特許第6242214号(P6242214)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242214
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】エアセンサを較正する方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20171127BHJP
   F24F 7/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   F24F11/02 103A
   F24F7/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-535451(P2013-535451)
(86)(22)【出願日】2011年10月28日
(65)【公表番号】特表2013-545068(P2013-545068A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】EP2011068984
(87)【国際公開番号】WO2012059425
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2014年10月8日
【審判番号】不服2016-10582(P2016-10582/J1)
【審判請求日】2016年7月13日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2010/078280
(32)【優先日】2010年11月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】シェン ファンチョン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ホン
(72)【発明者】
【氏名】ランファーマン ゲルド
【合議体】
【審判長】 紀本 孝
【審判官】 田村 嘉章
【審判官】 佐々木 正章
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−272919(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1402935(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
F24F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エア処理デバイスに設けられる、空気中の粒子及び/又は気体成分の量を感知するためのエアセンサを較正する方法であって、
前記エア処理デバイスに入力される空気中の粒子及び/又は気体成分をフィルタリングするステップと、
前記エア処理デバイスが気密空間内に配置された場合に、周囲空気と前記フィルタリングされた空気との混合空気中の粒子及び/又は気体成分の量を前記エアセンサにより測定するステップと、
前記気密空間における前記混合空気中の粒子及び/又は気体成分の量が所定の閾値よりも小さいかどうかを決定するステップと、
前記気密空間における前記混合空気中の粒子及び/又は気体成分の量が所定の閾値よりも小さいと決定された場合、前記エアセンサによって感知された前記混合空気中の粒子及び/又は気体成分の量の測定値がゼロ空気測定時の測定値となるように前記エアセンサを較正するステップと、
を有する、方法
【請求項2】
前記決定するステップは、
前記エアセンサの複数の測定出力を収集するステップと、
前記複数の測定出力の標準偏差が或る閾値より小さいかどうかを決定するステップと、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記フィルタリングするステップ及び前記測定するステップのうちのいずれか一方を開始又は停止するためにユーザインタフェースを介して指示を受信するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1−のうちいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるように構成された、プログラム
【請求項5】
空気中の粒子及び/又は気体成分の量を感知するためのエアセンサと、フィルタと、プロセッサと、を有するエア処理デバイスであって、
前記フィルタが、前記エア処理デバイスに入力される空気中の粒子及び/又は気体成分をフィルタリングし、
前記エアセンサが、前記エア処理デバイスが気密空間内に配置された場合に、周囲空気と前記フィルタリングされた空気との混合空気中の粒子及び/又は気体成分の量を測定し、
