
上記で説明したように、自動センタリング機能付きのジャイロ制御されるゲーム視点のための装置および方法が提供される。仮想カメラが、第1方向において第1オブジェクトを視界内に捉える状態で第1位置に配置される。本システムが移動すると、その角速度センサによる測定に基づいて、仮想カメラは、第2位置に移動する。仮想カメラが第2位置に移動する間、同時に、仮想カメラの視線方向が、第1オブジェクトを仮想カメラの視線方向の同じ位置に位置するようにする。この装置および方法によって、本システムは、重要なオブジェクトを仮想カメラの視野の中心に保持しながら、ジャイロスコープの測定に基づいて、その仮想カメラを移動できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C