特許第6242092号(P6242092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242092表示装置、表示装置の制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242092
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】表示装置、表示装置の制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20171127BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20171127BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20171127BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/34 J
   G09G3/20 621E
   G09G3/20 660W
   G09G3/20 612U
   G09G3/20 660G
   G09G3/20 641C
   G09G3/20 641A
   G09G3/20 641K
   G02F1/133 535
【請求項の数】17
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2013-125313(P2013-125313)
(22)【出願日】2013年6月14日
(65)【公開番号】特開2015-1580(P2015-1580A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100106622
【弁理士】
【氏名又は名称】和久田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100131532
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 浩一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(72)【発明者】
【氏名】西尾 太介
【審査官】 斎藤 厚志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−203292(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/108095(WO,A1)
【文献】 特開2011−013294(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0328363(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09G 3/20
G09G 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別に発光輝度を制御可能な複数の光源を有する発光手段と、
前記発光手段からの光を変調することで画面上に画像を表示する表示手段と、
前記複数の光源のそれぞれについて、画面上に表示される画像の明るさに応じた目標輝度を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された目標輝度に基づいて、前記複数の光源のそれぞれの発光輝度を制御する制御手段と、
前記複数の光源に対応する複数の領域のうち、所定のオブジェクトが表示される領域をオブジェクトブロックとして検出する第1検出手段と、
前記複数の領域のうち、移動している動オブジェクトが表示されない領域を準静止ブロックとして検出する第2検出手段と、
記複数の領域のうち、前記第1検出手段でオブジェクトブロックとして検出され、かつ、前記第2検出手段で準静止ブロックとして検出された領域である準静止オブジェクトブロックに対応する光源の目標輝度を、当該光源の周辺の光源の目標輝度に基づいて補正する補正手段と、を有し、
前記制御手段は、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の発光輝度については、前記補正手段により補正された目標輝度に基づいて制御する、
とを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記補正手段は、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の目標輝度を、周辺に位置する複数の光源のうち、オブジェクトブロックとして検出されていない準静止ブロックに対応する光源の目標輝度に基づいて補正する
ことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記補正手段は、
準静止オブジェクトブロックに対応する光源の周辺に位置する複数の光源のうち、オブジェクトブロック以外の領域に対応し、かつ、準静止オブジェクトブロックに対応する光源との間の過去のフレームにおける目標輝度の差が閾値以下であった光源を選択し、
準静止オブジェクトブロックに対応する光源の現在のフレームにおける目標輝度を、選択した光源の現在のフレームにおける目標輝度に近づける
ことを特徴とする請求項または記載の表示装置。
【請求項4】
前記補正手段は、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の周辺に、オブジェクトブロック以外の領域に対応し、かつ、目標輝度の差が閾値以下であった光源が複数存在する場合に、当該複数の光源のうち目標輝度の差が最も小さかった光源を選択する
ことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記補正手段は、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の現在のフレームにおける目標輝度を、選択した光源の現在のフレームにおける目標輝度に置換する
ことを特徴とする請求項またはに記載の表示装置。
【請求項6】
前記補正手段は、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の周辺に、オブジェクトブロック以外の領域に対応し、かつ、目標輝度の差が閾値以下であった光源が存在しない場合には、周辺の光源の目標輝度に基づいて準静止オブジェクトブロックに対応する光源の目標輝度を補正する処理を行わない
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記過去のフレームは、現在のフレームの1つ前のフレームである
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の光源のそれぞれについて、その光源に対応する領域における画像の動きを検出する動き検出手段をさらに有し、
前記第2検出手段は、前記動き検出手段で画像の動きが検出されなかった光源が所定数以上周辺に位置する光源に対応する領域を、準静止ブロックとして検出する
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数の光源のそれぞれについて、その光源に対応する領域における画像の動きを検出する動き検出手段をさらに有し、
前記第2検出手段は、前記動き検出手段で複数フレーム続けて画像の動きがないと判断された光源に対応する領域を、準静止ブロックとして検出する
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の光源のそれぞれについて、その光源に対応する領域における画像の動きを検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段の検出結果を記憶する記憶手段と、
をさらに有し、
前記第2検出手段は、前記記憶手段に記録されている画像の動きの検出結果に基づいて、準静止ブロックを検出し、
前記記憶手段は、オブジェクトブロックに対応する光源について、記憶している前記動き検出手段の検出結果を更新しない
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
シーンの切り替わりを検出するシーンチェンジ検出手段をさらに有し、
前記補正手段は、前記シーンチェンジ検出手段でシーンの切り替わりが検出された場合には、周辺の光源の目標輝度に基づいて準静止オブジェクトブロックに対応する光源の目標輝度を補正する処理を行わない
ことを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記所定のオブジェクトは、ユーザ操作を補助する補助オブジェクトである
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記所定のオブジェクトは、カーソルである
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
個別に発光輝度を制御可能な複数の光源を有する発光手段と、
前記発光手段からの光を変調することで画面上に画像を表示する表示手段と、
前記複数の光源に対応する複数の領域のそれぞれについて、各領域に表示される画像の明るさを表す特徴量を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された特徴量に基づいて、前記複数の光源のそれぞれの発光輝度を制御する制御手段と、
前記複数の領域のうち、所定のオブジェクトが表示される領域をオブジェクトブロックとして検出する第1検出手段と、
前記複数の領域のうち、移動している動オブジェクトが表示されない領域を準静止ブロックとして検出する第2検出手段と、
記複数の領域のうち、前記第1検出手段でオブジェクトブロックとして検出され、かつ、前記第2検出手段で準静止ブロックとして検出された領域である準静止オブジェクトブロックについて取得された特徴量を、周辺の光源に対して取得された特徴量に基づいて補正する補正手段と、を有し、
前記制御手段は、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の発光輝度については、前記補正手段により補正された特徴量に基づいて制御する、
とを特徴とする表示装置。
【請求項15】