前記プロセッサが、前記気密空間における前記混合空気中の粒子及び/又は気体成分の量が所定の閾値よりも小さいかどうかを決定し、前記気密空間における前記混合空気中の粒子及び/又は気体成分の量が所定の閾値よりも小さいと決定した場合、前記エアセンサによって感知された前記混合空気中の粒子及び/又は気体成分の量の測定値がゼロ空気測定時の測定値となるように前記エアセンサを較正する、エア処理デバイス
【請求項6】
ユーザ又は他のオペレータから前記エア処理デバイスの動作に関する指示を受信し、及び/又は、前記エア処理デバイスの動作を表示するように構成されたユーザインタフェースを有する、請求項に記載のエア処理デバイス
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エア処理の分野、特に、エア処理デバイスのエアセンサを較正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市化及び工業化は、とりわけ新興成長市場において、巨大都市における大気汚染をもたらす。空気の質を向上させるために空気を浄化するために、エア処理デバイスは、家、オフィス及び自動車において広く使われている。
【0003】
エアクオリティインジケータは、通常、ユーザに空気の質の指標を与えるために、エア処理デバイスにおいて一体化される。このように、エア処理デバイスは、エアセンサ及びプロセッサを更に備え得る。エアセンサは、空気の質を測定して測定出力を提供し、そして、プロセッサは、エアセンサの測定出力を読みとり、エアセンサの測定出力に基づいてユーザに指標を与えるようにエアクオリティインジケータを制御する。しかしながら、エアセンサの測定出力は、時間にわたって漂う場合があり、エアセンサ自体は、同じバッチにおいても、測定値の間の不一致を示す場合がある。その結果として、エアクオリティインジケータは、ユーザに対して間違った指標を与える場合がある。従って、屋内の空気の質が実際に向上したかどうかをユーザがチェックするのは難しく、これは面倒であり、エア処理デバイスにおける人々の信頼を低減する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、ゼロ空気(zero air)がエアセンサを較正するために用いられるべきである。しかしながら、エア処理デバイスのエアセンサが較正されることを必要とする度に、ユーザは較正を実行するためにゼロ空気を見つけようとしなければならない。これは非常に不都合である。
【0005】
上記の問題からみて、エアセンサを較正するためのきれいな空気(即ち、ゼロ空気)がエア処理デバイスにより局所的に生成される、エア処理デバイスのエアセンサを較正する方法を実現することが有利であるだろう。そして、エアセンサが、エア処理デバイスにより局所的に生成されたきれいな空気(即ち、ゼロ空気)により較正され得る、エア処理デバイスを実現することが望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の関心事により十分に対処するために、本発明の一実施形態によれば、空気を浄化するように構成された空気浄化ユニットと、第1の空気量を測定して測定出力を供給するように構成されたエアセンサであって、前記第1の空気量が前記空気浄化ユニットにより浄化された浄化空気を有する、エアセンサと、前記エアセンサを較正するように前記エアセンサの測定出力に基づく第1の値を生成するように構成されたプロセッサと、を有するエア処理デバイスが提供される。
【0007】
一実施形態において、第1の空気量は浄化空気であり、エア処理デバイスは、エアセンサと空気浄化ユニットとの間に設けられたスイッチを更に有し、プロセッサは、エアセンサへの浄化エアフローを可能にするか又はエアセンサへの浄化エアフローをブロックするためにスイッチを開けるか又は閉じるように更に構成される。
【0008】
他の実施形態では、第1の空気量は周囲空気と浄化空気との混合であり、エア処理デバイスは気密空間内に配置され、プロセッサは、気密空間における第1の空気量の質が予め規定された基準を満たすかどうかを決定し、第1の空気量の質が予め規定された基準を満たした場合に、エアセンサの測定出力に基づく第1の値を生成するように更に構成される。
【0009】
本発明の一実施形態のエア処理デバイスによれば、ゼロ空気を外部的に生成することを必要とすることなく、きれいな空気(即ち、ゼロ空気)がエアセンサを較正するためにエア処理デバイスにより局所的に生成され、これは、エア処理デバイスのエアセンサの較正を実行するユーザ又は他のオペレータに対して利便性をもたらす。更に、エアセンサの測定出力が較正されるので、ユーザに提供される空気の質の指標は正確であるだろう。
【0010】
本発明の他の実施形態によれば、エア処理デバイスのエアセンサを較正する方法であって、前記エア処理デバイスを用いて空気を浄化するステップと、前記エアセンサを較正するように、第1の値を得るために前記エアセンサを用いることにより第1の空気量を測定するステップであって、前記第1の空気量は浄化された空気を有する、ステップとを有する、方法が提供される。
