【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年10月23日に技術研究組合国際廃炉研究開発機構に提出された御提案書において、「汚染水浄化システム」が記載された。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、
図1に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
第1実施形態は複数種類の核種(放射性物質)で高濃度に汚染された汚染水(放射性物質濃度が高い汚染水)の処理を対象としている。
【0019】
図1において、第1実施形態の汚染水処理システムは、汚染水貯水タンク1と、調整槽2と、1次攪拌反応槽3と、第1の吸着凝集剤定量供給機4と、第1の凝集分離槽5と、第1の固液分離機6と、第1の濾液循環処理槽7と、第1の上澄液攪拌槽9と、ストロンチウム不溶化反応剤定量供給機4Aとを備えている。
さらに第1実施形態の汚染水処理システムは、2次攪拌反応槽110と、第2の吸着凝集剤定量供給機4Bと、第2の凝集分離槽5Aと、第2の固液分離機6Aと、第2の濾液循環処理槽7Aと、第2の上澄液攪拌槽9Aと、イットリウム不溶化反応剤定量供給機4Cとを備えている。
加えて、第1実施形態の汚染水処理システムは、3次攪拌反応槽110Aと、第3の吸着凝集剤定量供給機4Dと、第3の凝集分離槽5Bと、第3の固液分離機6Bと、第3の濾液循環処理槽7Bと、上澄液貯留槽120と、バグフィルター濾過機130と、処理清浄水槽140とを備えている。
【0020】
汚染水タンク1には、タンク本体10内の底部に送水ポンプ1Pが設置され、タンク本体10の上部には電動ボール弁V1が備えられている。そして、タンク本体10内には、例えば、高濃度の放射性物質を複数種類含んだ汚染水(被処理水)が貯留されている。
送水ポンプ1Pは、ラインL1を介して調整槽2の処理水投入口に汚染水を送水する機能を有している。調整槽2は、槽本体20と、不純物粗取機21と、レベルセンサ22と、槽本体20の底部に配置された送水ポンプ2Pを有している。
汚染水タンク1から調整槽2へ移送された処理水が不純物粗取機21を通過する際に寸法の大きな不純物が除去され、寸法の大きな不純物以外の汚染物質等を包含した処理水が槽本体20に貯留される。槽本体20底部の送水ポンプ2Pは、ラインL2を介して1次攪拌反応槽3に処理水を送水している。
【0021】
調整槽2におけるレベルセンサ22は、槽本体20内の汚染水の水位の上限値と中央値と下限値を検知するように構成されている。レベルセンサ22が上限値を検知した場合には、汚染水タンク1の送水ポンプ1Pを停止させ、電動ボール弁V1を閉塞させる。また、送水ポンプ1Pの停止と同時に、調整槽2の送水ポンプ2P及び1次攪拌反応槽3の後述の電動攪拌機31を稼動させ、槽本体20内の汚染水を1次攪拌反応槽3へ移送するように構成されている。
一方、レベルセンサ22が下限値を検知した場合には、調整槽2の送水ポンプ2Pは停止する。
【0022】
1次攪拌反応槽3は、反応槽本体30と、電動攪拌機31と、レベルセンサ32と、槽本体30の底部に配置された送水ポンプ3Pを有している。送水ポンプ3Pは、ラインL3を介して第1の凝集分離槽5における処理水供給口52iに被処理水を送水している。
1次攪拌反応槽3の上方には第1の吸着凝集剤定量供給機4が配置され、1次攪拌反応槽3に第1の吸着凝集剤M11を定量供給するように構成されている。槽本体30内では吸着凝集剤M11により、被処理水中の汚染物質が吸着凝集する。
ここで、第1の吸着凝集剤M11は無機系粘土鉱物等を主たる組成分としており、市販の薬剤(例えば、製造元販売元「株式会社パワーりめいく」・「株式会社バイオメルト」:商品名「イオンリアクション」)を使用することが出来る。
【0023】
レベルセンサ32は、槽本体30内の汚染水の水位の上限値と中央値と下限値を検知するように構成されている。
レベルセンサ32が上限値を検知した場合には、送水ポンプ3Pが稼動して槽本体30内の汚染水が第1の凝集分離槽5に送水される。
一方、レベルセンサ32が下限値を検知した場合には、第1の吸着凝集剤定量供給機4及び1次攪拌反応槽3の送水ポンプ3Pを停止させ、調整槽2の送水ポンプ2Pを稼動する。
【0024】
第1の凝集分離槽5は、ケーシング51と、遠心分離機であるサイクロン52と、水分を含む固形物(凝集物)を捕集する固形物捕集部53と、上澄液捕集部54とを有している。
第1の凝集分離槽5では、サイクロン52により、1次攪拌反応槽3から移送された被処理水を、比重の大きな固形物(凝集物)と比重の小さな上澄液とに分離する。ここで、固形物(凝集物)は水分を含んでいるため、比重が大きくなっている。
固形物捕集部53の排出口53oには圧送ポンプ(例えば、チューブポンプ、あるいはピストンポンプ)5Pが配置されている。圧送ポンプ5Pは、ラインL5を介して、水分を含む固形物(濃縮汚泥)を、第1の固液分離機6に取り付けられた開閉弁V2まで圧送する。
上澄液捕集部54の排出口54oにはラインL4が接続され、ラインL4を介して、上澄液が第1の上澄液攪拌機9に自然流下する。
【0025】
第1の固液分離機6は、処理水貯留槽60と、回転ドラム61と、固形物掻き取り斜板62を備えている。
処理水貯留槽60の下端近傍には処理水投入口60iが形成されている。処理水投入口60iから処理水が処理槽60内に取り込まれる。そして処理水投入口60iの端部には、開閉弁V2が介装されている。
【0026】
回転ドラム61は、その断面のおおよそ3分の1が、処理水貯留槽60の処理水中に浸漬されている。回転ドラム61の外周面は、処理水中に含まれる固形物を補足しやすいように表面処理されている。
固形物掻き取り斜板62は、その上端がドラム表面に接する程度まで接近して配置され、回転ドラム61表面に付着した固形物を掻き取るように構成されている。
回転ドラム61が回転すると、処理水中の固形分が回転ドラム61の表面(外周面)に付着し、付着した固形分は固形物掻き取り斜板62で掻き取られる。固形物掻き取り斜板62で掻き取られた固形分は、バケット63に捕集され、その後、安定化固化処理が為される。
【0027】
第1の固液分離機6におけるドラム回転軸(図示せず)近傍には、固形分が分離された処理水の排出口61oが形成されている。排出口61oは、ラインL6を介して、第1の濾液循環処理槽7の補給水タンク71に装備された循環ポンプ72の吸入口72iに連通している。
補給水タンク71内部の底部には、搬送用のポンプ7Pが設置されている。第1の濾液循環処理槽7で循環処理された濾液(処理水)は、搬送用のポンプ7PによってラインL9を介して第1の上澄液攪拌槽9に送られる。
ここで、第1の濾液循環処理槽7は、第1の固液分離機6で固形分が分離された処理水の放射線濃度(トリチウム濃度)が高い場合に、当該処理水を保管する容器とすることが出来る。その場合には、搬送用のポンプ7Pは作動しない。
【0028】
第1の上澄液攪拌槽9は、攪拌槽本体90と、電動攪拌機91と、レベルセンサ92と、攪拌槽本体90の底部に配置された圧送ポンプ9Pを有している。
圧送ポンプ9Pは、ラインL10を介して、攪拌槽本体90内の処理水を2次攪拌反応槽110に移送している。
