(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来のカラオケシステムでは、カラオケ楽曲毎に背景映像が用意されており、カラオケ楽曲を演奏する際に、当該カラオケ楽曲に紐付けされた背景映像が表示されるようになっている。すなわち、カラオケ楽曲の楽曲データと背景映像データとは紐付けして管理されており、一般的には、カラオケ楽曲の演奏に伴い、当該カラオケ楽曲に紐付けされた背景映像が表示装置に表示されるようになっている。
【0003】
また、画一的な背景映像を表示するだけではなく、利用者の所望に応じて背景映像を選択的に切り替え、あるいは、ライブ映像を背景映像として表示できるようにしたカラオケシステムが開示されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載されたカラオケシステムは、カメラで撮影した外部映像を取得する映像取得手段と、映像取得手段で取得した外部映像を伝送するネットワーク手段とを備えている。そして、表示部に背景映像とともに歌詞を表示する際に、映像取得手段で取得した外部映像を表示することができるようになっている。
【0004】
さらに、リアルタイムの映像(現在放映中のテレビ映像)の提供を可能とした映像音声データ提供装置が開示されている(特許文献2参照)。この特許文献2に記載された技術は、情報出力装置からテレビ映像の提供を要求されると、情報提供装置の入出力制御部は、切換え装置に第1の状態を指示する。ビデオエンコーダは、チューナから入力されるビデオ信号を、デジタルデータ列化した後にエンコードして映像データ列として出力する。ビデオパケタイザは、切換え装置を経て入力されてくる映像データ列をMPEG規格に従ってパケット化し、映像パケット列としてマルチプレクサに出力する。マルチプレクサは、映像パケット列とオーディオパケタイザから送られてくる音声パケット列とを、MPEG規格に従って映像音声ストリームとして、出力インタフェースを通してヘッドアンプに出力する構成になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、カラオケ楽曲の演奏に伴い表示装置に表示する背景映像が画一的にならないようにした技術が存在する。しかしながら、このような従来の技術では、必ずしも、演奏されているカラオケ楽曲と表示される背景映像とが関連しているとは言えず、カラオケ楽曲と全く関連性のない背景映像を表示したのでは、歌唱者やカラオケに参加している他の利用者の興趣を削ぐことになる。
【0007】
また、演奏されているカラオケ楽曲と表示される背景映像とを関連付けるために、例えば、ご当地ソングの歌詞に関連する場所をビデオカメラでリアルタイムに撮影し、当該リアルタイム映像を背景映像として表示することが考えられる。しかし、スナック等のいわゆるナイト店では、夜間にカラオケ歌唱を行うことが一般的であり、夜間のリアルタイム映像を背景映像とした場合に、背景映像として識別できない映像(例えば、照度が足りず撮影対象を識別できない映像)が表示されてしまうことも考えられる。また、通信回線の故障や天候不良により背景映像として識別できない映像(例えば、何も映っていない映像)が表示されてしまう場合もある。このような背景映像を表示したのでは、せっかく、各カラオケ楽曲に関連のある風景映像を表示しようとしたにも拘わらず、歌唱者やカラオケに参加している他の利用者の興趣を削ぐことになる。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、画一的な背景映像を表示するだけではなく、演奏されているカラオケ楽曲に関連性の高い多種多様な映像を表示することが可能な背景映像表示システムを提供することを目的とする。さらに、風景映像を表示する際に、背景映像として適切な風景映像を表示可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の背景映像表示システムは、上述した事情に鑑み提案されたもので、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の背景映像表示システムは、カラオケ演奏端末でカラオケ楽曲を演奏する際に、当該カラオケ楽曲に関連した風景映像を背景映像として表示することが可能な背景映像表示システムにおいて、撮影手段と、通信手段と、
楽曲別撮影手段選択テーブルと、撮影手段選択手段と、
背景映像判定手段と、背景映像表示手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
撮影手段は、複数の地点に設置され、それぞれ当該地点の風景映像を撮影するための手段である。通信手段は、撮影手段とカラオケ演奏端末との間でデータの送受信を行うための手段である。
楽曲別撮影手段選択テーブルは、各カラオケ楽曲の楽曲識別情報と、各カラオケ楽曲に関連のある地点に設置された撮影手段の撮影手段識別情報とを紐付けしたデータテーブルである。