【0011】
本発明のこれらの及び他の態様は、後述される実施形態から明らかになり、これらを参照して説明されるだろう。
【0012】
本発明の上記の及び他の目的及び特徴は、添付図面と組み合わせて考慮される以下の詳細な説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の例示的なエア処理デバイス10を示す。
図2】本発明の他の実施形態の例示的なエア処理デバイス20を示す。
図3】本発明の一実施形態のエア処理デバイスのエアセンサを較正する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
同一の参照番号は、図面全体に渡って類似の部分を示すために用いられる。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態の例示的なエア処理デバイス10を示す。エア処理デバイス10は、空気を浄化するために、家、オフィス、自動車及び他の(公共の)場所において概ね用いられ得る。図1に示すように、エア処理デバイス10は、空気浄化ユニット11と、エアセンサ12と、プロセッサ13とを有する。
【0016】
空気浄化ユニット11は、任意の構成をとってもよいが、図1に示すように、概して、フィルタ手段110及びモータ111を含む。フィルタ手段110は、例えば通過する空気から粒子(例えば塵)をフィルタリングするための粒子フィルタユニットと、例えば通過する空気からガス(例えば化学ガス)をフィルタリングするためのガスフィルタユニットとを概して含んでもよい。モータ111は、浄化されるべき空気がフィルタ手段110を通過することをもたらすように構成され、これは、例えば後方のインペラであり得る。空気浄化ユニット11は、それぞれ、浄化されるべき空気が、空気浄化ユニット11に入ること(矢印Aにより示される)、及び、空気浄化ユニット11を出ること(矢Bにより示される)を可能にするように構成される、入口エリア113及び出口エリア114を有するハウジング112を更に含み得る。フィルタ手段110及びモータ111は、図1に示すように、双方がハウジング112に囲まれてもよい。
【0017】
エアセンサ12は、例えば粒子センサ又はガスセンサのような、空気の質を測定するのに適したセンサの任意の形式であり得る。エアセンサ12は、空気の質を測定して測定出力をプロセッサ13に供給するように構成され、プロセッサ13は、例えばマイクロコントロールユニット(MCU;Micro Control Unit)であり得る。
【0018】
通常の動作モードにおいて、例えば自動車内のエア処理デバイス10が起動すると、モータ111は、自動車のキャビンに存在する周囲空気を入口エリア113を介して空気浄化ユニット11に吸引し始める。そして、周囲空気は、通過する周囲空気からの例えば塵及び化学ガスをフィルタリングするフィルタ手段110を通過し、その後、浄化された空気は、出口エリア114を介して空気浄化ユニット11を出て、キャビン中の周囲空気と混合する。上記の処理は、キャビン中の空気を浄化するように、エア処理デバイス10の通常の動作モードの間、繰り返される。
【0019】
エアセンサ12は、キャビン中の空気の質を測定して測定出力を供給する。プロセッサ13は、エアセンサ12の測定出力を読みとり、エアセンサ12の測定出力に基づいて、ユーザに空気の質の指標を与える。クオリティインジケータ(例えば、1つのLED又はLEDのアレイ)が、空気の質の指標を与えるためにエア処理デバイス10上に設けられ得る。プロセッサ13は、エアセンサ12の測定出力を読みとったときには、エアセンサ12の測定出力を予め規定された閾値と比較し、LEDを緑になるように制御してもよく、これは、エアセンサ12の測定出力が例えば予め規定された閾値を超えない場合、又は、LEDを赤になるように制御しない場合に空気の質がよいことを示し、エアセンサ12の測定出力が例えば予め規定された閾値を超える場合に空気の質が悪いことを示す。1以上の閾値が空気の質を決定するために規定されてもよく、これに関して、LEDが、異なるエアクオリティレベルの指標を与えるために2以上の色をとるように制御されてもよいことが理解されるだろう。
【0020】
エア処理デバイス10のエアセンサ12が較正されることを必要とするときには、例えば、エアセンサ12の測定出力は、時間に渡って漂い、インジケータによる空気の質の指標が不正確な指標をもたらすので、エア処理デバイス10は較正モードに進む。
【0021】
一実施形態において、エア処理デバイス10は、ユーザインタフェースを有してもよく、較正モードは、ユーザインタフェースを介して指示が受信されたとき、例えばエア処理デバイス10上の較正キーが押圧されたときに起動し得る。代わりに、較正モードは、ユーザ又は他のオペレータからの指示を必要とすることなく、例えば周期的に、自動的に起動してもよい。
