(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マッサージ対象箇所を押す押圧手段を一又は複数有して、マッサージ対象箇所を含む少なくとも脚の所定範囲を取り囲むように左右の脚にそれぞれ装着される押圧本体部と、
前記各押圧本体部の押圧手段と管を介して着脱自在に接続されつつ、各押圧本体部とは独立させて配設され、押圧手段を作動させる機構部を備えた基台部と、
前記機構部の上側に位置するカバー部とを有し、
当該カバー部が、前記基台部との間に所定の収納空間を生じさせつつ、基台部に対し前記収納空間を開閉可能として配設され、且つ収納空間に収納される物体及び基台部表面の形状をカバー部外側から判別不能とする所定立体形状及び厚さを有するものとされ、
前記機構部は、使用者の操作を受け付ける操作部を上部に一体に配設されており、基台部に操作部のある上面のみ収納空間側に露出させた状態で取り付けられ、
前記各押圧本体部が可撓性を有する材質で形成され、不使用時には、前記管から外して前記収納空間の範囲内で基台部の操作部の上側に折り畳んで載置可能な形状とされ、
前記基台部の操作部上側を各押圧本体部とカバー部で覆う形態とすることを
特徴とするマッサージ器。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るマッサージ器を前記
図1ないし
図11に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ器1は、脚や足のマッサージ対象箇所を押す押圧手段としてのエアバッグを複数有して、左右の脚及び足にそれぞれ装着される押圧本体部10と、これら押圧本体部10のエアバッグと管を介して接続され、エアバッグを作動させる機構部20と、緩衝性のある材質で形成され、機構部20を周囲から覆う緩衝部30とを備える構成である。
【0025】
前記押圧本体部10は、押圧手段としてのエアバッグを複数有して、脚や足のマッサージ対象箇所を含む脚及び足の所定範囲を取り囲むように左右の脚及び足にそれぞれ装着される構成である。
【0026】
より具体的には、押圧本体部10は、脚のマッサージ対象箇所を含む、膝下部分から足首にかけての部位を覆う脚押圧部11と、足周囲に位置して足70のマッサージ対象箇所を含む各部を覆う足押圧部12とを備える構成である。
【0027】
前記脚押圧部11は、可撓性を有する材質で形成され、開口端部から長手方向に進むほど脚形状に合わせて中空部分の断面積が徐々に小さくなる略円錐状の筒状体とされる構成であり、この筒状体の大径側の開口端部から長手方向に所定長さ分切り目を設けられ、この切り目部分に取り付けられた線ファスナー11d等の係合手段で、切り目を挟んで離れた所定箇所同士を寄せて着脱可能に係合させる仕組みである。
この脚押圧部11の内側に、脚の膝下部分のマッサージ対象箇所を押すエアバッグ11a、11bがそれぞれ配設される。
【0028】
脚押圧部11では、脚を中空部分に挿入してこの脚押圧部11を脚周囲に位置させてから、切り目を挟んで離れた所定箇所同士を係合手段により寄せて係合させることで、脚の膝下部分の外周で脚押圧部11が脚に接近し、エアバッグ11a、11bをふくらはぎの外側近傍に位置させる状態を維持可能とされる。この状態で、脚押圧部11は各エアバッグ11a、11bにより、ふくらはぎを押してマッサージを行える仕組みである。
【0029】
エアバッグ11a、11bは、脚押圧部11が脚を取り囲んだ状態で、ふくらはぎ後方とふくらはぎの左右で、ふくらはぎを取り囲むように複数配設される(
図2参照)。
【0030】
ふくらはぎの左右に位置することとなる第一のエアバッグ11aは、主に膨縮する左右のエアバッグ部分と、これを連通させる中間流路部分とからなり、機構部20から伸びる空気送通用の管25と接続される構成である。中間流路部分で連通する左右のエアバッグ部分が、同時に膨縮して同じタイミングでふくらはぎの左右のマッサージ対象箇所を押すこととなり、ふくらはぎを手で掴むような押圧刺激を与えることができる。
一方、第二のエアバッグ11bは、機構部20と管25を介して接続され、ふくらはぎの後方に位置するよう配置される構成である。
【0031】
各エアバッグ11a、11bは、機構部20の空気給排機構とそれぞれ管25を介して空気流通可能に接続されており、各エアバッグ11a、11bはその給排気系統を別々のものとされ、互いに独立して膨縮可能とされる仕組みである。
【0032】
そして、機構部20から脚押圧部11の各エアバッグ11a、11bや後述する足押圧部12の各エアバッグに向かう管は、脚押圧部11の外側所定箇所に設けられた接続部11cで脚押圧部11内外の管が連結する仕組みとなっている。脚押圧部11内の各エアバッグに通じる管は、脚押圧部11に内蔵されて外からは見えないようにされる。
【0033】
各脚押圧部11に設けられるエアバッグの数は前記二組に限られるものではなく、使用態様に応じて適宜設定できる。また、エアバッグの配置も、左右のエアバッグ部の中間に後方のエアバッグが挟まれる配置に限らず、エアバッグを上下方向にも複数並べたり、各エアバッグの形状や大きさをふくらはぎのマッサージ対象箇所の性質に応じて大きく異ならせ、脚押圧部においてエアバッグの形状や大きさに応じて並べた配置にする構成とすることもできる。