【0011】
撮影手段選択手段は、任意のカラオケ楽曲を演奏する際に、楽曲別撮影手段選択テーブルに基づいて、選択された撮影手段で現に撮影中の風景映像の中から、背景映像判定手段により背景映像として識別可能であると判定された風景映像を、演奏するカラオケ楽曲の背景映像として表示するための手段である。
【0012】
背景映像判定手段は、選択された撮影手段で現に撮影中の風景映像が、背景映像として識別可能であるか否かを判定するための手段である。背景映像表示手段は、選択された撮影手段から送信された風景映像を受信して、選択された撮影手段で現に撮影中の風景映像の中から、背景映像判定手段により背景映像として識別可能であると判定された風景映像を、
演奏するカラオケ楽曲の背景映像として表示する
ための手段である。
【0013】
また、本発明の背景映像表示システムにおいて、撮影手段選択手段は、演奏時間帯、客層、利用者の選択指示のうちの少なくとも1つからなるカラオケ楽曲の演奏時の環境に応じて、少なくとも1つの撮影手段を選択することが可能である。
【0014】
上述した構成からなる背景映像表示システムは、カラオケ楽曲の題名、歌詞の内容、アーティストの出身地、四季を代表する風光明媚な場所等、各地に設置されたビデオカメラの映像を背景映像として表示することを目的としたものであり、複数の地点に撮影手段(ビデオカメラシステム)を設置して風景映像を撮影する。
【0015】
そして、撮影手段選択手段の機能により、カラオケ楽曲に関連した地点に設置された撮影手段を選択し、通信手段の機能により、当該撮影手段で撮影した風景映像をカラオケ端末に送信する。カラオケ演奏端末では、カラオケ楽曲の演奏に伴い表示装置に表示する背景映像として、受信した風景映像を表示する。
【0016】
撮影手段を選択するには、各カラオケ楽曲の楽曲識別情報と、各カラオケ楽曲に関連のある地点に設置された撮影手段の撮影手段識別情報とを紐付けした楽曲別撮影手段選択テーブルを作成しておき、演奏するカラオケ楽曲に関連のある地点に設置された撮影手段を選択すればよい。
【0017】
また、撮影手段で撮影した風景映像が、背景映像とするには不適切な場合がある。例えば、夜間、通信回線の故障、天候不良等により、識別できない映像(例えば、照度が足りず、あるいは何も映っていない映像)の場合である。この場合には、
選択された他の撮影手段で
現に撮影中の風景映像の中から識別可能であると判定された風景映像を背景映像として表示
する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の背景映像表示システムによれば、複数の地点に撮影手段を設置して風景映像を撮影し、カラオケ楽曲の演奏に際して、当該カラオケ楽曲に関連する地点に設置された撮影手段で撮影した風景映像を背景映像とすることができる。
【0019】
したがって、画一的な背景映像を表示するだけではなく、演奏されているカラオケ楽曲に関連性の高い多種多様な映像を表示することが可能となる。
【0020】
また、撮影手段で撮影した風景映像が、夜間、通信回線の故障、天候不良等の理由により、識別できない映像(例えば、照度が足りず、あるいは何も映っていない映像)である場合には、風景映像録画手段により録画しておいた風景映像等を背景映像として表示し、あるいは、背景映像として識別可能であると判定された風景映像を背景映像として表示することができる。
【0021】
したがって、背景映像として識別できない不適切な映像が表示されることがなくなり、歌唱者やカラオケに参加している他の利用者の興趣を高めることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照して、本発明の背景映像表示システムの実施形態について説明する。
図1〜
図3は本発明の実施形態に係る背景映像表示システムを示すもので、
図1は背景映像表示システムを適用したカラオケシステムの構成を示すブロック図、
図2は楽曲別撮影手段選択テーブルの構成を示す説明図、
図3は背景映像の表示手順を示すフローチャートである。
【0024】
<背景映像表示システムの概要>
本発明の実施形態に係る背景映像表示システム10は、画一的な背景映像を表示するだけではなく、演奏されているカラオケ楽曲に関連性の高い多種多様な映像を表示することが可能なシステムに関する技術であり、主要な構成要素として、
図1に示すように、撮影手段(ビデオカメラシステム80)と、通信手段(データ通信回線70)と、撮影手段選択手段48と、背景映像表示手段49とを備えている。また、楽曲別撮影手段選択テーブル45c、風景映像録画手段85、背景映像判定手段83を備えた構成とすることができる。各手段等は、カラオケ演奏端末30及びその付帯装置、複数の地点に設置されたビデオカメラ81及びその付帯装置、インターネット等のデータ通信回線70及びデータ通信回線70を介して信号の送受信を行うための機器により実現される。
【0025】
なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0026】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係る背景映像表示システム10を適用するカラオケ演奏端末30は、
図1に示すように、カラオケ本体40、カラオケリモコン装置31、スピーカ32、マイクロホン33、表示装置34、ミキシングアンプ35を備えている。また、本実施形態のカラオケ演奏端末30は、ルータ20及びデータ通信回線70を介して、管理サーバ60及び複数の地点に設置されたビデオカメラシステム80にネットワーク接続されている。
【0027】
<管理サーバ>
管理サーバ60は、会員情報の管理、カラオケ演奏端末30に対する楽曲データ等の配信、録音録画データの公開等を行うためのサーバである。データ通信回線70は、例えば、インターネット回線、デジタル通信回線、アナログ通信回線、無線通信回線、LAN等、環境に応じてどのような回線を用いてもよいが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネットにより構成されるVPNを利用することが好ましい。また、管理サーバ60の機能として、各カラオケ演奏端末30と、選択されたビデオカメラシステム80とを中継する機能を持たせてもよい。この場合には、管理サーバ60を構成するHDD等の記憶装置に、楽曲別撮影手段選択テーブル45cを記憶してもよい。楽曲別撮影手段選択テーブル45cについては、後に詳述する。
【0028】
なお、単独の管理サーバ60により、上述した複数の機能を実現するのではなく、各機能に特化したサーバを設け、各サーバにより各機能を実現してもよい。この際、仮想化技術により、1つのサーバに複数の機能を持たせることもできる。本実施形態では、ルータ20及びデータ通信回線70を含む通信ネットワークが、ビデオカメラシステム80とカラオケ演奏端末30との間でデータの送受信を行うための通信手段として機能する。
【0029】
<撮影手段>
撮影手段は、複数の地点に設置され、それぞれ当該地点の風景映像を撮影するための機器及びその制御プログラムからなる。本実施形態では、ビデオカメラ81、フォーカシング装置、ズーミング装置及びパン・チルト装置等の撮影制御手段82、背景映像判定手段83、データ送受信装置84を備えたビデオカメラシステム80が撮影手段として機能する。データ送受信装置84は、カラオケ演奏端末30からの風景映像データの送信要求信号に基づいて、当該カラオケ演奏端末30に対して風景映像データを送信するための機器及びプログラムからなる。
【0030】
ビデオカメラシステム80を設置する地点は、例えば、カラオケ楽曲の題名、歌詞の内容、アーティストの出身地等に関連する地点、あるいは四季を代表する風光明媚な地点等とすることができる。また、既に自治体やその他の団体等により設置されているビデオカメラシステム80を利用することもできる。
【0031】
<風景映像録画手段>
さらに、ビデオカメラシステム80に風景映像録画手段85を含めることができる。風景映像録画手段85は、ビデオカメラ81で撮影した風景映像を録画して再生するための装置であり、ビデオレコーダ等からなる。なお、ビデオカメラ81の設置地点に背景映像判定手段83及び風景映像録画手段85を設置するのではなく、ビデオカメラシステム80とネットワーク接続されたサーバ(例えば、管理サーバ60)に、背景映像判定手段83及び風景映像録画手段85を設置することが好ましい。これにより、風景映像録画手段85等のメンテナンスが容易なものとなり、また、ビデオカメラ81及びその付帯機器や、データ通信回線70が故障した場合であっても、録画した風景映像や他のビデオカメラシステム80で撮影した風景映像を利用することができる。
【0032】
風景映像の録画タイミングは、撮影環境等に応じて適宜設定することができるが、例えば、毎日の同時刻(明るい時間帯)、天候が良い時期、桜や紅葉等が美しい時期等に録画を行うことができる。さらに、管理者の選択指示入力に基づいて、鮮鋭な画像のみを録画映像として保存してもよい。
【0033】
<背景映像判定手段>
背景映像判定手段83は、選択されたビデオカメラシステム80で現に撮影中の風景映像が、背景映像として識別可能であるか否かを判定するためのプログラムからなる。すなわち、選択されたビデオカメラシステム80で撮影した風景映像が、夜間、通信回線の故障、天候不良等の理由により、識別できない不適切な映像(例えば、照度が足りず、あるいは何も映っていない映像)となってしまうことが考えられる。
【0034】
この場合に、選択された風景映像を背景映像として表示しても、歌唱者やカラオケに参加している他の利用者の興趣を削いでしまう。特に、スナック等のいわゆるナイト店では、夜間にカラオケ歌唱を行うことが一般的であり、夜間に撮影する風景映像は照度が足りず、撮影対象(風景)を識別できない場合が多い。なお、夜景が有名な地点や、夜間であっても照度が十分である風景映像の場合には、背景映像として識別可能であるとの判定を下すことができる。上述したように、背景映像判定手段83は、ビデオカメラシステム80を管理するためのサーバ(例えば、管理サーバ60)の構成要素としてもよい。
