(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係るマッサージ器を前記
図1ないし
図14に基づいて説明する。
【0025】
前記各図において本実施形態に係るマッサージ器1は、マッサージ対象のふくらはぎを押す押圧手段としてのエアバッグ12、13を有して、ふくらはぎを含む脚60の膝下部分を取り囲むように左右の脚にそれぞれ装着される二つの脚押圧部10と、マッサージ対象の足70の各部を押す押圧手段としてのエアバッグ22、23、24を有して、左右の足をそれぞれ収容可能に配設される足押圧部20と、これら脚押圧部10及び足押圧部20の各エアバッグと接続されてこれらを作動させる機構部30と、可撓性材で形成されて脚押圧部10と足押圧部20とを一体に連結する連結部40とを備える構成である。
【0026】
前記脚押圧部10は、脚60のマッサージ対象箇所、すなわち、ふくらはぎを押すエアバッグ12、13を有して、脚60の膝下部分に巻回される、可撓性のある軟質材からなる略帯状体とされる構成である。
この脚押圧部10は、脚60の膝下部分への巻回状態で一端部を他部位に重ねて最外層に位置させると共に、重なる内面と外面の所定箇所同士を面ファスナー等の係合手段で着脱可能に係合させることで、脚60の膝下部分の外周で連続し、エアバッグ12、13をふくらはぎの外側近傍に位置させる状態を維持可能な筒状形態とされる。この状態で、脚押圧部10は各エアバッグ12、13により、ふくらはぎを押してマッサージを行える仕組みである。
【0027】
エアバッグ12、13は、脚押圧部10が脚60を取り囲んで巻回された状態で、ふくらはぎ後方とふくらはぎの左右で、ふくらはぎを取り囲むように複数配設される(
図2、
図3、
図4参照)。
【0028】
ふくらはぎの左右に位置することとなる第一のエアバッグ12は、左エアバッグ部12aと、右エアバッグ部12bと、これら左右のエアバッグ部を連通させると共に、機構部30から伸びる空気送通用の管26と接続される中間流路部12cとを備える構成である。中間流路部12cを介して連通する左右のエアバッグ部12a、12bは、同時に膨縮して同じタイミングでふくらはぎの左右のマッサージ対象箇所を押すこととなり、ふくらはぎを手で掴むような押圧刺激を与えることができる。
【0029】
一方、第二のエアバッグ13は、機構部30の給排機構と管26を介して接続され、ふくらはぎの後方に位置するよう配置される構成である。脚押圧部10の展開状態で、第二のエアバッグ13は、第一のエアバッグ12の左右のエアバッグ部12a、12bに挟まれた中間に位置することとなる。
【0030】
脚押圧部10が脚60を取り囲んで巻回された状態で、第一のエアバッグ12の中間流路部12cが、第二のエアバッグ13の下側に位置する(
図4参照)。なお、脚押圧部10が脚を取り囲んで巻回された状態で、第一のエアバッグ12の中間流路部12cが、第二のエアバッグ13の下側に位置するようにしているが、これに限らず、第一のエアバッグ12の中間流路部12cが、第二のエアバッグ13の上側に位置する配置構成とすることもできる。
【0031】
各エアバッグ12、13は、機構部30の空気給排機構とそれぞれ管26を介して空気流通可能に接続されており、各エアバッグ12、13はその給排気系統を別々のものとされ、互いに独立して膨縮可能とされる仕組みである。
各脚押圧部10に設けられるエアバッグの数は前記二組に限られるものではなく、使用態様に応じて適宜設定できる。また、エアバッグの配置も、左右のエアバッグ部の中間に後方のエアバッグが挟まれる配置に限らず、エアバッグを上下方向にも複数並べたり、各エアバッグの形状や大きさをふくらはぎのマッサージ対象箇所の性質に応じて大きく異ならせ、脚押圧部においてエアバッグの形状や大きさに応じて並べた配置にする構成とすることもできる。
【0032】
脚押圧部10は、エアバッグ12、13を外側から被覆して水分や汚れ等から保護する可撓性素材製の表面材10aで覆われる構成である。表面材10aは、使用者や他物体との接触、摩擦や各エアバッグ12、13からの圧力が加わっても破損しない丈夫な可撓性のある軟質材製のシート状体で形成され、エアバッグ12、13や管26を被覆し保護する。
【0033】
また、各エアバッグの素材は布や樹脂等種々存在するが、本実施例の場合、厚みが薄いので可撓性があり、軟質材と見做すことができる。
【0034】
なお、表面材10aのうち、脚押圧部10の巻回状態で最も内側で脚60に直接触れる部分は、脚押圧部10の他部分に対し着脱可能として、必要に応じて取り外して交換したり、洗って再使用することができるようにしてもかまわない。
【0035】
この脚押圧部10は、可撓性を有する連結部40を介して、足押圧部20における空間部25入口の周辺所定部分に一体に連結される。
【0036】
前記連結部40は、折り曲げやすいようにくびれ部41が形成され、可撓性を有する略シート状体を二枚重ねとしたものとされ、足押圧部20と、脚押圧部10下端部の間を連結する構成である。詳細には、連結部40は、足押圧部20における空間部25入口の周辺部分のうち、足挿入状態で踵の背面側から左右側方に至る範囲の部位(踵支持部28)に一端部が連結し、そのまま上方に延伸して、脚押圧部10下端部のうち、脚への装着状態で脚の背面側から左右側方に至る範囲の部位に他端部が連結する。これにより連結部40は、脚押圧部10と足押圧部20との間で、そこに位置する脚下部及び足首をそれらの背面側から左右側方にかけて取り囲む、略U字状の横断面形状を有することとなる。
