特許第6242510号(P6242510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242510マイクロファセット箔を用いた調整可能な昼光の感覚
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242510
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】マイクロファセット箔を用いた調整可能な昼光の感覚
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20171127BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20171127BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171127BHJP
【FI】
   F21S2/00 480
   F21V5/04 650
   F21S2/00 481
   F21Y115:10
【請求項の数】15
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-569782(P2016-569782)
(86)(22)【出願日】2015年5月26日
(65)【公表番号】特表2017-520088(P2017-520088A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】EP2015061558
(87)【国際公開番号】WO2015181149
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】14169793.8
(32)【優先日】2014年5月26日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ゴマンス ヘンドリクス ヒュバータス ペトルス
(72)【発明者】
【氏名】バン ジェルウェ ヨヘン レナート
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/011410(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/030100(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02725289(EP,A2)
【文献】 特開2002−304903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるスペクトル分布を持つ光源光を供給する第1光源及び第2光源と、前記第1光源の下流に配置される透光性の第1光再分配ウインドウ及び前記第2光源の下流に配置される透光性の第2光再分配ウインドウと、前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウの下流に配置される透光性再配向ウインドウと、前記透光性再配向ウインドウの下流に配置されるオプションとしての拡散器ウインドウとを有する照明ユニットであって、
前記第1光再分配ウインドウは前記第1光源の第1光源光を前記透光性再配向ウインドウにわたって該透光性再配向ウインドウの複数の第1再配向領域に再分配し、前記第2光再分配ウインドウは前記第2光源の第2光源光を前記透光性再配向ウインドウにわたって該透光性再配向ウインドウの複数の第2再配向領域に再分配し、
前記透光性再配向ウインドウの前記第1再配向領域は、オプションとして前記拡散器ウインドウとの組み合わせで、受光された前記第1光源光の少なくとも一部を第1光ビームに整形し、前記透光性再配向ウインドウの前記第2再配向領域は、オプションとして前記拡散器ウインドウとの組み合わせで、受光された前記第2光源光の少なくとも一部を第2光ビームに整形し、前記第1光ビーム及び前記第2光ビームは重なり合わないか又は部分的にしか重なり合わず、前記第1光ビーム及び前記第2光ビームが異なるスペクトル分布を有する、
照明ユニット。
【請求項2】
前記第1光源及び前記第2光源が5〜200mmの範囲から選択される光源間距離で配置される、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記透光性再配向ウインドウの前記第1再配向領域は、オプションとして前記拡散器ウインドウとの組み合わせで、断面視で第1光軸を有すると共に60〜150°の範囲から選択される第1開口角を有する前記第1光ビームを供給し、前記透光性再配向ウインドウの前記第2再配向領域は、オプションとして前記拡散器ウインドウとの組み合わせで、第2光軸を有すると共に5〜60°の範囲から選択される第2開口角を有する前記第2光ビームを供給し、前記第1光軸及び前記第2光軸が45〜90°の範囲から選択される相互角を有する、請求項1又は請求項2に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記透光性の第1光再分配ウインドウは第1再分配光学エレメントを有する一方、前記透光性の第2光再分配ウインドウは第2再分配光学エレメントを有し、
前記第1再配向領域の各々は1以上の第1再配向光学エレメントを有する一方、前記第2再配向領域の各々は1以上の第2再配向光学エレメントを有し、
前記第1再分配光学エレメントは前記第1光源光を前記複数の第1再配向領域に向け直し、前記第2再分配光学エレメントは前記第2光源光を前記複数の第2再配向領域に向け直し、前記第1再配向光学エレメントは、オプションとして前記拡散器ウインドウとの組み合わせで、第1光軸を有すると共に60〜150°の範囲から選択される第1開口角を有する前記第1光ビームを供給し、前記第2再配向光学エレメントは第2光軸を有すると共に5〜60°の範囲から選択される第2開口角を有する前記第2光ビームを供給する、請求項1ないし3の何れか一項に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記拡散器ウインドウが適用され、該拡散器ウインドウが30°までの範囲から選択される半値全幅(FWHM)を有する、請求項3又は請求項4に記載の照明ユニット。
【請求項6】
前記第1再分配光学エレメント、前記第2再分配光学エレメント、前記第1再配向光学エレメント及び前記第2再配向光学エレメントが、10〜5,000μmの範囲から選択されたファセット高を有するファセットを備えた光学エレメントを有し、これらファセットのベース面に対するベース角は50〜80°及び10〜40°の範囲から独立に選択される、請求項に記載の照明ユニット。
【請求項7】
前記第1光再分配ウインドウ及び前記透光性の第2光再分配ウインドウは独立にフレネルレンズを有し、前記第1再配向領域及び前記第2再配向領域が独立にフレネルレンズの少なくとも一部を有する、請求項1ないし6の何れか一項に記載の照明ユニット。
【請求項8】
前記第1再配向領域及び前記第2再配向領域が、これら領域が交互となる配置に構成される、請求項1ないし7の何れか一項に記載の照明ユニット。
【請求項9】
前記第1再配向領域及び前記第2再配向領域が市松模様に配置され、前記第1光再分配ウインドウ、前記第2光再分配ウインドウ及び前記再配向ウインドウが高分子箔を有する、請求項1ないし8の何れか一項に記載の照明ユニット。
【請求項10】
前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウは、前記各光源から1〜50mmの範囲から選択される第1距離に配置され、
前記再配向ウインドウは前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウから1〜200mmの範囲から選択される第2距離に配置される一方、前記第1再配向領域及び前記第2再配向領域は20mm未満の断面積を有し、
前記第1光源及び前記第2光源は、0.25〜100mmの範囲から選択された面積を有する発光面を備えた固体光源である、請求項1ないし9の何れか一項に記載の照明ユニット。
【請求項11】
前記第1光源は白色の第1光源光を発生し、前記第2光源は青色及び赤色の1以上の第2光源光を供給する、請求項1ないし10の何れか一項に記載の照明ユニット。
【請求項12】
前記第1光源及び前記第2光源を独立に制御する制御ユニットを更に有する、請求項1ないし11の何れか一項に記載の照明ユニット。
【請求項13】
複数の第1光源及び複数の第2光源を有し、前記第1光源及び前記第2光源は、これら光源が交互となる配置に構成され、各第1光源の下流に前記第1光再分配ウインドウが配置され、各第2光源の下流に前記第2光再分配ウインドウが配置され、前記第1光再分配ウインドウの各々の下流に前記透光性再配向ウインドウの第1部分が配置され、前記第2光再分配ウインドウの各々の下流に前記透光性再配向ウインドウの第2部分が配置され、前記第1部分及び前記第2部分の各々は複数の再配向領域を有し、前記第1光源及び前記第1光再分配ウインドウは前記第1光源光を前記透光性再配向ウインドウの対応する第1部分上に且つ該透光性再配向ウインドウの1以上の隣接する第2部分の一部にも再分配し、前記第2光源及び前記第2光再分配ウインドウは前記第2光源光を前記透光性再配向ウインドウの対応する第2部分上に且つ該透光性再配向ウインドウの1以上の隣接する第1部分の一部にも再分配する、請求項1ないし12の何れか一項に記載の照明ユニット。
【請求項14】
前記第1光源及び前記第2光源が前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウとの組み合わせで前記再配向ウインドウを均一に照明する、請求項13に記載の照明ユニット。
【請求項15】
人に対して昼光的感覚を提供するための屋内環境における、請求項1ないし14の何れか一項に記載の照明ユニットの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源及び透光性ウインドウを有する照明ユニットに関する。本発明は、更に、昼光の感覚を提供するために使用するための斯様な照明ユニットにも関する。
【背景技術】
【0002】
昼光又は天窓(天空光)を模擬するための照明ユニットの利用は当業技術において知られている。例えば、国際特許出願公開第WO2013011410号公報は天窓の外観を得るために使用される照明エレメントを記載しており、該照明エレメントは白色光を放出する白色発光手段、青色光を放出する青色発光手段及びフレネルレンズを有している。該フレネルレンズは、上記白色発光手段及び青色発光手段からの光を受光するように配置される。上記白色発光手段は上記フレネルレンズに対し第1の相対位置に配置されて、該白色発光手段により放出される光の少なくとも一部をコリメートし、これにより特定の方向にコリメートされ且つ指向された光を得る。上記青色発光手段は上記フレネルレンズに対し第2の相対位置に配置され、これにより少なくとも上記コリメートされ且つ指向された光の外側に青色光の放射を得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
