特許第6242164号(P6242164)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242164
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】警告灯及びその本体ユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20171127BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20171127BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20171127BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171127BHJP
【FI】
   F21S2/00 663
   F21S9/02
   F21V23/04 500
   F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-230690(P2013-230690)
(22)【出願日】2013年11月6日
(65)【公開番号】特開2015-90820(P2015-90820A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年10月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】599128206
【氏名又は名称】株式会社日惠製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100074125
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 昌夫
(74)【代理人】
【識別番号】100129986
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓生
(72)【発明者】
【氏名】恩田 惠
【審査官】 津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06486797(US,B1)
【文献】 特開2001−283603(JP,A)
【文献】 米国特許第08550653(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0249430(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 9/00
B60Q 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、路面上に設置可能な本体台と、
本体台上部の複数個所にて互いに異なる方向を向くように配置された複数の発光素子列と、
本体台上の前記複数の発光素子列の各配置箇所に対応して配置された複数の発光基板と、を具備し、
これら複数の発光基板の各基板上面に前記複数の発光素子列を支持固定し、
これら複数の発光基板のうち少なくとも一対以上の発光基板は、互いに離反する方向に対称配置されることで、
前記一対以上の発光基板に支持された各発光素子列によって、路面上の一対以上の周方向に斜め上方の光軸の警告光を発する路面設置用の警告灯であって、
本体台の台面には、前記発光基板を複数枚含む基板群によって、本体台上の上方を亘るブリッジ状の発光基板の組体が組み構成されることを特徴とする警告灯。
【請求項2】
前記ブリッジ状の発光基板の組体は、斜め上方を基板面として対称配置された複数の発光基板とこれらの間の上部をつなぐ連結基板とによって、部分多角形をなすように組み構成され、
設置面に設置された設置状態の本体台上の前記各対の発光素子列による警告光が、いずれも設置面に対し斜め上方の光軸を有する請求項1記載の警告灯。
【請求項3】
本体台の内部または外部に付属された、電池式の電源ユニットをさらに備え、
また各発光素子列を構成する発光素子はいずれも、高輝度LEDよりも輝度が高いパワーLEDからなると共に、前記電源ユニットからの供給電源によって発光する請求項1又は2記載の警告灯。
【請求項4】
前記本体台の上部に取り付けられて発光基板及び発光素子列の上部を纏めて覆う、透光性を有する角錐台状の屈曲板からなるカバー容体と、
前記カバー容体のうち少なくとも屈曲部分の角部を覆う弾性材からなる緩衝具と、をさらに備えた請求項1ないし3のいずれかに記載の警告灯。
【請求項5】
本体台の内部または外部に付属され、各発光素子列の発光を制御する発光制御手段をさらに備え、
前記発光制御手段は、各発光素子列の発光状態を制御する無線操作信号を受信する受信部と、無線操作信号を送信する遠隔操作手段とからなる請求項1ないし4のいずれかに記載の警告灯。
【請求項6】
設置面上に設置された状態で設置面と略並行の台面を有する台状の本体台と、
本体台上に互いに対称配置された一対または複数対の発光基板と、
