(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保持部材と前記筺体とは、前記撮像部取付部材によって前記レンズマウント部のレンズ取付面と平行な少なくとも1つの面において固定されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
前記撮像部取付部材は前記レンズマウント部の周囲に略円形状に配置され、前記筺体と前記保持部材とは前記撮像部取付部材の近傍において略同心円状に配置されることを特徴する請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態による撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の外観を正面側から示す斜視図である。また、
図2は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の外観を背面側から示す斜視図である。なお、図示の撮像装置は、例えば、撮影レンズユニット(以下単に撮影レンズと呼ぶ)が交換可能なデジタルカメラであり、
図1および
図2は、撮影レンズが取り付けられていない状態の斜視図である。
【0017】
図1および
図2を参照して、撮像装置1において、その前側にはレンズマウント部101、撮影レンズの装着を検知して電気的な制御を行うためのレンズ接点部102、撮影レンズを取り外す際に操作されるレンズ取り外しボタン103、およびREC/PAUSE(録画/一時停止)ボタン104が配置されている。
【0018】
撮像装置1を前側から見て、その右側面には撮影者の操作に応じて撮像装置に所定の動作を実行させるための操作ボタン群105、電源スイッチ106、およびNDダイヤル部107が配置されるとともに、排気口108が形成されている。
【0019】
NDダイヤル部107は撮像装置内部の撮像素子の前面に配置された数種類のNDフィルターを選択するためのものである。また、排気口108は撮像装置内部の放熱を行うためのファンによって排気を排出するためのものである。
【0020】
撮像装置1の上側には、ハンドル部2を撮像装置1に着脱するためのアクセサリシュー109が備えられている。
【0021】
撮像装置1の背面側には、画面表示部110、ヒンジ部111、ビューファインダー部112、バッテリ室113、および入出力端子群114が備えられている。画面表示部110には撮像装置1の制御状態および映像が表示され、撮影者は画面表示部110を見て制御状態および映像の確認を行うことができる。画面表示部110はヒンジ部111によって開閉および回転可能に支持されている。
【0022】
また、撮影者はビューファインダー部112を覗き込んで撮像装置1の制御状態および映像を確認することができる。なお、バッテリ室113には撮像装置1の電源であるバッテリが収納され、入出力端子群114には、例えば、外部機器およびマイク・ヘッドフォンなどが接続される。
【0023】
図3は、
図2に示す画面表示部110を回転させてその内側を見せた状態を示す斜視図である。
【0024】
画面表示部110をヒンジ部111の回りに回転させると、その内側が露出する。内側には、記録メディア装着部115および撮影画(映像)を再生操作するための操作ボタン群116が配置されている。
【0025】
撮像装置1を背面側から見てその右側面には、グリップ部3を撮像装置1に着脱するためのネジ部117が形成されるとともに、撮像装置内部に配置されたファンによって外気を吸い込むための吸気口118が形成されている。
【0026】
ハンドル部2の先端側には音声(音響)を集音するためのマイク部201が配置されている。ハンドル部2を先端側から見て、その右側面には音声信号の振幅(つまり、大きさ)を調節するための音声ボタン群202が配置されている。
【0027】
また、ハンドル部2の上側にはREC/PAUSEボタン203、外部アクセサリシュー204、およびネジ部205が配置されている。外部アクセサリシュー204はビデオライトなどの外付けアクセサリを装着するためのものである。
【0028】
