(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242435
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】文書管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20171127BHJP
G06Q 50/24 20120101ALI20171127BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q50/24
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-95758(P2016-95758)
(22)【出願日】2016年5月12日
(65)【公開番号】特開2017-204160(P2017-204160A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2016年5月17日
【審判番号】不服2016-18970(P2016-18970/J1)
【審判請求日】2016年12月19日
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502351659
【氏名又は名称】株式会社医療情報技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100196760
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】姫野 信吉
【合議体】
【審判長】
金子 幸一
【審判官】
佐藤 智康
【審判官】
相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−197713(JP,A)
【文献】
特開2007−265344(JP,A)
【文献】
特開2003−076822(JP,A)
【文献】
特開2005−158064(JP,A)
【文献】
特開2005−267476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の案件を管理する案件管理手段と、複数の文書カテゴリーを管理する文書カテゴリー管理手段と、前記文書カテゴリー毎に文書を記録する文書カテゴリー毎文書記録手段を備えた医療や介護施設で使用する文書管理システムであって、
文書の処理状態を通知するトリガーとなるトリガー条件を、ユーザーであるスタッフが随時自在に設定可能であるトリガー条件設定手段、
前記トリガー条件に該当する文書を検知するトリガー条件該当文書検知手段、
前記トリガー条件に該当すると検知された文書を通知する通知先を設定する通知先設定手段、
前記トリガー条件該当文書検知手段がトリガー条件に該当することを検知したトリガー該当文書を前記通知先設定手段で設定された通知先に通知するトリガー該当文書通知手段、を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記トリガー条件設定手段は、トリガー条件を設定する範囲として、(1)任意の前記文書カテゴリーに属する文書および関連文書の全体、(2)前記文書カテゴリーに属する文書のうち特定の文書群および関連文書、(3)前記文書カテゴリーに属する文書のうち特定の文書および関連文書、のいずれかを設定する文書範囲設定手段を備えたことを特徴とする請求項1の文書管理システム。
【請求項3】
前記トリガー条件設定手段は、前記文書範囲設定手段で設定された範囲に属する文書の作成、更新、削除、前記文書の関連文書の作成、更新、削除の処理状態のうち、少なくとも一つの処理状態を設定可能とする文書処理状態指定手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記通知先設定手段は、少なくとも特定のスタッフ、特定の職種に属するスタッフ、特定の勤務場所に属するスタッフ、および前記スタッフの任意の組合せを通知先として設定可能としたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記トリガー該当文書通知手段は、本文書管理システム内メールシステムまたは付箋システム、本文書管理システム外の院内メールシステム、院外の公衆向けメールシステムのいずれか、ないし前記の任意の組合せを利用可能であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記トリガー該当文書通知手段は、前記トリガー該当文書への参照手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の文書管理システム。
【請求項7】
前記トリガー該当文書通知手段は、当該通知が、前記通知先で読まれたことを確認する通知既読確認手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の文書管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の案件に対し、コンピュータネットワークを介して多数のスタッフが並行して作業を行う際に、必要な指示や記録のための文書を効率よく管理する文書管理システム、とりわけ病院などで患者の治療や看護に関する指示や記録文書を管理する電子カルテなどの文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の治療などにおいては、医師や看護師、介護士、リハビリ担当者、薬剤師、検査技師など多数の職種が関与する。医師の指示文書に基づいて、担当の職種が指示を確認、準備、実行し、記録文書を作成する。複数の職種が関与する、血液検査を例にとると、看護師が採血し、検査技師に検体を引き継ぎ、検査を実行し、その結果を報告文書に記録する。