各発光基板の上面の所定方向に沿って列設された複数のパワーLEDの発光素子からなる発光素子列と、
本体台の内部または外部に付属され、各発光素子列の発光を制御する発光制御手段と、
発光基板又は発光素子列に取り付けられ、各発光素子列の上部を列単位で纏めて覆うことで各発光素子の発光方向を制御する拡散レンズと、
本体台の内部または外部に付属された、電池式の電源ユニットと、から構成され、
本体台の台面には、前記発光基板を複数枚含む基板群によって、本体台上の上方を亘るブリッジ状の発光基板の組体が組み構成されることを特徴とする警告灯の本体ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、警告灯、特に道路内に設置して道路状態の異常ないし道路内の車両の異常を警告し、従来の発煙筒の用途としても用いることのできる警告灯に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の事故や工事中など、路面上にて緊急時の警告表示の手段として、発煙筒がある。発煙筒は一般的に使い捨てであって繰り返し使用ができず、また、トンネル内など使用できない場所もある。また警備員が使用する警告棒やフラッシュライトとして、乾電池電源によってLEDを使用し発光させるものも存在するが、昼間などでは光量が不足するものであった。
上記発煙筒に替わる警告表示の手段として、従来、標識内に発光ダイオードなどの発光光源を内蔵させ、これを所定の方向に点滅移動させるようにしたものが開示される(特許文献1参照)。これは道路のカーブ指示標識や工事用警告灯、故障標識用三角表示板等に使用することができる警告灯とされる。
【0003】
また同用途の警告灯として他に従来、電極配線を埋設した樹脂基板と、端子をこの樹脂基板の電極に接続されたLEDと、樹脂基板に取り付けられ、LEDの発光方向に乱反射用凹凸面を形成した透明樹脂からなるカバー体と、樹脂基板とカバー体との間において、LEDの頭部を露出させるとともに上記乱反射用凹凸面に集光するよう取り付けた反射部とを有したものが開示される(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−18119号公報
【特許文献2】実開平8−00001111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、発煙筒代わりに用いる道路用の警告灯として発光体を用いる場合は、日中の光量の不足や遠方からの車両に対する視認性の確保が問題となる。しかしながら上記文献の警告灯は、路面に設置した場合に、遠方から到来する走行車両に対する視認性を得るだけの十分な光量を有するものではなく、或いは、遠方から到来するどの距離の走行車両に対しても良好な視認性を継続して有するものとは言えなかった。
【0006】
そこでこの発明は、日中の光量の不足や遠方からの車両に対する視認性の確保の問題に対応し、路面に設置した場合にも、遠方から到来する走行車両に対する視認性を得るだけの十分な光量を有し、また、遠方から到来するどの距離の走行車両に対しても良好な視認性を継続して有する警告灯及びその本体ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の警告灯は以下のような技術的手段を講じている。
(1)本発明の警告灯は、少なくとも、路面上に設置可能な本体台(1)と、
本体台(1)上部の複数個所にて互いに異なる方向を向くように配置された複数の発光素子(3)列と、を具備し、
これら複数の発光素子(3)列のうち少なくとも一対以上の発光素子(3)列が、互いに離反する方向に対称配置されることで、
前記一対以上の発光素子(3)列によって、路面上の一対以上の周方向に警告光を発する路面設置用の警告灯であって、
設置面に設置された設置状態の本体台(1)上の前記各対の発光素子(3)列による警告光が、いずれも設置面に対し斜め上方の光軸(3A)を有することを特徴とする。
上記のものであれば、発光素子が斜め上方を光軸として本体台上に列設配置されることで、遠方視認性の良い光列として発光させることができ、道路用として警告効果の高い警告灯となる。
また各対における発光基板(2)が互いに対称方向を向き、各発光基板(2)上の発光素子(3)列が対称方向の双方に光照射することとなるため、本警告灯は少なくとも互いに対称な2方向の視認性を有する。これにより、到来する走行車両への視認性だけでなく、警告灯からみてその反対側の設置者への視認性を確保することで、設置者など走行車両以外の者が照射の有無を他方向から容易に確認することができる。
【0008】
(2)前記いずれか記載の警告灯は、複数の発光基板が、側面視半多角形に組み構成されるものでもよい。すなわち、
本体台(1)上の前記複数の発光素子(3)列の各配置箇所に対応して配置された複数の発光基板(2)をさらに具備し、
これら複数の発光基板(2)の各基板上面に前記複数の発光素子(3)列を支持固定し、
これら複数の発光基板(2)のうち少なくとも一対以上の発光基板(2)は、互いに離反する方向に対称配置されることで、