ハンドル部2の後端下面には、撮像装置1のアクセサリシュー109に嵌合するアクセサリシューの足(図示せず)が形成されており、この足によってハンドル部2は撮像装置1に装着される。また、ハンドル部2にはダイヤルネジ部206が備えられており、ダイヤルネジ部206を撮像装置1に設けられたネジ部(図示せず)に嵌合すると、ハンドル部2が撮像装置1に固定される。
【0029】
なお、ダイヤルネジ部206はコイルばねなどの弾性部材(図示せず)によって鉛直上方に付勢されており、これによってハンドル部2が撮像装置1に固定可能となる。
【0030】
ハンドル部2の背面側から見て、その右側面側には外部マイクが装着される外部マイクコネクタ208が設けられている。さらに、ハンドル部2の先端右側には外部マイク(図示せず)を保持する外部マイクホルダー209が設けられている。
【0031】
なお、撮像装置1とハンドル部2とは信号ケーブル(信号線)207によって接続され、この信号線207によってハンドル部2は撮像装置1と制御信号および音声信号の送受信を行う。
【0032】
また、図示のように、グリップ部3には、REC/PAUSEボタン301、レンズの絞りを調節するための絞りダイヤル302、十字キー303、およびグリップベルト304が備えられている。グリップベルト304はグリップ3を撮影者が把持する際の補助として用いられる。
【0033】
図4は、
図1に示すレンズマウント部101に撮影レンズを装着した状態を示す斜視図である。
【0034】
撮像装置1には、レンズマウント部101に対応した撮影レンズ4が装着される。レンズマウント部101に撮影レンズ4を装着すると、レンズ接点部102を介して撮影レンズ4と撮像装置1とが電気的に接続されて、操作ボタン群105又は絞りダイヤル302の操作によって撮影レンズ4の制御を行うことができる。
【0035】
図5は、
図1に示す撮像装置1の内部構造を示す正面図である。また、
図6は
図5のA−A線に沿った断面図である。そして、
図7は
図1に示す撮像装置1の内部構造を分解して示す斜視図である。
【0036】
撮像装置1の内部には撮像素子119が配置されており、この撮像素子119は光軸上においてレンズマウント部101の後方に位置している。そして、撮像素子119には撮影レンズ4を介して光学像(被写体像)が結像し、撮像素子119は光学像に応じた電気信号(アナログ信号)を出力する。
【0037】
撮像素子119の裏側にはセンサ基板120が配置され、センサ基板120には撮像素子119を駆動する電気素子が実装されており、撮像素子119はセンサ基板120にハンダ付けで接着されている。
【0038】
センサ基板120は、撮像素子119の裏面側でセンサ保持板121に接着剤で固着されている。そして、ハンダ付けによって一体となった撮像素子119、センサ基板120、およびセンサ保持板121は撮像素子保持部材122の腕部122aにネジ123で固定される。
【0039】
ネジ123は、撮像素子保持部材122の前面側にネジ固定されているレンズマウント部101と平行な面をなすように、光軸を中心として3点でセンサ保持板121を固定している。この構成によって、レンズマウント部101のマウント面から撮像素子119の受光面までの距離、つまり、フランジバックが決定される。
【0040】
撮像素子保持部材122は、例えば、マグネシウムなどの金属材料によって成形されるダイキャスト部品であることが望ましい。ダイキャスト部品であれば、撮像素子保持部材122にタップ部などの加工を容易に行うことができ、しかも熱伝導率が高く、電気的な接地に関して導通をとることができる。
【0041】
また、撮像素子119の前面側には、数種類のNDフィルターを内蔵するNDユニット124が配置され、前述のように、NDダイヤル部107を回転させることによって撮像素子119の前面に位置する数種類のNDフィルターの一つを選択することができる。
【0042】
撮像装置1の内部後面側には、撮像装置1を操作した際、撮像装置を制御する回路基板125が配置されている。この回路基板125は、撮像素子119の後側に配置されており、撮像装置1における多様な機能を制御するため電力消費が大きく大きな熱源となる。
【0043】