【0035】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置31は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体40のローカル送受信手段46との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置31は、楽曲検索手段31aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース31b、種々のデータを記憶するためのデータ記憶部31c、データの入出力を行うための入出力表示部31d等を備えている。このカラオケリモコン装置31に付帯するスイッチ類や、入出力表示部31dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0036】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段31aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース31bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース31bは、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・アーティスト名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0037】
<マイクロホン>
マイクロホン33は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン33から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ35により、音楽再生制御手段50から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ32へ出力される。なお、マイクロホン33からの音声入力信号は、A/Dコンバータ51によりデジタル変換され、歌唱採点手段(図示せず)における歌唱採点等に使用される。
【0038】
<表示装置>
表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0039】
<カラオケ本体>
カラオケ本体40は、ネットワーク送受信手段41、中央制御手段42、ROM43、RAM44、HDD45、ローカル送受信手段46、予約管理手段47、撮影手段選択手段48、背景映像表示手段49、音楽再生制御手段50、A/Dコンバータ51、映像再生制御手段52を備えている。
【0040】
<中央制御手段>
中央制御手段42は、カラオケ本体40を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM43等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0041】
<ROM/RAM>
ROM43は、カラオケ本体40を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM44は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM44を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM44を構成してもよい。
【0042】
本実施形態では、RAM44に、予約待ち行列44aが記憶されるようになっている。なお、予約待ち行列44aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲予約者の利用者ID等、他の識別データが紐付けされている場合もある。
【0043】
<HDD>
HDD45は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース45a、映像データベース45b、楽曲別撮影手段選択テーブル45cが格納されている。なお、HDD45に替えて、あるいはHDD45と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0044】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース45aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース45bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0045】
