特許第6242404号(P6242404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242404線間電圧にシグナリング遷移を挿入する為のコントローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242404
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】線間電圧にシグナリング遷移を挿入する為のコントローラ
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   H05B37/02 A
   H05B37/02 C
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-553194(P2015-553194)
(86)(22)【出願日】2014年1月2日
(65)【公表番号】特表2016-503952(P2016-503952A)
(43)【公表日】2016年2月8日
(86)【国際出願番号】IB2014058013
(87)【国際公開番号】WO2014111820
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2016年12月27日
(31)【優先権主張番号】61/753,507
(32)【優先日】2013年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シュロトリヤ アメヤ ディリップ
(72)【発明者】
【氏名】ヒラス ニコラス
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05811939(US,A)
【文献】 特開2010−192267(JP,A)
【文献】 特開2006−340469(JP,A)
【文献】 米国特許第05825164(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02 − 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線間電圧にシグナリング遷移を挿入するコントローラであって、
第1及び第2の端子を有する、並びに前記第1の端子と変圧器タップとの間に接続された第1の巻線部分及び前記変圧器タップと前記第2の端子との間に接続された第2の巻線部分を含む自動変圧器であって、前記第1及び第2の端子は、前記線間電圧に接続される、自動変圧器と、
前記自動変圧器の前記第1の端子に接続された第1のスイッチ端子及び前記コントローラの出力ノードに接続された第2のスイッチ端子を有する第1のスイッチと、
前記自動変圧器の前記変圧器タップに接続された第1のスイッチ端子及び前記出力ノードに接続された第2のスイッチ端子を有する第2のスイッチと、
前記第1の端子の公称線間電圧及び前記変圧器タップのシグナリング電圧を選択的に前記出力ノードに接続することによって前記シグナリング遷移を前記線間電圧に挿入する為に、前記第1及び第2のスイッチを制御する第1及び第2のスイッチ信号を制御信号に応答して出力するスイッチコントローラと、
を含み、
前記スイッチコントローラは、複数の第1のシグナリング遷移の後に第2のシグナリング遷移を挿入する為に前記第1及び第2のスイッチを制御する前記第1及び第2のスイッチ信号を出力し、前記第2のシグナリング遷移と前記第1のシグナリング遷移の最後のものとの間の時間間隔は、前記制御信号の値に応じて設定される、
コントローラ。
【請求項2】
無線信号を受信する及び前記無線信号に応答して前記制御信号を出力する受信器を更に含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記無線信号は、無線周波数(RF)信号、汎用パケット無線サービス(GPRS)信号、又は光信号である、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記出力ノードと前記自動変圧器の前記第2の端子との間に接続された電圧依存抵抗器(VDR)を更に含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記第1及び第2のスイッチは、リレー、サイリスタ、又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記シグナリング電圧は、前記公称線間電圧の約90%〜95%の範囲内で一定である、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項7】
複数の第1のシグナリング遷移はシグナリングモードの開始を表し、前記複数の第1のシグナリング遷移は、互いの間に所定の第1の時間間隔を有する、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項8】
線間電圧に接続可能であり、外部の制御信号に応答して公称線間電圧とシグナリング電圧との間を遷移するシグナリング遷移を前記線間電圧に挿入するコントローラと、
挿入された前記シグナリング遷移を有する前記線間電圧に接続される及び前記シグナリング遷移に応答して発せられる光の調光レベルを制御する少なくとも1つの照明ユニットと、
含み、
前記コントローラは、複数の第1のシグナリング遷移の後に第2のシグナリング遷移を挿入し、前記第2のシグナリング遷移と前記第1のシグナリング遷移の最後のものとの間の時間間隔は、前記制御信号の値に応じて設定される、
照明システム。
【請求項9】
複数の第1のシグナリング遷移はシグナリングモードの開始を表し、前記複数の第1のシグナリング遷移は、互いの間に所定の第1の時間間隔を有する、請求項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記複数の第1のシグナリング遷移の最後のものの後に所定の第2の時間間隔で第2のシグナリング遷移を挿入して待機モードを設定する、及び前記少なくとも1つの照明ユニットは、前記待機モード中は光を発しない、請求項に記載の照明システム。
【請求項11】
前記シグナリング電圧は、前記公称線間電圧の約90%〜95%の範囲内で一定である、請求項に記載の照明システム。
【請求項12】
前記コントローラは、無線信号を受信する及び前記無線信号に応答して前記制御信号を出力する受信器を含む、請求項に記載の照明システム。
【請求項13】
シグナリング遷移を線間電圧に挿入するコントローラであって、
前記線間電圧に接続される、並びに第1の端子及び変圧器タップにおいて公称線間電圧及びシグナリング電圧をそれぞれ供給する自動変圧器と、
前記自動変圧器と前記コントローラの出力ノードとの間に接続されるスイッチと、
前記第1の端子の前記公称線間電圧及び前記変圧器タップの前記シグナリング電圧を選択的に前記出力ノードに接続することによって前記シグナリング遷移を前記線間電圧に挿入する為に前記スイッチを制御するスイッチコントローラと、
を含み、
前記シグナリング遷移は、シグナリングモードの開始を設定する、互いの間に所定の第1の時間間隔を有する複数の第1のシグナリング遷移、及び前記複数の第1のシグナリング遷移の後の第2のシグナリング遷移を含み、前記第2のシグナリング遷移と前記複数の第1のシグナリング遷移の最後のものとの間の時間間隔は、前記コントローラに接続された少なくとも1つの照明ユニットの調光レベルを制御する為に制御信号の値に応じて設定される、コントローラ。
【請求項14】
前記シグナリング電圧は、前記公称線間電圧の約90%〜95%の範囲内で一定である、請求項13に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記スイッチコントローラは、無線信号を受信する及び前記無線信号に応答して前記制御信号を出力する受信器を含む、請求項13に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、一般に、線間電圧にシグナリング遷移を挿入する為のコントローラに向けられる。より詳細には、本明細書に開示される様々な発明装置は、照明源の調光レベルを制御する為に線間電圧にシグナリング遷移を挿入する為のコントローラ及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 多くの照明適用例は、調光器を利用する。調光は、デジタル的にアドレス指定可能な照明インタフェース(DALI:digitally addressable lighting interface)、デジタル多重化(DMX:digital multiplex)インタフェース若しくは0〜10Vの調光インタフェース等の標準制御インタフェースによって、又は立ち上がり及び立ち下がり調光スキーム並びに電力線通信スキーム等の線側制御方法によって達成することができる。かなり確立されているが、これらのインタフェース及びスキームの各々は、制約及び望ましくない特徴を有する。
【0003】
[0003] 例えば、DALI、DMX又は0〜10V等の制御インタフェース規格は、電力線に加えて制御線の取り付けを必要とする。殆どの既存の照明インフラ、特に屋外照明インフラは、従来の照明源と共に使用されるように設計されている、及び追加の制御配線を支持しない。また、この様な制御インタフェースは、遠隔的に又は各照明源に配置されるコントローラの使用を必要とする。絶縁及び安全性が懸念事項である。
