(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インク組成物が、少なくとも15重量パーセントの再生可能資源由来の成分を含む、または再生可能資源由来のアルコールが、少なくとも1つのエステル化合物を作るために使用される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
非晶質結合剤の量が、インク組成物全体の5から40重量%の範囲内にあるか、又は結晶性相変化剤の量が、インク組成物全体の60から95重量%の範囲内にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
エステルの樹脂または化合物、例えばAbitol Eのエステル樹脂または化合物を含む組成物を、本明細書において記載する。実施形態において、このような組成物は、例えばインク組成物の成分として結合剤および/または樹脂などを用いることができる。
【0014】
エステル樹脂、例えば本開示のAbitol Eエステル樹脂は、さまざまなモノAbitol Eエステルおよびスペーサ基により繋がれたダイマー−Abitol Eエステルを含む。エステル樹脂または化合物の置換基の同一性に依存して、本開示の化合物は、レオロジー特性を調整することができるという点で、結合剤樹脂にとって望ましいさまざまな物理的特性を明示する能力を有する。官能基の適切な選択により本開示のエステル樹脂または化合物のいくつかのレオロジー特徴を調整するこの能力は、相変化インク組成物のインクジェット印刷などの特定の用途における使用にとって有利である。
【0015】
「飽和の」という用語は、例えば、単結合だけを含有する化合物を指し、本明細書において環状構造もまた含む。「不飽和の」という用語は、例えば、1または複数の二重結合および/または1または複数の三重結合を含有する化合物を指し、これらは炭素原子および/またはヘテロ原子、例えばO、N、SおよびPを含むことができる。
【0016】
「炭化水素」および「アルカン」という用語は、例えば、一般式C
nH
2n+2を有する分枝および非分岐の分子を指し、式中nは1以上、例えば1から約60の値を有する整数である。例示的アルカンは、メタン、エタン、n−プロパン、イソプロパン、n−ブタン、イソブタン、tert−ブタン、オクタン、デカン、テトラデカン、ヘキサデカン、エイコサン、テトラコサン、これらの異性体などを含む。アルカンは、水素原子を1つまたは複数の官能基に置き換えることにより置換されていてもよい。「脂肪族化合物」という用語は、例えば、非環式の直鎖または分枝のアルカンである炭化水素分子を指す。「長鎖」という用語は、例えば、nが、約8から約60、例えば、約18から約45または約24から約40の数である直鎖炭化水素鎖を指す。「短鎖」という用語は、例えば、nが、1から約7、例えば約2から約5または約3から約4である直鎖炭化水素鎖を指す。「環式」または「脂環式」という用語は、例えば、1または複数の環を含んだ環式炭化水素分子を指し、該環は、融合、分枝されていても、または多環式、例えば二重環であってもよい。
【0017】
「アルキル」という用語は、例えば、非環式または環式であり、分枝または非分岐いずれかの、アルカンに由来し一般式C
nH
2n+1またはC
nH
2n−1を有する飽和炭化水素基を指し、式中、nは1以上の値を有する整数である。例えば、nは、1から約60の範囲であってよい。例示的アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、neo−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−オクチル、イソ−オクチル、シクロオクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルこれらの異性体などを含む。「低級アルキル」という用語は、例えば1から約12の炭素原子のアルキル基を指す。
【0018】
「アルケン」という用語は、例えば、アルケンに由来し、1または複数の炭素原子間の二重結合を含む、分枝および非分岐の不飽和分子を指す。例示的アルケンは、エチレン、プロペン、ブテン、ブタジエン、オクテン、デセン、テトラデセン、ヘキサデセン、エイコセン、テトラコセンなどを含む。アルケンは、水素原子を1または複数の官能基により置き換えることにより置換されていてもよい。
【0019】
「アリール」という用語は、例えば、芳香族化合物に由来し、芳香族化合物を同じ一般構造を有する有機基を指す。芳香族化合物の例は、例えば、フェニル(C
6H
5)、ベンジル(C
7H
7)、ナフチル(C
10H
7)、アントラセニル(C
14H
9)、フラニル(C
4H
3O)、ピリジニル(C
5H
4N)、チオフェニル(C
4H
3S)などを含む。場合により、これらの芳香族基は、アルキルおよびシクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、チオール、ハロ(F、Cl、Br、Iなど)、(チオ)エステル、カルボン酸、アシル、(アルキル)アミノ、(アリール)アミノおよびニトロの各基を含む、1つまたは複数の、独立して選択された置換基により置換されていてもよい。
