(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
背景情報
被覆物は、さまざまな工業において、種々の金属製および非金属製基材に使用されている。ある被覆物は、特に表面再仕上げ工業において、2つまたはそれより多い成分が接触するとすぐに反応し始めるので、付与の直前まで個別に維持される2つまたはそれより多い成分として提供されなければならない。被覆物を2つまたはそれより多い個別成分として供給する実施であって、周囲硬化温度または中度硬化温度が必要とされる実施は、一般的である。そのような例は、ポリイソシアネートおよびポリオール、ポリエポキシドおよびポリアミン、ならびにポリ無水物およびポリオールを包含する。例えば自動車表面再仕上げ工業において、ポリオールおよび触媒が1つの被覆成分として一般に供給され、ポリイソシアネートが他の被覆成分として供給される。次に、これらの成分が、秤量され、混合され、自動車に吹き付けられ、硬化されてポリウレタンコーティングが形成される。
【0003】
2成分法は、被覆物を付与する際にいくつかの課題を提示する。1つの課題は、反応性基、例えばイソシアネート基およびヒドロキシル基が、許容され得る比率になるように、各成分を正確に秤量する必要があることである。もう1つの課題は、混合成分が吹付のために充分に低い粘度を維持するように、タイミング良く作業する必要があることである。被覆物が付与準備済みであり、かつ付与するのにまだ充分に低い粘度である時間の長さは、一般に「ポットライフ」と呼ばれる。
【0004】
一般に、ポットライフは、付与された被覆物の硬化速度とバランスが取れていなければならない。例えば、触媒を使用する多成分被覆系において、ポットライフおよび硬化速度は、主に、存在する触媒の量によって制御される。したがって、速い硬化時間が必要とされる場合、より多くの触媒を使用することができるが、それはより短いポットライフも生じる。反対に、より長いポットライフが必要とされる場合、より少ない触媒を使用することができるが、硬化速度も遅くなる。
【0005】
付与された被覆組成物が迅速に乾燥し硬化し、それによって、ダート捕捉を最小限にし、自動車のような被覆基材の乾燥の間に貴重なショップスペースが占領されないようにすることも重要である。被覆物が基材に付与されたときから、被覆基材に落下するダストが該被覆基材に付着しないのに充分に被覆物が乾燥または硬化したときまでの時間の長さは、「ダストフリータイム」と呼ばれ、硬化速度の指標である。組成物の乾燥および硬化を加速させる1つの方法は付加的触媒を添加することであるが、この方法は、より高い触媒レベルが組成物の粘度をより速く増加させるので、吹付に使用できる時間を短くする。
【0006】
したがって、ポットライフおよび硬化速度をよりよく制御し得る周囲温度での使用のための被覆系を有することが望ましい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
実施形態において、本発明は、被膜形成樹脂および担体と会合した触媒を含む被覆組成物であって、該担体へ剪断力を加えるときに、少なくともいくらかの該触媒が該担体から放出され得る被覆組成物に関する。
【0011】
本明細書において使用されている「被膜形成樹脂」は、適切な条件下、例えば、酸化条件下、加熱条件下、または好適な共反応物、触媒もしくは架橋剤の存在下に、化学反応を受けるように設計されている種々の樹脂のいずれかを意味する。該樹脂は、それ自体と反応性、または他の反応性成分、例えば架橋剤と反応性、またはそれらの両方と反応性の官能基を有することができる。被膜形成樹脂は、水性または溶媒型液体組成物であることができる。
【0012】
本発明に使用するのに好適な被膜形成樹脂の非限定的な例は、(メタ)アクリルポリマー、ポリエステルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリアミドポリマー、ポリエーテルポリマー、ポリシロキサンポリマー、ポリエポキシポリマー、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、それらのコポリマー、およびそれらの混合物を包含する。一般に、これらのポリマーは、当業者に公知の任意の方法によって作製されるこれらの種類の任意ポリマーであることができる。そのようなポリマーは、溶媒型、水性もしくは水分散性、乳化性、または限定的水溶性であり得る。被膜形成樹脂上の官能基は、例えば下記を包含する種々の反応性官能基のいずれかから選択され得る:カルボン酸基、アミン基、エポキシド基、ヒドロキシル基、チオール基、カルバメート基、アミド基、尿素基、イソシアネート基(ブロックイソシアネート基を包含する)、メルカプタン基、およびそれらの組合せ。被膜形成ポリマーまたは樹脂の適切な混合物も、本発明の被覆組成物の調製に使用され得る。例えば、被覆組成物は、当分野で公知の種々の硬化性組成物のいずれかを含むことができる。
【0013】
