(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および2の技術では、ガラス基板以外の実装基板と半導体チプとをアライメントマークにより位置合わせする場合、接続面が実装基板または半導体チップにより死角となるため、1台の撮像装置では正確な位置合わせを行なうことができず、接続面の裏面側と側方側から位置決めする必要があった。さらに、実装基板内の溝部に半導体チップを実装する場合、上方(接続面の裏面側)のみから得られる画像情報により位置合わせを行なうため、高精度な位置合わせを行なうことはできなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、基板と半導体チップとを高精度に位置合わせ可能な半導体装置、半導体装置の位置決め方法および半導体装置の位置決め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、配線接続用の第1の接続端子を有する半導体チップと、配線接続用の第2の接続端子を有し、該第2の接続端子が前記第1の接続端子と電気的に接続される基板と、光を反射する反射面と、を備え、前記反射面は、前記第1の接続端子および第2の接続端子からの光を、前記基板、または前記半導体チップの厚さ方向に反射することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る半導体装置は、上記発明において、前記反射面は、前記半導体チップに実装されたプリズムの一部外面であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る半導体装置は、上記発明において、前記基板の前記半導体チップとの接続面の裏面側に接続され、接続の際、前記反射面によって反射される像により位置合わせされる伝送ケーブルを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る半導体装置は、上記発明において、前記半導体チップは、前記基板との接続面側にアライメントマークを有し、前記基板は、前記半導体チップとの接続面の裏面側にアライメントマークを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る半導体装置は、上記発明において、前記反射面は、前記半導体チップが接続されるベース基板に形成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る半導体装置は、上記発明において、前記反射面は、前記基板内に形成される、前記半導体チップを収容する溝部の一部であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る半導体装置の位置決め方法は、半導体チップと基板とが接続された半導体装置の位置決め方法であって、前記半導体チップの配線接続用の第1の接続端子からの光を反射する反射面を、撮像装置の視野内に位置合わせする第1の位置合わせステップと、前記基板を、前記反射面に投影された前記基板の配線接続用の第2の接続端子の像と前記第1の接続端子の像とにより位置合わせする第2の位置合わせステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る半導体装置の位置決め方法は、上記発明において、前記第1の位置合わせステップ後、前記半導体チップの前記基板との接続面側に形成されたアライメントマークと、前記基板の前記半導体チップとの接続面の裏面側に形成されたアライメントマークにより、前記基板の第2の接続端子の位置を粗調整する粗調製ステップを行なうことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る半導体装置の位置決め装置は、配線接続用の第1の接続端子を有する半導体チップと、配線接続用の第2の接続端子を有し、該第2の接続端子が前記第1の接続端子と電気的に接続される基板と、光を反射する反射面と、を備える半導体装置の位置決め装置であって、配線接続用の第1の接続端子を有する半導体チップを固定するとともに、一つの平面内で移動可能なステージと、配線接続用の第2の接続端子を有する基板を吸着固定するとともに、吸着固定した基板を前記半導体チップ上にマウントするツールと、前記第1の接続端子および前記第2の接続端子の像を投影する反射面を撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された、前記反射面に映る前記第1の接続端子および前記第2の接続端子の像に基づき、前記ステージの移動を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、反射面に投影される接続端子を視認しながら位置合わせすることができるので、精度よく位置合わせが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、各部材の比率などは、現実と異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置100の断面図である。