第1の上澄液攪拌槽9の上方には、ストロンチウム不溶化反応剤定量供給機4Aが配置され、第1の上澄液攪拌槽9に、ストロンチウム不溶化反応剤である炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)と硫酸第一鉄(FeSO
4)を定量供給するように構成されている。
【0029】
レベルセンサ92が中央値を検知した場合に、ストロンチウム不溶化反応剤定量供給機4Aが稼動して所定量の炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)と硫酸第一鉄(FeSO
4)が攪拌槽本体90に添加され、電動攪拌機91によって攪拌される。
レベルセンサ92が上限値を検知した場合には、第1の濾液循環槽7の送水ポンプ7Pを停止させた後、圧送ポンプ9Pを稼動して、攪拌槽本体90内の処理水を2次攪拌反応槽110に圧送する。そして、圧送ポンプ9Pの稼動と同時に第2の吸着凝集剤定量供給機4Bも稼動する。
一方、レベルセンサ92が下限値を検知した場合には、圧送ポンプ9Pを停止して、第1の濾液循環槽7の送水ポンプ7Pを稼動すると共に、圧送ポンプ9Pとストロンチウム不溶化反応剤定量供給機4Aの稼動を停止する。
【0030】
第1の上澄液攪拌槽9に炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)と、硫酸第一鉄(FeSO
4)を供給し、電動攪拌機91で攪拌すると、第1の上澄液攪拌槽9内で反応し、炭酸(H
2CO
3)が発生する。発生した炭酸が処理水中のストロンチウム(Sr)と反応して炭酸ストロンチウム(SrCO
3)が生成される。炭酸ストロンチウム(SrCO
3)は水に溶けないので、第1の上澄液攪拌槽9内の汚染水中に析出する。
析出した炭酸ストロンチウム(SrCO
3)は、後述する第2の凝集分離槽5Aで処理水から凝集分離され、さらに、後述する第2の固液分離機6Aにおいて固体(析出物)として回収される。
【0031】
人体に有害なカドミウム(Cd)についても、ストロンチウム(Sr)の場合と同様に、炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)と硫酸第一鉄(FeSO
4)を第1の上澄液攪拌槽9内に供給することにより反応して、炭酸(H
2CO
3)を発生する。そして炭酸(H
2CO
3)とカドミウム(Cd)が反応して、炭酸カドミウム(CdCO
3)が生成される。
炭酸カドミウム(CdCO
3)も炭酸ストロンチウム(SrCO
3)と同様に不溶性であり、汚染水中に析出する。そして、炭酸カドミウム(CdCO
3)を凝集、沈降させて回収することが出来る。
【0032】
2次攪拌反応槽110は、反応槽本体111と、電動攪拌機112と、レベルセンサ113と、槽本体111の底部に設けた送水ポンプ110Pを有している。送水ポンプ110Pは、ラインL11を介して第2の凝集分離槽5Aにおける処理水供給口(
図1中に符号なし)に処理水を送水している。
2次攪拌反応槽110の上方には第2の吸着凝集剤定量供給機4Bが配置され、吸着凝集剤である燐酸カルシウム(Ca(H
2PO
4)
2)が2次攪拌反応槽110内に定量供給されるように構成されている。
【0033】
レベルセンサ113が上限値を検知した場合に、送水ポンプ110Pが稼動して2次攪拌反応槽110内の処理水は第2の凝集分離槽5Aに送水される。そして第2の凝集分離槽5Aにおける凝集分離処理が行なわれる。
一方、レベルセンサ113が下限値を検知した場合には、送水ポンプ110P及び第2の吸着凝集剤定量供給機4Bは停止する。
【0034】
第2の凝集分離槽5Aは、第1の凝集分離槽5と同様に構成されている。そのため、
図1では、第2の凝集分離槽5Aを構成する各機器の符号の図示を省略している。
第2の凝集分離槽5Aにおいて、固形物捕集部の排出口には圧送ポンプ5P(例えば、チューブポンプ、あるいはピストンポンプ)が配置されている。圧送ポンプ5Pは、ラインL13を介して、水分を含む固形物(濃縮汚泥)を、第2の固液分離機6Aに取り付けられた開閉弁V3まで圧送する。
上澄液捕集部の排出口にはラインL12が接続され、上澄液を第2の上澄液攪拌機9Aに自然流下せしめている。
【0035】
第2の固液分離機6Aは、第1の固液分離機6と同様(共通)の構成を有している。そのため、第2の固液分離機6Aを構成する各機器についても、
図1では符号を省略している。
第2の固液分離機6Aの固形物掻き取り用の板(第1の固液分離機6の固形物掻き取り斜板62と同一)で掻き取られた固形分は、バケット63に捕集され、安定化固化処理される。
第2の固液分離機6Aで固形物が分離された後の処理水は、ラインL14、第2の濾液循環処理槽7A、ラインL17を経由して第2の上澄液攪拌槽9Aに送り込まれる。
第2の濾液循環処理槽7Aは、第2の固液分離機6Aで固形分が分離された処理水の放射線濃度(トリチウム濃度)が高い場合に、当該処理水を保管する容器とすることが出来る。その場合には、搬送用のポンプは作動しない。
【0036】
第2の上澄液攪拌槽9Aは、第1の上澄液攪拌槽9と同様(共通)の構成を有しているため、第2の上澄液攪拌槽9Aを構成する各機器の符号は、
図1では省略されている。
第2の上澄液攪拌槽9Aでは、第2の固液分離機6Aから移送された処理水に、イットリウム不溶化反応剤定量供給機4Cから、シュウ酸((COOH)
2)が定量供給され、処理水とシュウ酸((COOH)
2)は第2の上澄液攪拌槽9Aの電動攪拌機(
図1では符号は省略)で攪拌される。
第2の上澄液攪拌槽9A内では、処理水に溶け込んだイットリウム(Y)はシュウ酸((COOH)
2)と反応し、水に溶けないシュウ酸イットリウム(Y
2(C
2O
4)
3・4H
2O)となって処理水中に析出する。シュウ酸イットリウム(Y
2(C
2O
4)
3・4H
2O)を析出物として含む処理水は、圧送ポンプ9P、ラインL18を経由して、3次攪拌反応槽110Aに送られる。
【0037】
第2の上澄液攪拌槽9Aのレベルセンサ(第1の上澄液攪拌槽9のレベルセンサ92と同一)が中央値の場合、イットリウム不溶化反応剤定量供給機4Cが稼動して、処理水にシュウ酸((COOH)
2)が添加される。
第2の上澄液攪拌槽9Aのレベルセンサが上限値の場合は、圧送ポンプ9Pが稼動し、第2の上澄液攪拌槽9Aの処理水はラインL18経由で3次攪拌反応槽110Aに移送され、第3の吸着凝集剤定量供給機4Dも稼動する。
一方、第2の上澄液攪拌槽9Aのレベルセンサが下限値の場合は、圧送ポンプ9P及びイットリウム不溶化反応剤定量供給機4Cは稼動を停止する。
【0038】
3次攪拌反応槽110Aは、1次攪拌反応槽3及び2次攪拌反応槽110と同様(共通)の構成を有しているので、3次攪拌反応槽110Aを構成する機器についても、
図1では符号を省略している。
3次攪拌反応槽110Aの上方には第3の吸着凝集剤定量供給機4Dが配置され、3次攪拌反応槽110Aに吸着凝集剤M15が定量供給されるように構成されている。3次攪拌反応槽110A内で電動攪拌機が稼動すると、凝集分離反応が進み、シュウ酸イットリウム(Y
2(C
2O
4)
3・4H
2O)の析出物が吸着凝集剤M15に吸着凝集される。
そして、シュウ酸イットリウム(Y
2(C
2O
4)
3・4H
2O)の析出物が吸着凝集剤M15に吸着凝集された処理水は、ポンプ110P(例えば、チューブポンプ、あるいはピストンポンプ)により、ラインL19を経由して、第3の凝集分離槽5Bに送られる。