回路基板125の温度が所定の温度以上となると、回路基板125に実装された電気素子などの動作保証温度を上回って、撮像装置1が正常に動作しなくなる恐れがある。このため、回路基板125で発生する熱を放熱する必要がある。
【0044】
図示の例では、回路基板125においてその前面側の発熱は強制空冷(強制排気)によって放熱される。強制空冷のため、回路基板125の前面側には吸排気を行うためのダクト部126が配置され、ダクト部126の前面にはファン127が光軸方向から見て重なって配置されている。
【0045】
ダクト126は、例えば、アルミダイキャストで成形されており、熱源となる回路基板125の発熱を放散するヒートシンクとしての役割も兼ねる。また、図示の例では、ファン127は遠心ファンであり、その回転軸に垂直な面から空気を吸い込み、側面にはき出す(送風する)。つまり、回路基板125で生じた熱がダクト部126に伝わり、ファン127の駆動によって温まったダクト126内の空気を吸い込み(つまり、吸気口118から外気を撮像装置1の中に吸い込み)、排気口108からを通って撮像装置1の外に排気される。この流れによってファン127を駆動すると内部の温まった空気が外部に排出(強制空冷)される。
【0046】
一方、回路基板125においてその後面側の発熱は熱伝導によって放熱される。ここでは、回路基板125の後面には放熱板(放熱部材)128が配置され、この放熱板128は、例えば、アルミ又は銅などの熱伝導率の高い材料で形成されている。そして、回路基板125の後面側からの熱は放熱板128に伝わる。
【0047】
放熱板128はビス130によって、本体筐体(撮像装置筐体)129に接続されている。これによって、放熱板128に伝導した熱は撮像装置筐体129に伝わり拡散される自然放熱が行われる。なお、撮像装置筐体129は、例えば、マグネシウムダイキャストによって成形されている。
【0048】
撮像装置筺体129はマグネシウムダイキャストで成形されているので、強度が高くよって、放熱のみならず、強度的に撮像装置1の骨格も担っている。撮像装置筐体129は撮像装置1の内部構成(構造)を略覆っており、外装カバーを締結するためのタップ部を各面に備えている。さらに、強度を必要とするストラップベルト環131およびハンドルダイヤルネジ207の取り付けネジ部132なども撮像装置筺体129にビス固定されている。
【0049】
撮像部取付部材133aおよび133bがビス134によって撮像装置筺体129に固定され、さらに、撮像部取付部材133aおよび133bはビス135によって撮像素子保持部材122に固定される。つまり、撮像素子保持部材122は撮像部取付部材133aおよび133bを介して撮像装置筺体129に固定されることになる。
【0050】
撮像部取付部材133aおよび133bは、レンズマウント部101の周囲に略円形状に配置される。そして、撮像装置筺体129と撮像素子保持部材122とは撮像部取付部材133aおよび133bの近傍において略同心円状に配置される。
【0051】
なお、撮像部取付部材133aおよび133bを撮像装置筺体129に固定するビス134と撮像素子保持部材122に固定するビス135はそれぞれ上述した同心円の径方向において互いに近傍に位置する。そして、撮像部取付部材133aおよび133bと撮像装置筺体129とは3箇所でビス固定され、同様に、撮像部取付部材133aおよび133bと撮像素子保持部材122とは3箇所でビス固定される。
【0052】
図示の例では、撮像部取付部材133aおよび133bは、マグネシウムダイキャストで成形される撮像素子保持部材122および撮像装置筺体129よりも熱伝導率の低い材料によって形成される。前述したように、回路基板125の放熱によって撮像装置筺体129に熱が拡散する結果、撮像装置筐体129の温度は高くなる。
【0053】
一方、上記のように、撮像装置筐体129は撮像素子保持部材122と熱伝導率の低い撮像部取付部材133aおよび133bを介してのみ締結されているので、撮像素子保持部材122に撮像装置筺体129から熱が伝わりにくい。この結果、熱膨張によって撮像素子保持部材122が伸びてフランジバックが変化することを防止することができる。
【0054】
