特許第6242457号(P6242457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242457マッチングシステム、マッチング方法及び結婚情報提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6242457
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】マッチングシステム、マッチング方法及び結婚情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20171127BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-200964(P2016-200964)
(22)【出願日】2016年10月12日
【審査請求日】2016年10月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒巻 夏美
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−002480(JP,A)
【文献】 特開2003−058689(JP,A)
【文献】 特開2006−146858(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0084309(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0172498(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッチング希望者とマッチング対象者の各々に関して、所定の期間内におけるクレジットカードの利用履歴情報を取得するカード利用履歴情報取得手段と、
前記マッチング希望者の前記クレジットカードの利用履歴情報と、前記マッチング対象者の前記クレジットカードの利用履歴情報とを照合し、前記マッチング対象者の各々に関して、前記マッチング希望者との相性を評価するマッチング処理手段と、
前記マッチング希望者との相性の良い順序に従って、前記マッチング対象者を紹介対象者として選択する紹介対象者選択手段と
を備え、
前記マッチング処理手段は、
前記マッチング希望者の前記クレジットカードの利用履歴情報と、前記マッチング対象者の前記クレジットカードの利用履歴情報の各々から、1または複数の利用額の高い業種を抽出する業種抽出手段と、
前記業種抽出手段により抽出された、前記マッチング希望者の前記1または複数の利用額の高い業種と、前記マッチング対象者の前記1または複数の利用額の高い業種とが適合するか否かを判定する業種マッチング手段と、
前記業種マッチング手段により、前記マッチング希望者の前記1または複数の利用額の高い業種と、前記マッチング対象者の前記1または複数の利用額の高い業種との少なくとも1つが適合したことを前提に、前記適合した少なくとも1つの業種をそれぞれ細分化し、細分化された段階に応じてそれぞれ傾斜的に設定されるマッチングポイントから、前記マッチング希望者と前記マッチング対象者との相性を評価するマッチングポイント算出手段と
を備えることを特徴とするマッチングシステム。
【請求項2】
前記マッチングポイント算出手段は、前記適合した少なくとも1つの業種のそれぞれに関して前記マッチングポイントを算出し、算出された前記マッチングポイントの総計を求めることによって、前記マッチング希望者と前記マッチング対象者の相性を評価することを特徴とする請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のマッチングシステムと、
前記紹介対象者選択手段により選択された紹介対象者に関する情報を結婚情報として、前記マッチング希望者に提供する紹介対象者提供手段と
を備えることを特徴とする結婚情報提供システム。
【請求項4】
前記所定の期間が、成婚に至ったケースから、成婚率を向上させる適切な期間として逆算することにより算定されることを特徴とする請求項3に記載の結婚情報提供システム。
【請求項5】
前記紹介対象者提供手段は、前記1または複数の利用額の高い業種を前記結婚情報の趣味の項目として、各紹介対象者ごとに表示することを特徴とする請求項3または4に記載の結婚情報提供システム。
【請求項6】
コンピュータによって実行されるマッチング方法であって、
前記マッチング方法は、