樹脂は、クロスリンカーを含むことができる。クロスリンカー、または架橋性樹脂もしくは架橋剤は、当分野で公知の任意の好適なクロスリンカーまたは架橋性樹脂であることができ、被膜形成樹脂上の官能基(単数または複数)と反応性であるように選択される。好適なクロスリンカーの非限定的な例は、フェノール系樹脂、アミノ樹脂、カルバメート樹脂、アミノプラスト、ポリイソシアネート(ブロックイソシアネートを包含する)、ポリエポキシド、ベータ−ヒドロキシアルキルアミド、ポリ酸、無水物、有機金属酸官能性物質、ポリアミン、ポリアミド、および任意の前記物質の混合物を包含する。ある実施形態において、クロスリンカーは、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートである。そのようなクロスリンカーは、バイエル・マテリアル・サイエンスによりDesmodur N3400または3600として市販されている。
【0014】
前記のように、本発明の被覆組成物は触媒を含む。本明細書において使用されている「触媒」という用語は、硬化反応の速度を増加させる物質を指す。触媒は、金属触媒、アミン触媒、酸触媒、イオン液体触媒またはそれらの組合せ、ならびに当分野で公知の他の触媒を包含し得る。本発明に使用するのに好適な触媒の非限定的な例は、スズ、コバルト、カルシウム、セシウム、亜鉛、ジルコニウム、ビスマスおよびアルミニウムから形成される触媒、ならびにカルボン酸の金属塩、ジオルガノメタリックオキシド、モノオルガノメタリックカルボキシレートおよびジオルガノメタリックカルボキシレート等を包含する。実施形態において、金属触媒は、カルシウムナフタネート、セシウムナフタネート、コバルトナフタネート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、およびジブチルスズナフタネートを含む。好適なアミン触媒は、例えば第三級アミン触媒を包含し、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンおよびN−エチルモルホリンを包含するが、それらに限定されない。
【0015】
触媒は担体と会合している。担体に関して、本明細書に使用されている「〜と会合している」という用語は、触媒がコーティングされている任意の物質、または触媒の全部もしくは一部が含有されているか、カプセル封入されているか、水素結合しているか、もしくはそれ以外で非共有的に会合している任意の物質を指す。ある実施形態において、担体は、コアに触媒を含有するマイクロカプセルシェルまたは封入材を包含する。本明細書において使用されている「マイクロカプセルシェル」および「封入材」は、任意の形状および質感の小構造物であって、該小構造物に封入されたコアまたは内部空間を含有する小構造物を意味する。実施形態において、該小構造物が触媒をコア内に完全に封入しないように、触媒を該小構造物に部分的にカプセル封入させることができる。他の実施形態において、担体は、触媒が完全にまたは部分的に中に含有されている固体マトリックス型カプセルを包含する。
【0016】
担体は、触媒を、被膜形成樹脂との硬化反応の開始から保護または隔離し、剪断力への曝露または剪断力の付与のときに、いくらかのまたは全ての触媒を放出する。触媒が効果的に保護される度合いは、会合担体物質の選択に基づいて調節することができる。触媒と会合した担体の粒径を調節して、所定の剪断力における放出の度合いを変化させることもできる。例えば、実施形態において、同じ剪断力において、より大きい粒径は、より小さい粒子よりも、より容易に触媒を放出し得る。担体は、さらに、被膜形成樹脂と適合性であるように選択される。本明細書において使用されている「適合性」という用語は、担体が被膜形成樹脂と組み合わされた場合に、その中に分散し、安定を維持する(担体が樹脂に溶解性または反応性でない)ことを意味する。さらに、担体は、被膜形成樹脂またはその成分から形成されず、被膜形成樹脂に使用されている以外の物質を含む。本発明の実施形態において、担体は、架橋ポリマーおよび/もしくはコポリマー、ならびに/または親水性および疎水性の特徴を有するコポリマーを含む。ある実施形態において、担体は、ゼラチン、ポリオキシメチレン尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドまたはポリウレタンから作製することができる。他の実施形態において、担体はシリカを含む(例えば、封入材としてのシリカの使用)。ある実施形態において、担体は、ゼラチンまたはポリオキシメチレン尿素(PMU)ホルムアルデヒドシェルから作製される封入材であり、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)触媒から成るコア物質を含有する。そのような封入材は、Lipo Technologies,Inc.により市販されている。実施形態において、担体は、芳香族ポリイソシアネートから形成されない。
【0017】
実施形態において、触媒は、触媒および担体の全固体含有量の1〜99重量パーセントを構成し、または他の例において、触媒は40〜90重量パーセントを構成する。