【0004】
[0004] 線側制御方法は、制御線の必要性を軽減する。しかしながら、立ち上がり調光(トライアック調光)又は順相調光スキームは、電圧信号波形の立ち上がり部分を裁断し、立ち下がり調光又は逆相調光スキームは、電圧信号波形の立ち下がり部分を裁断する。従って、これらの調光スキームを用いて、力率及び全高調波歪み(THD:total harmonic distortion)要件を満たすことは難しい。調光パーセンテージは限定され、これらのスキームを実施する為に必要なハードウェアは複雑である。電力線通信スキームは、電力線にノイズを加え、その結果、電力線における電磁干渉の伝送が生じる。
【0005】
[0005] 従って、制御ワイヤの使用又は取り付け及び標準的な線側調光スキーム無しに照明源の調光レベルを調整する、並びに既存の照明インフラにおいて簡単に取り付けることができる及び実施することができる照明ドライバ及び線側調光スキームを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006] 本開示は、照明源の調光レベルを制御する為に線間電圧にシグナリング遷移を挿入する発明装置に向けられる。
【0007】
[0007] 一般的に、一つの側面では、本発明は、概して、線間電圧にシグナリング遷移を挿入するコントローラに関し、前記コントローラは、第1及び第2の端子を有する、並びに前記第1の端子と変圧器タップとの間に接続された第1の巻線部分及び前記変圧器タップと前記第2の端子との間に接続された第2の巻線部分を含む自動変圧器であって、前記第1及び第2の端子は、前記線間電圧に接続される、自動変圧器と、前記自動変圧器の前記第1の端子に接続された第1のスイッチ端子及び前記コントローラの出力ノードに接続された第2のスイッチ端子を有する第1のスイッチと、前記自動変圧器の前記変圧器タップに接続された第1のスイッチ端子及び前記出力ノードに接続された第2のスイッチ端子を有する第2のスイッチと、前記第1の端子の公称線間電圧及び前記変圧器タップのシグナリング電圧を選択的に前記出力ノードに接続することによって前記シグナリング遷移を前記線間電圧に挿入する為に、前記第1及び第2のスイッチを制御する第1及び第2のスイッチ信号を制御信号に応答して出力するスイッチコントローラとを含む。
【0008】
[0008] 他の側面では、本発明は、概して、線間電圧に接続可能である、及び制御信号に応答して公称線間電圧とシグナリング電圧との間を遷移するシグナリング遷移を前記線間電圧に挿入するコントローラと、前記シグナリング遷移を有する前記線間電圧に接続される及び前記シグナリング遷移に応答して発せられる光の調光レベルを制御する少なくとも1つの照明ユニットとを含む、照明システムに関する。
【0009】
[0009] 更に他の側面では、本発明は、概して、シグナリング遷移を線間電圧に挿入するコントローラに関し、前記コントローラは、前記線間電圧に接続される、並びに第1の端子及び変圧器タップにおいて公称線間電圧及びシグナリング電圧をそれぞれ供給する自動変圧器と、前記自動変圧器と前記コントローラの出力ノードとの間に接続されるスイッチと、前記第1の端子の前記公称線間電圧及び前記変圧器タップの前記シグナリング電圧を選択的に前記出力ノードに接続することによって前記シグナリング遷移を前記線間電圧に挿入する為に前記スイッチを制御するスイッチコントローラとを含み、前記シグナリング遷移は、シグナリングモードの開始を設定する、互いの間に所定の第1の時間間隔を有する複数の第1の遷移、及び前記複数の第1の遷移の後の第2の遷移を含み、前記第2の遷移と前記複数の第1の遷移の最後のものとの間の時間間隔は、前記コントローラに接続された少なくとも1つの照明ユニットの調光レベルを制御する為に制御信号の値に応じて設定される。
【0010】
[0010] 本開示の目的で本明細書において使用される場合には、「LED」との用語は、任意のエレクトロルミネセントダイオード、又は、電気信号に呼応して放射線を発生できる、その他のタイプのキャリア注入/接合ベースシステム(carrier injection/junction-based system)を含むものと理解すべきである。したがって、LEDとの用語は、次に限定されないが、電流に呼応して発光する様々な半導体ベースの構造体、発光ポリマー、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスストリップ等を含む。特に、LEDとの用語は、赤外スペクトル、紫外スペクトル、及び(一般に、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射波長を含む)可視スペクトルの様々な部分のうちの、1つ又は複数における放射を発生させることができるすべてのタイプの発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を指す。
【0011】
[0011]例えば、本質的に白色光を生成するLED(例えば白色LED)の一実施態様は、組み合わされることで混合して本質的に白色光を形成する様々なスペクトルのエレクトロルミネセンスをそれぞれが放射する複数のダイを含み得る。別の実施態様では、白色光LEDは、第1のスペクトルを有するエレクトロルミネセンスを異なる第2のスペクトルに変換する蛍光体材料に関連付けられ得る。この実施態様の一例では、比較的短波長で狭帯域幅スペクトルを有するエレクトロルミネセンスが、蛍光体材料を「ポンピング(pump)」して、当該蛍光体材料は、いくぶん広いスペクトルを有する長波長放射を放射する。
【0012】
[0012] 「光源」との用語は、次に限定されないが、LEDベース光源(上記に定義した1つ以上のLEDを含む)、白熱光源(例えばフィラメント電灯、ハロゲン電灯)、蛍光光源、りん光性光源、高輝度放電光源(例えばナトリウム蒸気ランプ、水銀蒸気ランプ及びメタルハライドランプ)、レーザー、その他のタイプのエレクトロルミネセンス源、パイロルミネセンス源(例えば火炎)、キャンドルルミネセンス源(例えばガスマントル光源、カーボンアーク放射光源)、フォトルミネセンス源(例えばガス状放電光源)、電子飽和(electronic satiation)を使用する陰極発光源(cathode luminescent source)、ガルバノルミネセンス源、結晶発光(crystallo-luminescent)源、キネルミネセンス(kine-luminescent)源、熱ルミネセンス源、摩擦ルミネセンス(triboluminescent)源、音ルミネセンス(sonoluminescent)源、放射ルミネセンス(radioluminescent)源、及び発光ポリマー(luminescent polymers)を含む、様々な放射源のうちの任意の1つ以上を指すと理解すべきである。
【0013】
[0013] 「照明器具」との用語は、本明細書では、特定の形状因子、アセンブリ又はパッケージの1つ以上の照明ユニットの実施態様又は配置を指すために使用される。「照明ユニット」との用語は、本明細書では、同じ又は異なるタイプの1つ以上の光源を含む装置を指して使用される。所与の照明ユニットは、様々な光源の取付け配置、筐体/ハウジング配置及び形状、並びに/又は、電気及び機械的接続構成の任意のものを有し得る。更に、所与の照明ユニットは、光源の動作に関連する様々な他の構成要素(例えば制御回路)に任意選択的に関連付けられてもよい(例えば含む、結合される、及び/又は一緒にパッケージされる)。「LEDベースの照明ユニット」とは、上記した1つ以上のLEDベースの光源を、単独で又はその他の非LEDベースの光源との組合せで含む照明ユニットを指す。「マルチチャネル」照明ユニットは、それぞれが異なるスペクトルの放射線を生成するよう構成された少なくとも2つの光源を含むLEDベース又は非LEDベース照明ユニットを指し、異なる光源スペクトルのそれぞれがマルチチャネル照明ユニットの「チャネル」と呼ばれ得る。
【0014】
[0014] 「コントローラ」との用語は、本明細書では、概して、1つ以上の光源の動作に関連する様々な装置を説明するために使用される。コントローラは、本明細書で説明した様々な機能を実行するように、数多くの方法(例えば専用ハードウエアを用いて)で実施できる。「プロセッサ」は、本明細書で説明した様々な機能を実行するように、ソフトウェア(例えばマイクロコード)を使用してプログラムすることのできる1つ以上のマイクロプロセッサを使用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを使用してもしなくても実施でき、また、幾つかの機能を実行する専用ハードウェアと、その他の機能を実行するプロセッサ(例えばプログラムされた1つ以上のマイクロプロセッサ及び関連回路)の組み合わせとして実施されてもよい。本開示の様々な実施態様において使用されてもよいコントローラ構成要素の例としては、次に限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向けIC(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)がある。
