(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記配列の第1の列に係る前記第1の信号が出力されるのと同時に、前記第1の列に隣接する第2の列に係る前記信号電荷がリセットされ、続いて、前記第1の列に係る前記第2の信号が出力された後、前記第2の列に係る前記第1の信号と前記第2の信号とが出力される、
請求項2、請求項5、請求項6のいずれか一項に係る固体撮像装置。
前記配列の偶数列および奇数列の一方である第1の列に係る前記信号電荷と、偶数列および奇数列の他方である第2の列に係る前記信号電荷とが同時にリセットされた後、前記第1の列に係る前記第1の信号と前記第2の信号とが出力され、続いて、前記第2の列に係る前記第1の信号と前記第2の信号とが出力される、
請求項3または請求項8に係る固体撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態による固体撮像装置100Aの構成例を示している。
図1に示すように、固体撮像装置100Aは、光電変換部101と、第1の転送部102と、第1の蓄積部103と、第2の転送部104と、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108と、出力スイッチ110と、I-V変換部111と、水平選択部112と、垂直選択部113とを有する。
【0035】
固体撮像装置100Aでは、複数の光電変換部101が行列状に配置されている。
図1では代表として2つの光電変換部101が示されている。第1の転送部102と、第1の蓄積部103と、第2の転送部104と、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108とは、複数の光電変換部101の配列の行ごとかつ列ごとに配置されている。
【0036】
光電変換部101と、第1の転送部102と、第1の蓄積部103と、第2の転送部104と、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108とは1つの画素を構成する。固体撮像装置100Aでは、複数の画素が行列状に配置されている。
図1では代表として1行m列目の画素と1行m+1列目の画素とが示されている。mは1以上の自然数である。
【0037】
光電変換部101は、入射した光の大きさに応じた信号電荷を生成する。光電変換部101は、フォトダイオードとして構成されている。光電変換部101の第1端はグランドに接続されている。
【0038】
第1の転送部102は、光電変換部101で生成された信号電荷を光電変換部101から第1の蓄積部103に転送する。第1の転送部102は、複数の光電変換部101の各々に対応して配置されたトランジスタ(第1のトランジスタ)として構成されている。第1の転送部102のドレインは光電変換部101の第2端に接続されている。第1の転送部102の動作は、垂直選択部113から第1の転送部102のゲートに供給される制御信号である第1の転送パルスΦTXVによって制御される。
図1では、代表として、1行目の第1の転送部102に供給される第1の転送パルスΦTXV1が示されている。
【0039】
第1の蓄積部103は、第1の転送部102によって転送された信号電荷を蓄積する。第1の蓄積部103は、複数の光電変換部101の各々に対応して配置された容量(第1の容量)として構成されている。第1の蓄積部103の第1端は第1の転送部102のソースに接続されている。第1の蓄積部103の第2端はグランドに接続されている。
【0040】
第2の転送部104は、第1の蓄積部103に蓄積された信号電荷を第2の蓄積部105に転送する。第2の転送部104は、複数の光電変換部101の各々に対応して配置されたトランジスタ(第2のトランジスタ)として構成されている。第2の転送部104のドレインは第1の蓄積部103の第1端に接続されている。第2の転送部104の動作は、水平選択部112から第2の転送部104のゲートに供給される制御信号である第2の転送パルスΦTXHによって制御される。
図1では、代表として、m列目の第2の転送部104に供給される第2の転送パルスΦTXHmと、m+1列目の第2の転送部104に供給される第2の転送パルスΦTXHm+1とが示されている。
【0041】
第2の蓄積部105は、第1の蓄積部103に蓄積され、第2の転送部104によって転送された信号電荷を蓄積する。第2の蓄積部105は、複数の光電変換部101の各々に対応して配置された容量(第2の容量)として構成されている。第2の蓄積部105の第1端は第2の転送部104のソースに接続されている。第2の蓄積部105の第2端はグランドに接続されている。
【0042】
リセット部106は、第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷をリセットする。リセット部106は、複数の光電変換部101の各々に対応して配置されたトランジスタ(第3のトランジスタ)として構成されている。リセット部106のドレインは電源電圧VDDに接続されている。リセット部106のソースは第2の蓄積部105の第1端に接続されている。リセット部106の動作は、水平選択部112からリセット部106のゲートに供給される制御信号である選択パルスΦHSELによって制御される。
図1では、代表として、m列目のリセット部106に供給される選択パルスΦHSELm-1と、m+1列目のリセット部106に供給される選択パルスΦHSELmとが示されている。
【0043】
増幅部107は、第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷に応じた信号を増幅し、増幅された信号を出力する。増幅部107は、複数の光電変換部101の各々に対応して配置されたトランジスタとして構成されている。増幅部107のドレインは電源電圧VDDに接続されている。増幅部107のゲートは第2の蓄積部105の第1端に接続されている。
【0044】
選択部108は、増幅部107から出力される信号を選択し、選択された信号を出力信号線109に出力する。増幅部107と選択部108とは、第2の蓄積部105に蓄積された信号電荷に応じた信号を出力信号線109に出力する出力部である。増幅部107と選択部108とは、複数の光電変換部101の各々に対応して配置されたトランジスタ(第4のトランジスタ)として構成されている。選択部108のドレインは増幅部107のソースに接続されている。選択部108のソースは、行ごとに配置された出力信号線109に接続されている。選択部108の動作は、水平選択部112から選択部108のゲートに供給される制御信号である選択パルスΦHSELによって制御される。
図1では、代表として、m列目の選択部108に供給される選択パルスΦHSELmと、m+1列目の選択部108に供給される選択パルスΦHSELm+1とが示されている。選択パルスΦHSELは、リセット部106と選択部108とで共通の制御信号である。
【0045】
出力スイッチ110は、出力信号線109に出力された信号をI-V変換部111に出力する。出力スイッチ110は、複数の光電変換部101の配列の行ごとに配置された複数のトランジスタを有する。出力スイッチ110の動作は、垂直選択部113から、出力スイッチ110を構成するトランジスタのゲートに供給される制御信号である出力パルスΦVによって制御される。
図1では、代表として、1行目の出力パルスΦV1と、2行目の出力パルスΦV2と、3行目の出力パルスΦV3とが示されている。
【0046】
I-V変換部111は、出力スイッチ110から出力された信号の電流を電圧に変換し、信号Vsigを出力する。
【0047】
水平選択部112は、第2の転送部104と、リセット部106と、選択部108とを制御する制御信号を出力する。水平選択部112は、複数の光電変換部101の配列の列ごとに第2の転送部104と、リセット部106と、選択部108とを制御する第1の制御部である。
【0048】
垂直選択部113は、第1の転送部102と出力スイッチ110とを制御する制御信号を出力する。垂直選択部113は、複数の光電変換部101の配列の行ごとに第1の転送部102を制御する第2の制御部である。
【0049】
本実施形態では、第1の転送部102が垂直選択部113によって駆動され、第2の転送部104が水平選択部112によって駆動される。これによって、リセットレベルの信号と信号レベルの信号とを光電変換部101ごと(画素ごと)に異なるタイミングで読み出すことが可能となる。
【0050】
次に、固体撮像装置100Aの動作を説明する。
図2と
図3とは、固体撮像装置100Aの動作例を示している。