ここで、吸着凝集剤M15は無機系粘土鉱物等を主たる組成分としており、市販の薬剤(例えば、製造元販売元「株式会社パワーりめいく」・「株式会社バイオメルト」:商品名「イオンリアクション」)を使用することが出来る。
【0039】
ここで、3次攪拌反応槽110Aのレベルセンサ(2次攪拌反応槽110のレベルセンサ113と同一)が上限値を検知した場合は、3次攪拌反応槽110Aのポンプ110Pが稼動し、3次攪拌反応槽110A内の処理水を第3の凝集分離槽5Bに送り込む。
一方、3次攪拌反応槽110Aのレベルセンサが下限値を検知した場合は、3次攪拌反応槽110Aのポンプ110P及び第3の吸着凝集剤定量供給機4Dの稼動を停止する。
【0040】
第3の凝集分離槽5Bは、第1の凝集分離槽5及び第2の凝集分離槽5Aと同様(共通)の構成を有しており、その構成機器について、
図1では符号は省略する。
第3の凝集分離槽5Bの固形物捕集部の排出口には圧送ポンプ5P(例えば、チューブポンプ、あるいはピストンポンプ)が配置されている。圧送ポンプ5Pは、ラインL21を介して、第3の固液分離機6Bに取り付けられた開閉弁V4まで水分を含む固形物(濃縮汚泥)を圧送する。
第3の凝集分離槽5Bの上澄液捕集部の排出口にはラインL20が接続され、ラインL20を介して上澄液は上澄液貯留槽120に自然流下する。
【0041】
第3の固液分離機6Bは、第1の固液分離機6及び第2の固液分離機6Aと同様(共通)の構成を有しており、第3の固液分離機6Bを構成する機器については、
図1では符号を省略している。
第3の固液分離機6Bの固形物掻き取り斜板(第1の固液分離機6の固形物掻き取り斜板62に相当)で掻き取られた固形物は、バケット63に捕集され、安定化固化処理される。
一方、第3の固液分離機6Bで固形物が掻き取られた後の処理水は、ラインL22、第3の濾液循環処理槽7B、ラインL25を経由して、上澄液貯留槽120に送られる。
第3の濾液循環処理槽7Bは、第3の固液分離機6Bで固形分が分離された処理水の放射線濃度(トリチウム濃度)が高い場合に、当該処理水を保管する容器とすることが出来る。その場合には、搬送用のポンプは作動しない。
【0042】
上澄液貯留槽120は、貯留槽本体121とレベルセンサ122を有し、貯留槽本体121の底部には処理水を搬出するポンプ120Pが設置されている。当該ポンプ120PはラインL26によってバグフィルター濾過機130に接続されている。
レベルセンサ122が上限値を検知した場合は、搬出ポンプ120Pを稼動して、貯留槽本体121内の処理水をバグフィルター濾過機130に送る。
【0043】
バグフィルター濾過機130は、フィルター収容部131と貯留槽132とレベルセンサ133を有しており、上澄液貯留槽120から送られた処理水を濾過して、人体に対して無害な清浄水までに浄化する。
貯留槽132の底部には清浄水を搬送するためのポンプ130Pが設置され、ポンプ130Pには清浄水搬送ラインL27が接続されている。清浄水搬送ラインL27の先端部は、処理清浄水槽140の上方に開口している。
バグフィルター濾過機130のレベルセンサ133が上限値を検知するとポンプ130Pが稼動して、貯留槽132内の清浄水をラインL27を経由して処理清浄水槽140に送水する。一方、レベルセンサ133が下限値を検知するとポンプ130Pを停止する。
【0044】
処理清浄水槽140は、槽本体141とレベルセンサ142を有しており、槽本体141の底部には排出ポンプ140Pが設けられている。排出ポンプ140Pは、処理後の清浄水を、例えば河川等に排出するために設けられている。
処理清浄水槽140に貯留される清浄水は、発明者の実験によれば、不純物や放射性物質、人体に有害な物質を一切含んでいない。
処理清浄水槽140において、レベルセンサ142が上限値を検知するとポンプ140Pが稼動して、槽本体141内の清浄水を、例えば河川等に排出する。一方、レベルセンサ142が下限値を検知するとポンプ140Pを停止する。
【0045】
第1の固液分離機6、第2の固液分離機6A、第3の固液分離機6Bにおいて、分離された固形分における放射線量が許容値(しきい値)よりも高くなってしまう場合には、第1の固液分離機6、第2の固液分離機6A、第3の固液分離機6Bによる回収の工程を省略して、各凝集分離槽(5、5A、5B)で分離された沈殿物に対して、直接、安定化固化処理を実行すればよい。
【0046】
上述の構成を具備する本発明の第1実施形態によれば、汚染水中に存在する汚染物質(核種:ストロンチウムSr、イットリウムY)が、それを析出する(不溶化する)材料により析出(不溶化)される。そして析出した汚染物質(ストロンチウムSr、イットリウムY)は、凝集装置(第2の凝集分離槽5A、第3の凝集分離槽5B)により、水(汚染水)から分離される。そのため、汚染水から除去するべき汚染物質(ストロンチウムSr、イットリウムY)を確実に除去することが出来る。
【0047】
例えば、除去するべき汚染物質(核種)がストロンチウム(Sr)であれば、「除去するべき汚染物質(核種)を析出する(不溶化する)材料」として炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)と硫酸第一鉄(FeSO
4)を選択する。
炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)と硫酸第一鉄(FeSO
4)を汚染水に添加して、攪拌することにより、炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)と硫酸第一鉄(FeSO
4)が反応して炭酸(H
2CO
3)を発生する。そして、発生した炭酸(H
2CO
3)とストロンチウム(Sr)が反応して、炭酸ストロンチウム(SrCO
3)が生成される。炭酸ストロンチウム(SrCO
3)は水に溶けず、汚染水中に析出する。そして、析出した炭酸ストロンチウム(SrCO
3)は、吸着凝集剤定量供給機4Bから供給される吸着凝集剤(燐酸カルシウム:Ca(H
2PO
4)
2)により、吸着、凝集される。
その結果、ストロンチウム(Sr)は、第1の上澄液攪拌槽9、2次攪拌反応槽110、第2の凝集分離槽5A、第2の固液分離機6Aによって、除去することが出来る。
【0048】
除去するべき汚染物質がカドミウム(Cd)の場合も、「除去するべき汚染物質を析出する(不溶化する)材料」として炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)と硫酸第一鉄(FeSO
4)を選択する。
ストロンチウム(Sr)の場合と同様に、炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)と硫酸第一鉄(FeSO
4)が反応して炭酸(H
2CO
3)を発生し、発生した炭酸(H
2CO
3)とカドミウム(Cd)が反応して、炭酸カドミウム(CdCO
3)が生成される。炭酸カドミウム(CdCO
3)も炭酸ストロンチウム(SrCO
3)と同様に不溶性であり、汚染水中に析出する。そして、析出した炭酸カドミウム(CdCO
3)を凝集、沈降させて回収することが出来る。
換言すれば、カドミウム(Cd)の場合も、第1の上澄液攪拌槽9、2次攪拌反応槽110、第2の凝集分離槽5A、第2の固液分離機6Aによって、除去することが出来る。