【0015】
[0015] 多様な実装形態において、プロセッサ又はコントローラは1つ以上の記憶媒体(本明細書では通常「メモリ」と呼ばれ、例えばRAM、PROM、EPROM、EEPROM、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ等の揮発性及び非揮発性コンピュータメモリ)に関連付けられ得る。一部の実装形態において、記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で説明される機能のうちの少なくとも一部を実行する1つ以上のプログラムによって符号化され得る。様々な記憶媒体がプロセッサ若しくはコントローラ内に固定され得り、又は移動可能でもよく、記憶媒体上に記憶された1つ以上のプログラムがプロセッサ若しくはコントローラにロードされて、本明細書に説明される本発明の多様な側面を実行してもよい。本明細書において、用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は広義の意味で使用され、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラミングするために用いることができるあらゆる種類のコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指す。
【0016】
[0016] 「アドレス可能」との用語は、本明細書では、自分自身を含む複数のデバイスに向けた情報(例えばデータ)を受信して、自分自身に向けられた特定の情報に選択的に応答するデバイス(例えば、光源全般、照明ユニット又は固定具、1つ以上の光源若しくは照明ユニットに関連付けられたコントローラ又はプロセッサ、他の非照明関連デバイス等)を指すために使用される。「アドレス可能」との用語は、多くの場合、ネットワークで結ばれた環境(すなわち、以下に詳細に説明される「ネットワーク」)に関連して使用され、ネットワークで結ばれた環境では、複数のデバイスが何らかの1つ以上の通信媒体を介して互いに結合されている。
【0017】
[0017] 1つのネットワーク実施態様では、ネットワークに結合された1つ以上のデバイスが、当該ネットワークに結合された1つ以上の他のデバイスのコントローラとしての機能を果たす(例えばマスタ/スレーブ関係において)。別の実施態様では、ネットワークで結ばれた環境は、当該ネットワークに結合されたデバイスのうちの1つ以上を制御する1つ以上の専用コントローラを含む。通常、ネットワークに結合された複数のデバイスは、それぞれ、1つ以上の通信媒体上にあるデータへのアクセスを有するが、所与のデバイスは、例えば、当該デバイスに割り当てられた1つ以上の特定の識別子(例えば「アドレス」)に基づいて、ネットワークとデータを選択的に交換する(すなわち、ネットワークからデータを受信する及び/又はネットワークにデータを送信する)点で、「アドレス可能」である。
【0018】
[0018] 「ネットワーク」との用語は、本明細書において使用される場合、(コントローラ又はプロセッサを含む)任意の2つ以上のデバイス間及び/又はネットワークに結合された複数のデバイス間での(例えばデバイス制御、データ記憶、データ交換等のための)情報の転送を容易にする2つ以上のデバイスの任意の相互接続を指す。容易に理解されるように、複数のデバイスを相互接続するのに適したネットワークの様々な実施態様は、様々なネットワークトポロジのうちの何れかを含み、様々な通信プロトコルのうちの何れかを使用することができる。さらに、本開示による様々なネットワークにおいて、2つのデバイス間の接続はいずれも、2つのシステム間の専用接続を表わすか、又は、これに代えて非専用接続を表わしてもよい。2つのデバイス用の情報を担持することに加えて、当該非専用接続(例えばオープンネットワーク接続)は、必ずしも2つのデバイス用ではない情報を担持することがある。さらに、容易に理解されるように、本明細書で説明されたデバイスの様々なネットワークは、ネットワーク全体に亘る情報の転送を容易にするために、1つ以上のワイヤレス、ワイヤ/ケーブル、及び/又は光ファイバリンクのリンクを使用できる。
【0019】
[0019] なお、前述の概念及び以下でより詳しく説明する追加の概念のあらゆる組み合わせ(これらの概念が互いに矛盾しないものであることを条件とする)は、本明細書で開示される本発明の主題の一部をなすものと考えられることを理解すべきである。特に、本開示の終わりに登場するクレームされる主題のあらゆる組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。なお、参照により組み込まれる任意の開示内容にも登場する、本明細書において明示的に使用される用語には、本明細書に開示される特定の概念と最も整合性のある意味が与えられるべきであることを理解すべきである。
【0020】
[0020] 図面では、同様の参照符号は、一般に、異なる図面を通して同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも正確な縮尺ではなく、代わりに本発明の原理を示すことに一般的に重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】[0021] 照明ユニットの調光レベルを制御するコントローラを含む照明システムの一実施形態例を示す。
図2】[0022] 照明システムのコントローラの一実施形態例を示す。
図3】[0023] 挿入されたシグナリング遷移を有する線間電圧の一実施形態例を示す。
図4】[0024] 照明ユニットの一実施形態例を示す。
図5】[0025] 電気デバイスの負荷制限を制御するシステムの一実施形態例を示す。
図6】[0026] 電気デバイスの一実施形態例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0028] 以下の詳細な説明において、限定ではなく説明目的で、本教示の完全な理解を提供する為に、具体的詳細を開示する代表的実施形態が記載される。しかしながら、本開示の利益を受けた当業者には、本明細書に開示された具体的詳細から逸脱した本教示に従った他の実施形態が添付の請求項の範囲内にとどまることは明らかとなるであろう。また、周知の装置及び方法の説明は、代表的実施形態の説明を分かり難くしない為に省略される場合がある。この様な方法及び装置は、明らかに本教示の範囲内である。
【0023】
[0029] 図1は、照明ユニットの調光レベルを制御するコントローラを含む照明システムの一実施形態例を示す。照明システム10は、2つのワイヤから構成されるケーブル110によって複数の照明ユニット120−1及び120−2並びにコントローラ130及び150に接続されてもよいAC線電源100を含む。コントローラ130は、2つのワイヤから構成されてもよいケーブル112を介して、複数の照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nに接続されてもよい。コントローラ150は、2つのワイヤから構成されてもよいケーブル114によって、複数の照明ユニット140−1、140−2、140−3、・・・140−nに接続されてもよい。AC線電源100は、コンセント電圧でもよい。一部の実施形態では、AC線電源100は、120ボルトAC、277ボルトAC、又は他のAC電圧値を供給してもよい。照明ユニット120−1〜120−n及び140−1〜140−nの各々は、1つ又は複数の照明源を含んでもよい。照明ユニット120−1〜120−n及び140−1〜140−nの各々はまた、照明源を駆動する為の1つ又は複数の対応する照明ドライバ(安定器)を含んでもよい。
【0024】
[0030] コントローラ130及び150は、続いて配置される照明器具の調光レベルを制御する為に、ケーブル110を介してAC線電源100から供給された線間電圧にシグナリング遷移のバーストを挿入する。シグナリング遷移は、公称線間電圧とシグナリング電圧との間で遷移する。コントローラ130は、照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの調光レベルを制御する為に、挿入されたシグナリング遷移を有する線間電圧をケーブル112に沿って出力する。コントローラ150は、照明ユニット140−1、140−2、140−3、・・・140−nの調光レベルを制御する為に、挿入されたシグナリング遷移を有する線間電圧をケーブル114に沿って出力する。後に説明されるように、コントローラ130に対して下流に配置された照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの内の1つ若しくは複数及び/又はコントローラ150に対して下流に配置された照明ユニット140−1、140−2、140−3、・・・140−nの内の1つ若しくは複数は、挿入されたシグナリング遷移を検出する及び識別されたシグナリング遷移に応答して対応する照明源の調光レベルを制御するように構成された照明ドライバを含んでもよい。即ち、コントローラ130に対して下流に配置された照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの内の1つ若しくは複数及び/又はコントローラ150に対して下流に配置された照明ユニット140−1、140−2、140−3、・・・140−nの内の1つ若しくは複数は、挿入されたシグナリング遷移を検出するように構成された照明ドライバを含まなくてもよいが、その一方で、その他の照明ユニットがシグナリング遷移を検出するように構成された照明ドライバを含んでもよい。シグナリング遷移を検出するように構成された照明ドライバを含まない照明ユニットは、挿入されたシグナリング遷移によって影響を受けず、この様な照明ユニットの調光レベルは、制御可能とはならない。照明ユニット120−1及び120−2は、シグナリング遷移を検出するように構成された照明ドライバを含むように構成されてもよい又はされなくてもよい。しかしながら、照明ユニット120−1及び120−2は、線間電圧が挿入されたシグナリング遷移無しにAC線電源100から直接供給されるようにコントローラ130及び150に対して上流に配置されるので、照明ユニット120−1及び120−2の調光レベルは、本実施形態では制御されない。