前記一対以上の発光基板(2)に支持された各発光素子(3)列によって、路面上の一対以上の周方向に斜め上方の光軸(3A)の警告光を発する路面設置用の警告灯であって、
本体台(1)の台面(1F)には、前記発光基板(2)を複数枚含む基板群によって、本体台(1)上の上方を亘るブリッジ状の発光基板(2)の組体が組み構成されるものでもよい。
【0009】
上記基板群の組み構成による組体は、道路設置時に本体台(1)の台面(1F)に対して振動したりすることなく安定配置され、発光素子(3)による安定した発光視認を可能とする。また一方列と他方列の発光素子(3)列が互いに対称方向の光軸を有して発光方向の対称性を有するため、設置方向を気にする必要がなくなる。
【0010】
(3)前記いずれか記載の警告灯は、電池電源によるパワーLED(高輝度LEDよりも発光輝度の高い発光ダイオードをいう。以下本発明において同じ。)を発光素子として具備していてもよい。すなわち上記構成に加え、
本体台(1)の内部または外部に付属された、電池式の電源ユニット(9)をさらに備え、
また各発光素子(3)列を構成する発光素子(3)はいずれも、高輝度LED(発光ダイオード)よりも輝度が高いパワーLED(発光ダイオード)からなると共に、前記電源ユニット(9)からの供給電源によって発光するものでもよい。
【0011】
高輝度のパワーLEDを使用することで、電池式の電源ユニット(9)からの供給電源でも高輝度の発光を長時間継続することができる。特に高輝度LEDよりも輝度が高いパワーLEDは光の届く距離が大きく、斜め上方を後軸とした場合でも光が減衰しにくい。このため、パワーLEDからなる発光素子列によって、路面上に設置されて車両よりも低い位置から発光する警告灯として、どの距離の車両に対しても光列を安定的に視認させるものとなる。
(4)前記いずれかの警告灯において、さらにプロテクターとなる緩衝具(7)を備えたものでもよい。すなわち前記いずれかの構成に加えて、
前記本体台(1)の上部に取り付けられて発光基板(2)及び発光素子(3)列の上部を纏めて覆う、透光性を有する角錐台状の屈曲板からなるカバー容体(6)と、
前記カバー容体(6)のうち少なくとも屈曲部分の角部を覆う弾性材からなる緩衝具(7)と、をさらに備えたものでもよい。
【0012】
緩衝具(7)は例えば、カバー容体(6)の各辺に沿って亘り、かつ本体台(1)の少なくとも周部を覆う棒状の組枠体の弾性材からなる。
【0013】
(5)前記いずれか記載の警告灯において、遠隔操作手段による発光制御手段を備えたものでもよい。すなわち
本体台(1)の内部または外部に付属され、各発光素子(3)列の発光を制御する発光制御手段(4)をさらに備え、
前記発光制御手段(4)は、各発光素子(3)列の発光状態を制御する無線操作信号を受信する受信部と、無線操作信号を送信する遠隔操作手段とからなることが好ましい。
【0014】
(6)前記いずれか記載の警告灯の一部である本体ユニットは、以下の構成を有するものでもよい。すなわち、本発明の警告灯の本体ユニットは、
設置面上に設置された状態で設置面と略並行の台面(1F)を有する台状の本体台(1)と、
本体台上に互いに対称配置された一対または複数対の発光基板(2)と、
各発光基板の上面の所定方向に沿って列設された複数のパワーLED(高輝度LED(高輝度発光ダイオード)よりも輝度が高い発光ダイオードをいう。)の発光素子からなる発光素子(3)列と、
本体台(1)の内部または外部に付属され、各発光素子(3)列の発光を制御する発光制御手段(4)と、
発光基板(2)又は発光素子列に取り付けられ、各発光素子列の上部を列単位で纏めて覆うことで各発光素子(3)の発光方向を制御する拡散レンズ(5)と、
本体台(1)の内部または外部に付属された、電池式の電源ユニット(9)と、から構成される。
上記警告灯の本体ユニットと、カバー容体とを複数種類または同種複数個ずつ予め用意しておき、いずれかの本体ユニットといずれかのカバー容体との組み合わせによる警告灯としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
上記警告灯又はその本体ユニットは、上記手段を講じることで、路面に設置した場合に、遠方から到来する走行車両に対する視認性を得るだけの十分な光量を確保することが容易であり、また、遠方から到来するどの距離の走行車両に対しても良好な視認性を継続して有するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例1の警告灯の外観を示す上方斜視図。
図2】実施例1の警告灯の外観を示す下方斜視図。
図3】実施例1の警告灯の内部構造(カバー容体及び本体ユニット)を示す分解斜視図。
図4】実施例1の警告灯の本体ユニットの構造を示す斜視図。
図5】実施例1の警告灯の本体ユニットの構造を示す側面図。
図6】実施例1の警告灯のカバー容体の透過部分を示す平面図。
図7】実施例1の警告灯の緩衝材を取り外した状態を示す斜視図。