【0037】
こうして連結部40の上下が、足押圧部20の空間部25入口周辺部分となる踵支持部28と脚押圧部10の下端部にそれぞれ所定長さにわたり連結していることで、脚上下方向の軸周りについての脚押圧部10と足押圧部20の相対位置関係を維持しやすい。すなわち、脚押圧部10を脚60に装着する際に、連結部40自体の形態を維持しようとする性質に基づいて、脚押圧部10が足押圧部20に対し前記軸周りにひねられて正しい向きからずれている状態が生じにくく、且つ仮にひねられていても連結部40の態様からそのひねられた状態を使用者が容易に判別でき、使用者が連結部40を歪み無く延びた状態に整えるのに伴って、脚押圧部10の例えば脚背面側に位置すべき部位を正しく脚の背面側に配置させることができる。
【0038】
このように、可撓性を有する連結部40の側方への曲げの自由度は確保しつつ、脚60に対する脚押圧部10の位置決めを容易にし、且つその精度を高めて、使用前に速やかに各エアバッグ12、13をふくらはぎ部分の周りに正しく位置させられ、ふくらはぎを適切に押圧できる。
【0039】
なお、使用者による脚押圧部10の脚装着時における位置決め用の目安として、ふくらはぎ背面に位置させる第二のエアバッグ13の中心を示すマーク(目印)を、別途脚押圧部10外面に設けることもできる。
【0040】
前記足押圧部20は、足70のマッサージ対象箇所を押すエアバッグを複数有して、マッサージ対象箇所を含む足を収容可能とされるものであり、具体的には、足70の踵部分の下側に位置して踵を支持すると共に、各エアバッグ22、23、24を取り付けられ、機構部30を内部に収容し、載置底面27を有する略台状の押圧部本体21と、この押圧部本体21の上部において足の外側を覆うカバー部20aとを備える構成である。
【0041】
前記押圧部本体21と各エアバッグ22、23、24、並びにカバー部20aが所定の配置で組み合わされることで、左右の各足を収容する空間部25が左右それぞれに生じる。この空間部25は、開口状態の入口部分で左右の各足をそれぞれ挿脱可能であり、足挿入状態で足首に位置することとなる入口部分以外は、カバー部20aに覆われている。
【0042】
そして、空間部25の生じる箇所より下で、足を挿入した状態での踵位置より前側の押圧部本体21内部には、機構部30を収容するスペースが設けられている。また、押圧部本体21における足挿入状態での踵位置の下側となる部分は、弾性材製となっており、踵から加わる荷重を無理なく支持でき、荷重が他の部分に影響を与えることはない。
【0043】
押圧部本体21に取り付けられるエアバッグ22、23、24は、空間部25に足を挿入した状態での足70の各マッサージ対象箇所の外側近傍にそれぞれ位置するようにされる。詳細には、第三のエアバッグ22が、踵を除く足下面(足裏)部分に沿ってこれらを押圧可能に配設されると共に、第四のエアバッグ23が、足の上面(足甲)部分に沿ってこれらを押圧可能に配設される(
図2、
図5参照)。加えて、第五のエアバッグ24が、踵の背面から左右両側面にかけての部位を取り囲むようにしてこうした部位を押圧可能に配設される(
図2、
図4参照)。
【0044】
足70の踵を除く足下面(足裏)部分の外側(下側)近傍に位置することとなる第三のエアバッグ22は、爪先の中央部分の下側に位置する部位で、機構部30の給排機構と連通する構成である。第三のエアバッグ22が膨縮することで、所定のタイミングで足の踵を除く足裏部分を押してマッサージとしての刺激を与えることとなる。第三のエアバッグ22における足指付け根部下側に位置する部位には、膨張時に足指付け根部下面に与える刺激を強化するための突起部22aを設けることができる(
図2、
図5参照)。
【0045】
足70の足甲部分の外側(上側)近傍に位置することとなる第四のエアバッグ23は、爪先の内側部分の外側(横)に位置する部位で、管(図示を省略)と連結され、この管を介して機構部30の給排機構と接続される構成である。
【0046】
こうして足の上下に位置する第三のエアバッグ22と第四のエアバッグ23は、互いに対向する配置とされる。そして、上側の第四のエアバッグは、押圧部本体31における第三のエアバッグ22の設置面に連結されて、足の足甲から足裏に及ぶ範囲を取り囲む閉じた領域を形成しており、第三のエアバッグ22と第四のエアバッグ23の間に足を挿入した状態では、各エアバッグが足に対しずれることはない。
【0047】
さらに、第五のエアバッグ24は、足70の踵部分の背面から左右側面にわたる部位の外側近傍に位置するように設けられており、足の踵側面をマッサージ対象箇所として押すことができる仕組みである。この第五のエアバッグ24は、踵の背面部分の外側に位置する部位で、管26と連結され、この管26を介して機構部30の空気給排機構と空気流通可能に接続される。ただし、この第五のエアバッグ24は、機構部30の空気給排機構と接続される管を、第三のエアバッグ22と一部共用しており、第三のエアバッグ22と同じタイミングで膨縮可能とされる。
【0048】
一方、第三のエアバッグ22(及び第五のエアバッグ)と、第四のエアバッグ23とは、その給排気系統を別々のものとされており、互いに独立して膨縮可能とされる仕組みである。