【0049】
除去するべき汚染物質(核種)がイットリウム(Y)であれば、「除去するべき汚染物質(核種)を析出する(不溶化する)材料」として、例えばシュウ酸(COOH)
2)を選択する。
イットリウム(Y)で汚染された汚染水にシュウ酸(COOH)
2)を添加すると、シュウ酸イットリウム(Y
2(C
2O
4)
3・4H
2O)が生成する。シュウ酸イットリウム(Y
2(C
2O
4)
3・4H
2O)も水に溶けず、汚染水中に析出するので、凝集、沈降させて回収することが出来る。
すなわち、イットリウム(Y)は、第2の上澄液攪拌槽9A、3次攪拌反応槽110A、第3の凝集分離槽5B、第3の固液分離機6Bによって、除去することが出来る。
【0050】
上述した様に、第1実施形態では、除去するべき汚染物質(核種)であるストロンチウム(Sr)とイットリウム(Y)は、上澄液攪拌槽9、9Aの一方と、攪拌反応槽110、110Aの一方と、凝集分離槽5A、5Bの一方と、固液分離機6A、6Bの一方のセット毎に回収される。そして、当該セットで回収されるのは一種類の核種(ストロンチウムSrあるいはイットリウムY)のみであるため、複数の放射性物質で汚染された汚染水を処理しても、分離された固化物の放射線濃度が高くなり過ぎることはない。そのため、作業員が被曝する恐れが少ない。
そして、一種類の放射性物質が前記セットにより固液分離されて回収される毎に、高濃度汚染水における放射性物質の量は減少し、放射線量も減少する。
すなわち、第1実施形態によれば、放射線量が高くなり過ぎて、分離した固化分が処理出来なくなる恐れがなく、作業員の被曝の恐れが少ない。
【0051】
また第1実施形態によれば、除去するべき汚染物質(核種)毎に、不溶化して汚染水中で析出する機構と、析出した汚染物質を凝集して回収する機構の組合せ、すなわち前記セットを、必要に応じて直列に配置することが出来る。その結果、複数核種により汚染されている高濃度汚染水であっても、当該複数の核種に対応して、前記セットを直列に付加することにより、複数核種を含む汚染水を確実に清浄化することが出来る。
【0052】
次に、
図2及び
図3に基づいて、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態の汚染水浄化システムは、例えば海水の様に、放射性物質濃度が低い汚染水の処理を対象としている。
以下、例えば海水の様に放射性物質濃度が低い汚染水についても、「海水」あるいは「処理水」と記載する。
【0053】
ここで、凝集反応により放射性物質のような汚染物質を除去しようとしても、処理水中の浮遊物濃度(処理水中の浮遊物濃度:処理水中に析出した汚染物質濃度)が10%以上だと、凝集反応はし難い。従って、
図2で示す第2実施形態により汚染水を処理するためには、凝集反応がし易い程度(海水や処理水における浮遊物濃度が5%以下)となる様に、海水(処理水)を汲み上げる。
明確には図示されていないが、
図2においては、海水を汲み上げる段階で、海水中の浮遊物濃度が5%以下となる様に調整して作業している。
なお、海水中の浮遊物濃度が高いと、ドラムスクリーン式分級機170が上手く機能せず、ドラムスクリーンにおいて固形物の粗取りが良好に行われなくなってしまう。
【0054】
図2において、第2実施形態のシステムは、浚渫機構150と、吸引送泥装置160と、ドラムスクリーン式分級機170と、汚染原水攪拌調整槽110Bと、反応促進剤供給機4Eと、1次反応攪拌槽110Cと、第1の吸着凝集剤定量供給機4Fと、第1の流体移動ポンプ190と、2次反応攪拌槽110Dと、第2の吸着凝集剤定量供給機4Gと、第2の流体移動ポンプ190Aを備えている。
さらに、第2実施形態のシステムは、沈殿凝集槽5Cと、上澄液槽200と、第3の流体移動ポンプ190Bと、バグフィルター濾過機210と、第4の流体移動ポンプ190Cと、固液分離機6Aと、濾液循環処理槽7Eと、濾過水槽250を備えている。
【0055】
浚渫機構150はシルトフェンスFsで囲われた海域ERに配置されており、海域ER内を浚渫する浚渫台船151と、浚渫台船151に搭載されて核種機器を移動する浚渫用機械152(例えば、バックホー)と、集泥水タンク153を有している。
浚渫用機械152は浚渫用ロッド152Rを海底まで伸長しており、浚渫用ロッド152Rの先端には攪拌式サンドポンプ152Pが取り付けられている。攪拌式サンドポンプ152Pで吸い込まれた海水Mp(汚染泥を含む海水:以下、「泥水」と言う)を集泥水タンク153に汲み上げている。
【0056】
集泥水タンク153は、開閉バルブV11とラインL101によって、陸上の吸引送泥装置160に連通している。
図3を参照して説明するが、外気をラインL101内に取込むため機構(例えば三方弁)が設けられており、係る機構により、浚渫機構150内の各種ラインにおける泥水(汚染泥を含む海水)を海域ER内に戻すことが出来る。浚渫作業後、浚渫機構150内の各種ライン中に泥水が残存することを防止するためである。
【0057】
図3において、吸引送泥装置160は、真空吸引タンク161と、真空ポンプ165と、補給水貯留タンク167と、スラリーポンプ169を備えている。
真空吸引タンク161は、浚渫側(海域ER側)から泥水を取り込む吸引パイプ162と、真空吸引タンク161内の空気を排気するための排気排出口163と、真空吸引タンク161に溜まった泥水をタンク161外に排出するための泥水排出口164を有している。
【0058】
真空吸引タンク161における排気排出口163は、三方弁V12を介装したラインL102を経由して、真空ポンプ165の吸込み口165aに接続されている。真空ポンプ165の排気排出口165bは、三方弁V13を介装したラインL103を介して、補給水貯留タンク167の接続口167aと接続されている。三方弁V13はラインL105を介して、真空吸引タンク161にも連通している。
真空ポンプ165の補給水吸込み口165cは、ラインL104を介して、補給水貯留タンク167の底部接続口167cと接続されている。
補給水貯留タンク167の上端には排気口167bが設けられており、接続口167aと排気口167bとは通気部167eによって連通している。
【0059】
真空吸引タンク161における泥水排出口164は、開閉弁V14を介装したラインL106を経由して、スラリーポンプ169の吸込み口169aと接続されている。
スラリーポンプ169の吐出口169bは、開閉弁V15を介装したラインL107を介して、ドラムスクリーン式分級機170における泥水取り入れ口173iと接続している。
【0060】
吸引送泥装置160を稼動して、泥水をドラムスクリーン式分級機170側に吸引する場合(汚染水処理モード)は、開閉弁V11を開放し、三方弁V12の外気導入ポートを閉鎖し、三方弁V13のラインL105と連通するポートを閉鎖した後、真空ポンプ165を稼動する。
真空ポンプ165が稼動すると、真空吸引タンク161内の空気は真空ポンプ165に吸引され、急進された空気はラインL103を経由して補給水貯留タンク167の排気口167bから、大気に排出される。その結果、真空吸引タンク161内は負圧となり、浚渫側の集泥水タンク153から処理するべき泥水が真空吸引タンク161内に吸引される。
【0061】