【0034】
エアバッグ11a、11bに対し、脚押圧部11は、使用者や他物体との接触、摩擦や各エアバッグ11a、11bからの圧力が加わっても破損しない丈夫な可撓性素材製のシート状体で形成され、エアバッグ11a、11bや管25を被覆し保護する。
【0035】
なお、脚押圧部11のうち、最も内側に位置して脚に直接触れる部分は、脚押圧部11の他部分に対し着脱可能として、必要に応じて取り外して交換したり、洗って再使用することができるようにしてもかまわない。
【0036】
前記足押圧部12は、脚押圧部11同様の可撓性を有する材質で形成され、脚押圧部11をなす筒状体に対し向きを変えて連結一体化され、足先側に進むほど中空部分の断面積が徐々に小さくなる略角錐状の筒状体とされる構成である。この足押圧部12の内側に、マッサージ対象の足70の各部を押す押圧手段としてのエアバッグ12a、12b、12cが配設され、足押圧部12への足挿入状態で左右の足の周囲にそれぞれ位置する。
【0037】
足70のマッサージ対象箇所を押すエアバッグ12a、12b、12cは、具体的には、足押圧部12の中空部分に足を挿入した状態での足70の各マッサージ対象箇所の外側近傍にそれぞれ位置するようにされる。詳細には、第三のエアバッグ12aが、踵を除く足下面(足裏)部分に沿ってこれらを押圧可能に配設される(
図2、
図6参照)と共に、第四のエアバッグ12bが、足の上面(足甲)部分に沿ってこれらを押圧可能に配設される(
図2、
図5参照)。加えて、第五のエアバッグ12cが、踵の背面から左右両側面にかけての部位を取り囲むようにしてこうした部位を押圧可能に配設される(
図2、
図5参照)。
【0038】
足70の踵を除く足下面(足裏)部分の外側(下側)近傍に位置することとなる第三のエアバッグ12aは、管(図示を省略)を介して機構部20の空気給排機構と連通する構成である。第三のエアバッグ12aが膨縮することで、所定のタイミングで足の踵を除く足裏部分を押してマッサージとしての刺激を与えることとなる。なお、第三のエアバッグ12aにおける足指付け根部下側に位置する部位には、膨張時に足指付け根部下面に与える刺激を強化する、突起部等の刺激付与手段を設けるようにすることもできる。
【0039】
足70の足甲部分の外側(上側)近傍に位置することとなる第四のエアバッグ12bも、前記第三のエアバッグ12a同様、管(図示を省略)を介して機構部20の空気給排機構と接続される構成である。
【0040】
こうして足の上下に位置する第三のエアバッグ12aと第四のエアバッグ12bは、互いに対向する配置とされる。そして、上側の第四のエアバッグは、足押圧部12における第三のエアバッグ12aの設置面に連結されて、足の足甲から足裏に及ぶ範囲を取り囲む閉じた領域を形成しており、第三のエアバッグ12aと第四のエアバッグ12bの間に足を挿入した状態では、各エアバッグが足に対しずれることはない。
【0041】
さらに、第五のエアバッグ12cは、足70の踵部分の背面から左右側面にわたる部位の外側近傍に位置するように設けられており、足の踵側面をマッサージ対象箇所として押すことができる仕組みである。この第五のエアバッグ12cも、前記各エアバッグ同様、管(図示を省略)を介して機構部20の空気給排機構と空気流通可能に接続される。ただし、この第五のエアバッグ12cは、機構部20の空気給排機構と接続される管を、第三のエアバッグ12aと一部共用しており、第三のエアバッグ12aと同じタイミングで膨縮可能とされる。
一方、第三のエアバッグ12a及び第五のエアバッグ12cと、第四のエアバッグ12bとは、その給排気系統を別々のものとされており、互いに独立して膨縮可能とされる仕組みである。
【0042】
なお、足押圧部12に設けられるエアバッグの数は前記三組に限られるものではなく、使用態様に応じて適宜設定できる。また、エアバッグの配置も、三つのエアバッグ部が足各部に対応して分散した配置に限らず、エアバッグを一部重ねて並べたり、各エアバッグの形状や大きさを足のマッサージ対象箇所の性質に応じて大きく異ならせ、足押圧部においてエアバッグの形状や大きさに応じて並べた配置にする構成とすることもできる。
【0043】
こうした足押圧部12は、空間部分に足を挿入、収容した状態で足押圧部の最も内側で足に直接触れる部分として、着脱可能な内カバー部を設けて、必要に応じて取り外して交換したり、洗って再使用することができるようにしてもかまわない。
【0044】
足押圧部12の各エアバッグ12a、12b、12cへの空気流通を可能とする管は、足押圧部12と脚押圧部11を経由し、脚押圧部11外側の接続部で外部の管25と連結されており、この管25を介して機構部20の空気給排機構と接続される。これら足押圧部12の各エアバッグ12a、12b、12cに接続される管は、脚押圧部11や足押圧部12に内蔵されて外からは見えないようにされる。
【0045】