【0018】
本発明の実施形態において、被覆組成物は、1種を超える触媒を含有する。触媒を、同種の担体、または複数の異種の担体と会合させることができる。
【0019】
所望される場合、被覆組成物は、配合被覆物の分野で公知の下記のような他の任意物質を含むことができる:可塑剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤、紫外線吸収剤および安定剤、界面活性剤、流動制御剤、チキソトロープ剤、例えばベントナイトクレイ、顔料、充填剤、有機共溶媒、反応性希釈剤、触媒(ホスホン酸を包含する)、遅延剤、マスキング剤、粉砕ビヒクル、着色剤、耐摩耗性粒子、ならびに他の通例の助剤。
【0020】
本明細書において使用されている「着色剤」という用語は、組成物に、色および/または他の不透明性および/または他の視覚効果を与える任意の物質を意味する。着色剤は、任意の好適な形態、例えば、離散粒子、分散系、溶液および/またはフレークの形態で被覆物に添加することができる。1つの着色剤、または2つもしくはそれを超える着色剤の混合物を、本発明の被覆物に使用することができる。これに対して「充填剤」は、組成物に、何らかの色および/または不透明性および/または他の視覚効果を必ずしも与えるものではない。
【0021】
着色剤の例は、顔料、染料および色合い剤(tint)、例えば、塗料工業において使用され、かつ/またはドライカラー製造者協会(Dry Color Manufacturers Association(DCMA))において列挙されているもの、ならびに特殊効果組成物を包含する。着色剤は、例えば、不溶性であるが使用条件下に湿潤性の微細固体粉末を包含し得る。着色剤は、有機または無機であることができ、凝集性または非凝集性であることができる。着色剤は、粉砕または単純混合によって被覆物に組み込むことができる。着色剤は、粉砕ビヒクル、例えばアクリル粉砕ビヒクルの使用により粉砕することによって被覆物に組み込むことができ、該粉砕ビヒクルの使用は当業者によく知られている。
【0022】
顔料および/または顔料組成物の例は、下記を包含するが、それらに限定されない:カルバゾールジオキサジン粗顔料、アゾ、モノアゾ、ジアゾ、ナフトールAS、塩型(レーキ)、ベンゾイミダゾロン、縮合物、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリンおよび多環式フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロロピロール、チオインディゴ、アントラキノン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、ピラントロン、アンタントロン、ジオキサジン、トリアリールカルボニウム、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロールレッド(「DPPBOレッド」)、二酸化チタン、カーボンブラック、カーボンファイバ、グラファイト、他の導電性顔料、および/または充填剤、ならびにそれらの混合物。「顔料」および「着色充填剤」は相互交換的に使用することができる。
【0023】
染料の例は、溶媒系および/または水系の染料、例えば、酸性染料、アゾイック染料、塩基性染料、直接染料、分散染料、反応性染料、溶剤染料、硫化染料、媒染染料、例えば、バナジン酸ビスマス、アントラキノン、ペリレンアルミニウム、キナクリドン、チアゾール、チアジン、アゾ、インジゴイド、ニトロ、ニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、キノリン、スチルベン、およびトリアリールメタンを包含するが、それらに限定されない。
【0024】
色合い剤の例は、水性または水混和性の担体に分散された顔料、例えば、Degussa,Inc.,により市販されているAQUA−CHEM 896、Eastman Chemicals,Inc.のAccurate Dispersions課により市販されているCHARISMA COLORANTSおよびMAXITONER INDUSTRIAL COLORANTSを包含するが、それらに限定されない。
前記のように、着色剤は、ナノ粒子分散系を包含するがそれに限定されない分散系の形態であることができる。ナノ粒子分散系は、所望される可視色および/または不透明性および/または視覚効果を生じる1つまたはそれより多い高度分散ナノ粒子着色剤および/または着色剤粒子を含むことができる。ナノ粒子分散系は、150nm未満、例えば70nm未満、または30nm未満の粒径を有する顔料または染料のような着色剤を含むことができる。ナノ粒子は、ストックの有機または無機顔料を、0.5mm未満の粒径を有する粉砕媒体で摩砕することによって生成することができる。ナノ粒子分散系およびその作製法の例は、米国特許第6875800B2号に明示されており、該米国特許は参照により本明細書に組み入れられる。ナノ粒子分散系は、結晶化、沈殿、気相凝縮、および化学的摩耗(すなわち部分溶解)によって製造することもできる。