図2と
図3とでは、電源電圧VDDと、出力パルスΦV1と、第1の転送パルスΦTXV1と、選択パルスΦHSELm-1と、選択パルスΦHSELmと、選択パルスΦHSELm+1と、第2の転送パルスΦTXHmと、第2の転送パルスΦTXHm+1と、I-V変換部111から出力される信号Vsigとの波形が示されている。
図2と
図3との横方向が時間を示し、
図2と
図3との縦方向が電圧を示している。
【0051】
図2の時間方向のスケールは、
図17の時間方向のスケールと同一である。
図3は、
図2の破線DTの部分を拡大した図である。以下では、
図3を参照して固体撮像装置100Aの動作を説明する。
【0052】
(タイミングt1)
出力パルスΦV1がLowからHighに変化することによって、出力スイッチ110を構成する複数のトランジスタのうち1行目のトランジスタがON状態となる。同時に、第1の転送パルスΦTXV1がLowからHighに変化することによって、1行目の全ての第1の転送部102がON状態となる。これによって、1行目の全ての光電変換部101から第1の蓄積部103に信号電荷が転送される。
【0053】
上記のように、タイミングt1からタイミングt2までの第1の期間において、第1の転送部102は信号電荷を光電変換部101から第1の蓄積部103に転送する。
【0054】
(タイミングt2)
第1の転送パルスΦTXV1がHighからLowに変化することによって、1行目の全ての第1の転送部102がOFF状態となる。同時に、選択パルスΦHSELm-1がLowからHighに変化することによって、m列目のリセット部106がON状態となる。これによって、m列目の第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。
【0055】
上記のように、タイミングt2からタイミングt3までの第2の期間において、リセット部106は、第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷をリセットする。リセット部106によるリセットが行われた後に第1の転送部102が信号電荷を転送してもよい。
【0056】
(タイミングt3)
選択パルスΦHSELm-1がHighからLowに変化することによって、m列目のリセット部106がOFF状態となる。同時に、選択パルスΦHSELmがLowからHighに変化することによって、m列目の選択部108がON状態となる。これによって、リセットレベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。また、m+1列目のリセット部106がON状態となることによって、m+1列目の第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。
【0057】
上記のように、タイミングt3からタイミングt4までの第3の期間において、選択部108は、リセットされた信号電荷に応じた第1の信号、すなわちリセットレベルの信号を出力する。
【0058】
(タイミングt4)
第2の転送パルスΦTXHmがLowからHighに変化することによって、m列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、m列目の第1の蓄積部103の電位とm列目の第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0059】
上記のように、タイミングt4からタイミングt5までの第4の期間において、第2の転送部104は信号電荷を第1の蓄積部103から第2の蓄積部105に転送する。
【0060】
(タイミングt5)
第2の転送パルスΦTXHmがHighからLowに変化することによって、m列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0061】
上記のように、タイミングt5からタイミングt6までの第5の期間において、選択部108は、第2の蓄積部105に転送された信号電荷に応じた第2の信号、すなわち信号レベルの信号を出力する。
【0062】
(タイミングt6)
選択パルスΦHSELmがHighからLowに変化することによって、m列目の選択部108がOFF状態となると共に、m+1列目のリセット部106がOFF状態となる。同時に、選択パルスΦHSELm+1がLowからHighに変化することによって、m+1列目の選択部108がON状態となる。これによって、m列目の信号の読み出しが終了し、m+1列目の信号の読み出しが開始される。
【0063】
m+1列目の信号の読み出しはm列目の信号の読み出しと同様である。つまり、m+1列目について、タイミングt3からタイミングt6までの動作と同様の動作が行われる。同様に、1列ずつ信号の読み出しが行われる。
図3に示す動作では、複数の光電変換部101の配列の第1の列に係るリセットレベルの第1の信号がタイミングt3で出力されるのと同時に、第1の列に隣接する第2の列に係る信号電荷がタイミングt3でリセットされ、続いて、第1の列に係る信号レベルの第2の信号がタイミングt5で出力された後、第2の列に係る第1の信号と第2の信号とが出力される。
【0064】
1行目の全ての列に対して信号の読み出しが行われた後、2行目の各列に対して信号の読み出しが行われる。以降は、複数の光電変換部101の配列の行ごとに上記と同様の動作が行われる。
【0065】
固体撮像装置100Aにおける構成のうち、出力スイッチ110とI-V変換部111とは、固体撮像装置100Aの特徴的な効果を得るために必須の構成ではない。
【0066】
本実施形態によれば、入射した光の大きさに応じた信号電荷を生成する、行列状に配置された複数の光電変換部101と、信号電荷を蓄積する第1の蓄積部103と、信号電荷を光電変換部101から第1の蓄積部103に転送する第1の転送部102と、第1の蓄積部103に蓄積された信号電荷を蓄積する第2の蓄積部105と、第1の蓄積部103に蓄積された信号電荷を第2の蓄積部105に転送する第2の転送部104と、第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷をリセットするリセット部106と、第2の蓄積部105に蓄積された信号電荷に応じた信号を出力信号線109に出力する出力部(増幅部107、選択部108)と、複数の光電変換部101の配列の列ごとに第2の転送部104と、リセット部106と、出力部とを制御する第1の制御部(水平選択部112)と、行ごとに第1の転送部102を制御する第2の制御部(垂直選択部113)と、を有し、第1の期間において、第1の転送部102は信号電荷を転送し、第1の期間と異なる第2の期間において、リセット部106は信号電荷をリセットし、第2の期間よりも後の第3の期間において、出力部は、リセットされた信号電荷に応じた第1の信号を出力し、第1の期間および第3の期間よりも後の第4の期間において、第2の転送部104は信号電荷を転送し、第4の期間よりも後の第5の期間において、出力部は、転送された信号電荷に応じた第2の信号を出力し、第1の列に係る第1の信号と第2の信号とが出力された後、第1の列と異なる第2の列に係る第1の信号と第2の信号とが出力される固体撮像装置100Aが構成される。
【0067】
本実施形態では、複数の光電変換部101の配列の同一の列について、リセットレベルの第1の信号を読み出した直後に、信号レベルの第2の信号を読み出すことが可能である。このため、第1の信号の読み出しタイミングと、第2の信号の読み出しタイミングとの差を小さくすることが可能となる。例えば、動作周波数が27MHz(1CLK=37ns)である場合、第1の信号の読み出しタイミングと第2の信号の読み出しタイミングとの差を1CLK(37ns)以下にすることができる。この差は、従来の固体撮像装置における2種類の信号の読み出しタイミングの差(数μs)に比べて十分に短い。したがって、電源電圧VDDの低周波での変動によるノイズを低減することができる。
【0068】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例を説明する。
図4は、本変形例による固体撮像装置100Bの構成例を示している。
図4に示すように、固体撮像装置100Bは、光電変換部101と、第1の蓄積部103と、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108と、出力スイッチ110と、I-V変換部111と、水平選択部112と、垂直選択部113と、転送部114とを有する。
【0069】
以下では、
図1に示す固体撮像装置100Aと
