【文献】
Journal of Agricultural and Food chemistry,2011年,Vol.59,p.2950-2957
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0007】
本明細書に開示される一つの実施態様は、例えば、2−置換−5−(1−アルキルチオ)アルキル−ピリジンN−オキシドを含む特定の官能化ピリジンN−オキシドの製法に関する。一つの、より具体的な、しかし非限定的な形態において、式(I)
【0009】
[式中、
Lは単一結合を表すか、またはR
1、SおよびLは一緒になって4−、5−もしくは6−員環を表し、
R
1は(C
1−C
4)アルキルを表し,
R
2およびR
3は個々に、水素、メチル、エチル、フルオロ、クロロまたはブロモを表し、
nは0−3からの整数であり、そして
Yは(C
1−C
4)ハロアルキルを表す]
に従う2−置換−5−(1−アルキルチオ)アルキル−ピリジンN−オキシドの製法が提供される。
【0010】
一つの形態において、本方法は式(II)
【0012】
[式中、
R
1、R
2、R
3、Lおよびnは前に定義された通りであり、そして
R
4およびR
5は独立してC
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
1−C
8アリールアルキル、C
1−C
8ハロアルキル、C
1−C
8アルコキシアルキル、C
1−C
8アルキルアミノアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表すか、あるいはR
4およびR
5がNと一緒になって5−もしくは6−員の飽和もしくは不飽和環を表す]
に従うエナミンを、式(III)
【0014】
[式中、
Yは前に定義された通りであり、そして
X
1はハロゲン、OR
6、OSO
2R
6、SR
6、SOR
6、SO
2R
6またはNR
7R
8を表し、ここでR
6が水素、C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
1−C
8アリールアルキル、C
1−C
8ハロアルキル、C
1−C
8アルコキシアルキル、C
1−C
8アルキルアミノアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、そしてR
7およびR
8が独立して水素、C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
1−C
8アリールアルキル、C
1−C
8ハロアルキル、C
1−C
8アルコキシアルキル、C
1−C
8アルキルアミノアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表すかあるいはR
7およびR
8がNと一緒になって5−もしくは6−員の飽和もしくは不飽和環を表す]
に従うα,β−不飽和ケトンと縮合して、式(IV)
【0016】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、Lおよびnは前に定義された通りである]
に従う中間体化合物を提供する方法を含む。
【0017】
この方法の形態は更に、還流条件下で、式(V)
【0019】
[式中、X
2はヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、アミノまたはメルカプタンを表す]
に従うアミン求核試薬を使用して、式(IV)に従う中間体化合物を環化して、式(1)に従う化合物を提供する方法を含む。
【0020】
他の形態において、本方法は、式(VI)
【0022】
[式中、YはC
1−C
4ハロアルキルを表す]
に従うアセチルクロリド化合物を、式(VII)
【0024】
[式中、R
10はC
1−C
4アルキルを表す]
に従うアルキルビニルエーテルと反応させて、式(VIII)
【0026】
に従う中間体化合物を提供する方法を含む。
【0027】
この方法の形態は更に、式(VIII)に従う中間体化合物を、式(II)
【0029】
[式中、
R
1、R
2、R
3、L、およびnは前に定義された通りであり、そして
R
4およびR
5は独立してC
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
1−C
8アリールアルキル、C
1−C
8ハロアルキル、C
1−C
8アルコキシアルキル、C
1−C
8アルキルアミノアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表すか、あるいはR
4およびR
5がNと一緒になって5−もしくは6−員の飽和もしくは不飽和環を表す]
に従うエナミンと縮合して、式(IV)
【0031】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、Lおよびnは前に定義された通りである]
に従う中間体化合物を提供する方法を含む。
【0032】
次に式(IV)に従う中間体化合物は、還流条件下で、式(V)
【0034】
[式中、X
2はヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、アミノまたはメルカプタンを表す]