吸引送泥装置160の稼動時(汚染水処理モード)には、ラインL106の開閉弁V14、ラインL107の開閉弁V15は開放され、スラリーポンプ169も稼動して、真空吸引タンク161内の泥水はドラムスクリーン式分級機170に圧送される。
図2、
図3では示していないが、真空吸引タンク161内部上方には、液面センサーが設置してあり、液面センサーによるタンク内の液面値が所定量に達した場合に真空ポンプ165は停止する。
【0062】
浚渫後、ラインL101内に泥水が残存していると、放射能物質も残留していることになる。そのため、浚渫作業の終了後、ラインL101内に泥水が残存しない様にしたい。
ラインL101内の泥水を排出する場合には、ラインL102に介装した三方弁V12の外気に開放されたポートと真空ポンプ165側のポートを連通させ、ラインL103に介装した三方弁V13のラインL105側のポートと真空ポンプ165側のポートを連通させる。そして、真空ポンプ165を稼動する(真空引きする)。
真空ポンプ165を稼動すると、三方弁V12から外気が供給され、供給された外気は、三方弁V13、ラインL105、真空吸引タンク161内を介して、吸引パイプ162及びラインL101内を流れ、以って、吸引パイプ162及びラインL101内に残存している泥水を海中に逆流せしめる。
【0063】
ドラムスクリーン式分級機170は、ドラムスクリーン収容部171と、処理水貯留槽172を有し、ドラムスクリーン収容部171には電動のドラムスクリーン173が回動自在に収容されている。そして、処理水貯留槽172にはレベルセンサ174が設置され、処理水貯留槽172の底部には送水ポンプ170Pが設置されている。送水ポンプ170PはラインL108を介して汚染原水攪拌調整槽110B(
図2)に処理水を送る。
【0064】
吸引送泥装置160からドラムスクリーン式分級機170のドラムスクリーン173に投入された泥水は、例えば、泥水に含まれる1mm以上の固形物が粗取りされ、その固形物はスクリューコンベア180に捕集される。そして当該固形物は、スクリューコンベア180から、残渣物Nとして混練パドルミキサー230(
図2)に投入される。
【0065】
レベルセンサ174により、処理水貯留槽172内の処理水が上限値に達したら、送水ポンプ170Pが稼動して、処理水はラインL108を経由して、汚染原水攪拌調整槽110B(
図2)に移送される。
レベルセンサ174が下限値を示した場合は、送水ポンプ170Pを停止し、吸引送泥装置160のスラリーポンプ169を稼動する。
なお、レベルセンサ174が危険値(上限値より大きな値)に到達したならば、スラリーポンプ169を停止する。
【0066】
図2において、汚染原水攪拌調整槽110Bは、槽本体111と、電動攪拌機112と、レベルセンサ113を備え、槽本体111の底部には送水ポンプ110Pが設置されている。
汚染原水攪拌調整槽110Bの上方には反応促進剤定量供給機4Eが配置され、汚染原水攪拌調整槽110Bに反応促進剤M21が定量供給されるように構成されている。反応促進剤M21については、後述する。
送水ポンプ110PにはラインL109が接続され、汚染原水攪拌調整槽110B内の処理水を1次攪拌反応槽110Cに送る。
汚染原水攪拌調整槽110Bでは、ドラムスクリーン式分級機170から送られた処理水に、反応促進剤M21が供給され、処理水と反応促進剤M21を攪拌することにより、1次攪拌反応槽110Cにおける吸着凝集反応を促進させている。
【0067】
汚染原水攪拌調整槽110Bのレベルセンサ113の検出値が上限値を超えた場合は、送水ポンプ110P及び第1の吸着凝集剤定量供給機4Fは稼動する。
一方、レベルセンサ113が下限値を下回ったことを検出すれば、送水ポンプ110P及び第1の吸着凝集剤定量供給機4Fは停止する。
【0068】
泥水(あるいは海水)に含まれる除去対象核種は浮遊物として泥水中に存在する。泥水中の浮遊物濃度が薄い場合には、凝集剤のみでは除去対象核種を凝集することが出来ない。そのため第2実施形態では、除去対象核種と海水を固液分離し易い様に、反応促進剤M21で除去対象核種の浮遊物を吸着する。
反応促進剤M21としては、除去するべき対象となる核種(放射性物質)を吸着する薬剤が使用され、例えば、無機多孔体が選択される。
処理対象となる核種が吸着した反応促進剤は、下流側の1次攪拌反応槽110Cで凝集剤によって凝集する。以って、泥水中から核種を分離(固液分離)することが可能となる。
【0069】
図1の第1実施形態では、放射性物質濃度が高い汚染水を処理の対象としているので、反応促進剤M21で吸着しなくとも、処理対象となる核種の汚染水中の濃度が高いことが前提となっているので、十分に凝集、沈殿する。そのため、
図1の第1実施形態では、反応促進剤M21の様な吸着材を添加する装置を設けていない。
図1の第1実施形態において、反応促進剤M21の様な吸着材を添加すると、凝集して分離された固形分の放射線量が高くなり過ぎる(放射性物質濃度が高くなり過ぎる)恐れがある。
すなわち、吸着材である反応促進剤M21を添加するか否かの点で、海水や放射線量が少ない(放射性物質の濃度が低い)汚染水を対象としている
図2の第2実施形態と、
図1の第1実施形態とは相違している。
【0070】
図2において、1次攪拌反応槽110Cは、攪拌反応槽と、電動攪拌機と、レベルセンサと、攪拌反応槽の排出部(何れも符号は省略)に配置された開閉弁V16を有している。
1次攪拌反応槽110Cの上方には第1の吸着凝集剤定量供給機4Fが配置され、1次攪拌反応槽110Cに吸着凝集剤M22が定量供給されるように構成されている。
開閉弁V16は、第1の流体移動ポンプ190を介装したラインL110を介して、2次攪拌反応槽110Dの供給口に接続している。
1次攪拌反応槽110Cでは、汚染原水攪拌調整槽110Bから移送された泥水(反応促進剤M21を包含した泥水)に対して、第1の吸着凝集剤定量供給機4Fから吸着凝集剤M22が定量供給されて攪拌される。攪拌された泥水は、第1の流体ポンプ190によって2次攪拌反応槽110Dに移送される。
【0071】
1次攪拌反応槽110Cのレベルセンサ(
図2では符号を省略)の検出値が上限値を超えると、汚染原水攪拌調整槽110Bの送水ポンプ110P及び第1の吸着凝集剤定量供給機4Fは停止する。一方、1次攪拌反応槽110Cのレベルセンサの検出値が下限値を下回ると、汚染原水攪拌調整槽110Bの送水ポンプ110P及び第1の吸着凝集剤定量供給機4Fは稼動する。
また、1次攪拌反応槽110Cのレベルセンサの検出値が上限値を超えると第1の流体ポンプ190及び第2の吸着凝集剤定量供給機4Gは稼動し、レベルセンサの検出値が下限値を下回ると、開閉弁V16は閉鎖し、第1の流体ポンプ190及び第2の吸着凝集剤定量供給機4Gは停止する。
【0072】
2次攪拌反応槽110Dは、攪拌反応槽と、電動攪拌機と、レベルセンサと、攪拌反応槽の排出部(何れも符号は省略)に配置された開閉弁V17を有している。
2次攪拌反応槽110Dの上方には第2の吸着凝集剤定量供給機4Gが配置され、2次攪拌反応槽110Dに吸着凝集剤(M23:例えば、ストロンチウム不溶化剤:処理対象の核種がその他の放射性物質の場合には、当該その他の放射性物質の不溶化剤が選択される)が定量供給されるように構成されている。
開閉弁V17は、第2の流体移動ポンプ190Aを介装したラインL111を介して、凝集沈殿槽5Cの供給口52iに接続している。
【0073】
2次攪拌反応槽110Dに装備されたレベルセンサ(