【0003】
複数の病棟があり、検査指示文書が各病棟から送られてくる場合、検査技師は自らの作業スケジュール(ワークシート)を作成し、各病棟に通知する。病棟の看護師は、ほかの放射線や生理検査部門などの各部門から送られてくるスケジュールをもとに自らのスケジュールを作成し、そのスケジュールに基づいて採血を行い、検体を検査室に送付する。
【0004】
このように、多様な指示文書を、多数の職種が分散並行して処理を行い、その結果を記録文書で残す必要がある。作業に当たっては、患者ごと、職種ごとにワークシートを作成して手際よく作業を進めることが必須である。また、複数の職種に作業がまたがる場合などは、現在の作業の進捗状況を把握して、作業の実施漏れや重複実施を予防する必要がある。
この出願に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−066213号公報
【特許文献2】特開2012−033095号公報
【0006】
特許文献1、2では、医療上の指示文書に対して、確認、実施、結果報告などの関連文書を作成し、当該指示が、どのスタッフにより、どの段階まで実施されているかを確認できるようにしたものである。また、病棟毎、サービス部門ごとに指示文書を集約してワークシートを自動作成し、各指示の進捗状況を、関連文書の作成段階によって文書の色を変えるなどの手法で、一覧できるようにしたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
患者の状態は常に変化する。それに合わせて、医療の指示は常に変化する。
すなわち、急に新しい指示文書が作成されたり、逆に出ていた指示文書の内容が変化したり、あるいは削除されたりする。
これらの変化を見逃すと実施漏れなどの医療ミスにつながるため、各職種の医療スタッフは電子カルテの前記ワークシート画面で、指示内容の追加や変更、削除が無いか、常時モニターする必要があった。このため、多大な時間が浪費されていた。
【0008】
血液検査などでは、指示が出てから実施、検査結果が出るまで時間を要する。
また、定期検査の指示では、指示を出した医師が気づかないうちに結果報告文書が作成される。このため、せっかく行われた検査の多くが、適時に参照されず、甚だしい場合は全く医師に見られずに終わっている。実際に米国の病院で行われた調査では、血液検査やレントゲン検査などの4割が適切な時期に参照されずに終わっているとの結果が得られている。
さらに、この見落としが、医療事故の原因として、やはり4割に上るとの推計もなされている。また、このような見落としによる医療事故を防ぐため、採血結果などで異常値が出た際、医療スタッフは、担当医師が当該結果を既に参照しているかどうか確認作業を余儀なくされており、余分な作業が生じていた。
【0009】
本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、医療上などでの指示文書や記録文書の変化を、その変化を知る必要のあるスタッフに速やかに通知することにより、変化の常時モニターを不要とすることで、見落としを無くし、その分の時間の有効活用を可能にすること、また、せっかく実施された検査結果などの報告が、適時かつ確実に医師などに参照され、参照の事実が速やかに関連の医療スタッフに通知される文書管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための手段として、請求項1記載の文書管理システムでは、複数の案件を管理する案件管理手段と、複数の文書カテゴリーを管理する文書カテゴリー管理手段と、前記文書カテゴリー毎に文書を記録する文書カテゴリー毎文書記録手段を備えた
医療や介護施設で使用する文書管理システムであって、
文書の処理状態を通知するトリガーとなるトリガー条件を、
ユーザーであるスタッフが随時自在に設定可能であるトリガー条件設定手段、
前記トリガー条件に該当する文書を検知するトリガー条件該当文書検知手段、
前記トリガー条件に該当すると検知された文書を通知する通知先を設定する通知先設定手段、
前記トリガー条件該当文書検知手段がトリガー条件に該当することを検知したトリガー該当文書を前記通知先設定手段で設定された通知先に通知するトリガー該当文書通知手段、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の文書管理システムでは、請求項1の文書管理システムにおいて、前記トリガー条件設定手段は、トリガー条件を設定する範囲として、(1)任意の前記文書カテゴリーに属する文書および関連文書の全体、(2)前記文書カテゴリーに属する文書のうち特定の文書群および関連文書、(3)前記文書カテゴリーに属する文書のうち特定の文書および関連文書、のいずれかを設定する文書範囲設定手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の文書管理システムでは、