【0022】
有利には、較正モードは、空気浄化ユニット11のフィルタ手段110が洗浄されるか又は取り替えられた後に起動してもよい。
【0023】
較正モードが起動したときに、エア処理デバイス10の空気浄化ユニット11は、キャビン内の空気を浄化し始める。上述したように、通常の動作モードにおいて、キャビン内の周囲空気は、モータ111により入口エリア113を介して空気浄化ユニット11に吸い込まれ、フィルタ手段110を通過し、その後、浄化された空気は、出口エリア114を介して空気浄化ユニット11を出て、キャビン内の周囲空気と混合する。空気浄化ユニット11の動作は、キャビン内の空気を浄化するように繰り返される。
【0024】
エアセンサ12は、浄化された空気及び周囲空気の前記混合を測定し、測定出力を供給する。プロセッサ13は、エアセンサ12を較正するように、エアセンサ12の測定出力に基づいて、混合の質が予め規定された基準を満たすかどうか決定し、混合の質が予め規定された基準を満たす場合、エアセンサ12の測定出力に基づく第1の値を生成する。混合の質が予め規定された基準を満たす場合、キャビン内の空気は、ゼロ空気として実質的に参照され、従って、第1の値は、ゼロ空気でのエアセンサ12の測定出力と見なされ得ることが留意されるべきである。
【0025】
一実施形態において、可動平均化アルゴリズムは、混合の質が予め規定された基準を満たすかどうかを決定するのに用いられ得る。説明の目的だけのために、プロセッサ13の動作は、10のウィンドウサイズ及び1秒のサンプリング間隔をとることにより述べられるだろう。具体的には、プロセッサ13は、エアセンサ12の10の測定出力を収集し(即ち、10秒間の毎秒、エアセンサ12の10の測定出力を読みとり)、10の測定出力の標準偏差又は変化が閾値より大きいかどうかを決定する。10の測定出力の標準偏差又は変化が閾値より大きい場合には、プロセッサ13は、エアセンサ12の後続の10の測定出力を集め続け、10の測定出力の標準偏差又は変化が閾値より大きいか否かを決定する動作を実行する。10の測定出力の標準偏差又は変化が閾値より大きくない場合には、プロセッサ13は、第1の値として10の測定出力の平均を計算する。代わりに、10の測定出力の標準偏差又は変化が閾値を超えない場合には、プロセッサ13は、第1の値としてエアセンサ12の現在の測定出力を読み込んでもよい。
【0026】
第1の値が実現されたときには、一実施形態において、プロセッサ13は、エアセンサ12の測定出力を較正するように、補償値として第1の値と基準値との間の差を更に計算してもよい。基準値は、ゼロ空気でのエアセンサ12の標準出力であってもよく、これは、プロセッサ13に予め格納されてもよい。補償値は、通常の動作モードにおけるエアセンサ12の測定出力を補償するのに用いられてもよく、即ち、エア処理デバイス10が通常の動作モードにおいて動作するときには、プロセッサ13は、エアセンサ12の測定出力を読みとり、エアセンサ12の測定出力を補償値により補正し、それ故、クオリティインジケータによる空気の質の指標は正確になるだろう。これに関して、エアセンサ12の応答は線形であることが望ましい。
【0027】
代わりに、プロセッサ13は、エアセンサ12の測定出力を較正するように、第1の値に基づいて、エアセンサ12の周辺回路の構成を変えてもよい。この構成において、エアセンサを囲む周辺回路の直接的な出力は、更なる補正を必要とすることなく、プロセッサ13の直接的な出力になり得る。
【0028】
進行ステージにおける点滅赤色光から、間の中断を回避し得る成功した完了の指標であるスタティックな緑色光に及ぶ光を発する。
【0029】
本実施形態において、較正が気密空間(例えば自動車の気密キャビン)内において実行されるべきことが留意されるべきである。
【0030】
図2は、本発明の他の実施形態の例示的なエア処理デバイス20を示す。エア処理デバイス20は、空気浄化ユニット21、エアセンサ22、プロセッサ23、及び、エアセンサ22と浄化ユニット21との間の設けられたスイッチ24を有する。空気浄化ユニット21、エアセンサ22及びプロセッサ23の構成は、図1における対応するモジュールのものと同様であり、簡素化のためにここでは述べられないだろう。
【0031】
スイッチ24は、オン/オフに切替えられるのに適した任意の構成をとってもよいが、フリップゲート又はスライドカバーが好ましい。
【0032】
一実施形態において、プロセッサ23は、それぞれ、浄化ユニット21により浄化された空気が、エアセンサ22に向かって流れることを可能にするか、又は、エアセンサ22に向かう浄化されたエアフローをブロックするために、スイッチ24を開けるか又は閉じるように更に構成される。代わりに、スイッチ24は、手動でオン又はオフに切り替えられてもよい。
【0033】
