(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6242521
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】投資促進システム、投資促進システムによって実行される方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20171127BHJP
G06Q 20/26 20120101ALI20171127BHJP
【FI】
G06Q40/06
G06Q20/26
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-50400(P2017-50400)
(22)【出願日】2017年3月15日
【審査請求日】2017年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道幸 貴史
(72)【発明者】
【氏名】信川 享介
(72)【発明者】
【氏名】関田 和孝
【審査官】
田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−45366(JP,A)
【文献】
特開2002−259681(JP,A)
【文献】
特開2002−117218(JP,A)
【文献】
特開2001−306798(JP,A)
【文献】
特開2005−182560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融商品の売買を行うためのアプリケーションを制御する投資促進システムであって、
前記投資促進システムは、第1の金融機関によって制御される第1の銀行システムおよび第2の金融機関によって制御される第2の銀行システムと通信可能なように接続され、
前記投資促進システムは、前記第2の金融機関によって制御され、
金融商品の販売元を加盟店に設定するとともに、前記金融商品の販売元に関連付けられる、前記第2の銀行システム内の口座を加盟店口座に設定する手段と、
前記金融商品の取引の際、決済手段として使用されるデビットカードのデビットカード番号を顧客端末から受信したことに応答して、デビットカード決済情報を生成する手段であって、前記デビットカード決済情報は、前記デビットカード番号、加盟店識別情報、決済金額を含み、前記加盟店識別情報は、前記金融商品の販売元を示す、手段と、
生成された前記デビットカード決済情報を前記第1の銀行システムに送信する手段と、
前記第1の銀行システムから前記デビットカード決済情報の承認通知を受信したことに応答して、前記金融商品の取引についての売上情報を前記第1の銀行システムに送信する手段と
を備えた投資促進システム。
【請求項2】
前記第1の銀行システムとは異なる外部サーバから、前記デビットカードの利用明細情報を取得する手段であって、前記デビットカードの利用明細情報は、前記デビットカードの保有者が前記外部サーバに前記第1の銀行システム内の自身の預金口座の情報を登録したことに応答して、前記第1の銀行システムから前記外部サーバに送信された情報である、手段をさらに備えた、請求項1の投資促進システム。
【請求項3】
前記デビットカードの利用明細情報を取得する手段は、前記第2の銀行システムから前記デビットカードの利用明細情報をさらに取得するように構成され、
前記投資促進システムは、前記外部サーバから取得された前記デビットカードの利用明細情報と、前記第2の銀行システムから取得された前記デビットカードの利用明細情報とを統合して表示するように構成される、
請求項2の投資促進システム。
【請求項4】
前記外部サーバは、家計簿アプリケーションを提供するサーバである、請求項2の投資促進システム。
【請求項5】
前記第1の銀行システムは、受信した前記デビットカード決済情報に含まれる前記デビットカード番号に基づいて顧客口座を特定し、前記デビットカード決済情報に含まれる決済金額が前記顧客口座の残高の範囲内であるかどうかを判定し、前記決済金額が前記顧客口座の残高の範囲内である場合、前記決済金額を前記顧客口座から出金するように構成され、
出金された前記決済金額に相当する金額は、前記第1の銀行システムが前記売上情報を受信したことに応答して、前記第2の銀行システム内の加盟店口座に対して振り込まれる、
請求項1の投資促進システム。
【請求項6】
金融商品の売買を行うためのアプリケーションを制御する投資促進システムによって実行される方法であって、
前記投資促進システムは、第1の金融機関によって制御される第1の銀行システムおよび第2の金融機関によって制御される第2の銀行システムと通信可能なように接続され、
前記投資促進システムは、前記第2の金融機関によって制御され、
前記方法は、
金融商品の販売元を加盟店に設定するとともに、前記金融商品の販売元に関連付けられる、前記第2の銀行システム内の口座を加盟店口座に設定することと、
前記金融商品の取引の際、決済手段として使用されるデビットカードのデビットカード番号を顧客端末から受信したことに応答して、デビットカード決済情報を生成することであって、前記デビットカード決済情報は、前記デビットカード番号、加盟店識別情報、決済金額を含み、前記加盟店識別情報は、前記金融商品の販売元を示す、ことと、
生成された前記デビットカード決済情報を前記第1の銀行システムに送信することと、
前記第1の銀行システムから前記デビットカード決済情報の承認通知を受信したことに応答して、前記金融商品の取引についての売上情報を前記第1の銀行システムに送信することと
を備える方法。
【請求項7】
前記第1の銀行システムとは異なる外部サーバから、前記デビットカードの利用明細情報を取得することであって、前記デビットカードの利用明細情報は、前記デビットカードの保有者が前記外部サーバに前記第1の銀行システム内の自身の預金口座の情報を登録したことに応答して、前記第1の銀行システムから前記外部サーバに送信された情報である、ことをさらに備える、請求項6の方法。