【0020】
「アリールアミン」という用語は、例えば、アリール基およびアミン基の両方を含有する部分を指す。
【0021】
「アルコール」は、例えば、水素原子の1つまたは複数が−OH基により置き換えられているアルキル部分を指す。「低級アルコール」という用語は、例えば、1つまたは複数の水素原子が−OH基により置き換えられている、約1から約6の炭素原子のアルキル基を指す。「第1級アルコール」という用語は、例えば、−OH基が末端炭素原子に結合されているアルコール、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノールなどを指す。「第2級アルコール」という用語は、例えば、−OH基が、2つの他の炭素原子に結合されている炭素原子に結合されているアルコール、例えば2−プロパノール(イソプロパノール)、2−ブタノール、2−ヘキサノールなどを指す。「第3級アルコール」という用語は、例えば、OH基が3つの他の炭素原子に結合されている炭素原子に結合されているアルコール、例えばメチルプロパノール(tert−ブタノール)などを指す。
【0022】
「ハロゲン」または「ハロゲン原子」という用語は、例えば、第17族元素、例えばフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)を指す。「ハロ」という用語は、例えば、有機化合物におけるハロゲン原子の水素原子との置換を指す。「ハロアルキル」は、例えば、1または複数の水素原子が、ハロゲン原子により置き換えられているアルキル部分を指す。「過ハロゲン化された」という用語は、例えば、すべての水素原子がハロゲン原子により置き換えられている化合物を指すが、「部分的にハロゲン化された」という語句は、例えば、すべてには満たない水素原子がハロゲン原子により置き換えられている化合物を指す。
【0023】
「アルキルアリール」という用語は、例えば、アルキル部分およびアリール部分を含む基を指し、アルキルアリール基のアルキル部分は直鎖又は分枝、飽和または不飽和および環式または非環式であってよく、ヘテロ原子がアルキルアリール基のアリール部分またはアルキル部分のいずれかに存在しても、または存在しなくてもどちらでもよく、アルキルアリール鎖中に例えば約6から約50の炭素原子、例えば約6から約40または約7から約20の炭素原子を有し、置換されたアルキル、アリール、アリールアルキルおよびアルキルアリール基の置換基は、例えば、ハロゲン原子、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、イミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、硫酸基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、リン酸基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、尿素基、これらの混合物などであってよく、2以上の置換基を一緒につなげて、環が形成されていてもよい。
【0024】
「アルキレン」という用語は、例えば、二価の脂肪族基またはアルキル基を指し、直鎖および分枝、飽和および不飽和、環式および非環式ならびに置換および非置換のアルキレン基を含み、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、イオウ、ケイ素、リン、ホウ素、Mg、Li、Al、Ge、Cu、Fe、Ni、Pd、Ptなどがアルキレン基中に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよい。例えば、アルキレン基は、構造−(CH
2)
p−を有することができ、pは1から約60の範囲、例えば約5から約25または約7から約15の整数である。
【0025】
「アリーレン」という用語は、例えば、二価の芳香族基またはアリール基を指し、置換および非置換のアリーレン基を含み、ヘテロ原子、例えばO、N、S、P、Si、B、Al、Li、Mg、Cu、Feなどがアリーレン基中に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよい。例えば、アリーレン基は、アリーレン鎖中に約5から約20の炭素原子、例えば約6から約14または約6から約10の炭素原子を含むことができる。
【0026】
「アリールアルキレン」という用語は、例えば、二価のアリールアルキル基を指し、置換および非置換のアリールアルキレン基を含み、アリールアルキレン基のアルキル部分は、直鎖または分枝、飽和または不飽和および環式または非環式であってよく、ヘテロ原子、例えばO、N、S、P、Si、B、Al、Li、Mg、Cu、Feなどがアリールアルキレン基のアリール部分またはアルキル部分のいずれかに存在しても、または存在しなくてもどちらでもよい。例えば、アリールアルキレン基は、アリールアルキレン鎖中に約6から約32の炭素原子、例えば約7から約22または約7から約20の炭素原子を有することができる。