前述のように、撮像素子保持部材122はレンズマウント部101と平行な面において撮像装置筺体129に撮像部取付部材133aおよび133bを介して固定される。この結果、撮像部取付部材133aおよび133bを平面形状に簡素化することができ、撮像装置1の小型化およびコストダウンを達成することができる。
【0055】
ここで、撮像部取付部材133aおよび133bは1枚構成としてもよいが、第1の実施形態においては撮像部取付部材133aおよび133bの2枚構成(複数枚構成)とした。これによって、撮像部取付部材133aおよび133bを交換する際に、片側ずつ交換することができる結果、フランジバックの所定の距離を保った状態で撮像部取付部材133aおよび133bを交換することができる。
【0056】
つまり、撮像部取付部材を複数備えるようにすれば、フランジバックの再調整をすることなく撮像部取付部材133aおよび133bを交換することができ、組立利便性を向上することができる。この際には、複数の撮像部取付部材は同一の平面上に配置されることが望ましい。
【0057】
前述のように、撮像部取付部材133aおよび133bの材料として、マグネシウムダイキャストで成形される撮像素子保持部材122および撮像装置筺体129よりも熱伝導率の低い板状の金属部材が用いられる。これによって、板状の金属部材のバネ性により撮像素子保持部材122に加わる力が緩和されるばかりでなく、マグネシウムダイキャストで成形される撮像素子保持部材122および本体側筺体129を電気的に接続して導通をとることができる。
【0058】
なお、第1の実施形態では、撮像部取付部材133aおよび133bとして、マグネシウムのダイキャストで成形される撮像素子保持部材122および本体側筺体129よりも熱伝導率の低いステンレスの板ばね材を用いた。
【0059】
また、プラスチック材料などを用いた場合においても、撮像部取付部材133aおよび133bに金属メッキ又は導電塗装を施すか、又は撮像部取付部材133aおよび133bとして導電性の樹脂材料などを用いて導電性を付与し、電気的接地との導通をとるようにしてもよい。
【0060】
以上、第1の実施形態について図面を参照して説明したが、図面の構成に限定されることなく各種の変更が可能である。例えば、第1の実施形態では、撮像部取付部材133aおよび133bを2枚構成として、撮像素子保持部材122と本体側筺体129とを径方向の近傍においてそれぞれ3箇所でビス固定しているが、前述のように、撮像部取付部材133aおよび133bは1枚構成としてもよい。
【0061】
さらには、撮像素子保持部材122と本体側筺体129とを径方向で繋ぐ箇所のみを接続するように、撮像部取付部材を6枚構成としてもよい。
【0062】
このように、本発明の第1の実施形態では、撮像素子保持部材を低熱伝導率の撮像部取付部材を介して撮像装置筺体に固定するようにした。これによって、撮像装置筐体から撮像素子保持部材に伝達される熱を抑えることができ、温度変化に起因するフランジバックの変化を抑止することができる。
【0063】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態による撮像装置について説明する。なお、第2の実施形態による撮像装置の外観は
図1〜
図4に示す撮像装置と同様であるので、ここでは、撮像部の保持構造(撮像部保持構造)について説明する。
【0064】
図8は、本発明の第2の実施形態による撮像装置における撮像部を分解して示す斜視図である。また、
図9は、本発明の第2の実施形態による撮像装置で用いられる撮像部保持構造の一例を分解して斜視図である。そして、
図10は
図9に示す撮像部保持構造の外観を示す斜視図である。
【0065】
図8において、撮像部901は撮像素子801を備えており、撮像素子801はネジ804によって撮像素子保持部材802に固定されている。一方、レンズマウント部803は撮像素子保持部材802にネジ805によって固定されている。レンズマウント部803に規定されたレンズ取付面803aから撮像素子801の撮像素子面801aまでの距離がフランジバックである。
【0066】
図9および
