【実施例】
【0063】
下記で、実施例を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲を制限するものではない。
製造例1〜24を用いて本願に従う平版印刷版を製造する。
【0064】
製造例1
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に60秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることにより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて2.5g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0065】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1gのパーフルオロエチル アクリレート及び0.2gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中60℃にて12時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.05gの粒径12nmのナノフュームドシリカを加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、10重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(リアクティブブラック)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0066】
製造比較例1
印刷版を、製造例1に記載のとおりであるが、インク反発層用液の製造中に、反応混合物にナノフュームドシリカを加えない(すなわち、製造したインク反発層用液はナノシリカを含まない)点で異なる方法で製造する。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0067】
製造比較例2
印刷版を、製造例1に記載のとおりであるが、インク反発層用液の製造中に、パーフルオロエチル アクリレートを用いず、プロピル メタクリレートを1.2gの量で加える点で異なる方法で製造する。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0068】
製造例2
印刷版を、製造例1に記載のとおりであるが、プロピル メタクリレートを用いず、パーフルオロエチル アクリレートを1.2gの量で加える点で異なる方法で製造する。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0069】
製造例3
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、8重量%炭酸ナトリウム水溶液に80秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて2.8g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.3g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0070】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1gのパーフルオロエチル アクリレート及び0.2gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.1gの粒径20nmのナノフュームドシリカを加え、周波数80kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(リアクティブブラック)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0071】
製造例4
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、12重量%リン酸一ナトリウム水溶液に120秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて2.6g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウム合金プレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.5g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0072】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1gのパーフルオロエチル アクリレート及び0.2gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中70℃にて12時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.15gの粒径30nmのナノフュームドシリカを加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(リアクティブブラック)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0073】
製造例5
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に120秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.1g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.2g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0074】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1.2gのパーフルオロエチル アクリレート及び0.4gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.32gの粒径50nmのナノフュームドシリカを加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、10重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(アシッドブルー9)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0075】
製造例6
ポリカーボネートプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されない。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて2.9g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するポリカーボネートプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.5g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0076】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1.4gのパーフルオロエチル アクリレート及び0.6gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.5gの粒径30nmのナノフュームドシリカを加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、10重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(塩基性ブリリアントブルー)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0077】