人は、一般的に、主照明源として人工光よりも昼光を好む。日常生活における昼光の重要性は一般的に認識されている。昼光は人の健康及び安らぎのために重要であることが知られている。今日、西欧世界における人々は約90%を超える時間を屋内で、且つ、しばしば自然昼光から離れて過ごしている。従って、家庭、学校、商店、オフィス、病室及び浴室を含む自然昼光に欠ける環境において人工光により納得のゆく昼光の印象を生じさせる人工昼光光源には、大きな好機が存在する。昼光的見掛けとは、一般的に、小さな視角において白色光を知覚すると共に大きな視角において青色の又は青みがかった光を知覚することを意味する。
【0004】
現在既知の解決策の主たる問題は、容易く50%以下となり得る低い光学効率である。これは、主に、例えば当該光の非青色成分を大きな角度において選択的に吸収するような光吸収性光学エレメントが使用されるという事実によるものである。幾つかの従来の解決策の他の欠点は、“青空色(blue sky)”及び白色の下向きの光の輝度を独立に制御することができないことである。従来の解決策の更に他の問題は、必須の光学エレメントの相対的に大きな系である。しかしながら、このような人工天窓解決策に対する実際的要件は、好ましくは過度に奥行きがあるべきでなく、既存の設備への容易な組込を可能にすることである。人工天窓概念に関する光学効率を改善することができる他の以前に考察された解決策は、典型的に、大幅に厚みのある解決策となり、これら解決策を実際に実施可能なものにさせるものではない。
【0005】
上記青空色及び白色の光を独立に制御(調光)するための可能性のある解決策は、各カラーが異なる光学系を有する、即ち、白色LEDが相対的に狭い下方ビームを供給する光学系を有する一方、青色LEDが“中空”ビーム(即ち、下向きの光はなく、大きな角度での青色光)を供給する光学系を有する、2つのLEDカラー(白色及び青色)を使用するというものであろう。このような解決策は非常にむらがあるように思われ、余り望ましくない。このことは、弱い拡散器を用いることにより解決され得るであろう。しかしながら、均一な見え方を達成するために、斯かる拡散器はLEDアレイから相当の距離に配置されねばならないであろう。このことは、当該人工天窓解決策を(再び)非実用的なほど厚く且つ嵩張るものにさせ得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の一態様は、好ましくは更に上述した欠点の1以上を少なくとも防止する代替的照明ユニットを提供するものである。特に、本発明の一態様は、例えば白色(中心)ビーム、及び斯様な白色(中心)ビームを(完全に)囲むような、斯かる(中心)ビームの側部における青色ビーム又は少なくとも上記(中心の)白色よりも青いビームを発生することができるような、光が昼光又は天空光として感じられる代替的照明ユニット及び斯かる照明ユニットの使用法を提供するものである。
【0007】
ここでは、特に光学効率を大幅に改善する2箔マイクロファセット設計に基づき得る解決策が提供される。異なる色のLED(これらのうちの1つは白色光を供給し得る)をマイクロファセット構造が設けられた2つの箔と組み合わせて、光を出射ウインドウにおいて混合及び再分配し、ユーザにより均一と知覚される、例えば細かい網目の市松パターンが得られるようにすることを提案するものである。この構成は、各タイプのLEDの角度強度(即ち、ビーム形状)の独立した制御を効率的に可能にする。
【0008】
従って、第1態様において、本発明は、(各々が)異なるスペクトル分布を持つ光源光を供給するように構成された第1光源及び第2光源と、前記第1光源の下流に配置される透光性の第1光再分配ウインドウ(“第1再分配ウインドウ”又は“第1上流ウインドウ”)及び前記第2光源の下流に配置される透光性の第2光再分配ウインドウ(“第2再分配ウインドウ”又は“第2上流ウインドウ”)と、前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウの下流に配置される透光性再配向ウインドウ(“再配向ウインドウ”又は“下流ウインドウ”)と、前記透光性再配向ウインドウの下流に配置されるオプションとしての拡散器ウインドウ(“拡散器”)とを有する照明ユニットであって、(i)前記第1光再分配ウインドウは前記第1光源の第1光源光を前記透光性再配向ウインドウにわたって該透光性再配向ウインドウの複数の第1再配向領域に再分配するように構成される一方、前記第2光再分配ウインドウは前記第2光源の第2光源光を前記透光性再配向ウインドウにわたって該透光性再配向ウインドウの複数の第2再配向領域に再分配するように構成され、(ii)前記透光性再配向ウインドウの前記第1再配向領域は、オプションとして前記拡散器ウインドウとの組み合わせで、受光された前記第1光源光の少なくとも一部を第1光ビーム(“第1ビーム”)に整形するように構成される一方、前記透光性再配向ウインドウの前記第2再配向領域は、オプションとして前記拡散器ウインドウとの組み合わせで、受光された前記第2光源光の少なくとも一部を第2光ビーム(“第2ビーム”)に整形するように構成され、前記第1光ビーム及び前記第2光ビームは重なり合わないか又は部分的にしか重なり合わず、前記第1光ビーム及び前記第2光ビームが異なるスペクトル分布を有する照明ユニットを提供する。
【0009】
本照明ユニットによれば、吸収(例えば、大きな角度の青色ビームを発生するために非青色光の)を利用する光学エレメントに基づいた解決策と比較して、光学効率が大きく改善される。更に、本解決策は、既存の解決策の多くでは可能ではない人工青空光効果と白色光との間の独立した調整を可能にする。特に、出射ウインドウは前記透光性再配向ウインドウにわたる光の再分配により均一に見え(均一な光を供給する)、このことはユーザにとり心地よい。また、当該照明ユニットは小さな奥行きしか必要とせず、このことは該ユニットを既存の構造に組み込むという観点で望ましい。特に、本明細書に記載される照明ユニットは、人に対して昼光的感覚(昼光の体験)を与えるために屋内環境で使用することができる。例えば、当該照明ユニットは、もてなし領域(病院、高齢者ホーム、レストラン等)、オフィス領域及び工場領域等からなる群から選択される屋内環境において使用することができる。しかしながら、店舗、ショッピングモール等の他のアプリケーションも可能である(後述も参照)。
【0010】
青色光により囲まれた中心の白色ビームを仮定すると、当該照明ユニットにより放出される光は見る人により晴れた日に天窓又は窓を通って注ぐ直の日光として知覚され得る。見る人が当該照明ユニットに白色光ビームの外側の位置から目を向けると、該見る人は当該光ビームの白色光を(実質的に)見ることはなく、青色光(又は他のカラー、後述参照)を見ることができ、これは見る人が直射日光のビームの外側の位置から天窓を介して見た場合に人が見る(青)空と同等となる。このように、当該照明ユニットはユーザにより建物の内部空間の心地よい照明として体験される天窓の見掛けを提供することができる。人が当該人工天窓装置を典型的な角度で見た(即ち、当該天窓が天井に組み込まれたとして、人が当該部屋の周辺を大凡水平方向に見る)場合、当該天窓は青く見える(窓を通して青空を見るかのように)。しかしながら、当該人工天窓装置により発生される中央の白色ビームは、該天窓の下の全ての物体及び人を白色光により照明する高品質の白色光を供給する。該白色の中央ビームの角度範囲は、典型的には、人が当該天窓を通常の状況において見る(即ち、殆ど真っ直ぐ上を見る)角度ではないことに注意されたい。
【0011】
直接の昼光又は本発明の照明ユニットにより放出される人工昼光が部屋を照明する場合、該部屋における人の快適さに肯定的に影響を与えることができ、例えば、人の生産性を向上させることができる。ここでは第1光源として示される白色光放出手段は、白色光を、より特定的には白色光と同様の光を放出する。このことは、該白色光の波長分布が、該白色光のカラー点が色空間の黒体軌跡上の又は黒体軌跡に近いカラー点となるようなものであることを意味する。人の裸眼は、黒体軌跡上のカラー点を持つ光を、冷白色〜暖白色の範囲内であると知覚する。直の日光も白色光であり、色空間の黒体軌跡に近い又は黒体軌跡上のカラー点を有する。また、直の日光は、一日の時間及び大気条件に依存して冷白色と暖白色との間で変化する。このことは、前記波長分布が直の日光の波長分布と正確に同一であることを意味するものではないことに注意すべきである。上記白色光放出手段により放出される光は、例えば、組み合わせで黒体軌跡に近い又は黒体軌跡上にある色空間内のカラー点となる幾つかの原色の組み合わせとすることもできる。当該青色光は青色スペクトル範囲内の波長が該青色スペクトル範囲外の波長に対して優勢なスペクトル分布を有し、かくして、人の裸眼は該光を青色の光として知覚する。オプションとして、該青色光の放出は複数の光放出方向におけるものであり、これらの光放出方向のうちの少なくとも一部は前記白色光ビームの外側である。
【0012】
前記第1光源及び第2光源は、第1光源光及び第2光源光を各々発生するように構成される。これらの光源の光のスペクトル分布は、各々が白色光及び青色光又は各々が白色光及び赤色光のように相違する。特に、第1光源光は白色であり、第2光源光は青色である。しかしながら、オプションとして、第2光源光は、例えば日没又は日の出の状態に似せるために橙色又は赤色にすることもできる。また、第1光源は必ずしも白色光を供給する必要はない。しかしながら、特定の実施態様において第1光源は白色の光源光を供給する。“光源”なる用語は、オプションとして複数の光源を指すこともできる。しかしながら、特定の実施態様において複数の光源が単一の第1光源(RGBパッケージのように)又は単一の第2光源として適用される場合、当該発光面は例えば2mm(最短距離)のように互いに接近して配置される。複数の光源が第1光源又は第2光源として適用される場合、これら光源は、オプションとして、独立に制御可能なものとすることができる(制御ユニットにより、後述も参照)。更に本明細書において、“複数の第1光源”又は“(複数の)第1光源”及び“複数の第2光源”又は“(複数の)第2光源”なる用語並びに同様の用語は、交互配置(隣接する光源の間に所定の距離を伴う、後述参照)で配列された複数の斯様な光源を備える照明ユニットを指し、ここで、当該複数の第1光源は全て実質的に同一のスペクトル分布を有する一方、当該複数の第2光源は全て実質的に同一のスペクトル分布を有する。