図2は、
図1の半導体装置100の接続前の上視図である。本発明の実施の形態1に係る半導体装置100は、固体撮像素子である半導体チップ10と、実装基板20と、撮像光学系から入射された光を半導体チップ10に射出するプリズム30と、を備える。
【0020】
半導体チップ10には、配線接続用の第1の接続端子11と、プリズム30から入射される光信号を電気信号に変換する撮像領域12と、アライメントマーク13とが、同一面に形成されている。
【0021】
実装基板20には、配線接続用の第2の接続端子21が形成されるとともに、第2の接続端子21が形成された面の裏面にアライメントマーク22が形成されている。第1の接続端子11および第2の接続端子21は、スクリーン印刷やめっき等により形成されたバンプである。
【0022】
プリズム30は、第1プリズム31と第2プリズム32とを有し、図示しない撮像光学系から第1プリズム31に入射した光を、第1プリズム31と第2プリズム32の接続面33で反射して撮像領域12に射出する。第1プリズム31の第2プリズム32と接しない傾斜面は、第1の接続端子11と第2の接続端子21からの光を反射する反射面34を形成する。
【0023】
反射面34は、
図2に示すように、第1の接続端子11と第2の接続端子21からの光を実装基板20の厚さ方向に反射しうる位置に形成され、第1の接続端子11の像11aと第2の接続端子21の像21aを投影する。反射面34に写る像11aおよび像21aを、上方、すなわち、実装基板20の接続面の裏面側から視認することにより、半導体チップ10と実装基板20とを位置決めすることができる。また、本実施の形態1において、半導体チップ10と実装基板20には、それぞれアライメントマーク13および22が形成されており、このアライメントマーク13および22により、半導体チップ10と実装基板20の位置を粗調製した後、反射面34に投影される像11aおよび像21aにより半導体チップ10と実装基板20の位置を微調整することにより、高精度かつ短時間で位置合わせが可能となる。なお、
図2において、反射面34は、第1の接続端子11の像11a、第2の接続端子21の像21a、および実装基板20の一部の像20aを投影するが、少なくとも第1の接続端子11の像11a、第2の接続端子21の像21aを、実装基板20の厚さ方向に投影できる面積を有しているものであれば良い。
【0024】
半導体チップ10と実装基板20は、はんだペースト、ACF(anisotropic conductive film)、ACP(anisotropic conductive paste)等の接続材料15で、第1の接続端子11および第2の接続端子21が対向するように平行に接続されている。
【0025】
続いて、実施の形態1に係る半導体装置100の製造方法および製造装置について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置100の位置決め装置を説明するブロック図である。
【0026】
半導体装置100の位置決め装置200は、反射面34に投影される第1の接続端子11の像11aと第2の接続端子21の像21aを撮影するCCD等の撮像装置210と、各部の制御を行なう制御部220と、半導体チップ10を固定するとともに、固定した半導体チップ10を一つの平面内(X、Y、およびθ方向)で移動可能なステージ230と、実装基板20を把持して、ステージ230上に固定された半導体チップ10上にマウントするツール240と、撮像装置210により撮像された画像を出力する表示部250と、を備える。
【0027】
撮像装置210は、位置合わせを行なう実装基板20より上部に固定され、反射面34に投影される第1の接続端子11の像11aと第2の接続端子21の像21aとを撮像する。また、撮像装置210は、制御部220に撮像した画像を出力する。撮像装置210は、反射面34の角度にあわせて調製可能な角度変更機構や、ピント位置を調製するための縦軸Zの調整機構を備えることが好ましい。
【0028】
制御部220は、撮像装置210により画像データが入力されると、画像データについてパターンマッチング処理やピント調整等により、半導体チップ10と実装基板20との位置合わせを行なう。また、制御部220は、撮像装置210から入力された画像データを表示部250に出力する。
【0029】
制御部220は、図示しない接続材料15の塗布機構を制御するものであってもよい。接続材料15の塗布機構は、半導体チップ10の上部に退避可能な形態で固定され、接続材料15を半導体チップ10の接続部、すなわち、第1の接続端子11上にシリンジ等の吐出装置により供給する。塗布機構は、シリンジ等の温調装置、変位計等を備えることが好ましい。塗布機構は、変位計にかえて、撮像装置210および制御部220による画像認識により、所定の位置に接続材料の塗布を行なう構成としてもよい。撮像装置210および制御部220による位置合わせ処理は、塗布機構を半導体チップ10の上部から退避させた後、行なう。