に従うアミン求核試薬を使用して環化されて、式(I)に従う化合物を提供する。
【0035】
式(I)の化合物の、より具体的なしかし非限定的な形態は、以下の種類:
(1)YがCF
3である式(I)の化合物、
(2)R
2およびR
3が独立して水素、メチルまたはエチルを表す式(I)の化合物、
(3)R
1がCH
3を表し、そしてLが単一結合を表す、すなわち、構造
【0037】
(ここでn=1−3)をもつ、式(I)化合物、
(4)R
1、SおよびLが一緒になって飽和5−員環を形成し、そしてnが0である、すなわち、構造
【0039】
をもつ、式(I)の化合物、
を含む。
【0040】
式(I)の化合物の前記の種類の一つ以上の組み合わせ物が可能であることは当業者により認められると考えられる。
【0043】
[式中、
Lは単一結合を表すかまたはR
1、SおよびLは一緒になって4−、5−もしくは6−員環を表し、
R
1は(C
1−C
4)アルキルを表し,
R
2およびR
3は個々に、水素、メチル、エチル、フルオロ、クロロまたはブロモを表し、
nは0−3からの整数であり、そして
Yは(C
1−C
4)ハロアルキルを表す]
に従う新化合物が提供される。
【0044】
本実施態様における式(I)の化合物の、より具体的なしかし非限定的なナ形態は、以下の種類:
(1)YがCF
3である式(I)の化合物、
(2)R
2およびR
3が独立して水素、メチルまたはエチルを表す式(I)の化合物、
(3)R
1がCH
3を表しそしてLが単一結合を表す、すなわち、構造
【0046】
(ここでn=1−3)をもつ、式(I)の化合物、
(4)R
1、SおよびLが一緒になって飽和5−員環を形成し、そしてnが0である、すなわち、構造
【0048】
をもつ、式(I)の化合物、
を含む。
【0049】
式(I)の化合物の前記の種類の一つ以上の組み合わせ物が可能であることは当業者により認められると考えられる。
【0050】
更なる相様、実施態様、形態、特徴物、利益、目的物および利点は、これにより提供される詳細な説明から明白になるに違いない。
【発明を実施するための形態】
【0051】
発明の原理の理解を促進する目的のために、今度は、以下の実施態様が参照され、そしてそれらを説明するために特定の用語が使用される。しかし、それにより発明の範囲の限定は意図されないことが理解されなければならないと考えられるので、具体的に示される装置におけるこれらの変更および更なる更新、並びにその中に示されるような発明の原理の更なる応用は、本発明が関与する当業者に通常起こると考えられるようなものであると推定される。
【0052】
特に別に限定されない限り、本明細書に使用されるような以下に挙げる用語は以下を意味することとする:
本明細書で使用される「アルケニル」は、炭素と水素よりなる、非環状、不飽和(少な
くとも一つの炭素−炭素二重結合)の、分枝もしくは非分枝の置換基、例えばビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびデセニルを意味し、
本明細書で使用される「アルコキシ」は、更に炭素−酸素一重結合よりなるアルキル、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、2−メチルブトキシ、1,1−ジメチルプロポキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシ(nonoxy)およびデコキシを意味し、
本明細書で使用される「アルキル」は、炭素と水素よりなる、非環状の、飽和の、分枝または非分枝置換基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−ブチル、2−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルを意味し、
本明細書で使用されるような「アリール」は、水素と炭素よりなる環状芳香族置換基、例えば、フェニル、ナフチルおよびビフェニリルを意味し、
本明細書で使用されるような「ハロ」はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味し、
本明細書で使用されるような「ハロアルキル」は、更に、一から最大可能な数の、同一のまたは異なるハロよりなるアルキル、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、クロロメチル、トリクロロメチルおよび1,1,2,2−テトラフルオロエチルを意味し、そして
本明細書で使用されるような「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子、すなわちN、OまたはS、を含む5−もしくは6−員の芳香環を表し、これらのヘテロ芳香環は他の芳香族系に縮合されることができる。
【0053】
本明細書に開示される化合物は一つ以上の立体異性体として存在することができる。様々な立体異性体は幾何学的異性体、ジアステレオマーおよび鏡像異性体を含む。従って、本文書に開示される化合物は、ラセミ混合物、個々の立体異性体および光学的活性混合物を含むことができる。一つの立体異性体が他より活性である可能性があきることは当業者により認められると考えられる。個々の立体異性体および光学活性混合物は、選択的合成法により、分割された出発材料を使用する従来の合成法により、または従来の分割法により得ることができる。