【0013】
他の実施態様において、前記第1光源は、特には青色(固体)光源光を供給するように構成された(固体)光源、及び該固体光源光の一部を変換し、かくして特には上記青色光を一層大きな波長を有する光(緑色、黄色、橙色及び/又は赤色等)に変換するように構成された波長変換器を有し、これにより当該光源光が前記固体光源光及び波長変換器光を有するようにする。更に他の実施態様において、前記第1光源はRGB固体光源パッケージを有する。従って、特定の実施態様において、該第1光源は固体光源(LED又はレーザダイオード等)を有する。特に、該第1光源は白色光源光を発生するように構成される。オプションとして、該第1光源は、異なるカラー(一実施態様において、少なくとも白色光を含むが)を供給することができる調整可能な光源である。
【0014】
他の実施態様において、第2光源は固体光源を有する。特定の実施態様において、該第2光源は青色、緑色、黄色、琥珀色、橙色及び赤色の1以上から選択されるカラーを有する光源光を供給するように構成される。オプションとして、該第2光源は、このようなカラーの2以上を供給するように構成することができる(例えば、カラー調整可能な光源)。特に、該第2光源は少なくとも青色(固体)光源光を供給するように構成される。従って、特定の実施態様において、該第2光源は固体光源(LED又はレーザダイオード等)を有する。オプションとして、該第2光源は、異なるカラー(一実施態様において、少なくとも青色及び/又は赤色光を、特には少なくとも青色光を含むが)を供給することができる調整可能な光源である。
【0015】
特に、第1光源及び第2光源は異なるスペクトル分布を持つ光を発生するように構成される。即ち、これらスペクトルは全(可視)波長範囲にわたって完全に一致することはない。例えば、第1光源は白色光(青色光を含む)を発生する一方、第2光源は実質的に青色光を発生する(即ち、実質的に緑色、黄色及び赤色光を含まない等の様に、青色範囲以外のスペクトル波長範囲内の光を実質的に含まない)。青色スペクトル領域において、これらスペクトルは一致し得るが、他のスペクトル範囲では、極めて少ない一致しか存在しないか又は一致が存在しない。従って、上記スペクトル分布は一致しないか又は部分的にしか一致しない。かくして、第1及び第2光源は異なるスペクトル分布を持つ光を供給することができ、部分的にのみ一致することができる。特に、第1光源光及び第2光源光は異なるカラー点を有する。従って、特定の実施態様において、第1光源は白色の第1光源光を発生するように構成される一方、第2光源は青色及び赤色の第2光源光の1以上を発生するように構成される。特に、当該照明ユニットは、第1光源及び第2光源を独立に制御するように構成された制御ユニットを更に有することができる。該制御ユニットは、例えば、遠隔制御ユニット及び外部光センサ、人の挙動を感知するように構成されたセンサ又は時間センサ等のセンサの1以上により制御されるよう構成することができる。第1及び第2光源を独立に制御することにより、昼光的感覚を例えば時間及び/又はユーザ設定等の関数として調整することができる。複数の第1光源及び複数の第2光源が存在する場合、該制御ユニットは上記複数の第1光源を上記複数の第2光源から独立に制御するように特に構成することができることに注意されたい。
【0016】
本発明は、ここでは、(i)第1光源及び第1光再分配ウインドウと、(ii)第2光源及び第2光再分配ウインドウとを有するユニットを参照して説明される。オプションとして、当該照明ユニットは、各々が自身の光を再配向ウインドウ上に再分配する2以上の斯様なユニットを有することができる。代わりに又は加えて、当該照明ユニットは、各々が第1光源及び第1光再分配ウインドウ、第2光源及び第2光再分配ウインドウ、並びにこれら光源が自身の光源光を再分配する(共有の)再配向ウインドウを含む複数のユニットを有する。このような事例においては、個々の光源に対して異なる再分配領域を備える単一の再分配ウインドウを使用することができる。
【0017】
特定の実施態様において、前記第1光源及び前記第2光源は、5〜200mmの範囲、特には10〜50mm等の10〜100mmの範囲から選択される光源間距離(LD)で配置される。一層短い又は一層長い距離(最も近い隣接するものの間の)により、前記透光性再配向ウインドウ上への所要の分配及び/又は前記2つのビームの所望の角度を容易に得ることができる。上記光源間距離は、特に、隣接する光源の間の最短距離である。この距離は、特には、当該光源の発光面の間で測定することができる。一般的に斯かる発光面は小さい(≦2mmの幅及び長さ等の寸法)ので、上記最短距離の代わりにピッチを使用することもできる。
【0018】
前述したように、“第1光源”及び/又は“第2光源”なる用語は、複数の第1光源及び/又は第2光源を各々指すことができる。従って、複数の第1光源及び第2光源が前記再分配ウインドウの上流に配置された場合、光源間距離(LD)は5〜200mmの範囲、特には10〜100mmの範囲から選択される。この距離は、前述したように、最も近い近隣の光源の間の最短距離に関するものである。第1光源及び第2光源の配置は、特には、交互のものである。従って、第1光源及び第2光源は、市松模様に配置することが(も)できる。しかしながら、六角形配置等の他のパターンも可能である。しかしながら、第1光源及び第2光源は、特には、隣接する光源の間に上述した様に5〜200mmの最短距離を持つ規則的パターンを形成するものとする。非常に特別な実施態様において、第1光源及び第2光源の1以上は、独立に、異なるスペクトル分布を有するが一緒になって第1スペクトル分布を持つ第1光源光及び第2スペクトル分布を持つ第2光源光を各々供給する2以上の部分群の光源からなる。このような事例において、前記光源間距離は、均一な光を示すような出射ウインドウを保証するために、特に約5〜50mmの、更に一層特別には5〜20mmの範囲内にすることができる。簡略化のために、本発明は、ここでは、各々が実質的に単一のタイプの第1光源及び第2光源を各々含む、第1光源(又は複数の第1光源)及び第2光源(又は複数の第2光源)に関連して更に説明する。
【0019】
上記2つの(タイプの)光源の各々の下流には、透光性の再分配ウインドウが配置され、これらウインドウは、各々、第1の透光性再分配ウインドウ及び第2の透光性再分配ウインドウとして示される。これらのウインドウは、ここでは、(第1及び第2)上流ウインドウとしても示される。何故なら、これらウインドウは前記再配向ウインドウの上流に配置されるからである。オプションとして、斯かる上流ウインドウ(又は複数の上流ウインドウ)と前記再配向ウインドウとの間に1以上の他のウインドウ及び/又は他の光学系を配置することもできることに注意されたい。
【0020】
“上流”及び“下流”なる用語は、光発生手段(ここでは、特に前記光源)からの光の伝搬に対する物品又はフィーチャの配置に関するもので、上記光発生手段からの光ビーム内の第1位置に対して、該ビームにおける上記光発生手段に一層近い第2位置は“上流”であり、該光ビーム内の上記光発生手段から一層遠い第3位置は“下流”である。
【0021】
前記再分配ウインドウは、各光源に対して専用の2つの部分を備えるが、単一のウインドウとすることができる。しかしながら、別個のウインドウを適用することもできる。一般的に、再分配ウインドウ(又は複数の再分配ウインドウ)と前記光源との間の距離は、第1光源と第1再分配ウインドウとの組み合わせ及び第2光源と第2再分配ウインドウとの組み合わせの両方に関して同一である(以下を更に参照)。ここでは、本発明は第1及び第2の再分配ウインドウに関連して更に説明されるが、これは各光源に関連する2つの部分(再分配領域)を備える単一のウインドウとすることもできる。複数の第1光源及び複数の第2光源が適用される場合、再分配ウインドウは、特に、対応する配置で、即ち光源の市松模様配置及び再分配ウインドウの市松模様配置で、配列することができる。
【0022】
更に、当該照明ユニットは、前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウの下流に配置される透光性再配向ウインドウを有する。この再配向ウインドウは、通常、両光源から光源光を受光する単一のウインドウである(下記も参照)。該再配向ウインドウは、前記再分配ウインドウの下流に配置されるので、本明細書では下流ウインドウとしても示される。該再配向ウインドウは、実施態様では、出射ウインドウとして構成することができる。しかしながら、該再配向ウインドウの下流には1以上の他のウインドウ及び/又は他の光学系を配置することができる。
【0023】
上記再配向ウインドウは複数の再配向領域を有し、これら領域は第1再配向領域と第2再配向領域との間で区別することができる。これらの再配向領域は再配向ウインドウ上に、特には再配向ウインドウ全体に分散される。従って、全数の第1再配向領域の約半分は第2光源の下流に配置され、全数の第2再配向領域の約半分は第1光源の下流に配置される。第1再配向領域は前記再分配ウインドウを介して実質的に第1光源のみからの光源光を受光し、第2再配向領域は前記再分配ウインドウを介して実質的に第2光源のみからの光源光を受光する。
【0024】
従って、前記第1光再分配ウインドウは前記第1光源の第1光源光を前記透光性再配向ウインドウにわたって該透光性再配向ウインドウの複数の第1再配向領域に再分配するように構成される。更に、前記第2光再分配ウインドウは前記第2光源の第2光源光を前記透光性再配向ウインドウにわたって該透光性再配向ウインドウの複数の第2再配向領域に再分配するよう構成される。このように、上記再分配ウインドウは第1及び第2光源の光源光を、実質的に前記再配向ウインドウ全体にわたってであるが、実質的に各々第1及び第2再配向領域のみに再分配するように構成される。特に、前記再分配ウインドウは、各光源との組み合わせで、当該光を対応する再配向領域上に均一に分配するように構成される。
【0025】
この目的のために、上記再分配ウインドウはマイクロファセット又はマイクロファセットを備える光学構造を含む(下記も参照)。従って、特に前記透光性の第1光再分配ウインドウは、これらのマイクロファセット又はマイクロファセットを備える光学構造のような第1再分配光学エレメントを有することができる一方、前記透光性の第2光再分配ウインドウは第2再分配光学エレメントを有することができる。
【0026】