この足押圧部12に足を挿入した状態で、足押圧部12が足を周囲から取り囲むようにすることで、足押圧部12が足を適切に包囲して足からずれにくい状態となり、足のマッサージ対象箇所に対し各エアバッグ12a、12b、12cを正しく位置させて適確にマッサージが行える。
【0046】
この他、脚押圧部11や足押圧部12にはヒータを設けることもでき、その場合、使用者の操作指示によりヒータが作動することで、ヒータからの熱が足裏に伝わって足を温めることができる
【0047】
前記機構部20は、各押圧本体部10のエアバッグと管を介して接続されつつ、各押圧本体部10とは独立させて配設され、各エアバッグを作動させるものである。
詳細には、機構部20は、所定圧力で空気を送給するポンプ部21と、エアバッグ11a、11b、12a、12b、12cとポンプ部21又は外部空間との連通・非連通を切替える電磁弁22a、22b、22c、22dと、ポンプ部21の駆動及び各電磁弁の開閉動作の制御を実行して各エアバッグに対する空気の給排を調節する制御部23とを備える構成である。この機構部20は、ポンプ部21等へ給電するための電源部(図示を省略)を内蔵しており、電源ケーブル24で外部の商用電源等と接続される。
【0048】
この機構部20は、硬質のハウジングを有して、前記ポンプ部21や各電磁弁、制御部23をなす回路基板をこのハウジングに収められる構成である。そして、機構部20は、使用者の操作を受け付ける操作部40を上部に一体に配設されており、緩衝部30の基台部31中央に操作部40のある上面のみ収納空間35側に露出させた状態で取り付けられ、側面及び底面を基台部31で覆われる。
【0049】
機構部20の上部には、押圧本体部10の各エアバッグ11a、11b、12a、12b、12cに空気を流通させるための管25が接続される(
図1参照)。この管25は、エアバッグごとの複数の管を左右の押圧本体部ごとに一まとまりにされたものであり、各押圧本体部10の接続部11cに連結され、各エアバッグに連通する。
【0050】
前記操作部40は、機構部20上部で操作面を上方に向ける位置関係として配設され、緩衝部30のカバー部32を基台部31から取り外した状態で、使用者により操作可能に外部に露出することとなる。操作部40を機構部20と一体に形成して基台部31に配設し、上方から操作可能とすることで、操作部40を手で持つなど使用者が操作部40を支持することなく適切に操作が行える。
【0051】
機構部20は、脚押圧部11における第一のエアバッグ11a及び第二のエアバッグ11bと、管25を介して接続され、また、足押圧部12における第三のエアバッグ12a、第四のエアバッグ12b、及び第五のエアバッグ12cと管25を介して接続される構成である。より詳細には、機構部20におけるポンプ部21が、エアバッグごとに電磁弁22a、22bを介して、脚押圧部11の各エアバッグと接続される構成である。また、ポンプ部21は、電磁弁22cを介して、足押圧部12の第三のエアバッグ12a及び第五のエアバッグ12cと接続されると共に、電磁弁22dを介して、第四のエアバッグ12bと接続される構成である。
【0052】
各電磁弁22a、22b、22c、22dは、ポンプ部21に連通する第1のポートと、エアバッグに連通する第2のポートと、外部に連通する第3のポートを有し、制御部23による制御に応じて、第1のポートと第2のポートを連通させ、且つ第3のポートを閉じて、ポンプ部21からエアバッグへの給気を行える状態と、第2のポートと第3のポートを連通させ、且つ第1のポートを閉じて、エアバッグの空気を外部に排気させる状態と、第1のポート、第2のポート、及び第3のポートをいずれも相互に連通させないようにして、エアバッグの内部圧力を維持できる状態、の三つの状態を切替可能とする公知の三方弁であり、詳細な説明を省略する。
【0053】
これらポンプ部21と電磁弁22a、22b、22c、22dが、各エアバッグの空気給排機構をなし、制御部23が、ポンプ部21を作動させると共に、電磁弁22a、22b、22c、22dの連通状態を調整制御することで、所望のエアバッグについて給気、排気、又は圧力維持を図り、エアバッグを膨張、収縮させ、又は所定の膨張状態で維持できる仕組みである。エアバッグの膨張時には脚や足のエアバッグの内側に位置するマッサージ対象箇所に対する押圧力を発生させる一方、収縮時には押圧が解除されることで、各エアバッグ位置で変化に富んだマッサージ効果を与えることができる。
【0054】
前記制御部23は、空気給排機構をなすポンプ部21、電磁弁22a、22b、22c、22dに対し、操作部40から操作指示されたか、あらかじめ記録設定されたマッサージの内容の情報に基づいて、適切なマッサージの実行のための制御を行うものである。
【0055】
この制御部23は、そのハードウェア構成として、CPUやメモリ、入出力インターフェース等を備えるコンピュータとなっており、メモリ等に格納されるプログラムにより、コンピュータを制御部23として動作させる仕組みである。この制御部23をなすコンピュータは、CPUやメモリ、ROM等を一体的に形成されたマイクロコンピュータとされており、機構部20に問題なく内蔵可能とされる。