<楽曲別撮影手段選択テーブル>
楽曲別撮影手段選択テーブル45cは、各カラオケ楽曲の楽曲識別情報(楽曲ID)と、各カラオケ楽曲に関連のある地点に設置されたビデオカメラシステム80の撮影手段識別情報(撮影手段ID)とを紐付けしたデータテーブルである。各カラオケ楽曲と、これに関連のある地点とは、上述したように、例えば、各カラオケ楽曲の題名、歌詞の内容、アーティストの出身地等に関連する地点、あるいは四季を代表する風光明媚な地点等である。
【0046】
楽曲別撮影手段選択テーブル45cは、例えば、
図2に示すように、楽曲ID、撮影手段IDを紐付けしたデータテーブルである。なお、楽曲撮影手段選択テーブルは、キーワードの入力手段を用いて、管理者が手入力してもよいし、楽曲名や歌詞の中からキーワードを自動抽出し、このキーワードに基づいて、楽曲IDと撮影手段IDを紐付けすることにより自動生成してもよい。また、楽曲別撮影手段選択テーブル45cは、上述したように、ビデオカメラシステム80を管理するためのサーバ(例えば、管理サーバ60)に記憶してもよい。
【0047】
<送受信手段>
ローカル送受信手段46は、カラオケ本体40とカラオケリモコン装置31との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体40とカラオケリモコン装置31との間でデータの送受信が行われる。また、本実施形態では、ルータ20との間でデータの送受信を行うためのネットワーク送受信手段41を備えている。
【0048】
<予約管理手段>
予約管理手段47は、任意の利用者が選曲予約する際に、当該選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDを含む予約待ち行列44aを作成して管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約管理手段47は、利用者により楽曲検索手段31aの機能を用いて選曲された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列44aを作成し、この予約待ち行列44aをRAM44に格納して管理する。また、予約待ち行列44aに選曲者の利用者IDを含める場合には、利用者IDの取得が必要となる。
【0049】
利用者IDは、利用者IDカードに記憶された利用者IDをカードリーダにより読み取り、あるいは、カラオケリモコン装置31の入出力表示部31dを用いて入力された利用者ID及びパスワードに基づいて取得すればよい。さらに、利用者が携帯する携帯情報端末を用いて予約を行う機能を有する場合には、当該携帯情報端末の機器IDに紐付けされた利用者IDを取得してもよい。また、カラオケ演奏端末30を使用する際に、利用者に対して一時的に利用者IDを付与してもよい。
【0050】
<撮影手段選択手段>
撮影手段選択手段48は、任意のカラオケ楽曲を演奏する際に、当該カラオケ楽曲に関連した地点に設置されたビデオカメラシステム80を少なくとも1つ選択するためのプログラムからなる。ビデオカメラシステム80を選択する方法は、種々考えられるが、例えば、各カラオケ楽曲の楽曲識別情報(楽曲ID)と、各カラオケ楽曲に関連のある地点に設置されたビデオカメラシステム80の撮影手段識別情報(撮影手段ID)とを紐付けした楽曲別撮影手段選択テーブル45cを用意しておき、撮影手段選択手段48の機能により、楽曲別撮影手段選択テーブル45cに基づいて、演奏するカラオケ楽曲に関連したビデオカメラシステム80を選択することができる。
【0051】
また、楽曲別撮影手段選択テーブル45cを作成しない場合には、演奏するカラオケ楽曲の題名、歌詞の内容、アーティストの出身地等に関連する地点、あるいは四季を代表する風光明媚な地点等の位置データと、ビデオカメラシステム80の設置地点情報とに基づいて、当該カラオケ楽曲に関連のある地点に設置されたビデオカメラシステム80を選択してもよい。なお、撮影手段選択手段48は、ビデオカメラシステム80を管理するためのサーバ(例えば、管理サーバ60)の構成要素としてもよい。
【0052】
<背景映像表示手段>、
背景映像表示手段49は、選択されたビデオカメラシステム80で撮影した風景映像を受信して、演奏するカラオケ楽曲の背景映像として表示するためのプログラムからなる。このように、歌詞に関連する場所(ご当地、繁華街)、歌詞に関連する季節において風光明媚な場所(桜の名所、雪山、海岸)、アーティストの出身地等の風景映像をリアルタイムで撮影し、背景映像として表示することにより、演奏されているカラオケ楽曲に関連性の高いリアルタイム映像が表示されるので、歌唱者やカラオケに参加している他の利用者の興趣を高めることができる。
【0053】