従って、第1段階において、前記第1光源及び前記第2光源の光源光は、これら光源の光が再配向ウインドウ上に、第1再配向領域が実質的に第1光源光のみを受光する一方、第2再配向領域が実質的に第2光源光のみを受光するように再分配されるように、偏向される。一実施態様において、第1再配向領域及び第2再配向領域は、これら領域が交互となる(当該再配向ウインドウ全体にわたって)ような(2D)配列に配置される。例えば、特定の実施態様において、第1再配向領域及び第2再配向領域は市松模様で配置される(当該再配向ウインドウ全体にわたって)。しかしながら、六角形配置等の他のパターンも可能である。特に、第1再配向領域及び第2光再配向領域は、当該領域が特にここに示されるような領域を有する規則的パターンを形成する(下記も参照)。複数の第1光源及び第2光源の実施態様では、再配向領域の配置は光源の配置と同じ対称性のものである必要はない。例えば、光源は立方対称配列で配置することができる一方、再配向領域は六角形対称性を有することができる。再分配ウインドウ(又は複数の再分配ウインドウ)が光源光を再配向ウインドウ上にどの様に再分配するかは(それに応じて)選択することができる。
【0027】
上記再配向領域は、見る者に対して当該ウインドウにわたり実質的に均一な光分布の見え方を与えることを可能にするような寸法を有さなければならない。従って、該寸法は過度に大きくてはならない。というのは、その場合、見る者は一層暗い及び一層明るい領域を知覚することができ、これは望ましくないからである。一方、例えば当該光源光のビームの広がりを勘案すると、再配向領域は小さくすることもできない。特定の実施態様において、第1再配向領域及び第2再配向領域は2,000mm未満の断面積を有し、特に、第1再配向領域及び第2再配向領域は20mm未満の断面積を有する。特に、当該再配向領域は、4〜400mmの範囲内のような1〜2000mmの範囲内等の、少なくとも1mm、特には少なくとも4mmの範囲内の断面積を有する。当該断面積は、平らな領域であるので、特に1以上の再配向エレメント(マイクロファセット)を備える領域の表面積に関するものである。従って、当該断面積は、当該ウインドウの面に平行な断面の面積に関するものである。例えば、100cmのウインドウは、10,000*1mmが100cmに等しいので、各々が1mmの断面積を持つ10,000の領域を含み得る。従って、断面積なる用語は、ファセットによる表面の不規則性は考慮に入れず、当該ウインドウを介する面に平行な表面積のみを用いた表面積に関するものでもあり得る。
【0028】
当該装置の出射窓が均一又は一様に(見える)という事実は、本発明の重要な利点である(他の一層標準的な技術的解決策と比較して)。このことは、前記光源及び前記再配向ウインドウ並びに上記再配向領域の寸法の組み合わせにより達成される。前記再分配ウインドウは光源光を各再配向領域上に分配し、これら領域は過度に大きくない寸法を有すると共に他の領域と交互となるので、見る者は均一に発光する出射ウインドウ(即ち、当該出射ウインドウにわたり実質的に均一な輝度を伴う)を知覚することになるであろう。
【0029】
上記再配向ウインドウは、本質的に2つのタイプのビーム、即ち(本質的に)第1光源からの光に基づくが、再配向ウインドウ全体から出射する第1光ビーム、及び(本質的に)第2光源からの光に基づくが、これも再配向ウインドウ全体から出射する第2光ビームを供給するように特別に構成される。しかしながら、これらのビームは異なる方向に出射する。このようにして、第1光ビーム及び第2光ビームは重なり合わないか又は部分的にしか重なり合わず、且つ、これら第1光ビーム及び第2光ビームは異なるスペクトル分布を有する。第1光源からの白色光及び第2光源からの青色(又は赤色)光等の、異なるスペクトル分布を持つ光は(非零の)相互角で以って出射する。それ故、当該照明ユニットは、該照明ユニットの出射ウインドウから少なくとも5mの距離等の遠視野において、これらビームが部分的に重なり合う又は重なり合わない領域を照明するように構成される。
【0030】
この目的のために、前記再配向ウインドウはマイクロファセット又はマイクロファセットを備える構造も含む。従って、各第1再配向領域は、これらのマイクロファセット又はマイクロファセットを備える構造等の、1以上の第1再配向光学エレメントを有することができ、各第2再配向領域は1以上の第2再配向光学エレメントを有することができる。例えば第1光源の直上の再配向領域は、第1光源光が真っ直ぐに進まなければならないかも知れないので、マイクロファセットを含まなくてよいことに注意されたい。もっとも、当該ビームの広がりのために(下記も参照)、このような再配向領域に斯かるマイクロファセットが依然として存在してもよい。
【0031】
上記第1及び第2ビームには固有の開口角が付与され得る。これは、ファセットの配置(特に、再配向ウインドウにおける)により付与され得る。例えば、2つの実質的に平行な第1光源光が受光され及び/又は僅かに異なるベース角(ファセットの)のファセットから出射し得る。これにより、ビーム幅が導入され、当該ビームの所望の開口角を発生することができる。
【0032】
更に、上記再配向ウインドウは120°以下の開口角を持つ前記第1光ビームを供給するように特に構成される。このように、当該照明ユニットから出射する最終的ビームは特に120°以下の開口角を有する。従って、実質的にグレアは存在しないものとすることができる。上記開口角は90°以下のように一層小さくすることもできる。該開口角は、特に、当該ビーム(又は複数のビーム)の半値全幅(FWHM)に対して定められる。
【0033】
ビーム角を調整するためのマイクロファセットの使用に加えて又は代えて、オプションとして、当該照明ユニットは透光性再配向ウインドウの下流に配置された拡散器ウインドウ(“拡散器”)を更に有する。特定の実施態様においては、斯かる拡散器ウインドウが適用され、該拡散器ウインドウは例えば少なくとも5°等の、30°までの範囲から選択される半値全幅(FWHM)を有する。例えば、5〜10°等の、5〜20°のFWHMを持つホログラフ拡散器を適用することができる。例えば、ホログラフ拡散器又はそれ以外で設計された拡散器、即ち入力光を画定された角度範囲にわたって拡散させるように設計された拡散器、を用いることができる。ホログラフ拡散器は当業技術において既知であり、例えば文献WO2012092465、US6285503等に記載されている。従って、前記再配向ウインドウは、特に、オプションとして上記拡散器ウインドウとの組み合わせで120°以下の開口角を持つ第1光ビームを供給するように構成される。
【0034】
オプションとして、再配向ウインドウと拡散器ウインドウとの間には1以上の他のウインドウ及び/又は他の光学系を配置することができる。更に、該拡散器ウインドウは出射ウインドウとして構成することができる。しかしながら、該拡散器ウインドウの下流に、オプションとして、1以上の他のウインドウ及び/又は他の光学系を配置することもできる。
【0035】
前記再分配ウインドウ及び再配向ウインドウの両者は、特に、透過モードで構成することができる。従って、前記光源からの光は、これらのウインドウを通過する。特に、斯かるウインドウ(再分配ウインドウ、再配向ウインドウ及びオプションとして拡散器ウインドウ)は箔(foil)を有する。また、上記拡散器ウインドウも箔とすることができる。箔は、非常に薄くすることができ、灯室の壁の間に容易に伸展させることができる。一実施態様において、“ウインドウ”なる用語は自己支持型(透過性)エレメントを指す。該ウインドウは、特に、可視光に対して透過性である材料を有する。従って、該ウインドウは透光性である。このことは、前記再分配ウインドウ、再配向ウインドウ、前記オプションとしての他のウインドウ、及び前記オプションとしての拡散器ウインドウにも当てはまる。
【0036】
上記ウインドウ(又は箔)、特に前記再分配ウインドウ及び再配向ウインドウの総厚は、前記光学エレメントを含み、0.2〜20mm、特には0.2〜5mmの範囲内とすることができる。当該ウインドウ(又は複数のウインドウ)は、4mm〜50mmの断面積を有することができるが、一層大きな断面積も可能である。特定の実施態様において、両再分配ウインドウの合計断面積は、再配向ウインドウの断面積に実質的に等しい。互いに隣接して配置されるウインドウのタイルも適用することができる。これらウインドウは透過性である。即ち、当該ウインドウの一方の面(即ち、特には上流側の面)を照明する光の少なくとも一部、特には可視光の少なくとも一部は、該ウインドウを通過し、該ウインドウを下流側から出射する。この結果、照明ユニット光が得られる。特に、当該ウインドウはポリマ材料、特にはPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEN(ポリエチレン・ナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチル・メタクリレート(PMMA)(プレキシガラス又はパースペックス)、セルローズ・アセテート・ブチレート(CAB)、シリコン樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、PETG(グリコール修飾ポリエチレン・テレフタレート)PDMS(ポリジメチルシロキサン)及びCOC(シクロ・オレフィン・コポリマ)からなる群から選択される1以上の材料を有する(更に一層特別には、から実質的になる)。しかしながら、他の(コ)ポリマも可能である。従って、各ウインドウのウインドウ領域も前記光源(又は複数の光源)の光の少なくとも一部に対して透過性である。特定の実施態様において、第1光再分配ウインドウ、第2光再分配ウインドウ及び再配向ウインドウはポリマ箔を有する。
【0037】
更に、前述したように、前記再分配ウインドウ及び再配向ウインドウの各々はマイクロ光学構造を有することができる。マイクロ光学構造及び固体光源は、このような代替照明ユニットのために使用することが可能な良い組み合わせを形成すると思われる。該光学構造は、例えばレーザアブレーションにより又は3D印刷(透明材料の、下記も参照)等により得ることができる。従って、当該光学エレメントは、少なくとも2つのファセットが相互角(η)を持つ2以上のファセットを有することができる。更に、該光学エレメントは高さ及び幅を有する。該光学構造は規則的アレイに、不規則なアレイに又はこれらの組み合わせで配置することができる。
【0038】