カード利用履歴情報取得手段により、マッチング希望者とマッチング対象者の各々に関して、所定の期間内におけるクレジットカードの利用履歴情報を取得するカード利用履歴情報取得ステップと、
マッチング処理手段により、前記マッチング希望者の前記クレジットカードの利用履歴情報と、前記マッチング対象者の前記クレジットカードの利用履歴情報とを照合し、前記マッチング対象者の各々に関して、前記マッチング希望者との相性を評価するマッチング処理ステップと、
紹介対象者選択手段により、前記マッチング希望者との相性の良い順序に従って、前記マッチング対象者を紹介対象者として選択する紹介対象者選択ステップと
を備え、
前記マッチング処理ステップは、
前記マッチング希望者の前記クレジットカードの利用履歴情報と、前記マッチング対象者の前記クレジットカードの利用履歴情報の各々から、1または複数の利用額の高い業種を抽出する業種抽出ステップと、
前記業種抽出ステップにより抽出された、前記マッチング希望者の前記1または複数の利用額の高い業種と、前記マッチング対象者の前記1または複数の利用額の高い業種とが適合するか否かを判定する業種マッチングステップと、
前記業種マッチングステップにより、前記マッチング希望者の前記1または複数の利用額の高い業種と、前記マッチング対象者の前記1または複数の利用額の高い業種との少なくとも1つが適合したことを前提に、前記適合した少なくとも1つの業種をそれぞれ細分化し、細分化された段階に応じてそれぞれ傾斜的に設定されるマッチングポイントから、前記マッチング希望者と前記マッチング対象者との相性を評価するマッチングポイント算出ステップ
を備えることを特徴とするマッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチングシステム、マッチング方法及び結婚情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、独身の男女を対象に、条件に適合する異性との出会いの機会を提供等することで、結婚又は結婚を前提とした交際に導く、結婚相談所が数多く存在している。そのような結婚相談所には、予め登録した自身のプロフィール情報及び条件に基づいて、異性との関係で所定のデータマッチングを実行し、適合する異性(候補者)に関する情報を提供するものもある。
【0003】
例えば、特許文献1には、入会希望者により入力された自身のプロフィール情報(例えば、「生年月日」、「血液型」、「職業」、「趣味」、「嗜好性」、「価値観」等)、異性に求める条件(例えば、「年収」、「趣味」、「身長」、「年齢」等)、及び性格検査に対する回答等を多角的に分析し、最適な候補者を供給する、結婚情報の供給システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−203034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ただし、ここで、分析対象とするデータのうち、少なくとも「趣味」、「嗜好性」等に関しては、「年齢」、「身長」、「血液型」等とは異なり、入会希望者の主観的要素が多く介在することになる。そのため、入会希望者によっては、入力(設定)した「趣味」、「嗜好性」と、実際の「趣味」、「嗜好性」が相違することもあり、結果、供給する候補者の情報に関して、適合性を担保することができないことも想定され、成婚率を向上させることができず、延いては、候補者の情報を不服として、解約、返金等のトラブルに発展する可能性もある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、異性間におけるマッチングにおいて、クレジットカードの利用履歴情報を用いることにより、入会希望者の主観的要素を相応に排除し、分析対象とするデータに客観性を担保させ、異性間におけるマッチングの精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマッチングシステムは、マッチング希望者とマッチング対象者の各々に関して、所定の期間内におけるクレジットカードの利用履歴情報を取得するカード利用履歴情報取得手段と、前記マッチング希望者の前記クレジットカードの利用履歴情報と、前記マッチング対象者の前記クレジットカードの利用履歴情報とを照合し、前記マッチング対象者の各々に関して、前記マッチング希望者との相性を評価するマッチング処理手段と、前記マッチング希望者との相性の良い順序に従って、前記マッチング対象者を紹介対象者として選択する紹介対象者選択手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、異性間におけるマッチングにおいて、クレジットカードの利用履歴情報を用いることにより、入会希望者の主観的要素を相応に排除し、分析対象とするデータに客観性を担保させ、異性間におけるマッチングの精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