図4に示す固体撮像装置100Bとの相違点を説明する。固体撮像装置100Bでは、第1の転送部102と第2の転送部104とが転送部114に置き換わる。転送部114は、第1の転送部102と第2の転送部104との両方の機能を有する。転送部114は、ダブル(マルチ)ゲート構造のトランジスタ(例えば、特開2011-40926号公報参照)として構成されている。
【0070】
転送部114は光電変換部101と第2の蓄積部105との間に配置されている。転送部114は2つのゲートを有する。垂直選択部113から供給される第1の転送パルスΦTXV1が転送部114の第1のゲートに入力される。また、水平選択部112から供給される第2の転送パルスΦTXHmが転送部114の第2のゲートに入力される。第1の蓄積部103は、転送部114において、第1のゲートに対応する領域と第2のゲートに対応する領域との間に接続されている。
【0071】
上記以外の構成については、固体撮像装置100Aと同様である。固体撮像装置100Bの動作は固体撮像装置100Aの動作と同様である。
【0072】
本変形例においても、複数の光電変換部101の配列の同一の列について、リセットレベルの第1の信号を読み出した直後に、信号レベルの第2の信号を読み出すことが可能である。このため、電源電圧VDDの低周波での変動によるノイズを低減することができる。
【0073】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
図5は、本実施形態による固体撮像装置100Cの構成例を示している。
図5に示すように、固体撮像装置100Cは、光電変換部101と、第1の転送部102と、第1の蓄積部103と、第2の転送部104と、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108と、出力スイッチ110と、I-V変換部111と、水平選択部112と、垂直選択部113とを有する。
【0074】
以下では、
図1に示す固体撮像装置100Aと
図5に示す固体撮像装置100Cとの相違点を説明する。固体撮像装置100Cでは、第2の蓄積部105は、複数の光電変換部101のうち行方向(水平方向)に隣接する2つの光電変換部101に共通に対応して配置された容量として構成されている。また、リセット部106と、増幅部107と、選択部108とは、複数の光電変換部101のうち行方向に隣接する2つの光電変換部101に共通に対応して配置されたトランジスタとして構成されている。つまり、固体撮像装置100Cでは、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108とが、m列目の画素と、その画素に対して行方向に隣接するm+1列目の画素とで共有されている。
【0075】
リセット部106の動作は、垂直選択部113からリセット部106のゲートに供給される制御信号であるリセットパルスΦRSTVによって制御される。
図5では、代表として、1行目のリセット部106に供給されるリセットパルスΦRSTV1が示されている。上記以外の構成については、固体撮像装置100Aと同様である。
【0076】
次に、固体撮像装置100Cの動作を説明する。
図6は、固体撮像装置100Cの第1の動作例を示している。
図6では、電源電圧VDDと、出力パルスΦV1と、第1の転送パルスΦTXV1と、リセットパルスΦRSTV1と、選択パルスΦHSELmと、第2の転送パルスΦTXHmと、第2の転送パルスΦTXHm+1と、I-V変換部111から出力される信号Vsigとの波形が示されている。
図6の横方向が時間を示し、
図6の縦方向が電圧を示している。
【0077】
(タイミングt1)
出力パルスΦV1がLowからHighに変化することによって、出力スイッチ110を構成する複数のトランジスタのうち1行目のトランジスタがON状態となる。同時に、第1の転送パルスΦTXV1がLowからHighに変化することによって、1行目の全ての第1の転送部102がON状態となる。これによって、1行目の全ての光電変換部101から第1の蓄積部103に信号電荷が転送される。
【0078】
その後、タイミングt1とタイミングt2との間のタイミングで、第1の転送パルスΦTXV1がHighからLowに変化することによって、1行目の全ての第1の転送部102がOFF状態となる。
【0079】
上記のように、タイミングt1からタイミングt2までの第1の期間において、第1の転送部102は信号電荷を光電変換部101から第1の蓄積部103に転送する。
【0080】
(タイミングt2)
リセットパルスΦRSTV1がLowからHighに変化することによって、1行目の全てのリセット部106がON状態となる。これによって、1行目の全ての第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。同時に、選択パルスΦHSELmがLowからHighに変化することによって、m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態となる。
【0081】
上記のように、タイミングt2からタイミングt3までの第2の期間において、リセット部106は、第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷をリセットする。リセット部106によるリセットが行われた後に第1の転送部102が信号電荷を転送してもよい。
【0082】
(タイミングt3)
リセットパルスΦRSTV1がHighからLowに変化することによって、1行目の全てのリセット部106がOFF状態となる。m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態であるため、リセットレベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0083】
上記のように、タイミングt3からタイミングt4までの第3の期間において、選択部108は、リセットされた信号電荷に応じた第1の信号、すなわちリセットレベルの信号を出力する。
【0084】
(タイミングt4)
第2の転送パルスΦTXHmがLowからHighに変化することによって、m列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、m列目の第1の蓄積部103の電位と、m列目およびm+1列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0085】
上記のように、タイミングt4からタイミングt5までの第4の期間において、第2の転送部104は信号電荷を第1の蓄積部103から第2の蓄積部105に転送する。
【0086】
(タイミングt5)
第2の転送パルスΦTXHmがHighからLowに変化することによって、m列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0087】
上記のように、タイミングt5からタイミングt6までの第5の期間において、選択部108は、第2の蓄積部105に転送された信号電荷に応じた第2の信号、すなわち信号レベルの信号を出力する。
【0088】
(タイミングt6)
リセットパルスΦRSTV1がLowからHighに変化することによって、1行目の全てのリセット部106がON状態となる。これによって、1行目の全ての第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。この動作は、タイミングt2からタイミングt3までの第2の期間における動作と同様である。
【0089】
(タイミングt7)
リセットパルスΦRSTV1がHighからLowに変化することによって、1行目の全てのリセット部106がOFF状態となる。m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態であるため、リセットレベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+1列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。この動作は、タイミングt3からタイミングt4までの第3の期間における動作と同様である。
【0090】
(タイミングt8)
第2の転送パルスΦTXHm+1がLowからHighに変化することによって、m+1列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、m+1列目の第1の蓄積部103の電位と、m列目およびm+1列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。この動作は、タイミングt4からタイミングt5までの第4の期間における動作と同様である。