図8】本発明の他の実施例の警告灯の本体ユニットの構造を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施例として示す各図と共に説明する。いずれの実施例においても本発明の警告灯は、路面上に設置された本体台(1)上部の少なくとも一列以上の発光素子(3)列が発光することで、路面遠方から到来する走行車両に対して警告光を発するものである。ただし、必要に応じて看板や自動車のドアなど、壁面に取り付けることを可能としてもよい。
【0018】
(警告灯の構成)
本発明の警告灯の構成として、少なくとも、
・路面上に設置可能な本体台(1)と、
・本体台(1)の周囲四方のうち少なくとも二方向以上の側面部にて外方を向くように列設された複数の発光素子(3)からなる発光素子(3)列と、
を具備してなり、必要に応じてさらに以下のいずれか一つ以上の構成を具備するものとすることができる。
・本体台上に互いに対称配置された一対または複数対の発光基板(2)
・本体台(1)の内部または外部に付属され、各発光素子(3)列の発光を制御する発光制御手段(4)
・発光基板(2)又は発光素子列に取り付けられ、各発光素子列の上部を列単位で纏めて覆うことで各発光素子(3)の発光方向を少なくとも部分的に拡散させる拡散レンズ(5)
・前記本体台(1)の上部に取り外し可能に取り付けられ、発光基板(2)及び発光素子(3)列の上部を纏めて覆う状態となり得るカバー容体(6)
・カバー容体(6)又は本体台(1)の少なくとも角部を覆う弾性材からなる緩衝具(7)(プロテクター)
・本体台(1)の下部両端寄りに取り付けられ、路面に接地する一対の脚部(8)
・本体台(1)の内部または外部に付属された、電池式の電源ユニット(9)
【0019】
(本体ユニットの構成)
また本発明の警告灯の一部である本体ユニットの構成として、少なくとも以下の構成からなるものを備えることとしてもよい。
・設置面上に設置された状態で設置面と略並行の台面(1F)を有する台状の本体台(1)
・本体台上に互いに対称配置された一対または複数対の発光基板(2)
・各発光基板の上面の所定方向に沿って列設された複数のパワーLED(高輝度LEDよりも輝度が高い発光ダイオードをいう。)の発光素子からなる発光素子(3)列
・本体台(1)の内部または外部に付属され、各発光素子(3)列の発光を制御する発光制御手段(4)
・発光基板(2)又は発光素子列に取り付けられ、各発光素子列の上部を列単位で纏めて覆うことで各発光素子(3)の発光方向を制御する拡散レンズ(5)
・本体台(1)の内部または外部に付属された、電池式の電源ユニット(9)
上記本体ユニットは、カバー容体またはカバー容体の外部を覆う緩衝材をのぞく構成であり、本体ユニット単独で使用したり、使用条件に応じて異なるカバー容体や異なる緩衝材を用いたりすることを可能とするものである。
【0020】
(本発明の特徴の一部)
そして本発明の特徴として、
少なくともいずれか一または複数の発光素子(3)列は、路面設置状態の本体台(1)の上部から、設置面に対して斜め上方の所定の角度範囲を含む光照射域(3W)と所定以上の光軸照射距離とを有し、発光素子(3)列の前記光照射域(3W)への発光によって、遠方から到来する車両の運転者が各発光素子(3)列の発光を継続的に視認し得る。
また本体台(1)は台面(1F)上に、ブリッジ状に組み構成された複数の基板群からなる組体が設置される。この組体を構成する複数枚の基板群のいずれか複数枚は、前記発光基板(2)からなり、組み構成された発光基板(2)上の発光素子(3)列による安定した発光を可能としている。
すなわち、一般的に警告灯を道路上に設置した場合、路面の振動によって警告灯の発光体の光軸がぶれるおそれがある。これに対し、上記本発明のように、本体台(1)上から台面(1F)の上方を亘るように発光基板(2)の組体が組み構成されることで、道路設置時にも発光基板(2)が本体台(1)の台面(1F)に対して安定配置され、路面の振動による影響を抑えることができる。これにより、発光素子(3)による安定した発光視認を可能とする。また対称配置された一対以上の発光基板(2)を含む組体の組み構成によって、各対を構成する一方列と他方列の発光素子(3)列とが互いに対称方向の光軸を安定的に有して発光することとなる。以下、各実施例の構成につき詳述する。
【実施例1】
【0021】
図1ないし図5に示す実施例1の警告灯は、
・道路等の設置面上に設置可能であり、設置状態で設置面に対して略並行の台面1Fを上部に有する台状の本体台1と、
・本体台1上に互いに対称配置された一対の発光基板2と、
・本体台1の周囲四方のうち対称な二方向の側面部にてそれぞれ外方を向くように列設された、複数のパワーLED(高輝度LEDよりも輝度が高い発光ダイオードをいう。)の発光素子3からなる発光素子3列と、
・本体台1の内部または外部に付属され、各発光素子3列の発光を制御する発光制御手段4と、
・発光基板2又は発光素子列に取り付けられ、各発光素子列の上部を列単位で纏めて覆うことで各発光素子3の発光方向を少なくとも部分的に拡散させる拡散レンズ5と、