上記光学構造は、光を全内部反射(TIR)(及び次いで屈折)の後に導出するように構成された光学構造を含むことができる。代わりに又は加えて、当該光学構造は、光を屈折の後に(直接)導出するように構成された光学構造を含むことができる。従って、前記再分配及び再配向特性は、特に光源光に全内部反射を付与する光学構造によりもたらされ得るものであり、内部反射後の光源光の屈折を介しての導出の後に照明装置光を提供するものである。代わりに又は加えて、前記再分配及び再配向特性は、特に光源光に当該光学構造内で先行する反射なしで屈折を付与する光学構造によりもたらされ得るものであり、(かくして)光源光の屈折のみを介しての導出の後に照明装置光を提供するものである。前者の構造は、ここでは、TIR構造としても示され、後者は、ここでは、屈折構造としても示される。従って、TIR光学構造はTIR+屈折光学構造として示すこともできる。後に示すように、或る光学構造は、当該光学構造のファセットのベース角に依存して、両効果をもたらすこともできる。
【0039】
前述したように、当該光学構造は異なるファセットを有することができる。従って、実施態様において、単一の光学構造は或るファセットを介して(第1)TIRを介しての導出を行い、他のファセットを介して(直接)屈折を介しての導出を行うこともできる。特に、当該光学構造は少なくとも全内部反射を介して導出する機能を提供する(特に、当該透光性ウインドウから光源までの距離に少なくとも等しい距離等の、当該光源の光軸から一層大きな距離において)。このような実施態様ではファセットは相対的に急峻であり得るので、当該照明装置ビームの更に大きなビーム開口角範囲を選択することができる。例えば、前記ウインドウの1つがポリカーボネートから形成される場合、50°〜70°の範囲等の、約50°〜80°の範囲内のベース角を有するファセットは、(TIRを介して)2*0°から2*80°までの範囲内の開口角を持つビームを提供することができる。特に、これらベース角は10°〜70°等の、10°〜80°の範囲から選択される。このことは更に後述する。特に、当該開口角(このようにして得られるビームの)は、特にオフィスにおけるグレアの低減の観点から2*65°以下、更に一層特別には2*60°以下とする。
【0040】
特に、当該光学エレメントは前記光源光に対して屈折機能及び全内部反射機能の1以上を有する。勿論、両タイプの機能も利用可能である。更に、前述したように、エレメントは両機能を有することができる。例えば、或る面は屈折のみを提供することができる一方、他の面は他の面における反射に対する後効果として屈折を示す。更に他の固有の実施態様において、当該光学エレメントは、特に0.01〜5mmの範囲内の1以上の寸法を持つプリズム形状を有する。
【0041】
各ウインドウは複数の光学エレメントを有する。これらの光学エレメントは、特に、プリズムエレメント、レンズ、全内部反射(TIR)エレメント、屈折エレメント、ファセットエレメントの1以上を有することができる。該光学エレメントは、当該ウインドウに埋め込むことができ、特には、下流側の面若しくは上流側の面又は下流側及び上流側の両方の面等の、ウインドウ面(又は表面)の一部とすることができる。本明細書では、当該光学エレメントは、特に、フレネル又は屈折機能を有する光学エレメント及び全内部反射機能を有する光学エレメントに関連して更に説明される。各光学エレメントは1以上のファセットを有することができる。これら光学エレメント(ファセットを含む)は、当該ウインドウの上流側の面、下流側の面、又は上流側及び下流側の面の両方に配置することができる。特に、TIRエレメントは当該ウインドウの上流側の面で利用可能である一方、フレネルレンズ等の屈折エレメントは当該ウインドウの上流側及び/又は下流側の面に配置することができる。
【0042】
(これらエレメントの)ファセット、特に上記TIRエレメントのファセットの高さ、幅、長さ等の寸法の1以上は、実施態様では、5mm以下、特には1.5mm以下のような2mm以下等の0.01〜5mmの範囲内、特には0.01〜1mmの範囲内である。屈折性フレネルレンズの直径は、実施態様では、1〜30mmのような0.5〜40mm等の0.02〜50mmの範囲内とすることができるが、0.1〜5mm等の5mm以下のような、30mm未満も可能であり得る。これらファセットの高さも、実施態様では、1.5mm以下のような2mm以下等の5mm以下、特には0.01〜1mmの範囲内である。“ファセット”なる用語は、特にTIRの実施態様では、(実質的に)平面の(小)面を指すことができる一方、該“ファセット”なる用語は、特にフレネルの実施態様では、湾曲された面を指すことができる。このように、湾曲は、特に当該ウインドウの面内であり得るのみならず、当該ウインドウの面に垂直でもあり得る(“レンズ”)。フレネルレンズは必ずしも円形である必要はなく、歪んだ円形形状又は他の形状を有することもできる。
【0043】
前記プリズム形状又はエレメントは、互いに角度(η)で配置されると共に、特に角度(ベース角)(当該ウインドウを通る面に対して>0°及び≦90°)で以って配置された2つの(実質的に平面の)ファセットを本質的に有することができる。
【0044】
特定の実施態様において、前記第1光再分配ウインドウ及び前記透光性の第2光再分配ウインドウは独立にフレネルレンズを有し、前記第1再配向領域及び第2再配向領域は独立にフレネルレンズの少なくとも一部を有する。他の実施態様において、前記第1光再分配ウインドウ及び前記透光性の第2光再分配ウインドウは独立にプリズムエレメントを有し、前記第1再配向領域及び前記第2再配向領域は独立にプリズムエレメントを有する。従って、(i)前記再分配ウインドウ(又は複数の再分配ウインドウ)及び(ii)前記再配向ウインドウの両者は、フレネルレンズ(の一部)及びプリズム構造の1以上を含むことができる。プリズム構造以外の光学エレメントも可能であり得る。従って、当該光学構造は、正方形ファセットを備える構造、六角形ファセットを備える構造、円錐、プリズム(屈折を用いる)、小レンズ(屈折を用いる)、又は(全内部)反射及び屈折の1以上を用いる他の構造のうちの1以上を含むことができる。例えば、円柱レンズセグメント(フレネルレンズのような)又は自由な形状のレンズセグメントを含めることができる。
【0045】
“第1再配向領域及び第2再配向領域は独立にフレネルレンズの少なくとも一部を有する”なる語句は、とりわけ、第1及び第2再配向領域が交互であり、従って、第1光源構造に関連する再配向ウインドウ内のフレネルレンズは第2再配向領域と交互となる複数の第1再配向領域上に分散させることができ、これにより第2再配向領域により分断されるフレネル部分を形成するという事実を指す。このことは、第2光源に関連する再配向領域に対しては逆であり得る。
【0046】
このようにして、前記再分配ウインドウ及び再配向ウインドウ並びにオプションとしての拡散器ウインドウによれば、当該透光性再配向ウインドウの第1再配向領域は、オプションとして(光学)拡散器ウインドウとの組み合わせで、受光された前記第1光源光の少なくとも一部を第1光ビーム(“第1ビーム”)に整形するよう構成され、前記透光性再配向ウインドウの前記第2再配向領域は、オプションとして前記(光学)拡散器ウインドウとの組み合わせで、受光された前記第2光源光の少なくとも一部を第2光ビーム(“第2ビーム”)に整形するよう構成され、前記第1光ビーム及び前記第2光ビームは重なり合わないか又は部分的にしか重なり合わず、前記第1光ビーム及び前記第2光ビームは異なるスペクトル分布を有する。例えば、上記第1ビームが白色光であると共に、上記第2ビームが該第1ビームを囲む中空のビームであり、該第2ビームが青色光(及び/又は赤色光)である場合、前述した天窓的感覚を本提案照明ユニットによりもたらすことができる。
【0047】
特定の実施態様において、前記透光性再配向ウインドウの第1再配向領域は、オプションとして前記拡散器ウインドウとの組み合わせで、(断面図で(見た場合に))第1光軸Oを有すると共に120°等の60〜150°の範囲から選択される第1開口角(θ)を有する前記第1ビームを供給するように構成される。更に、一実施態様において、前記透光性再配向ウインドウの第2再配向領域は、オプションとして前記拡散器ウインドウとの組み合わせで、(断面図で(見た場合に))第2光軸(O)を有すると共に5〜60°の範囲から選択される第2開口角(θ)を有する前記第2光ビームを供給するように構成される。特に、前記第1光ビームの第1光軸(O)及び前記第2光ビームの第2光軸(O)は、(断面図で(見た場合に))45〜90°の範囲から選択される相互角(γ)を有する。このようにして、上記再配向ウインドウ又は光学拡散器から下流に、異なる角度で出射する2つのビームが得られる。前述したように、一実施態様において、上記第1ビームは白色光であると共に、上記第2ビームは該第1ビームを囲む中空のビームであり、該第2ビームは青色光(及び/又は赤色光)である。
【0048】
他の特定の実施態様において、前記透光性の第1光再分配ウインドウは第1再分配光学エレメントを有する一方、前記透光性の第2光再分配ウインドウは第2再分配光学エレメントを有し、前記第1再配向領域の各々は1以上の第1再配向光学エレメントを有する一方、前記第2再配向領域の各々は1以上の第2再配向光学エレメントを有し、前記第1再分配光学エレメントは前記第1光源光を前記複数の第1再配向領域に向け直すように構成され、前記第2再分配光学エレメントは前記第2光源光を前記複数の第2再配向領域に向け直すように構成され、前記第1再配向光学エレメントは、オプションとして前記光学拡散器ウインドウとの組み合わせで、第1光軸(O)を有すると共に60〜150°の範囲から選択される第1開口角(θ)を有する前記第1光ビームを供給するように構成され、前記第2再配向光学エレメントは第2光軸(O)を有すると共に5〜60°の範囲から選択される第2開口角(θ)を有する前記第2光ビームを供給するように構成される。
【0049】
更に、最良の光学特性のために、特に前記第1再分配光学エレメント、前記第2再分配光学エレメント、前記第1再配向光学エレメント及び前記第2再配向光学エレメントは、10〜5,000μmの範囲から選択されたファセット高(fh)を有するファセット(f)を備えた光学エレメントを有するように思われ、これらファセット(f)の当該層(100,200,300)のベース面に対するベース角(α)は50〜80°及び10〜40°の範囲から独立に選択される。
【0050】
また、各ウインドウは(再分配ウインドウの場合)前記光源に対して過度に近く又は過度に遠く配置されてはならず、(再配向ウインドウの場合)再分配ウインドウに対して過度に近く又は過度に遠く配置されてはならない。既に前述したように、前記光源の距離は、特に、10〜100mmのように、5〜200mmの範囲から選択される。更に、特に前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウは、前記各光源から1〜50mmの範囲から選択される第1距離(d)に配置される。また、光学特性の観点から、前記再配向ウインドウは前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウから1〜200mmの範囲から選択される第2距離(d)に配置されることが望ましいと思われる。特に、前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウは、各々、25〜40,000mmの範囲から選択される断面積を有する。前述したように、特に前記光源は固体光源である。光学特性の観点から、小さな発光面が望ましい。従って、特に前記第1光源及び前記第2光源は、0.25〜100mmの範囲から選択された面積を有する発光面(LEDダイ等の)を備えた(固体)光源である。