【0027】
「アルキルアリーレン」という用語は、例えば、二価のアルキルアリール基を指し、置換および非置換のアルキルアリーレン基を含み、アルキルアリーレン基のアルキル部分は、直鎖または分枝、飽和または不飽和および環式または非環式であってよく、ヘテロ原子、例えばO、N、S、P、Si、Ge、B、Al、Li、Mg、Cu、Fe、Pd、Ptなどがアルキルアリーレン基のアリール部分またはアルキル部分のいずれかに存在しても、または存在しなくてもどちらでもよい。例えば、アルキルアリーレンは、アルキルアリーレン鎖中に約6から約32の炭素原子、例えば約7から約22または約7から約20の炭素原子を有することができ、置換されたアルキレン、アリーレン、アリールアルキレンおよびアルキルアリーレンの各基の置換基は、例えばハロゲン原子、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エステル基、アミド基、イミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、硫酸基、スルホネート基、スルホン酸基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、リン酸基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、アゾ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、グアニジニウム基、アミジン基、イミダゾリウム基、カルボキシレート基、カルボン酸基、ウレタン基、尿素基、これらの混合物などであってよく、2以上の置換基を一緒につなげて、環が形成されていてもよい。
【0028】
本明細書において使用する場合、「粘度」は複素粘度を指し、せん断応力の強制調波振動の間に決定される周波数依存粘度関数である。これは、試料を定常せん断歪み(steady shear strain)に供することが可能な、レオメーターにより提供される代表的な測定である。
【0029】
(エステル樹脂または化合物)
実施形態において、本開示のインクは、1または複数のエステル樹脂または化合物、例えば二価酸およびアルコールから調製されるエステル樹脂または化合物を含むことができ、二価酸およびアルコールの反応生成物は生分解性である。実施形態において、バイオベースまたは再生可能資源に由来する二価酸および/またはアルコールを選択することができる。特定の実施形態において、1または複数のエステル樹脂または化合物は、下記の一般構造を有する、一般式Iおよび/または一般式IIの化合物により表されるAbitol Eのエステル樹脂もしくは化合物:
【化1】
または一般式Iおよび/またはIIの1または複数の化合物の混合物であってよく、
式中、R
1は、アルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基であり、置換および非置換のアルキレン基を含み、ヘテロ原子が、アルキレン基、例えば、2から約60の炭素原子もしくは約2から約40の炭素原子もしくは約4から約10の炭素原子を含有するアルキレン基中に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよく、またはアリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基であり、置換および非置換のアリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基を含み、ヘテロ原子が、約7から約20の炭素原子、例えば、約7から約18の炭素原子もしくは約7から約14の炭素原子を含有する、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基中に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよく;ならびに
R
2−R
25基は、水素、アルキル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基および複素環基からなる群から独立して選択され、(CH
2)
xは1または複数のメチレン基を表し、xは1から約36の整数、例えば1から約24の整数または約1から約20の整数である。
【0030】
実施形態において、R基、例えば本開示の一般式の1つまたは複数のR
2−R
25基は、互いに同じであっても、または異なっていてもよい。特に明記しない限り、この概念は、本開示のすべての式に適用される。一般式Iは、この概念の例示として使用することができる。例えば、一般式I中の1または複数のR
2−R
25基は同一であってよい。代替的には、実施形態において、一般式I中の1または複数のR
2−R
25基は異なっていてもよい。
【0031】