個別に発光輝度を制御可能な複数の光源を有する発光部と、
前記発光部からの光を変調することで画面上に画像を表示する表示部と、
を有する表示装置の制御方法であって、
前記複数の光源のそれぞれについて、画面上に表示される画像の明るさに応じた目標輝度を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて決定された目標輝度に基づいて、前記複数の光源のそれぞれの発光輝度を制御する制御ステップと、
前記複数の光源に対応する複数の領域のうち、所定のオブジェクトが表示される領域をオブジェクトブロックとして検出する第1検出ステップと、
前記複数の領域のうち、移動している動オブジェクトが表示されない領域を準静止ブロックとして検出する第2検出ステップと、
記複数の領域のうち、前記第1検出ステップでオブジェクトブロックとして検出され、かつ、前記第2検出ステップで準静止ブロックとして検出された領域である準静止オブジェクトブロックに対応する光源の目標輝度を、当該光源の周辺の光源の目標輝度に基づいて補正する補正ステップと、を有し、
前記制御ステップでは、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の発光輝度については、前記補正ステップにおいて補正された目標輝度に基づいて制御する、
とを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項16】
個別に発光輝度を制御可能な複数の光源を有する発光部と、
前記発光部からの光を変調することで画面上に画像を表示する表示部と、
を有する表示装置の制御方法であって、
前記複数の光源に対応する複数の領域のそれぞれについて、各領域に表示される画像の明るさを表す特徴量を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された特徴量に基づいて、前記複数の光源のそれぞれの発光輝度を制御する制御ステップと、
前記複数の領域のうち、所定のオブジェクトが表示される領域をオブジェクトブロックとして検出する第1検出ステップと、
前記複数の領域のうち、移動している動オブジェクトが表示されない領域を準静止ブロックとして検出する第2検出ステップと、
記複数の領域のうち、前記第1検出ステップでオブジェクトブロックとして検出され、かつ、前記第2検出ステップで準静止ブロックとして検出された領域である準静止オブジェクトブロックについて取得された特徴量を、周辺の光源に対して取得された特徴量に基づいて補正する補正ステップと、を有し、
前記制御ステップでは、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の発光輝度については、前記補正ステップにおいて補正された特徴量に基づいて制御する、
とを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項17】
請求項15または16に記載の表示装置の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像の輝度特徴量に基づいて、局所的にバックライトの発光輝度を低減する技術を用いた液晶表示装置が知られている。この技術によれば、画像の暗い領域ではバックライトの発光輝度が低減され、黒浮きが抑制される。また、画像の明るい領域では表示輝度が維持されるようにバックライトの発光輝度が制御される。それにより、コントラストの改善効果が得られる。このような技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
また、カーソルが表示される領域以外の領域におけるバックライトの発光輝度を、カーソルが表示される領域におけるバックライトの発光輝度よりも低減する技術が提案されている(特許文献2)。この技術によれば、消費電力削減効果が得られる。
また、元の画像の上にグラフィクス画像を重畳して表示するOSDを行っている最中は、バックライト全体の発光輝度をOSD開始時の輝度に保つ技術が提案されている(特許文献3)。この技術によれば、グラフィクス画像の表示輝度を安定させることができる。
【0004】
しかしながら、画像の輝度特徴量に基づいてバックライトの発光輝度を領域毎に制御すると、マウスカーソルやマーカのような補助的なオブジェクト(補助オブジェクト)の重畳表示によって表示輝度が変化するおそれがある。例えば、カーソルが重畳される原画像が静止画像である場合のように、カーソルの重畳前後で原画像に変化が無い場合であっても、カーソルの重畳表示により、カーソルの周辺領域だけ表示輝度が特異的に変化してしまう。そして、カーソルが移動すると、表示輝度が変化する領域(輝度変化領域)もカーソルの動きに追従するように移動する。このような表示輝度の変化や、輝度変化領域の移動は、ユーザの違和感(画質的な妨害感)をまねく。
【0005】
また、原画像が動画像である場合には、原画像に移動する領域(例えば、移動する物体(動オブジェクト)の領域)が存在していない場合であっても、原画像の表示輝度は変化し得る。例えば、グラフィクス画像の重畳表示、原画像に存在する照明の明るさの変化、画像編集作業により付加されたフェード効果などの、移動を伴わない画像変化により、原画像の表示輝度は変化する。
そのため、画像変化による表示輝度の変化が抑制されないように、カーソルの重畳表示による表示輝度の変化のみを抑制する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−99250号公報
【特許文献2】特開2011−13294号公報
【特許文献3】特開2005−321424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、原画像の画像変化による表示輝度の変化が抑制されないように、所定のオブジェクトの重畳表示による表示輝度の変化を抑制することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、
個別に発光輝度を制御可能な複数の光源を有する発光手段と、
前記発光手段からの光を変調することで画面上に画像を表示する表示手段と、
前記複数の光源のそれぞれについて、画面上に表示される画像の明るさに応じた目標輝度を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された目標輝度に基づいて、前記複数の光源のそれぞれの発光輝度を制御する制御手段と、
前記複数の光源に対応する複数の領域のうち、所定のオブジェクトが表示される領域をオブジェクトブロックとして検出する第1検出手段と、
前記複数の領域のうち、移動している動オブジェクトが表示されない領域を準静止ブロックとして検出する第2検出手段と、
記複数の領域のうち、前記第1検出手段でオブジェクトブロックとして検出され、かつ、前記第2検出手段で準静止ブロックとして検出された領域である準静止オブジェクトブロックに対応する光源の目標輝度を、当該光源の周辺の光源の目標輝度に基づいて補正する補正手段と、を有し、
前記制御手段は、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の発光輝度については、前記補正手段により補正された目標輝度に基づいて制御する、
とを特徴とする表示装置である。
【0009】
本発明の第2の態様は、
個別に発光輝度を制御可能な複数の光源を有する発光手段と、
前記発光手段からの光を変調することで画面上に画像を表示する表示手段と、
前記複数の光源に対応する複数の領域のそれぞれについて、各領域に表示される画像の明るさを表す特徴量を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された特徴量に基づいて、前記複数の光源のそれぞれの発光輝度を制御する制御手段と、
前記複数の領域のうち、所定のオブジェクトが表示される領域をオブジェクトブロック
として検出する第1検出手段と、
前記複数の領域のうち、移動している動オブジェクトが表示されない領域を準静止ブロックとして検出する第2検出手段と、
記複数の領域のうち、前記第1検出手段でオブジェクトブロックとして検出され、かつ、前記第2検出手段で準静止ブロックとして検出された領域である準静止オブジェクトブロックについて取得された特徴量を、周辺の光源に対して取得された特徴量に基づいて補正する補正手段と、を有し、
前記制御手段は、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の発光輝度については、前記補正手段により補正された特徴量に基づいて制御する、
とを特徴とする表示装置である。
【0010】
本発明の第3の態様は、
個別に発光輝度を制御可能な複数の光源を有する発光部と、
前記発光部からの光を変調することで画面上に画像を表示する表示部と、
を有する表示装置の制御方法であって、
前記複数の光源のそれぞれについて、画面上に表示される画像の明るさに応じた目標輝度を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにより決定された目標輝度に基づいて、前記複数の光源のそれぞれの発光輝度を制御する制御ステップと、
前記複数の光源に対応する複数の領域のうち、所定のオブジェクトが表示される領域をオブジェクトブロックとして検出する第1検出ステップと、
前記複数の領域のうち、移動している動オブジェクトが表示されない領域を準静止ブロックとして検出する第2検出ステップと、
記複数の領域のうち、前記第1検出ステップでオブジェクトブロックとして検出され、かつ、前記第2検出ステップで準静止ブロックとして検出された領域である準静止オブジェクトブロックに対応する光源の目標輝度を、当該光源の周辺の光源の目標輝度に基づいて補正する補正ステップと、を有し、
前記制御ステップは、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の発光輝度については、前記補正ステップにより補正された目標輝度に基づいて制御する、
とを特徴とする表示装置の制御方法である。
【0011】
本発明の第4の態様は、
個別に発光輝度を制御可能な複数の光源を有する発光部と、
前記発光部からの光を変調することで画面上に画像を表示する表示部と、
を有する表示装置の制御方法であって、