製造例7
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、5重量%水酸化ナトリウムと5重量%炭酸水素ナトリウムとの混合水溶液に60秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.3g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.7g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0078】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1.6gのパーフルオロエチル アクリレート及び0.8gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.72gの粒径100nmのナノフュームドシリカを加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、10重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、3重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(リアクティブブラック)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0079】
製造例8
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、8重量%炭酸ナトリウムと12重量%炭酸水素ナトリウムとの混合水溶液に150秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて2.7g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により2.0g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0080】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1.8gのパーフルオロエチル アクリレート及び1gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.11gの粒径50nmのSi
3N
4を加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(リアクティブブラック)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0081】
製造例9
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、15重量%炭酸水素ナトリウム水溶液に200秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.2g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.5g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0082】
ここで、インク反発層用液を次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1.6gの4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレン及び0.8gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.19gの粒径50nmのSi
3N
4を加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(リアクティブブラック)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0083】
製造例10
ポリプロピレンプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されない。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.1g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するポリプロピレンプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.8g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0084】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1.6gのN-アリル-パーフルオロブチル スルファミド及び0.8gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.29gの粒径100nmのSi
3N
4を加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、10重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(リアクティブブラック)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0085】
製造例11
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に150秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.5g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により2.2g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0086】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1.6gの4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレン及び0.8gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて24時間反応させる;最後に、0.38gの粒径150nmのSi
3N
4を加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20wt%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、3wt%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2wt%の染料(リアクティブブラック)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0087】
製造例12
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、10重量%リン酸ナトリウム水溶液に60秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて2.8g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.9g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0088】