【0051】
従って、特定の実施態様において、本発明は第1光源、第2光源、透光性の第1光再分配ウインドウ、透光性の第2光再分配ウインドウ、透光性再配向ウインドウ、及びオプションとしての拡散器ウインドウを有する照明ユニットを提供し、(i)前記第1光源は第1スペクトル分布を有する第1光源光を発生するように構成され、前記第2光源は前記第1スペクトル分布とは異なる第2スペクトル分布を有する第2光源光を発生するように構成され、(a)前記透光性の第1光再分配ウインドウは第1再分配光学エレメントを有し、該透光性の第1光再分配ウインドウは前記第1光源の下流に配置され、前記透光性の第2光再分配ウインドウは第2再分配光学エレメントを有し、該透光性の第2光再分配ウインドウは前記第2光源の下流に配置され、(b)前記透光性再配向ウインドウは前記第1光再分配ウインドウ及び前記第2光再分配ウインドウの下流に配置され、該再配向ウインドウは複数の第1再配向領域及び複数の第2再配向領域を有し、前記第1再配向領域の各々は1以上の第1再配向光学エレメントを有し、前記第2再配向領域の各々は1以上の第2再配向光学エレメントを有し、前記第1再配向領域及び第2再配向領域は当該領域が交互となる(2D)配列に構成され、(c)前記オプションとしての拡散器ウインドウは前記透光性再配向ウインドウの下流に配置され、(d)前記第1再分配光学エレメントは前記第1光源光を前記複数の第1再配向領域に向け直すように構成され、前記第2再分配光学エレメントは前記第2光源光を前記複数の第2再配向領域に向け直すように構成され、前記第1再配向光学エレメントは、オプションとして前記光学拡散器ウインドウとの組み合わせで、受光された前記第1光源光の少なくとも一部を、第1光軸(O)を有すると共に60〜150°の範囲から特に選択される第1開口角(θ)を有する第1光ビームに整形するように構成され、前記第2再配向光学エレメントは、受光された前記第2光源光の少なくとも一部を、第2光軸(O)を有すると共に5〜60°の範囲から特に選択される第2開口角(θ)を有する第2光ビームに整形するように構成され、前記第1光軸(O)及び前記第2光軸(O)は45〜90°の範囲から特に選択される相互角(γ)を有する。
【0052】
“前記第1光軸(O)及び前記第2光軸(O)は45〜90°の範囲から選択される相互角(γ)を有する”なる語句は、当該ビームを通る断面における上記光軸の間の斯様な角度であって、該断面は第1光軸と平行に配置され、且つ、該第1光軸も該断面に含まれるような角度を指す。従って、第2ビームも第1光軸に対して、該第1光軸に対して≧30°、一層特別には≧45°、更に一層特別には≧60°であるが特に≦90°の角度内に見付かるものとして定義することができる。中心対称ビームが形成される一実施態様において、中心ビーム、即ち第1ビームは第2ビームにより囲まれ、後者は第1ビームの第1光軸に対して少なくとも30°の角度である。従って、第2ビームは、特に、60°までの範囲内のビーム幅を有し、且つ、第1光軸に対して45〜90°(このような実施態様において、当該ビームは45°までの範囲内のビーム幅を有する)等の30〜90°の範囲内の角度を有するビームである。
【0053】
上記において、当該照明ユニットは、とりわけ、前記第1光源及び第2光源に関連して説明された。しかしながら、複数の第1光源及び複数の第2光源も存在し得る。このような構成は第1光源光及び第2光源光の一層容易な分配を可能にする。というのは、2つのみの光源の場合、両光源は特に前記再配向ウインドウ全体を照明しなければならない(前記再分配ウインドウを介して)のに対し、一層多くの光源が使用される場合は、この任務を複数の光源により分担することができるからである。各再分配ウインドウは再配向ウインドウのうちの下流に配置された部分、及び隣接する他の光源の再分配ウインドウの下流に配置された再配向ウインドウの隣接する部分の一部を照明するために使用することができる。
【0054】
従って、他の実施態様において、本発明は本明細書に定義される照明ユニットであって、複数の第1光源及び複数の第2光源を有する照明ユニットを提供し、各第1光源の下流には第1光再分配ウインドウが配置され、各第2光源の下流には第2光再分配ウインドウが配置され、第1光再分配ウインドウの各々の下流には透光性再配向ウインドウの第1部分が配置され、第2光再分配ウインドウの各々の下流には前記透光性再配向ウインドウの第2部分が配置され、前記第1部分及び第2部分の各々は複数の再配向領域を有し、前記第1光源及び前記第1光再分配ウインドウは前記第1光源光を前記透光性再配向ウインドウの第1部分上に且つ該透光性再配向ウインドウの1以上の隣接する第2部分の一部にも再分配するように構成され、前記第2光源及び前記第2光再分配ウインドウは前記第2光源光を前記透光性再配向ウインドウの第2部分上に且つ該透光性再配向ウインドウの1以上の隣接する第1部分の一部にも再分配するように構成される。特に、第1光源及び第2光源は、これら光源が交互となる(2D)配列に構成される。前述したように、第1光源及び第2光源は、市松模様で、又は六角形配置等の他のパターンで配置することが(ことも)できる。特に、第1光源及び第2光源は、前述したように、5〜200mmの隣接する光源間の最短距離を有する規則的パターンを形成することができる。
【0055】
このようにして、特に第1光源及び第2光源は、前記再分配ウインドウとの組み合わせで、前記再配向ウインドウを均一に照明するように構成される。例えば、この構成は、前記(第1又は第2)再分配ウインドウが(第1又は第2)光源からの光軸に沿う約60°の円錐内に配置される場合に特に用いることができる。前述したように、前記(第1又は第2)再分配ウインドウの断面積及び前記再配向ウインドウの関連する下流に配置された部分の断面積は、実質的に同一である。前記再分配ウインドウが上記円錐内に配置され、且つ、前記再配向ウインドウ部分が関連する再分配ウインドウと大凡同じサイズであれば、上記再分配ウインドウは上記関連する再配向ウインドウ部分及び隣接する再配向ウインドウ部分の一部を照明することができる。
【0056】
当該照明装置は、例えば、オフィス照明システム、家庭アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭照明システム、劇場照明システム、温室照明システム、園芸照明等の一部とすることができ、又は斯かるシステムに適用することができる。
【0057】
本明細書における白色光なる用語は、当業者により既知のものである。該光は、約2000〜20000K、特には2700〜20000Kの間、一般照明のためには特に約2700K〜6500Kの範囲内、背面照明(バックライティング)のためには特に約7000K〜20000Kの範囲内であって、BBLから約15SDCM(等色標準偏差:standard deviation of color matching)内、特にはBBLから約10SDCM内、更に特別にはBBLから約5SDCM内の相関色温度(CCT)を持つ光に関するものである。
【0058】
“紫色光”又は“紫色放射”なる用語は、特に、約380nm〜440nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“青色光”又は“青色放射”なる用語は、特に、約440nm〜490nmの範囲内の波長を持つ光(幾らかの紫色及びシアン色相を含む)に関するものである。“緑色光”又は“緑色放射”なる用語は、特に、約490nm〜560nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“黄色光”又は“黄色放射”なる用語は、特に、約540nm〜570nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“橙色光”又は“橙色放射”なる用語は、特に、約570nm〜600nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“赤色光”又は“赤色放射”なる用語は、特に、約600nm〜750nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“桃色光”又は“桃色放射”なる用語は、青色及び赤色成分を持つ光に関するものである。“可視”、“可視光”又は“可視放射”なる用語は、約380nm〜750nmの範囲内の波長を持つ光を示す。
【0059】
“実質的に全ての光”における、又は“実質的になる”における等の、本明細書における“実質的に”なる用語は、当業者により理解されるであろう。また、“実質的に”なる用語は、“全体的に”、“完全に”、“全て”等による実施態様も含むことができる。従って、実施態様においては、実質的になる形容詞句を除去することもできる。当てはまる場合、“実質的に”なる用語は、100%を含み、95%又はそれ以上、特には99%又はそれ以上、更に特別には99.5%又はそれ以上等の、90%又はそれ以上にも関係し得る。“有する”なる用語は、“有する”なる用語が“からなる”を意味するような実施態様も含む。“及び/又は”なる用語は、“及び/又は”の前後に言及される項目の1以上に特に関係する。例えば、“項目1及び/又は項目2”なる語句及び同様の語句は、項目1及び項目2の1以上に関係し得る。“有する”なる用語は、一実施態様では“からなる”を示すことができるが、他の実施態様では、“少なくとも指定されたものを含むと共に、オプションとして1以上の他のものを含む”を示すこともできる。
【0060】
更に、詳細な説明及び請求項における第1、第2及び第3等の用語は同様の要素の間を区別するために使用されるものであり、必ずしも連続した又は時間的順序を説明するためのものではない。斯様に使用された用語は適切な状況下では入れ替え可能であり、ここに説明される本発明の実施態様は、ここに記載又は図示されたもの以外の順序で動作することができると理解されるべきである。
【0061】
本明細書における装置は、とりわけ、動作中で説明されている。当業者にとり明らかなように、本発明は動作中の装置又は動作方法に限定されるものではない。
【0062】