【0025】
被覆物内のナノ粒子の再凝集を最小限にするために、樹脂被覆ナノ粒子の分散系を使用することができる。本明細書において使用されている「樹脂被覆ナノ粒子の分散系」は、ナノ粒子および該ナノ粒子上の樹脂被覆物を含む個別の「複合ミクロ粒子」が分散している連続相を指す。樹脂被覆ナノ粒子の分散系およびその作製法の例は、例えば、米国特許第7605194号の第3欄、第56行〜第16欄、第25行に記載されており、その引用部分は参照により本明細書に組み入れられる。
【0026】
使用され得る特殊効果組成物の例は、1つまたはそれより多い外観効果、例えば、反射率、真珠光沢、金属光沢、燐光、蛍光、フォトクロミズム、感光性、サーモクロミズム、ゴニオクロミズムおよび/または色変化を生じる顔料および/または組成物を包含する。付加的特殊効果組成物は、他の知覚特性、例えば、不透明性または質感をもたらすことができる。非限定的実施形態において、特殊効果組成物は、被覆物を種々の角度から見た場合に被覆物の色が変化するようなカラーシフトを生じることができる。色効果組成物の例は、米国特許第6894086号に明示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。付加的色効果組成物は、透明被覆マイカおよび/もしくは合成マイカ、被覆シリカ、被覆アルミナ、透明液晶顔料、液晶被覆物、ならびに/または干渉が物質内の屈折率差から生じ、物質表面と空気との屈折率差によって生じるのではない任意の組成物を含有することができる。
【0027】
ある非限定的実施形態において、1つまたはそれより多い光源に曝露された場合に自身の色を可逆的に変化させる感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物を、本発明の被覆物に使用することができる。フォトクロミック組成物および/または感光性組成物は、特定の波長の放射線に曝露することによって活性化することができる。組成物が励起状態になった場合に、分子構造が変化し、変化した構造が、組成物の元の色と異なる新しい色を呈する。放射線への曝露を除去した場合に、フォトクロミック組成物および/または感光性組成物は静止状態に戻ることができ、該静止状態において該組成物の元の色に戻る。1つの非限定的実施形態において、フォトクロミック組成物および/または感光性組成物は、非励起状態において無色であることができ、励起状態において色を呈することができる。完全な色変化がミリ秒〜数分以内、例えば20秒〜60秒で現れることができる。フォトクロミック組成物および/または感光性組成物は、フォトクロミック染料を含む。
【0028】
非限定的実施形態において、感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物を、ポリマーおよび/または重合性成分の高分子材料と会合させることができ、かつ/または、例えば共有結合によって少なくとも部分的に結合させることができる。感光性組成物が被覆物から移行し基材中に結晶化し得るいくつかの被覆物と対照的に、本発明の非限定的実施形態により、ポリマーおよび/または重合性成分と会合し、かつ/または少なくとも部分的に結合した感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物は、被覆物からの最小限の移行を有する。感光性組成物および/またはフォトクロミック組成物ならびにそれらの作製法の例は、米国特許第8153344B2号に明示されており、それは参照により本明細書に組み入れられる。
【0029】
一般に、着色剤は、所望の視覚効果および/または色効果を与えるのに充分な任意の量で存在することができる。着色剤は、本発明組成物の1〜65重量パーセント、例えば、3〜40重量パーセント、または5〜35重量パーセントを構成することができる(重量パーセントは組成物の全重量に基づく)。
【0030】
「耐摩耗性粒子」は、被覆物に使用した場合に、該粒子を含有しない同じ被覆物と比較して、あるレベルの耐摩耗性を被覆物に与える。好適な耐摩耗性粒子は、有機および/または無機粒子を包含する。好適な有機粒子の例は、ダイヤモンド粒子、例えばダイヤモンドダスト粒子、および炭化物材料から形成される粒子を包含するが、それらに限定されず、炭化物粒子の例は、炭化チタン、炭化ケイ素および炭化ホウ素を包含するが、それらに限定されない。好適な無機粒子の例は、シリカ;アルミナ;アルミナシリケート;シリカアルミナ;アルカリアルミノシリケート;ボロシリケートガラス;窒化物(窒化ホウ素および窒化ケイ素を包含する);酸化物(二酸化チタンおよび酸化亜鉛を包含する);石英;霞石閃長岩;ジルコン(例えば酸化ジルコニウムの形態);バデライト(buddeluyite);およびユージアライトを包含するが、それらに限定されない。どのような大きさの粒子も使用することができ、種々の粒子および/または種々の大きさの粒子の混合物も使用することができる。例えば、粒子は、0.1〜50、0.1〜20、1〜12、1〜10、もしくは3〜6ミクロン、または任意のこれら範囲内の任意の組み合わせの平均粒径を有するミクロ粒子であることができる。粒子は、0.1ミクロン未満、例えば、0.8〜500、10〜100、もしくは100〜500ナノメートル、またはこれら範囲内の任意の組み合わせの平均粒径を有するナノ粒子であることができる。