前記複数の光源に対応する複数の領域のそれぞれについて、各領域に表示される画像の明るさを表す特徴量を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された特徴量に基づいて、前記複数の光源のそれぞれの発光輝度を制御する制御ステップと、
前記複数の領域のうち、所定のオブジェクトが表示される領域をオブジェクトブロック
として検出する第1検出ステップと、
前記複数の領域のうち、移動している動オブジェクトが表示されない領域を準静止ブロックとして検出する第2検出ステップと、
記複数の領域のうち、前記第1検出ステップでオブジェクトブロックとして検出され、かつ、前記第2検出ステップで準静止ブロックとして検出された領域である準静止オブジェクトブロックについて取得された特徴量を、周辺の光源に対して取得された特徴量に基づいて補正する補正ステップと、を有し、
前記制御ステップは、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の発光輝度については、前記補正ステップにより補正された特徴量に基づいて制御する、
とを特徴とする表示装置の制御方法である。
【0012】
本発明の第5の態様は、上記表示装置の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、原画像の画像変化による表示輝度の変化が抑制されないように、所定のオブジェクトの重畳表示による表示輝度の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1に係る表示装置の表示画像の一例を示す図
図2】実施例1に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図
図3】実施例1に係る表示装置の処理フローの一例を示すフローチャート
図4】実施例1で使用される各種データの一例を示す図
図5】実施例2に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図
図6】従来の表示装置の表示画像の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施例1>
以下、本発明の実施例1に係る表示装置及びその制御方法について説明する。
本実施例に係る表示装置は、例えば、図1に示すように、移動する物体(動オブジェクト)、所定のオブジェクト、及び、ユーザ操作メニューなどの領域を含む画像を表示する。ここでは、動オブジェクトの領域以外の領域を“準静止領域”と呼ぶ。所定のオブジェクトは、例えば、ユーザ操作を補助する補助オブジェクトである。補助オブジェクトは、例えば、ユーザのマウス操作によって移動するカーソルなどである。本実施例では、所定のオブジェクトがカーソルである場合の例を説明する。
なお、本実施例では、表示装置が透過型の液晶表示装置である場合の例を説明するが、表示装置は、透過型の液晶表示装置に限らない。表示装置は、独立した光源を有する表示装置であればよい。例えば、表示装置は、反射型の液晶表示装置であってもよい。また、表示装置は、液晶素子の代わりにMEMS(Micro Electro Mechanical System)シャッターを用いたMEMSシャッター方式ディスプレイであってもよい。
【0016】
(全体構成)
図2は、本実施例に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
バックライト111(バックライトモジュール)は、個別に発光輝度を制御可能な複数の光源を有する発光部である。光源は、1つ以上の発光部材を有する。発光部材としては、例えば、LED、有機EL素子、冷陰極管、などを用いることができる。
【0018】
液晶パネル115(LCDモジュール)は、バックライト111からの光を変調することで画面上(表示面上)に画像を表示する表示部である。具体的には、液晶パネル115は、複数の液晶素子を有しており、画像データに基づいて各液晶素子の透過率を制御する。バックライト111からの光が各液晶素子を透過することにより、画像が表示される。
【0019】
フレーム遅延部101は、画像データを1フレーム期間だけ遅延させて出力する。ここで、表示装置に入力され、フレーム遅延部101に入力される画像データのフレームを“入力フレーム”と呼び、入力フレームの1つ前のフレームを“対象フレーム”と呼ぶ。フレーム遅延部101は、入力フレームの画像データを入力し、対象フレームの画像データを出力する。具体的には、フレーム遅延部101は、1フレーム分の画像データを記憶するメモリを有する。そして、フレーム遅延部101は、入力フレームの画像データが入力されると、メモリに記録されている対象フレームの画像データをメモリから読み出して出力するとともに、入力フレームの画像データをメモリに記録する。
【0020】
カーソルブロック検出部102は、バックライト111が有する複数の光源に対応する画面上の複数の領域のうち、カーソルが表示される領域をオブジェクトブロック(カーソルブロック)として検出する(第1検出)。本実施例では、図2に示すように、外部装置116からカーソルの表示領域を表す座標データが取得される。外部装置116は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)である。そして、PCで動作するオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトウェア等が、上記座標データを管理している。カーソルブロック検出部102は、複数の光源に対応する複数の領域のうち、取得した座標データによって表される表示位置(座標)を含む領域を、カーソルブロックとして検出する。そして、カーソルブロック検出部102は、カーソルブロックの検出結果を出力する。
【0021】
なお、カーソルの表示領域の代表位置を示す1点(1画素)の座標データがPCから取得されてもよい。その場合、取得された座標データに基づいて、上記代表位置を含む所定サイズの領域を表す座標データを、カーソルの表示領域を表す座標データとして生成してもよい。例えば、上記代表位置を含む所定サイズの領域に属する全ての画素の座標データを、カーソルの表示領域を表す座標データとして生成してもよい。また、上記所定サイズの領域が矩形領域である場合には、当該矩形領域の頂点座標のデータを、カーソルの表示領域を表す座標データとして生成してもよい。
また、上記代表位置の座標と後述する分割領域の境界線との距離が所定値以下である場合に、当該境界線を形成する複数の分割領域を、カーソルブロックとして検出してもよい。
これらの方法によれば、カーソルが複数の分割領域に跨る場合であっても、カーソルブロックを精度よく検出できる。
なお、上記所定サイズや所定値は、固定値であってもよいし、ユーザの設定と連動して変更される値であってもよい。上記所定サイズや所定値をユーザの設定と連動して変更すれば、ユーザがカーソルの表示サイズを変更した場合であっても、カーソルブロックを精度よく検出することができる。
【0022】
なお、本実施例では、複数の光源に対応する複数の領域として、画面の領域を構成する複数の分割領域が設定されるものとするが、これに限らない。例えば、光源に対応する領域として、他の光源に対応する領域に重なる領域を設定してもよいし、他の光源に対応する領域に接しない領域を設定してもよい。
また、本実施例では、複数の光源に対応する複数の領域として、互いに異なる複数の分割領域が設定されるものとするが、これに限らない。例えば、光源に対応する領域として、他の光源に対応する領域と同じ領域を設定してもよい。
【0023】
動き検出部103は、複数の光源のそれぞれについて、その光源に対応する分割領域における画像の動きを検出する。ここで、複数の光源と複数の領域(分割領域)とは1対1で対応するため、“光源毎に行われる処理”は“領域(分割領域)毎に行われる処理”ということもでき、“光源に対して得られた値”は“領域(分割領域)に対して得られた値”ということもできる。そのため、動き検出部103の上記処理は、“分割領域毎に、その分割領域における画像の動きを検出する処理”ということもできる。
具体的には、動き検出部103は、分割領域毎に、時間的に連続する2つのフレームを用いて、当該2つのフレームの間の動きベクトルを検出する。本実施例では、動き検出部103には、入力フレームの画像データと、フレーム遅延部101から出力された対象フレームとが入力される。そして、動き検出部103は、分割領域毎に、入力フレームと対象フレームの間の動きベクトルを検出する。そして、動き検出部は、画像の動きの検出結果を出力する。
【0024】
準静止ブロック検出部104は、複数の分割領域のうち、動オブジェクトが表示されない領域を準静止ブロックとして検出する(第2検出)。具体的には、準静止ブロック検出部104は、画像の動きの検出結果(動き検出部103の検出結果)に基づいて、準静止ブロックを検出する。そして、準静止ブロック検出部104は、準静止ブロックの検出結果を出力する。
【0025】
シーンチェンジ検出部105は、シーンの切り替わり(シーンチェンジ)を検出し、シーンチェンジの検出結果を出力する。本実施例では、シーンチェンジ検出部105には、入力フレームの画像データと、フレーム遅延部101から出力された対象フレームとが入力される。シーンチェンジ検出部105は、入力フレームと対象フレームのそれぞれについて平均画素値を算出し、入力フレームの平均画素値と、対象フレームの平均画素値との差分が所定値以上であるか否かを判断する。そして、シーンチェンジ検出部105は、上記差分が所定値以上である場合に、入力フレームと対象フレームの間でシーンチェンジが生じたと判断する。また、シーンチェンジ検出部105は、上記差分が所定値未満である場合に、入力フレームと対象フレームの間でシーンチェンジが生じていないと判断する。
なお、シーンチェンジの検出方法は上記方法に限らない。シーンの切り替わりを表す情報がメタデータとして画像データに付加されている場合には、当該情報を用いてシーンチェンジが検出されてもよい。
【0026】
特徴量取得部106と目標輝度決定部107により、バックライト111が有する複数の光源のそれぞれについて、その光源に対応する分割領域に表示すべき画像の明るさに応じた目標輝度(初期目標輝度)が決定される。
【0027】