・前記本体台1の上部に取り外し可能に取り付けられ、発光基板2及び発光素子3列の上部を纏めて覆う状態となり得るカバー容体6と、
・カバー容体(6)のうち少なくとも屈曲部分の角部を覆うように嵌着された、一体的な組枠体の弾性材からなる緩衝具7と、
・本体台1の下部に一対取り付けられた所定厚さの湾曲箱状の設置部からなり、それぞれの下部近傍にマグネット8Mを内蔵した脚部8と、
・本体台1の内部または外部に付属された、電池式の電源ユニット9と、を具備してなる。
上記構成の実施例1の警告灯は、図1図2に示す外形を有する。また前記外形において、嵌着された緩衝具7のみを取り外すことが出来、さらに緩衝具7を取り外した状態で、図3に示すように、カバー容体6を本体台1から分離することができる。これら緩衝具7とカバー容体6を取り外した内部構造物(図3の下図)を、本発明の警告灯の共通プラットフォームとなる本体ユニットとしている。さらにこの本体ユニットにおいては、図4,5に示すように、各発光基板2に取り付けられた拡散レンズ5を取り外した状態とすることができる。以下、各構成につき詳述する。
【0022】
(本体台1)
本体台1は道路内の路面や壁面、車両のドアといった各種設置面上に安定設置可能な台状体であり、台上部に、設置状態で設置面に対して略並行となる台面1Fを有する。本体台1の下面の両側部寄りには、一対の脚部8が固定され、この脚部8が路面等の設置面上に接地することで、台面1Fが設置面と平行となって安定設置される路面設置状態となる。
また脚部8は平面視にて湾曲して伸びる湾曲箱状体からなり、その両端部寄りの下面付近にマグネット8Mを内蔵している。このマグネット8Mにより、車両のドアやガードレールなど、着磁性のある金属製の壁面等に磁着させることもできる。例えば、設置面を路面や通路面や床面として載置されたときには床置き式の警告灯となり、設置面を各種壁面や柱面、ないし車両のドアとしたときには壁付け式の警告灯となる。但し他に、台上に置いて設置したり、着磁性の天井や金属板に貼り付けて使用したりすることも可能であり、これらを除く趣旨ではない。
また本体台1の裏面であって一対の脚部8の取り付け箇所の間には、扁平円柱状の電源ユニット9が突出形成される。子の電源ユニット9は内部に乾電池を内蔵可能となっており、この乾電池の電圧を発光制御手段4に電源供給するように配線される。
【0023】
(発光基板2)
発光基板2は、本体台1上から台面1Fの上方の少なくとも平面視一方向を亘ってブリッジ状に組み構成され、組体を構成する。平面視一方向(平面視左右の一側方)を亘ってブリッジ状に組み構成された組体は、側面視にて多角形の底辺を除く屈曲直線列、すなわち部分多角形をなす。但し平面視他方向を亘ってブリッジ状に組み構成されたものでもよい。例えば平面視二方向(平面視左右の側方向と平面視上下の前後方向)を亘ってブリッジ状に組み構成された組体は、側面視及び正面視のそれぞれにて底辺を除く部分多角形をなす。
【0024】
また、組体を構成する各基板(発光基板2又は連結基板3P)の板面上面には、各基板に共通する列設方向に列設された発光素子3列を有する。例えば実施例では、略水平方向を列設方向とした一列の発光素子3列のみが形成される。実施例では斜め上方を基板面として前後に対称配置された2つの発光基板2とこれらの間の上部をつなぐ連結基板(P)とによって、本体台1の台面1F上に側面視半台形状に組み構成された組体が設置される。
【0025】
(発光素子3列)
各発光基板の上面の所定方向に沿って、複数のパワーLED(高輝度LEDよりも輝度が高い発光ダイオードをいう。)の発光素子からなる発光素子3列が列設される。実施例の発光素子3列は、各発光基板2の基板面上で、2灯又は3灯の発光素子3を本体台1と平行な水平方向に一列配置している。実施例の発光素子3列は、すべての発光基板2と連結基板3Pにおいて、共通する略水平方向の列設方向で共通する中央位置に一列ずつ設けられ、またすべての発光素子3列内に共通する発光素子3数を有している。
【0026】
なお他の実施例として、一つの基板(発光基板2又は連結基板3P)内に複数列ずつ配置したものでもよいし、連結基板3P又は対称配置されていない発光基板2のみ、対称配置された発光基板2とは異なる数又は異なる列設方向の発光素子3列を有するものとしてもよい。
【0027】
(発光制御手段4)
発光素子3列を構成する複数の発光素子3は、本体台1上の台面1F上に貼り付け固定された回路基盤とこれに配線されたスイッチ41とからなる発光制御手段4によって、それぞれの列単位で発光可能に制御される。例えば横一列に設置された発光素子3はその列を構成する発光素子3すべてが同時に発光することで列形状である直線状の発光列として視認される。
【0028】
また、対称な一対の発光素子3列を構成する一方の発光素子3列と他方の発光素子3列とは、それぞれの列単位で同時にまたは連続的に発光する。路面上に設置された路面設置状態において、本体台1上部の少なくとも一列以上の発光素子3列が2方向に発光することで、路面遠方から到来する走行車両及び他の者のそれぞれに対して同時に又は連続的に警告光を発する。ここで「同時にまたは連続的に発光する」とは、各発光素子3列の発光状態が所定の時刻帯に重なるか、または10秒以内の時刻間隔で順に連続的に発光状態となることを意味する。「同時に発光する」場合は、各発光素子3列の点灯、消灯が完全に同時であることを含む。