【0056】
[式中、
Lは単一結合を表すかまたはR
1、SおよびLは一緒になって4−、5−もしくは6−員環を表し、
R
1は(C
1−C
4)アルキルを表し,
R
2およびR
3は個々に、水素、メチル、エチル、フルオロ、クロロまたはブロモを表し、
nは0−3からの整数であり、そして
Yは(C
1−C
4)ハロアルキルを表す]
に従う2−置換−5−(1−アルキルチオ)アルキル−ピリジンN−オキシドの製法が提供される。
【0057】
一つの形態において、この方法はスキームA:
【0062】
[式中、
R
1、R
2、R
3、L、およびnは前に定義された通りであり、そして
R
4およびR
5は独立してC
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
1−C
8アリールアルキル、C
1−C
8ハロアルキル、C
1−C
8アルコキシアルキル、C
1−C
8アルキルアミノアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表すかあるいはR
4およびR
5がNと一緒になって5−もしくは6−員の飽和もしくは不飽和環を表す]
に従うエナミンが、式(III)
【0064】
[式中、
Yは前に定義された通りであり、そして
X
1はハロゲン、OR
6、OSO
2R
6、SR
6、SOR
6、SO
2R
6またはNR
7R
8を表し、ここでR
6が水素、C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
1−C
8アリールアルキル、C
1−C
8ハロアルキル、C
1−C
8アルコキシアルキル、C
1−C
8アルキルアミノアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、そしてR
7およびR
8が独立して水素、C
1−C
8アルキル、C
2−C
8アルケニル、C
1−C
8アリールアルキル、C
1−C
8ハロアルキル、C
1−C
8アルコキシアルキル、C
1−C
8アルキルアミノアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表すか、あるいはR
7およびR
8がNと一緒になって5−もしくは6−員の飽和もしくは不飽和環を表す]
に従うα,β−不飽和ケトンと縮合されて、式(IV)
【0066】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、Lおよびnは前に定義された通りである]
に従う中間体化合物を提供する。
【0067】
更にスキームAに示されるように、式(IV)に従う中間体化合物は、還流条件下で、式(V)
【0069】
[式中、X
2はヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、アミノまたはメルカプタンを表す]
に従うアミン求核試薬を使用して環化されて、式(I)に従う化合物を提供する。
【0070】
式(II)に従うエナミンは好都合には、適当な溶媒を使用して、またはそれを使用せずに、水吸着材の存在下において、適当に置換されたアルデヒドに対する適当に置換されたアミンの添加から調製されることができる。典型的には、適当に置換されたアルデヒドは、無水炭酸カリウムのような乾燥剤の存在下で、約−20℃〜約20℃で、無水二置換
アミンと反応され、そして生成物は定常法により単離され、そして通常、更に精製せずに使用される。例えば、式(II)に従うエナミンが以下の構造
【0072】
をもつ、一つの非限定的形態において、適当に置換されたアルデヒドは無水炭酸カリウムのような乾燥剤の存在下で約−20℃〜約20℃で、ピロリジンと反応され、そして生成される生成物は定常法により単離され、そして通常、更なる精製なしに使用される。式(II)に従うエナミンの生産に関する更なる詳細は例えば、それにより、その内容が、それらの全体を、参照により本明細書に引用されたこととされる、米国特許公開第2008/0033180号明細書に認められる。
【0073】
式(III)に従うα,β−不飽和ケトンは市販されているか、または対応するビニル系基剤(vinylogous substrates)およびアシル化剤から調製することができる。例えば、一つの形態において、アルキルビニルエーテルは無水ハロアルキル酢酸でアシル化されて、式(III)に従う化合物を生成することができる。
【0074】
縮合法には、ほぼ等モル量の式(II)に従うエナミンおよび式(III)に従うα,β−不飽和ケトンが必要である。
【0075】
一つの形態において、縮合は約−20℃〜約35℃の温度で実施される。他の、より具体的な形態においては、約−5℃〜約20℃の温度が使用される。
【0076】
式(II)に従うエナミンの、式(III)に従うα,β−不飽和ケトンとの縮合は、溶媒を含まない条件下で実施される形態も想定されるが、極性または非極性溶媒中で実施することができる。極性溶媒の非限定的例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルおよびジメチルスルホシキドを含み、他方、非極性溶媒の非限定的例は、炭化水素および、トルエンのような芳香族炭化水素溶媒を含む。一つの具体的なしかし非限定的形態において、この縮合はトルエン中で実施される。