【0025】
[0031] 2つのコントローラ130及び150のみが示されているが、他の実施形態では、様々な他の照明ユニットを制御する為に、複数の追加のコントローラが照明システム10に配置されてもよい。また、他の実施形態では、全ての照明ユニットは、挿入されたシグナリング遷移を識別するように構成された照明ドライバを含んでもよい、及び全ての照明ユニットは、調光レベルを制御する為のシグナリング遷移を挿入するように構成されたコントローラに対して下流に配置されてもよい。一部の実施形態では、調光レベルを制御する為のシグナリング遷移を検出するように構成された照明ドライバを含む照明ユニットは、コントローラ130等のコントローラと並列に接続されてもよく、従って、コントローラ130によって挿入されたシグナリング遷移に応答する。照明システム10の構成は、単なる例である。照明システム10は、街路若しくは幹線道路を照明する為、屋外施設内の一般照明を提供する為、屋外防犯灯を提供する為、及び/又は施設内の屋内に一般照明を提供する為に配置された照明ユニットを含んでもよい。コントローラ130及び150等の複数のコントローラが、屋外構造物上若しくは照明ユニットが取り付けられるポールを含む様々な場所、大きな倉庫の両端等の屋内施設内の様々な場所、及び/又は様々な制御場所に設けられてもよい。
【0026】
[0032] 図2は、照明システムのコントローラの一実施形態例を示す。図2に示されるように、コントローラ130は、ケーブル110を介してAC線電源100によって供給された線間電圧に接続可能である、並びに、線間電圧にシグナリング遷移を挿入する及びケーブル112を介して挿入されたシグナリング遷移を有する線間電圧を照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nに供給するように構成される。コントローラ130は、ケーブル110の第1のワイヤに接続された第1の端子n1、ケーブル110の第2のワイヤに接続された第2の端子n3、第1の端子n1と変圧器タップn2との間に接続された第1の巻線部分132a、及び変圧器タップn2と第2の端子n3との間に接続された第2の巻線部分132bを有する自動変圧器132を含む。スイッチSW1(第1のスイッチ)は、第1の端子n1に接続された第1のスイッチ端子及びノードn9に接続された第2のスイッチ端子を含む。ノードn9は、ケーブル112の第1のワイヤに接続される及びコントローラ130の出力ノードとして特徴付けられてもよい。スイッチSW2(第2のスイッチ)は、変圧器タップn2に接続された第1のスイッチ端子及びノードn9に接続された第2のスイッチ端子を含む。スイッチSW1及びSW2は、リレー、非常に高速の応答時間を有するソリッドステートリレー、サイリスタ、又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:insulated gate bipolar transistor)でもよい。高い電力定格が必要である場合には、スイッチSW1及びSW2は、適切な電力レベルに対処するようにスケール調整されたそれぞれの電力リレーを連結するソリッドステートリレーで構成されてもよい。ケーブル112の第2のワイヤは、自動変圧器132の第2の端子n3に接続される。
【0027】
[0033] スイッチコントローラ134は、ケーブル110の第1のワイヤに接続される及び線間電圧によって電力供給される。スイッチコントローラ134は、スイッチSW1をオン/オフにするスイッチ信号s1(第1のスイッチ信号)及びスイッチSW2をオン/オフにするスイッチ信号s2(第2のスイッチ信号)を供給する。スイッチ信号s1及びs2は、スイッチSW1及びSW2がそれぞれ同時にオン状態及びオフ状態、又はそれぞれ同時にオフ状態及びオン状態となるように、スイッチコントローラ134によって出力される。スイッチSW1及びSW2は、まとめてスイッチ信号s1及びs2に応答する1つのスイッチとして特徴付けられてもよく、同様に、スイッチ信号s1及びs2は、まとめて1つのスイッチ信号として特徴付けられてもよい。スイッチSW1及びSW2は、自動変圧器132の短絡を防止する為に、ケーブル112への線間電圧の供給を遮断するオフ状態に同時になってもよいが、スイッチコントローラ134は、スイッチSW1及びSW2が同時にオン状態にはならないようにスイッチ信号s1及びs2を制御する。スイッチコントローラ134は、制御信号cont_sigに応答して、ケーブル112に出力される線間電圧にシグナリング遷移を挿入する為に、スイッチSW1及びSW2のオン/オフタイミングを制御する。説明されるように、スイッチコントローラ134は、第1の端子n1における公称線間電圧及び変圧器タップn2におけるシグナリング電圧を選択的に出力ノードn9へと接続することによって線間電圧にシグナリング遷移を挿入する為に、スイッチSW1(第1のスイッチ)及びSW2(第2のスイッチ)を制御する。スイッチコントローラ134は、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、又はスイッチ信号s1及びs2を生成可能な任意の回路を含んでもよい。
【0028】
[0034] ある実施形態では、コントローラ130は、サーバ又は中央制御装置から外部供給された無線信号を受信するように構成された受信器138を更に含んでもよく、無線信号は、コントローラ130によって制御される照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの所望の調光レベルを表す。外部供給された無線信号は、汎用パケット無線サービス(GPRS:general packet radio service)信号、光信号、又は任意の無線信号等の無線周波数(RF)信号でもよい。更なる実施形態では、コントローラ130は、照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの所望の調光レベルを表す制御信号cont_sigを直接受信する為に配線で接続されてもよい。例えば、制御信号cont_sigは、ポテンショメータ、壁に取り付けられた調光器、又はコントローラ130とは別に配置されたスイッチから電圧レベル入力としてユーザによって手作業で供給されてもよい。電圧レベルは、スイッチコントローラ134のアナログ−デジタル変換器(ADC:analog-digital converter)の入力端子に直接入力されてもよい。この様な更なる実施形態では、受信器138は不必要となる場合があり、従って、スイッチコントローラ134から省かれてもよい。
【0029】
[0035] コントローラ130は、保護素子として、電圧依存抵抗器(VDR:voltage dependent resistor)又はバリスタ136を更に含んでもよい。VDR136は、ケーブル112の第1のワイヤ及びスイッチSW1及びSW2の第2のスイッチ端子に接続された第1の端子を有する、並びに、ケーブル112の第2のワイヤ及び自動変圧器132の第2の端子n3に接続された第2の端子も有する。コントローラ130は、約数ミリ秒又は数十ミリ秒の短時間の間、スイッチSW1及びSW2をオン及びオフにすることによって線間電圧にシグナリング遷移を挿入する為に、スイッチ信号s1及びs2を供給するように構成されてもよい。VDR136は、下流の照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nへの損傷を防止する為に、巻線部分132a及び132bの切り替えによって導入された電圧スパイクから生じた過渡エネルギーを吸収することによって、ケーブル112のワイヤに供給されたピーク電圧を固定する。他の実施形態では、VDRは、コントローラ130内の代わりに、照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの前端に配置されてもよい、又はVDRは、照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの前端及びコントローラ130内の両方に配置されてもよい。