【0031】
被膜形成樹脂および担体と会合した触媒を含む被覆物の特有の性質により、いくらかのまたは全ての触媒を、剪断力の付与の際に必要になるまで反応から隔離され得るので、該被覆物を使用前に一成分組成物として供給し貯蔵することを可能にし得る。一成分組成物は、全ての被覆成分が製造後、貯蔵中などに同じ容器に保持される組成物を指すものと理解される。一般的な一成分被覆物は、基材に付与され、任意の従来法、例えば、加熱、強制空気、放射線硬化などによって、硬化させることができる。ある種の被覆物、例えば環境硬化被覆物の場合、それらを一成分として貯蔵することは実際的ではなく、むしろそれらは使用前に成分が硬化するのを防ぐために多成分被覆物として貯蔵する必要がある。「多成分被覆物」という用語は、さまざまな成分が付与の直前まで個別に維持される被覆物を意味する。本発明の被覆物は、多成分被覆物、例えば、背景部分に記載されている2成分被覆物であることもできる。
【0032】
本発明は、さらに、所望される作業性および/または性能を示す被覆組成物で基材を被覆する方法に関する。該方法は、基材の少なくとも一部に、本明細書に記載されている組成物を付与することを含む。該組成物は、液体形態で付与することができる。該組成物は、いくらかまたは全ての触媒を担体から放出するのに充分な、担体材料の剪断強度を超える量の剪断力を担体に与える当分野で標準的な任意の方法、例えば吹付または静電吹付によって、付与することができる。例えば、剪断は、アトマイザー
(噴霧器)、スプレーガン、エーロゾルもしくはベルアプリケーター(bell applicator)など、または他の剪断付与適用法によって与えることができる。または、剪断力を被覆組成物に付与し、次に、該被覆組成物を基材の一部に付与することもできる。実施形態において、剪断力は、高剪断混合装置を使用して、付与する機器または工程の一体部分として、または付与に先立つ工程として、のいずれかで付与され得る。既存の付与法によってもたらされる剪断力を使用することができ、該剪断力は、付与後に触媒を放出させるために付加的特定工程を必要とせずに、多くの所望結合剤系のいずれか1つの使用を補助することができる。
【0033】
充分な剪断力に曝露された際に、担体はいくらかのまたは全ての触媒を放出する。いったん放出されると、触媒は、硬化を、開始させ、加速させ、かつ/またはそれ以外で促進するために利用可能である。触媒を担体と会合させることによって、触媒を組成物に混合または分散させることができ、触媒が担体から意図的に放出されるまで、感知できるほどに反応または硬化しない。剪断力の付与のときのこの触媒放出は、硬化性被膜形成組成物のポットライフを、別の方法ではポットライフと硬化速度との通常の反比例関係を除去するかまたは少なくとも減少させることによって可能となるポットライフを超えて、延長させることができる。したがって、硬化速度は、担体会合触媒の量を調節することによって変更することができ、しかも、従来の遊離型添加触媒と比較して、ポットライフに影響を及ぼさないかまたは最小限の影響を及ぼすだけである。実施例に示されているように、単純混合またはフィルムキャスティングからの剪断は触媒の所望される放出を生じないが、吹付の間に、充分な剪断力が加えられて、担体から触媒を放出させる。さらに、この概念は、剪断力の増加によって担体からより多くの触媒放出を生じる実施例において、詳しく説明されている。
【0034】
充分と考えられる剪断力は、系依存性である。担体および該担体が組み込まれる硬化性配合物の物理的特性は、所望の放出を誘発するために必要とされる剪断力の量を有意に制御する。例えば、ある程度まで、所望成分の組み込みのための低剪断混合を許容する一方で放出を生じる高剪断事象に感受性であるように、全系を設計することができる。
【0035】
本発明の被覆物は、当分野で公知のあらゆる基材、例えば、自動車基材、工業基材、包装基材、木質床材および家具、衣料、電子機器(ハウジングおよび回路板を包含する)、ガラスおよび透明材、スポーツ用具(ゴルフボールを包含する)などに付与することができる。これらの基材は、例えば、金属製または非金属製であることができる。金属製基材は、スズ、鋼鉄、スズめっき鋼鉄、クロム不動態化鋼鉄、亜鉛めっき鋼鉄、アルミニウム、アルミニウム箔、コイル鋼鉄または他のコイル金属を包含する。非金属製基材は、ポリマー系、プラスチック、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、セルロース、ポリスチレン、ポリアクリル系、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、EVOH、ポリ(乳酸)、他の「グリーン」ポリマー基材、ポリ(エチレンテレフタレート)(「PET」)、ポリカーボネート、ポリカーボネートアクリロニトリルブタジエンスチレン(「PC/ABS」)、ポリアミド、ポリマー複合材、木材、ベニヤ、木材複合材、パーティクルボード、中密度繊維板、セメント、石、ガラス、紙、ボール紙、テキスタイル、皮革(合成および天然の両方)などを包含する。基材は、例えば視覚効果および/または色効果を与えるために、何らかの方法で既に処理された基材であることができる。