【請求項8】
前記デビットカードの利用明細情報を取得することは、前記第2の銀行システムから前記デビットカードの利用明細情報をさらに取得することを備え、
前記外部サーバから取得された前記デビットカードの利用明細情報と、前記第2の銀行システムから取得された前記デビットカードの利用明細情報とを統合して表示することをさらに備える、
請求項7の方法。
【請求項9】
前記外部サーバは、家計簿アプリケーションを提供するサーバである、請求項7の方法。
【請求項10】
前記第1の銀行システムは、受信した前記デビットカード決済情報に含まれる前記デビットカード番号に基づいて顧客口座を特定し、前記デビットカード決済情報に含まれる決済金額が前記顧客口座の残高の範囲内であるかどうかを判定し、前記決済金額が前記顧客口座の残高の範囲内である場合、前記決済金額を前記顧客口座から出金するように構成され、
出金された前記決済金額に相当する金額は、前記第1の銀行システムが前記売上情報を受信したことに応答して、前記第2の銀行システム内の加盟店口座に対して振り込まれる、
請求項6の方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デビットカードを決済手段として用いる投資促進システム、投資促進システムによって実行される方法およびプログラムに関する。より詳細に言えば、本発明は、デビットカードに関連付けられた預金口座を投資用口座とすることにより、従来のMRF口座に入金することなく、金融商品に対する投資を促進することが可能な投資促進システム、投資促進システムによって実行される方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オンライン上で金融商品を購入できるサービスが金融機関によって提供されている。このようなサービスは、金融機関のホームページを介してアクセスすることができ、あるいは、金融機関が提供する、スマートフォンやタブレット型端末で利用可能なアプリケーションを介してアクセスすることができる。顧客は、そのサービスにアクセスすることにより、1または複数の金融商品を購入することができる。このようなサービスでは、顧客は、金融機関に投資用の口座(MRF口座)を開設し、その口座に資金を入金しておくことにより、金融商品の購入をすることができる。
【0003】
このようなサービス以外にも、商品等をオンライン上で購入することができる電子商取引のサービスも広まっている。電子商取引の分野では、決済手段として従来からクレジットカード決済が利用されてきたが、近年、クレジットカード決済以外にも、デビットカード決済やプリペイドカード決済が利用できるようになってきている。例えば、インターネット上でサイトを開設している書店で商品等を購入する場合、顧客は、クレジットカード決済、デビットカード決済およびプリペイドカード決済の中から所望の決済手段を選択して商品購入をすることができることが知られている。
【0004】
図8は、これらの決済手段のうちのデビットカード決済における処理の流れを説明する図である。デビットカード会員10が加盟店12において商品購入などの取引を行う際にデビットカードを利用すると、代金がデビットカード会員10の預金口座11の残高の範囲内であれば、預金口座11から即時に代金の引き落としが行われ、引き落とされた金額が加盟店12への支払いに充てられる。デビットカードは、イシュアー14によって発行され、カード発行時に特定の預金口座11と関連付けられる。預金口座11は、イシュアー14の銀行口座である。デビットカードの取引時に決済用の預金口座11が必要なため、イシュアー14は、銀行あるいは銀行と共同発行者となり得る金融機関(例えば、クレジットカード会社)となることが多い。
【0005】
図8を参照しながらデビットカード決済の取引の流れを説明する。デビットカード会員10が加盟店12との取引においてデビットカードを利用してカード決済を行うと、加盟店12は、アクワイアラー13を通じてイシュアー14に対してオーソリゼーション(「オーソリ」ともいう)の要求を送信する。イシュアー14は、オーソリゼーションの要求を受信すると、デビットカード会員10の預金口座11にカード決済を行うのに十分な残高があるかどうかを確認し、当該取引を認めるかどうか(承認/不承認)を即座に応答する。イシュアー14により承認されると、預金口座11から代金が引き落とされ、加盟店12はデビットカード会員10との取引(例えば、実際の商品の受け渡し)を行う。その後、加盟店12は、当該取引の売上情報を、アクワイアラー13を通じてイシュアー14に送信する(売上提示)。イシュアー14は、売上提示がなされた取引について、その代金をアクワイアラー13に支払い、アクワイアラー13は、加盟店12にその代金を支払う。
【0006】
当業者には周知なように、「イシュアー」は、カード会員にカードを貸与し、カード会員のカードによる支払に対応する、銀行やクレジットカード会社等の金融機関である。イシュアーは、アクワイアラーに対して販売代金を支払う責任があり、デビットカードの場合には、カード会員の口座から引き落とし(出金)を行う。「アクワイアラー」は、加盟店契約を締結した加盟店でのカードによる商品・サービスの販売をサポートし、加盟店に対してカードによる販売代金を支払う責任がある。代金については、カード決済の売上処理(売上提示)が行われれば、イシュアーから支払われるので、アクワイアラーは、支払われた金額を加盟店に対する支払に充当することができる。なお、イシュアーとアクワイアラーは、同一の金融機関であってもよい。「加盟店」は、商品・サービスの販売にカード払いを受け入れる店舗やECサイトなどの販売者であり、アクワイアラーとの契約(加盟店契約)に基づき、カード決済を行うことができる。