【0077】
一つの相様において、式(III)に従うα,β−不飽和ケトンは式(II)に従うエナミンの前以て形成された混合物に添加される。
【0078】
典型的な縮合反応において、式(II)に従うエナミンは約−5℃〜約20℃で所望の溶媒に溶解され、そして式(III)に従うα,β−不飽和ケトンが添加漏斗を介してこの溶液に連続添加される。混合物は、式(II)に従うエナミンおよび式(III)に従うα,β−不飽和ケトンが消費されるまで撹拌される。トルエンのような非極性溶媒の使用により、式(IV)に従う中間体化合物は更なる単離または精製を伴わずに、そのまま使用されることができる。
【0079】
式(IV)に従う中間体化合物の、式(V)に従うアミン求核試薬との環化は、還流条件下、すなわち、50℃〜90℃の範囲内の温度で実施される。前記のように、X
2はヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、アミノまたはメルカプタンを表すことができる。反応スキームAに使用されるアミン求核試薬はまた、酸性塩の形態で存在することもできる。アミン求核試薬の酸性塩の形態が使用される時は、酸性塩の類似体を中和するために非求核性塩基もまた使用される。非求核性塩基の非限定的例は炭酸塩、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび1,8−ジアザビシクロウンデス−7−エンを含む。X
2がヒドロキシルを表し、そして式(V)に従う化合物がヒドロキシルアミンである、一つの非限定的形態においては、反応スキームAにはトリエチルアミンと一緒にヒドロキシルアミン塩酸が使用される。更に、式(V)に従うアミン求核試薬および、存在する時は、非求核性塩基における他のバリエーションが可能であり、検討されることが認められるにちがいない。
【0080】
式(IV)に従う中間体化合物の環化は、式(II)に従うエナミンおよび式(III)に従うα,β−不飽和ケトンの縮合と同一溶媒中で実施することができる。
【0081】
他の形態において、本実施態様の方法はスキームBに示されたアプローチを使用する:
【0083】
スキームBにおいては、そのYがC
1−C
4ハロアルキルを表す式(VI)に従うアセチルクロリド化合物が、そのR
10がC
1−C
4アルキルを表す式(VII)に従うアルキルビニルエーテルと反応される。該方法においては、一方または他方の過剰を使用することができるが、一般に、ほぼ等モル量の式(VI)および(VII)に従う化合物が使用される。一つの特定の形態において、式(VII)に従う10〜50パーセントの化学量論的過剰のアルキルビニルエーテルが使用される。
【0084】
本反応は、溶媒の不在下において、例えば、式(VII)に従うアルキルビニルエーテルの過剰を伴って、または無水有機溶媒の存在下において、のいずれでも実施される。適切な溶媒の非限定的例は、トルエンのような芳香族炭化水素を含む炭化水素溶媒である。反応は約−10℃〜約35℃の温度で実施することができる。一つの特定の形態においては、約0℃〜約20℃の温度が使用される。典型的な反応においては、式(VI)に従うアセチルクロリド化合物は、0〜5℃間で、混ぜ物なし(neat)で、または炭化水素溶媒の存在下で、のいずれかで、式(VII)に従うアルキルビニルエーテルの表面下に泡立てられる。反応物は、温度を室温以下に維持しながら、約1時間にわたり撹拌しながら放置して暖められる。式(VIII)に従う中間体化合物を含む粗反応混合物は、反応混合物の更なる単離または精製を伴わずにそのまま使用することができる。
【0085】
次に、式(VIII)に従う中間体化合物は、第三級アミン塩基の存在下で式(II)に従うエナミンと縮合されて、そのYがC
1−C
4ハロアルキルを表す式(IV)に従う中間体化合物を提供する。縮合工程には、式(VIII)に従う中間体化合物と式(II)に従うエナミンのほぼ等モル量が必要であり、特定の形態においては、少なくとも1当量の第三級アミン塩基が必要であり、約1と約2当量の間が使用される。
【0086】
この縮合は約−20℃〜約35℃の温度で実施することができる。一つの特定の形態においては、約−5℃〜約20℃の温度が使用される。この縮合は非極性または極性の非プロトン溶媒中で実施することができる。代表的な非極性溶媒は、炭化水素溶媒および芳香族炭化水素を含む。極性の非プロトン溶媒もまたこの化学反応にとって良い選択物である。特定の、しかし非限定的形態においては、アセトニトリルまたはトルエンのいずれかが使用される。一つの形態においては、式(VIII)に従う中間体化合物が、式(II)に従うエナミンと第三級アミン塩基との前以て形成された混合物に添加される。典型的な縮合反応においては、式(II)に従うエナミンと、少なくとも化学量論的量の第三級アミン塩基が約−50℃〜約200℃の所望の溶媒に溶解され、そして式(VIII)に従う中間体化合物がこの溶液に添加漏斗を介して連続添加される。混合物は、式(VIII)に従う中間体化合物と式(II)に従うエナミンが消費されるまで撹拌される。式(IV)に従う中間体化合物は更なる単離または精製なしにそのまま使用することができる。スキームBのアプローチの、以上の工程に関する更なる詳細は、これにより、その内容が、参照によりそれらの全体を本明細書に引用されたこととされる、国際公開第2010/002577号パンフレットに提供されている。