【0091】
(タイミングt9)
第2の転送パルスΦTXHm+1がHighからLowに変化することによって、m+1列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+1列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。この動作は、タイミングt5からタイミングt6までの第5の期間における動作と同様である。
【0092】
(タイミングt10)
選択パルスΦHSELmがHighからLowに変化することによって、m列目とm+1列目とに対応する選択部108がOFF状態となる。これによって、m列目とm+1列目との信号の読み出しが終了する。
【0093】
続いて、m+2列目とm+3列目との信号の読み出しが行われる。m+2列目とm+3列目との信号の読み出しはm列目とm+1列目との信号の読み出しと同様である。つまり、m+2列目とm+3列目とについて、タイミングt2からタイミングt10までの動作と同様の動作が行われる。同様に、1列ずつ信号の読み出しが行われる。
図6に示す動作では、複数の光電変換部101の配列の第1の列に係る第1の信号と第2の信号とが出力された後、第1の列に隣接する第2の列に係る第1の信号と第2の信号とが出力される。
【0094】
1行目の全ての列に対して信号の読み出しが行われた後、2行目の各列に対して信号の読み出しが行われる。以降は、複数の光電変換部101の配列の行ごとに上記と同様の動作が行われる。
【0095】
図7は、固体撮像装置100Cの第2の動作例を示している。
図7では、電源電圧VDDと、出力パルスΦV1と、第1の転送パルスΦTXV1と、リセットパルスΦRSTV1と、選択パルスΦHSELmと、選択パルスΦHSELm+2と、第2の転送パルスΦTXHmと、第2の転送パルスΦTXHm+1と、第2の転送パルスΦTXHm+2と、第2の転送パルスΦTXHm+3と、I-V変換部111から出力される信号Vsigとの波形が示されている。
図7の横方向が時間を示し、
図7の縦方向が電圧を示している。
【0096】
以下では、mが奇数であり、m+1が偶数である場合の動作を説明する。タイミングt1からタイミングt5までの動作は、
図6におけるタイミングt1からタイミングt5までの動作と同様である。このため、タイミングt1からタイミングt5までの動作については説明を省略する。タイミングt1からタイミングt5までの期間に、1行m列目のリセットレベルの第1の信号と信号レベルの第2の信号との読み出しが行われる。
【0097】
(タイミングt6)
選択パルスΦHSELm+2がLowからHighに変化することによって、m+2列目とm+3列目とに対応する選択部108がON状態となる。タイミングt1でリセットが行われたため、リセットレベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+2列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0098】
(タイミングt7)
第2の転送パルスΦTXHm+2がLowからHighに変化することによって、m+2列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、m+2列目の第1の蓄積部103の電位と、m+2列目およびm+3列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0099】
(タイミングt8)
第2の転送パルスΦTXHm+2がHighからLowに変化することによって、m+2列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+2列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0100】
(タイミングt9)
選択パルスΦHSELm+2がHighからLowに変化することによって、m+2列目とm+3列目とに対応する選択部108がOFF状態となる。これによって、m+2列目の信号の読み出しが終了する。
【0101】
上記のように、タイミングt6からタイミングt9までの期間に、1行m+2列目のリセットレベルの第1の信号と信号レベルの第2の信号との読み出しが行われる。つまり、
図7に示す動作では、偶数列および奇数列の一方である第1の列に係る信号電荷と、偶数列および奇数列の他方である第2の列に係る信号電荷とがタイミングt2で同時にリセットされた後、第1の列に係るリセットレベルの第1の信号と信号レベルの第2の信号とが出力され、続いて、第2の列に係る第1の信号と第2の信号とが出力される。
【0102】
この後、m+4列目とm+6列目との信号の読み出しが行われる。m+4列目とm+6列目との信号の読み出しはm列目とm+2列目との信号の読み出しと同様である。つまり、m+4列目とm+6列目とについて、タイミングt2からタイミングt9までの動作と同様の動作が行われる。同様に、奇数列について1列ずつ信号の読み出しが行われる。
【0103】
(タイミングt10)
リセットパルスΦRSTV1がLowからHighに変化することによって、1行目の全てのリセット部106がON状態となる。これによって、1行目の全ての第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。同時に、選択パルスΦHSELmがLowからHighに変化することによって、m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態となる。
【0104】
(タイミングt11)
リセットパルスΦRSTV1がHighからLowに変化することによって、1行目の全てのリセット部106がOFF状態となる。m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態であるため、リセットレベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+1列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0105】
(タイミングt12)
第2の転送パルスΦTXHm+1がLowからHighに変化することによって、m+1列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、m+1列目の第1の蓄積部103の電位と、m列目およびm+1列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0106】
(タイミングt13)
第2の転送パルスΦTXHm+1がHighからLowに変化することによって、m+1列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+1列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0107】
(タイミングt14)
選択パルスΦHSELmがHighからLowに変化することによって、m列目とm+1列目とに対応する選択部108がOFF状態となる。これによって、m+1列目の信号の読み出しが終了する。同時に、選択パルスΦHSELm+2がLowからHighに変化することによって、m+2列目とm+3列目とに対応する選択部108がON状態となる。タイミングt10でリセットが行われたため、リセットレベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+3列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0108】
(タイミングt15)
第2の転送パルスΦTXHm+3がLowからHighに変化することによって、m+3列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、m+3列目の第1の蓄積部103の電位と、m+2列目およびm+3列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0109】
(タイミングt16)
第2の転送パルスΦTXHm+3がHighからLowに変化することによって、m+3列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が1行目の出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+3列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0110】
