(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242215
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】リニアモーションステージの制御装置
(51)【国際特許分類】
G05D 3/12 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
G05D3/12 305V
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-5567(P2014-5567)
(22)【出願日】2014年1月16日
(65)【公開番号】特開2014-174982(P2014-174982A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2017年1月11日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0024619
(32)【優先日】2013年3月7日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508250936
【氏名又は名称】スンハン・エンジニアリング・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】コ・ビョングォン
【審査官】
藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−108162(JP,A)
【文献】
特開2010−004689(JP,A)
【文献】
特開2006−079535(JP,A)
【文献】
特開2012−028281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 1/00− 7/04
11/00−13/04
17/00−17/02
21/00−21/02
G05D 3/00− 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアモーションステージ(10)の制御装置において、
当該制御装置は、
前記リニアモーションステージ(10)のリニアエンコーダ(12)から受信された信号の周波数をフィルタリングするための第1フィルタ(34)と、
命令位置を示す入力信号と、前記第1フィルタ(34)の出力信号の符号を反転された当該出力信号の負の数値とを加算するための加算器(31)と、
前記加算器(31)の出力信号に基づいて前記リニアモーションステージ(10)を制御するための制御信号を生成するための制御部と、
前記制御信号の周波数をフィルタリングするための第2フィルタ(33)とから構成され、
前記第1フィルタ(34)と前記第2フィルタ(33)とがそれぞれ、前記リニアモーションステージ(10)の移動される位置に応じて最初に検出され決定された遮断周波数と減衰率とを記憶するための校正テーブルを有する入力端末装置を備える結果、前記第1フィルタ(34)と前記第2フィルタ(33)との前記校正テーブルは、前記リニアモーションステージ(10)の移動される位置に応じて、前記第1フィルタ(34)の遮断周波数及び前記第2フィルタ(33)の遮断周波数並びにその減衰率を変更するために利用される当該リニアモーションステージ(10)の制御装置。
【請求項2】
前記リニアモーションステージ(10)が、複数の移動位置のうちの隣接した2つの位置間に位置されるならば、前記第1フィルタ(34)及び前記第2フィルタ(33)のそれぞれの遮断周波数並びにその減衰率が、当該隣接した複数の位置のうちの一方の位置に対する遮断周波数及び減衰率と当該隣接した複数の位置のうちの他方の位置に対する遮断周波数及び減衰率との間を補間することによって取得され、当該補間法は、線形補間法、ラグランジェ補間法、ネヴィルの帰納法、ニュートン補間法、スプライン補間法のうちの1つの補間法である請求項1に記載のリニアモーションステージ(10)の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアモーションステージの制御装置に関し、より具体的には、リニアモーションステージの移動される位置に対してフィルタの遮断周波数とその減衰率とをマッピングすることによって、当該リニアモーションステージの移動される位置と共に変化するこのリニアモーションステージの固有振動数を除去するための制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リニアモーションステージを制御するときに、このリニアモーションステージは、本質的に振動運動を引き起こし、不安定な動作及び望まない振動応答が発生する。
【0003】
したがって、この場合には、一般に、振動の種類、周波数及び振幅を特定するため、当該周波数応答が分析される。リニアモーションステージの固有振動運動を除去するため、すなわちリニアモーションステージを安定させ、制御応答の性能を向上させるため、適切なフィルタが、当該分析に応じて設計される。一般に、フィルタは、リニアモーションステージの位置にかかわらず、ただ1つの遮断周波数を有するように設計されている。
【0004】
しかしながら、リニアモーションステージの固有振動は、当該リニアモーションステージの種類及び構造に応じて、当該リニアモーションステージの移動される位置と共に変化する。特に、当該リニアモーションステージの固有振動数は、1軸ステージ用の動作特性/構造特性/摩擦特性に応じて、スライドの位置と共に変化し、さらにXYステージ用の両軸に沿ったスライドの位置と共に変化する。