【0049】
足押圧部20に設けられるエアバッグの数は前記三組に限られるものではなく、使用態様に応じて適宜設定できる。また、エアバッグの配置も、三つのエアバッグ部が足各部に対応して分散した配置に限らず、エアバッグを一部重ねて並べたり、各エアバッグの形状や大きさを足のマッサージ対象箇所の性質に応じて大きく異ならせ、押圧部においてエアバッグの形状や大きさに応じて並べた配置にする構成とすることもできる。さらに、前記第三のエアバッグ22と第五のエアバッグ24とが、機構部30の空気給排機構と接続される管26を一部共用する構成としているが、これに限られるものではなく、各エアバッグごとに管や電磁弁等の給排機構を独立させたものとしたり、別の複数種類のエアバッグで管や給排機構を共用するようにしたりなど、エアバッグと空気給排機構との接続関係は用途や対象等に応じて任意に設定してかまわない。
【0050】
押圧部本体21の内部には、機構部30が配設されるが、第三のエアバッグ22における足指付け根部下側部位は、この機構部30と重なる配置とされており、第三のエアバッグ22を膨張させた場合、下側に機構部30が存在することで、下側への膨張を抑えられる分、押圧力が拡散せず上側に向かうこととなり、足裏部分を効率よく押圧できることとなる。
【0051】
押圧部本体21は、各エアバッグ、機構部、配管材その他を含む状態でカバー部20aに覆われる。
【0052】
このカバー部20aは、使用者や他物体との接触、摩擦や各エアバッグ22、23からの圧力が加わっても破損しない丈夫な軟質材からなり、足を挿入するために断面がアーチ状の膨出部20bが形成され、押圧部本体21、エアバッグ22、23および機構部30等の上方に位置する。カバー部20aは、所定の係合手段(スライドファスナーなど)で開閉可能な外周の開口部から押圧部本体21とこれと一体のエアバッグ22、23、24や機構部30を出し入れして着脱可能に被覆する仕組みである。
【0053】
こうしたカバー部20aの他に、足押圧部20の膨出部20b下部の空間部25に足を挿入、収容した状態で足押圧部の最も内側で足に直接触れる部分として、着脱可能な内カバー部を設けて、必要に応じて取り外して交換したり、洗って再使用することができるようにしてもかまわない。
【0054】
カバー部20aは踵側で、踵部分の第五のエアバッグ24の外側を覆うように上方に延伸形成され、上部で連結部40の表面とつながってデザイン上の統一感を得ている。そして、機構部30から踵部分の第五のエアバッグ24、及び脚押圧部10の各エアバッグ12、13に向かう配管は、第五のエアバッグ24とカバー部20aの間を通って各エアバッグに接続され、このうち連結部40を経由する脚押圧部10の各エアバッグに向かう配管は、連結部40に内蔵されて外からは見えないようにされる(
図4参照)。
【0055】
以上のように押圧部本体21とカバー部20aとを備える足押圧部20は、両足下面より広く平らな底面部を有する形状とされ、空間部25の入口部分や連結された脚押圧部10が上で底面部が下となる自然で無理のない位置関係では、安定した状態で床に載置できる。
【0056】
こうして床に載置すると、足押圧部20は空間部25の入口部分に足が挿入しやすい状態で問題なく自立でき、使用者は足押圧部20を特に手等で支えたりすることなく、載置底面27を下にして単に床に置いた状態で空間部25の入口部分から足を容易に挿入でき(
図8参照)、速やかにマッサージ可能状態への移行を進められる。そして、床に載置された足押圧部20に両足を挿入すると、自然に足裏が下に向く姿勢となり、床で下側を支えられた状態で足の押圧を行え、足の重みと、姿勢によって加わる脚の重み分とで第三のエアバッグ22から足裏への刺激が強まることとなり、足裏のマッサージ効果を高められる。
【0057】
この足押圧部20への足挿入時、足押圧部20に連結されている脚押圧部10は、足挿入の邪魔にならない位置にずらしておけば、略筒状に閉じた状態と、係合を解いて広げた状態のいずれでもかまわない。
【0058】
足押圧部20には足70を挿入するだけでよいことに加え、脚押圧部10は巻回装着タイプとなっており、足70が脚押圧部10を通ることはなく、足押圧部20への足70の挿入経路がブーツのような形状に比べて短いため、足を挿入しやすく、さらに巻回装着部位も脚押圧部10のみであるため、マッサージ器全体として短時間で脚や足に装着でき、マッサージ器を使用準備開始から使用できる状態にすぐ移行させられる。
【0059】
この足押圧部20に足を挿入した状態で、足押圧部20が靴同様に足を全体的に取り囲むようにすることで、足押圧部20が足を適切に包囲して足からずれにくい状態となり、足のマッサージ対象箇所に対し各エアバッグ22、23、24を正しく位置させて適確にマッサージが行える。また、脚押圧部10と足押圧部20とが連結されて位置関係が定まっていることで、脚押圧部10を脚に装着した状態では、使用者が脚や足を動かしても足押圧部20から足が抜けることはなく、使用の際に足と足押圧部20とが離れないよう、使用者が足や脚を静止させるなど気を付ける煩わしさもない。
【0060】
加えて、足押圧部20に左右両足を挿入した状態では、使用者は歩けないなど極めて移動しにくいことから、マッサージ中に不用意に移動してしまうことを防止して、マッサージ中の安全性を確保できる。