【0056】
前記緩衝部30は、緩衝性のある材質で形成され、前記機構部20を周囲から覆うものである。この緩衝部30は、機構部20の底面寄りに位置して機構部20と一体化される基台部31と、機構部20の上側に位置して機構部20とは分離したカバー部32とを有する構成である。
【0057】
この緩衝部30に対し、各押圧本体部10が、不使用時の使用者に装着されていない状態で、緩衝部の基台部31とカバー部32との間に生じる所定の収納空間35に収納され、この収納空間35で基台部31に載置されることとなる。
【0058】
前記基台部31は、略台状に形成されるものであり、ウレタンフォーム等の緩衝性材質部分を、最外周部の布等の可撓性素材製シート状体で被覆して、使用者や他物体との接触、摩擦や外部からの圧力が加わっても容易には破損しない構造とされる。
【0059】
この基台部31は、収納空間35を生じさせる凹部31aを上部に設けられ、さらにこの凹部31aの底となる部位の中央部分には機構部20を挿入される小さめの凹部を設けられる構成である。基台部31中央の凹部に機構部20が挿入されると、機構部20周囲に基台部31が隙間無く密着し、機構部20は基台部31に対しその操作部40のある上面のみが露出した埋設状態となる仕組みである(
図8、
図11参照)。そして、この埋設状態となる機構部20の上面を含む凹部31aの底面部分は、押圧本体部10の載置部分として使用される。この基台部30が上側にカバー部32を取り付けられて、凹部31aがカバー部32で覆われると、閉じた収納空間35が生じる仕組みである(
図11参照)。
【0060】
前記カバー部32は、基台部31との間に押圧本体部10を収納可能な収納空間35を生じさせつつ、基台部31に対し着脱可能として、収納空間35を開閉可能として配設され、収納空間35に収納される物体、具体的には押圧本体部10、の形状や基台部表面形状をカバー部32外側から判別不能とする略円筒形の立体形状及び厚さとされる構成である。
【0061】
カバー部32は、基台部31から取り外して基台部31に対し収納空間35を開放した状態で、各押圧本体部10をそのままか、必要に応じ折り畳んだ上で、収納空間35に出し入れ可能とされる。また、カバー部32は、基台部31に各押圧本体部10を載置した上でカバー部32を基台部31に取り付け、収納空間35に各押圧本体部10を収納しつつ基台部31に対し収納空間35を閉じた状態では、各押圧本体部10ごと基台部31上側を全て覆うこととなる。
【0062】
緩衝部30において、カバー部32を基台部31に対し着脱可能として、カバー部32が基台部31に対し収納空間35を開放する場合は、カバー部32を基台部31から取り外すことから、収納空間開放状態でカバー部32をいったん基台部31から離して、基台部31上側を広く開けられ、押圧本体部10を使用する際にはカバー部32を基台部31から取り外して、押圧本体部10を基台部上から容易に持ち出せる。
【0063】
加えて、カバー部32が基台部31に対し収納空間35を閉じる場合は、取り外したカバー部32を基台部31に取り付けることから、マッサージの使用を終えた後は、押圧本体部10を折り畳んで基台部31上に適切に載置して、カバー部32を基台部31に取り付けると、押圧本体部10を収納空間35にスムーズ且つ確実に収納できるなど、基台部31上側における押圧本体部10等の取り扱いを効率よく進められる。
【0064】
カバー部32の基台部31への取付は、カバー部32を基台部31の側面まで被せた状態をカバー部口部分の伸縮力で維持するようにして行う他、ボタン、ホック、面ファスナー、線ファスナー等の係合手段を用いて係合させて行うようにすることもできる。そして、カバー部32の基台部31への取付状態(
図10参照)では、緩衝部30は一般的な厚めのクッションのような形態となって室内にそのまま置いていても違和感を与えない外観とすることができ、使用しない時に収納せず出したままとしても問題なく、その場合は押し入れやクローゼット等の収納スペースにしまい込む必要がなくなり、収納の手間やスペースを省略できる。
【0065】
次に、本実施形態に係るマッサージ器の使用者の脚及び足へのマッサージ準備及びマッサージ実行状態について説明する。前提として、マッサージ器1の押圧本体部10は、マッサージ器を使用する使用者の足70や脚を挿入して、これらの外周に装着可能な大きさであるものとする。さらに、機構部20は、電源と接続されて電力供給が正常になされると、制御部23の制御によりポンプ部21及び電磁弁22a、22b、22c、22dを適切に作動させられるものとする。
【0066】
準備作業として、まず、使用者は、緩衝部30に押圧本体部10を収納して一体となったマッサージ器1を床に置き、緩衝部30のカバー部32を基台部31から取り外し、押圧本体部10を基台部31から離して伸ばし、脚等に装着可能な状態とする。続いて、脚押圧部11前側部分の係合手段としての線ファスナー11dによる係合を解いて、脚押圧部11を広げた状態とすると共に、この広げた脚押圧部11の中空部分の入口が上から見て開放した状態とする。使用者は脚押圧部11に足70及び脚を挿入して収容し、脚押圧部11を使用者の脚周りに位置させたら、線ファスナー11dを係合させて装着する。