また、背景映像判定手段83を備えた構成とした場合には、選択されたビデオカメラシステム80で撮影した風景映像が、背景映像として識別可能でないと判定されると、録画した風景映像又は選択された他のビデオカメラシステム80で撮影した風景映像を背景映像として表示する。なお、録画された風景映像が複数存在する場合、あるいは選択したビデオカメラシステム80が複数存在する場合には、カラオケ楽曲の演奏時の環境(例えば、演奏時間帯、客層、利用者の選択指示)に応じて、適宜、風景映像を選択することができる。
【0054】
これにより、選択されたビデオカメラシステム80で撮影した風景映像が、夜間、通信回線の故障、天候不良等の理由により、識別できない不適切な映像(例えば、照度が足りず、あるいは何も映っていない映像)が表示されることがなくなり、歌唱者やカラオケに参加している他の利用者の興趣を高めることができる。
【0055】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段は、楽曲IDに基づいて演奏データから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ35に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ35は、マイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段50から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ32より出力するための装置である。
【0056】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段52は、カラオケ楽曲の演奏中に、背景映像表示手段49の機能により表示制御される背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力するためのプログラムからなる。
【0057】
なお、背景映像表示手段49により背景映像データの表示制御を行わない場合、すなわち、各カラオケ楽曲にデフォルト設定された背景映像データを使用する場合に、映像再生制御手段52は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース45bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力する。
【0058】
<歌唱動画の撮影>
上述した実施形態では説明しなかったが、歌唱動画の撮影機能を有するカラオケ演奏端末30の場合には、カラオケルームに設置したビデオカメラ(図示せず)により撮影した歌唱者の姿態映像、及びマイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声からなる歌唱動画データにおいて、ビデオカメラシステム80で撮影した風景映像を背景映像としてもよい。
【0059】
<背景映像の表示>
次に、
図3を参照して、背景映像の表示手順について説明する。各地で撮影した風景映像を背景映像とするためには、複数の地点にビデオカメラシステム80を設置して風景映像を撮影し、あるいは撮影した風景映像を録画しておくことを前提とする。
【0060】
背景映像の表示処理では、
図3に示すように、背景映像として、ビデオカメラシステム(撮影手段)80で撮影した風景映像を表示する設定がなされた場合に(S1)、演奏するカラオケ楽曲に関連した地点に設置されたビデオカメラシステム80を少なくとも1つ選択する(S2)。この際、各カラオケ楽曲の楽曲識別情報(楽曲ID)と、各カラオケ楽曲に関連のある地点に設置されたビデオカメラシステム80の撮影手段識別情報(撮影手段ID)とを紐付けした楽曲別撮影手段選択テーブル45cに基づいて、演奏するカラオケ楽曲に関連したビデオカメラシステム80を選択することができる。
【0061】
ビデオカメラシステム80が選択されると、選択したビデオカメラシステム80で撮影した風景映像を受信し(S3)、演奏するカラオケ楽曲の背景映像として表示する(S4)。
【0062】
さらに、選択したビデオカメラシステム80で撮影した風景映像を受信した後に(S3の後処理として)、以下の処理を行うことが好ましい。すなわち、選択したビデオカメラシステム80で撮影した風景映像を受信し(S3)、選択したビデオカメラシステム80で撮影した風景映像が、背景映像として識別可能であるか否かを判定する(S3−1)。ここで、選択したビデオカメラシステム80で撮影した風景映像が、背景映像として識別可能であれば、当該風景映像を背景映像として表示する(S4)。
【0063】
一方、選択したビデオカメラシステム80で撮影した風景映像が、背景映像として識別不能な場合には、録画した風景映像又は選択した他のビデオカメラシステム80で撮影した風景映像であって、識別可能な風景映像を背景映像として選択し(S3−2)、当該風景映像を背景映像として表示する(S4)。
【0064】
<他の実施形態>
本発明のシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。