図1】本発明の実施形態に係る結婚情報提供システムの概略を説明するための図である。
図2】本発明の実施形態に係る結婚情報提供システムを構成するカード会社システムの機能ブロック図である。
図3】結婚情報提供希望者のクレジットカードの利用履歴を示す図である。
図4】業種マッチング部における処理を示す図である。
図5】業種を細分化し、その段階に応じて設定されるマッチングポイントを示した図である。
図6】結婚情報提供希望者の会員端末に提供される紹介対象者に関する情報を示す図である。
図7】結婚情報を提供する処理の手順を示すフローチャートである。
図8】マッチング処理部における処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る結婚情報提供システムの概略を説明するための図である。カード会社システム10は、結婚情報提供システムを構成し、ブロードバンド回線等の所定の公衆通信ネットワークを介して、会員端末20と接続される。なお、本発明の実施形態に係るマッチングシステムは、結婚情報提供システムの一部として構成される。
【0011】
カード会社システム10は、会員端末20から結婚相手の情報の提供を希望する会員からのマッチング要求を受け付けると、その会員の設定した検索条件を充足する結婚相手を抽出し、さらにクレジットカードの利用履歴から相性の合う結婚相手を選択し、会員端末20に提供する。会員端末20は、会員が結婚相手の情報の提供を要求、結婚相手を検索する条件を設定、また結婚相手の情報を受け取るための端末であり、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット、スマートフォン等である。
【0012】
図2は、本発明の実施形態に係る結婚情報提供システムを構成するカード会社システム10の機能ブロック図である。カード会社システム10は、会員情報記憶部102、マッチング要求受付部104、検索条件取得部106、マッチング対象者抽出部108、カード利用履歴情報取得部110、マッチング処理部112、ソート処理部114、紹介対象者選択部116、紹介対象者提供部118を備える。なお、マッチング処理部112は、業種抽出部120、業種マッチング部122、マッチングポイント算出部124を備える。また、結婚情報提供システムの一部である、カード利用履歴情報取得部110、マッチング処理部112、紹介対象者選択部116は、本発明のマッチングシステムを構成する。さらに、以上の各部のうち、マッチング要求受付部104、検索条件取得部106、マッチング対象者抽出部108、カード利用履歴情報取得部110、マッチング処理部112、ソート処理部114、紹介対象者選択部116、紹介対象者提供部118は、カード会社システム10のコンピュータにプログラムを読み取らせることにより生成される機能実現手段である。
【0013】
会員情報記憶部102は、クレジットカード会員であって、結婚情報提供サービスに入会している会員の情報を記憶する。会員は、結婚情報提供サービスに入会するにあたり、クレジットカードの入会時に登録した情報以外に、「身長」、「体重」、「血液型」、「続柄」、「学歴」、「婚姻歴」、「写真」、「家族構成」等の個人情報、「趣味」及び「自己PR」を併せて登録する。なお、ここで、会員が登録する「趣味」に関する情報は、結婚情報の一部として、会員端末20に提供されるものであり、マッチング処理において用いられるものではない。
【0014】
マッチング要求受付部104は、会員端末20より、結婚情報、即ち、条件及び相性の合う結婚相手の情報の提供を希望する会員(以下、結婚情報提供希望者という)からのマッチング要求を受け付ける。検索条件取得部106は、結婚情報提供希望者の設定した検索条件を取得する。検索条件は、結婚相手を検索するための条件のことであり、例えば、「年齢」、「地域」、「職業」、「年収」、「身長」、「体重」、「血液型」、「続柄」、「学歴」、「婚姻歴」等である。なお、結婚情報提供希望者の設定した検索条件は、カード会社システム10において、その結婚情報提供希望者毎に記憶させることができる。