【0030】
[0036] コントローラ130の構成を図2に関して詳細に上述したが、コントローラ150が同様に構成されてもよい。コントローラ150は、ケーブル110を介してAC線電源100によって供給された線間電圧に接続される、並びに、線間電圧にシグナリング遷移を挿入する及びケーブル114を介して挿入されたシグナリング遷移を有する線間電圧を照明ユニット140−1、140−2、140−3、・・・140−nに供給するように構成されてもよい。
【0031】
[0037] 図3は、コントローラによって出力されるような挿入されたシグナリング遷移を有する線間電圧の一実施形態を示す。シグナリング遷移及び照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの調光レベルを制御する為にそれらがコントローラ130によって線間電圧に挿入される方法が、図1〜3を参照して説明される。以下は、照明ユニット140−1、140−2、140−3、・・・140−nの調光レベルを制御する為にコントローラ150によって出力されるような挿入されたシグナリング遷移を有する線間電圧の説明でもある。
【0032】
[0038] 図3に示されるある時点t0において、AC線電源100は、ケーブル110を介して照明ユニット120−1及び120−2並びにコントローラ130及び150に120ボルトACの線間電圧を供給するよう作動してもよい。シグナリング遷移無しにAC線電源100から線間電圧を直接供給されるような照明ユニット120−1及び120−2は、調光制御無しに供給された線間電圧に応答してオンに維持される。
【0033】
[0039] 時点t0において、調光レベルを制御する為のシグナリングは存在せず、コントローラ130内のスイッチコントローラ134は、ケーブル112の第1及び第2のワイヤが自動変圧器132の第1及び第2の端子n1及びn3にそれぞれ接続されるように、スイッチ信号s1及びs2を出力して、それぞれスイッチSW1を閉にする及びスイッチSW2を開にする。従って、ケーブル110からの120ボルトACの線間電圧は、ケーブル112へと出力される及び調光無しにオンに維持される照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nへと供給される。その後、時点t1において、対応する照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの所望の調光レベルを表す制御信号cont_sigに応答して、スイッチコントローラ134は、ケーブル112の第1及び第2のワイヤが自動変圧器132の変圧器タップn2及び第2の端子n3にそれぞれ接続されるように、スイッチ信号s1及びs2を出力して、それぞれスイッチSW1を開にする及びスイッチSW2を閉にする。従って、線間電圧は、時点t1において、公称線間電圧からシグナリング電圧へと遷移する。時点t1におけるこの遷移は、第1の遷移として特徴付けられてもよい。
【0034】
[0040] ある実施形態では、シグナリング電圧は、図3に示されるような公称線間電圧とシグナリング電圧との間の値ΔVが公称線間電圧のばらつきと比較して簡単に区別可能な程十分に大きいが、同時に、シグナリング電圧が照明ユニット120−1〜120−n及び140−1〜140−n内の照明ドライバのドロップアウト電圧よりも大きくなる程十分に小さいように設定されてもよい。一部の実施形態では、シグナリング電圧は、公称線間電圧のあるパーセンテージとなるように設定されてもよい。シグナリング電圧は、公称線間電圧の約90%〜95%の範囲内の一定のパーセンテージに設定されてもよい。120ボルトACの公称線間電圧の場合、それに応じてシグナリング電圧は、約114ボルトAC〜108ボルトACの範囲内に設定されてもよい。他の実施形態では、シグナリング電圧は、例えば80%等の公称線間電圧の他のパーセンテージとして設定されてもよい。コントローラ130内の自動変圧器132は、変圧器タップn2において選択されたシグナリング電圧を供給する為に巻線部分132a及び132bが必要なそれぞれの巻き数を有するように設計される。
【0035】
[0041] 図3に戻って、時点t1に続いて所定の第1の時間間隔PT1が経過した後、スイッチコントローラ134は、ケーブル112の第1及び第2のワイヤが自動変圧器132の第1及び第2の端子n1及びn3にそれぞれ接続されるように、並びに、120ボルトACの線間電圧が再びケーブル112に出力されるように、スイッチ信号s1及びs2を出力して、それぞれスイッチSW1を閉にする及びスイッチSW2を開にする。従って、線間電圧は、時点t2において、シグナリング電圧から公称線間電圧へと遷移する。時点t2におけるこの遷移もまた、第1の遷移として特徴付けられてもよい。
【0036】
[0042] 一部の実施形態では、所定の第1の時間間隔PT1は、システムが設計される際に20ミリ秒と設定されてもよい。他の実施形態では、システムが設計される際に別の所定の第1の時間間隔PT1が設定されてもよい。但し、所定の第1の時間間隔PT1は、スイッチSW1及びSW2の応答時間が所定の第1の時間間隔PT1と比較して無視できるように設定されるべきである。
【0037】
[0043] 時点t2に続いて所定の第1の時間間隔PT1が経過した後、スイッチコントローラ134は、ケーブル112の第1及び第2のワイヤが自動変圧器132の変圧器タップn2及び第2の端子n3にそれぞれ接続されるように、時点t3においてスイッチ信号s1及びs2を出力して、それぞれスイッチSW1を開にする及びスイッチSW2を閉にする。従って、線間電圧は、時点t3において、公称線間電圧からシグナリング電圧へと再び遷移する。時点t3におけるこの遷移は、別の第1の遷移として特徴付けられてもよい。
【0038】
[0044] 後に説明されるように、コントローラ130に続く照明ユニット120−3、120−4、・・・120−n内の照明ドライバは、互いの間に所定の第1の時間間隔を有する時点t1、t2、及びt3における上記複数の第1の遷移を検出した際にシグナリングモードに入るように構成されてもよい。即ち、シグナリングモードは、時点t3において始まる。時点t1から時点t2への時間PT1と同じ、時点t2から時点t3への時間PT1を有する理由の1つは、シグナリング電圧と同じ電圧範囲にあるランダムな線間電圧のばらつきとシグナリング遷移とを照明ドライバが区別できるようにする為である。これにより、シグナリングモードが誤って開始されるのが防がれる。照明ユニットにおいて照明ドライバによって検出された電圧遷移間で計算された時間が所定の時間間隔PT1と一致しない場合には、照明ドライバは、電圧遷移をランダムな線間電圧のばらつきとして無視する。シグナリングモードの開始を表すとして3つの第1の遷移が説明されたが、他の実施形態では、3を超える異なる第1の遷移数及び/若しくは4つ以上の遷移を有する遷移がシグナリングモードの開始を表してもよい、並びに/又は所定の第1の時間間隔PT1は、システムの設計中に設定されるような20ミリ秒よりも長くてもよい若しくは短くてもよい。
【0039】
[0045] シグナリングモードに入ると、コントローラ130のスイッチコントローラ134は、受信された制御信号cont_sigによって示されるような照明ユニット120−3、120−4、・・・120−nの所望の調光レベルに対応する時間間隔Δtを決定する。時点t3における最後の第1の遷移の発生に続いて、所望の調光レベルに対応した所定の時間間隔Δtが経過した後に、スイッチコントローラ134は、時点t4において、スイッチ信号s1及びs2を出力して、それぞれスイッチSW1を閉にする及びスイッチSW2を開にする。ケーブル112の第1及び第2のワイヤは、120ボルトACの線間電圧が再びケーブル112に出力されるように、時点t4において、自動変圧器132の第1及び第2の端子n1及びn3にそれぞれ接続される。従って、線間電圧は、時点t4において、シグナリング電圧から公称線間電圧へと遷移する。時点t4におけるこの遷移は、第2の遷移として特徴付けられてもよい。
【0040】
[0046] 図3に示されるように、時点t4における第2の遷移と、時点t3における最後の第1の遷移との間の時間間隔Δtは、Δt=t4−t3である。時点t4における第2の遷移のタイミングは、第2の遷移と、複数の第1の遷移の内の最後のものとの間の時間間隔Δtが所望の調光レベルに対応した長さを有するように設定されるように、制御信号cont_sigに応答してスイッチコントローラ134によって決定される。一部の実施形態では、時間間隔Δtの範囲は、200ミリ秒≦Δt≦400ミリ秒と定義されてもよく、200ミリ秒の時間間隔Δtは、最小の調光レベル(最も暗い)に対応し、400ミリ秒の時間間隔Δtは、最大の調光レベル(最も明るい)に対応する。時間間隔Δtの範囲は、個々のステップに分割されてもよく、各ステップは、ある特定の調光レベルパーセンテージを表す。スイッチコントローラ134は、様々な所望の調光レベルの個々の時間間隔Δtを保存又はマッピングするメモリを含んでもよく、並びに、保存された又はマッピングされた個々の時間間隔Δtに応じて対応する時点t4においてスイッチ信号s1及びs2を供給するように構成されてもよい。他の実施形態では、時間間隔Δtの異なる範囲が使用されてもよい。但し、時間間隔Δtの範囲は、少なくとも400ミリ秒であるべきである。