【0029】
(光軸ないし光照射域)
また本体台1が路面に設置された路面設置状態において、前記対称配置された発光基板上の発光素子3列の光軸(3A)が、共に設置面に対して斜め上方を向いて発光する。また対称配置された各対における発光素子3列同士は、前後方向へ互いに対称方向の光軸で発光する。
【0030】
また、複数の発光素子3列は、発光素子3列全体で、路面設置状態の本体台1の上部から、設置面に対して斜め上方の所定の角度範囲内の光軸角度(3Aθ)の光軸3Aと、光軸3Aを中心とした所定範囲の光照射域(3W)と、所定以上の光軸照射距離とを有する(図3)。
【0031】
所定の角度範囲としては、図3に示すように、設置状態の設置面(路面)に対して光軸角(3Aθ)5度〜15度の範囲内の仰角を有する光軸3Aと、この光軸3Aを中心とした上下それぞれへ少なくとも±5度以上の拡角をもって拡がる光照射域(3W)と、の少なくともいずれかを具備することが好ましい。中でも設置状態の設置面(路面)に対して光軸角(3Aθ)が8度〜12度すなわち10度±2度の範囲内の光軸3Aを有し、かつ、この光軸3Aを中心として対設置面の上下方向それぞれの仰角が±5度以上±10度以下の範囲の光照射域(3W)を少なくとも有することが特に好ましい。これは、路面から10cm以内の高さに発光素子3列が設置された場合に、遠方から到来する普通車両ないし大型車両の運転者(着座時の一般的な視線高1000cm〜1800cm)に対しても視認可能な角度を示している。前記所定の角度範囲により、図5に示す側面視において、設置面に対する光の下限境界3Cの下限角(3Cθ)がマイナス2度〜プラス7度の範囲内であり(注:図5は下限角(3Cθ)がマイナスの場合を示している。)、光の上限境界3Bの上限角(3Bθ)が設置面に対しプラス13度〜プラス22度の範囲内である。前記所定の角度範囲の光照射域により、発光素子3列の光照射域(3W)の発光によって、遠方から到来する車両の運転者が各発光素子3列の発光を継続的に視認し得る。
【0032】
発光素子列3の上部には、発光素子列3の光拡散範囲を制御する拡散レンズ5が取り付けられる。拡散レンズ5は、各発光素子3の素子形状を覆うと共に上方へ湾曲しながら拡径する椀状の拡径体が、発光素子3の個数分だけ横方向に連接されてなる。そしてこの連接体の両端部に、屈曲アームが発光基板2の板面に当接するように屈曲して延設される。この屈曲アームが発光素子3列の両列端に取り付けビスBによって固定されることで、連接体が発光素子列3の列全体の上部をまとめて覆うように取り付けられる。すなわち発光素子3列の列方向に沿う連接体における複数の各拡径体は、発光素子3列の両端の各屈曲アームから発光素子3列の上方を亘ってアーチ状に覆って保護すると共に、発光素子3の発光の余分な拡散を抑えるものとなっている。
【0033】
(カバー容体6、緩衝具7(プロテクター))
カバー容体6は、下部が開口して上方全部を一体的に覆う容器状の立体成形板からなる。特に実施例のカバー容体は、上面が天面板によって閉塞されるとともにこの天面板の周辺それぞれから下方へ徐々に拡大断面となるように枠状に連なり、さらに下面が開放した倒立容体で構成される。好ましくは、水平断面がいずれも多角形又は円形となるように、透光性板で一体的に構成される。このカバー容体6は、下面の解放部が本体台1の上部の台枠を覆うように、台面1Fの周部又はその近傍にビス固定される。実施例では、屈曲辺を有する角錐台状の透光性材で構成され、その一側面に、内側へ三角柱状にくぼんだ窪み部6Dが設けられている。この窪み部6Dはその周囲と同じ透光性板が屈曲して四面からなる凹面に構成され、このうち底面部に樹脂カバーで覆われた押し下げ式のスイッチボタン41が組み込まれる。
【0034】
また実施例のカバー容体6は、角錐台状の透光性材で構成されてなり、さらに、カバー容体の少なくとも角部を覆う弾性材からなる緩衝具7を備える。実施例の緩衝具7はこのカバー容体6の上部の屈曲辺に沿って各辺部を覆う棒状の枠体を有し、複数の枠体が一体的に連なって構成される組み枠体からなる。この組み枠体からなる緩衝具7は、カバー容体6が本体台1上にビス止めされた状態で、本体台1の側周部と、カバー容体6の各屈曲辺とに沿って、これら各辺を棒状部で覆うように亘って嵌着される。棒状部は端部同士が一体的に連結された組枠体として構成される。この組枠体は弾性材からなり、本体台1の周部からカバー容体6の上面にかけて取り外し可能に嵌着される。実施例では、カバー容体6と本体台1との隙間部分を圧着する緩衝具7によってIP55の防水機能を有している。
【0035】
(本体ユニット)
本実施例の警告灯の一部である本体ユニットは、カバー容体及び緩衝具7を取り外した以下の構成からなる。すなわち、