【0015】
マッチング対象者抽出部108は、検索条件取得部106において取得された検索条件に基づいて、会員情報記憶部102から検索条件に適合する会員、即ち、マッチングの対象とする会員(以下、マッチング対象者という)を抽出する。カード利用履歴情報取得部110は、結婚情報提供希望者、及びマッチング対象者抽出部108により抽出されたマッチング対象者の各々に関して、過去半年以内のクレジットカードの利用履歴情報を取得する。なお、クレジットカードの利用履歴として取得する期間は、過去半年に限定されることはない。したがって、例えば、マッチングの精度を向上させるために、成婚に至ったケースから、成婚率を向上させる適切な期間を算定(逆算)し、その算定された期間をクレジットカードの利用履歴情報を取得する期間として設定することもできる。
【0016】
マッチング処理部112は、クレジットカードの利用履歴に基づいて、結婚情報提供希望者とマッチング対象者とを照合し、マッチング対象者の各々に関して、結婚情報提供希望者との相性を評価する処理部であり、業種抽出部120、業種マッチング部122、マッチングポイント算出部124を備える。
【0017】
業種抽出部120は、結婚情報提供希望者及びマッチング対象者の各々に関して、クレジットカードの利用履歴から、利用額の高い業種を抽出する。業種マッチング部122は、業種抽出部120により抽出した、結婚情報提供希望者の業種とマッチング対象者の業種とを照合し、業種が適合するか否か判定する。マッチングポイント算出部124は、業種マッチング部122において、結婚情報提供希望者の業種とマッチング対象者の業種とが適合したことを前提に、その業種に関して細分化した、各々の段階に応じて設定されるマッチングポイント(即ち、適合する度合いに応じて設定されるポイント)を付与し、結婚情報提供希望者とマッチング対象者との関係で、マッチングポイントの合計を算出する。なお、マッチング処理部112の具体的な処理に関しては、後述の図4図5等を用いて後述する。
【0018】
ソート処理部114は、マッチングポイント算出部124において算出されたマッチングポイントの総計に従って、マッチング対象者をマッチングポイントの高い順に並び替える。即ち、マッチング対象者を、結婚情報提供希望者と相性が合う順に並び替える(結婚情報提供希望者と相性が合う順に優先度を設定する)。
【0019】
紹介対象者選択部116は、カード会社のコーディネータ又は結婚情報提供希望者により予め設定された紹介人数に従って、マッチングポイントの総計の高い順に紹介対象者を選択する。なお、本実施形態において、紹介人数は2名に設定されているものとする。また、紹介人数が設定されていない場合には、紹介対象者をマッチングポイントの高い順に(即ち、相性の良い順序に従って)、結婚情報提供希望者に紹介することもできる。紹介対象者提供部118は、紹介対象者選択部116により選択された紹介対象者を、結婚情報提供希望者に提供する。具体的には、紹介対象者提供部118は、結婚情報提供希望者の会員端末20に、紹介対象者に関する情報を提供する。
【0020】
図3は、結婚情報提供希望者のクレジットカードの利用履歴を示している。業種抽出部120は、図3に示すクレジットカードの利用履歴から、利用額の高い業種を抽出する。ここで、抽出する業種の数は、カード会社のコーディネータ又は結婚情報提供希望者により予め設定され、本実施形態では3つに設定されているものとする。また、業種抽出部120は、趣味・嗜好と関係のない業種(即ち、マッチング処理を実行する上で有用とならない業種)、例えば、電気料金、携帯電話料金等を除外した上で、業種を抽出することができる。
【0021】
図3に示す例では、利用額の高い業種から順に「旅行」、「飲食」、「携帯電話料金」、「電気料金」、「映画・演劇」、「オンラインショッピング」、「ガス料金」となっている。この場合において、業種抽出部120は、結婚情報提供希望者の趣味・嗜好に関係する業種として「旅行」、「飲食」、「映画・演劇」を抽出する。業種抽出部120は、マッチング対象者の各々に対しても、結婚情報提供希望者と同様に、クレジットカードの利用履歴から、趣味・嗜好に関係する業種を抽出する。
【0022】