ここで、インク反発層用液は次のように調製する:三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、1.6gの4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレン及び0.8gのプロピル メタクリレートを加えた後、12gのブタノン及び0.05gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて36時間反応させる;最後に、この反応混合物に0.48gの粒径30nmのSi
3N
4を加え、周波数50kHzの超音波処理を30分間行い、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、10wt%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0089】
製造例13
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、10重量%水酸化ナトリウム水溶液に30秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.6g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により2.3g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0090】
ここで、インク反発層用液は下記の方法により調製する。
5gのシランカップリング剤 ビニル トリメトキシ シランA-171を100gのアセトンに加えた後、1.5gの粒径12nmのナノフュームドシリカを加え、それらを均一に撹拌し、周波数50kHzの超音波処理を30分間行う;次いで、超音波処理後の溶液を濾過し、固形物を回収する;最後に、回収した固形物を200℃のエアーで3時間乾燥させて、カップリング剤処理ナノシリカを得、将来の使用に備えてデシケータ内に置く。
三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、2gの4-パーフルオロ (2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを加えた後、10gのN-メチル ピロリドン及び0.5gの調製したカップリング剤処理ナノシリカを加え、それらを室温(25℃)にて1時間撹拌し、温度を65℃まで上昇させ、0.3gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させ、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(リアクティブブラック)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0091】
製造例14
印刷版を、製造例13に記載のとおりであるが、ナノシリカをカップリング剤で処理しない(すなわち、ナノシリカは、製造例13のカップリング剤処理工程で原材料として使用したナノシリカである)点で異なる方法で製造する。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0092】
製造例15
印刷版を、製造例13に記載のとおりであるが、4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを等重量のパーフルオロエチル アクリレートに置換する点で異なる方法で製造する。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0093】
製造例16
印刷版を、製造例13に記載のとおりであるが、4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを等重量の(N-メチル-パーフルオロヘプチル-アミド)エチル アクリレートに置換する点で異なる方法で製造する。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0094】
製造例17
印刷版を、製造例13に記載のとおりであるが、4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを等重量の(N-メチル-パーフルオロオクチル-スルホンアミド)エチル アクリレートに置換する点で異なる方法で製造する。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0095】
製造例18
印刷版を、製造例13に記載のとおりであるが、4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを等重量の4-トリフルオロメチル スチレンに置換する点で異なる方法で製造する。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0096】
製造例19
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、1重量%水酸化ナトリウム水溶液に60秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.5g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.8g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0097】
ここで、インク反発層用液は下記の方法により調製する。
5gのシランカップリング剤 ビニル トリ(β-メトキシエトキシ) シランA-172を100gのアセトンに加えた後、1.5gの粒径150nmのSi
3N
4を加え、それらを均一に撹拌し、周波数100kHzの超音波処理を30分間行い、次いで、超音波処理後の溶液を濾過し、固形物を回収する;最後に、回収した固形物を200℃のエアーで3時間乾燥させて、カップリング剤処理ナノシリカを得、将来の使用に備えてデシケータ内に置く。
三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、2gの4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを加えた後、10gのブタノン及び0.5gの調製したカップリング剤処理Si
3N
4を加え、それらを室温(25℃)にて1時間撹拌し、温度を65℃まで上昇させ、0.3gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させ、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、3重量%の染料(塩基性ブリリアントブルー)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0098】
製造例20
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、5重量%リン酸ナトリウム及び5重量%リン酸一ナトリウムの混合水溶液に100秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.5g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により1.6g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0099】
ここで、インク反発層用液は下記の方法により調製する。
5gのシランカップリング剤 ビニル トリエトキシ シランA-151を100gのアセトンに加えた後、1.5gの粒径50nmのナノフュームドシリカを加え、それらを均一に撹拌し、周波数50kHzの超音波処理を30分間行う;次いで、超音波処理後の溶液を濾過し、固形物を回収し、回収した固形物を200℃のエアーで3時間乾燥させて、カップリング剤処理ナノシリカを得、将来の使用に備えてデシケータ内に置く。