特徴量取得部106は、複数の光源のそれぞれについて、その光源に対応する分割領域に表示すべき画像の明るさを表す特徴量を取得し、出力する。特徴量は、分割領域に表示すべき画像を表す画像データの画素値の代表値やヒストグラム、画像データの輝度値の代表値やヒストグラム、などである。代表値は、最大値、最小値、最頻値、平均値、中間値などである。本実施例では、特徴量が画素値の最大値(最大画素値)である場合の例を説明する。
なお、本実施例では、対象フレームの画像データから特徴量が取得されるものとするが、これに限らない。例えば、特徴量は外部から取得されてもよい。具体的には、特徴量は画像データにメタデータとして付加されていてもよい。
【0028】
目標輝度決定部107は、複数の光源のそれぞれについて、その光源に対して取得された特徴量(対象フレームの特徴量)に応じた初期目標輝度を決定し、各光源の初期目標輝度を表す情報を出力する。具体的には、画像の明るい領域で暗い領域よりも初期目標輝度が高くなるように、各光源の初期目標輝度が算出される。ここで、“光源に対して取得された特徴量”は、特徴量取得部106で取得された“光源に対応する分割領域に表示すべき画像の明るさを表す特徴量”である。初期目標輝度は、例えば、特徴量と初期目標輝度の対応関係を表す情報(関数やテーブルなど)を用いて決定される。
【0029】
目標輝度補正部108は、準静止オブジェクトブロック(準静止カーソルブロック)に対応する光源の初期目標輝度を、周辺の光源の初期目標輝度に基づいて補正する(補正処理)。準静止カーソルブロックは、カーソルブロック検出部102でカーソルブロックとして検出され、且つ、準静止ブロック検出部104で準静止ブロックとして検出された領域である。準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺に位置する光源は、例えば、準静止カーソルブロックに隣接する分割領域に対応する光源である。以後、補正処理後の目標輝度を“最終目標輝度”と記載する。
なお、準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺に位置する光源は、準静止カーソルブロックに対応する光源からの距離が所定値以下の位置に設けられた光源であってもよい。
なお、上述したように、複数の光源と複数の領域(分割領域)とは1対1で対応する。そのため、“準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺の光源”は“準静止カーソルブロックの周辺の領域に対応する光源”ということもできる。
【0030】
そして、目標輝度補正部108は、各光源の最終目標輝度を表す情報を出力する。本実施例では、準静止カーソルブロックに対応する光源の最終目標輝度は、周辺の光源の初期目標輝度に基づいて補正された値である。それ以外の光源の最終目標輝度は、目標輝度決定部107で決定された初期目標輝度である。
なお、準静止カーソルブロックに対応する光源の最終目標輝度は、周辺の光源の目標輝度に基づく上記補正処理と、上記補正処理とは異なる何らかの補正処理とが施された値であってもよい。それ以外の光源の最終目標輝度は、何らかの補正処理が施された値であってもよい。
【0031】
本実施例では、目標輝度補正部108は、準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺に位置する複数の光源の中から類似光源を検出(選択)する。即ち、目標輝度補正部108は、準静止カーソルブロックの周辺に位置する複数の領域(分割領域)の中から類似領域を検出(選択)する。本実施例において、類似光源は、仮に準静止カーソルブロックにカーソルが表示されなかったとした場合に準静止カーソルブロックに対応する光源に対して得られる初期目標輝度に類似した初期目標輝度が得られた光源である。類似領域は、類似光源に対応する領域である。
具体的には、目標輝度補正部108は、準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺に位置する複数の光源のうち、以下の条件1,2を満たす光源を類似光源として選択する。

(条件1)カーソルブロック以外(オブジェクトブロック以外)の領域に対応する。
(条件2)準静止カーソルブロックに対応する光源との間の過去のフレームにおける最終目標輝度の差が閾値以下であった。

そして、目標輝度補正部108は、準静止カーソルブロックに対応する光源の現在のフレームにおける初期目標輝度を、選択した類似光源の現在のフレームにおける初期目標輝度に近づけ、最終目標輝度として出力する。
ここで、“過去のフレーム”は対象フレームよりも前のフレームであり、“現在のフレ
ーム”は対象フレームである。
【0032】
なお、本実施例では、過去のフレームが対象フレームの1つ前のフレーム(入力フレームの2つ前のフレーム)であるものとするが、これに限らない。例えば、過去のフレームは対象フレームの2つ前のフレームであってもよい。
なお、類似光源を検出するための上記閾値は、メーカー等によって予め定められた固定値であってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、閾値は、ユーザによって設定、変更可能な値であってもよい。
なお、上述した条件1,2を以下の条件3,4のように読み替えて、以下の条件3,4を満たす領域(分割領域)を類似領域として検出してもよい。

(条件3)カーソルブロック以外の領域である。
(条件4)準静止カーソルブロックに対応する光源との間の過去のフレームにおける最終目標輝度の差が閾値以下であった光源に対応する。
【0033】
目標輝度記憶部109は、各光源の最終目標輝度を記憶する。本実施例では、目標輝度補正部108で補正処理が行われるときに、目標輝度記憶部109には、過去のフレーム(対象フレームの1つ前のフレーム)における各光源の最終目標輝度が記録されている。そして、目標輝度記憶部109は、過去のフレームにおける各光源の最終目標輝度を目標輝度補正部108に出力し、目標輝度補正部108から出力された各光源の最終目標輝度(対象フレームにおける最終目標輝度)を取得して記憶する。
【0034】
発光輝度制御部110は、バックライト111が有する光源毎に、その光源の発光輝度を目標輝度補正部108から出力された最終目標輝度に制御する。具体的には、発光輝度制御部110は、光源毎に、その光源の最終目標輝度に応じたバックライト制御値を決定し、各光源のバックライト制御値を出力する。例えば、発光輝度がパルス幅変調により制御される場合には、パルス幅の値がバックライト制御値として出力される。発光輝度がパルス振幅変調により制御される場合には、パルス振幅の値がバックライト制御値として出力される。発光輝度がパルス幅とパルス振幅の両方を変調することにより制御される場合には、パルス幅の値とパルス振幅の値との組み合わせがバックライト制御値として出力される。バックライト111の各光源は、発光輝度制御部110から出力されたバックライト制御値に応じた発光輝度(目標輝度補正部108から出力された最終目標輝度)で発光する。
【0035】
ゲイン算出部112は、発光輝度制御部110から出力されたバックライト制御値でバックライト111を発光させた場合の、表示装置の画面上の輝度(表示輝度;第1の表示輝度)を画素毎に算出する。そして、ゲイン算出部112は、第1の表示輝度の最大値がバックライト111を所定の発光輝度で発光させた場合の表示輝度(第2の表示輝度)の最大値と一致するように、乗算値(ゲイン)を算出する。なお、表示輝度は、画素毎ではなく分割領域毎に算出されてもよい。
【0036】
ゲイン乗算部113は、ゲイン算出部112で算出されたゲインを対象フレームの画像データ(対象フレームの各画素値)に乗算し、ゲインが乗算された対象フレームの画像データを出力する。
【0037】
リミット部114は、ゲイン乗算部113から出力された画像データに対しリミット処理を施す。リミット処理では、カーソルブロックの画素値が上限値を超えている場合には、当該画素値がゲイン乗算前の画素値に置き換えられる。カーソルブロック以外の領域の画素値が上限値を超えている場合には、当該画素値が上限値に置き換えられる。そして、
リミット部114は、リミット処理後の画像データを液晶パネル115に出力する。液晶パネル115では、リミット処理後の画像データに応じて各液晶素子の透過率が制御される。
具体的には、リミット部114は、フレーム遅延部101から、ゲイン乗算前の対象フレームの画像データを取得し、ゲイン乗算部113から、ゲイン乗算後の対象フレームの画像データを取得する。また、リミット部114は、カーソルブロック検出部102から、カーソルブロックの検出結果を取得する。そして、リミット部114は、画素値が上限値を超えていない画素については、画素値としてゲイン乗算後の画素値(ゲイン乗算部113から取得された画像データの値)を出力する。また、リミット部114は、カーソルブロック内の画素であり、画素値が上限値を超えている画素については、画素値としてゲイン乗算前の画素値(フレーム遅延部101から取得された画像データの値)を出力する。また、リミット部114は、カーソルブロック外の画素であり、画素値が上限値を超えている画素については、画素値として上限値を出力する。
【0038】
(動き検出部)
動き検出部103について詳しく説明する。
動き検出部103は、ブロックマッチング法を用いて分割領域毎(光源毎)に画像の動きを検出する。
【0039】
まず、動き検出部103は、1つの分割領域を注目領域として選択し、注目領域における対象フレームの画像を注目画像として抽出する。
次に、動き検出部103は、注目領域と同じサイズの参照領域を設定し、参照領域における入力フレームの画像を参照画像として抽出する。
【0040】
そして、動き検出部103は、注目画像と参照画像の相関値を算出する。例えば、画素毎に、注目画像の画素値と参照画像の画素値の差の絶対値(差分絶対値)が算出される。そして、画素毎の差分絶対値の総和(SAD)が、相関値として算出される。
なお、相関値はSADに限らない。相関値は、注目画像と参照画像の類似度を表す値であればどのような値であってもよい。例えば、注目画像の平均画素値と参照画像の平均画素値の差が相関値として算出されてもよい。
【0041】
動き検出部103は、複数の位置のそれぞれに参照領域を設定して、複数の参照領域に対する相関値を算出する。例えば、入力フレームの画像内を走査するように参照領域を移動させながら複数の参照領域に対する相関値が算出される。