上記の一般式の化合物は、適切な二価酸および適切な量の所望のアルコールとの間の縮合反応により調製することができる。実施形態において、該反応は減圧下、例えば約100mmHg未満または約0.1mmHgから約50mmHgの範囲で、反応の所望の完了程度を達成するための適切な温度、例えば約120℃から約230℃または約130℃から約220℃または約150℃から約210℃の温度範囲において実施することができる。該縮合反応は、触媒を使用しても、または使用しなくても実施できるが、触媒は、反応の完了を早めるために使用することができる。使用可能なさまざまなタイプの触媒は、例えば、テトラアルキルチタネート、ジアルキルスズオキシド、例えばジブチルスズオキシド(ジブチルオキソスタンナン)、テトラアルキルスズオキシド化合物、例えばジブチルスズジラウレート、ジアルキルスズ酸化合物、例えばブチルスズ酸、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、二酸化チタンまたはこれらの混合物を含み、これらの触媒は、例えば、出発二価酸に基づき約0.005重量パーセントから約5重量パーセントの量で選択される。実施形態において、縮合反応は、約24時間未満、例えば約20時間未満または約15時間未満で完了する(すなわち、少なくとも95%、例えば二価酸の99%が反応している)。
【0032】
例として、一般スキーム1(下記)において、例示的アルコール(ABITOL E(商標)など(Eastman Chemicalから利用可能))を出発試薬として利用する。ABITOL Eは代表的構造により示され、ヒドロアビエチルアルコール(CAS[13393−93−6])(水素化ロジン(CAS[8050−15−5])および脱炭酸ロジン(CAS[8050−18−8])のメチルエステル)を含み、二価酸と反応させ、反応条件に依存してジエステルおよびモノエステルの混合物を得、二価酸のRは、一般式IのR
1に関して上で説明したように定義することができる。
【化2】
【0033】
該生成物は、いずれの精製もせずに使用することができる。これは、溶媒もさらなる精製も全くなしに反応が実施される、好ましい方法である。溶媒を使用しない反応は、環境および費用効果に関しても優れている。
【0034】
モノエステルは、ジエステルと比較して、約1%から約50%または約1.5%から約40%で生成物中に存在することができる。
【0035】
特定の実施形態において、該相変化インクは、一般式IIIおよび/またはIVにより表される少なくとも1種のエステル化合物:
【化3】
または一般式IIIおよび/またはIVの1または複数の化合物の混合物を含み、式中、R
1は(一般式Iに関して)上で定義した通りである、すなわち、(a)アルキレン基、置換および非置換のアルキレン基を含み、ヘテロ原子がアルキレン基中に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよい、(b)アリーレン基、置換および非置換のアリーレン基を含み、ヘテロ原子がアリーレン基中に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよい、(c)アリールアルキレン基、置換および非置換のアリールアルキレン基を含み、ヘテロ原子がアリールアルキレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよい、あるいは(d)アルキルアリーレン基、置換および非置換のアルキルアリーレン基を含み、ヘテロ原子がアルキルアリーレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよく、2以上の置換基を一緒につなげて、環が形成されていてもよい。
【0036】
実施形態において、二価酸およびアルコールの反応のエステル生成物は生分解性である、かつ/または二価酸および/もしくはアルコールは再生可能資源に由来するように選択される。生成物は、それらが石油系であるか、または再生可能資源由来かどうかを、
14C放射性炭素年代測定法により検査可能である。石油系生成物は実質的に高い、何百万年もの
14C放射性炭素年代測定法値を有するものと思われ、比較して再生可能資源由来の生成物はごく最近または、現代の放射性炭素値を有するものと思われる。適切なバイオ再生可能な二価酸の例は、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、イタコン酸、アゼライン酸を含み、これらは農業資源および森林資源に由来する。このようにして、すべてのエステル樹脂または化合物は、バイオ再生可能またはより持続可能なように選択することができる。
【0037】
樹脂エステルの特定の例は、限定するものではないが、以下に示す構造を含む:
【化4】
【0038】
バイオ再生可能なエステル樹脂または化合物は、任意の所望量または有効量、例えば少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約35重量パーセントおよび/または少なくとも約30重量パーセントおよび/または約5重量パーセント以上の量でインクキャリア中に存在可能である。
【0039】