(タイミングt17)
選択パルスΦHSELm+2がHighからLowに変化することによって、m+2列目とm+3列目とに対応する選択部108がOFF状態となる。これによって、m+3列目の信号の読み出しが終了する。
【0111】
上記のように、タイミングt10からタイミングt14までの期間に、1行m+1列目のリセットレベルの第1の信号と信号レベルの第2の信号との読み出しが行われる。また、タイミングt14からタイミングt17までの期間に、1行m+3列目のリセットレベルの第1の信号と信号レベルの第2の信号との読み出しが行われる。
【0112】
この後、m+5列目とm+7列目との信号の読み出しが行われる。m+5列目とm+7列目との信号の読み出しはm+1列目とm+3列目との信号の読み出しと同様である。つまり、m+5列目とm+7列目とについて、タイミングt10からタイミングt17までの動作と同様の動作が行われる。同様に、偶数列について1列ずつ信号の読み出しが行われる。
【0113】
1行目の全ての列に対して信号の読み出しが行われた後、2行目の各列に対して信号の読み出しが行われる。以降は、複数の光電変換部101の配列の行ごとに上記と同様の動作が行われる。
【0114】
上記のように、
図7に示す第2の動作例では、1つの行の偶数列のリセットレベルの第1の信号と信号レベルの第2の信号とが読み出された後、同じ行の奇数列の第1の信号と第2の信号とが読み出される。1つの行の奇数列の第1の信号と第2の信号とを読み出した後、同じ行の偶数列の第1の信号と第2の信号とを読み出してもよい。
【0115】
固体撮像装置100Cにおける構成のうち、出力スイッチ110とI-V変換部111とは、固体撮像装置100Cの特徴的な効果を得るために必須の構成ではない。
【0116】
本実施形態では、複数の光電変換部101の配列の同一の列について、リセットレベルの第1の信号を読み出した直後に、信号レベルの第2の信号を読み出すことが可能である。このため、電源電圧VDDの低周波での変動によるノイズを低減することができる。また、行方向に隣接する2つの画素で一部の構成が共有されるので、回路面積を低減することができる。
【0117】
図6に示す第1の動作例では、第2の蓄積部105を共有する2つの列で連続的に信号の読み出しが行われる。このため、
図6のタイミングt5でm列目の信号レベルの信号が読み出された後、m+1列目のリセットレベルの信号を読み出すためにリセットを行う必要がある。
【0118】
これに対して、
図7に示す第2の動作例では、同一行の全ての列でリセットが行われた後、第2の蓄積部105を共有しない列で連続的に信号の読み出しが行われる。このため、
図7のタイミングt5でm列目の信号レベルの信号が読み出された後、リセットを行わずにm+2列目のリセットレベルの信号を読み出すことが可能である。したがって、
図7に示す第2の動作例では、
図6に示す第1の動作例よりも信号の読み出しを高速に行うことができる。
【0119】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
図8は、本実施形態による固体撮像装置100Dの構成例を示している。
図8に示すように、固体撮像装置100Dは、光電変換部101と、第1の転送部102と、第1の蓄積部103と、第2の転送部104と、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108と、出力スイッチ110と、I-V変換部111と、水平選択部112と、垂直選択部113とを有する。
【0120】
以下では、
図1に示す固体撮像装置100Aと
図8に示す固体撮像装置100Dとの相違点を説明する。固体撮像装置100Dでは、第2の蓄積部105は、複数の光電変換部101のうち列方向(垂直方向)に隣接する2つの光電変換部101に共通に対応して配置された容量として構成されている。また、リセット部106と、増幅部107と、選択部108とは、複数の光電変換部101のうち列方向に隣接する2つの光電変換部101に共通に対応して配置されたトランジスタとして構成されている。つまり、固体撮像装置100Dでは、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108とが、1行目の画素と、その画素に対して列方向に隣接する2行目の画素とで共有されている。
【0121】
第2の転送部104の動作は、水平選択部112から第2の転送部104のゲートに供給される制御信号である第2の転送パルスΦTXHによって制御される。
図8では、代表として、1行m列目の第2の転送部104に供給される第2の転送パルスΦTXHm(1)と、2行m列目の第2の転送部104に供給される第2の転送パルスΦTXHm(2)とが示されている。
【0122】
出力信号線109は、2行ごとに、すなわち1行おきに配置されている。上記以外の構成については、固体撮像装置100Aと同様である。
【0123】
次に、固体撮像装置100Dの動作を説明する。
図9は、固体撮像装置100Dの動作例を示している。
図9では、電源電圧VDDと、出力パルスΦV1と、第1の転送パルスΦTXV1と、第1の転送パルスΦTXV2と、選択パルスΦHSELm-1と、選択パルスΦHSELmと、第2の転送パルスΦTXHm(1)と、第2の転送パルスΦTXHm(2)と、I-V変換部111から出力される信号Vsigとの波形が示されている。
図9の横方向が時間を示し、
図9の縦方向が電圧を示している。
【0124】
(タイミングt1)
出力パルスΦV1がLowからHighに変化することによって、出力スイッチ110を構成する複数のトランジスタのうち1行目と2行目とに対応するトランジスタがON状態となる。同時に、第1の転送パルスΦTXV1がLowからHighに変化することによって、1行目の全ての第1の転送部102がON状態となる。これによって、1行目の全ての光電変換部101から第1の蓄積部103に信号電荷が転送される。
【0125】
(タイミングt2)
第1の転送パルスΦTXV1がHighからLowに変化することによって、1行目の全ての第1の転送部102がOFF状態となる。同時に、選択パルスΦHSELm-1がLowからHighに変化することによって、m列目のリセット部106がON状態となる。これによって、m列目の第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。
【0126】
(タイミングt3)
選択パルスΦHSELm-1がHighからLowに変化することによって、m列目のリセット部106がOFF状態となる。同時に、選択パルスΦHSELmがLowからHighに変化することによって、m列目の選択部108がON状態となる。これによって、リセットレベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。また、m+1列目のリセット部106がON状態となることによって、m+1列目の第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。
【0127】
(タイミングt4)
第2の転送パルスΦTXHm(1)がLowからHighに変化することによって、1行m列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、1行m列目の第1の蓄積部103の電位と、1行m列目および2行m列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0128】
(タイミングt5)
第2の転送パルスΦTXHm(1)がHighからLowに変化することによって、1行m列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0129】
(タイミングt6)
選択パルスΦHSELmがHighからLowに変化することによって、m列目の選択部108がOFF状態となると共に、m+1列目のリセット部106がOFF状態となる。これによって、m列目の信号の読み出しが終了する。
【0130】
続いて、m+1列目の信号の読み出しが行われる。m+1列目の信号の読み出しはm列目の信号の読み出しと同様である。つまり、m+1列目について、タイミングt2からタイミングt6までの動作と同様の動作が行われる。同様に、1列ずつ信号の読み出しが行われる。