【0041】
[0047] 図3に更に示されるように、時点t4における第2の遷移に続いて、シグナリングモードが完了した後に、新しい所望の調光レベルを表す新しい制御信号cont_sigが受信されるまで、コントローラ130のスイッチコントローラ134によって、線間電圧が公称電圧レベルに無期限に維持される。上記の実施形態例では、第1の所定の時間間隔PT1が20ミリ秒に設定される及び時間間隔Δtが最大調光レベルに対応する400ミリ秒の最大値である場合、線間電圧は、1秒未満の非常に短い期間に亘って時間t1〜t4において挿入されたシグナリング遷移によって変えられる。照明ユニットの調光レベルが定常状態を保つ期間の間、シグナリング遷移は、スイッチングコントローラ134によって挿入されず、線間電圧は、120ボルトACで変わらないままである。従って、最小限の電力消費で、1組のシグナリング遷移を使用して、調光制御を提供する及び維持することができる。エラー検出方法として、照明ユニット内の照明ドライバが同じ一連のシグナリング遷移が繰り返されたことを確認できる、及びその結果、一連のシグナリング遷移が本物であったと結論付けることができるように、一連のシグナリング遷移が一度又は連続して二度繰り返されてもよい。更なる実施形態では、時間間隔Δtは、特定の文字を表してもよく、この様な文字の繰り返しの文字列が、複雑なメッセージ又はコマンドを表す為に、線間電圧にエンコードされてもよい。
【0042】
[0048] 上記のような時間間隔Δtの規定範囲を有する実施形態では、時間間隔Δtは、最大調光レベルに対応する400ミリ秒の最大時間間隔Δtmaxに設定されてもよい。更なる実施形態では、スイッチコントローラ134は、制御信号cont_sigに応答して、待機モードに入るように構成されてもよい。待機モードを表す制御信号cont_sigが受信されると、対応する調光レベルを表す時間間隔Δtの規定範囲内で第2の遷移を提供する為に時点t4においてスイッチ信号s1及びs2を出力する代わりに、スイッチコントローラ134は、図3に示される時点t3に続いて所定の第2の時間間隔PT2が経過した後に、スイッチ信号s1及びs2を出力する。即ち、代わりに、スイッチ信号s1及びs2が時点t5において出力される。図3に示されるような所定の第2の時間間隔PT2は、PT2=Δtmax+PT3として定義されてもよく、上記の規定範囲の時間間隔Δtを想定した場合、Δtmaxは400ミリ秒であり、所定の第3の時間間隔PT3は、例えば20ミリ秒と設定されてもよい。即ち、所定の第2の時間間隔PT2は、Δtmaxよりも大きく設定される。所定の第3の時間間隔PT3は、第1の所定の時間間隔PT1と比べて長さが同じでもよい又は異なってもよい。
【0043】
[0049] 時間間隔Δtはまた、特定の「文字」を表してもよく、従って、この様な「文字」の繰り返しの文字列を、複雑なメッセージ又はコマンドを構成する為に、線間電圧にエンコードすることができる。従って、この特許を通して我々が提供する「チャネル」を利用するプロトコルが設計されてもよい。
【0044】
[0050] コントローラ130に続く照明ユニット120−3、120−4、・・・120−n内の照明ドライバは、時点t5において破線によって示される第2の遷移を検出した際に待機モードに入るように構成されてもよい。待機モードでは、照明ユニットの少なくとも1つの内部の照明ドライバは、照明源がこれ以上光を発しないように照明源に駆動電流をこれ以上出力しない及び照明ドライバ内の必須ではない回路の電源も切るように制御されてもよい。待機モードでは、シグナリング遷移の次の1組を受信及び検出する為に必要な最小限の回路が、電源が入れられた状態のままでいる。待機モードを設けることにより、回路遮断器又はリレーを機械的に切り替える代わりに照明ドライバの電源を切ることによって照明源を停止させることができ、従って、過度の突入電流を防止する並びに回路遮断器及びリレーの摩耗を大幅に最小限にする。
【0045】
[0051] 図4は、照明ユニットの一実施形態例を示す。図4に示されるような照明ユニット120−3は、照明ユニット120−1、120−2、120−4、・・・120−n及び140−1〜140−nの何れを代表してもよく、照明ドライバ200及び照明源300を含む。前述のように、照明ユニット120−3等の各照明ユニットは、1つ又は複数の照明源300及び1つ又は複数の照明ドライバ200を含んでもよい。照明ドライバ200は、線間電圧に挿入されたシグナリング遷移を検出する為に下記のように構成されてもよい。照明ドライバ200は、以下に記載されない追加の回路及び構成要素を含み得ることを理解されたい。照明源300は、電子蛍光照明、e−HID(electronic-high intensity discharge)照明、LED照明、又は任意の適切な照明でもよい。
【0046】
[0052] 図4に示されるような照明ドライバ200は、ケーブル112の第1のワイヤに接続された第1の端子を有する抵抗器202、並びに、抵抗器202の第2の端子及びケーブル112の第2のワイヤにそれぞれ接続された第1及び第2の端子を有する抵抗器204を含む。抵抗器202及び204は、共に抵抗分割器として構成される。全波ブリッジ整流器206のノードn4及びn5は、ケーブル112の第1のワイヤ及びケーブル112の第2のワイヤにそれぞれ接続される。全波ブリッジ整流器206のノードn6及びn7は、電力変換器240及び接地ノードにそれぞれ接続される。ダイオード208は、抵抗器202と204との間のノードn8に接続されたアノード及びコンデンサ216の第1の端子に接続されたカソードを有する。コンデンサ216は、接地ノードに接続された第2の端子を有する。抵抗器210は、ダイオード208のカソードに接続された第1の端子を有する。抵抗器212は、それぞれ抵抗器210の第2の端子に接続及び接地された第1及び第2の端子を有する。コンデンサ214は、抵抗器212の第1の端子及び波形弁別器230の入力端子A/Dに接続された第1の端子を有する、並びに、接地された第2の端子を有する。抵抗器210及び212は、共に抵抗分割器として構成される。
【0047】
[0053] 抵抗器218は、コンデンサ216の第1の端子に接続された第1の端子を有する。抵抗器220は、抵抗器218の第2の端子及び接地ノードにそれぞれ接続された第1及び第2の端子を含む。抵抗器222は、抵抗器218の第2の端子に接続された第1の端子を有する。NチャネルFET224は、波形弁別器230の出力端子Bに接続されたゲート端子、抵抗器222の第2の端子に接続されたドレイン端子、及び接地ノードに接続されたソース端子を有する。抵抗器218及び220は、共に抵抗分割器として構成され、ダイオード208によって供給された検出ピーク電圧を分割する。波形弁別器230の出力に応答してnチャネルFET224がオンにされると、抵抗器222は、抵抗器220との並列接続へと切り替えられる。波形弁別器230の出力に応答してnチャネルFET224がオフにされると、抵抗器222は、抵抗器218及び220を含む抵抗分割器から切り離される。NチャネルFET(トランジスタ)226は、抵抗器218の第2の端子に接続されたゲート(第1の)端子、波形弁別器230の入力端子INに接続されたドレイン(第3の)端子、及び接地ノードに接続されたソース(第2の)端子を有する。
【0048】
[0054] 波形弁別器230は、入力端子INに接続されたnチャネルFET226のドレイン端子における電圧レベルに応答して、出力端子Cを介して電力変換器240に調光制御信号を供給するように構成される。波形弁別器230はまた、入力端子A/Dに接続されたコンデンサ214の第1の端子における電圧レベルに応答して、出力端子Bを介してnチャネルFET224のゲート端子にスイッチング信号s3を供給するように構成される。波形弁別器230は、更に接地ノードに接続される。電力変換器240は、波形弁別器230から出力された調光制御信号に応えて、照明源300に送られる電流の量を調整することによって、照明源300の強度を調整する。
【0049】
[0055] 動作中、図4に示された照明ユニット120−3の照明ドライバ200内の全波ブリッジ整流器206は、ケーブル112を介して印加された線間電圧を整流する、並びに電力変換器240及び波形弁別器230へと整流された電圧を供給する。ケーブル112を介して印加された線間電圧は、ダイオード(ピーク検出器)208によって検出されるピークでもあり、検出されたピーク電圧は、コンデンサ216の第1の端子に接続される。抵抗器218及びコンデンサ216は共に、コンデンサ216の両端の電圧が線間電圧に挿入されたシグナリング遷移を追うことできることを保証する程十分に小さいが、同時にきれいな信号を抵抗器218及び220を含む抵抗分割器へと及び続いて波形弁別器230へと伝達することができるようにノイズスパイクを除去できる程十分に大きい時定数を有するRC回路として構成される。抵抗器218及び220を含む抵抗分割器の中間点における分割された電圧は、nチャネルFET226をオン及びオフにさせる。抵抗器218及び220の比率は、ケーブル112に沿って公称線間電圧が供給される通常動作中は、抵抗器218と220との中間点における分割された電圧がnチャネルFET226をオンに維持するように設定され、その為、波形弁別器230の入力端子INが接地ノードに接続される。線間電圧がシグナリング電圧のレベルまで下がると、抵抗器218及び220の中間点における分割された電圧は、nチャネルFET226をオンにし続けることができず、その為、波形弁別器230の入力端子INが接地と比べて高い第1の電圧に接続される。他の実施形態では、抵抗器は、nチャネルFET226のドレインと波形弁別器230の電源との間に挿入されてもよい。この相互接続は、nチャネルFET226のドレインを高い状態に引き上げる。この様に、電源電圧である定義された「高い」及び接地電圧である定義された「低い」が、波形弁別器230の入力端子INに提示されてもよい。