【0087】
スキームBに更に示されるように、このアプローチにより調製される式(IV)に従う中間体化合物は次に、前記の、式(V)に従うアミン求核試薬を使用して環化される。
【0088】
式(I)の化合物の、より具体的なしかし非限定的な形態は以下の種類:
(1)YがCF
3である式(1)の化合物、
(2)R
2とR
3が独立して水素、メチルまたはエチルを表す式(1)の化合物、
(3)R
1がCH
3を表しそしてLが単一結合を表す、すなわち、構造
【0090】
(ここでn=1−3)をもつ、式(1)の化合物、
(4)R
1、SおよびLが一緒になって飽和5−員環を形成し、そしてnが0である、すなわち、構造
【0092】
をもつ、式(1)の化合物、
を含む。
【0093】
式(1)の化合物の前記の種類の一つ以上の組み合わせ物が可能であることは当業者により認められると考えられる。
【0094】
N−置換スルフィルイミンまたはスルホキシイミン・ピリジンN−オキシド化合物を調製するために、例えば、米国特許第7,678,920号、第7,687,634号および第8,188,292号明細書に記載された様々なN−置換スルフィルイミンおよびスルホキシイミン・ピリジン化合物の調製において、例えば、対応する2−置換−5−(1−アルキルチオ)アルキル−ピリジン中間体の代わりに、本明細書に記載の2−置換−5−(1−アルキルチオ)アルキル−ピリジンN−オキシドを使用することができる。米国特許第7,678,920号、第7,687,634号および第8,188,292号明細書の内容はそれにより、参照により、それらの全体を本明細書に引用されたこととされる。
【0095】
従って、更なる実施態様において、本明細書に開示された2−置換−5−(1−アルキルチオ)アルキル−ピリジンN−オキシドを使用する、式(IX)
【0097】
[式中、
R
1、R
2、R
3、L、nおよびYは前に定義された通りであり、
X
3は場合により存在し、存在する時はOを表し、
X
4はNNO
2、NCN、NCOOR
9またはNCONH
2を表し、そして
R
9は(C
1−C
3)アルキルを表す]
に従う特定のN−置換スルフィルイミンまたはスルホキシイミン・ピリジンN−オキシド化合物の製法は、反応スキームC:
【0100】
式(IX)に従う化合物の所望される最終形態に応じて、スキームCは、N−置換スルフィルイミンピリジンN−オキシド化合物を提供するための式(1)に従う化合物に対するX
4の添加、またはN−置換スルホキシイミン・ピリジンN−オキシド化合物を提供するための式(1)に従う化合物に対するX
3およびX
4両方の添加を表す。
【0101】
一つの形態において、X
4がNNO
2を表すN−置換スルフィルイミン・ピリジンN−オキシド化合物の調製は、スキームCにおいて、無水酢酸の存在下で、ニトラミドとの式(1)に従う化合物の反応を伴う。他の形態において、X
4がNCNを表すN−置換スルフィルイミン・ピリジンN−オキシド化合物の調製は、スキームCにおいて、シアナミドの存在下でヨードベンゼン二酢酸による式(1)に従う化合物の酸化を伴う。この酸化はCH
2Cl
2のような極性の非プロトン溶媒中で実施することができる。この性状の、そしてそこで本明細書に開示される2−置換−5−(1−アルキルチオ)アルキル−ピリジンN
−オキシドが使用されて、対応するN−置換スルフィルイミンピリジンN−オキシドを提供することができると考えられる、N−置換スルフィルイミンピリジンの調製に関する更なる詳細は、米国特許第8,188,292号明細書に開示されている。
【0102】
式(IX)に従う、すなわちX
3が存在し、そしてOを表すN−置換スルホキシイミン・ピリジンN−オキシド化合物の調製は、前記のN−置換スルフィルイミン・ピリジンN−オキシド化合物の更なる酸化により達成することができる。例えば、一つの非限定的形態において、シアナミドの存在下でヨードベンゼン二酢酸による式(1)に従う化合物の酸化により添加されたNCNを含むN−置換スルフィルイミン・ピリジンN−オキシド化合物は更に、炭酸カリウムのような塩基の存在下でメタクロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)により酸化されて、対応するN−置換スルホキシイミン・ピリジンN−オキシド化合物を提供することができる。この反応はエタノールと水のようなプロトンの極性溶媒中で実施することができる。
【0103】
式(IX)に従う、すなわちX
3が存在し、そしてOを表すN−置換スルホキシイミン・ピリジンN−オキシド化合物の調製はまた、式(1)に従う化合物に対するX
3およびX
4の段階的添加により達成することができる。例えば、式(1)に従う化合物は、0℃未満で、ジクロロメタンのような極性溶媒中でmCPBAにより酸化されて、スルホキシドを提供することができる。スルホキシドはその後、加熱下で、クロロホルムのような非プロトン溶媒中で、濃硫酸の存在下で、ナトリウムアジドでイミン化されて、スルホキシイミンを提供することができる。例えば、X