実施形態において、インクキャリア内容物の供給源は、インクキャリアが高いバイオ再生可能な内容物(BRC)を有し得るように選択することができる。例えば、マツの樹液由来のロジンアルコール、Abitol Eを、100%BRCである二価酸、例えば、コハク酸、イタコン酸およびアゼライン酸と反応させ、本開示のインク組成物のための非晶質結合剤を形成することができる。このようなインクは、結晶性相変化剤もまた含んでよい。trans−ケイ皮酸は、ケイ皮の油またはバルサム、例えばストラックスもしくはシアバター中に見出された天然材料である。trans−ケイ皮酸はまた、天然アミノ酸のフェニルアラニンから酵素のフェニルアラニンアンモニアリアーゼを使用して得ることも可能である。本開示のインクは、下記の一般式を有する結晶性trans−ケイ皮酸ジエステルを含むことができ、
【化5】
式中、Rは、
(a)アルキレン基であり、置換および非置換のアルキレン基を含み、ヘテロ原子がアルキレン基中に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよく、
(b)アリーレン基であり、置換および非置換のアリーレン基を含み、ヘテロ原子がアリーレン基中に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよく、
(c)アリールアルキレン基であり、置換および非置換のアリールアルキレン基を含み、ヘテロ原子がアリールアルキレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよく、あるいは
(d)アルキルアリーレン基であり、置換および非置換のアルキルアリーレン基を含み、ヘテロ原子がアルキルアリーレン基のアルキル部分およびアリール部分のいずれかまたは両方に存在しても、または存在しなくてもどちらでもよく、
2以上の置換基を一緒につなげて、環が形成されていてもよい。
【0040】
ジエステル由来の適切なtrans−ケイ皮酸の特定の例は、(限定するものではないが)下記の式のプロパン−1,3−trans−ケイ皮酸エステル、
【化6】
下記の式のブタン−1,4−trans−ケイ皮酸エステル
【化7】
下記の式のヘキサン−1,6−trans−ケイ皮酸エステル
【化8】
下記の式のtrans−シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−trans−ケイ皮酸エステル
【化9】
下記の式のpara−フェニル−1,4−ジメタノール−trans−ケイ皮酸エステル
【化10】
下記の式のbis(ヒドロキシメチル)フラン−trans−ケイ皮酸エステル
【化11】
下記の式の2,5−ジヒドロキシメチル−テトラヒドロフラン−trans−ケイ皮酸エステル
【化12】
下記の式のtrans−ケイ皮酸−2,3−ブタンジオールジエステル
【化13】
など、ならびにこれらの混合物を含む。
【0041】
特定の一実施形態において、ジオールは、再生可能資源に由来するように選択される。生成物は、それらが石油系であるか、または再生可能資源由来かどうかを、
14C放射性炭素年代測定法により検査可能である。石油系生成物は実質的に高い、何百万年もの
14C放射性炭素年代測定法値を有するものと思われ、比較して再生可能資源由来の生成物はごく最近または、現代の放射性炭素値を有するものと思われる。適切なバイオ再生可能ジオールの例は、限定するものではないが、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール(propadediol)、2,3−ブタンジオールなどを含み、これらは糖から得ることが可能である。このようにして、すべてのtrans−ケイ皮酸ジエステル材料は、バイオ再生可能なように選択することができる。
【0042】
結晶性成分は、下記の一般式を有するジエステルであり、
【化14】
式中、それぞれ他とは独立した、すなわちそれらが同じであっても異なっていてもよいという意味のR
1およびR
2は、下記からなる群から選択されるアルコールR
1−OHおよびR
2−OH、
【化15】
ならびにこれらの混合物に由来し、式中酒石酸骨格は、L−(+)−酒石酸、D−(−)−酒石酸、DL−酒石酸またはメソ酒石酸ならびにこれらの混合物から選択される。
【0043】
結晶性成分は下記の一般式を有するジウレタンであり、
【化16】
式中、ジウレタンのR’およびR”はそれぞれ、ベンジル、2−フェニルエチル、2−フェノキシエチル、C
6H
5(CH
2)
4−、シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−メチルシクロヘキシルメチル、3−メチルシクロヘキシルメチルおよび4−メチルシクロヘキシルメチルから独立して選択される。
【0044】
実施形態において、(着色剤および他の微量添加剤、例えば酸化防止剤など以外のインク部分として定義される)インクキャリアは、インクキャリアの重量の少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、または少なくとも約15%のBRCを有する。実施形態において、結晶性相変化剤、例えば結晶性trans−ケイ皮ジエステルならびに非晶質結合剤および(一般式IおよびIIの化合物などの)本開示のエステル樹脂または化合物の両方は、容易に生分解可能であり、さらにインクの環境的持続性を強化することが公知のある種の材料である。