なお、参照領域はどのように設定されてもよい。分割領域毎に、その分割領域が参照領域として設定されてもよい。参照領域を1画素または複数画素分ずつ移動させることにより、複数の参照領域が設定されてもよい。
【0042】
そして、動き検出部103は、複数の参照領域の中から最も相関値が高い領域を対応領域として検出し、注目領域の位置に対する対応領域の位置のずれ量を注目領域(注目領域に対応する光源)に対する動きベクトルとして算出する。最も相関値が高い領域は、最もSADが小さい領域である。水平方向のずれ量をVx画素、垂直方向のずれ量をVy画素とすると、注目領域の位置を原点とした位置ベクトル(Vx,Vy)が動きベクトルとして検出される。
【0043】
なお、画像の動きの検出方法は上記方法に限らない。画像の動きとして、動きベクトル以外の値が検出されてもよい。例えば、分割領域毎に、入力フレームと対象フレームの間の画像の変化量を算出し、変化量が閾値以上の場合に“動きあり”と判断し、変化量が閾値未満の場合に“動きなし”と判断する処理が行われてもよい。
動きの有無を検出するための上記閾値は、メーカー等によって予め定められた固定値で
あってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、閾値は、ユーザによって設定、変更可能な値であってもよい。
【0044】
なお、本実施例では、注目領域と参照領域のサイズが分割領域と同じサイズであるものとしたが、これに限らない。注目領域と参照領域は分割領域より大きくても小さくてもよい。注目領域として2つ以上の分割領域からなる領域が設定される場合には、例えば、注目領域に対して検出された動きベクトルを、当該注目領域を構成する各分割領域の動きベクトルとして決定すればよい。また、同じ分割領域を含む複数の注目領域が設定される場合には、例えば、同じ分割領域を含む複数の注目領域に対して検出された動きベクトルの代表値(平均値、最頻値、中間値)を、当該分割領域の動きベクトルとして決定すればよい。
【0045】
(準静止ブロック検出部)
準静止ブロック検出部104について詳しく説明する。
準静止ブロック検出部104は、動き検出部103の検出結果を記憶する。具体的には、準静止ブロック検出部104は、動き検出部103の検出結果を不図示のメモリに記録する。そして、準静止ブロック検出部104は、記憶している画像の動きの検出結果に基づいて、準静止ブロックを検出する。
【0046】
まず、準静止ブロック検出部104は、カーソルブロック検出部102の検出結果と、動き検出部103の検出結果(動きベクトル)とを取得する。
そして、準静止ブロック検出部104は、カーソルブロック以外の分割領域(カーソルブロック以外の分割領域に対応する光源)について、記憶している動きベクトルを、取得された動きベクトル(対象フレームに対して検出された動きベクトル)に更新する。
また、準静止ブロック検出部104は、カーソルブロック(カーソルブロックに対応する光源)については、記憶している動きベクトルを更新せずに、保持する。これにより、カーソルブロックについては、カーソルが表示されていない場合に検出される動きベクトル(カーソル以外の領域における画像の動きを表す動きベクトル)に近い動きベクトルを記憶することができる。具体的には、カーソルブロックについては、カーソルが表示される直前に検出された動きベクトルを記憶することができる。
なお、カーソルが静止している場合には、カーソルブロックの動きベクトルを更新してもよい。カーソルが静止しているか否かは、例えば、外部装置から取得される座標データによって表されるカーソルの表示位置が変化しているか否かを判断することにより、判断することができる。
【0047】
次に、準静止ブロック検出部104は、分割領域毎に、その分割領域を処理対象として選択する。
そして、準静止ブロック検出部104は、処理対象の分割領域と、当該分割領域に隣接する分割領域との全てについて、記憶している動きベクトルが画像の動きがないこと表す値である場合に、処理対象の分割領域を準静止ブロックとして検出する。
なお、本実施例では、画像の動きがないことを表す動きベクトルが零ベクトルであるものとするが、これに限らない。例えば、大きさが0より大きい所定値以下の動きベクトルが、画像の動きがないことを表す動きベクトルとして判断されてもよい。
準静止ブロックを検出するための上記所定値は、メーカー等によって予め定められた固定値であってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、所定値は、ユーザによって設定、変更可能な値であってもよい。
【0048】
なお、準静止ブロックの検出方法は上記方法に限らない。
例えば、記憶している動きベクトルが零ベクトルである分割領域が準静止ブロックとして検出されてもよい。記憶している動きベクトルが複数フレーム続けて零ベクトルである
分割領域が、準静止ブロックとして検出されてもよい。具体的には、記憶している動きベクトルが2フレーム続けて零ベクトルである分割領域が、準静止ブロックとして検出されてもよい。複数フレーム分の動きベクトルを用いれば、動オブジェクトが一時的に静止した場合に、動オブジェクトを含む領域が準静止ブロックとして誤検出されることを防ぐことができる。
【0049】
また、動き検出部103で画像の動きが検出されなかった光源が所定数以上周辺に位置する光源に対応する領域が、準静止ブロックとして検出されてもよい。即ち、動き検出部103で画像の動きが検出されなかった領域(分割領域)が所定数以上周辺に位置する領域(分割領域)が、準静止ブロックとして検出されてもよい。そのような構成によれば、カーソルブロックの動きベクトルとして、カーソルが表示されていない場合に検出される動きベクトルに近い動きベクトルが検出されなかった場合であっても、カーソルブロックが準静止ブロックか否かを精度良く判断することができる。そのため、各分割領域(各光源)の動きベクトルとして、対象フレームに対して検出された動きベクトルが使用されてもよい。
準静止ブロックを検出するための上記所定数は、メーカー等によって予め定められた固定値であってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、所定数は、ユーザによって設定、変更可能な値であってもよい。
【0050】
(目標輝度補正部)
目標輝度補正部108について詳しく説明する。
【0051】
目標輝度補正部108は、対象フレームにおける初期目標輝度を目標輝度決定部107から取得する。また、目標輝度補正部108は、対象フレームの1つ前のフレームにおける最終目標輝度を目標輝度記憶部109から取得する。また、目標輝度補正部108は、カーソルブロック検出部102の検出結果、準静止ブロック検出部104の検出結果、及び、シーンチェンジ検出部105の検出結果を取得する。
目標輝度補正部108は、カーソルブロックとして検出され、且つ、準静止ブロックとして検出された分割領域を、準静止カーソルブロックとして判断する。
目標輝度補正部108は、シーンチェンジ検出部105でシーンチェンジが検出された場合には、補正処理を行わずに、目標輝度決定部107から取得された各光源の初期目標輝度を、最終目標輝度として出力する。
【0052】
シーンチェンジ検出部105でシーンチェンジが検出されなかった場合には、目標輝度補正部108は、以下の処理を行う。
即ち、目標輝度補正部108は、準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺に位置する複数の光源の中から類似光源を検出する。本実施例では、準静止カーソルブロックに仮にカーソルが表示されなかったとした場合に準静止カーソルブロックに対応する光源に対して得られる初期目標輝度に最も類似した初期目標輝度が得られた光源が類似光源として検出される。具体的には、対象フレームの1つ前のフレームにおける最終目標輝度が参照される。そして、準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺に位置する複数の光源のうち、以下の条件1,2を満たす光源が類似光源として選択される。

(条件1)カーソルブロック以外の領域に対応する。
(条件2)準静止カーソルブロックに対応する光源との間の過去のフレームにおける最終目標輝度の差が閾値以下であった。


また、上記条件1,2を満たす光源が複数存在する場合には、当該複数の光源のうち最終目標輝度の差が最も小さかった光源が類似光源として選択される。
次に、目標輝度補正部108は、準静止カーソルブロックに対応する光源の対象フレームにおける初期目標輝度を、選択した類似光源の対象フレームにおける初期目標輝度に置換し、最終目標輝度として出力する。
また、準静止カーソルブロック以外の分割領域に対応する光源については、目標輝度補正部108は、目標輝度決定部107から取得された各光源の初期目標輝度を、最終目標輝度として出力する。そのため、類似光源が存在しない場合には、補正処理が行われずに、目標輝度決定部107から取得された各光源の初期目標輝度が、最終目標輝度として出力される。
【0053】
(処理フロー)
本実施例に係る表示装置の処理フローの一例について、図3を用いて説明する。
図3は、本実施例に係る表示装置の処理(バックライト111を発光させる処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
【0054】
S01では、カーソルブロック検出部102が、カーソルブロックを検出する。
S02では、動き検出部103が、分割領域毎に動きベクトルを検出する。
S03では、特徴量取得部106が、対象フレームの画像データから、分割領域毎の特徴量を取得する。上述したように、本実施例では、最大画素値が特徴量として取得される。
S04では、目標輝度決定部107が、分割領域毎に、その分割領域のS03で取得された最大画素値に応じて、当該分割領域に対応する光源の初期目標輝度BL(n)を決定する。nは、対象フレームのフレーム番号を表す整数であり、初期目標輝度BL(n)は、対象フレームにおける初期目標輝度である。本実施例では、画面の左上から右下に向かって番号が増すように、各光源に番号が付されている。この番号は、分割領域の番号ということもできる。具体的には、バックライト111にはM個(Mは2以上の整数)の光源が設けられており、画面の左上から右下に向かって1ずつ番号が増すように、M個の光源に1以上M以下の番号が付されている。以下では、m番目(mは1以上M以下の整数)の光源の、対象フレームにおける目標輝度(初期目標輝度または最終目標輝度)をBL(n)(m)と記載する。