図4は、業種マッチング部122における処理を示す図である。図4では、業種抽出部120により、結婚情報提供希望者のクレジットカードの利用履歴から抽出した業種「旅行」、「飲食」、「映画・演劇」のうち、業種「旅行」に関して、マッチング対象者のクレジットカードの利用履歴から抽出した業種と照合する例を示している。
【0023】
図4において、マッチング対象者として、マッチング対象者A、B、C、Dの4名が示されており、各々に関して、業種抽出部120により、マッチング対象者Aは業種「旅行」、「家電製品」、「高速道路料金」、マッチング対象者Bは業種「飲食」、「旅行」、「スポーツ施設」、マッチング対象者Cは業種「高速道路料金」、「旅行」、「理容」、マッチング対象者Dは業種「家電製品」、「ファッション(衣服)」、「映画・演劇」が、利用額の高い業種として抽出されている。
【0024】
業種マッチング部122は、結婚情報提供希望者の業種「旅行」とマッチング対象者A、B、C、Dの業種とをマッチング対象者の各々に関して照合し、業種が適合するか否か判定する。図4に示す例において、マッチング対象者A、B、Cに関して、業種抽出部120により業種「旅行」が抽出されていることから、業種マッチング部122は、結婚情報提供希望者の業種「旅行」とマッチング対象者A、B、Cの業種「旅行」は適合するものと判定する。他方、業種マッチング部122は、マッチング対象者Dに関して、業種抽出部120により業種「旅行」が抽出されていないことから、結婚情報提供希望者の業種「旅行」とマッチング対象者Dの業種は適合しないものと判定する。
【0025】
業種マッチング部122は、結婚情報提供希望者の業種「飲食」、「映画・演劇」に関しても、業種「旅行」と同様に、マッチング対象者A、B、C、Dの業種と照合し、適合する否かを判定する。図4に示す例において、結婚情報提供希望者の業種「飲食」はマッチング対象者Bの業種と適合するものとして、また結婚情報提供希望者の業種「映画・演劇」はマッチング対象者Dの業種と適合するものとして判定される。
【0026】
業種マッチング部122において、結婚情報提供希望者の業種とマッチング対象者の業種とが適合すると、マッチングポイント算出部124は、その業種に関して細分化した、各々の段階に応じて設定されるマッチングポイントを付与し、結婚情報提供希望者とマッチング対象者との関係で、マッチングポイントの総計を算出する。図5は、業種を細分化し、その段階に応じて設定されるマッチングポイントを示した図であり、業種として「旅行」をその例として示している。
【0027】
図5において、業種「旅行」は、「国内」/「海外」、「北海道」・・・「東京都」・・・「沖縄県」/「北米」・・・「アジア」・・・「オセアニア」、さらに「札幌市」「旭川市」・・・「函館市」/「カナダ」「アメリカ」・・・「ニュージーランド」というように細分化され、さらに、その段階に応じて、マッチングポイントが設定されている。具体的には、「旅行」にはマッチングポイントとして「+1」、「国内」/「海外」にはマッチングポイントとして「+2」、「北海道」・・・「沖縄県」/「北米」・・・「オセアニア」にはマッチングポイントとして「+3」、「札幌市」・・・「函館市」/「カナダ」・・・「ニュージーランド」にはマッチングポイントして「+4」が設定されている。
【0028】
また、ここで、結婚情報提供希望者は「フランス」に旅行した際にクレジットカードを利用したものとし、さらに、マッチング対象者Aは「フランス」に、マッチング対象者Bは「アメリカ」に、マッチング対象者Cは「北海道(札幌市)」に旅行した際にクレジットカードを利用したものとする。なお、マッチング対象者Dに関して、業種「旅行」にクレジットカードを利用しておらず、前述のように、業種抽出部120により業種「旅行」が抽出されていないものとする。
【0029】
マッチングポイント算出部124は、結婚情報提供希望者とマッチング対象者Aとの関係で、「旅行」、「海外」、「ヨーロッパ」「フランス」と一致することから、マッチングポイントをその段階に応じて、「+1」、「+2」、「+3」、「+4」と付与し、マッチングポイントを「10」として算出する。同様に、マッチングポイント算出部124は、マッチング対象者Bとの関係で、マッチングポイントを「+1」、「+2」と付与し、マッチングポイントを「3」として算出し、マッチング対象者Cとの関係で、マッチングポイントを「+1」と付与し、マッチングポイントを「1」として算出する。
【0030】