【0036】
実施形態において、乾燥被膜の厚さは、所望に応じて変化させることができる。例えば、限定するものではないが、本発明の被覆組成物を0.1〜50ミル、例えば0.5〜10ミルまたは1〜4ミルの乾燥被膜厚さで基材に付与することができる。他の実施形態において、該被覆物を、2ミルまたはそれを超える、4ミルまたはそれを超える、6ミルまたはそれを超える、8ミルまたはそれを超える、20ミルまたはそれを超える、またはさらに厚い乾燥被膜厚さに付与することができる。
【0037】
本発明の実施形態において、被覆組成物は、1時間より短いポットライフ(これは遊離触媒の使用によって生じ得る)から、4時間またはそれより長いポットライフ(これは遊離触媒の存在、担体と会合した触媒、および会合触媒の隔離における担体の有効性に基づく)に調節可能なポットライフを特徴とする。このように、担体と会合した触媒を添加することによって、同量の従来型添加遊離触媒(すなわち担体と会合していない触媒)を使用して得られるポットライフを超えて、観測されるポットライフを延長させることができる。
【0038】
本発明の被覆組成物は、単独で、モノコート被覆系として使用することができる。モノコート被覆系において、単一被覆層が、1つまたはそれより多い下記の層:電着可能被覆層またはプライマー−サーフェイサー被覆層を有し得る基材(前処理されていてもよく、されていなくてもよい)に付与される。または、該被覆組成物を、本明細書に記載されている種々の基材に付着させることができる被覆系の一部として使用することもできる。そのような被覆系は、一般に、いくつかの被覆層、例えば2つまたはそれより多い被覆層を有する。被覆層は、一般に、基材に付着された被覆組成物が実質的に硬化された際に形成される。前記被覆組成物は、本明細書に記載されている1つまたはそれより多い被覆層に使用することができる。被覆物は、着色剤を含有してもしなくてもよく、プライマー、ベースコート、および/またはトップコート、またはモノコートとして使用することができる。したがって、本発明は、さらに、本明細書に記載されているいずれかの被覆組成物で少なくとも部分的に被覆された基材に関する。
【0039】
ある実施形態において、被覆物はクリアコートである。クリアコートは、実質的に明澄または透明な被覆物であるものと理解される。したがって、クリアコートは、該クリアコートを不透明にしない限り、またはそれ以外でいくらかの有意な程度に下部の基材を識別するのに影響を及ぼすことがない限り、ある程度の色を有することができる。本発明のクリアコートは、例えば、顔料着色ベースコートと共に使用することができる。クリアコートは、被覆物分野で公知であるように配合することができる。
【0040】
特定の実施形態において、被覆物はプライマーである。一般に、プライマーは、次に付与される被覆物の基材への接着を促進し、基材を例えば腐食またはUV曝露から保護し、表面平滑性を向上させ、多くの場合、研磨可能に設計される。本発明のプライマーは、いくらかの着色剤を含有することができ、一般に、1つまたはそれより多い付加的被覆層と共に使用され、例えばエレクトロコート層の後、またはプライマー表面層、着色ベースコート層、クリアコート層などの前に使用される。
【0041】
ある実施形態において、被覆物はベースコートである。ベースコートは一般に顔料着色されており、すなわち、該ベースコートが付与される基材に、ある種の色および/または他の視覚効果を与える。
【0042】
被覆物系のある実施形態において、クリアコートがベースコート被覆層の少なくとも一部に付着される。そのような実施形態において、実質的に明澄な被覆組成物は着色剤を含有することができるが、該着色剤の量は、該被覆組成物が硬化された後に該明澄被覆組成物を不透明(実質的に透明でない)にする量ではない。ある例において、硬化組成物のBYKヘイズ値は50未満であり、35未満であることができ、多くの場合20未満である(BYK Chemie USAから入手可能なBYK Haze Glossメータを使用して測定)。
【0043】