上述した実施態様は本発明を限定するというよりは解説するものであり、当業者であれば添付請求項の範囲から逸脱することなしに多数の代替実施態様を設計することができることに注意すべきである。尚、請求項において、括弧内の如何なる符号も当該請求項を限定するものと見なしてはならない。また、“有する”なる動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。また、単数形の構成要素は複数の斯様な構成要素の存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの個別のエレメントを有するハードウェアにより、及び適切にプログラムされたコンピュータにより実施化することができる。また、幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これら手段の幾つかは1つの同一のハードウェアにより具現化することができる。また、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。
【0063】
本発明は、更に、前記詳細な説明に記載され、及び/又は添付図面に示された特徴的フィーチャの1以上を有する装置に当てはまるものである。本発明は、更に、前記詳細な説明に記載され、及び/又は添付図面に示された特徴的フィーチャの1以上を有する方法又は製造方法に関するものである。
【0064】
本特許出願において説明される種々の態様は、更なる利点を提供するために組み合わせることができる。更に、フィーチャの幾つかは、1以上の分割出願のための基礎を形成することができるものである。
【0065】
尚、図面は必ずしも実寸通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1A図1Aは、当該照明ユニットの実施態様及び態様を概略的に示す。
図1B図1Bは、当該照明ユニットの実施態様及び態様を概略的に示す。
図1C図1Cは、当該照明ユニットの実施態様及び態様を概略的に示す。
図1D図1Dは、当該照明ユニットの実施態様及び態様を概略的に示す。
図1E図1Eは、当該照明ユニットの実施態様及び態様を概略的に示す。
図1F図1Fは、当該照明ユニットの実施態様及び態様を概略的に示す。
図2A図2Aは、照明ユニットの態様及び変形例並びにその構成要素を概略的に示す。
図2B図2Bは、照明ユニットの態様及び変形例並びにその構成要素を概略的に示す。
図2C図2Cは、照明ユニットの態様及び変形例並びにその構成要素を概略的に示す。
図2D図2Dは、照明ユニットの態様及び変形例並びにその構成要素を概略的に示す。
図2E図2Eは、照明ユニットの態様及び変形例並びにその構成要素を概略的に示す。
図3A図3Aは、照明ユニットの態様及び変形例並びにその構成要素を概略的に示す。
図3B図3Bは、照明ユニットの態様及び変形例並びにその構成要素を概略的に示す。
図3C図3Cは、照明ユニットの態様及び変形例並びにその構成要素を概略的に示す。
図3D図3Dは、照明ユニットの態様及び変形例並びにその構成要素を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本発明の実施態様を、添付図面を参照して例示のみとして説明するが、これら図面において対応する符号は対応する部分を示している。
【0068】
第1実施態様は、図1Aに示されたような2枚のマイクロファセット箔を有することができる。この実施態様では、2つの異なる有色LED(例えば、白色及び青色)を使用する。この図は、異なるスペクトル分布を持つ光源光11,21を供給するように構成された第1光源10及び第2光源20を有する照明ユニット1を示している。照明ユニット1は、更に、第1光源10の下流に配設された透光性の第1光再分配ウインドウ100及び第2光源20の下流に配設された透光性の第2光再分配ウインドウ200を有している。更に、照明ユニット1は第1光再分配ウインドウ100及び第2光再分配ウインドウ200の下流に配設された透光性再配向ウインドウ300を有すると共に、オプションとして図1Bに概略的に示されるように該透光性再配向ウインドウ300の下流に配設される拡散器ウインドウ400を有する。上記再配向ウインドウ300又はオプションとしての拡散器ウインドウ400は、各々、出射ウインドウとして構成することができる。しかしながら、オプションとして、これらのウインドウの下流には更なるウインドウを配設することもできる。再分配ウインドウ100,200は、第1光源10及び第2光源20のための各々専用の再分配領域を備えた単一のウインドウとすることができる。
【0069】
第1光再分配ウインドウ100は第1光源10の第1光源光11を、透光性再配向ウインドウ300にわたり、該透光性再配向ウインドウ300における複数の第1再配向領域310に対して再分配するように構成される。また、第2光再分配ウインドウ200は第2光源10の第2光源光21を、透光性再配向ウインドウ300にわたり、該透光性再配向ウインドウ300における複数の第2再配向領域320に対して再分配するように構成される。この目的のために、第1再分配ウインドウ100はプリズム構造及び/又はフレネルレンズ等の再分配光学エレメントを有する一方、第2再分配ウインドウ200はプリズム構造及び/又はフレネルレンズ等の再分配光学エレメントを有する。このようにして、第1光源光11及び第2光源光21は、上記再配向ウインドウ全体にわたって分布された各領域に分配される。再配向ウインドウ300における第1再分配ウインドウ100に関連する部分307は符号307a(第1部分)により示される一方、再分配ウインドウ300における第2再分配ウインドウ200に関連する部分は符号307b(第2部分)により示されている。これらの部分の断面積は実質的に同一とすることができることに注意されたい。更に、これら部分の断面積及び関連するウインドウの断面積も特には同一であることに注意されたい。また、各光源は隣接する再配向ウインドウ部分307の各部を照明することができることにも注意されたい。2つの光源の場合、両光源は再配向ウインドウ全体を(即ち、該ウインドウの関連する第1及び第2領域を)照明することができる。
【0070】
透光性再配向ウインドウ300の第1再配向領域310は、オプションとして拡散器ウインドウ400との組み合わせで(更に後述を参照)、受光された第1光源光の少なくとも一部を第1光ビーム511に整形するように構成される一方、透光性再配向ウインドウ300の第2再配向領域320は、オプションとして拡散器ウインドウ400との組み合わせで(更に後述を参照)、受光された第2光源光の少なくとも一部を第2光ビーム521に整形するように構成される。再配向領域310,320における個々の光学エレメントは見えない。しかしながら、説明の完全さのために、これらは図1A及び図1Bにおいては符号1310及び1320により各々示されている。第1再配向領域310及び第2再配向領域320は、RDLにより示される長さ及びRDWにより示される幅等の数mm程度の寸法を有することができる。これらの領域は必ずしも四角形(正方形)である必要はなく、例えば六角形とすることもできる。
【0071】
図に示されるように、第1光ビーム511及び第2光ビーム521は、重なり合わないか又は僅かに部分的にしか重なり合わない。更に、第1光ビーム511及び第2光ビーム521は、光源10,20からの光源光のスペクトル分布が相違するという事実により、異なるスペクトル分布を有する。第1光ビーム及び第2光ビームの開口角は、各々、θ及びθにより示されている。更に、第1光ビーム511及び第2光ビーム521は、各々、光軸O及びOを有している。これらの光軸はγにより示された相互角を有している。
【0072】
最短距離としても示され得る光源10,20の間の相互距離はLDにより示され、該相互距離は特には5〜200mmの範囲内である。当該光源と再分配箔との間の最短距離は、符号dにより示される。ここでは、距離dは同一であると概略的に示されているが、これは必ずしもそうである必要はない。再分配箔100,200と再配向箔300との間の最短距離は符号dにより示されている。当該光源は特には固体光源である。オプションとして、斯様な光源はRGBパッケージ等の、LEDのパッケージとすることができる。このような事例において、斯かるLEDパッケージにおけるLEDの間の最短距離は特には2mm以下である。
【0073】
符号2は、第1光源10、該光源の再分配箔100、及び自身の再分配箔を含む第2光源を含んだ副ユニットを示す。例えば、照明ユニット1は複数の斯様なユニット2を含むことができる。符号3は、先のユニット2を含むが、ここでは再配向箔300も含む更なるユニットを示す。ここでも、照明ユニット1は複数の斯様なユニット3を含むことができる。符号5は制御ユニットを示し、該制御ユニットはオプションとして統合された又は遠隔の上記照明ユニットを含むことができると共に、特には光源10,20を個別に制御するように構成することができる。
【0074】
当該光線がLEDパッケージを出射した際に当たる最初の箔は、光束再分配箔と称することもできる。該箔は第2箔の完全な照明を形成するために適用される。2つのタイプのLEDを使用するので、両タイプのLEDからの個々のスペクトルは第2箔の全面積をカバーし、該第2箔の各位置に一定量の光が供給されるようにすべきである(均一な出射ウインドウを得るために)。しかしながら、2つのカラーを使用するので、例えば、一様であると知覚するほど十分に小さな間隔の網目格子上の交互(市松)パターンを必要とする。このことは、第1箔のファセットからの個々の小ビーム(ビームレット)のビームの広がりに対する条件を設定する。均一な照明を得るために要する理想的な輝度分布は既知であり、その角度依存性は(1/cosθ)により与えられる。例えば、法線方向の光束に対する60°で進む光の光束の比は、8倍である。角度βは、光軸Oに対して最大の角度を有する第1再分配ウインドウ100の下流の第1光源光11の光線の間の角度を示す一方、角度βは、光軸Oに対して最大の角度を有する第2再分配ウインドウ200の下流の第2光源光21の光線の間の角度を示す。これらの角度は、このように、特に60°以下である。
【0075】
マイクロ光学系の設計における典型的なファセットの寸法は、〜50μmである。2つの異なるカラーのLEDの間に〜20mmのLED間隔(LD)を適用する場合、第1箔は、長さ方向に、光線を偏向するために利用可能な20/0.05=400個の個別のファセットを有する。第1箔を6mmの距離に配置すると共に、2mm直径のLED面積を仮定した場合、当該LED直上のファセットからのビームの広がりは20°である一方、該箔の中心から10mmにおける小ビームのビームの広がりは5°であろう。これが、図1Aに第1光源10に関して示されているが、このことは第2光源にも当てはまる。