【0067】
この状態で、押圧本体部10における脚押圧部11の各エアバッグ11a、11bのうち第一のエアバッグ11aがふくらはぎの左右側方に位置すると共に、第二のエアバッグ11bがふくらはぎの後方に位置している。また、足押圧部12のエアバッグ12a、12b、12cのうち第三のエアバッグ12aが足の足裏部の外側(下側)に位置する(
図6参照)と共に、第四のエアバッグ12bが足の足甲部の外側(上側)に、第五のエアバッグ12cが踵の背面側から左右側面に至る部位の外側にそれぞれ位置している(
図5参照)。
【0068】
そして、使用者は、基台部31をその手の届く範囲に配置して、基台部31上部の操作部40に対し操作可能とした上で、この操作部40に対し、マッサージモード等の指示を入力するなど操作を行うと、制御部23が作動制御を開始し、制御部23は空気給排機構としてのポンプ部21及び電磁弁22a、22b、22c、22dに対し制御指令を送出して、これらを作動させ、各エアバッグ11a、11b、12a、12b、12cをそれぞれ膨縮させることとなる。
【0069】
各エアバッグの膨縮にあたっては、あらかじめ複数の膨縮パターンが設定されており、マッサージ実行の際には一又は複数の膨縮パターンに従ってエアバッグを膨縮させ、且つこれを繰り返して、エアバッグによる押圧状態を様々に変化させて所望のマッサージ効果が得られるようにしている。
【0070】
足押圧部12で、例えば、エアバッグ12a、12b、12c全てを一様に膨張させる場合、制御部23は、空気給排機構としてのポンプ部21及び電磁弁22c、22dに対し制御指令を送出して、第三のエアバッグ22及び第五のエアバッグ24と、第四のエアバッグ23の各組に対し、所定時間給気を行い、各エアバッグをそれぞれ膨張させて、足の足裏部分と足甲部分、踵周囲を押圧する。こうして三つのエアバッグ12a、12b、12cを膨張させることで、足全体を一様に締めるように押圧することができる。
【0071】
所定時間経過後、制御部23は、空気給排機構に対し給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、各エアバッグ12a、12b、12cへの給気を停止する一方、排気はまだ行わないようにして、各エアバッグの膨張状態をさらに所定時間保持する。この後、制御部23は、空気給排機構に対し新たな制御指令を送出し、排気状態に移行させて、所定時間にわたる排気で各エアバッグを収縮させて、一連の膨縮過程を終了する。以上の一連の膨縮過程を、必要に応じて複数回繰り返すようにすることもできる。
【0072】
一方、脚押圧部11でも、足押圧部12と同時、又はタイミングをずらして、所定の膨縮パターンに従ってエアバッグを膨縮させることとなる。例えば、足押圧部12の各エアバッグの膨張後、脚押圧部11のエアバッグ11a、11b全てを一様に膨張させる場合について説明する。
【0073】
制御部23は、エアバッグ11a、11bの空気給排機構としてのポンプ部21及び電磁弁22a、22bに対し制御指令を送出して、第一のエアバッグ11aと、第二のエアバッグ11bの両方に対し、給気を行い、各エアバッグをそれぞれ膨張させて、脚のふくらはぎを押圧する。給気は所定時間継続され、その間押圧状態も継続する。
【0074】
こうして二つのエアバッグ11a、11bを膨張させることで、ふくらはぎ全体を締めるように押圧することができる。そして、これにより、ふくらはぎにおいて、牛の乳搾りのように周囲から圧迫し締めて血流を生じさせる(いわゆるミルキング)状態を生じさせることができる。
【0075】
所定時間経過後、制御部23は、空気給排機構に対し給気停止、圧力保持の制御指令を送出して、各エアバッグ11a、11bへの給気を停止する一方、排気はまだ行わないようにして、各エアバッグの膨張状態をさらに所定時間保持する。この後、制御部23は、空気給排機構に対し新たに制御指令を送出し、排気状態に移行させて、所定時間にわたる排気で各エアバッグを収縮させて、一連の膨縮過程を終了する。以上の一連の膨縮過程を、必要に応じて複数回繰り返すようにすることもできる。
上記の例では、足押圧部12と脚押圧部11の各エアバッグのタイミングをずらした押圧により、足から脚に向かい、さらに脚を上昇する向きに血流を生じさせるようなマッサージが行える。
【0076】
あらかじめ設定されたマッサージモードでは、複数の膨縮パターンの中から所定の膨縮パターンが適宜選択されて所定の順序で組み合わされており、こうしたマッサージモードを使用者が選択すると、制御部23がマッサージモードに従ってエアバッグ11a、11b、12a、12b、12cの膨縮を実行するようにしていることで、使用者は特別な操作を要求されることなく、各エアバッグによる効果的な押圧の組み合わせを容易に生じさせることができ、効率的なマッサージを受けることができる。マッサージモードとしては、膨縮パターンの組み合わせをさらに複数回繰り返すようにしてもよい。