三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、2.5gの4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを加えた後、10gのブタノン及び0.5gの調製したカップリング剤処理ナノシリカを加え、それらを室温(25℃)にて1時間撹拌し、温度を65℃まで上昇させ、0.3gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させ、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(塩基性ブリリアントブルー)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0100】
製造例21
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、10重量%リン酸ナトリウム水溶液に60秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて2.9g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により2.5g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0101】
ここで、インク反発層用液は下記の方法により調製する。
5gのシランカップリング剤 ビニル トリエトキシ シランA-151を100gのアセトンに加えた後、1.5gの粒径100nmのナノフュームドシリカを加え、それらを均一に撹拌し、周波数80kHzの超音波処理を30分間行い、次いで、超音波処理後の溶液を濾過し、固形物を回収し、回収した固形物を200℃のエアーで3時間乾燥させて、カップリング剤処理ナノシリカを得、将来の使用に備えてデシケータ内に置く。
三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、3gの4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを加えた後、10gのブタノン及び0.5gの調製したカップリング剤処理ナノシリカを加え、それらを室温(25℃)にて1時間撹拌し、温度を65℃まで上昇させ、0.3gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させ、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、10重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(塩基性ブリリアントブルー)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0102】
製造例22
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、1wt%水酸化ナトリウム及び5wt%リン酸ナトリウムの水溶液に30秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.7g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により2.3g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0103】
ここで、インク反発層用液は下記の方法により調製する。
5gのシランカップリング剤 ビニル トリエトキシ シランA-151を100gのアセトンに加えた後、1.5gの粒径15nmのナノフュームドシリカを加え、それらを均一に撹拌し、周波数60kHzの超音波処理を30分間行う;次いで、超音波処理後の溶液を濾過し、固形物を回収し、回収した固形物を200℃のエアーで3時間乾燥させて、カップリング剤処理ナノシリカを得、将来の使用に備えてデシケータ内に置く。
三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、2.5gの4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを加えた後、15gのブタノン及び0.5gの調製したカップリング剤処理ナノシリカを加え、それらを室温(25℃)にて1時間撹拌し、温度を65℃まで上昇させ、0.3gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させ、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(塩基性ブリリアントブルー)、及び水(不定)からなる。製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0104】
製造例23
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、8重量%炭酸ナトリウム水溶液に180秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.9g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて200℃のエアーで20分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により2.0g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて150℃のエアーで20分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0105】
ここで、インク反発層用液は下記の方法により調製する。
5gのシランカップリング剤 ビニル トリエトキシ シランA-151を100gのアセトンに加えた後、1.5gの粒径100nmのナノフュームドシリカを加え、それらを均一に撹拌し、周波数100kHzの超音波処理を30分間行う;次いで、超音波処理後の溶液を濾過し、固形物を回収し、回収した固形物を200℃のエアーで3時間乾燥させて、カップリング剤処理ナノシリカを得、将来の使用に備えてデシケータ内に置く。
三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、2.5gの4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを加えた後、20gのブタノン及び0.5gの調製したカップリング剤処理ナノシリカを加え、それらを室温(25℃)にて1時間撹拌し、温度を65℃まで上昇させ、0.3gのアゾジイソブチロニトリルを加え窒素中65℃にて12時間反応させ、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、10重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(塩基性ブリリアントブルー)、及び水(不定)からなる。 製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【0106】
製造例24
アルミニウムプレートを基板として使用する。この基板は粗面化に供されないが、使用前に、2重量%水酸化ナトリウム水溶液に30秒間浸漬し、水で濯いだ後に乾燥させることより脱油に供する。
インク反発層用液を、スピンコーターにより、速度4500rpmにて3.2g・m
-2の被覆量で基板の1つの表面に塗布し、続いて180℃のエアーで30分間固化して、インク反発層を有するアルミニウムプレートを得る。インク反発層の水接触角を測定し、表面エネルギーを算出する。
図・文字層用インクを、インク反発層の表面にインクジェット印刷法により2.2g・m