【0076】
この量のビーム広がりは、第1箔から〜6mmの距離において2x2mmでピクセル化された第2箔を使用する場合は許容される。第2箔に関して一層粗い網目を許容する場合は、ビーム広がりの条件を更に一層緩和することができる。市松模様のピッチを増加させることは、或る点でユーザ/観察者にとり均一な見え方を恐らくは妥協させ得る(即ち、個々の“ピクセル”が見えるようになるであろう)。
【0077】
当該LEDの直上の第2箔に位置するピクセルと、(異なる色の)隣接するLEDの直上に位置するピクセルとの間の間隔は20mmであるので、小ビームの向きは±2*60°になる。これらの偏向角は第1箔における(傾斜)ファセットにより容易に対処することができる。傾斜ファセットを使用して、(第2箔の)均一照明要件も同様に満たすことができる。ランバート光源を補正するために、60度で第2箔を照明するためには0度と比較して第1箔の8倍多い表面積を使用しなければならない。第2箔の適用は、第1に白色及び青色の小ビームの両方のビーム幅を増加させるためである。即ち、白色の小ビームに対する目標幅は2*60度であり、青色に対するものは2*20〜2*30度である。更に、青色の小ビームは、これら小ビームが第2箔を±75度で出射するように再配向される必要がある。このかなり大きな偏向角は、全内部反射を用いるファセットにより素直に達成することができる。(小さな偏向は屈折を適用するファセットを要する一方、大きな偏向角は全内部反射を必要とする。重なり領域(25〜50度の偏向)は、ファセットの高アスペクト比が必要とされる故に最も困難である)従って、交互の再配向領域により、第1領域は再配向ウインドウ上に、見る者が白色光等の第1の光ビームを供給する均一に照明する出射ウインドウを見ることを可能にするように分散される一方、同様に交互の再配向領域により、第2領域は再配向ウインドウ上に、見る者が青色光等の第2の光ビームを供給する均一に照明する出射ウインドウを見ることを可能にするように分散される。
【0078】
図1Aには、複数のカラーLED光源及び2枚の箔の概略図が示されている。三角形は小ビームのビームの広がり及び向きを示している。LEDは有限の寸法を有するので、特定の位置における光学エレメントを出射する光を所定の方向に正確にステアリングすることは不可能である。即ち、該所定の方向は或る範囲の方向にぼけるであろう。この範囲(ビームの広がりとも呼ばれる)は、LED光源により呈される有限の立体角によるものである。図示された構成において、このビームの広がりは当該LED直上では約20°であり、当該光学エレメントの周辺部では5°まで減少する(当該LEDは2mmの寸法であり、20mm幅の光学エレメントから6mmの距離に位置される)。
【0079】
図1Bは、前記再配向ウインドウから下流側に配置された拡散器ウインドウ400を備える実施態様を概略的に示す。
【0080】
この実施態様において、第2箔の機能は拡散器及びマイクロ光学箔によっても実行され得る。この場合、当該拡散性の箔は見える出射ウインドウであり、マイクロファセット箔が小ビームの再配向のために使用される。この構成の1つの利点は、中間の箔に対する均一照明の要件を、該中間の箔がユーザにとり最早直接見えるものでないので、幾らか緩和することができることである。オプションとして、図1Aの実施態様が例えば非常に狭いFWHMを持つ拡散器ウインドウを含むこともできることに注意されたい。
【0081】
図1Cは、照明ユニット1の一実施態様を概略的に図示したもので、複数の第1光源10、これら光源の再分配ウインドウ100及び再配向ウインドウ部分307a、並びに複数の第2光源20、これら光源の再分配ウインドウ200及び再配向ウインドウ部分307bを概略的に示している。ここでは、上記再配向ウインドウを、複数の再配向領域を備えると共に各光源に対して再配向領域の部分組を備える、単一のウインドウとすることができる。更に、再分配ウインドウ100,200は、第1光源10及び第2光源20の各々に対して専用の再分配領域を備えた単一のウインドウとすることができる。ここでは、再分配ウインドウ100,200は、光源10,20の全組にわたって延在する単一の再分配ウインドウとして図示されている。例えば、上記再分配ウインドウ及び再配向ウインドウの両者は高分子(ポリマ)箔とすることができる。
【0082】
図1D及び図1Eは、図1A及び図1Bに概略的に図示した照明ユニット1の実施態様から出射する光を概念的に示すもので、図1Dは側面図であり、図1Eは斜視図である。照明ユニット1の下の観察者は例えば白色光ビーム511を知覚し得ると共に、側部から見た場合は、例えば青色光ビーム521を知覚し得ることに注意されたい。第1光軸Oに平行なビーム511,521の断面(又は断面平面)である図1Dを参照すると(当該断面は上記第1光軸を含む)、第1及び第2光軸の相互角γの説明は、特に斯かる断面の関係で定められ得るものであることに注意されたい。ダウンライト及び3Dを仮定すると、典型的に、当該分布は中心(垂直)軸の回りで回転対称的であり得る(又はOの回りに何らかの形態の回転対称性(例えば、90°回転軸(四角形対称性)、45°回転軸(六角形対称性)等)を有し得る)。3Dにおいては、第2光軸も光学面であるとみなされ得る。従って、第2ビーム521も第1光軸Oに対して定められ、第2ビーム521は第1光軸Oに対して第1角γと第2角γとの間で見付けられ、ここで、γ<γ、特にはγ≧30°、更に特別にはγ≧45°、更に一層特別にはγ≧60°であり、特にγ≦90°である。ここでも、これらビームは特にFWHMに関して定義される。このビーム511,521の断面図において、第2ビーム521は、単一面内の光軸Oが相互角2*γを持つ一種の蝙蝠翼型分布を有するようにも見える。図1D及び図1Eを参照すると、ビーム511,521は遠視野において部分的にのみ重なるか、又は重ならないことが分かる。
【0083】
図1Fは照明ユニット1の一実施態様の上面図を概略的に示す。光学拡散器ウインドウは図示されていない(簡略化のために)。実線は再配向ウインドウ部分307を示している。この中央の再配向ウインドウ部分307を囲む点線の正方形は隣接する光源に関連する再配向ウインドウ部分であり、これら光源は各中心に小さな点線の円により示されている。上記実線の正方形内の点線の正方形は、図面の背後の、光源10,20と再配向ウインドウ部分307との間に配置された再分配ウインドウを示すためのみに追加されている。より大きな点線領域は、当該光源により再分配ウインドウ100,200を介して照明される領域を示しており、明らかに隣接する再配向ウインドウ部分307まで延在している。この照明される領域は、符号IAにより示されている。符号RL及びRWは再配向ウインドウ部分の長さ及び幅を示し、該再配向ウインドウ部分は例えば20*20mmの範囲であり得る。この場合、再配向ウインドウ(部分)は一般的に図1Fに示されるような対称性を有するので、光源10,20は立方構成に配置される。
【0084】
図2Aは、第1及び第2再配向領域310及び320の市松模様を持つ再配向ウインドウ300の一実施態様を概略的に示す。例示として、この概略実施態様において各光源は9個の下流に配置された再配向領域(4〜5個の第1再配向領域及び5〜4個の第2再配向領域)を有している。実際には、この数は、少なくとも16個、少なくとも25個、又は少なくとも100個等のように、もっと多い。
【0085】
図2B図2Cは、光源光を再分配又は再配向させるために使用することができる構造の実施態様を概略的に示す。異なる構造を選択することができる。ここでは、例示のためにフレネル型の構造が図示されている。
【0086】
図2Dは、例えばプリズム構造が適用された一実施態様を概略的に示している。
【0087】
図2Eは、再配向ウインドウ300が、各再配向領域毎にフレネルレンズ部分を備えて市松模様に配置されたフレネルレンズを有する一実施態様を概略的に示している。再配向ウインドウ300上のフレネルリングは、第1光源10及び第2光源20の各々の直上に配置された環の同心リングとして図示されている。該例は、再配向ウインドウ300の全表面積、即ち2つの再配向部分307a及び307bを満たす1つの白色及び1つの青色(下)LED光源に関して示されている。この概略図において、光源の直ぐ下流のフレネルリングのみが曲線で描かれている。しかしながら、他の再配向領域におけるフレネルリングも湾曲させることができる。第1光源10に関連するフレネルリングの幾つかは符号fにより示されている。フレネルリングの代わりに、プリズム構造等の他のマイクロ光学構造も用いることができる。また、組み合わせも用いることができる。
【0088】
図3Aは、複数の第1光源10及び複数の第2光源20と、複数の付属する第1再分配ウインドウ100及び複数の第2再分配ウインドウ200とを有する照明ユニット1の一実施態様を概略的に図示している。ここでは、例示として、再分配ウインドウ100a及び100bを各々伴う2つの第1光源10、並びに再分配ウインドウ200a及び200bを各々伴う2つの第2光源20が示されている。このようにして、例えば符号2’及び2”により示された2つのユニット2を設けることができる。これらのユニットは、再配向ウインドウ300の対応する部分上にのみ光を再分配することができるか、又は再配向ウインドウ300全体上に再分配することができる(即ち、再配向ウインドウ300全体にわたり対応する第1再配向領域及び第2再配向領域に対して)ことに注意されたい。
【0089】
図3B図3Cは光源10,20の2つの実施態様を概略的に示す。図3Bに示された実施態様において、この光源は、ダイ12又は22を備える固体光源である(この概略図が第1光源を表したか第2光源を表したかに依存する)。図3Cには例示として第1又は第2光源の一実施態様が図示され、該光源は複数の光源(パッケージ等)を有している。当該光源が2以上の光源を有する場合、距離DSは、一般的に、5mm未満、特には2mm未満のように小さいであろう。
【0090】
図3Dは、再分配ウインドウ100,200において並びに再配向ウインドウの第1及び第2領域において使用することができる光学エレメント(の一部)の側面図を概略的に示す。符号fhはファセット高を示す一方、符号fはファセットを示している。符号bpはベース(基体)面を示し、該ベース面は当該ウインドウの対応する面に平行である。符号blはベース長を示す。該ベース長は、一般的に、1〜500μmの範囲内、特には10〜100μm等の5〜200μmの範囲内である。角度αはベース角を示し、角度ηはファセットfの頂角又は相互角を示す。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D