【0077】
マッサージ器によるマッサージが終了したら、使用者は機構部20から管25や電源ケーブル24を取り外す一方、脚押圧部11の線ファスナーを係合解除状態とし、脚押圧部11及び足押圧部12の拘束を緩めてから、押圧本体部10から脚及び足70を抜くようにして押圧本体部10を脚及び足70から外す。この脚等から外した押圧本体部10については、脚押圧部11前側部分の線ファスナーを係合させて脚押圧部11の広がりを抑えつつ、そのまま、又は必要に応じ折り畳んで小さくして(
図8参照)、基台部31上に載置可能とする。
【0078】
そして、使用者は、あらかじめ開放状態とした基台部31の凹部31aに、押圧本体部10を入れ、適切に収まったら(
図8、
図9参照)、カバー部32を基台部31に被せて取り付け、緩衝部30として一体化する(
図10参照)。これにより、緩衝部30に押圧本体部10を収納してマッサージ器1全体が一体となった状態が得られる。この緩衝部30のみが最外周に位置して一体となったマッサージ器1は、必要に応じて、そのまま床に置いたり、椅子に載せたり、所定の収納スペースに収納するなど、自由に取り扱うことができる。
【0079】
このように、本実施形態に係るマッサージ器は、マッサージ対象箇所を含む脚や足の所定範囲を取り囲んでエアバッグでのマッサージを可能とする押圧本体部10に対し、エアバッグを作動させる機構部20が、基台部31とカバー部32を有する緩衝部30で周囲を覆われ、外部の空間から隔離可能とされることから、機構部20に人や物が直接当たったり機構部20が床に落下、衝突して、機構部20に衝撃が加わる事態を起こりにくくして、機構部20の故障を防止できると共に、人が機構部20の硬質部分に直接当たるようなこともなく、人の安全も確保できる。また、不使用時の押圧本体部10を基台部31上に載置し、カバー部32を基台部31に取り付けて収納空間35を閉じると、押圧本体部10を収納空間35に収納して、マッサージ器全体を一体化できることから、マッサージ器の準備時や保管等の際に、押圧本体部10や機構部20を個別に取り扱わずに済み、これらを一まとめで移動させられる分、使用者の煩わしさを解消でき、使い勝手を向上させられる。
【0080】
さらに、不使用時の押圧本体部10を収納空間35に収納した状態とすると、マッサージ器全体をコンパクト化することができ、マッサージ器としての保管スペースを抑えられると共に、基台部31とカバー部32からなる外観がマッサージ器とは認識しにくいものとなって、室内にそのまま置かれていても違和感を生じさせないなど、取り扱いの自由度を高められ、使い勝手を向上させられる。
【0081】
なお、前記実施形態に係るマッサージ器において、緩衝部30は上から見て丸形となる円筒状に形成する構成としているが、これに限られるものではなく、上から見て角形となる形状に形成することもできる。また、カバー部32の上面は平面状とされているが、この他、上方に膨出した曲面形状など他の形状に形成してもかまわない。さらに、カバー部32はその上面と側面とを明確に分ける角部を有する形状とされているが、これに代えて、角部を丸く面取りした形状や、そもそも明瞭な角部がなく、側面と上面とを兼ねる曲面状の外面を有する構成とすることもできる。
【0082】
また、前記実施形態に係るマッサージ器においては、基台部31内の機構部20各部に対し、商用電源等と接続される内蔵の電源部により電力供給を行う構成としているが、これに限らず、機構部20に対し所定の電源接続部を介してACアダプタ等の外部電源(図示を省略)を接続して給電を行うようにすることもできる。さらに、基台部又は機構部が、各エアバッグを作動させるポンプ部や電磁弁その他の電源として、電池を内蔵する構成とすることもできる。
【0083】
この場合、電源となる電池が機構部に内蔵されて、外部から給排機構その他を作動させるための電力を導入せずに済むようにしていることから、使用にあたって電源接続部と外部電源とを接続する作業を行わずに済み、使用者の煩わしさを解消できる。また、電源接続部と電源等とを接続するケーブル等の部品を省略でき、使用の際に使用者がこうしたケーブル等による拘束を受けずに済み、取り扱いの自由度を高めて使い勝手を向上させられる。
【0084】
電池としては、活物質が電池内に保持される一般的な乾電池(マンガン電池、アルカリ電池)や二次電池(ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)の他、活物質を補充可能な燃料電池のうち小型のものを用いることもできる。
【0085】
なお、こうして電源として電池を採用するにあたり、基台部又は機構部に内蔵された電池を頻繁に交換する機会が生じる場合には、電池交換のために基台部31や機構部20の一部を開放可能とすると共に、この一部開放に対応して、基台部31に、その一部のみを必要に応じ開口状態とするためのファスナー等の係合手段を設けるようにしてもよい。
【0086】