【0061】
一方、脚押圧部10と足押圧部20とを可撓性のある連結部40で連結しており、足押圧部20に対し連結部40の変形する範囲で脚押圧部10を自由に動かせる構造としていることで、脚押圧部10の脚周りへの巻回装着を能率よく行えると共に、脚押圧部10の脚60への装着状態では、足押圧部20と一体の脚押圧部10が脚60の動きを拘束しにくく、且つ脚60の動きの障害にならず、脚押圧部10を装着した状態でも使用者が足首より上の脚60を前後左右に動かしやすく(
図12参照)、マッサージ中の過剰な拘束感を抑えて快適性を高められる。
【0062】
なお、足押圧部20には、足押圧部20の上部、並びに、連結部40で折り曲げて足押圧部20の上部に重ねた脚押圧部10をまとめて覆う、山型の軟質材からなる外カバー29を取り付けることができる(
図13、
図14参照)。連結部40は可撓性を有しておりまた、くびれ部41が形成されていることから容易に重ね合わせることが出来る。この外カバー取付状態では、一般的な厚めのクッションのような形態となって室内にそのまま置いていても違和感を与えない外観とすることができ、使用しない時に収納せず出したままとしても問題なく、その場合は押し入れやクローゼット等の収納スペースにしまい込む必要がなくなり、収納の手間やスペースを省略できる。本実施例の場合、外カバーが軟質材からなるので、単にマッサージ器の非使用時の見た目の良さやコンパクト性が向上するだけでなく、脚押圧部が軟質材であることを利用してクッション性を向上させていることが特徴である。
更には、カバー部20aに形成された足が挿入される膨出部20bは可撓性があり断面がアーチ状であることから、上方からの押圧力に対して柔軟にしなるため、よりクッション性が向上するものである。
【0063】
本実施形態では外カバーとして山形の形状のものを示したが、外カバーの形状は山形に限らず頂面が平坦なものや、全体として略直方体形状のものを考えられる。更には覆う外カバーは、軟質材製以外に腰のある材質からなる、いわゆるハードカバー製であっても良い。ハードカバー製にすると足などを載せても容易に変形せず、したがって非使用時にはスツールとして利用することも出来る。足押圧部と脚押圧部を覆う外カバーの他の実施例を
図15ないし
図17に基いて説明する。
【0064】
図15(a)、
図15(b)は収納部50と蓋部51からなる容器内にマッサージ器1全体を収納し、ファスナー52によって開け閉め自在とした実施例であり、蓋部51により足押圧部20と脚押圧部10を覆うこととした。収納部50は特に必要ではなく、ファスナー52は足押圧部20の外周に直接的に形成されても良い。
【0065】
図16(a)、
図16(b)は外カバーとして布片53を採用した案であり、布片53は一端をマッサージ器に固定され、他端が面ファスナー54によりマッサージ器と着脱自在に係合する。この時、足押圧部20と脚押圧部10は、布片53により押さえつけられる。
【0066】
図17(a)、
図17(b)、
図17(c)は脚押圧部10が外カバーを兼ねた案であり、非使用時に脚押圧部10の一部を足押圧部20と着脱自在に係合させコンパクト性を保っている。
図17(a)においては脚押圧部10の巻回時の係合用に使われる面ファスナーの未係合部分55を兼用して、足押圧部20との着脱を可能にしているが専用の係合用面ファスナー(図示せず)を設けても良い。脚押圧部は非使用時には筒状である必要はないので
図17(b)に示すように脚押圧部10を広げた状態で足押圧部20に接合させればより高さを低く抑えられるのでコンパクト性が向上する。この場合も脚押圧部10の巻回時の係合用に使われる面ファスナーを活用することが出来る。
【0067】
図17(c)は脚押圧部10を足押圧部の膨出部20b内に差し込むようにして係合させた案である。この場合、空間部25を有効に利用しておりコンパクト性が更に向上するとともに非使用時に膨出部20bが外力により変形するのを脚押圧部の存在で低減できる。
なお、
図17(a)、
図17(b)、
図17(c)で示す各実施例においても別途外カバーで覆うことは可能である。
【0068】
前記機構部30は、所定圧力で空気を送給するポンプ部31と、エアバッグ12、13、22、23、24とポンプ部31又は外部空間との連通・非連通を切替える電磁弁32a、32b、32c、32dと、ポンプ部31の駆動及び各電磁弁の開閉動作の制御を実行して各エアバッグに対する空気の給排を調節する制御部38と、ポンプ部31等へ給電するためのACアダプタ等の外部電源(図示を省略)を接続するための電源接続部39とを備え、これらを一まとまりのユニットとして足押圧部20の下部、具体的には押圧部本体21における空間部25と第三のエアバッグ22より下側で、足を挿入した状態での踵位置より前側に設けられた所定のスペースに収容されて、足押圧部20と一体に配設される構成である。この機構部30を、足押圧部20への足の挿入、収容状態で足より下側に位置するよう配置していることで、この機構部30が足首及びその上側の脚の動きを拘束したり、動きの妨げになることはない。
【0069】
機構部30は、足押圧部20に足を挿入、収容した状態で踵の下面と重ならない箇所に取り付けられ(