【0050】
[0056] 波形弁別器230は、入力端子INにおける電圧レベル変化に応答して線間電圧に挿入されたシグナリング遷移を検出する、続けて検出されたシグナリング遷移間の時間間隔の長さを計算及び決定する、並びに検出された時間間隔に応答して第1及び第2の遷移の受信を認識するように構成される。波形弁別器230は、第1の遷移に応答してシグナリングモードに入る。波形弁別器230は更に、第2の電圧遷移に応答して所望の調光レベルを表す時間間隔Δtを検出する、並びに、調光制御信号を生成及び出力端子Cを介して電力変換器240へと出力する又は待機モードに入るように構成される。
【0051】
[0057] 図1に関して前述したように、照明システム10のAC線電源100は、二線ケーブルであるケーブル110を介して、120ボルトACの線間電圧を供給することができる。他の照明システムは、三線ケーブルを介して480ボルトACの線間電圧を供給する三相線電源によって電力供給されてもよい。この様な他の照明システムでは、接地に対する1相の線間電圧は、277ボルトACである。簡便さ及び費用対効果を目的として、図4に示される照明ドライバ200は、120ボルトACの公称線間電圧(所定の第1の線間電圧)又は277ボルトACの公称線間電圧(所定の第2の線間電圧)に応答して動作できるように構成可能となり得る。
【0052】
[0058] より詳細には、図4に示される照明ドライバ200におけるダイオード208からの検出ピーク電圧は、抵抗器210の第1の端子に接続される。抵抗器210及び212を含む抵抗分割器の中間点における分割された電圧は、波形弁別器230の入力端子A/Dに接続される。波形弁別器230は、入力端子A/Dにおける電圧に応答して線間電圧が120ボルトAC又は277ボルトACのどちらであるかを検出する及び検出結果を表すスイッチ信号s3を供給するように構成される。公称線間電圧が277ボルトACであることを波形弁別器230が検出すると、抵抗器222が抵抗器220と並列に抵抗分割器と接続されるようにnチャネルFET224をオン状態に維持する為に、スイッチ信号s3は、接地に比べて高い電圧レベルに設定される。公称線間電圧が120ボルトACであることを波形弁別器230が検出すると、抵抗器222が回路から切り離されるようにnチャネルFET224をオフ状態に維持する為に、スイッチ信号s3は、低い電圧レベルに設定される。抵抗器222は、抵抗器220と並列に接続された時に、公称線間電圧が277ボルトACである場合の抵抗器218と220との間の電圧分割器の中間点における分割された電圧が、公称線間電圧が120ボルトACである場合の抵抗器218と220との間の分割された電圧と実質的に同じとなるような抵抗値を有するように選択される。従って、NチャネルFET226は、公称線間電圧が120ボルトAC又は277ボルトACであるかにかかわらず実質的に同じである印加電圧レベルに応答して適切な時にオンにされることが可能であり、その為、照明ドライバ200は、異なる公称線間電圧との使用に対応し得る。他の実施形態では、抵抗器222の値は、277ボルトAC以外の公称線間電圧に対応するように選択されてもよい。
【0053】
[0059] 図4に示された照明ドライバ200の波形弁別器230は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、又は結果に応じてシグナリングモードに入る、調光制御信号を生成する、及び待機モードに入ることができるように、入力端子INにおける電圧レベル変化に応答してシグナリング遷移を検出する及び遷移間の時間間隔を検出することができる任意の回路を含んでもよい。また、波形弁別器230は、スイッチ信号s3を生成する為に入力端子A/Dにおける電圧レベルを検出可能な回路を含んでもよい。一部の実施形態では、波形弁別器230は、プログラム可能でもよく、ソフトウェアプログラミングを保存する為のメモリを含んでもよい。他の実施形態では、波形弁別器230は、抵抗器218及び220を含む抵抗分割器の中間点における分割された電圧の電圧レベル変化を検出できる程十分に高速なマイクロコントローラベースの回路でもよく、その為、分割された電圧は、波形弁別器230の入力端子INに直接入力することができ、nチャネルFET226を省くことができる。
【0054】
[0060] 更なる実施形態では、照明ユニットは、選択的に調光レベルを調整する為に、挿入された遷移に応答してアドレス指定可能でもよい。例えば、照明ユニット120−3内の照明ドライバ200は、図3に示されたt1、t2、及びt3における3つの第1の遷移に応答してシグナリングモードに入るようにアドレス指定可能でもよく、照明ユニット120−4内の照明ドライバ200は、5つの第1の遷移に応答してシグナリングモードに入るようにアドレス指定可能でもよく、これらの第1の遷移の各々は、所定の第1の時間間隔PT1によって互いに分離される。他の実施形態では、照明ユニット120−3内の照明ドライバ200は、所定の第1の時間間隔PT1によって互いに分離される3つの第1の遷移に応答してシグナリングモードに入るようにアドレス指定可能でもよく、照明ユニット120−4内の照明ドライバ200は、所定の第1の時間間隔PT1とは異なる所定の時間間隔によって互いに分離される3つの第1の遷移に応答してシグナリングモードに入るようにアドレス指定可能でもよい。照明ユニットは、異なるそれぞれの第1の遷移の組に応答してアドレス指定可能となるように共にグループ化されてもよい。図2に示されるスイッチコントローラ134は、アドレス指定能力を達成する為に必要なタイミングでスイッチ信号s1及びs2を供給するように構成又はプログラムされてもよい。
【0055】
[0061] 図5は、電気デバイスの負荷制限を制御するシステムの一実施形態例を示す。システム20は、2つのワイヤから構成されるケーブル110によって複数の電気デバイス420−1及び420−2並びにコントローラ430及び450に接続されてもよいAC線電源100を含む。コントローラ430は、2つのワイヤから構成されてもよいケーブル112を介して、複数の電気デバイス420−3、420−4、・・・420−nに接続されてもよい。コントローラ450は、2つのワイヤから構成されてもよいケーブル114によって、複数の電気デバイス440−1、440−2、440−3、・・・440−nに接続されてもよい。AC線電源100は、コンセント電圧でもよい。電気デバイスは、空調装置、暖房装置、送風機、扇風機、又は任意の他の電気負荷等の電気負荷を含んでもよく、各々が、電気負荷を駆動する為の負荷ドライバを含んでもよい。図1に示される照明システム10等の場合と同様に、コントローラ430及び450は、続いて配置される電気デバイスにおける負荷の負荷制限を制御する為に、ケーブル110を介してAC線電源100から供給された線間電圧に対して、公称線間電圧とシグナリング電圧との間を遷移するシグナリング遷移のバーストを挿入する。図5では、2つのコントローラ430及び450のみが示されているが、様々な他の電気デバイスを制御する為に、様々な他の構成で複数の追加のコントローラが配置されてもよい。電気デバイスは、屋内設備の様々な部屋若しくはエリア内、又は屋外設備の様々な場所に配置されてもよい。コントローラ430及び450は、設備内の様々な場所、様々な制御場所、又は中央制御場所に配置されてもよい。
【0056】
[0062] 図6は、システム20の電気デバイスの一実施形態例を示す。図6に示された電気デバイス420−3は、図5に示されたシステム20内の電気デバイス420−1〜420−n及び440−1〜440−nの何れを代表してもよく、負荷ドライバ500及び電気負荷600を含む。負荷ドライバ500は、線間電圧に挿入されたシグナリング遷移を検出する為に、図4に示された照明ドライバ200と同様に構成されてもよい。挿入されたシグナリング遷移は、図3に関して説明された形態のものである。図6において、図4中と同じ回路素子は、同一のそれぞれの参照符号を有し、この様な同一の回路素子の説明は、簡潔さの為に以下から省略される場合がある。
【0057】