通常の動作モードにおいて、スイッチ24は、エアセンサ22に向かう浄化ユニット21により浄化された空気のフローをブロックするように、プロセッサ23により閉じられ、それ故、キャビン内の空気を浄化するためのエア処理デバイス20における各モジュールの動作は、図1を参照して述べられたものと同様であり、簡素化のためにここでは述べられないだろう。
【0034】
エア処理デバイス20のエアセンサ22が較正されることを必要とするときには、エア処理デバイス10は較正モードに進む。較正モードは、ユーザ若しくは他のオペレータからの指示により起動してもよく、又は、図1を参照して述べられたように自動的に起動してもよい。較正モードにおいて、スイッチ24は、浄化ユニット21により浄化された空気が、エアセンサ22に向かって流れるのを可能にするために、プロセッサ23により開けられる。
【0035】
較正モードが起動したときには、エア処理デバイス20の空気浄化ユニット21は、キャビン内の空気を浄化し始める。具体的には、キャビン内の周囲空気は、モータ211により入口エリア213を介して空気浄化ユニット21に吸い込まれ、フィルタ手段210を通過し、その後、浄化された空気は、出口エリア214を介して空気浄化ユニット21を出て、キャビン中の周囲空気と混合する。スイッチ24が開いているので、浄化された空気の部分はエアセンサ22に向かってガイドされる。通常、浄化ユニット21により浄化された空気は、ゼロ空気と見なされ得る。従って、エアセンサ22を較正するように、エアセンサ22の現在の出力は、ゼロ空気(即ち第1の値)の出力と見なされ得る。
【0036】
この実施形態において、浄化ユニット21により浄化された空気が、第1の値を得るためにエアセンサ22に直接供給されるので、較正が気密空間を必要とすることなく実行され得ることが留意されるべきである。
【0037】
更に、浄化ユニット21により浄化された空気が第1の値を得るためにエアセンサ22に直接供給されるので、図2のエア処理デバイス20は、図1のエア処理デバイス10よりも、較正を終えるまでにあまり時間を必要としない。
【0038】
図3は、一実施形態のエア処理デバイスのエアセンサを較正する方法のフローチャートを示す。
【0039】
最初に、ステップ301において、空気は、エア処理デバイスを用いて浄化される。
【0040】
そして、ステップ302において、第1の空気量はエアセンサを較正するように第1の値を得るためにエアセンサを使用して測定される。第1の空気量は浄化された空気を有する。
【0041】
オプションとして、ステップ302の後、前記方法は、エアセンサを較正するように第1の値及び基準値に基づく補償値を生成するステップを更に備えてもよい。基準値はゼロ空気でのエアセンサの標準出力である。
【0042】
オプションとして、前記方法は、ステップ301及び302のうちの任意の1つを開始又は停止させるためにユーザインタフェースを介して指示を受信するステップを更に備えてもよい。
【0043】
一実施形態において、第1の空気量は浄化された空気であり、ステップ302の後続の測定ステップは、エアセンサに向かって浄化された空気を指向するステップと、第1の値を得るためにエアセンサを用いて浄化された空気を測定するステップとを更に備えてもよい。
【0044】
他の実施形態では、第1の空気量は周囲空気及び浄化された空気の混合であり、エア処理デバイスは気密空間内に配置され、ステップ302の後続の測定ステップは、気密空間における第1の空気量の質が予め規定された基準を満たすかどうかを決定するステップと、第1の空気量の質が予め規定された基準を満たす場合に、第1の値を得るためにエアセンサを用いて第1の空気量を測定するステップとを更に有し得る。
【0045】
オプションとして、決定ステップは、エアセンサの複数の測定出力を収集するステップと、複数の測定出力の標準偏差が閾値より小さいかどうかを決定するステップとを更に有し得る。
【0046】
本発明の他の実施形態によれば、実行可能な指示が図3のステップ301及び302を実行するように構成されたコンピュータのセットが提供される。
【0047】
前述の実施形態は、本発明を制限するよりはむしろ例示であり、当業者は、特許請求の範囲から逸脱することなく代替実施形態を設計することが可能であることに留意すべきである。請求項において、括弧間に配置された任意の参照符号は、請求項を限定するものとして考慮されるべきではない。"有する"という用語は、請求項中又は説明中に記載されていない要素又はステップの存在を除外するものではない。要素の単数表記は、複数の斯様な要素の存在を除外するものではない。幾つかのユニットを列挙する装置に係る請求項において、これらのユニットの幾つかは、ハードウェア又はソフトウェアの全く同一のアイテムにより具現化され得る。第1、第2及び第3等の用語の使用は、任意の順序を示すものではない。これらの用語は名前と解釈されるべきである。
図1
図2
図3