図5参照)、踵からの荷重を受けないことで、使用者が足裏を下に向けて足押圧部20を床面に付けて立った姿勢等をとり、踵に体重がかかるような状態でも、踵に機構部30の存在に起因する違和感を感じることはなく、且つ、機構部30に体重相当の荷重が加わって破損を招くこともない。
【0070】
一方、この機構部30の足押圧部20下部に配設される部分、すなわち、空気給排用の各機構や制御部38をなす回路基板は、硬質のハウジング35に収納された状態で空間部25より下側に配設され、このハウジング35の一部は第三のエアバッグ22のすぐ下側に位置している(
図10参照)。こうして第三のエアバッグ22が硬質のハウジング35を有する機構部30で下側から支えられることで、第三のエアバッグ22を膨張させた際の押圧力を下側に向かわせず、上側に集中させて足裏に効率よく押圧力を与えることができる。さらに、ハウジング35は踵以外の足裏部分から下向きの荷重を受けるものの、十分な強度を有することから、機構部30各部を確実に保護してその破損を防止できる。
【0071】
この機構部30は、足押圧部20の下部に配設される主要部に加えて、足押圧部20の空間部25へ足を挿入、収容した状態で左右の足の間、詳細には足の踵部分の間に位置する部位の足押圧部20表面部に、制御部38と接続されて使用者の操作を受け付ける操作部37を設けられる構成である(
図3、
図5参照)。この操作部37はカバー部20aを貫通して操作可能に外部に露出する状態とされる。
【0072】
そして、操作部37は、左右の足の間、すなわち、足押圧部20における、足挿脱時やマッサージ時に邪魔にならず視認可能な状態を維持でき、且つ体重等の外からの荷重が加わらず、破損しにくい位置に配置されている。この足の間の位置は、従来の据え置き型のように脚を動かせない構造であれば、上方で左右の脚が並んだ配置となることで使用者の手を近付けにくく、操作が難しいものとなる位置にあたるが、本実施形態では連結部40により脚60を左右に動かして脚間を広げることができるので、操作に支障はない。こうして従来は操作性の点で操作部を設けにくかった足間のスペースへの操作部37の配設が実現し、足押圧部20のスペースを有効利用することで、マッサージ器全体のコンパクト化を図っている。
【0073】
使用者が足押圧部20の空間部25に足を挿入、収容してエアバッグ22、23、24でのマッサージを可能とすると共に、使用者が足裏を下に向けてリラックスした姿勢をとっている状態(
図12参照)では、左右の足の間の操作部37は上方を向く位置関係となる。これにより、使用者が操作部37を操作する際に、使用者が操作部37を見ながら確実に操作できると共に、操作部37の下側には足は存在し得ず、操作部37を操作する力が足に向かわないことで、足に違和感を与えない状態で操作部37に対する操作が行え、操作性を向上させられる。
【0074】
機構部30は、脚押圧部10における第一のエアバッグ12及び第二のエアバッグ13と、管26を介して接続され、また、足押圧部20における第三のエアバッグ22、第四のエアバッグ23、及び第五のエアバッグ24と管26を介して接続される構成である。より詳細には、機構部30におけるポンプ部31が、エアバッグごとに電磁弁32a、32bを介して、脚押圧部10の各エアバッグと接続される構成である。また、ポンプ部31は、電磁弁32cを介して、足押圧部20の第三のエアバッグ22及び第五のエアバッグ24と接続されると共に、電磁弁32dを介して、第四のエアバッグ23と接続される構成である。
【0075】
各電磁弁32a、32b、32c、32dは、ポンプ部31に連通する第1のポートと、エアバッグに連通する第2のポートと、外部に連通する第3のポートを有し、制御部38による制御に応じて、第1のポートと第2のポートを連通させ、且つ第3のポートを閉じて、ポンプ部31からエアバッグへの給気を行える状態と、第2のポートと第3のポートを連通させ、且つ第1のポートを閉じて、エアバッグの空気を外部に排気させる状態と、第1のポート、第2のポート、及び第3のポートをいずれも相互に連通させないようにして、エアバッグの内部圧力を維持できる状態、の三つの状態を切替可能とする公知の三方弁であり、詳細な説明を省略する。
【0076】
なお、各ポートを相互連通させないようにして電磁弁のみでエアバッグの内部圧力を維持可能とする構成の他に、ポンプ部31と電磁弁との間にエアポンプから電磁弁側への空気流通のみ許容する逆止弁を設けて、第1のポートと第2のポートを連通させ、且つ第3のポートを閉じて、ポンプ部31からエアバッグへの給気を行える状態で、ポンプ部31による給気を停止した場合に、逆止弁によりエアバッグの内部圧力を維持する状態を得る構成とすることもできる
【0077】
これらポンプ部31と電磁弁32a、32b、32c、32dが、各エアバッグの空気給排機構をなし、制御部38が、ポンプ部31を作動させると共に、電磁弁32a、32b、32c、32dの連通状態を調整制御することで、所望のエアバッグについて給気、排気、又は圧力維持を図り、エアバッグを膨張、収縮させ、又は所定の膨張状態で維持できる仕組みである。エアバッグの膨張時には脚や足のエアバッグの内側に位置するマッサージ対象箇所に対する押圧力を発生させる一方、収縮時には押圧が解除されることで、各エアバッグ位置で変化に富んだマッサージ効果を与えることができる。
【0078】