[0063] 図6に示されるような負荷ドライバ500は、以下を除いて、図4に示された照明ドライバ200と同様に構成される。電気負荷600は、AC線間電圧によって駆動される空調装置、暖房装置、送風機、又は扇風機でもよいので、負荷ドライバ500は、全波ブリッジ整流器を含まない。波形弁別器230は、入力端子INにおける電圧レベルに応答して負荷制限信号を生成する及び出力端子Cを介して電力変換器550に供給する為に、図4に関して説明したのと同様に構成されてもよい。電力変換器550は、ケーブル112の第1のワイヤに接続される及び電気負荷600の負荷制限を制御する為に負荷制限信号に応答して電気負荷600に送られる電流の量を調整する。負荷制限信号は、例えばエネルギーを節約する為に、オフピーク時間中の空調装置の冷却速度、暖房装置の加熱速度、及び/又は送風機若しくは扇風機の速度を自動的に制御することができる。波形弁別器230は、シグナリングモードに入る、待機モードに入る、及び120ボルトACの公称線間電圧又は277ボルトACの公称線間電圧に応答するように、様々に前述したのと同様に構成されてもよい。
【0058】
[0064] 他の実施形態では、図1〜4に関して説明されたような概念が、追加の制御配線を敷設する及び/又は大規模なインフラの必要性無しに既存の照明システム又は設備に費用対効果の高い調光レベル制御を提供する為に、改良適用例において使用されてもよい。例えば、1つ又は複数の街路に沿った様々な場所の電柱に取り付けられた照明ユニットを含む既存の照明システムの一実施形態では、図2に関して説明されたような1つ又は複数のコントローラ130が、線間電圧にシグナリング遷移を挿入する為に、線間電圧を電柱に給電する既存の二線ケーブルと相互接続されてもよい。コントローラ130は、線間電圧源と少なくとも1つの照明ユニットとの間に配置された既存のケーブルに接続可能なように構成可能な場合がある。旧式照明ドライバを既存の二線ケーブル及び既存の照明ユニット内の光源に直接接続される図4に関して説明したような照明ドライバ200等の改良照明ドライバに置き換えることにより、照明ユニットの調光レベルを制御する及び/又は挿入されたシグナリング遷移に応答した待機モードの提供を可能にするように、既存の照明ユニットの1つ又は複数が改良されてもよい。代替例では、旧式照明ドライバを図6に関して説明された負荷ドライバ500に類似した改良照明ドライバに置き換えるように、既存の照明ユニットの1つ又は複数が改良されてもよい。他の実施形態では、旧式照明ドライバ及び旧式照明源を図4に関して説明された照明ドライバ200等の改良照明ドライバ及び照明源300等の改良照明源にそれぞれ置き換えるように既存の照明ユニットの1つ又は複数が改良されてもよい。同様にして、図5〜6に関して説明されたような概念が、同様に追加の制御配線を敷設する及び/又は大規模なインフラを追加する必要性無しに既存の空調及び/又は暖房システム又は設備に負荷制限制御を提供する為に、改良適用例において使用されてもよい。
【0059】
[0065] また更なる実施形態では、図1に示された照明システム10は、照明器具の調光レベルを制御する為に挿入されたシグナリング遷移を有するDC線間電圧を供給するように構成されてもよい。例えば、AC線電源の代わりに、照明システムは、250ボルトDC又は480ボルトDCの線間電圧を供給するDC線電源に接続されてもよい。他の実施形態では、自動変圧器132並びにスイッチSW1及びSW2を含む代わりに、図2に示されるようなコントローラ130は、ケーブル110に沿って供給されるAC線間電圧に接続されるAC−DC/DC−DCコンバータを含んでもよい。AC−DC/DC−DCコンバータは、ケーブル112に沿って480ボルトDCの線間電圧を出力する及びスイッチコントローラ134によって供給されたタイミング信号に応答して出力線間電圧にシグナリング電圧のシグナリング遷移を挿入するように構成されてもよい。VDR136は、ここでは不必要となり、本実施形態では省かれる。図6に示される負荷ドライバ500において構成されるような照明は、シグナリング遷移を検出する及び対応する照明源に供給される電流の量を調整する為に電力変換器550に調光制御信号を供給する為に使用されてもよい。更なる実施形態では、この様な照明システムは、12ボルト又は24ボルトDCの照明システムの調光レベルを制御する為に使用されてもよい。
【0060】
[0066] 幾つかの発明実施形態を本明細書に説明し例示したが、当業者であれば、本明細書において説明した機能を実行するための、並びに/又は、本明細書において説明した結果及び/若しくは1つ以上の利点を得るための様々な他の手段及び/若しくは構造体を容易に想到できよう。また、このような変更及び/又は改良の各々は、本明細書において説明される発明実施形態の範囲内であるとみなす。より一般的には、当業者であれば、本明細書において説明されるすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示のためであり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、発明教示内容が用いられる1つ以上の特定用途に依存することを容易に理解できよう。当業者であれば、本明細書において説明した特定の発明実施形態の多くの等価物を、単に所定の実験を用いて認識又は確認できよう。したがって、上記実施形態は、ほんの一例として提示されたものであり、添付の請求項及びその等価物の範囲内であり、発明実施形態は、具体的に説明された又はクレームされた以外にも実施可能であることを理解されるべきである。本開示内容の発明実施形態は、本明細書において説明される個々の特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法に関する。さらに、2つ以上のこのような特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせも、当該特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾していなければ、本開示内容の本発明の範囲内に含まれる。
【0061】
[0067] 本明細書において定義されかつ用いられた定義はすべて、辞書の定義、参照することにより組み込まれた文献における定義、及び/又は、定義された用語の通常の意味に優先されて理解されるべきである。
【0062】
[0068] 本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「a」及び「an」の不定冠詞は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
【0063】
[0069] 本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「及び/又は」との表現は、等位結合された要素の「いずれか又は両方」を意味すると理解すべきである。すなわち、要素は、ある場合は接続的に存在し、その他の場合は離接的に存在する。「及び/又は」を用いて列挙される複数の要素も同様に解釈されるべきであり、すなわち、要素のうちの「1つ以上」が等位結合される。「及び/又は」節によって具体的に特定された要素以外の他の要素も、それが具体的に特定された要素に関連していても関連していなくても、任意選択的に存在してよい。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB」との参照は、「含む」といった非制限的言語と共に用いられた場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、A及びBの両方(任意選択的にその他の要素を含む)を指す。
【0064】
[0070] 本明細書及び特許請求の範囲に用いられるように、1つ以上の要素を含むリストを参照した際の「少なくとも1つ」との表現は、要素のリストにおける任意の1つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきであるが、要素のリストに具体的に列挙された各要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組み合わせを排除するものではない。この定義は、「少なくとも1つの」との表現が指す要素のリストの中で具体的に特定された要素以外の要素が、それが具体的に特定された要素に関係していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は、同等に「A又はBの少なくとも1つ」、又は、同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つのA(任意選択的に2つ以上のAを含む)であって、Bがない(任意選択的にB以外の要素を含む)ことを指し、別の実施形態では、少なくとも1つのB(任意選択的に2つ以上のBを含む)であって、Aがない(任意選択的にA以外の要素を含む)ことを指し、さらに別の実施形態では、少なくとも1つのA(任意選択的に2つ以上のAを含む)と、少なくとも1つのB(任意選択的に2つ以上のBを含む)を指す(任意選択的に他の要素を含む)。
【0065】
[0071] さらに、特に明記されない限り、本明細書に記載された2つ以上のステップ又は動作を含むどの方法においても、当該方法のステップ又は動作の順番は、記載された方法のステップ又は動作の順序に必ずしも限定されないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6