図10も参照して、撮像部901はレンズ取付面803aと平行な1面でのみ撮像部取付部材903にネジ905a〜905fによって固定される。撮像部取付部材903は、図示のように、略円形状であり、レンズ取付面803aの周囲に配置される。この撮像部取付部材903は金属材料で成形され板ばねとしての機能を有している。
【0067】
本体側筐体902は撮像部取付部材903とネジ904a〜904fによって固定される。組立が完了すると、撮像部保持構造の外観は
図10に示す状態となる。
【0068】
なお、撮像装置のその他構成は、第1の実施形態で説明したので、ここでは説明を省略する。
【0069】
ここで、撮影レンズ(図示せず)に外力が加えられた場合又は本体側筐体902に外力が加えられた場合について、当該加えられた外力を効率よく撮像部取付部材903に伝え撮像部取付部903を変形させて、撮像部901に加わる外力を軽減する際の作用について説明する。
【0070】
ここでは、第2の実施形態による撮像部支持構造の作用を容易に理解するため、まず従来の撮像部保持構造の作用について説明する。
【0071】
図11は従来の撮像部支持構造における力の作用を模式的に説明するための図である。なお、
図11においては、説明の簡略化のため、撮像部取付部材について、撮像部901に下側で当接して支持する部分を撮像部取付部材1103a1とし、撮像部901に上側で当接して支持する部分を撮像部取付部材1103a2とする。
【0072】
図11において、図示の撮像部保持構造では、撮像部901、撮像部取付部材1103a1、および撮像部取付部材1103a2の固定がレンズ取付面803aと平行な面で行われていない。この際、撮影レンズ1104に外力Flが加わると、撮像部901と撮像部取付部材1103a1の固定箇所とを支点1150として、撮像部901と撮像部取付部材1103a2との固定箇所に力Frが作用する。
【0073】
力Frは上記の支点1150を中心として、撮像部901と撮像部取付部材1103a2との固定箇所を通る円の接線方向に作用する。そして、力Frは撮像部取付部材1103a2を変形させやすい板厚方向の分力Fxと撮像部取付部材1103a2が変形しづらい板面方向の分力Fyとに分けられる。
【0074】
分力Fxは撮像部材1103a2を変形させるので、撮像部901に加わる力は軽減される。ところが、分力Fyによって撮像部材1103a2は変形しづらいので、撮像部901に力が加わって、この力によって撮像部901に変形が生じてしまう。
【0075】
図12は、
図9で説明した撮像部支持構造における力の作用を模式的に説明するための図である。なお、
図12においては、説明の簡略化のため、
図9で説明した撮像部取付部材903について、撮像部901に下側で当接して支持する部分を撮像部取付部材1103b1とし、撮像部901に上側で当接して支持する部分を撮像部取付部材1103b2とする。
【0076】
図12において、撮影レンズに外力Flが加わると、撮像部901と撮像部取付部材1103b1との固定箇所を支点1150として、撮像部901と撮像部取付部材1103b2との固定箇所に力Frが作用する。力Frは上記の支点1150を中心として、撮像部901と撮像部取付部材1103b2との固定箇所を通る円の接線方向に作用する。
【0077】
前述のように、撮像部取付部材1103b1と撮像部取付部材1103b2の固定はレンズ取付面803aと平行な1面で行われているので、力Frは撮像部取付部材1103b2を変形させやすい板厚方向の力Fxと等しくなる(Fr=Fx)。また、撮像部取付部材1103b2が変形しづらい板面方向の分力Fyは生じない。
【0078】
この結果、
図9で説明した撮像部支持構造では撮像部901の変形を抑制することができる。
【0079】
続いて、本体側筐体902に外力が加わった場合の力の作用について説明する。
【0080】
まず、
図11を参照して、図示の撮像部保持構造では、外力による撮像部901の変形を抑制するため、撮像部取り付け部材1103a1および1103a2の剛性を高めている。
【0081】
よって、撮像部901と撮像部取付部材1103a1の固定箇所を支点1150とした場合、本体側筐体902に加わる外力Fcは弱まることなく、撮像部901と撮像部取付部材1103a2の固定箇所に作用力として加わることになる。そして、この力によって撮像部901に変形が生じる。