請求項2記載の文書管理システムにおいて、前記トリガー条件設定手段は、前記文書範囲設定手段で設定された範囲に属する文書の作成、更新、削除、前記文書の関連文書の作成、更新、削除の処理状態のうち、少なくとも一つの処理状態を設定可能とする文書処理状態指定手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の文書管理システムでは、請求項1ないし3いずれか記載の文書管理システムにおいて、前記通知先設定手段は、少なくとも特定のスタッフ、特定の職種に属するスタッフ、特定の勤務場所に属するスタッフ、および前記スタッフの任意の組合せを通知先として設定可能としたことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の文書管理システムでは、請求項1ないし4いずれか記載の文書管理システムにおいて、前記トリガー該当文書通知手段は、本文書管理システム内メールシステムまたは付箋システム、本文書管理システム外の院内メールシステム、院外の公衆向けメールシステムのいずれか、ないし前記の任意の組合せを利用可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の文書管理システムでは、請求項1ないし5いずれか記載の文書管理システムにおいて、前記トリガー該当文書通知手段は、前記トリガー該当文書への参照手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の文書管理システムでは、請求項1ないし6いずれか記載の文書管理システムにおいて、前記トリガー該当文書通知手段は、当該通知が、前記通知先で読まれたことを確認する通知既読確認手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の文書管理システムではトリガー条件設定手段を備えているので、このトリガー条件設定手段で設定された文書ないし関連文書が作成、あるいは変更、削除された際に(文書処理状態指定手段)トリガーが起動され、通知が行われる。
トリガー条件該当文書検知手段を備えているので、このトリガー条件該当文書検知手段がトリガー条件設定手段で設定された文書ないし関連文書の変更、削除を検知する。
トリガー該当文書通知手段を備えているので、このトリガー該当文書通知手段がトリガー該当文書を通知先設定手段で設定された通知先に通知する。
【0018】
請求項2記載の文書管理システムでは、トリガー条件の範囲を設定する文書範囲設定手段を備えているので、(1)任意の前記文書カテゴリーに属する文書および関連文書の全体、(2)前記文書カテゴリーに属する文書のうち特定の文書群および関連文書、(3)または前記文書カテゴリーに属する文書のうち特定の文書および関連文書、のいずれかの範囲を指定してトリガー条件が設定可能である。
【0019】
請求項3記載の文書管理システムでは、文書処理状態指定手段を備えているので、文書範囲設定手段で設定された範囲に属する文書の作成、更新、削除、前記文書の関連文書の作成、更新、削除の処理状態のうち、少なくとも一つの処理状態が設定可能である。
【0020】
請求項4記載の文書管理システムでは、通知先の設定を、少なくとも特定のスタッフ、特定の職種に属するスタッフ、特定の勤務場所に属するスタッフ、または前記スタッフの任意の組合せを設定可能としたので、適切な通知先に通知が行われる。
【0021】
請求項5記載の文書管理システムでは、トリガー該当文書通知手段が、本文書管理システム内メールシステムまたは付箋システム、本文書管理システム外の院内メールシステム、院外の公衆向けメールシステムのいずれか、ないし前記の任意の組合せを利用可能とされているので、適切な通知システムが選択的に適用される。
【0022】
請求項6記載の文書管理システムでは、トリガー該当文書への参照手段を備えているので、トリガー該当文書通知手段によって通知される文書に関連する情報を参照することができる。
【0023】
請求項7記載の文書管理システムでは、通知既読確認手段を備えているので、トリガー該当文書通知手段によって通知される通知が、通知先で読まれたことを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】案件管理手段としての患者IDマスターの説明図である。
【
図4】指示文書処理の進行に伴う関連文書作成と、それをトリガーとする通知先の説明図である。
【
図5】トリガー条件および通知先設定テーブルの説明図である。
【
図6】トリガー該当文書通知手段での通知文書の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、案件管理手段として、ここでは患者IDマスターを例にとっている。
案件や患者毎にユニークな管理番号(ID番号)を振り、全ての指示文書や記録文書を、この番号に紐づけて管理する。患者氏名や生年月日など、固有の情報も、ここで管理することとしている。
以下、医療上のカルテを例にとって説明するが、本発明は電子カルテに限られるものではなく、プロジェクト推進のための文書管理などにも応用できることは言うまでもない。
【0026】
図2は、文書カテゴリー管理手段の説明図である。
案件(ここでは患者カルテ)毎に作成される文書カテゴリーのIDと、文書種類名、文書に含まれる項目や書式情報、スタッフのアクセス権などを、文書カテゴリーごとに一元管理している。
項目や書式、アクセス権などは、ここではXML形式のオブジェクトとして記録しているが、これに限られるものではなく、本発明の目的に沿うならば、表現形式はJSON形式などでもよく、記録形態も随意であり、リレーショナルデータベースを用いて項目ごとにレコードを立てて記録、管理してもよい。
【0027】
図3は、文書カテゴリー毎記録手段の説明図である。
ここでは、前記文書カテゴリーのIDを付することで、全文書カテゴリー毎記録を一元管理している。
文書ごとに、管理用の通し番号である文書ID、文書作成日時、患者ID、文書カテゴリーID、作成者などの検索用データと、文書データの実体であるXML形式のオブジェクトデータを記録している。