【0005】
図1は、リニアモーションステージの位置と共に変化する共振周波数の例を示す。この場合、「(a)」は、スタック型XYステージにおけるX座標及びY座標(0mm、0mm)に対するY軸の周波数応答を示し、「(b)」は、スタック型ステージにおけるX座標及びY座標(225mm、300mm)に対するY座標の周波数応答を示す。
【0006】
リニアモーションステージの構造又は動作の程度が、その移動される位置に応じて大きく外れる場合には、又は、互いに関連する2つ以上の軸を有するリニアモーションステージの場合には、固有振動数及び振幅が、
図1に示されたように、当該リニアモーションステージの移動される位置と共に変化する。
【0007】
したがって、1つのフィルタを代表するただ1つの遮断周波数を利用する従来のシステムでは、このフィルタは、リニアモーションステージの全ての動作範囲にわたってその機能を適切に実施できない。したがって、場合によっては、不安定な周波数が増幅され、当該リニアモーションシステムを不安定にする。このフィルタは、当該周波数に対しては適用され得ない。
【0008】
図2は、リニアモーションステージの位置と共に変化する共振周波数によって応答を制御する例を示す。この場合、「(a)」は、スタック型XYステージにおけるX座標及びY座標(0mm、0mm)に対するY軸の周波数応答を示し、「(b)」は、スタック型ステージにおけるX座標及びY座標(225mm、300mm)に対するY座標の周波数応答を示す。
【0009】
固有振動数及び振幅が、
図1に示されたように、リニアモーションステージの移動される位置と共に変化する場合には、一定の1つの遮断周波数と一定の振幅とを有する1つのフィルタは、当該リニアモーションステージの全ての動作範囲にわたってそのフィルタリング機能を適正に実施できず、
図2に示されたように、振動成分が、制御応答に入り混じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、リニアモーションステージの移動される位置と共に変化する固有振動数を減衰させるために、遮断周波数及び減衰率を変更するための手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施の形態によれば、リニアモーションステージの制御装置が設けられている。
当該制御装置は、
前記リニアモーションステージのリニアエンコーダから受信された信号の周波数をフィルタリングするための第1フィルタと、
命令位置を示す入力信号と
、前記第1フィルタの出力信号
の符号を反転された当該出力信号の負
の数値とを加算するための加算器と、
前記加算器の出力信号に基づいて前記リニアモーションステージを制御するための制御信号を生成するための制御部と、
前記制御信号の周波数をフィルタリングするための第2フィルタとから構成され、
前記第1フィルタと前記第2フィルタとがそれぞれ、前記リニアモーションステージの移動される位置に応じて最初に
検出され決定された遮断周波数と減衰率とを記憶するための校正テーブルを有する入力端末装置を備える結果、前記第1フィルタと前記第2フィルタとの前記校正テーブルは、前記リニアモーションステージの移動される位置に応じて、前記第1フィルタの遮断周波数及び前記第2フィルタの遮断周波数並びにその減衰率を変更するために利用される。
【0012】
前記リニアモーションステージが、複数の移動位置のうちの隣接した2つの位置間に設置されるならば、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタのそれぞれの遮断周波数並びにその減衰率が、当該隣接した複数の位置のうちの一方の位置に対する遮断周波数及び減衰率と当該隣接した複数の位置のうちの他方の位置に対する遮断周波数及び減衰率との間を補間することによって取得される。当該補間法は、線形補間法、ラグランジェ補間法、ネヴィルの帰納法、ニュートン補間法、スプライン補間法等のうちの1つの補間法である。
【0013】
本発明のさらなる観点及び特徴並びにその利点が、以下の記述において、添付図面を参照しつつ、より詳しく説明されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、リニアモーションステージの移動される位置と共に変化するこのリニアモーションステージの固有振動数が、このリニアモーションステージの移動される位置に対してフィルタの遮断周波数と減衰率とをマッピングすることによって排除される結果、以下の利点が奏される:
【0015】
第1に、均一に安定な周波数応答特性が、リニアモーションステージの移動される位置にかかわらず保証される。
【0016】
第2に、均一な制御応答が、リニアモーションステージの移動される位置にかかわらず保証される。
【0017】
第3に、改善された制御応答が、リニアモーションステージの不安定な周波数成分を除去することによって保証される。
【0018】
第4に、リニアモーションステージの構造設計が、より簡略化され、且つより使いやすい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】リニアモーションステージの位置と共に変化する共振周波数の例を示す。
【
図2】リニアモーションステージの位置と共に変化する共振周波数によって応答を制御する例を示す。
【