S05では、シーンチェンジ検出部105がシーチェンジを検出する。
【0055】
S06では、準静止ブロック検出部104が、S01の検出結果に基づいて、m番目の分割領域(m番目の光源に対応する分割領域;分割領域m)がカーソルブロックか否かを判断する。なお、mの初期値は1である。
分割領域mがカーソルブロックである場合には、S08に処理が進められる。
分割領域mがカーソルブロックでない場合には、S07に処理が進められる。
S07では、準静止ブロック検出部104が、分割領域mの動きベクトル(S02で検出された動きベクトル)を記憶する。そして、S08に処理が進められる。
S08では、準静止ブロック検出部104が、m=Mか否かを判断する。即ち、全ての分割領域についてS06の処理が行われたか否かが判断される。
m=Mである場合には、S09に処理が進められる。即ち、全ての分割領域についてS06の処理が行われた場合には、S09に処理が進められる。なお、S09に処理が進められる際に、mは1に初期化される。
m<Mである場合には、mに1が加算され、S06に処理が戻される。即ち、S06の処理が行われていない分割領域が存在する場合には、処理対象の分割領域が更新され、S06に処理が戻される。
【0056】
S09では、準静止ブロック検出部104が、分割領域mが準静止ブロックか否かを判断する。具体的には、分割領域mと、当該分割領域mに隣接する分割領域との全てについて、記憶している動きベクトルが零ベクトルであるか否かが判断される。
分割領域mと、当該分割領域mに隣接する分割領域との全てについて、記憶している動きベクトルが零ベクトルである場合には、準静止ブロック検出部104は、分割領域mが準静止ブロックであると判断する。そして、準静止ブロック検出部104は、S02で決定された分割領域mの動きベクトルを目標輝度補正部108に出力する。その後、処理がS10に進められる。
それ以外の場合には、準静止ブロック検出部104は、分割領域mが準静止ブロックでないと判断する。そして、準静止ブロック検出部104は、S02で決定された分割領域mの動きベクトルを目標輝度補正部108に出力する。その後、処理がS14に進められる。
【0057】
S10では、目標輝度補正部108が、S05の検出結果に基づいて、S05でシーンチェンジが検出されたか否かを判断する。
シーンチェンジが検出された場合には、S11に処理が進められる。
シーンチェンジが検出されなかった場合には、S14に処理が進められる。
【0058】
S11では、目標輝度補正部108が、分割領域mが準静止カーソルブロックであるか否かを判断する。具体的には、目標輝度補正部108は、分割領域mがS01でカーソルブロックとして検出されている場合には、分割領域mが準静止カーソルブロックであると判断し、それ以外の場合には、分割領域mが準静止カーソルブロックでないと判断する。
分割領域mが準静止カーソルブロックである場合には、S12に処理が進められる。
分割領域mが準静止カーソルブロックでない場合には、S14に処理が進められる。
【0059】
S12では、目標輝度補正部108が類似光源が存在するか否かを判断する。具体的には、上述したように、対象フレームの1つ前のフレームにおける最終目標輝度BL(n−1)が参照される。そして、分割領域mに隣接する分割領域に対応する光源の中から、以下の条件1,2を満たす光源が類似光源として検出される。

(条件1)カーソルブロック以外の領域に対応する。
(条件2)最終目標輝度BL(n−1)(m)との差が閾値以下となる最終目標輝度BL(n−1)が設定されていた。

また、上記条件1,2を満たす光源が複数存在する場合には、当該複数の光源のうち最終目標輝度BL(n−1)(m)との差が最も小さい最終目標輝度BL(n−1)が設定されていた光源が類似光源として検出される。最終目標輝度BL(n−1)、対象フレームの1つ前のフレームにおける最終目標輝度である。最終目標輝度BL(n−1)(m)は、分割領域mに対応する光源の、対象フレームの1つ前のフレームにおける最終目標輝度である。ここでは、類似光源の番号をSとし、S番目の光源に対応する分割領域を“分割領域S”と記載する。
類似光源が検出された場合には、S13に処理が進められる。
類似光源が検出されなかった場合には、S14に処理が進められる。
【0060】
S13では、目標輝度補正部108が、初期目標輝度BL(n)(m)を初期目標輝度BL(n)(S)に置換する。上述したように、初期目標輝度BL(n)(m)は、分割領域mに対応する光源の、対象フレームにおける目標輝度である。そして、初期目標輝度BL(n)(S)は、分割領域S(類似光源に対応する分割領域;類似領域)に対応する光源の、対象フレームにおける目標輝度である。
そして、S14に処理が進められる。
【0061】
S14では、目標輝度補正部108が、m=Mか否かを判断する。
m=Mである場合には、S15に処理が進められる。
m<Mである場合には、mに1が加算され、S09に処理が戻される。
【0062】
S15では、目標輝度補正部108が、各光源の初期目標輝度BL(n)を最終目標輝度として出力し、発光輝度制御部110が、各光源の発光輝度を最終目標輝度BL(n)に制御する。そして、次のフレームに処理対象が切り替えられ、S01に処理が戻される。
【0063】
(効果)
以下、本発明の効果について説明する。
まず、図6を用いて従来技術の一例を説明する。
図6は、1フレームの画像データの輝度特徴量に応じて各光源の発光輝度を制御する従来の表示装置における表示画像(画面に表示された画像)の一例を示す図である。図6では、表示画像は、動オブジェクト、カーソル、ユーザ操作メニューなどを有する。また、図6には、ユーザがマウス等を用いてカーソルを移動させる様子が示されている。
【0064】
従来の表示装置では、カーソルを含む分割領域に対応する光源の発光輝度が、カーソルの画素値を考慮して取得された輝度特徴量に応じて決定される。そのため、カーソルの表示により、カーソル周辺の表示輝度が特異的に変化してしまう。例えば、カーソルの画像が明るい画像である場合には、カーソルを含む分割領域に対応する光源の発光輝度が、カーソルを含んでいないときよりも高くなってしまう。そのため、カーソル周辺の表示輝度が特異的に高くなってしまう。そして、カーソルが移動すると、表示輝度が変化する領域もカーソルの動きに追従するように移動する。このような表示輝度の変化は、ユーザの違和感(画質的な妨害感)をまねく。
特に、動オブジェクトを含む分割領域以外の分割領域にカーソルが表示された場合に、上記妨害感は顕著となる。具体的には、通常ユーザは、カーソルそのものではなくカーソル周辺の領域に注目する。そして、カーソル周辺に動オブジェクトが存在しないなら、ユーザの視点は常にカーソル周辺の領域内にあると考えられる。そのため、動オブジェクトを含む分割領域以外の分割領域にカーソルが表示された場合には、カーソル周辺の領域における局所的な表示輝度の変化が視認されやすく、目立ってしまう。なお、カーソル周辺に動オブジェクトが存在する場合には、ユーザの視点も動オブジェクトを追従視するように動くため、カーソル周辺の領域における局所的な表示輝度の変化は目立たない。
【0065】
次に、本実施例に係る表示装置について説明する。
本実施例によれば、原画像の画像変化による表示輝度の変化が抑制されないように、カーソル(所定のオブジェクト)の重畳表示による表示輝度の変化を抑制することができる。
以下、上記効果と上記効果が得られる理由について詳しく説明する。原画像は、カーソルを重畳する前の画像である。
【0066】
本実施例では、動オブジェクトを含まない分割領域にカーソルが表示されると判定された場合に、類似光源が検出される。換言すれば、カーソルブロックが準静止ブロックとして検出された準静止カーソルブロックである場合に、類似光源が検出される。類似光源は、上述したように、仮に準静止カーソルブロックにカーソルが表示されなかったとした場合に準静止カーソルブロックに対応する光源に対して得られる初期目標輝度に類似した初期目標輝度が得られた光源である。そして、準静止カーソルブロックに対応する光源の初期目標輝度が、類似光源の初期目標輝度に置換され、準静止カーソルブロックに対応する光源の発光輝度が、類似光源の発光輝度と同じ値に制御される。
【0067】
これにより、図1に示すように、動オブジェクトを含まない分割領域にカーソルが表示される場合に、カーソル周辺の表示輝度が特異的に変化すること(画質の劣化)を抑制す
ることができる。また、カーソル周辺の領域における画像データの輝度値が、移動を伴わない画像変化により変化した場合に、当該輝度値の変化に応じて準静止カーソルブロックに対応する光源の発光輝度を変化させることができる。その結果、動オブジェクトを含まない分割領域にカーソルが表示される場合に、カーソル周辺の領域における画像データの輝度値が移動を伴わない画像変化により変化したとしても、カーソル周辺の領域を正確な表示輝度で表示することができる。
このように、本実施例では、原画像の画像変化による表示輝度の変化が抑制されないように、カーソルの重畳表示による表示輝度の変化を抑制することができる。
【0068】
また、カーソルの重畳表示による表示輝度の変化が抑制されるように発光輝度を制御すると、カーソルの画素値が高い値(高輝度の画素値)であるにも関わらず、カーソルブロックに対応する光源の発光輝度が低い値に制御されてしまうことがある。その場合、カーソルの画素値に乗じるゲインが大きくなるため、カーソルの画素値が上限値に飽和してしまうことがある。画素値の飽和は、コントラストの低下、画素の色変化など画質の劣化をもたらす。例えば、画素を構成するRサブピクセル、Gサブピクセル、及び、Bサブピクセルの3色のサブピクセルうち、特定の色のサブピクセルだけが飽和すると、当該画素の色が変わってしまう。
本実施例では、リミット部114が、カーソルブロック内の画素であり、画素値が上限値を超えている画素については、画素値としてゲイン乗算前の画素値を出力する。これにより、カーソルの画素値が飽和することを防止でき、画質の劣化を抑制してカーソルを表示することができる。