【0045】
実施形態において、エステル樹脂、例えばAbitol Eのエステル樹脂または化合物(例えば、一般式I−IVの一般構造を有する1または複数のエステル樹脂または化合物)は、相変化インク組成物の重量で、約5%から約40%または約10%から約35%または約15%から約30%の量で存在できる。実施形態において、エステル樹脂、例えば本開示のAbitol Eのエステル樹脂または化合物は、染料または顔料の重量で約0.5から約10%または約1から約8%または約2から約5%を含む、着色または非着色(または無色)の相変化インク組成物に組み込むことができる。
【0046】
実施形態において、インク組成物は、少なくとも2種の異なるエステル樹脂、例えばAbitol Eのエステル樹脂または化合物を任意の所望量で含有することができ、これらのエステル樹脂は結合剤として機能することができ、結晶性相変化剤および結合剤(エステル樹脂など)の間の重量パーセント比は、約95:5から約60:40、例えば約90:10から約70:30であってよい。実施形態において、該インク組成物は、着色剤、結晶性相変化剤および非晶質結合剤または樹脂を含むことができ、該インクは、1または複数のエステル樹脂、例えばAbitol Eのエステル樹脂または化合物を含む。
【0047】
実施形態において、該インク組成物は、約20℃から約60℃において固体であり得る。実施形態において、該相変化インクは、例えば示差走査熱量測定により決定した場合、約65℃から約150℃、例えば約66℃から約145℃、約70℃から約140℃の融点を有する固体インクであり得る。実施形態において、該相変化インクは、約65℃から約120℃の結晶化点を有する。更なる実施形態において、該相変化インクは、溶融状態、例えば130℃を超える温度において、約1から約20cPs(センチポイズまたはmPa−sec)または約2から約18cPsまたは約3から約15cPsの範囲の複素粘度を有することができる。該相変化インクの複素粘度は、例えば約1Hzから約100Hzの周波数の範囲で測定可能である。室温において、該相変化インクは、約≧1×10
6 cPsの複素粘度を有することができる。
【0048】
実施形態のインクは、既存の添加剤をさらに含み、このような既存の添加剤に伴う公知の機能性を利用することができる。このような添加剤は、例えば、少なくとも1種の酸化防止剤、消泡剤、スリップ剤および均染剤、清澄剤、粘度調整剤、密着剤または粘着剤、可塑剤などを含むことができる。
【0049】
実施形態の組成物は、インク(複数可)またはコーティングに組み込むことができ、既存の添加剤をさらに含み、このような既存の添加剤に伴う公知の機能性を利用することができる。このような任意選択の添加剤は、例えば酸化防止剤、消泡剤、UV吸収剤、スリップ剤および均染剤、相乗剤、補助剤、清澄剤、粘着剤、密着剤、可塑剤などを含むことができる。
【0050】
実施形態において、該インクは、場合により酸化防止剤を含有し、画像を酸化から保護することができ、インク成分を、インクリザーバにおいて加熱メルトとして存在する間の酸化から保護することもできる。酸化防止剤は、存在する場合、任意の所望量または有効量、例えば、インク重量の約0.25パーセントから約10パーセントまたはインク重量の約0.5パーセントから約5パーセントでインク中に存在することができる。
【0051】
該インクは、任意選択の粘着剤、例えばガムロジンまたはトール油樹脂由来のロジン酸の市販の誘導体をさらに含有することができる。粘着剤は、任意の有効量、例えば、インク重量の約0.01パーセントからインク重量の約30パーセント、インクの約0.1重量パーセントからインクの約25重量パーセント、インクの約1重量パーセントからインクの約20重量パーセントでインク中に存在することができる。
【0052】
可塑剤は、インク重量の約0.01から約30パーセント、約0.1から約25パーセント、約1から約20パーセントの量で存在することができる。
【0053】
実施形態において、本明細書に記載のインク組成物はまた、少なくとも1種の着色剤も含む。染料、顔料これらの混合物などを含む、任意の所望または有効な着色剤を、着色剤がインクキャリアに溶解または分散され得るという条件でインク組成物に用いることができる。任意の染料または顔料は、インクキャリアに分散または溶解可能であり、他のインク成分と相溶性であることを条件に選択することができる。
【0054】
油溶性染料(solvent dye)もまた用いることができる。顔料もまた、本明細書に記載のインク組成物に適切な着色料である。
【0055】
存在する場合、任意選択の添加剤は、個別または組み合わせで、任意の所望量または有効量、例えば、インク重量の約0.1から約15パーセントまたは約0.5から約12パーセントでインク中に存在することができる。
【0056】
本開示の相変化インク中の着色料の量は、約0.5重量%から約20重量%または約1重量%から約15重量%、インク組成物の約2重量%から約10重量%であってよい。
【0057】