図2では符号を省略)の検出値が上限値を越えると、開閉弁V17が開き、第2の流体移動ポンプ190Aは稼動する。一方、2次攪拌反応槽110Dに装備されたレベルセンサの検出値が下限値を下回ると、開閉弁V17が閉鎖し、流体移動ポンプ190Aは停止する。
2次攪拌反応槽110Dで吸着凝集剤が投入されると、処理対象の核種が不溶化される。そして、処理対象の核種が不溶化された状態で、泥水は第2の流体ポンプ190Aによって凝集沈殿槽5Cに移送される。
【0074】
凝集沈殿槽5Cでは、サイクロン52により、2次攪拌反応槽110Dから送り込まれ泥水を、比重の大きな固形物(凝集物)と比重の小さな上澄液とに分離する。ここで、比重の大きな固形物は水分を含んでいる。
凝集沈殿槽5Cは、ケーシング51と、遠心分離機であるサイクロン52と、比重の大きな固形物(凝集物)を捕集する固形物捕集部53と、上澄液捕集部54とを有している。
上澄液捕集部54の排出口54oからは、上澄液が上澄液槽201に自然流下する。一方、固形物捕集部53の排出口53oは、第2の流体移動ポンプ190Cを介装したラインL114、開閉弁V19を介して、固液分離機6Aに接続されている。第2の移動ポンプ190Cは、凝集沈殿槽5Cで上澄液と分離された固形物(水分を含む固形物)を、固液分離機6Aの投入口60oに移送する。
【0075】
上澄槽200は、槽本体201にレベルセンサ202が設けられ、底部には開閉弁■18が設けられている。開閉弁V18は、第3の流体移動ポンプ190Bを介装したラインL112を介して、バグフィルター210の処理水供給口211piと接続されている。
上澄槽200では、レベルセンサ202が検知した値が上限値を超えたならば、開閉弁V18を開放し、第3の流体移動ポンプ190Bを稼動する。一方、レベルセンサ202が検知した値が下限値を下回ったならば、開閉弁V18を閉鎖し、第3の流体移動ポンプ190Bを停止する。
【0076】
バグフィルター210は、
図2の例では2基のフィルター本体211と、処理水貯留タンク212と、レベルセンサ213を備えている。
2基のフィルター本体211は分岐管211pで繋がれ、分岐管211pの合流部先端が処理水供給口211piとなっている。処理水貯留タンク212の底部には処理水の排出ポンプ210Pが取り付けられている。
排出ポンプ210PにはラインL113が接続され、ラインL113を経由して、処理が完了した清浄水を海域におけるシルトフェンスFsで囲まれた安全領域ERSFに放出する。
レベルセンサ213の検出値が上限値を越えると排出ポンプ210Pは稼動し、下限値を下回ると排出ポンプ210Pは停止する。
【0077】
固液分離機6Aは、
図1における第2の固液分離機6Aと同様の構成である。但し、
図1では、固形物掻き取り斜板62で掻き取られた固形物は、バケット63に捕集されたが、
図2で示す固液分離機6Aでは、掻き取られた固形物は第1のスクリューコンベア220で捕集される。
第1のスクリューコンベア220で捕集された固形物は、残渣物Nと共に第2のスクリューコンベア230に投入され、第2のスクリューコンベア230から混練パドルミキサー240の第1の開閉式投入口241aに投入される。
【0078】
混練パドルミキサー240では、第2の開閉式投入口241b側のホッパー242から安定固化処理用の薬剤(安定固化処理剤)が投入される。
そしてスクリューコンベア230に投入された固化物は、安定固化処理剤が混合された状態で、混練パドルミキサー240の排出口241oから保管容器630内に排出されて、安定固化処理された状態で保管される。
【0079】
固液分離機6Aで固形物が掻き取られた後の処理水は、ラインL115、濾液循環処理槽7E、ラインL116を経由して濾過水槽250に送られる。
濾過水槽250には、槽本体251にレベルセンサ252が備えられ、槽本体の底部に濾液排出用ポンプ250Pが備えられている。濾液排出用ポンプ250PにはラインL117が接続され、ラインL117を経由して、
図2のシステムで処理された清浄水が、シルトフェンスFsで囲まれた安全領域(海域)ERSFに放出される。
レベルセンサ252の検出値が上限値を超えると濾液排出用ポンプ250Pは稼動し、下限値を下回ると濾液排出用ポンプ250Pは停止する。
【0080】
第2実施形態では、例えばシルトフェンスFsで包囲されている領域ER中の海水や、その他の放射性物質濃度が低い汚染水を処理するため、除去するべき汚染物質(核種)を反応(凝集反応)し易い状態にする反応促進剤M21(吸着剤)を供給し、水中に浮遊する除去対象放射性物質を反応促進剤M21で吸着している。そして除去対象放射性物質を吸着した反応促進剤M21を凝集することにより、海水や放射性物質濃度が低い汚染水であっても、処理対象を凝集して、汚染水(泥水)から固液分離して、除去することが出来る。
【0081】
図2の第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、
図1の第1実施形態と同様である。
【0082】
次に
図4を参照して、第2実施形態の変形例を説明する。
図2で示すシステムは、処理能力が10t/h(毎時10t)以上の大型システムであるのに対して、
図4で示すシステム(第2実施形態の変形例に係るシステム)は、処理能力が10t/h(毎時10t)未満の小型システムである。
【0083】
図4において、第2実施形態の変形例に係るシステムは、汚染海水攪拌槽110Eと、反応促進剤供給機4Gと、粗取り攪拌槽2Aと、1次反応攪拌槽110Fと、第1の吸着凝集剤定量供給機4と、2次反応攪拌槽110Gと、第2の吸着凝集剤定量供給機4Bと、凝集沈殿槽260と、上澄液槽270と、バグフィルター濾過機130と、固液分離機6Aと、濾液循環処理槽7Eと、濾過水槽280と、混練機290と、安定化固化剤定量供給機4Hを備えている。
【0084】
沿岸と海底とシルトフェンスFsによって囲われた汚染領域ERに設置した取水ポンプPから、放射性物質によって汚染された海水が、取水ラインL201を介して、汚染海水攪拌槽110Eに汲み上げられる。
汚染海水攪拌槽110Eは、槽本体111と、電動攪拌機112と、レベルセンサ113と、槽の底部に設置された送水ポンプ110Pを備えている。
送水ポンプ110PはラインL202と接続され、ラインL202の先端は粗取り攪拌槽2Aの投入口上方に開口している。
汚染海水攪拌槽110Eの上方には反応促進剤供給機4Gが設置されている。
汚染海水攪拌槽110Eでは、汲み上げられた処理水(海水)に対して、反応促進剤供給機4Gから反応促進剤(除去するべき対象となる放射性物質を吸着する薬剤:例えば無機多孔体)が供給され、攪拌機112で攪拌される。
【0085】
レベルセンサ113が下限値を検知すると、送水ポンプ110P及び反応促進剤供給機4Gは停止し、取水ポンプPは稼動する。
一方、レベルセンサ113が上限値を検知すると、取水ポンプPは停止し、送水ポンプ110Pは稼動する。そしてレベルセンサ113が所定値を検知すると、反応促進剤供給機4Gは稼動する。
【0086】
粗取り攪拌槽2Aは、槽本体20Aと、不純物粗取機21Aと、レベルセンサ22と、攪拌機23と、槽本体20Aの底部に配置された送水ポンプ2Pを有している。
送水ポンプ2Pは、ラインL203を介して、1次反応攪拌槽110Fに処理水を送水している。