マッチングポイント算出部124は、結婚情報提供希望者に関して、業種抽出部120により抽出された業種「飲食」、「映画・演劇」に関しても、業種「旅行」と同様に、マッチング対象者A、B、C、Dとの関係でマッチングポイントを算出する。マッチングポイント算出部124は、さらに、各業種(即ち、「旅行」、「飲食」、「映画・演劇」)に関して、マッチングポイントを算出すると、マッチング対象者A、B、C、Dとの関係で、マッチングポイントの総計を算出する。ここで、結婚情報提供希望者との関係で、マッチングポイントの総計が、マッチング対象者Aに関して「10」、マッチング対象者Bに関して「13」、マッチング対象者Cに関して「1」、マッチング対象者Dに関して「6」と算出されたものとする。
【0031】
ソート処理部114は、マッチングポイント算出部124において算出されたマッチングポイントの総計に従って、マッチング対象者A、B、C、Dをマッチングポイントの高い順に並び替える。この場合、ソート処理部114は、マッチング対象者A、B、C、Dを、マッチングポイントの総計が「13」であるマッチング対象者B、マッチングポイントの総計が「10」であるマッチング対象者A、マッチングポイントの総計が「6」であるマッチング対象者D、マッチングポイントの総計が「1」であるマッチング対象者Cの順に、結婚情報提供希望者と相性が合う順に並び替える。
【0032】
紹介対象者選択部116は、予め設定された紹介人数である2名に従って、マッチングポイントの総計の高い順に、マッチング対象者B、マッチング対象者Aを紹介対象者として選択する。紹介対象者提供部118は、マッチング対象者B、マッチング対象者Aを、結婚情報提供希望者の会員端末20に提供する。
【0033】
図6は、結婚情報提供希望者の会員端末20に提供される紹介対象者に関する情報を示す図である。図6に示すように、紹介対象者提供部118は、結婚情報提供希望者の会員端末20の表示画面において、結婚情報提供希望者と相性が合う順(即ち、マッチングポイントの総計の高い順)に従って、表示画面の上から、マッチング対象者B、マッチング対象者Aを表示させるように、紹介対象者に関する情報を提供する。
【0034】
なお、図6に示す例では、結婚情報提供希望者の会員端末20に、紹介対象者に関する情報として、「写真」、「年齢」、「地域」、「身長」、「体重」、「続柄」、「血液型」、「学歴」、「年収」、「職業」、「婚姻歴」、「趣味」、「自己PR」、「家族構成」等を提供している。また、この場合において、結婚情報提供希望者は、「趣味」として、紹介対象者が登録している「趣味」とは別に、業種抽出部120により抽出された、趣味・嗜好に関係する業種を「趣味」に準ずるものとして、表示させることもできる。したがって、図6に示す例において、結婚情報提供希望者は、「趣味」として、マッチング対象者Bに関して「飲食」、「旅行」、「スポーツ施設」、マッチング対象者Aに関して「旅行」、「家電製品」、「高速道路料金」を表示させることもできる。
【0035】
図7は、結婚情報を提供する処理の手順を示すフローチャートである。カード会社システム10は、マッチング要求受付部104により、結婚情報提供希望者からのマッチング要求を受け付けると(S101)、図7に示す処理を開始する。カード会社システム10は、検索条件取得部106により、結婚情報提供希望者の設定した検索条件を取得する(S102)。
【0036】
カード会社システム10は、マッチング対象者抽出部108により、検索条件取得部106において取得された検索条件に基づいて、会員情報記憶部102からマッチング対象者を抽出する(S103)。カード会社システム10は、カード利用履歴情報取得部110により、結婚情報提供希望者、及びマッチング対象者抽出部108により抽出されたマッチング対象者の各々に関して、過去半年以内のクレジットカードの利用履歴情報を取得する(S104)。
【0037】
カード会社システム10は、マッチング処理部112により、クレジットカードの利用履歴に基づいて、結婚情報提供希望者とマッチング対象者とを照合し、マッチング対象者の各々に関して、結婚情報提供希望者との相性を評価する。即ち、マッチング処理を実行する(S105)。なお、マッチング処理部112における処理の手順は、図8を用いて後述する。
【0038】