図9に示す動作では、複数の光電変換部101の配列の第1の列に係るリセットレベルの第1の信号がタイミングt3で出力されるのと同時に、第1の列に隣接する第2の列に係る信号電荷がタイミングt3でリセットされ、続いて、第1の列に係る信号レベルの第2の信号がタイミングt5で出力された後、第2の列に係る第1の信号と第2の信号とが出力される。
【0131】
1行目の全ての列に対して信号の読み出しが行われた後、出力パルスΦV1がHighからLowに変化することによって、出力スイッチ110を構成する複数のトランジスタのうち1行目と2行目とに対応するトランジスタがOFF状態となる。
【0132】
(タイミングt7)
出力パルスΦV1がLowからHighに変化することによって、出力スイッチ110を構成する複数のトランジスタのうち1行目と2行目とに対応するトランジスタがON状態となる。同時に、第1の転送パルスΦTXV2がLowからHighに変化することによって、2行目の全ての第1の転送部102がON状態となる。これによって、2行目の全ての光電変換部101から第1の蓄積部103に信号電荷が転送される。
【0133】
(タイミングt8)
第1の転送パルスΦTXV2がHighからLowに変化することによって、2行目の全ての第1の転送部102がOFF状態となる。同時に、選択パルスΦHSELm-1がLowからHighに変化することによって、m列目のリセット部106がON状態となる。これによって、m列目の第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。
【0134】
(タイミングt9)
選択パルスΦHSELm-1がHighからLowに変化することによって、m列目のリセット部106がOFF状態となる。同時に、選択パルスΦHSELmがLowからHighに変化することによって、m列目の選択部108がON状態となる。これによって、リセットレベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、2行m列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。また、m+1列目のリセット部106がON状態となることによって、m+1列目の第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。
【0135】
(タイミングt10)
第2の転送パルスΦTXHm(2)がLowからHighに変化することによって、2行m列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、2行m列目の第1の蓄積部103の電位と、1行m列目および2行m列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0136】
(タイミングt11)
第2の転送パルスΦTXHm(2)がHighからLowに変化することによって、2行m列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、2行m列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0137】
(タイミングt12)
選択パルスΦHSELmがHighからLowに変化することによって、m列目の選択部108がOFF状態となると共に、m+1列目のリセット部106がOFF状態となる。これによって、m列目の信号の読み出しが終了する。
【0138】
続いて、m+1列目の信号の読み出しが行われる。m+1列目の信号の読み出しはm列目の信号の読み出しと同様である。つまり、m+1列目について、タイミングt9からタイミングt12までの動作と同様の動作が行われる。同様に、1列ずつ信号の読み出しが行われる。
【0139】
2行目の全ての列に対して信号の読み出しが行われた後、3行目の各列に対して信号の読み出しが行われる。以降は、複数の光電変換部101の配列の行ごとに上記と同様の動作が行われる。
【0140】
固体撮像装置100Dにおける構成のうち、出力スイッチ110とI-V変換部111とは、固体撮像装置100Dの特徴的な効果を得るために必須の構成ではない。
【0141】
本実施形態では、複数の光電変換部101の配列の同一の列について、リセットレベルの第1の信号を読み出した直後に、信号レベルの第2の信号を読み出すことが可能である。このため、電源電圧VDDの低周波での変動によるノイズを低減することができる。また、列方向に隣接する2つの画素で一部の構成が共有されるので、回路面積を低減することができる。
【0142】
図9に示す動作では、複数の光電変換部101の配列の第1の列に係る第1の信号が出力されるのと同時に、第1の列に隣接する第2の列に係る信号電荷がリセットされる。このため、
図6に示す動作よりも信号の読み出しを高速に行うことができる。
【0143】
また、
図9に示す動作では、
図7に示す動作と比較して、列の制御が簡単になる。このため、
図7に示す動作を行う固体撮像装置100Cと比較して、水平選択部112の回路構成を簡単にすることができる。
【0144】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
図10は、本実施形態による固体撮像装置100Eの構成例を示している。
図10に示すように、固体撮像装置100Eは、光電変換部101と、第1の転送部102と、第1の蓄積部103と、第2の転送部104と、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108と、出力スイッチ110と、I-V変換部111と、水平選択部112と、垂直選択部113とを有する。
【0145】
以下では、
図8に示す固体撮像装置100Dと
図10に示す固体撮像装置100Eとの相違点を説明する。固体撮像装置100Eでは、第1の蓄積部103は、複数の光電変換部101のうち列方向(垂直方向)に隣接する2つの光電変換部101に共通に対応して配置された容量として構成されている。また、第2の転送部104は、複数の光電変換部101のうち列方向に隣接する2つの光電変換部101に共通に対応して配置されたトランジスタとして構成されている。つまり、固体撮像装置100Eでは、第1の蓄積部103と、第2の転送部104と、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108とが、1行目の画素と、その画素に対して列方向に隣接する2行目の画素とで共有されている。
【0146】
第2の転送部104の動作は、水平選択部112から第2の転送部104のゲートに供給される制御信号である第2の転送パルスΦTXHによって制御される。
図10では、代表として、1行m列目と2行m列目とに対応する第2の転送部104に供給される第2の転送パルスΦTXHmが示されている。上記以外の構成については、固体撮像装置100Dと同様である。
【0147】
次に、固体撮像装置100Eの動作を説明する。
図11は、固体撮像装置100Eの動作例を示している。
図11では、電源電圧VDDと、出力パルスΦV1と、第1の転送パルスΦTXV1と、第1の転送パルスΦTXV2と、選択パルスΦHSELm-1と、選択パルスΦHSELmと、第2の転送パルスΦTXHmと、I-V変換部111から出力される信号Vsigとの波形が示されている。
図11の横方向が時間を示し、
図11の縦方向が電圧を示している。
【0148】
以下では、
図9に示す動作との相違点を説明する。タイミングt4とタイミングt5とにおいて、
図9における第2の転送パルスΦTXHm(1)の代わりに第2の転送パルスΦTXHmによって、1行m列目と2行m列目とに対応する第2の転送部104の動作が制御される。また、タイミングt11とタイミングt12とにおいて、
図9における第2の転送パルスΦTXHm(2)の代わりに第2の転送パルスΦTXHmによって、1行m列目と2行m列目とに対応する第2の転送部104の動作が制御される。上記以外の動作については、
図9に示す動作と同様である。
【0149】
固体撮像装置100Eにおける構成のうち、出力スイッチ110とI-V変換部111とは、固体撮像装置100Eの特徴的な効果を得るために必須の構成ではない。
【0150】
本実施形態では、複数の光電変換部101の配列の同一の列について、リセットレベルの第1の信号を読み出した直後に、信号レベルの第2の信号を読み出すことが可能である。このため、電源電圧VDDの低周波での変動によるノイズを低減することができる。また、列方向に隣接する2つの画素で一部の構成が共有されるので、回路面積を低減することができる。さらに、
図8に示す固体撮像装置100Dと比較して、回路面積をより低減することができる。