なお、ポンプ部31に対し四つの電磁弁32a、32b、32c、32dを設けて、五つのエアバッグの膨縮を調整する構成としているが、これに限られるものではなく、ポンプ部及び電磁弁の数や組合せは、機構部として足押圧部に配設可能な範囲で適宜選定してかまわない。
この他、機構部30にはヒータを設けることもでき、その場合、使用者の操作指示によりヒータが作動することで、ヒータからの熱が足裏に伝わって足を温めることができる。
【0079】
前記制御部38は、空気給排機構をなすポンプ部31、電磁弁32a、32b、32c、32dに対し、あらかじめ記録設定されたマッサージの内容の情報に基づいて、適切なマッサージの実行のための制御を行うものである。
【0080】
この制御部38は、そのハードウェア構成として、CPUやメモリ、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、メモリ等に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部38として動作させる仕組みである。この制御部38をなすコンピュータは、CPUやメモリ、ROM等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとされており、機構部30に問題なく内蔵可能とされる。
【0081】
次に、本実施形態に係るマッサージ器の使用者の脚及び足へのマッサージ準備及びマッサージ実行状態について説明する。前提として、マッサージ器1の足押圧部20は、マッサージ器を使用する使用者の足70を挿入、収容可能な大きさであり、また脚押圧部10は使用者の脚60に巻回して装着可能な巻回長さを有するものとする。さらに、電源からの電力供給が正常になされて、制御部38の制御によりポンプ部31及び電磁弁32a、32b、32c、32dが適切に作動可能な状態となっているものとする。
【0082】
準備作業として、まず、使用者はマッサージ器1を床に置き、マッサージ器の脚押圧部10前側部分の面ファスナーによる係合を解いて、脚押圧部10を開放状態とすると共に、この開放した脚押圧部10を背面側に倒して、足押圧部20の空間部25の入口が上から見て開放した状態とする。そして、使用者は足押圧部20に足70を挿入して収容し(
図8参照)、さらに脚押圧部10を使用者の脚に巻回し、面ファスナーを係合させて装着する(
図9参照)。
【0083】
この状態で、使用者は足裏側を下に向けた姿勢をとっており、左右の足の間にある操作部37が上方を向いている。
【0084】
また、脚押圧部10の各エアバッグ12、13のうち第一のエアバッグ12がふくらはぎの左右側方に位置すると共に、第二のエアバッグ13がふくらはぎの後方に位置している。そして、足押圧部20のエアバッグ22、23、24のうち第三のエアバッグ22が足の足裏部の外側(下側)に位置する(
図10参照)と共に、第四のエアバッグ23が足の足甲部の外側(上側)に、第五のエアバッグ24が踵の背面側から左右側面に至る部位の外側にそれぞれ位置している(
図11参照)。
【0085】
使用者が操作部37に対し、マッサージモード等の指示を入力するなど操作を行うと、制御部38が作動制御を開始し、制御部38は空気給排機構としてのポンプ部31及び電磁弁32a、32b、32c、32dに対し制御指令を送出して、これらを作動させ、各エアバッグ12、13、22、23、24をそれぞれ膨縮させることとなる。
【0086】
各エアバッグの膨縮にあたっては、あらかじめ複数の膨縮パターンが設定されており、マッサージ実行の際には一又は複数の膨縮パターンに従ってエアバッグを膨縮させ、且つこれを繰り返して、エアバッグによる押圧状態を様々に変化させて所望のマッサージ効果が得られるようにしている。
【0087】
まず、脚押圧部10について、例えば、第一のエアバッグ12を膨張させた後、第二のエアバッグ13を膨張させる場合について説明する。
【0088】
まず、制御部38は、空気給排機構としてのポンプ部31及び電磁弁32a、32bに対し制御指令を送出して、第一のエアバッグ12のみに対し、給気を行い、エアバッグ12を膨張させて、ふくらはぎの左右を押圧する。給気は所定時間(例えば15秒)継続され、押圧状態も継続する。
【0089】
所定時間経過後、制御部38は、新たな制御指令を送出し、第一のエアバッグ12に対しては給気停止、圧力保持としてエアバッグ12による押圧状態を維持したまま、さらに、第二のエアバッグ13に対し、給気を行い、第二のエアバッグ13を膨張させて、新たにふくらはぎの後側を押圧する。給気は所定時間(例えば5秒)継続され、押圧状態も継続する。
【0090】
こうして二つのエアバッグ12、13を時間をずらして膨張させることで、ふくらはぎ全体を締めるのに変化を与えることができる。
【0091】
所定時間経過後、制御部38は、空気給排機構に対し給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、各エアバッグ12、13への給気を停止する一方、排気はまだ行わないようにして、各エアバッグの膨張状態をさらに所定時間(例えば4秒)保持する。この後、制御部38は、空気給排機構に対し新たに制御指令を送出し、排気状態に移行させて、所定時間(例えば10秒)にわたる排気で各エアバッグを収縮させて、一連の膨縮過程を終了する。
【0092】
この他、脚押圧部における別の膨縮パターンとして、エアバッグ12、13全てを一様に膨張させる場合について説明する。