道路等の設置面上に設置された状態で設置面と略並行の台面1Fを有する台状の本体台1と、
本体台上に互いに対称配置された一対または複数対の発光基板2と、
各発光基板の上面の所定方向に沿って列設された複数のパワーLED(高輝度LEDよりも輝度が高い発光ダイオードをいう。)の発光素子からなる発光素子3列と、
本体台1の内部または外部に付属され、各発光素子3列の発光を制御する発光制御手段4と、
発光基板2又は発光素子列に取り付けられ、各発光素子列の上部を列単位で纏めて覆うことで各発光素子3の発光方向を制御する拡散レンズ5と、
本体台1の内部または外部に付属された、電池式の電源ユニット9と、から構成される。
【0036】
上記警告灯の本体ユニットと、カバー容体とを複数種類または同種複数個ずつ予め用意しておき、いずれかの本体ユニットといずれかのカバー容体との組み合わせによる警告灯としてもよい。また上記警告灯の本体ユニットを共通の本体ユニットとして、高速道路用、工事用、壁面取り付け用といった様々な用途に応じたカバー容体を選択して組み合わせるものとしてもよい。
【実施例2】
【0037】
図6図7に示す実施例2の警告灯は、カバー容体を取り外し可能としている。本実施例ではパワーLEDを発光基板ごとに2個ずつ列設しており、リレー式に点滅動作をさせるように制御している。
(発光制御手段4の発光制御)
実施例の発光制御は具体的には、発光制御手段4の発光制御回路によって、各基板上の発光素子3列が、アーチ状に組み構成された隣り合う基板の順にリレー点滅するように制御している。前記組み構成された複数の発光基板によって、半多面体(すなわち断面視多角形状の多面体の上半部)を構成し、この多面体を構成する各発光基板は、頂部を除く各基板が斜めを向くため、斜め方向の視認性が優れたものとなる。とくに下部の発光基板群の各基板同士は異なる傾斜方向に傾斜し、各傾斜法線方向での指向性を有する。
【0038】
(カバー容体6)
カバー容体6は、前記発光ユニットの上部を取り外し可能に覆い、覆った状態で各発光基板の発光素子3列の発光方向を拡散させる。容体を構成する透光性板の裏面にはローレット加工(6K)が施され、前記拡散レンズ5を通じた透過光の発光方向を少なくとも部分的に拡散させる。
【0039】
特に実施例のカバー容体は、下面が開放した角錐台状の透光性板で一体的に構成され、透光性板は外面が研磨処理されるとともに、内面の一部に、縦方向に並行形成された複数の凸条からなるローレット加工6Kが施される。ただし実施例では、発光素子3の光軸先の範囲の透光性板はローレット加工6Kを施さない光透過部6Fとしており、発光素子3の光軸上の光照射距離をあえて遮らないようにしている。なお実施例では多数の並行条によるローレット加工6Kであるが、加工の種類はこれに問われない。が内部構造がたカバー容体と、カバー容体の少なくとも角部を覆う弾性材からなる緩衝具7と、を具備してなるものでもよい。
【0040】
(他の発光制御例)
また他の実施例の警告灯に付属される遠隔操作手段を備えたものでもよい。すなわち、前記制御基板は、別に備えた遠隔操作手段からの無線操作信号によって各発光素子3列の発光を制御する受信部を備え、受信部が無線操作信号を受信することで各発光素子3列の発光状態を可変させるものでもよい。本体台1に付属された発光制御手段4は、別に備えた遠隔操作手段からの無線操作信号によって各発光素子3列の発光を制御する受信部を備え、受信部が無線操作信号を受信することで各発光素子3列の発光状態を可変させる。
【0041】
(他の組体の構成例)
他の実施例として、組体の他の組み構成例を図8(a)ないし(d)に示す。図8(a)では発光素子を備えない略水平の連結基板P3と一対の発光基板31,32とによって台形様の組み体を構成してなり、図内の両側方に斜めに発光するものとしている。
【0042】
図8(b)では発光素子を備えた2組の発光基板31と32,33と34によって五角形様の組み体を構成してなり、図内の両側方であって角度の異なる斜め2方向に発光するものとしている。また本体台1上を半円球状に覆うドーム型のカバー容体6によって、斜め2方向の左右対称光を均等に拡散反射させるものとしている。
【0043】
図8(c)では発光素子を備えない略水平の連結基板P3と一対の発光基板31,32と、さらに前記一対の発光基板31,32間に組み合わされる台形状の発光基板とによって、正面乃至左右側面視のいずれにおいても台形様の組み体を構成してなり、図内の両側方だけでなく図の法線方向と図内の奥方向を合わせた、四周方向それぞれに斜めに発光するものとしている。また本体台1上を略台形に覆うカバー容体6は、側面視と正背面視が同じ台形に成形され、かつ天面が凹条に湾曲成形されている。このカバー容体6によって、左右対称及び正背面対称光を均等に拡散反射させるものとしている。
【0044】