-2の被覆量でスプレーし、続いて180℃のエアーで30分間固化して、本発明に従う印刷版を得る。
【0107】
ここで、インク反発層用液は下記の方法により調製する。
5gのシランカップリング剤 ビニル トリエトキシ シランA-151を100gのアセトンに加えた後、1.5gの粒径30nmのシリコン カーバイドを加え、それらを均一に撹拌し、周波数50kHzの超音波処理を30分間行う;次いで、超音波処理後の溶液を濾過し、固形物を回収し、回収した固形物を180℃のエアーで4時間乾燥させて、カップリング剤処理シリコン カーバイドを得、将来の使用に備えてデシケータ内に置く。
三つ口フラスコにおいて、窒素の保護下に、2.5gの4-パーフルオロ(2-イソプロピル-1,3-ジメチル-1-ブテニル)オキシ スチレンを加えた後、30gのシクロヘキサノン及び0.5gの調製したカップリング剤処理シリコン カーバイドを加え、それらを室温(25℃)にて1時間撹拌し、温度を65℃まで上昇させ、0.4gのジベンゾイル パーオキシドを加え窒素中65℃にて24時間反応させ、インク反発層用液を得る。
図・文字層用インクは、図・文字層用インク基準で、20重量%の水溶性フェノール樹脂(Hengtai Chemical Corporation[Jining, China]からPF3211の名称で購入)、2重量%のオルガノシリコーンレベリング剤(German BYKからBYK-331の名称で購入)、2重量%の染料(塩基性ブリリアントブルー)、及び水(不定)からなる。
【0108】
製造した印刷版の性能パラメータを表1に掲載する。
【表1】
【0109】
製造例25〜31を使用して水性印刷インクを製造する。
製造例25
(1)モノマーaの製造
フェノールを三つ口フラスコに加え、フェノールの重量の4倍程度の水を加えて、撹拌下にフェノールを溶解し、(37重量%水溶液の)ホルムアルデヒドをフェノールのモル数の2倍程度加え、それらを均一に撹拌し、総溶液重量の10重量%に等しい水酸化ナトリウムを加え、撹拌下に室温(25℃)にて12時間反応させ、反応完了後に希塩酸を加えて溶液を中和させ中性にし、酢酸エチルによりモノマーa(すなわち、2,6-ジメチロール フェノール)を抽出する。
【0110】
(2)高分岐メチロール フェノールAの製造
モノマーaを10重量%エタノール溶液に調製し、触媒として、総溶液重量の4%に等しい(濃度20重量%の)水酸化アンモニウムを加え、60℃にて6時間反応させ、溶媒を除去して数平均分子量1100及び分岐度80%の高分岐ポリマーA(すなわち、高分岐メチロール フェノール)を得る。
反応プロセスを下記に示す。
【0111】
【化4】
【0112】
(3)水性印刷インクの製造
65重量部の上記で製造した高分岐ポリマーAを3-ローラ装置に置き、600r/分にて、10重量部の粒径50nmのナノカルシウム カーボネート、15重量部の黄色有機染料及び10重量部の水を加え、粉末度が10μm未満となるまで粉体を粉砕して、表2に示す特性を有する水性印刷インクを得る。
【0113】
製造例26
(1)モノマーbの製造
トリ(4-ヒドロキシ-フェニル)メタン(すなわち、
【化5】
)を三つ口フラスコ内に置き、トリ(4-ヒドロキシ-フェニル)メタンの重量の1倍程度の水及びトリ(4-ヒドロキシ-フェニル)メタンの重量の3倍程度のテトラヒドロフランを加え、撹拌し、それらを溶解させた後、トリ(4-ヒドロキシ-フェニル)メタンと等モルのエピクロロヒドリンを加え、それらを均一に撹拌し、次いで総溶液重量の5重量%に等しい水酸化ナトリウムを加え、それらを室温(25℃)にて6時間撹拌し、反応終了後に減圧蒸留を行い、酢酸エチルによりモノマーb(すなわち、
【化6】
)を抽出する。
【0114】
(2)高分岐ポリヒドロキシ エポキシドBの製造
モノマーbを10重量%エタノール溶液に調製し、触媒として、総溶液重量の1重量%に等しい水酸化ナトリウムを加え、60℃にて4時間反応させ、数平均分子量2450及び分岐度60%の高分岐ポリマーB(すなわち、高分岐ポリヒドロキシ エポキシド)を得る。
反応プロセスを下記に示す。
【化7】
【0115】
(3)水性印刷インクの製造
70重量部の上記で製造した高分岐ポリマーBを3-ローラ装置に置き、600r/分にて、5重量部の粒径50nmのナノマグネシウム シリケート、15重量部の青色有機染料及び10重量部の水を加え、粉末度が10μm未満となるまで粉体を粉砕して、表2に示す特性を有する水性印刷インクを得る。
【0116】
製造例27
(1)高分岐ポリアミドCの製造
3,5-ジカルボキシ アニリンを三つ口フラスコ内に置き、3,5-ジカルボキシ アニリンの重量の1倍程度の水及び3,5-ジカルボキシ アニリンの重量の3倍程度のエタノールを加え、撹拌し、それらを溶解させた後、溶液を60℃に加温し、この温度にて撹拌下に6時間反応させ、反応完了後に減圧蒸留を行い、酢酸エチルにより数平均分子量1020及び分岐度75%の高分岐ポリマーC(すなわち、高分岐ポリアミド)を抽出する。
反応プロセスを下記に示す。
【化8】
【0117】
(2)水性印刷インクの製造
60重量部の上記で製造した高分岐ポリマーCを3-ローラ装置に置き、10重量部の粒径20nmのナノシリカ、20重量部の赤色有機染料及び10重量部の水を加え、粉末度が10μm未満となるまで粉体を粉砕して、表2に示す特性を有する水性印刷インクを得る。
【0118】
製造例28
40重量部の高分岐ポリマーA及び40重量部の高分岐ポリマーBを3ローラ装置に置き、600r/分にて、5重量部の粒径100nmのナノマグネシウム シリケート、10重量部の黒色有機染料及び5重量部の水を加え、粉末度が10μm未満となるまで粉体を粉砕して、表2に示す特性を有する水性印刷インクを得る。
【0119】
製造例29
35重量部の高分岐ポリマーB及び35重量部の高分岐ポリマーCを3ローラ装置に置き、600r/分にて、5重量部の粒径100nmのナノマグネシウム シリケート、15重量部の黒色有機染料及び10重量部の水を加え、粉末度が10μm未満となるまで粉体を粉砕して、表2に示す特性を有する水性印刷インクを得る。
【0120】
製造例30
40重量部の高分岐ポリマーA及び40重量部の高分岐ポリマーCを3ローラ装置に置き、600r/分にて、5重量部の粒径50nmのナノマグネシウム シリケート、5重量部の青色有機染料及び10重量部の水を加え、粉末度が10μm未満となるまで粉体を粉砕して、表2に示す特性を有する水性印刷インクを得る。
【0121】
製造例31
25重量部の高分岐ポリマーA、25重量部の高分岐ポリマーB及び25重量部の高分岐ポリマーCを3ローラ装置に置き、600r/分にて、7重量部の粒径200nmのナノマグネシウム シリケート、15重量部の青色有機染料及び3重量部の水を加え、粉末度が10μm未満となるまで粉体を粉砕して、表2に示す特性を有する水性印刷インクを得る。
【0122】
【表2】
【0123】
実施例1〜24は、本発明に従う平版印刷システム及び平版印刷法を説明するためのものとして意図されている。
実施例1〜24は、
図2に示される平版印刷システムを採用するが、平版印刷版が、表3に列挙される水性印刷インクを印刷に用いることにより製造例1〜24においてそれぞれ製造されたものである点で異なる。平版印刷版の連続印刷並びに得られる印刷物の解像度及びドット再現性を表3に列挙する。ドット再現性は、平版印刷による印刷物の品質の要件及び検査法CYT 5-1999(CYT 5-1999 Requirements and Inspection Method of the Quality of Planographic Presswork)で特定される方法により測定され、連続印刷はハイデルベルクの四色印刷(Heidelberg four-color press)により測定される。
【0124】
【表3】
【0125】
表3の結果は、本発明に従う平版印刷システムが水性印刷インクによる印刷を実現可能であり、平版印刷版の連続印刷数は高く、得られる印刷物は高解像度及び高ドット再現性を伴う良好な印刷品質であることを証明する。