【0030】
ステージ230は、制御部220の制御のもと、半導体チップ10を吸着固定して、半導体チップ10が所定位置となるように、一つの平面内(X、Y、およびθ方向)で移動する。
【0031】
ツール240は、制御部220の制御のもと、実装基板20を吸着部等により吸着固定することによりピックアップし、ステージ230上に固定された半導体チップ10上にマウントする。ステージ230およびツール240による半導体チップ10および実装基板20の移動は、サーボモーターが使用される。
【0032】
制御部220がパターンマッチング処理等により、半導体チップ10と実装基板20とが所定位置でないと判定した場合、ツール240は、制御部220の制御のもと、吸着部等により固定した実装基板20を、半導体チップ10に対し所定の位置となるよう移動する。
【0033】
位置決め装置200による半導体チップ10と実装基板20との位置合わせは、制御部220に内蔵されたソフトウェアにより自動で行なうほか、表示部250に表示された画像に基づきマニュアルで操作することも可能である。また、塗布機構による接続材料15の塗布、ならびにステージ230およびツール240による半導体チップ10および実装基板20の移動も、ソフトウェアにより自動で行なうほか、表示部250に表示された画像に基づきマニュアルで操作してもよい。
【0034】
次に、位置決め装置200を使用した半導体装置100の製造方法について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置100の製造方法を説明するフローチャートである。
【0035】
まず、ステージ230上に固定された半導体チップ10のアライメントマーク13を、撮像装置210により撮像することにより、半導体チップ10のアライメントマーク13が認識される(ステップS1)。半導体チップ10のアライメントマーク13の認識により、半導体チップ10および第1の接続端子11の位置を認識し、塗布機構により半導体チップ10の第1の接続端子11上に接続材料15が塗布される(ステップ2)。
【0036】
接続材料15を塗布して、塗布機構を半導体チップ10上から退避させた後(ステップ3)、ツール240がセットされ(ステップ4)、ツール240により実装基板20がピックアップされる(ステップS5)。
【0037】
ツール240により把持された実装基板20のアライメントマーク22は、撮像装置210によ
り撮像することにより認識される(ステップS6)。認識されたアライメントマーク22とステップS1で認識された半導体チップ10のアライメントマーク13とにより、制御部220の制御のもと、ツール240の移動により半導体チップ10と実装基板20との位置が粗調整される(ステップS7)。
【0038】
アライメントマーク13および22による粗調整後、反射面34に投影される第1の接続端子11の像11aと第2の接続端子21の像21aは、撮像装置210により撮像されて認識される(ステップS8)。制御部220は、撮像装置210が撮像した画像データについてパターンマッチング等を行なうことにより、半導体チップ10と実装基板20との位置を微調整する(ステップS9)。
【0039】
位置の微調整後、ツール240の移動により第1の接続端子11と第2の接続端子21が当接される(ステップS10)。当接後、位置ズレを検出した場合は、再度ステップ9の位置の微調整が行なわれ、位置ズレが検出されない場合は、第1の接続端子11と第2の接続端子21とが接続される(ステップS12)。
【0040】
本実施の形態1に係る半導体装置100は、プリズム30の一部外面である光学的な反射面34を備え、反射面34に第1の接続端子11の像11aおよび第2の接続端子21の像21aを投影させることができるため、従来2台(上視および側視)必要とされていた位置合わせを、実装基板20の接続面の裏面側に配置された1台の撮像装置210により行なうことが可能となる。また、本実施の形態1に係る半導体装置100は、アライメントマーク13および22を有するため、反射面34に接続端子21の像21aが写る位置まではアライメントマーク13および22により位置合わせし(粗調整)、その後は、反射面34に写る像11aおよび21aで位置合わせすることができるため、高速かつ高精度な位置合わせ、ならびに接続端子の接続が可能となる。
【0041】
なお、本実施の形態1では、半導体チップ10および実装基板20にそれぞれアライメントマーク13および22を形成し、アライメントマーク13および22により半導体チップ10と実装基板20との位置を粗調整するが、アライメントマーク13および22を形成することなく、反射面34に写る像11aおよび21aのみに基づき、半導体チップ10と実装基板20との位置合わせをしてもよい。反射面34に写る像11aおよび21aのみに基づき、半導体チップ10と実装基板20とを位置合わせする場合、
図2中のY方向の位置合わせは、反射面34に写る像11aおよび21aの位置をパターンマッチングにより行い、X方向の位置合わせは像11aおよび21aのピント調整により行なえばよい。