【0151】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
図12は、本実施形態による固体撮像装置100Fの構成例を示している。
図12に示すように、固体撮像装置100Fは、光電変換部101と、第1の転送部102と、第1の蓄積部103と、第2の転送部104と、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108と、出力スイッチ110と、I-V変換部111と、水平選択部112と、垂直選択部113とを有する。
【0152】
以下では、
図1に示す固体撮像装置100Aと
図12に示す固体撮像装置100Fとの相違点を説明する。固体撮像装置100Fでは、第2の蓄積部105は、複数の光電変換部101のうち行方向(水平方向)および列方向(垂直方向)に隣接する4つの光電変換部101に共通に対応して配置された容量として構成されている。また、リセット部106と、増幅部107と、選択部108とは、複数の光電変換部101のうち行方向および列方向に隣接する4つの光電変換部101に共通に対応して配置されたトランジスタとして構成されている。つまり、固体撮像装置100Fでは、第2の蓄積部105と、リセット部106と、増幅部107と、選択部108とが、行方向および列方向に隣接する4つの画素で共有されている。
【0153】
リセット部106の動作は、垂直選択部113からリセット部106のゲートに供給される制御信号であるリセットパルスΦRSTVによって制御される。
図12では、代表として、1行目と2行目とに対応するリセット部106に供給されるリセットパルスΦRSTV1が示されている。
【0154】
第2の転送部104の動作は、水平選択部112から第2の転送部104のゲートに供給される制御信号である第2の転送パルスΦTXHによって制御される。
図12では、代表として、1行m列目の第2の転送部104に供給される第2の転送パルスΦTXHm(1)と、2行m列目の第2の転送部104に供給される第2の転送パルスΦTXHm(2)と、1行m+1列目の第2の転送部104に供給される第2の転送パルスΦTXHm+1(1)と、2行m+1列目の第2の転送部104に供給される第2の転送パルスΦTXHm+1(2)とが示されている。
【0155】
出力信号線109は、2行ごとに、すなわち1行おきに配置されている。上記以外の構成については、固体撮像装置100Aと同様である。
【0156】
次に、固体撮像装置100Eの動作を説明する。
図13は、固体撮像装置100Eの動作例を示している。
図13では、電源電圧VDDと、出力パルスΦV1と、第1の転送パルスΦTXV1と、第1の転送パルスΦTXV2と、リセットパルスΦRSTV1と、選択パルスΦHSELmと、第2の転送パルスΦTXHm(1)と、第2の転送パルスΦTXHm+1(1)と、第2の転送パルスΦTXHm(2)と、第2の転送パルスΦTXHm+1(2)と、I-V変換部111から出力される信号Vsigとの波形が示されている。
図13の横方向が時間を示し、
図13の縦方向が電圧を示している。
【0157】
(タイミングt1)
出力パルスΦV1がLowからHighに変化することによって、出力スイッチ110を構成する複数のトランジスタのうち1行目と2行目とに対応するトランジスタがON状態となる。同時に、第1の転送パルスΦTXV1がLowからHighに変化することによって、1行目の全ての第1の転送部102がON状態となる。これによって、1行目の全ての光電変換部101から第1の蓄積部103に信号電荷が転送される。
【0158】
その後、タイミングt1とタイミングt2との間のタイミングで、第1の転送パルスΦTXV1がHighからLowに変化することによって、1行目の全ての第1の転送部102がOFF状態となる。
【0159】
(タイミングt2)
リセットパルスΦRSTV1がLowからHighに変化することによって、1行目と2行目とに対応する全てのリセット部106がON状態となる。これによって、1行目と2行目とに対応する全ての第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。同時に、選択パルスΦHSELmがLowからHighに変化することによって、m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態となる。
【0160】
(タイミングt3)
リセットパルスΦRSTV1がHighからLowに変化することによって、1行目と2行目とに対応する全てのリセット部106がOFF状態となる。m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態であるため、リセットレベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0161】
(タイミングt4)
第2の転送パルスΦTXHm(1)がLowからHighに変化することによって、1行m列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、1行m列目の第1の蓄積部103の電位と、1行目および2行目のm列目およびm+1列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0162】
(タイミングt5)
第2の転送パルスΦTXHm(1)がHighからLowに変化することによって、1行m列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0163】
(タイミングt6)
リセットパルスΦRSTV1がLowからHighに変化することによって、1行目と2行目とに対応する全てのリセット部106がON状態となる。これによって、1行目と2行目とに対応する全ての第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。
【0164】
(タイミングt7)
リセットパルスΦRSTV1がHighからLowに変化することによって、1行目と2行目とに対応する全てのリセット部106がOFF状態となる。m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態であるため、リセットレベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+1列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0165】
(タイミングt8)
第2の転送パルスΦTXHm+1(1)がLowからHighに変化することによって、1行m+1列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、1行m+1列目の第1の蓄積部103の電位と、1行目および2行目のm列目およびm+1列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0166】
(タイミングt9)
第2の転送パルスΦTXHm+1(1)がHighからLowに変化することによって、1行m+1列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、1行m+1列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0167】
(タイミングt10)
選択パルスΦHSELmがHighからLowに変化することによって、m列目とm+1列目とに対応する選択部108がOFF状態となる。これによって、m列目とm+1列目との信号の読み出しが終了する。
【0168】
続いて、m+2列目とm+3列目との信号の読み出しが行われる。m+2列目とm+3列目との信号の読み出しはm列目とm+1列目との信号の読み出しと同様である。つまり、m+2列目とm+3列目とについて、タイミングt2からタイミングt10までの動作と同様の動作が行われる。同様に、1列ずつ信号の読み出しが行われる。
図13に示す動作では、複数の光電変換部101の配列の第1の列に係る第1の信号と第2の信号とが出力された後、第1の列に隣接する第2の列に係る第1の信号と第2の信号とが出力される。
【0169】
1行目の全ての列に対して信号の読み出しが行われた後、出力パルスΦV1がHighからLowに変化することによって、出力スイッチ110を構成する複数のトランジスタのうち1行目と2行目とに対応するトランジスタがOFF状態となる。
【0170】
(タイミングt11)