ある種の他の実施形態において、被覆物は、クリアコートと共に使用される顔料着色ベースコートまたは顔料着色モノコートのように、着色剤を含有する。そのような被覆層は、例えば、自動車工業において、被覆基材に装飾的および/または保護的仕上げを与えるために使用される。したがって、本発明は、さらに、本発明の被覆物で少なくとも部分的に被覆された基材に関し、該基材は乗り物の一部を含む。「乗り物」は本明細書においてその最も広い意味で使用され、あらゆるタイプの乗り物、例えば、自動車、トラック、バス、バン、ゴルフカート、オートバイ、自転車、鉄道車両などを包含するが、それらに限定されない。本発明によって被覆される乗り物の部分は、被覆物が使用されている理由に依存して変化し得ることが認識される。例えば、耐チッププライマーは、前記のような乗り物のいくつかの部分に付与され得る。着色ベースコートまたはモノコートとして使用される場合、本発明の被覆物は、一般に、目に見える乗り物の部分、例えば、ルーフ、フード、ドア・トランク・リッドなどに付与されるが、他の部分、例えばトランク内側、ドア内側などにも付与され得る。クリアコートは、一般に、乗り物の外部に付与される。
【0044】
本発明の被覆組成物は、硬化性被覆組成物に適したあらゆる用途に使用することができる。それらは、環境硬化性(ambient curable)組成物がより長いポットライフを示すことが望まれる用途において有用となり得る。例えば、該被覆物は、自動車工業における使用に特に好適である。自動車表面再仕上げ工業に使用される従来の被覆系において、多くの被覆物は多成分として提供される(なぜなら、いったん混合されると、反応が進んで、反応性被覆物が限られたポットライフを有するからである)。担体と会合した触媒を使用する本発明の硬化性被覆物は、被覆物がより長いポットライフを有することを可能にし、それによって被覆物付与における生産性増加に導く。これは、さらに、向上した被覆物物理的特性および/または外観ももたらし得る。実施形態において、該触媒は、付与の間または付与後に必要になるまで、被覆物の残部から分離されている。しかし、本発明の硬化性被覆組成物は多くのさまざまな用途を有し得ると予想されるが、該組成物は接着剤ではなく、2つの基材を接合させて構造的結合または接着を形成する役割を果たすことは期待されない。
【0045】
前記の詳細な説明の解釈上、明示的に反対の指定がない限り、本発明はさまざまな代替的変形物および工程順序を想定し得るものと理解すべきである。さらに、任意の作業実施例における以外、または別段の指定がある場合以外は、明細書および特許請求の範囲に使用されている範囲、量またはパーセンテージ、例えば成分量を表す全ての数値は、全ての場合において「約」という用語で修飾されているものと理解すべきである。したがって、反対の指定がない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に示されている数値パラメータは、本発明によって得るべき所望特性に依存して変化し得る概数である。少なくとも、かつ、均等論の適用を特許請求の範囲に限定するものではなく、各数値パラメータは、少なくとも、記載されている有効桁の数に照らして、通常の丸め法を適用して、解釈すべきである。
【0046】
本発明の広い範囲を示す数値範囲および数値パラメータは概数であるにもかかわらず、特定の実施例に示されている数値は、可能な限り正確に報告されている。しかし、あらゆる数値は、それらの各試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じるある程度の誤差を本質的に含む。
【0047】
さらに、本明細書に記載されているあらゆる数値範囲は、それらの範囲の端点、およびそれらの範囲に包含される全ての部分範囲を包含するものと理解すべきである。例えば、「1〜10」の範囲は、記載されている最小値1と記載されている最大値10(ならびに1および10を包含する)の間の全ての部分範囲を包含するものとし、すなわち、1と等しいかまたは1より大きい最小値および10と等しいかまたは10未満の最大値を有する。
【0048】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されている冠詞「a」、「an」および「the」は、明示的かつ明確に1つの指示物に限定されない限り、複数の指示物を包含する。例えば、本明細書において「a」触媒、「a」被膜形成樹脂などの記載があるが、1つまたはそれより多いこれらの各成分および任意の他の成分を使用することができる。他に特に記載がない限り、単数形は複数形を包含し、その逆も同様である。さらに、本出願において、「および/または」が、ある場合において明白に使用され得るが、他に特に記載のない限り、「または」の使用は「および/または」を意味する。本明細書において使用されている「ポリマー」という用語は、オリゴマー、ならびにホモポリマーおよびコポリマーの両方を指し、接頭辞「ポリ」は2つまたはそれより多いことを意味する。「包含する」、「例えば」、「〜のような」などの用語は、包含する、例えば、〜のような、を意味するが、これらに限定されない。
【0049】
本明細書に示されている本発明のさまざまな実施形態および実施例は、それぞれ、本発明の範囲に関して非限定的であるものと理解される。
【0050】
以下の実施例を参照して、本発明をさらに説明する。以下の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0051】