【0093】
まず、制御部38は、エアバッグ12、13の空気給排機構としてのポンプ部31及び電磁弁32a、32bに対し制御指令を送出して、第一のエアバッグ12と、第二のエアバッグ13の両方に対し、給気を行い、各エアバッグをそれぞれ膨張させて、脚のふくらはぎを押圧する。給気は所定時間(例えば12秒)継続され、押圧状態も継続する。
【0094】
こうして二つのエアバッグ12、13を膨張させることで、ふくらはぎ全体を締めるように押圧することができる。そして、これにより、ふくらはぎにおいて、牛の乳搾りのように周囲から圧迫し締めて血流を生じさせる(いわゆるミルキング)状態を生じさせることができる。
【0095】
所定時間経過後、制御部38は、空気給排機構に対し給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、各エアバッグ12、13への給気を停止する一方、排気はまだ行わないようにして、各エアバッグの膨張状態をさらに所定時間(例えば4秒)保持する。この後、制御部38は、空気給排機構に対し新たな制御指令を送出し、排気状態に移行させて、所定時間(例えば10秒)にわたる排気で各エアバッグを収縮させて、一連の膨縮過程を終了する。
【0096】
一方、足押圧部20でも、脚押圧部10と同時、又はタイミングをずらして、所定の膨縮パターンに従ってエアバッグを膨縮させることとなる。例えば、エアバッグ22、23、24全てを一様に膨張させる場合、制御部38は、空気給排機構としてのポンプ部31及び電磁弁32c、32dに対し制御指令を送出して、第三のエアバッグ22及び第五のエアバッグ24と、第四のエアバッグ23の各組に対し、所定時間給気を行い、各エアバッグをそれぞれ膨張させて、足の足裏部分と足甲部分、踵周囲を押圧する。
【0097】
こうして二つのエアバッグ22、23を膨張させることで、足全体を一様に締めるように押圧することができる。
【0098】
所定時間経過後、制御部38は、空気給排機構に対し給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、各エアバッグ22、23、24への給気を停止する一方、排気はまだ行わないようにして、各エアバッグの膨張状態をさらに所定時間保持する。この後、制御部38は、空気給排機構に対し新たな制御指令を送出し、排気状態に移行させて、所定時間にわたる排気で各エアバッグを収縮させる。以上の一連の膨縮過程を、必要に応じて複数回繰り返すようにすることもできる。
【0099】
この他、足押圧部20の第三、第五の各エアバッグ22、24の組と、第四のエアバッグ23との膨張タイミングをずらす場合、例えば、第三のエアバッグ22と第五のエアバッグ24を膨張させた後、第四のエアバッグ23を膨張させる場合には、制御部38は、空気給排機構としてのポンプ部31及び電磁弁32c、32dに対し制御指令を送出して、第三のエアバッグ22と第五のエアバッグ24に対し、所定時間給気を行い、第三のエアバッグ22と第五のエアバッグ24を膨張させて、足の足裏部と踵の周囲をそれぞれ押圧する。
【0100】
所定時間経過後、制御部38は、新たな制御指令を送出し、第三のエアバッグ22と第五のエアバッグ24に対しては給気停止、圧力保持として各エアバッグ22、24による押圧状態を維持したまま、さらに、第四のエアバッグ23に対し、所定時間給気を行い、第四のエアバッグ23を膨張させて、新たに足の足甲部分を押圧する。
【0101】
こうして二つのエアバッグ22、24と、さらに別のエアバッグ23とを時間をずらして膨張させることで、足全体を締めるのに足裏側から締めていくようにするなどの変化を与えることができる。
【0102】
所定時間経過後、制御部38は、空気給排機構に対し給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、第四のエアバッグ23への給気を停止する一方、排気はまだ行わないようにして、各エアバッグの膨張状態をさらに所定時間保持する。この後、制御部38は、空気給排機構に対し新たに制御指令を送出し、排気状態に移行させて、所定時間にわたる排気で各エアバッグを収縮させる。以上の一連の膨縮過程を、必要に応じて複数回繰り返すようにすることもできる。
【0103】
あらかじめ設定されたマッサージモードでは、複数の膨縮パターンの中から所定の膨縮パターンが適宜選択されて所定の順序で組み合わされており、こうしたマッサージモードを使用者が選択すると、制御部38がマッサージモードに従ってエアバッグ12、13、22、23、24の膨縮を実行するようにしていることで、使用者は特別な操作を要求されることなく、各エアバッグによる効果的な押圧の組み合わせを容易に生じさせることができ、効率的なマッサージを受けることができる。マッサージモードとしては、膨縮パターンの組み合わせをさらに複数回繰り返すようにしてもよい。
【0104】
また、脚押圧部10や足押圧部20における各エアバッグの膨縮パターンとしては、上記の同時に膨縮させたり、タイミングをずらして膨縮させたりするものに限られず、他の膨縮パターン、例えば、各エアバッグを同時に膨張させたり、タイミングをずらして膨張させたりする中で、膨張を段階をおいて徐々に進行させるようにするパターンや、連続でなく断続的に膨張させるようにするパターンなども採用することができ、さらにこれらを適宜組み合わせて、選択可能なマッサージモードとしてもかまわない。