【0082】
一方、
図12に示す撮像部支持構造では、外力による撮像部901の変形を抑制するため、撮像部取付部材1103b1および1103b2が変形する。撮像部901と撮像部取付部材1103b1との固定箇所を支点1150とした場合、本体側筐体902に外力Fcが加わると、撮像部901と撮像部取付部材1203b2の固定箇所に加わる作用力は撮像部取付部材1103b2が変形するので外力Fcよりも弱くなる。
【0083】
また、撮像部取付部材1103b1および撮像部取付部材1103b2の固定がレンズ取付面803aと平行な1面で行われているので、いずれの方向から外力が本体側筐体902に作用しても固定箇所にかかる作用力は同等となる。このため、外力に対して著しく弱くなる方向がない。
【0084】
撮像部保持部材903の剛性が高すぎると本体側筐体902に外力が作用した際、撮像部901に作用する力が大きくなる。一方、撮像部取付部材903の剛性が弱すぎると、撮影レンズ114の自重のみで撮像部901が大きく変形してしまうので、撮影レンズ1104が傾いてしまう。このため、想定される撮影レンズ1104の最大重量に応じて撮像部取付部材903の剛性を調整することが望ましい。
【0085】
図13は、本発明の第2の実施形態による撮像装置で用いられる撮像部保持構造の一例を概略的に示す断面図である。
【0086】
図13において、前述のように、撮像部901は撮像素子801、撮像素子保持部材802、およびレンズマウント部803を有している。そして、撮像部901はレンズマウント部803のレンズ取付面と平行な1面でのみ撮像部取付部材903に固定されている。撮像部取付部材903は、前述したように略円形の平板形状であり、撮像素子保持部材802にレンズ取付面と平行な面で固定されるとともに、本体側筐体902に固定されている。
【0087】
撮像部取付部材903は平板形状であるので、その板厚を変更するのみで容易に剛性を調整することができる。
【0088】
図14は、本発明の第2の実施形態による撮像装置で用いられる撮像部保持構造の他の例を概略的に示す断面図である。
【0089】
図14において、撮像部901は撮像素子801、撮像素子保持部材802、およびレンズマウント部803を有している。撮像部取付部材903は、例えば、板状の材料で成形されており、撮像素子保持部材802にレンズマウント部803のレンズ取付面803aと平行な面で固定されるとともに、本体側筐体902に固定されている。
【0090】
なお、
図14に示す例では、本体側筺体902は、レンズ取付面803aと平行な2面を有する。撮像部取付部材903は図中下側で撮像素子保持部材802と本体側筺体902とを同一平面上で固定し、上側で撮像素子保持部材802と本体側筺体902とをレンズ取付面803aと平行な2面で固定している。
【0091】
この関係で、
図14に示す撮像部取付部材903は図中上側が段差形状を有している。
図14に示す構造においても、撮像部取付部材903はレンズマウント部803のレンズ取付面803aと平行な面で撮像素子保持部材802に直接又はレンズマウント部803を介して撮像素子保持部材802に固定される。
【0092】
図14に示す例では、撮像部取付部材903は板状の材料から成形されるので、その板厚を変更するだけで容易に剛性を調整することができる。
【0093】
なお、撮像部901には、シャッター、AF制御デバイス、ミラー、ペンタプリズム、およびNDフィルターなどのフランジバック内の光路を利用する構成を追加するようにしてもよい。さらに、撮像部901の固定箇所はレンズマウント部803に設けるようにしてもよい。
【0094】
このように、本発明の第2の実施形態では、撮像部をレンズマウント部のレンズ取付面と平行な一面で撮像部取付部材によって撮像装置の筐体に固定するようにする。これによって、撮像装置に外力が加わっても当該外力によって撮像部取付部材が変形して、撮像部に伝達される力を軽減することができる。
【0095】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。