粗取り攪拌槽2Aでは、汚染海水攪拌槽110Eから移送された処理水が不純物粗取機21Aを通過する際にサイズが大きい不純物が除去され、それ以外の処理水が槽本体20Aに貯留される。
【0087】
粗取り攪拌槽2Aのレベルセンサ22が上限値を検知した場合には、汚染海水攪拌槽110Eの送水ポンプ110Pを停止し、粗取り攪拌槽2Aの送水ポンプ2P、1次反応攪拌槽110Fの攪拌機112、第1の吸着凝集剤定量供給機4を稼動して、凝集分離反応を行わせるように構成されている。
一方、レベルセンサ22が下限値を検知した場合には、粗取り攪拌槽2Aの送水ポンプ2Pは停止する。
【0088】
1次反応攪拌槽110Fは、槽本体111と、攪拌機112と、レベルセンサ113と、槽本体底部に配置された送水ポンプ110Pを備えている。送水ポンプ110Pは、ラインL204を介して、2次反応攪拌槽110Gに処理水を送水している。
1次反応攪拌槽110Fの上方には、第1の吸着凝集剤定量供給機4が配置されている。
1次反応攪拌槽110Fでは、汚染海水攪拌槽110Eから送られた処理水に第1の吸着凝集剤定量供給機4から吸着凝集剤(例えば、無機質の多孔体)が供給され、供給された処理水と吸着凝集剤が攪拌機112で攪拌される。
【0089】
1次反応攪拌槽110Fのレベルセンサ113が上限値を検知したら、粗取り攪拌槽2Aの送水ポンプ2P及び第1の吸着凝集剤定量供給機4を停止し、送水ポンプ110Pを稼動する。
1次反応攪拌槽110Fのレベルセンサ113が下限値を検知したら、粗取り攪拌槽2Aの送水ポンプ2Pを稼動し、送水ポンプ110Pを停止する。また、1次反応攪拌槽110Fのレベルセンサ113が所定値を示したら、第1の吸着凝集剤定量供給機4を稼動させる。
【0090】
2次反応攪拌槽110Gは、1次反応攪拌槽110Fと同様(共通)の構成を有している。但し、1次反応攪拌槽110Fの底部には送水ポンプ110Pが取り付けられていたのに対して、2次反応攪拌槽110Gの底部には開閉弁V21が取り付けられている。
2次反応攪拌槽110Gの上方には第2の吸着凝集剤定量供給機4Bが設置されている。
開閉弁V21は、流体移動ポンプ190Dを介装したラインL205と接続しており、ラインL205の先端は凝集沈殿槽260の取入口261に接続されている。
【0091】
2次反応攪拌槽110Gでは、1次反応攪拌槽110Fから移送された処理水に、第2の吸着凝集剤定量供給機4Bから第2の吸着凝集剤(例えば、ストロンチウム不溶化剤:炭酸水素ナトリウムNaHCO
3と硫酸第一鉄FeSO
4)が規定量だけ供給される。
2次反応攪拌槽110Gで吸着凝集剤が供給されて処理水と攪拌されると、不溶性の炭酸ストロンチウム(SrCO
3)が処理水中に析出する。
【0092】
2次反応攪拌槽110Gのレベルセンサ113が上限値を検知したら、1次反応攪拌槽110Fの送水ポンプ110P及び第2の吸着凝集剤定量供給機4Bを停止し、開閉弁V21を開放し、流体移動ポンプ190Dを稼動する。
一方、2次反応攪拌槽110Gのレベルセンサ113が下限値を検知したら、1次反応攪拌槽110Fの送水ポンプ110Pを稼動し、開閉弁V21を閉鎖する。そしてレベルセンサ113が所定値を示したら、第2の吸着凝集剤定量供給機4Bが稼動する。
【0093】
凝集沈殿槽260には、レベルセンサ264が設けられている。
凝集沈殿槽260に送水された処理水は、固形物が凝集して沈殿することにより、水分を含み比重の大きな固形物(凝集物)と、比重の小さな上澄液に分離される。比重の小さな上澄液は、上澄排水口262を介して上澄液槽270に自然流下する。
上澄液槽270はレベルセンサ271を備え、上澄液槽270の底部には開閉弁V22が取り付けられている。開閉弁V22はラインL206と接続し、ラインL206は流体移動ポンプ190Eを介装しており、且つ、ラインL206の先端がバグフィルター濾過機130に接続されている。
上澄液槽270のレベルセンサ271が上限値を示すと、開閉弁V22を開放し、流体移動ポンプ190Eを稼動して、上澄液槽270内の処理水(上澄液)をバグフィルター濾過機130に移送する。一方、レベルセンサ271が下限値を示した場合は、開閉弁V22を閉鎖し、流体移動ポンプ190Eを停止する。
【0094】
バグフィルター濾過機130は、第1実施形態のバグフィルター濾過機130と同一である。
上澄液槽270からバグフィルター濾過機130に移送された処理水は、バグフィルター131で不純物が濾過(除去)されて、人体に対して無害なレベルの清浄水に浄化され、一次貯留槽132に貯留される。
一次貯留槽132のレベルセンサ133が上限値を示したなら、一次貯留槽132の底部に設けた送水ポンプ130Pを稼動して、ラインL207を経由して、シルトフェンスFsで囲まれた安全領域ERSFに、清浄水を放出する。安全領域ERSFへの排水が進みレベルセンサ133が下限値を示したならば、送水ポンプ130Pを停止する。
【0095】
凝集沈殿槽260において、底部排出口263には開閉弁265が設けられている。開閉弁265は、流体移動ポンプ190F(例えば、スラリーポンプ)が介装されたラインL208を介して、固液分離機6A側の開閉弁V23に接続されている。
凝集沈殿槽260のレベルセンサ264が上限値を示したなら、2次反応攪拌槽110G側の開閉弁V21を閉鎖し、流体移動ポンプ190Dを停止する。そして、凝集沈殿槽260の底部排出口263に設けた開閉弁265及び固液分離機6A側の開閉弁V23を開放し、流体移動ポンプ190Fを稼動する。
これにより、凝集沈殿槽260底部に貯留している固形物(スラリー)(溜まった水分を含み比重の大きな固形物)が固液分離機6Aに供給される。
【0096】
図4の固液分離機6Aは、
図1における固液分離機6と同様に構成されており、固液分離機6Aの各構成機器の符号は、
図4では省略されている。
固液分離機6Aの固形物掻き取り斜板(
図1の固液分離機6の固形物掻き取り斜板62に相当)で掻き取られた固形分は、バケット63に捕集され、混練機290に移送される。
固液分離機6Aで固形物が掻き取られた後の処理水は、ラインL209、濾液循環処理槽7E、ラインL210を経由して、濾過水槽280に送られる。
【0097】
濾過水槽280はレベルセンサ282を備え、底部には排出ポンプ280Pが設けられている。排出ポンプ280PにはラインL211が接続され、ラインL211の先端は、シルトフェンスFsで囲まれた安全領域ERSFに開口している。
レベルセンサ282が上限値を示した場合には排出ポンプ280Pを稼動し、ラインL211を経由して、シルトフェンスFsで囲まれた安全領域ERSFに、清浄水を放出する。排水が進みレベルセンサ282が下限値を示したなら、排出ポンプ280Pを停止する。
【0098】
混練機290は、混練槽291と混練機本体292を有している。
混練機290には、固液分離機6Aから移送された固形物と、粗取り攪拌槽2Aから移送された固形物が投入される。
固液分離機6Aと粗取り攪拌槽2Aから移送され、混練機290に投入された固形物は、混練機本体292によって十分混練された後、保管容器630に収容され、安全に保管される。
【0099】
図2の凝集沈殿槽5Cでは、そこに供給された処理水(泥水)の量に対応して、凝集、沈殿した固化物が排出される。従って、処理するべき処理水(泥水)の量が増加した場合には、固液分離機6Aの数量を増加(増設)すれば対応することが出来る。
それに対して、