ここで文書データの記録は、前記
図2と同様に、表現形式はJSON形式などでもよく、記録形態も随意であり、リレーショナルデータベースを用いて項目ごとにレコードを立てて記録、管理してもよい。
【0028】
図4では、血液検査を例にとり、処理の流れと、トリガー条件、通知先の設定を説明する。
ここで
図5は、トリガー条件設定手段および通知先設定手段により作成されたトリガー条件および通知先設定テーブルである。
トリガー条件設定手段で設定された文書ないし関連文書が作成、あるいは変更、削除された際に(文書処理状態指定手段)トリガーが起動され、通知が行われる。
(1)医師(A)により、患者ID2596の採血指示文書が作成される。この文書が作成されたことは、採血を担当する、患者が入院している当該病棟の看護師グループ、検査を担当する臨床検査技師グループに通知される(
図5・第1行)。
これにより、病棟看護師や臨床検査技師は、指示文書が新たに作成されていないか、変更や削除が無いかを、ワークシート画面などで常時確認する必要がなくなり、すぐに準備などの対応に取り掛かることができる。同時に見落としからくる実施漏れの危険も激減する。
【0029】
(2)通知を受けた当該病棟看護師グループのうち、看護師(B)は当該指示を確認、採血の準備を始めるとともに、指示確認の関連文書を作成する。
【0030】
(3)当該患者を担当している看護師(C)が採血を行い、採血した検体を臨床検査室に届けると同時に、採血完了の関連文書を作成する。
ここでは、検体を届けること自体が通知を兼ねるので、トリガー通知の必要はない。
【0031】
(4)検体を受け取った臨床検査技師(D)は検体の検査に取り掛かる。
【0032】
(5)検体検査が終了すると、臨床検査技師(D)は、結果報告文書を電子カルテに入力するとともに、臨床検査完了の関連文書を作成する。
この関連文書が作成されたことは、
図5・第2行により指示を出した医師(A)、当該病棟の看護師グループに通知される。これにより、指示作成と結果報告の間に時間差があったとしても、見落としなく、直ちに結果が参照され、有効な治療方針の作成に貢献することができる。
【0033】
(6)通知を受けた医師(A)は、当該患者のカルテを開き、検査結果を参照するとともに、参照したことの関連文書を作成する。
これにより、従来は医師が結果を見たかどうかの確認に手間取っていた病棟看護師の業務量が軽減される。
【0034】
前記トリガー条件および通知先設定テーブルは、特定の文書にのみ設定しても良いが、通常は、ある文書カテゴリーに属する文書および関連文書の全体(例えば血液検査指示書など)、特定の文書群および関連文書(例えば入院中の患者に関する等)などに対して、指示文書が作成された段階で、標準的に設定するとしておけば設定漏れがなく有用である。
通知先は、通知先設定手段で設定される。特定のスタッフ(この例では医師(A))、特定の職種(この例では看護師)に属するスタッフ、特定の勤務場所(例この例では、その患者が入院している病棟)に属するスタッフ、および前記スタッフの任意の組合せで設定可能である。
この通知先の設定においても前記トリガー条件と同様、ある文書カテゴリーに属する文書および関連文書の全体(例えば血液検査指示書など)、特定の文書群および関連文書(例えば入院中の患者に関する等)などに対して、指示文書が作成された段階で、標準的に設定するとしておけば設定漏れがなく有用である。
【0035】
上記のように、指示文書が新規作成されるごとにトリガー条件および通知先設定テーブルを作成するようにしておけば、ある関連文書が作成されるなど状態が変化した際にトリガー条件に合致するかをチェックする(トリガー条件該当文書検知手段)範囲は、当該文書及び関連文書と、当該文書に設定された、トリガー条件および通知先設定テーブルだけに留まるため、最小の検索範囲でトリガー条件のチェックが可能である。
なお、計算機の性能が向上した現在、トリガー条件および通知先設定テーブルを別個に管理し、文書全体に対して検索をかけても本発明の範囲に含まれる。
【0036】
図6は、トリガー条件に合致すると判定された場合、通知先に送付される通知文書の一例である。URLにはスクリプトが埋め込まれており、これをクリックすると、当該患者の電子カルテが開き、血液検査の結果を参照することができる(トリガー該当文書への参照手段)。
このURLのスクリプトを工夫し、単に当該患者の電子カルテを通常の形でモニター画面に表示するだけでなく、この例では、血液検査結果を表示したり、
図4における既読確認の関連文書を作成することも有用である。
【0037】
通知文書は、電子カルテシステム内のメッセージシステムまたは付箋システム、電子カルテ本体には含まれないが院内の電子メールシステム、公衆に提供されている外部の電子メールシステムのいずれを利用しても良いが、外部の電子メールシステムは、ウィルスや盗聴などのセキュリティ上の問題があり、院内に閉じられたメッセージング/付箋/電子メールシステムを利用することが望ましい。
【0038】
以上、実施例を説明したが、本発明の具体的な構成は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、
図4以下の説明においては、最も有用性が高いと思われる作業の進行に応じて作成される関連文書をもとに本発明を説明したが、関連文書を作成せずに指示文書内にチェックリストなどを設け、作業段階に応じてチェックを入れ、その入れられたチェックをトリガーとしても良い。また、
図4において既読確認の関連文書作成としているが、前段階の結果報告作成通知メールにおいて、一般的なメールシステムに装備されている既読確認機能を用いても良い。