出力パルスΦV1がLowからHighに変化することによって、出力スイッチ110を構成する複数のトランジスタのうち1行目と2行目とに対応するトランジスタがON状態となる。同時に、第1の転送パルスΦTXV2がLowからHighに変化することによって、2行目の全ての第1の転送部102がON状態となる。これによって、2行目の全ての光電変換部101から第1の蓄積部103に信号電荷が転送される。
【0171】
その後、タイミングt11とタイミングt12との間のタイミングで、第1の転送パルスΦTXV2がHighからLowに変化することによって、2行目の全ての第1の転送部102がOFF状態となる。
【0172】
(タイミングt12)
リセットパルスΦRSTV1がLowからHighに変化することによって、1行目と2行目とに対応する全てのリセット部106がON状態となる。これによって、1行目と2行目とに対応する全ての第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。同時に、選択パルスΦHSELmがLowからHighに変化することによって、m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態となる。
【0173】
(タイミングt13)
リセットパルスΦRSTV1がHighからLowに変化することによって、1行目と2行目とに対応する全てのリセット部106がOFF状態となる。m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態であるため、リセットレベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、2行m列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0174】
(タイミングt14)
第2の転送パルスΦTXHm(2)がLowからHighに変化することによって、2行m列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、2行m列目の第1の蓄積部103の電位と、1行目および2行目のm列目およびm+1列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0175】
(タイミングt15)
第2の転送パルスΦTXHm(2)がHighからLowに変化することによって、2行m列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、2行m列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0176】
(タイミングt16)
リセットパルスΦRSTV1がLowからHighに変化することによって、1行目と2行目とに対応する全てのリセット部106がON状態となる。これによって、1行目と2行目とに対応する全ての第2の蓄積部105に蓄積されている信号電荷がリセットされる。
【0177】
(タイミングt17)
リセットパルスΦRSTV1がHighからLowに変化することによって、1行目と2行目とに対応する全てのリセット部106がOFF状態となる。m列目とm+1列目とに対応する選択部108がON状態であるため、リセットレベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、2行m+1列目のリセットレベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0178】
(タイミングt18)
第2の転送パルスΦTXHm+1(2)がLowからHighに変化することによって、2行m+1列目の第2の転送部104がON状態となる。これによって、2行m+1列目の第1の蓄積部103の電位と、1行目および2行目のm列目およびm+1列目に対応する第2の蓄積部105の電位とが同一となる。つまり、第1の蓄積部103に蓄積されている信号電荷が第2の蓄積部105に転送される。
【0179】
(タイミングt19)
第2の転送パルスΦTXHm+1(2)がHighからLowに変化することによって、2行m+1列目の第2の転送部104がOFF状態となる。これによって、信号レベルの信号が、1行目と2行目とに対応する出力信号線109に出力される。この信号に基づく電流がI-V変換部111で電圧に変換される。I-V変換部111は、2行m+1列目の信号レベルに対応する信号Vsigを出力する。
【0180】
(タイミングt20)
選択パルスΦHSELmがHighからLowに変化することによって、m列目とm+1列目とに対応する選択部108がOFF状態となる。これによって、m列目とm+1列目との信号の読み出しが終了する。
【0181】
続いて、m+2列目とm+3列目との信号の読み出しが行われる。m+2列目とm+3列目との信号の読み出しはm列目とm+1列目との信号の読み出しと同様である。つまり、m+2列目とm+3列目とについて、タイミングt12からタイミングt20までの動作と同様の動作が行われる。同様に、1列ずつ信号の読み出しが行われる。
【0182】
2行目の全ての列に対して信号の読み出しが行われた後、3行目の各列に対して信号の読み出しが行われる。以降は、複数の光電変換部101の配列の行ごとに上記と同様の動作が行われる。
【0183】
図7に示す動作と同様に、1つの行の偶数列のリセットレベルの第1の信号と信号レベルの第2の信号とを読み出した後、同じ行の奇数列の第1の信号と第2の信号とを読み出してもよい。また、1つの行の奇数列の第1の信号と第2の信号とを読み出した後、同じ行の偶数列の第1の信号と第2の信号とを読み出してもよい。これによって、
図13に示す動作よりも信号の読み出しを高速に行うことができる。
【0184】
固体撮像装置100Fにおける構成のうち、出力スイッチ110とI-V変換部111とは、固体撮像装置100Fの特徴的な効果を得るために必須の構成ではない。
【0185】
本実施形態では、複数の光電変換部101の配列の同一の列について、リセットレベルの第1の信号を読み出した直後に、信号レベルの第2の信号を読み出すことが可能である。このため、電源電圧VDDの低周波での変動によるノイズを低減することができる。また、行方向および列方向に隣接する4つの画素で一部の構成が共有されるので、回路面積を低減することができる。
【0186】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。
図14は、本実施形態による内視鏡装置2000の構成例を示している。
図14に示すように、内視鏡装置2000は、スコープ202と筐体207とを有する。
【0187】
スコープ202は、レンズ203と、レンズ204と、固体撮像装置205と、ファイバー206と、ケーブル210とを有する。レンズ203は、被写体201からの反射光を固体撮像装置205に結像する。レンズ204は、被写体201に照明光を照射する。固体撮像装置205は、第1から第5の実施形態のいずれかによる固体撮像装置である。ファイバー206は被写体201への照明光を伝送する。ケーブル210は、固体撮像装置205に電源電圧、クロックなどの入力信号を供給する細径のケーブルと、固体撮像装置205から出力された信号を画像処理部208に伝える細径のケーブルとを有する。
【0188】
筐体207は、画像処理部208と光源装置209とを有する。画像処理部208は、固体撮像装置205から出力される信号に所定の処理を行い、撮影画像を生成する。光源装置209は、被写体に照射する照明光を生成する光源を備える。
【0189】
本実施形態によれば、第1から第5の実施形態のいずれかによる固体撮像装置205を備える内視鏡装置2000が構成される。
【0190】
本実施形態では、内視鏡装置2000の内部の電源電圧VDDの低周波での変動によるノイズを低減することができる。
【0191】
(第1から第5の実施形態に共通で適用可能な変形例)
次に、第1から第5の実施形態に共通で適用可能な変形例を説明する。第1から第5の実施形態では、信号読み出し方式は電流読み出し方式である。信号読み出し方式は他の方式であってもよい。例えば、信号読み出し方式は電圧読み出し方式であってもよい。しかし、電圧読み出し方式の場合、ソースフォロアなどのバッファを出力信号線に設ける必要があり、回路面積および消費電流が増加する。このため、電流読み出し方式の方が好ましい。
【0192】
また、第1から第5の実施形態における第1の蓄積部103と第2の蓄積部105とは、浮遊拡散領域からなる容量であってもよい。
【0193】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。