図4の凝集沈殿槽260は、凝集した固化物の排出量が一定である。したがって、処理するべき処理水(泥水)の量が増加しても、凝集沈殿槽260から排出される固化材の量は変動しないので、固液分離機6Aを増設する必要はない。
【0100】
また、
図4における粗取り攪拌槽2Aは、
図2のシステムで用いられているドラムスクリーン式分級機170よりも処理能力が低い。
さらに
図4の変形例では、
図2の混練パドルミキサー240による安定固化処理は存在しない。
図4の変形例のその他の構成及び作用効果は、
図2、
図3の第2実施形態と同様である。
【0101】
次に、
図5に基づいて第3実施形態を説明する。
図1〜
図4の実施形態は放射性物質により汚染された水の浄化システムであるが、
図5の第3実施形態は、建屋内に存在する浮遊油分であって、放射性物質により汚染された油分を焼却処理するシステムである。
【0102】
図5において、第3実施形態に係る油分の焼却処理システムは、吸引装置160Aと、攪拌調整槽110Gと、定量供給ポンプ3Pと、パドル式混練機240Aと、ドラムスクリーン式乾燥装置170Aと、排出スクリュー170Bと、排気洗浄装置300を備えている。
【0103】
吸引装置160Aは吸引タンク161と真空ポンプ165を有しており、真空ポンプ165が稼動すると、例えば、被災した原子炉建屋NCX内の浮遊油分を含む汚染水(以下、「汚染水」と言う)を、先端に吸引口OIを有する吸引ホースL301を経由して、吸引タンク161内に吸引する。
吸引ホースL301と吸引タンクの間には開閉弁V31が介装され、タンク底部には開閉弁V32が取り付けられている。
吸引タンク161内において、汚染水中から油分(原子炉建屋NCX内に浮遊していた油:原子炉建屋NCX内で放射性物質により汚染された油)混じりの汚染水が分離して、タンク161下方に貯留する。タンク161下方には当該汚染水の排出口(
図5では符号なし)が設けられており、当該排出口は、開閉弁V32を介装したラインL302を介して、攪拌調整槽110Gに連通している。
【0104】
攪拌調整槽110Gは、槽本体111と、攪拌機112とレベルセンサ113を有し、槽の底部には開閉弁V33が介装されている。開閉弁V33は、定量供給ポンプ3Pを介装したラインL303を介して、パドル混練機240Aの投入口241aに接続している。
レベルセンサ113が上限値を示すと、吸引タンク161の開閉弁V32は閉鎖して、槽底部の開閉弁V33は開放され、定量供給ポンプ3Pが稼動する。
一方、レベルセンサ113が下限値を示すと、吸引タンク161の開閉弁V32は開放して、攪拌調整槽110G底部の開閉弁V33は閉鎖され、定量供給ポンプ3Pも停止する。また、真空ポンプ165も停止し、その際に、吸引タンク161内に貯留した油分混じりの汚染水は攪拌調整槽110G内に自然流下する。
図5で明確には図示されてはいないが、吸引タンク161内には浮き子(浮きボール)が備えられており、吸引タンク161内における水量管理を行っている。吸引タンク161内の汚染水が溢れ出さないための安全策である。
【0105】
パドル式混練機240Aは、傾斜配置された混練機本体241と、混練機本体241の上面側に設けた汚染水投入口241aと、当該汚染水投入口241aの近傍に設けたホッパー241bと、混練機本体241の下面側に設けた混練物排出口241oを有している。
ホッパー241bには、規定量の吸着保水固化材(商品名「イオンリアクション」:無機多孔体)が充填されており、混練機本体241内で、パドル式混練機240Aに投入された油分(原子炉建屋NCX内で放射性物質により汚染された油)混じりの汚染水と吸着保水固化材(イオンリアクション)がスクリューによって混練される。
【0106】
図5のシステムでは、パドル式混練機240Aでの混合処理後における含水率を所定割合(例えば、50%前後)にするために、定量供給ポンプ3P及びパドル式混練機240Aをインバーター制御することによって吸着保水材の混合割合を管理している。
含水率が50%前後に混練された吸着保水材と混合された油分混じりの汚染水は、ドラムスクリーン式乾燥装置170Aにおける動力ホッパー172の投入口172aに投入される。
【0107】
ドラムスクリーン式乾燥装置170Aは、乾燥装置本体171と、動力ホッパー172とを有している。動力ホッパー172を介して投入された処理物(吸着保水材と混合された油分混じりの汚染水)は、回転するドラムスクリーンに送られて、油分を熱分解(焼却)し、水分を気化する。
ドラムスクリーン式乾燥装置170Aで熱分解して生じた処理物(固形物)は、排出スクリュー170Bによって保管容器630に移送され、保管容器630内に厳重保管される。
なお、ドラムスクリーン式乾燥装置170Aで熱分解して生じた処理物(固形物)における放射線量が低い場合には、パドル式混練機240Aに添加する吸着保水材として再利用する。
【0108】
ドラムスクリーン式乾燥装置170Aで気化した水分(水蒸気)は、排気洗浄装置300に送られる。
排気洗浄装置300は、サイクロン310と、洗浄管320と、洗浄槽330と、排気管340を有している。
ドラムスクリーン式乾燥装置170Aで気化した水蒸気は、排気洗浄装置300のサイクロン310において、連行している燃焼灰と遠心分離される。
図5における符号ASは、排気洗浄装置300のサイクロン310で捕集された燃焼灰である。
図5では図示されていないが、この燃焼灰ASについても、放射線量等に対応して、必要な処理(保管処理等)が行われる。
【0109】
サイクロン310で燃焼灰ASと分離された水蒸気は洗浄管320を流過し、その際に、排気洗浄水Wcを噴霧されて洗浄される。そして、洗浄槽330で洗浄されて、放射性物質が除去される。そして、排気管340を介して、大気に放出(排気)される。
洗浄槽330には放射性物質を含む汚濁水Wpが貯留する。この汚濁水Wpは汚濁水貯留タンク400に貯留され、その後、例えば
図4で示すシステム(あるいは、
図2で示すシステム)で浄化処理される。
図4で示すシステム(あるいは、
図2で示すシステム)で浄化処理された水は、排気洗浄装置300の洗浄管320に戻して、排気洗浄水Wcとして再利用する。
【0110】
ここで、ドラムスクリーン式乾燥装置170Aに投入される汚染水中に、塩分が所定量以上含まれている場合には、ドラムスクリーン式乾燥装置170Aの熱分解温度を、800℃以上としている。
800℃以上で加熱することにより、人体に有害なダイオキシンの発生を防止して、排気中にダイオキシンが混合することを未然に防止するためである。
【0111】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、
図1の第1実施形態は、ストロンチウム(Sr)とイットリウム(Y)を2種類の核種を除去する施設として説明されている。しかし、凝集分離槽5Bの下流側に、上澄液攪拌槽9、9Aに相当する槽、攪拌反応槽110、110Aに相当する槽、凝集分離槽5A、5Bに相当する槽、固液分離機からなるセットを別途設ければ、さらに別の核種(別種の放射性物質)を除去することが可能である。
また、
図2〜
図4の第2実施形態は、海中に設けたシルトフェンス内の海水(汚泥を包含する)を処理する施設として説明されているが、溜池、沼、湖、河川における汚染水(放射性物質を包含する水)を処理する施設として適用することが可能である。