図3】従来のリニアモーションシステムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態による、リニアモーションステージの制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態による、リニアモーションステージの異なる位置に対するフィルタの遮断周波数をマッピングする概念を示すテーブルである。
【
図6】本発明の実施の形態による、測定された位置に対する一間隔ごとのフィルタの遮断周波数の定量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、この技術の分野における通常の知識を有する者が、本発明を容易に実施できる程度に、当該本発明の好適な実施の形態を、添付図面を参照して詳しく説明する。しかしながら、本発明の実施の形態で説明される従来の要素及び機能の説明が、本発明の要旨を分かりにくくするおそれがある場合は、そのような説明は省略する。さらに、同様な機能を有する部分は、添付図面にわたって同じ参照番号によって示されている。
【0021】
さらに、1つの要素が、別の手段に接続されていることは、両者が互いに「直接に接続されている」だけを意味するのではなくて、両者が当該両者間の別の中間要素を介して互いに「間接に接続されている」ことも意味する。また、或る要素を「含んでいる」部分という表現が、その他の要素の排除を明記していない限り、当該表現は、当該部分がその他の要素を含み得ることを意味する。
【0022】
本発明によるリニアモーションステージの制御装置を説明する前に、従来のリニアモーションステージを再検討することが、当該本発明を理解するための助けになる。
【0023】
一般に、リニアモーションステージは、半導体(ウェハ)、フラットディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード等)及び工作機械のような様々な産業において物品を直線に沿って搬送するために使用される。
【0024】
1軸ステージ、スタック型XYステージのようなXYステージ、スプリット型XYステージ及びガントリ型ステージ並びに回転運動又は垂直運動(Z)用の追加のステージを伴った1軸ステージ又はXYステージの種類が、当該リニアモーションステージの種類に含まれる。
【0025】
図3は、従来のリニアモーションシステムの構成を示すブロック図である。
【0026】
図3によれば、一般に、当該リニアモーションステージは、リニアモーションステージ10、増幅器20及び運動制御装置30から構成される。
【0027】
さらに、当該リニアモーションステージ10は、リニアモータ11、リニアエンコーダ12、リニアモーションガイド13、スライド14及びベース15から構成される。
【0028】
リニアモータつまりアクチュエータ11が、物品を直線に沿って搬送するための直線方向の推進力を生成するために利用される。
【0029】
リニアモータ11の片側に設けられたリニアエンコーダ12は、このリニアモータ11によって移動されるスライド14の位置、つまり当該スライドの直線的に移動する距離を検出するためのセンサである。
【0030】
リニアモータ11の両側に設けられたリニアモーションガイド13が、このリニアモータ11によって移動されるスライド14を直線に沿って誘導する。
【0031】
リニアモータ11の上部上に搭載されたスライド14が、このリニアモータ11から生成された推進力によって移動される結果、リニアモーションガイド13のガイド面に沿って移動する。
【0032】
ベース15が、リニアモーションステージ10の構造体を支持する、すなわちリニアモータ11、リニアエンコーダ12、リニアモータガイド13及びスライド14の下で当該構造体を支持する。
【0033】
増幅器20が、運動制御装置30の出力信号、すなわちリニアモーションステージ10のリニアモータ11を稼働させるためのドライブ信号を増幅する。当該ドライブ信号は、リニアモータ11に入力される。
【0034】
運動制御装置30が、スライド14の位置を示すフィードバック信号をリニアモーションステージ10のリニアエンコーダ12から受信し、スライド14を希望した位置に移動させるようにリニアモータ11を稼働させるための制御信号を生成する。
【0035】
上記のように構成されたリニアモーションシステムでは、リニアモーションステージ10を制御するため、運動制御装置30が、マッピングの概念を利用し得る。
【0036】
ここでは、マッピングの工程は、リニアモーションステージの移動された位置に関する位置決め精度誤差を検出するステップと、当該誤差のデータを校正テーブルとして記憶するステップと、リニアモーションステージを実際に稼働させるときに、当該校正テーブルを使用することによってこのリニアモーションステージを正確な位置に移動させるステップとから成る。当該工程は、繰り返し位置決め精度校正と呼ばれる。
【0037】
より具体的には、繰り返し位置決め精度誤差が、誤差テーブルとして作成された所定の一間隔に基づいて検出される。当該誤差テーブルは、対応する誤差値をリニアモーションステージの最初に検出された位置に加算することによって又は当該位置から減算することによって、このリニアモーションステージが正確な位置に移動されるように制御するための基準として利用される。当該リニアモーションステージが、隣接した2つの位置間の間隔内に設置され、繰り返し位置決め精度誤差が、当該間隔内で検出されるならば、2つの隣接誤差値が、このリニアモーションステージの位置を見つけ出すために線形補間される。その結果、このリニアモーションステージのドライブ命令が、当該誤差によって調整される。