3が存在し、そしてX
4がNNO
2、NCN、NCOOR
4を表す場合は、このスルホキシイミンは、緩徐に上昇された温度下で、無水酢酸の存在下で、硝酸でニトロ化されるか、または、塩基の存在下で、ブロモシアンでシアン化されるか、または4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)のような塩基の存在下でアルキル(R
9)クロロホルメートでカルボン酸化(carboxylated)されて、N−置換スルホキシイミンを提供することができる。塩基は有効なシアン化およびカルボン酸化に必要であり、好まれる塩酸はDMAPであり、そこで有効なニトロ化反応のための触媒として硫酸が使用される。この性状の、そして本明細書に開示された2−置換−5−(1−アルキルチオ)アルキル−ピリジンN−オキシドが使用されて、対応するN−置換スルホキシイミン・ピリジンN−オキシドを提供することができると考えられる、N−置換スルホキシイミン・ピリジンの調製物に関する更なる詳細は、米国特許第7,678,920および第7,687,634号明細書に開示されている。
【0104】
X
4がNCONH
2を表す式(IX)に従うN−置換スルホキシイミンピリジンN−オキシド化合物の調製は、NCNが添加された、すなわち以下の構造
【0106】
をもつ式(IX)に従うスルホキシイミン化合物を酸加水分解することにより実施することができる。
【0107】
本反応に使用することができる酸の非限定的例は、硫酸、塩酸、リン酸、トリフルオロ酢酸および硝酸を含む。
【0108】
一つの形態において、酸加水分解反応は、約50℃〜約90℃の温度で、外気圧において実施されるが、所望される場合は、より高いまたはより低い温度および圧力の使用が考慮される。
【0109】
酸加水分解反応に使用することができる溶媒の非限定的例は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルおよびジメチルスルホシキドのような極性溶媒を含む。
【実施例】
【0110】
実施例は具体化の目的のためであり、本文書中に開示された発明を、これらの実施例に開示された実施態様のみに限定するものと解釈してはならない。
【0111】
市販源から得た出発材料、試薬および溶媒は、更に精製せずに使用した。分子は、ISIS Draw、ChemDrawまたはACD Name Pro内の命名プログラムに従って命名された、それらの知られた名称を与えられる。このようなプログラムが分子を命名することができない場合は、その分子は従来の命名法を使用して命名される。
1Hおよび
13C NMRスペクトルはBruker 300MHz装置を使用して実施された。ガスクロマトグラフィーはAgilent 6850 Network GCシステムを使用して、または毛細管によるコールドオンカラム注入能力を伴うAgilent 6890上で実施された。HPLCは自動サンプル採取装置、真空脱気装置、カラムヒーターおよびUV検出装置を含むAgilent 1200システムを使用して実施した。
【0112】
実施例1: 5−(1−(メチルチオ)エチル−2−(トリフルオロメチル)ピリジンN−オキシド(1)の小規模調製
【0113】
【化30】
【0114】
トルエン中で、1−(3−メチルチオブト−1−エニル)ピロリドン(2)
【0115】
【化31】
【0116】
の、4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロブト−3−エン−2−オン(3)
【0117】
【化32】
【0118】
との縮合反応は、トルエン中27重量%の1,1,1−トリフルオロ−6−(メチルチオ)−5−(ピロリジン−1−イルメチレン)ヘプト−3−エン−2−オン(4)
【0119】
【化33】
【0120】
を生成した。トルエン中403mg(0.37ミリモル)の27重量%の1,1,1−トリフルオロ−6−(メチルチオ)−5−(ピロリジン−1−イルメチレン)ヘプト−3−エン−2−オン(4)を、還流コンデンサーを備え、ブリーチ気体洗浄装置に換気された、25mL用三首丸底フラスコに添加した。この混合物に、34mg(0.34ミリモル)のトリエチルアミンを一度に添加した。反応混合物を約12.8℃に冷却し、次に24mg(0.34ミリモル)のヒドロキシルアミン塩酸を一度に添加した。反応混合物を緩徐に85℃に加熱し、1時間45分間撹拌した。次に反応混合物を外気温に冷却した。この混合物を機器分析および精製のために多数の画分に分割した。反応混合物の一部をトル
エンと水間で分配した。有機層および水層の両方をLC/MSにより分析した。両層が、5−(1−(メチルチオ)エチル−2−(トリフルオロメチル)ピリジンN−オキシド(C
9H
10F
3NOS)の分子コンシステンシーをもつピークをもつことが確認された。計算値m/z=237.04.実測値m/z=237.04。
【0121】
20cm×20cmのプレート(1000ミクロン)上に2mLの反応混合物を塗布し、そしてヘキサンと2−プロパノール間に4:1の比率をもつ混合物でそれを溶出することにより、予備薄層クロマトグラフィーを使用して少量の反応混合物を精製した(Rfは約0.5〜0.6であった)。プレートから適当な帯を切取り、20mLの酢酸エチルを使用してシリカゲルから抽出した。この分離物の最良の画分からプロトンNMRを採った。この物質は少量の酢酸エチルを含んだが、所望化合物の化学シフトは以下である:
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 8.30(s,1H),7.64(d,J=8.3Hz,1H),7.35(d,J=8.3Hz,1H),3.78(q,J=7.1Hz,1H),1.98(s,3H),1.58(d,J=7.1Hz,3H)。
【0122】
実施例2: 5−(1−(メチルチオ)エチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン
N−オキシド(1)の大規模調製:
【0123】
【化34】
【0124】
5.0g(0.03モル)の1−(3−メチルチオブト−1−エニル)ピロリドン(2)および100mLのアセトニトリル(ACN)を、磁気撹拌装置、窒素吹き込み口、添加漏斗および還流コンデンサーを備えた、乾燥した250mL用丸底フラスコに添加した。次に、4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロブト−3−エン−2−オン(3)(ETFBO)(4.9g,、0.03ミリモル)を2〜3分間にわたり滴下し、そして生成された暗色溶液を室温で1時間撹拌した。次に、2.1g(0.03モル)のヒドロキシルアミン塩酸、次に4.2mL(0.03モル)のトリエチルアミンをこの溶液に添加した。次に反応物を85℃で2時間還流し、冷却し、そしてアリコートをTLCおよびGC/MSにより分析し、それは反応が本質的に完了し、出発材料が残留しないこと、および2種の新規生成物の存在を示した。GC/MSによる分析時に同定された主要生成物は、5−(1−(メチルチオ)エチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジンN−オキシド(1)に与えられた構造と一致し、そして少量生成物はETFBOとピロリジンのアミノ基移転反応生成物であるように見えた。次に、反応混合物を室温で12時間撹拌し、約100mLの水中に注入し、3回の100mL容量のエチルエーテルで抽出した。エーテル抽出物を水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、瀘過し、そして回転蒸発装置上で真空下濃縮した。粗生成物(6.1g)を20分間にわたり100%ヘキサン〜100%酢酸エチルの勾配を使用して、シリカゲル上クロマトグラフィーにかけた。300MHz
1H NMRおよびGC/MSによる分析時に5−(1
−(メチルチオ)エチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジンN−オキシド(1)に与えられた構造と一致した、2.2gの黄色液体を単離した。31%単離収率。
1H NMR(300MHz,クロロホルム−d)δ 8.28(s,1H),7.63(d,J=8.3Hz,1H),7.34(d,J=8.3Hz,1H),3.77(q,J=7.1Hz,1H),1.98(s,3H),1.56(d,J=7.3,3H).計算 m/z=237.04.実測 m/z=237.04。
【0125】
実施例3: N−シアノ−S−[1−(6−トリフルオロメチル−3−ピリジニル)エチル]−S−メチルスルフィルイミンN−オキシド(5)の調製:
【0126】
【化35】
【0127】
2.2g(0.0092モル)の5−(1−(メチルチオ)エチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジンN−オキシド(1)、0.38g(0.0092モル)のシアナミドおよび100mLの無水テトラヒドロフラン(THF)を、磁気撹拌装置、窒素吹き込み口および温度計を備えた乾燥した250mL用丸底フラスコに添加した。溶液を約4℃に冷却し、ヨードベンゼン二酢酸(3.0g、0.0092モル)を一度に添加した。反応物を0〜4℃で2時間撹拌し、放置して徐々に室温に暖め、次に窒素下の外気温で撹拌した。13時間後に、反応混合物のアリコートを、1.0mL/分の流速をもつYMC AQ カラム(Kyoto,Japan)を使用するHPLCにより分析した。アセトニトリル(ACN)および0.05%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む水を溶媒として使用した。25分間にわたり、20%ACN/0.05%TFAを含む80%の水で開始し、95%のACN/0.05%のTFAを含む5%の水に移行する直線勾配を使用した。HPLC分析は、反応が本質的に完了したことを示した。次に反応混合物を約200mLのACNで希釈し、2回の100mL容量のヘキサンで洗浄して、ヨードベンゼン副産物を除去した。ACN溶液を回転蒸発装置上で真空下濃縮し、生成された粗生成物を20分間にわたり、50%ヘキサン/50%アセトン〜100%アセトンに移行した勾配を使用して、シリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた。純粋画分を合わせ、回転蒸発装置上で真空下濃縮すると、1.7gの黄色の固体を与え、それは300MHz