【0042】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る半導体装置100Aは、実装基板20の半導体チップ10との接続面の裏面側に接続される伝送ケーブル40を備える。
図5は、本発明の実施の形態2に係る半導体装置100Aの位置合わせを説明する断面図である。
図6は、本発明の実施の形態2に係る半導体装置100Aの位置合わせを説明する上視図である。
図7は、接続部の像の投影を説明する図である。
【0043】
図5および
図6に示すように、実施の形態2に係る半導体装置100Aは、実装基板20の半導体チップ10との接続面の裏面側に接続される伝送ケーブル40を備える。伝送ケーブル40は、銅等からなる導体によって形成された芯線41と、芯線41の外周を被覆する絶縁層42と、を備える。
【0044】
実装基板20の半導体チップ10との接続面の裏面側には、伝送ケーブル40を接続する接続ランド23が形成される。伝送ケーブル40の芯線41は、接続ランド23上に位置合わせされた後、はんだやACF、ACP等の図示しない導電性の接合部材によって接続される。
【0045】
実施の形態2に係る半導体装置100Aでは、1のプリズム30Aのみを使用する点で実施の形態1の半導体装置100と異なる。実施の形態2では、1のプリズム30Aのみを使用するため、反射面34を大きくとることが可能となる。これにより、第1の接続端子11および第2の接続端子21の像11aおよび像21aに加え、実装基板20の接続ランド23の像23aと、伝送ケーブル40の像40aとを反射面34に投影することができる。
【0046】
また、
図7に示すように、プリズム30Aの斜面の角度は自由に設定可能であるため、任意な方向に反射光を反射することができる。プリズム30Aの斜面の角度は45°とすることが好ましい。
【0047】
実施の形態2の半導体装置100Aは、実施の形態1と同様に反射面34を使用して、半導体チップ10と実装基板20とを位置合わせして、接続した後、伝送ケーブル40の露出した芯線41の端部を、反射面34を使用して、接続ランド23に位置合わせして、接続して製造する。
【0048】
実施の形態2によれば、実装基板20上に、さらに伝送ケーブル40を実装する際にも、反射像を利用して高精度な位置合わせが可能となる。なお、実装基板20上に、伝送ケーブル40の以外の電子部品等を実装する際にも、反射面34を利用した位置合わせを行なうことができる。
【0049】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る半導体装置100Bは、半導体チップ10を搭載するベース基板50上に反射面51が形成されるとともに、半導体チップ10のベース基板50との接続面との裏面側で、半導体チップ10は実装基板20と接続されている。
図8は、本発明の実施の形態3に係る半導体装置100Bの位置合わせを説明する断面図である。
図9は、本発明の実施の形態3に係る半導体装置100Bの位置合わせを説明する上視図である。
【0050】
実施の形態3に係る半導体装置100Bは、半導体チップ10を搭載するベース基板50上に反射面51が形成されている。反射面51は、ベース基板50に斜面を形成した後、該斜面に金属の蒸着膜等を形成することにより、反射コート層が形成されたものである。
【0051】
実施の形態3の半導体装置100Bにおいて、反射面51に写る半導体チップ10の第1の接続端子11の像11aと、実装基板20の第2の接続端子21の像21aとにより位置合わせが行なわれた後、第1の接続端子11と第2の接続端子21とを接続材料により接続する。
【0052】
実施の形態3に係る半導体装置100Bでは、半導体チップ10を搭載するベース基板50上に反射面51を設けることにより、1台の撮像装置で高精度な位置合わせが可能となる。
【0053】
なお、反射面は、ベース基板50にかえて基板に形成されていてもよい。
図10は、本発明の実施の形態3の変形例に係る半導体装置100Cを説明する斜視図である。
図11は、
図10の半導体装置100CのA−A線の断面図である。
【0054】
変形例にかかる半導体装置100Cは、半導体チップ10と、半導体チップ10を実装する溝部62を有する基板60と、溝部62内に形成された反射面63と、を備える。反射面63は、溝部62の側面の一面に形成され、実施の形態3と同様に、斜面を形成した後、金属の蒸着膜等により反射コート層を形成したものである。基板60は、1または2の回路基板と接続される中継基板としての役割を果たすものである。
【0055】
半導体装置100Cにおいて、反射面63に写る半導体チップ10の第1の接続端子11の像と、基板60の第2の接続端子61の像とにより位置合わせが行なわれた後、第1の接続端子11と第2の接続端子61とを接続材料16により接続する。
【0056】
実施の形態3の変形例に係る半導体装置100Cでは、半導体チップ10を実装する基板60上に反射面63を設けることにより、1台の撮像装置で高精度な位置合わせが可能となる。