カード会社システム10は、ソート処理部114により、結婚情報提供希望者とマッチング対象者との照合結果に基づいて、マッチング対象者を結婚情報提供希望者と相性が合う順に並び替える(S106)。カード会社システム10は、紹介対象者選択部116により、予め設定された紹介人数に従って、結婚情報提供希望者と相性が合う順に、マッチング対象者を紹介対象者として選択する(S107)。カード会社システム10は、紹介対象者提供部118により、結婚情報提供希望者の会員端末20に、紹介対象者に関する情報を提供する(S108)。
【0039】
図8は、マッチング処理部112における処理の手順を示すフローチャートであり、図7のステップS105における処理を詳細に示したものである。カード会社システム10は、結婚情報提供希望者、及びマッチング対象者の各々に関して、クレジットカードの利用履歴から、利用額の高い業種を抽出する(S201)。
【0040】
カード会社システム10は、業種マッチング部122により、ステップS201において抽出した、結婚情報提供希望者の業種とマッチング対象者の業種とを照合し、業種が適合するか否か判定する(S202)。カード会社システム10は、ステップS202において、結婚情報提供希望者の業種とマッチング対象者の業種とが適合したことを前提に、その業種に関して細分化した、各々の段階に応じて設定されるマッチングポイントを付与し、結婚情報提供希望者とマッチング対象者との関係で、マッチングポイントの合計を算出する(S203)。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。したがって、上述の実施形態では、クレジットカードの利用履歴のみに基づいて、結婚情報提供希望者とマッチング対象者との相性を評価する例を示しているが、個人情報とクレジットカードの利用履歴に基づいて、結婚情報提供希望者とマッチング対象者との相性を評価することもできる。例えば、血液型に関して、男性の血液型の各々と女性の血液型の各々との関係でマッチングポイントを設定し(一例として、A型の女性との関係で、A型の男性、B型の男性、O型の男性、AB型の男性の各々に対してマッチングポイントを設定し)、血液型におけるマッチングポイントを特定し、その特定されたマッチングポイントと、クレジットカードの利用履歴から算出されたマッチングポイントとを加算し(組み合わせて)、その総計に基づいて、結婚情報提供希望者とマッチング対象者との相性を評価することもできる。
【0042】
また、本実施形態において、上述のように、結婚又は結婚を前提とした交際に導くマッチングシステムとして説明したが、本発明のマッチングシステムは、例えば、大学生等の未だ結婚を意識しない世代においても当然に適用することができ、マッチング希望者としての大学生等からのマッチング要求に基づいて、条件及び相性の合う相手を選択し、その選択した相手をマッチング希望者に提供することもできる。即ち、上述の結婚情報提供希望者を、マッチング希望者に読み替えることができる。
【0043】
なお、本発明の範囲は、図示され、記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす、すべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画され得る。
【符号の説明】
【0044】
10 カード会社システム
20 会員端末
102 会員情報記憶部
104 マッチング要求受付部
106 検索条件取得部
108 マッチング対象者抽出部
110 カード利用履歴情報取得部
112 マッチング処理部
114 ソート処理部
116 紹介対象者選択部
118 紹介対象者提供部
120 業種抽出部
122 業種マッチング部
124マッチングポイント算出部
【要約】
【課題】異性間におけるマッチングにおいて、クレジットカードの利用履歴情報を用いることにより、入会希望者の主観的要素を相応に排除し、分析対象とするデータに客観性を担保させ、異性間におけるマッチングの精度を向上させることである。
【解決手段】本発明に係るマッチングシステムは、マッチング希望者とマッチング対象者の各々に関して、所定の期間内におけるクレジットカードの利用履歴情報を取得するカード利用履歴情報取得手段と、マッチング希望者のクレジットカードの利用履歴情報と、マッチング対象者のクレジットカードの利用履歴情報とを照合し、マッチング対象者の各々に関して、マッチング希望者との相性を評価するマッチング処理手段と、マッチング希望者との相性の良い順序に従って、マッチング対象者を紹介対象者として選択する紹介対象者選択手段とを備える。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8