【0038】
本発明は、フィルタを設計するときに、リニアモーションステージの移動される位置に応じたフィルタの遮断周波数及び減衰率を最初に検出するために繰り返し位置決め精度校正の概念を利用する。当該遮断周波数及び減衰率は、校正テーブルとして記憶される。したがって、リニアモーションステージを実際に稼働させるときに、このリニアモーションステージの位置に応じてフィルタの遮断周波数及びその減衰率を変更するため、当該校正テーブルが使用される。換言すれば、リニアモーションステージの位置が、その制御安定性及び制御応答性能に応じて校正される。
図4は、本発明の実施の形態によるリニアモーションステージの制御装置の構成を示すブロック図である。
【0039】
図4によれば、本発明の実施の形態によるリニアモーションステージの制御装置30が、加算器31、PID(比例積分偏差)回路32、第1フィルタ34及び第2フィルタ33から構成される。
【0040】
最初に、第1フィルタ34及び第2フィルタ33がそれぞれ、リニアモーションステージ10のリニアエンコーダ12とPID回路32の出力信号とから受信された信号から不要な周波数をフィルタリングする。このPID回路32は、ソフトウェアによって具現されてもよい。
【0041】
さらに、上述されたように、第1フィルタ34及び第2フィルタ33がそれぞれ、リニアモーションステージの移動される位置に応じて最初に検出された遮断周波数と減衰率とを記憶する校正テーブルを有する入力端末装置を備える。したがって、これらのフィルタの遮断周波数とその減衰率とが、リニアモーションステージの移動される位置に応じてこれらの校正テーブルを使用することによって変更され得る。
【0042】
加算器31が、入力命令位置と第1フィルタ34の出力信号の負数とを加算し、その出力信号をPID回路32に対して入力する。
【0043】
当該PID回路32は、制御信号を生成するために加算器31から受信される信号、すなわち入力命令位置とリニアモーションステージの位置との差を比例させ、積分し、微分する。このことは、従来の技術で使用される周知の技術である。当該技術の詳細な説明は省略する。また、当該PID回路32は、当業者に周知のような、PIV制御、フィードフォワード制御等のような別の制御回路によって置き換えられてもよい。
【0044】
図5は、本発明の実施の形態による、リニアモーションステージの異なる位置に対するフィルタの遮断周波数をマッピングする概念を示すテーブルである。
【0045】
一般に、リニアモーションステージの制御装置内に設けられた第1フィルタ及び第2フィルタは、遮断周波数と減衰率とから成る。例えば、X−Y軸から成るリニアモーションステージでは、フィルタの遮断周波数及びその減衰率が、方程式1によって示されるように、リニアモーションステージの各々の軸の位置に依存する関数として規定され得る。
[方程式]
F_周波数(X)=f(位置_x,位置_y)
F_減衰(X)=f(位置_x,位置_y)
F_周波数(Y)=f(位置_x,位置_y)
F_減衰(Y)=f(位置_x,位置_y)
【0046】
ここで、F_周波数は、フィルタの遮断周波数を示し、F_減衰は、減衰率を示す。また、位置_x及び位置_yはそれぞれ、リニアモーションステージのXY軸の移動される位置を示す。
【0047】
上記の方程式に基づいて、フィルタの遮断周波数及びその振幅が、リニアモーションステージの移動される位置に応じて検出される。当該検出されたデータが、
図5に示されたように、当該リニアモーションステージの移動される位置に応じた遮断周波数とその減衰率とから成る校正テーブルを作成するために使用される。
【0048】
図5に示された校正テーブルは、本発明のリニアモーションステージの制御装置内に設けられた、第1フィルタと第2フィルタとの入力端末装置を意味するメモリ内に記憶される。
【0049】
したがって、当該第1フィルタ及び第2フィルタは、リニアモーションステージのX座標とY座標とに応じて決定された遮断周波数及びその減衰率を有し得る。
【0050】
図6は、本発明の実施の形態による、測定された位置に対する一間隔ごとのフィルタの遮断周波数の定量を示すグラフである。
【0051】
図6に示されたように、フィルタの遮断周波数が、100mmの間隔ごとに規定される場合には、隣接した2つの所定の位置間に設置されたリニアモーションステージの位置が、当該隣接した2つの遮断周波数を線形補間することによって得られたフィルタの遮断周波数を有し得る。
【0052】
例えば、リニアモーションステージが、50mmの位置に設置されるならば、フィルタの遮断周波数は、160Hzとして規定され得る。
【0053】
その位置に対するフィルタの遮断周波数及びその減衰率を取得するための補間法が、線形補間法、ラグランジェ補間法、ネヴィルの帰納法、ニュートン補間法、スプライン補間法等のうちから選択され得る。これらの方法は、従来の技術において周知であるので、これらの方法の詳しい説明は省略する。
【0054】
本発明は、添付図面を参照する上記の実施の形態に限定されてはならず、当該技術分野における通常の知識を有する者が、本発明の要旨から離れることなしに、当該実施の形態に対する置換、変更及び改造を実施してもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 リニアモーションステージ
11 リニアモータ
12 リニアエンコーダ
13 リニアモーションガイド
14 スライド
15 ベース
20 増幅器
30 運動制御装置
31 加算器
32 PID回路
33 第2フィルタ
34 第1フィルタ