【0069】
(処理と効果の具体例)
本実施例に係る表示装置における処理と効果の具体例について図4を用いて説明する。
図4は、本実施例で使用される各種データの一例を示す図である。
図4の上段に記載のデータは、N番目のフレームのデータを示す。中段に記載のデータは、N+1番目のフレームのデータを示す。下段に記載のデータは、N+2番目のフレームのデータを示す。N〜N+2番目のフレームは、同じシーンのフレームである。
【0070】
図4の最も左側の列(左から1列目)に記載のデータは、表示装置に入力された画像データである。具体的には、図4では、画像データによって表される画像の一部の領域が図示されている。太実線で囲まれた領域を細破線で分割して得られる9つの領域a〜iのそれぞれが分割領域である。図4では、画像データの輝度値が、フェード効果により徐々に高まることが図示されている。また、図4では、分割領域a〜iに動オブジェクトが存在しておらず、N+1番目のフレームで、分割領域a〜i以外の分割領域から分割領域eにカーソルが移動し、N+2番目のフレーム、分割領域eから分割領域hにカーソルが移動することが図示されている。
【0071】
図4の左から2列目に記載のデータは、カーソルブロック検出部102の検出結果(カーソル検出フラグ)を示す。
カーソルブロック検出部102は、カーソルブロックに対してカーソル検出フラグ「1」が割り当てられ、カーソルブロック以外の分割領域に対してカーソル検出フラグ「0」が割り当てられた情報を、検出結果として出力する。
なお、カーソルブロック検出部102が出力する検出結果は上記情報に限らない。例えば、カーソルブロックに対するカーソル検出フラグのみが出力されてもよい。
【0072】
図4の左から3列目に記載のデータは、準静止ブロック検出部104が記憶している動きベクトルを示す。
準静止ブロック検出部104は、1つ後のフレームとの間の動きベクトルを動き検出部103から取得し、カーソル検出フラグをカーソルブロック検出部102から取得する。
そして、準静止ブロック検出部104は、カーソル検出フラグが0である分割領域についてのみ、記憶している動きベクトルを取得した動きベクトルに更新する。
例えば、N番目のフレームでは、分割領域a〜iのカーソル検出フラグが全て0である。そのため、N番目のフレームでは、準静止ブロック検出部104は、記憶している分割領域a〜iの動きベクトルを取得した動きベクトル(零ベクトル)に更新する。
N+1番目のフレームでは、分割領域a〜iのうち、分割領域eのカーソル検出フラグが1であり、残り8つの分割領域のカーソル検出フラグが0である。そのため、N+1番目のフレームでは、準静止ブロック検出部104は、記憶している分割領域eの動きベクトルを更新せずに、記憶している残り8つの分割領域の動きベクトルを取得した動きベクトル(零ベクトル)に更新する。
そして、準静止ブロック検出部104は、処理対象の分割領域と、当該分割領域に隣接する分割領域との全てについて、記憶している動きベクトルが零ベクトルである場合に、処理対象の分割領域を準静止ブロックとして検出する。ここでは、分割領域a〜iの全てが準静止ブロックとして検出されたとする。
【0073】
図4の左から4列目に記載のデータは、特徴量取得部106が取得した最大画素値を示す。図4は、画像データが8ビットのデータであり、画像データの値(画素値)は0〜255の値をとり得る場合の例を示す。また、図4は、カーソルの画素値が255の場合の例を示す。カーソル以外の画素値がフェード効果により徐々に高められるため、図4では、カーソルブロック以外の分割領域の最大画素値が徐々に増加している。
【0074】
図4の左から5列目に記載のデータは、目標輝度決定部107が最大画素値(特徴量取得部106で取得された最大画素値)に応じて決定した初期目標輝度を示す。図4には、目標輝度決定部107が決定した初期目標輝度の、目標輝度の取り得る値の最大値(最大輝度)に対する割合(0〜100%)が図示されている。また、図4は、最大画素値が255のときに最大輝度が初期目標輝度として得られる場合の例を示す。そのため、カーソルを含む分割領域では上記割合が100とされている。
【0075】
図4の左から6列目に記載のデータは、1つ前のフレームにおける最終目標輝度を示す。
【0076】
図4の左から7列目に記載のデータは、対応するフレームにおける最終目標輝度を示す。
本発明では、N+1番目のフレームの分割領域eのように、カーソル検出フラグが「1」であり、且つ、準静止ブロック検出部104が記憶している動きベクトルが0である分割領域が準静止カーソルブロックとして判断される。
次に、準静止カーソルブロックに隣接する8つの分割領域に対応する8つの光源の中から類似光源が検出される。具体的には、以下の条件1,2を満たす光源が類似光源として検出される。

(条件1)カーソルブロック以外の領域に対応する。
(条件2)準静止カーソルブロックに対応する光源との間の過去のフレームにおける最終目標輝度の差が閾値以下であった。

また、上記条件1,2を満たす光源が複数存在する場合には、当該複数の光源のうち最終目標輝度の差が最も小さかった光源が類似光源として検出される。例えば、N+1番目のフレームでは、1つ前のフレーム(N番目のフレーム)における分割領域eの最終目標輝度が12であり、1つ前のフレームにおける分割領域a,b,c,d(分割領域eに隣接する分割領域)の最終目標輝度も12である。そのため、N+1番目のフレームでは、4つの分割領域a,b,c,dに対応する4つの光源のいずれかが類似光源として選択さ
れる。
そして、準静止カーソルブロックに対応する光源の現在のフレームにおける初期目標輝度が、類似光源の現在のフレームにおける初期目標輝度に置換され、最終目標輝度として出力される。N+1番目のフレームでは、分割領域a,b,c,dの初期目標輝度はいずれも24である。そのため、N+1番目では、分割領域eの初期目標輝度が、100(図4の左から5列目に記載の値)から24(図4の左から7列目に記載の値)に補正される。
なお、類似光源の候補が複数存在する場合には、複数の候補のうち、現在のフレームにおける初期目標輝度が最も高い光源を類似光源として選択することが好ましい。例えば、N+1番目のフレームでは、分割領域a,b,cの初期目標輝度が24であり、分割領域dの初期目標輝度が30である場合には、分割領域dに対応する光源が類似光源として選択されることが好ましい。それにより、発光輝度(バックライト輝度)が不足することを防止でき、カーソルの表示輝度の変化を抑制することができる。
【0077】
以上の処理を行うことにより、N+1番目のフレームでは、分割領域eに対応する光源の発光輝度が100(画像の明るさに応じて決定された値)には制御されない。そして、原画像の画像変化(フェード効果)に合わせて、分割領域eに対応する光源の発光輝度が12から24に高められる。これにより、原画像の画像変化による表示輝度の変化が抑制されないように、カーソル(所定のオブジェクト)の重畳表示による表示輝度の変化を抑制することができ、画質上の違和感のない画像を表示することができる。
【0078】
なお、本実施例では、カーソルの表示領域を表す座標データが外部から取得され、当該座標データを用いてカーソルブロックが検出されるものとしたが、これに限らない。例えば、画像データを解析することによりカーソルブロックが検出されてもよい。具体的には、分割領域毎に以下の第1の条件と第2の条件を満たすか否かの判断を行い、第1の条件と第2の条件の両方を満たす分割領域をカーソルブロックとして検出してもよい。そして、カーソルブロックを検出した後は、カーソルブロックとして検出された分割領域を、第1の条件と第2の条件の両方を満たさなくなるまで、カーソルブロックとして判断し続けてもよい。即ち、カーソルブロックを検出した後に、カーソルブロックとして検出された分割領域が第1の条件と第2の条件の少なくとも一方を満たす場合には、当該分割領域をカーソルブロックとして判断し続けてもよい。

・第1の条件:自ブロック(条件を満たすか否の判断対象の分割領域)に対応する特徴量が、自ブロックに隣接する複数の分割領域(隣接ブロック)に対応する特徴量の最大値よりも所定値以上大きい。
・第2の条件:自ブロックの動きベクトルの絶対値が0より大きく、かつ、全ての隣接ブロックの動きベクトルが0である。
【0079】
なお、本実施例では、準静止カーソルブロックに対応する光源の初期目標輝度を、類似光源の初期目標輝度に置換する例を説明したが、これに限らない。
周辺の光源の初期目標輝度に基づいて補正すれば、準静止オブジェクトブロックに対応する光源の初期目標輝度はどのように補正されてもよい。但し、動オブジェクトを含む領域の初期目標輝度は動オブジェクトの移動によって変化する虞がある。そして、仮に準静止カーソルブロックにカーソルが表示されなかったとした場合に得られる準静止カーソルブロックの初期目標輝度と同じように初期目標輝度が変化するのはカーソルを含まない準静止ブロックであると考えられる。そのため、準静止カーソルブロックに対応する光源の初期目標輝度を、周辺に位置する複数の光源のうち、カーソルブロックとして検出されていない準静止ブロックに対応する光源の初期目標輝度に基づいて補正することが好ましい。それにより、上述した効果をより確実に得ることができる。
【0080】
また、準静止カーソルブロックに対応する光源の初期目標輝度が類似光源の初期目標輝度に近づけられれば、準静止カーソルブロックに対応する光源の最終目標輝度は、類似光源の最終目標輝度と一致していなくてもよい。但し、仮に準静止カーソルブロックにカーソルが表示されなかったとした場合には、準静止カーソルブロックに対応する光源の初期目標輝度として、類似光源の初期目標輝度に非常に近い値が得られると考えられる。そのため、準静止カーソルブロックに対応する光源の初期目標輝度を、類似光源の初期目標輝度に置換すれば、上述した効果をより確実に得ることができる。
【0081】
また、本実施例では、準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺に上述した条件1,2を満たす光源が複数存在する場合に、当該複数の光源のうち最終目標輝度の差が最も小さかった光源を類似光源として選択したが、これに限らない。最終目標輝度の差が閾値以下であった光源であれば、どの光源を類似光源として選択してもよい。但し、最終目標輝度の差が最も小さかった光源は、仮に準静止カーソルブロックにカーソルが表示されなかったとした場合に得られる準静止カーソルブロックの初期目標輝度と同じように初期目標輝度が変化する可能性が高い。そのため、最終目標輝度の差が最も小さかった光源を類似光源として選択すれば、上述した効果をより確実に得ることができる。