さらに、機構部20の電源として、充電可能な二次電池を内蔵して用いる場合、電池の充電を行うための電力導入にあたり、基台部31の底部に、充電器に対し接近又は接触させるだけで充電を可能とするワイヤレス充電機構を設け、基台部31を充電器に載置するなどして近付ければ充電が行える構成とすることもでき、充電の際に基台部側の充電用端子部と外部の充電器とを使用者がケーブル等で接続する作業を行わずに済み、使用者の煩わしさを解消して使い勝手のさらなる向上が図れる。
【0087】
また、前記実施形態に係るマッサージ器においては、押圧本体部10における押圧手段として複数のエアバッグを設ける構成としているが、これに限られるものではなく、押圧本体部を装着した使用者のマッサージ対象箇所を押圧可能なものであれば、他の押圧手段、例えば、機構部とケーブルを介して電気的に接続された上で、電力供給により作動してマッサージ対象箇所の押圧を行うものとすることもできる。
【0088】
また、前記実施形態に係るマッサージ器において、押圧本体部10の収納空間35への収納にあたり、基台部31の収納空間35に面する上側部分に凹部31aを設け、この凹部31aに押圧本体部10を挿入する構成としているが、この他、
図12に示すように、基台部31をその中央部の操作部40及び機構部20配設部分を含む所定範囲が上方に突出する形状とし、押圧本体部10を収納にあたって基台部31上に載置する場合には、基台部中央の突出部分31bに対しこれを取り囲むように、押圧本体部10を基台部31上に載置する、すなわち、中央の突出部分31bを位置決めに用いながらこの突出部分31bの周りの基台部上に押圧本体部10を載置可能な構成とすることもでき、突出部分31bを基準として容易に押圧本体部10を所定の位置に偏りなく適切に載置でき、収納までの作業が効率よく行えることに加え、一定の収納状態が得られることで押圧本体部10の取り出しも容易となり、マッサージ前の押圧本体部10の準備作業もスムーズに進められる。この場合、押圧本体部10を
図12のように折り畳む以外に、押圧本体部を伸ばした状態から基台部中央の突出部分31bを取り囲むように湾曲させるのみとして、基台部31上に載置する構成とすることもでき、前記同様に中央の突出部分31bを位置決めに用いて、この突出部分31bの周りの基台部上に押圧本体部を簡易に配置して収納できる。
【0089】
さらに、別の例として、基台部31の収納空間35に面する上側部分を単なる平面状とし、押圧本体部10の収納空間35への収納にあたり、押圧本体部10を基台部31上に載置する際には、基台部31上に押圧本体部10を特に決められた配置等とすることもなく単に載置する構成とすることもでき、基台部構造の簡略化によるコストダウンが図れることとなる。
【0090】
また、前記実施形態に係るマッサージ器においては、基台部31の収納空間35に面する上側部分に設けた凹部31aの下側、すなわち、押圧本体部10を挿入するスペースの下側に、さらに小さな凹部を設け、これに機構部20を挿入して、基台部31に機構部20を隙間無く埋め込んだ状態で配設する構成としているが、この他、
図13に示すように、機構部20より大きな凹部31cを設けて、凹部31cに機構部20を挿入した状態では機構部周囲に隙間が生じるようにする構成とすることもでき、凹部31cに対し機構部20を出し入れする機会が多い場合に、機構部20を凹部31cから容易に取り出すことができる。
【0091】
さらに、基台部31の上部に設けた凹部31aの下側にさらに小さな凹部を設ける構成に代えて、
図14に示すように、基台部31の収納空間35に面する上側部分に唯一の凹部31dを設け、これに押圧本体部10と機構部20を共に収納する構成とすることもでき、基台部構造の簡略化によるコストダウンが図れることとなる。なお、
図14においては、凹部31dに折り畳んだ押圧本体部10を収納する構成を示しているが、押圧本体部を折り畳まず伸ばしたままでも収納可能である場合には、そのまま折り畳まずに収納するようにしてもかまわない。
【0092】
また、前記実施形態に係るマッサージ器において、機構部20は基台部31に埋め込まれて、操作部40のある上面のみ収納空間35側に露出する構成としているが、これに限らず、機構部20の上部を基台部31から上方に突出させる構成とし、押圧本体部10の収納空間35への収納にあたり、押圧本体部10を基台部31上に載置する際には、基台部中央の機構部突出部分に対しこれを取り囲むように押圧本体部10を配置して、基台部上に載置する、すなわち、機構部突出部分を位置決めに用いながらこの機構部突出部分の周りの基台部上に押圧本体部10を載置するようにしてもよく、前記
図12に示す場合と同じように、機構部20の突出部分を基準として容易に押圧本体部10を基台部上の所定の位置に偏りなく適切に載置でき、収納までの作業が効率よく行えることに加え、一定の収納状態が得られることで押圧本体部10の取り出しも容易となり、マッサージ前の押圧本体部10の準備作業もスムーズに進められる。
【0093】