以下の実施例は、本発明の一般原理を明示するために示される。該実施例は、本発明の実施形態による被覆組成物の調製を記載し、該組成物を、該組成物の材料を含有せず、かつ/または該組成物のパラメータを満たさない類似組成物と比較している。記載されている全ての量は、他に指示されない限り、重量部で記載されている。本発明は、示されている特定の実施例に限定されるものと解釈されるべきでない。
【0052】
ゼラチン触媒カプセルを含有する被覆組成物の調製(配合A):
【0053】
下記の成分を、混合カップに添加した:52.8gのECW8186水性クリアコート、および21.15gのEHW8224水性クリアコート硬化剤(両方ともPPG Industries,Inc.により市販)を、一緒に添加し、手で充分に混合した。次に、21.15gのT494水性希釈剤(PPG Industries,Inc.により市販)、および水性スラリーとして与えられる3.3gのゼラチン触媒カプセル(Lipo Technologies,Inc.により供給)を添加し、手で充分に混合した。該ゼラチンカプセルは20wt%固形物であり、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)が全固形分の72.7wt%を構成した。
【0054】
PMU触媒カプセルを含有する被覆組成物の調製(配合B):
【0055】
下記の成分を、混合カップに添加した:52.8gのECW8186水性クリアコート、および21.15gのEHW8224水性クリアコート硬化剤(両方ともPPG Industries,Inc.により市販)を、一緒に添加し、手で充分に混合した。次に、21.15gのT494水性希釈剤(PPG Industries,Inc.により市販)、および水性スラリーとして与えられる3.65gのポリオキシメチレン尿素(PMU)ホルムアルデヒドカプセル(Lipo Technologies,Inc.により供給)を添加し、手で充分に混合した。該カプセルは23wt%固形物であり、DBTDLが全固形分の57.1wt%を構成していた。
【0056】
表1に概説されているように、触媒を含有しないかまたは遊離DBTDLを含有する同様の調製物も調製し、比較例として評価した。
【表1】
【0057】
カプセル封入触媒のポットライフへの効果を評価するために、被覆物粘度を経時的に測定した。被覆物付与後にケーニッヒ(Konig)振り子硬度およびダストフリータイムを測定して、基材に付与された該被覆物の硬化における、カプセル封入触媒の効果を評価した。
【0058】
実施例の配合物を、電着塗装鋼板に吹付付与した。使用した鋼板は、ACT Laboratories,Inc.から入手可能なED6060エレクトロコートを有するACT冷間圧延鋼板(10.16cm×30.48cm)であった。0.3mmおよび1.1mmのノズルを有するHVLPスプレーガンを使用して、被覆組成物をそれぞれ、周囲温度で2回塗り(in two coats)において手で吹付けし、付与の間に環境フラッシュ(ambient flash)を使用した。クリアコートは、1〜2ミル(約25〜51マイクロメータ)の乾燥被膜厚さを目標とした。
【0059】
組成物のいくつかの物理的特性が下記の表2に要約されている。
【表2】
【0060】
経時的粘度測定により、配合AおよびBのカプセル封入触媒が、比較例2の配合の従来遊離触媒と比較して、配合物のポットライフを有意に延長させることがわかる。実際に、配合AおよびBのポットライフは、触媒を添加されていない比較例1によく似ている。吹付付与のときに、配合AおよびBにおいて、比較例1の無触媒と比較して、ダストフリータイムが短くなり、硬度が高くなり、これは吹付付与の間に触媒が放出されることを示している。ダストフリータイムは比較例2の遊離触媒系より長いが、無触媒と比較して明らかに有利である。カプセル封入触媒は、無触媒の場合に見られる長時間ポットライフと、従来型触媒添加系により近いダストフリータイムおよび硬度との新規組み合わせを実現することを可能にする。付与によって放出されるカプセル封入触媒の使用は、一般に観測されるポットライフと硬化時間との妥協を回避するかまたは減少させる。
【0061】
さらに、剪断力を効果的に増加させるより小さいノズルサイズでの付与が、より短いダストフリータイムを生じることがわかり得る。短縮したダストフリータイムは、担体からの触媒の放出強化を示し、剪断力の役割、および担体からの触媒の放出を実証している。
【0062】
例示を目的として、本発明の特定の実施形態を上記に説明したが、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明から逸脱せずに、本発明の細部の多くの変形がなされ得ることが当業者に明らかである。したがって、本発明は開示されている特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の趣旨および範囲内の変更を包含するものとする。