1H NMRおよびHPLC/MSによる分析時にN−シアノ−S−[1−(6−トリフルオロメチル−3−ピリジニル)エチル]−S−メチルスルフィルイミンN−オキシド(5)に与えられた構造に一致した(異性体の混合物)。実測値:
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 8.61(dd,J=34.8,1.4Hz,1H),8.03(dd,J=8.4,4.2Hz,1H),7.81−7.44(m,1H),4.62(p,J=7.0Hz,1H),2.75(d,J=19.9Hz,3H),1.71(dd,J=7.2,2.6Hz,3H). ESI MS(m/z)278[M+H]
+. M
P=139−141℃(d)。
【0128】
実施例4: N−シアノ−S−[1−(6−トリフルオロメチル−3−ピリジニル)エチル]−S−メチルスルホキシイミンN−オキシド(6)の調製:
【0129】
【化36】
【0130】
1.3g(4.7モル)のN−シアノ−S−[1−(6−トリフルオロメチル−3−ピリジニル)エチル]−S−メチルスルフィルイミンN−オキシド(5)および100mLの塩化メチレンを、磁気撹拌装置、窒素吹き込み口、添加漏斗、温度計および還流コンデンサーを備えた、乾燥した250mL用丸底フラスコに添加した。溶液を10℃に冷却し、1.7mLの、水溶液中40重量%の過マンガン酸ナトリウムを、温度を40℃未満に維持する速度で滴下した。この添加が完了後に、反応物を5℃で30分間撹拌し、放置して室温に暖めた。反応混合物のアリコートのHPLC分析が、反応が本質的に完了したことを示した。次に、溶液を瀘紙を通して瀘過し、瀘液を重亜流酸ナトリウム溶液と水で洗浄した。次にMDC溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、瀘過し、そして回転蒸発装置上で真空濃縮した。120mgの黄色の油を単離し、HPLC/MS分析は、それが少量の所望の生成物を含んだことを示した。この分析に基づいて、所望の生成物はMDC中で低い溶解度をもつように見える。最初の瀘過からの瀘紙を、約200mLのアセトン中に抽出した。次にこの抽出物を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、瀘過し、回転蒸発装置上で真空下濃縮した。粘性の黄色の固体を単離し、20分間にわたり、25%ヘキサン/75%アセトン〜100%アセトンに移行する勾配を使用して、シリカゲル上クロマトグラフィーにかけた。純粋画分を合わせ、ストリッピングすると、74.1mgの白色固体を与え、それは300MHz
1H NMRおよびHPLC/MSにより分析すると、N−シアノ−S−[1−(6−トリフルオロメチル−3−ピリジニル)エチル]−S−メチルスルホキシイミンN−オキシド(6)に与えられる構造と一致した。実測値:
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 8.39(d,J=1.7Hz,1H),7.85(d,J=8.5Hz,1H),7.55(d,J=8.5Hz,2H),4.83(qd,J=7.1,2.6Hz,1H),3.25(d,J=8.0Hz,3H),1.98−1.76(m,3H). ESI MS(m/z)294[M+H]
+. MP=228−231℃。
【0131】
実施例5〜6:
実施例5および6の化合物(9)および(10)はそれぞれ以下の表1に示される。化合物(7)および(8)(これらも以下の表1に示される)は、前記の反応スキームAに従い、そして実施例1および2と関連した前記のものに類似の方法を使用して調製された。次に化合物(9)および(10)を、実施例3および4と関連した前記のものと類似の方法を使用して、化合物(7)および(8)それぞれから調製した。
【0132】
【表1】
【0133】
実施例7:
実施例7の化合物(11)は以下の表2に示される。化合物(6)を前記のものに類似の方法を使用して酸加水分解して、化合物(11)を提供した。
【0134】
【表2】
【0135】
本発明は、以上の説明において具体的に示され、詳細に説明されたが、それは説明的であり、非限定的な性質をもつと考えることができ、特定の実施態様のみが示され、説明され、そして本発明の精神内に入るすべての変更および修正が保護されることが所望されることは理解される。前記の説明に使用される、好ましい、好適に、好まれる、またはより好まれる、のような言語の使用は、そのように記載された特徴物がより望ましい可能性があることを示すが、しかし、それは必須ではないかも知れず、それをもたない実施態様が、その範囲が以下の請求の範囲により規定される本発明の範囲内にあると推定することができることは理解されるべきである。請求の範囲を読む際に、「一つの(a)」、「一つの(an)」、「少なくとも一つの(at least one)」または「少なくとも一部分(at least one portion)」の言語が使用される時は、請求の範囲内にその反対を具体的に記述されない限り、請求の範囲を唯一の項目に限定する意図はないことが意図される。言語「少なくとも一部分」および/または「一部分」が使用される時は、その項目は、具体的にその反対に記述されない限り、一部分および/または全体の項目を含むことができる。