該インク組成物は、任意の所望または適切な方法により調製することができる。例えば、インクキャリアの個々の成分は、一緒に混合し、その後、混合物を、少なくともその融点、例えば、約60から約150℃、例えば約80から約140℃または約85から120℃に加熱することができる。該着色剤は、インク原料が加熱される前またはインク原料が加熱された後に加えることができる。該インクは、インクジェット印刷方法のための装置において、紙に直接、または中間転写部材に間接的のいずれかで用いることができる。本明細書に記載の相変化インクの印刷に適切な装置の例は、溶融相変化インクを保存または収容する、少なくとも1つの熱制御インク保持リザーバ、インクを印刷するインクジェットヘッドおよび相変化インクをインクジェットヘッドに提供するインク供給ラインで構成される装置を含む。
【0058】
本明細書に開示の別の実施形態は、本明細書に開示のインクをインクジェット印刷装置に組み込むステップ、インクを溶融するステップおよび溶融インクの液滴を記録基材上に象様パターンで吐出させるステップを含む方法を対象とする。公知の直接印刷方法は、本開示のインク組成物を基材上に適応するために適切であり得る。
【0059】
本明細書に開示のさらに別の実施形態は、本明細書に開示のインクをインクジェット印刷装置に組み込むステップ、インクを溶融するステップ、溶融インクの液滴を中間転写部材上に象様パターンで吐出させるステップおよび像様パターン中のインクを中間転写部材から最終記録基材に転写するステップ、を含む方法を対象とする。特定の実施形態において、中間転写部材は、最終記録シートの温度より高い温度および印刷装置中の溶融インクの温度より低い温度に加熱される。別の特定の実施形態において、中間転写部材および最終記録シートの両方が加熱され、この実施形態において、中間転写部材および最終記録シートの両方は、印刷装置中の溶融インクの温度より低い温度に加熱され、この実施形態において、中間転写部材および最終記録シートの相対温度は、(1)中間転写部材が、最終記録基材の温度より高く、印刷装置中の溶融インクの温度より低い温度に加熱されてもよく、(2)最終記録基材が、中間転写部材の温度より高く、印刷装置中の溶融インクの温度より低い温度に加熱されてもよく、または(3)中間転写部材および最終記録シートが、適切に同じ温度に加熱されてもよい。オフセット印刷または直接印刷方法もまた、例えば、U.S.Pat.No.5,389,958に開示されている。特定の一実施形態において、印刷装置は圧電印刷方法を用い、インクの液滴は、圧電振動素子の振動により象様パターンに吐出される。本明細書に開示のインクはまた、他のホットメルト印刷方法、例えば、ホットメルト・アコースティック・インクジェット印刷、ホットメルト熱インクジェット印刷、ホットメルト連続流またはディフレクションインクジェット印刷、などに用いることができる。本明細書に開示の相変化インクはまた、ホットメルトインクジェット印刷以外の印刷方法、例えば、ホットメルトリトグラフ印刷、フレキソ印刷および関連するオフセットインク印刷方法に使用することができる。
【0060】
任意の適切な基材または記録シート、例えば、普通紙、コート紙および厚紙、透明材料、布、繊維製品、プラスチック、柔軟な高分子フィルム、無機基材、例えば、金属またはシリコンウエハ、木材などに用いることができる。
【0061】
本明細書に記載のインクを、下記の実施例においてさらに例示する。すべての部および百分率は、特に明記しない限り重量による。
【実施例】
【0062】
実施例1
Abitol Eコハク酸エステルの合成(化合物1、表1)
ディーン・スターク・トラップおよびコンデンサ、熱電対およびアルゴン注入口を備えた三つ口の100mLの丸底フラスコに:Abitol E(40グラム、Eastman Chemicalから利用可能)、コハク酸(8.07グラム、Sigma Aldrichから利用可能)およびFascat 4100(0.05グラム、Arkema Inc,から利用可能)を加えた。該混合物を、アルゴン下で180℃またゆっくりと加熱し、すべての試薬を溶融した。該反応混合物を180℃において12時間撹拌し、その間に約1mLの水を、ディーン・スターク・トラップに回収した。真空(1−2mm−Hg)をおよそ15分間適用し、さらなる0.5mLの水を得た。反応物をアルゴン下でおよそ120℃まで冷却し、アルミニウムトレイにおいて排出し、その後室温まで冷却し、40グラムの粘着性のオフホワイト固体を得た。粘着性のオフホワイト固体をジクロロメタン(およそ150mL)に溶解し、NaHCO
3(2×100mL)で洗浄した。有機相をその後水で洗浄し(2×100mL)、MgSO
4を用いて乾燥させ、その後回転蒸発(rotavoped)させて溶媒を除去し、真空ポンプにおいて(一晩)乾燥させ、粘着性固体を得た。この化合物の物理的特性を、表1に示す。
【0063】
実施例2
Abitol Eコハク酸エステルの合成(化合物2、表1)