図8(d)では発光素子を備えた略水平の発光基板23と、発光基板23の両側部から下方に斜めに連結される一対の発光基板31,32と、さらに前記一対の発光基板31,32の各下部に略垂直に連結される一対の発光基板20,20とによって、正面六角形様の組み体を構成してなり、図内の斜め両側方だけでなく水平な両側方、さらに 上方を合わせた合計5方向に発光するものとしている。また本体台1上を略台形に覆うカバー容体6は、下部に垂直面を有する正面六角形様の屈曲透光板で成形されている。このカバー容体6によって、左右斜め方向、左右水平方向、及び上方への光を対称に拡散反射させるものとしている。
【0045】
(作用効果)
本発明の上記各実施例の警告灯は、路面上に設置された本体台1上部の少なくとも一列以上の発光素子3列が発光することで、路面遠方から到来する走行車両に対して警告光を発するものであり、少なくとも、路面上に設置可能な本体台1と、本体台1の周囲四方のうち少なくとも二方向以上の側面部にて外方を向くように列設された複数の発光素子3からなる発光素子3列と、を具備し、少なくともいずれか複数の前記発光素子3列は、路面設置状態の本体台1の上部から、設置面に対して斜め上方の所定の角度範囲を含む光照射域(3W)と、所定以上の光軸照射距離と、を有し、発光素子3列の前記光照射域(3W)への発光によって、遠方から到来する車両の運転者が各発光素子3列の発光を継続的に視認し得ることを特徴とする。
【0046】
上記光照射域(3W)と光軸照射距離とによって、近接しつつある後続の車両の運転手が、路面に設置した場合の発光素子からの光を、遠方から近接位置に至るまで継続して認識することができる。特に斜め上方の所定角度を含む光照射域によって、近接してくる車両がどの位置であっても良好な認識性を確保することができる。
【0047】
また発光素子が斜め上方を光軸として本体台上に列設配置されることで、遠方視認性の良い光列として発光させることができ、道路用として警告効果の高い警告灯となる。また各対における発光基板2が互いに対称方向を向き、各発光基板2上の発光素子3列が対称方向の双方に光照射することとなるため、本警告灯は少なくとも互いに対称な2方向の視認性を有する。これにより、到来する走行車両への視認性だけでなく、警告灯からみてその反対側の設置者への視認性を確保することで、設置者など走行車両以外の者が照射の有無を他方向から容易に確認することができる。
【0048】
また本発明の上記各実施例の警告灯は、本体台上に、複数枚の前記発光基板2を含む基板群が、台面1Fの上方をブリッジ状に亘る組体として組み構成される。この基板群の組み構成による組体は、道路設置時に本体台1の台面1Fに対して振動したりすることなく安定配置されるため、発光素子3による安定した発光視認を可能とする。
【0049】
また少なくとも一対以上の発光基板2群が対称配置されており、各対を構成する一方の発光基板2上の発光素子3列と他方の発光基板2上の発光素子3列とが、互いに対称方向の光軸を有して発光方向の対称性を有している。これにより、遠方から到来する車両側に対してだけでなくその反対方向である設置者側にも警告灯を安定して発光することができ、発光の有無の確認を容易に行うことができると共に視認性が飛躍的に向上する。特に事故、故障など、警告灯を路面上に緊急設置する必要のある場合は、自動車が高速で往来する道路上に警告灯を迅速に設置する必要があるところ、二方向以上に対称配置された発光素子列を備え、各発光素子列が所定の光照射域を有することで、警告灯の設置方向を必要以上に気にする必要がなくなる。
【0050】
また発光基板2又は発光素子列に取り付けられ、各発光素子列の上部を列単位で纏めて覆うことで各発光素子3の発光方向を少なくとも部分的に拡散させる拡散レンズ5と、
前記本体台1の上部に取り外し可能に取り付けられ、発光基板2及び発光素子3列の上部を纏めて覆うことで、前記拡散レンズ5を通じた透過光の発光方向を少なくとも部分的に拡散させるカバー容体6と、を具備している。
【0051】
上記のものであれば、拡散レンズ5とカバー容体6とによって少なくとも二段階に拡散された透過光を、カバー容体6の外部へ発光するものとなる。またパワーLEDすなわち高輝度LEDよりも輝度が高い発光ダイオードを用いて電池電源により発光させることで、有線電源の確保が不要でありながら高輝度の発光状態を維持することが可能となる。特に高輝度LEDよりも輝度が高い発光ダイオードは、光軸を斜め上方に設定した場合でも光軸周辺の光が分散しにくく、特に道路設置用の斜め光軸の警告灯に適したものとなる。
【0052】
本発明は以上の実施例とその主構成からなるが、上述した実施例に限定されず、図8のいずれかの組体やいずれかのカバー容体との組み合わせなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成変更、一部構成の抽出、省略、構成変形が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 本体台
1F 台面
2 発光基板
3 発光素子
3A 光軸
4 発光制御手段
5 拡散レンズ
6 カバー容体
7 緩衝具
8 脚部
9 電源ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8