また、前記実施形態に係るマッサージ器において、操作部と一体化した機構部20における操作部40のある上面は、基台部31に覆われず収納空間35側に露出し、基台部31とカバー部32を合わせて緩衝部30とした状態で、はじめて機構部20が緩衝性材質部分で全体を囲まれる構成としているが、この他、操作部と機構部が独立した構造の場合、機構部が基台部31に上面も含めて全て覆われて、基台部31内部に位置する構成とすることもでき、押圧本体部の使用時で、緩衝部のカバー部が基台部に対し収納空間を開放した状態となっている場合でも、機構部の周囲に緩衝性のある材質からなる基台部各部が存在していることにより、押圧本体部駆動のために機構部を作動させる際に、騒音や振動が発生したとしても、それらが外部に伝わりにくく、こうした騒音等の悪影響を周囲に与えない状態を確保できる。
【0094】
また、前記実施形態に係るマッサージ器において、緩衝部30のカバー部32は基台部31から全て取り外して基台部31から分離可能な構成としているが、これに限られるものではなく、基台部31に対し収納空間35を開閉可能とするものであれば、カバー部が収納空間を開放状態とした場合でも、カバー部が基台部31から完全には分離しない構成、例えば、カバー部が基台部上側からは外れるものの、所定の連結部材を介して基台部との連結を維持して、基台部近傍に位置するものや、カバー部が収納空間を閉じて基台部上側を覆う状態から開放状態に至る際に、面ファスナー等の係合手段の係合を解くことで押圧本体部10の出入り可能な所定の開口を生じさせるのみで、係合を解かれて分かれたカバー部の各部は基台部上側にそのまま位置し続けるもの、としてもかまわない。
【0095】
さらに、前記実施形態に係るマッサージ器において、使用者の操作を受け付ける操作部40は、機構部20と一体化して基台部31の上部中央に配設され、カバー部32を基台部31から取り外した状態で外部に露出して、そのまま操作可能とされる構成としているが、この他、操作部を、機構部20とケーブルで接続しつつ、各押圧本体部10及び機構部20とは独立させて配設する構成とすることもでき、使用者は操作部を手で支持しつつ手元での操作が行える。この場合、マッサージ器を使用しない時は、操作部は各押圧本体部10と共に緩衝部30の収納空間に収納され、マッサージ器全体が一体化した状態とされる。
【0096】
こうして、機構部20から独立して設けられた操作部でも、不使用時には押圧本体部10と共に収納空間に位置させて、操作部も装置他部と同様に一体とした取り扱いが可能であり、装置の準備時や実際の使用時に、操作部を装置他部とは別に取り扱わずに済み、これらを一括して取り扱える分、使用者に煩わしさを感じさせない。
【0097】
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係るマッサージ器において、押圧本体部10は脚押圧部11と足押圧部12を有して、脚の膝から下部分と足の所定部位をマッサージ対象箇所としてマッサージを行う構成としているが、これに限らず、
図15及び
図16に示すように、押圧本体部10の一部として、脚押圧部11の上側に配設され、脚の大腿部に装着される大腿部押圧部13を有して、脚の大腿部についてもマッサージを行える構成とすることもできる。
【0098】
この場合、大腿部押圧部13は、大腿部への装着により、大腿部の外周で連続する筒状形態とされ、筒状形態で内側となる部位に配設されたエアバッグ13aを大腿部の外側近傍に位置させ、大腿部70のマッサージ対象箇所を押圧可能とする。そして、前記第1の実施形態同様、使用者の操作に基づいて、制御部23が機構部20のポンプ部21や各電磁弁の作動を制御することで、大腿部押圧部13のエアバッグ13aも膨縮することとなる。
【0099】
例えば、足押圧部12と脚押圧部11の各エアバッグを順次膨張させた後、大腿部押圧部13のエアバッグ13aを膨張させるようにすれば、足押圧部12と脚押圧部11の各エアバッグのタイミングをずらした押圧に伴う、足から脚に向かい、さらに脚を上昇する向きに血流を生じさせるようなマッサージに追加して、大腿部押圧部13のエアバッグ13aの膨張で周囲から大腿部背面側全体を締めるように押圧することができ、大腿部背面側において脚付け根側に向かう血流を生じさせられ、脚を上昇する向きの血流が生じるマッサージをより効率よく実行できる。
【0100】
なお、前記第1及び第2の各実施形態に係るマッサージ器において、押圧本体部10は、脚押圧部11と足押圧部12を有して、脚の膝から下部分と足の所定部位をマッサージ対象箇所としてマッサージを行える構成としているが、この他、押圧本体部が、脚の膝下部分から足首にかけての部位を覆う略筒形状とされて足押圧部を有さず、ふくらはぎなど、脚の膝から下部分のマッサージ対象箇所のみにマッサージを行う構成としてもかまわない。
【0101】
この場合、押圧本体部をコンパクト化できることから、これを緩衝部30の収納空間35へ収納するにあたっては、押圧本体部を折り畳むことなく基台部31上に載置して収納可能としてもよく、押圧本体部の収納作業に加え、使用する際の押圧本体部の取り出しや脚への装着もより容易且つ速やかに行えることとなり、マッサージ器をさらに使いやすいものとすることができる。