【0082】
なお、本実施例ではシーンチェンジを検出する構成を説明したが、シーンチェンジは検出しなくてもよい。シーンチェンジを検出しなくても、シーンチェンジが生じない限り、上述した効果を得ることができる。但し、シーンチェンジを検出する構成とすれば、シーンチェンジ時に表示輝度等が乱れることを抑制することができる。
【0083】
<実施例2>
以下、本発明の実施例2に係る表示装置及びその制御方法について説明する。
実施例1では目標輝度を補正する例を説明したが、本実施例では特徴量を補正する例を説明する。
【0084】
(全体構成)
図5は、本実施例に係る表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
なお、実施例1と同じ機能部には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0085】
特徴量補正部208は、準静止カーソルブロックに対応する光源に対して取得された特徴量を、周辺の光源に対して取得された特徴量に基づいて補正する(補正処理)。即ち、特徴量補正部208は、準静止カーソルブロックに対応する特徴量を、周辺の分割領域に対応する特徴量に基づいて補正する。ここで、特徴量は、実施例1と同様に、光源に対応する領域に表示すべき画像の明るさを表す特徴量である。以後、補正処理前の特徴量(特徴量取得部106で取得された特徴量)を“初期特徴量”と呼び、補正処理後の特徴量を“最終特徴量”と呼ぶ。本実施例では、特徴量補正部208は、過去のフレーム(対象フレームの1つ前のフレーム)における最終特徴量を参照して、現在のフレーム(対象フレーム)における初期特徴量を補正する。本実施例では、準静止カーソルブロックに対応する最終特徴量は、準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺の光源に対して取得された初期特徴量に基づいて補正された値である。それ以外の分割領域に対応する最終特徴量は、特徴量取得部106で取得された値である。
そして、特徴量補正部208は、複数の分割領域(複数の光源)に対応する複数の最終特徴量を出力する。
なお、準静止カーソルブロックに対応する最終特徴量は、準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺の光源に対して取得された初期特徴量に基づく上記補正処理と、上記補正処理とは異なる何らかの補正処理とが施された値であってもよい。それ以外の分割領域に対応する最終特徴量は、何らかの補正処理が施された値であってもよい。
【0086】
特徴量記憶部209は、複数の分割領域に対応する複数の最終特徴量を記憶する。本実施例では、特徴量補正部208で補正処理が行われるときに、特徴量記憶部209には、過去のフレーム(対象フレームの1つ前のフレーム)における各分割領域の最終特徴量が記録されている。そして、特徴量記憶部209は、過去のフレームにおける各分割領域の最終特徴量を特徴量補正部208に出力し、特徴量補正部208から出力された各分割領域の最終特徴量(対象フレームにおける最終特徴量)を取得して記憶する。
【0087】
目標輝度決定部207と発光輝度制御部110により、光源毎に、その光源の発光輝度が、当該光源に対応する最終特徴量に応じた値に制御される。即ち、分割領域毎に、その分割領域に対応する光源の発光輝度が、当該分割領域に対応する最終特徴量に応じた値に制御される。
具体的には、目標輝度決定部207は、複数の光源のそれぞれについて、その光源に対応する最終特徴量に応じた目標輝度を決定し、各光源の目標輝度を表す情報を出力する。
発光輝度制御部110では、実施例1と同じ処理が行われる。
【0088】
(特徴量補正部208)
特徴量補正部208について詳しく説明する。
特徴量補正部208は、対象フレームにおける初期特徴量を特徴量取得部106から取得する。また、特徴量補正部208は、対象フレームの1つ前のフレームにおける最終特徴量を特徴量記憶部209から取得する。また、特徴量補正部208は、カーソルブロック検出部102の検出結果、準静止ブロック検出部104の検出結果、及び、シーンチェンジ検出部105の検出結果を取得する。
特徴量補正部208は、カーソルブロックとして検出され、且つ、準静止ブロックとして検出された分割領域を、準静止カーソルブロックとして判断する。
特徴量補正部208は、シーンチェンジ検出部105でシーンチェンジが検出された場合には、補正処理を行わずに、特徴量取得部106から取得された各分割領域の初期特徴量を、最終特徴量として出力する。
【0089】
シーンチェンジ検出部105でシーンチェンジが検出されなかった場合には、特徴量補正部208は、以下の処理を行う。
即ち、特徴量補正部208は、準静止カーソルブロックに対応する光源の周辺に位置する複数の光源の中から類似光源を検出(選択)する。即ち、特徴量補正部208は、準静止カーソルブロックの周辺に位置する複数の領域(分割領域)の中から類似領域を検出(選択)する。本実施例では、仮に準静止カーソルブロックにカーソルが表示されなかったとした場合に準静止カーソルブロックに対して得られる初期特徴量に最も類似した初期特徴量が得られた分割領域が類似領域として検出される。具体的には、対象フレームの1つ前のフレームにおける最終特徴量が参照される。そして、準静止カーソルブロックに対応する分割領域の周辺に位置する複数の分割領域のうち、以下の条件5,6を満たす分割領域が類似領域として選択される。

(条件5)カーソルブロック以外の領域である。
(条件6)準静止カーソルブロックとの間の過去のフレームにおける最終特徴量の差が閾値以下であった。

また、上記条件5,6を満たす分割領域が複数存在する場合には、当該複数の分割領域のうち最終特徴量の差が最も小さかった分割領域が類似領域として選択される。
【0090】
なお、上述した条件5,6を以下の条件7,8のように読み替えて、以下の条件7,8を満たす光源を類似光源として検出してもよい。

(条件3)カーソルブロック以外の領域に対応する。
(条件4)準静止カーソルブロックに対応する光源との間の過去のフレームにおける最終特徴量の差が閾値以下であった。
【0091】
次に、特徴量補正部208は、準静止カーソルブロックの対象フレームにおける初期特徴量を、選択した類似領域の対象フレームにおける初期特徴量に置換し、最終特徴量として出力する。
また、準静止カーソルブロック以外の分割領域については、特徴量補正部208は、特徴量取得部106から取得された各分割領域の初期特徴量を、最終特徴量として出力する。そのため、類似領域が存在しない場合には、補正処理が行われずに、特徴量取得部106から取得された各分割領域の初期特徴量が、最終特徴量として出力される。
【0092】
以上述べたように、本実施例によれば、準静止カーソルブロックに対応する光源に対して取得された初期特徴量が、周辺の光源に対して取得された初期特徴量に基づいて補正される。それにより、原画像の画像変化による表示輝度の変化が抑制されないように、カーソルの重畳表示による表示輝度の変化を抑制することができる。
【0093】
具体的には、本実施例では、動オブジェクトを含まない分割領域にカーソルが表示されると判定された場合に、類似領域が検出される。換言すれば、カーソルブロックが準静止ブロックとして検出された準静止カーソルブロックである場合に、類似領域が検出される。そして、準静止カーソルブロックに対応する初期特徴量が、類似領域に対応する初期特徴量に置換され、準静止カーソルブロックに対応する光源の発光輝度が、類似領域に対応する光源の発光輝度と同じ値に制御される。
【0094】
これにより、動オブジェクトを含まない分割領域にカーソルが表示される場合に、カーソル周辺の表示輝度が特異的に変化すること(画質の劣化)を抑制することができる。また、カーソル周辺の領域における画像データの輝度値が、移動を伴わない画像変化により変化した場合に、当該輝度値の変化に応じて準静止カーソルブロックに対応する光源の発光輝度を変化させることができる。その結果、動オブジェクトを含まない分割領域にカーソルが表示される場合に、カーソル周辺の領域における画像データの輝度値が移動を伴わない画像変化により変化したとしても、カーソル周辺の領域を正確な表示輝度で表示することができる。
このように、原画像の画像変化による表示輝度の変化が抑制されないように、カーソルの重畳表示による表示輝度の変化を抑制することができる。
【0095】
なお、実施例1で述べた目標輝度の補正方法と同様に、本実施例における特徴量の補正方法としても種々の方法が採用できる。
【0096】
<その他の実施例>
記憶装置に記録されたプログラムを読み込み実行することで前述した実施例の機能を実現するシステムや装置のコンピュータ(又はCPU、MPU等のデバイス)によっても、本発明を実施することができる。また、例えば、記憶装置に記録されたプログラムを読み込み実行することで前述した実施例の機能を実現するシステムや装置のコンピュータによって実行されるステップからなる方法によっても、本発明を実施することができる。この目的のために、上記プログラムは、例えば、ネットワークを通じて、又は、上記記憶装置となり得る様々なタイプの記録媒体(つまり、非一時的にデータを保持するコンピュータ読取可能な記録媒体)から、上記コンピュータに提供される。したがって、上記コンピュータ(CPU、MPU等のデバイスを含む)、上記方法、上記プログラム(プログラムコ
ード、プログラムプロダクトを含む)、上記プログラムを非一時的に保持するコンピュータ読取可能な記録媒体は、いずれも本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
102:カーソルブロック検出部 104:準静止ブロック検出部 106:特徴量取得部 107,207:目標輝度決定部 108:目標輝度補正部10:発光輝度制御部 111:バックライト 115:液晶パネル 208:特徴量補正部 209:特徴量記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6