【0105】
このように、本実施形態に係るマッサージ器は、脚60のふくらはぎ部を取り囲んでエアバッグ12、13でのマッサージを可能とする脚押圧部10と、足70を空間部25に挿入するとエアバッグ22、23、24でのマッサージが可能となる足押圧部20とが連結一体化されると共に、エアバッグを作動させる機構部30が、使用者による操作部37も含めて足押圧部20と一体化され、且つ常に脚押圧部10と足押圧部20に接続状態とされることから、準備時や実際の使用時に、脚押圧部10、足押圧部20、及び機構部30を個別に取り扱わずに済み、これらを一括して取り扱える分、使用者の煩わしさを解消でき、使い勝手を向上させられる。また、脚押圧部10と足押圧部20とを可撓性のある連結部40で連結し、脚押圧部10を足押圧部20に対し動かせることで、脚押圧部10の装着状態でも、足押圧部20に挿入した足より上の脚部分の動きが脚押圧部10でほとんど拘束されないこととなり、足押圧部20に足を挿入した状態で使用者が足首とその上側の脚部分を動かしやすく、拘束感を抑えてリラックスした状態でマッサージを受けられる上、非使用時は脚押圧部10を足押圧部20上に重ねるように連結部40で折り曲げてコンパクト化することができ、収納のためのスペースを抑えられる。
【0106】
なお、前記実施形態に係るマッサージ器においては、脚押圧部10と足押圧部20との間に、可撓性を有する略シート状体で形成される連結部40を設け、連結部40の一端部を足押圧部20における空間部25入口の周辺部分に所定長さにわたり連結すると共に、連結部40の他端部を脚押圧部10下端部に所定長さにわたり連結して、脚60に対する脚押圧部10の位置決めを行いやすくする構成としているが、この他、脚押圧部10の脚装着時における位置決め用の目安となるマーク等を脚押圧部10に別途設けて、連結部40の機能が脚押圧部と足押圧部との連結を確保すれば十分である場合には、別の簡略な連結部を用いる構成とすることもできる。例えば、略シート状体の連結部を設ける代わりに、脚押圧部のエアバッグに空気を送給する管に十分な強度及び可撓性を与えた上で、これを連結部として流用する構成とすることもでき、連結の用のみ果たすより簡略な連結部を実現してコストを抑えられる。
【0107】
また、以上の実施形態においては、可撓性を有する略シート状体で形成される連結部によって足押圧部と脚押圧部が連結されていたが、本発明としては脚押圧部10と足押圧部20内の機構部とが管26で接続されている
図18に示すような実施形態も考えられる。
【0108】
また、前記実施形態に係るマッサージ器においては、マッサージ対象箇所を押す押圧手段として、空気の給排により膨縮するエアバッグを用いる構成としているが、これに限らず、他の押圧手段を用いることができ、例えば、熱を加えると変形する形状記憶合金等を用いることができる。例えば、脚の所定範囲を取り囲むように巻回される脚押圧部に内蔵された形状記憶合金が、常温では巻回する脚の表面部分に沿う形状とされ、単なる巻回状態では脚を締めないものとされる一方、通電加熱等により熱を加えると変形してより屈曲した形状になろうとし、脚押圧部による拘束で脚周囲に強制的に位置させられることで、弾性変形状態となり、生じた弾性反力で脚を押圧する状態を得られる構成とすることができる。
【0109】
また、これとは逆に、例えば脚押圧部に内蔵される形状記憶合金が、常温では巻回する脚の表面部分に沿わない形状とされ、巻回状態では脚押圧部による拘束で弾性変形し、その弾性反力で脚を押圧するようにされる一方、通電加熱等により熱を加えると変形して脚の表面部分に沿う形状となるようにして、弾性反力を消失させ、脚を押圧しない状態を得る構成とすることもできる。
【0110】
また、前記実施形態に係るマッサージ器においては、機構部30各部に対し電源接続部を介してACアダプタ等の外部電源(図示を省略)を接続して給電を行う構成としているが、この他、機構部が、各エアバッグを作動させるポンプ部や電磁弁その他の電源として、電池を交換可能に内蔵する構成とすることもできる。
【0111】
この場合、電源となる電池が機構部に内蔵されて、外部から給排機構その他を作動させるための電力を導入せずに済むようにしていることから、使用にあたって電源接続部と外部電源とを接続する作業を行わずに済み、使用者の煩わしさを解消できる。また、電源接続部と電源等とを接続するケーブル等の部品を省略でき、使用の際に使用者がこうしたケーブル等による拘束を受けずに済み、取り扱いの自由度を高めて使い勝手をさらに向上させられる。
【0112】
電池としては、活物質が電池内に保持される一般的な乾電池(マンガン電池、アルカリ電池)や二次電池(ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)の他、活物質を補充可能な燃料電池のうち小型のものを用いることもできる。
【0113】
なお、こうして電源として電池を採用するにあたり、機構部に内蔵された電池を頻繁に交換する機会が生じる場合には、電池交換のために機構部30の一部を開放可能とすると共に、この機構部30の一部開放に対応して、足押圧部のカバー部に、その一部のみを必要に応じ開口状態とするためのファスナー等の係合手段を設けるようにしてもよい。