ディーン・スターク・トラップ、コンデンサおよびアルゴン注入口を備えた1首の250mLの丸底フラスコに:Abitol E(20グラム、Eastman Chemicalから利用可能)、コハク酸(4.06グラム、Sigma Aldrichから利用可能)、p−トルエンスルホン酸(0.12グラム、Sigma Aldrichから利用可能)およびトルエン(180mL)を加えた。該混合物を一晩(およそ20時間)還流させ、その際に0.5mLの水を回収した。該混合物を室温まで冷却し、その際、未反応のコハク酸を沈殿除去した。その後、該混合物を再度加熱し、すべてのトルエンを蒸留除去し、キシレン(150mL)を加え、一晩(20時間)還流させ、その際にさらに0.2mLの水を回収した。該混合物をその後、回転蒸発(rotavoped)させて溶媒を除去し、ゴム状の固体を得、これをジクロロメタン(およそ150mL)に溶解し、NaHCO
3(2×100mL)で洗浄した。次に、有機相を水で洗浄し(2×100mL)、MgSO
4を用いて乾燥させ、その後回転蒸発(rotavoped)させて溶媒を除去し、真空ポンプにおいて一晩乾燥させ、粘着性固体を得た。この化合物の物理的特性を、表1に示す。
【0064】
実施例3
Abitol E酒石酸エステルの合成(化合物3、表1)
化合物3を、開始からキシレンを溶媒として使用したことだけを除き、実施例2と同じ手順を使用して調製した。この化合物の物理的特性を表1に示す。
【表1】
【0065】
インク実施例1
相変化インクの調製
30mLのアンバー瓶に、下記の順番で充填した:3.92グラムの代理人整理番号20101649−US−NPに記載の結晶性相変化剤(1,4−ブタンジオール−ジ−ケイ皮酸エステル;78.4wt%)および0.98gのAbitol E結合剤(表1の化合物1、19.6wt%)。該材料を140℃において溶融し、磁気スターラーバーを使用して30分撹拌し、その後、0.1グラムのKeyplast Solvent blue101染料(2wt%、Keystoneから購入)を溶融混合物に加えた。該インクを、さらに1時間、140℃において撹拌し、アルミニウムトレイに注ぎ、室温に冷却した。該インクの物理的特性を表2に示す。
【0066】
インク実施例2−6
これらのインク実施例を、実施例1と同じ手順を使用して調製した。これらのインクの物理的特性を表2に示す。
【0067】
インク実施例7
相変化インクの調製
600mLのビーカーに、78.40グラムのAbitol E結合剤(表1の化合物1、19.6wt%)および313.60gの結晶性相変化剤(1,4−ブタンジオール−ジ−ケイ皮酸エステル;78.4%)を充填した。該材料を140℃において溶融し、磁気スターラーバーを使用して30分撹拌し、その後、8gのKeyplast Solvent Blue101(2wt%、Keystoneから購入)を、少しずつ溶融混合物に加えた。該インクをさらに1時間、140℃において撹拌し、1ミクロンのPallフィルターを介してろ過し、アルミニウムトレイに注ぎ、室温に冷却した。該インクの物理的特性を表2に示す。
【表2】
【0068】
インク試料の複素粘度を、ペルティエ加熱プレート(Peltier heating plate)を備えたRFS3制御の歪みレオメーター(RFS3 controlled strain Rheometer)(TA instruments)を使用し、25mmの平衡板を使用して測定した。使用した方法は、高温から低温への温度掃引を、温度段階は5℃、各温度間浸漬(平衡)時間が120秒で、一定周波数1Hzにおいて使用した。本開示の相変化インクのレオロジーデータを
図1に示す。
【0069】
該レオロージープロファイルは、紙に達した際に高速冷却し噴出温度において低粘度であるインクに要求される、急な相変化を有した。インクの結晶化温度は、使用する結晶成分に依存する。
【0070】
表2の実施例インク1−6をそれぞれ、コート紙のDigital Color Elite Gloss(DCEG)(120gsm stock)に、低圧に設定された圧力ロールを装備したK−prooferグラビア印刷板を使用して印刷した。グラビアプレート温度は142℃に設定したが、実際のプレート温度はおよそ134℃であった。K−proofer apparatus(RK Print Coat Instrument Ltd.,Litlington,Royston,Heris,SG8 0OZ,U.K.により製造された)は、さまざま様々なインクを小規模にスクリーニングし、さまざまな基材の画像品質を評価するために有用な印刷ツールである。6種すべてのインクは、基材から容易にははがすことができない堅牢な画像をもたらした。528gの重量で適用される、垂直から約15°の角度で先の曲がった引っ掻き/えぐり(gouge)フィンガーを、およそ13mm/sの速度で画像を横切って引いた場合、インクは目で見たところ画像から全くはがれなかった。引っ掻き/えぐり(gouge)先端は、およそ12mmの曲率半径を有する旋盤の先の丸い切削ビットと同様である。
【0071】
実施例インク7を、改良Xerox Phaser8860を使用し、108℃でDigital Color Elite Gloss、120gsm(DCEG)に噴射し、基材から容易にははがすことができない堅牢な画像をもたらすことに成功した。