加盟店の店頭には、イシュアーやアクワイアラーと通信可能な端末が設置されており、ECサイトを運営する加盟店は、イシュアーやアクワイアラーと通信する機能をECサイトに実装している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−026456号公報(特許第5823356号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来は、金融商品を購入して投資を行おうとする場合、金融機関に投資用口座(MRF口座)を開設した上で、銀行口座等から出金し、その投資用口座に資金を入金しておかなければならず、個人投資家にとっては手間がかかることから、投資を行う上での障壁になっていた。一部では、同一の金融持ち株会社傘下の銀行と証券会社の間で互いの口座間の資金移動を行うサービス(特許文献1)が存在していたものの、任意の銀行口座で利用可能なわけではなく、限定的なサービスであった。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、デビットカードに関連付けられた預金口座を投資用口座とすることにより、従来のMRF口座に入金することなく、金融商品に対する投資を促進することが可能な投資促進システム、投資促進システムによって実行される方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様である、金融商品の売買を行うためのアプリケーションを制御する投資促進システムは、第1の金融機関によって制御される第1の銀行システムおよび第2の金融機関によって制御される第2の銀行システムと通信可能なように接続され、前記投資促進システムは、前記第2の金融機関によって制御され、金融商品の販売元を加盟店に設定するとともに、前記金融商品の販売元に関連付けられる、前記第2の銀行システム内の口座を加盟店口座に設定する手段と、前記金融商品の取引の際、決済手段として使用されるデビットカードのデビットカード番号を顧客端末から受信したことに応答して、デビットカード決済情報を生成する手段であって、前記デビットカード決済情報は、前記デビットカード番号、加盟店識別情報、決済金額を含み、前記加盟店識別情報は、前記金融商品の販売元を示す、手段と、生成された前記デビットカード決済情報を前記第1の銀行システムに送信する手段と、前記第1の銀行システムから前記デビットカード決済情報の承認通知を受信したことに応答して、前記金融商品の取引についての売上情報を前記第1の銀行システムに送信する手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の別の一態様である、金融商品の売買を行うためのアプリケーションを制御する投資促進システムによって実行される方法は、前記投資促進システムが、第1の金融機関によって制御される第1の銀行システムおよび第2の金融機関によって制御される第2の銀行システムと通信可能なように接続され、かつ前記第2の金融機関によって制御されており、前記方法は、金融商品の販売元を加盟店に設定するとともに、前記金融商品の販売元に関連付けられる、前記第2の銀行システム内の口座を加盟店口座に設定することと、前記金融商品の取引の際、決済手段として使用されるデビットカードのデビットカード番号を顧客端末から受信したことに応答して、デビットカード決済情報を生成することであって、前記デビットカード決済情報は、前記デビットカード番号、加盟店識別情報、決済金額を含み、前記加盟店識別情報は、前記金融商品の販売元を示す、ことと、生成された前記デビットカード決済情報を前記第1の銀行システムに送信することと、前記第1の銀行システムから前記デビットカード決済情報の承認通知を受信したことに応答して、前記金融商品の取引についての売上情報を前記第1の銀行システムに送信することを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、デビットカードに関連付けられた預金口座を投資用口座とすることができるので、MRF口座に対する入金を行うことなく、様々な種類の金融商品を購入することが可能になる。また、本発明によれば、投資アプリ上で様々な金融機関のデビットカードの利用明細の情報を統合して参照可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る投資促進システムを含むシステム全体の構成図である。
【
図2】本発明に係る投資促進システムのシステム構成図である。
【
図3】本発明に係る投資アプリの利用者である顧客の情報を格納するマスタテーブルである。
【
図4】アクワイアラーから受信した加盟店情報を格納するマスタテーブルである。
【
図5】投資アプリ上で金融機関によって提供、販売される金融商品のマスタテーブルである。
【
図6】本発明に係る投資促進システムが関与する処理フローを説明する。
【
図7】顧客端末上で金融商品のリストを表示する商品選択画面および購入注文画面の一例である。
【
図8】デビットカード決済における処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(全体構成)
図1は、本発明に係る投資促進システム100を含むシステム全体の構成図である。本明細書では、投資促進システム100は、説明の便宜上、金融商品を販売する金融機関3(例示として、
図1では点線で囲んだ)によって制御されるシステムとして説明するが、本発明は、この実施形態に限定されることはない。例えば、金融商品を販売する複数の金融機関と取引する独立系企業によって制御されるシステムであってもよいことを理解されたい。このような独立系企業は、様々な金融機関が提供する金融商品を提供することができるので、顧客にとって様々な金融商品を提供することができる。
【0015】
投資促進システム100は、顧客端末110とネットワークを介して接続される。顧客端末110は、デビットカード120を所有する顧客1によって利用されるデバイスであり、投資促進システム100から投資アプリなどのアプリケーションをダウンロードして利用することができる、タブレット型端末、スマートフォンあるいは有線または無線環境において動作可能な他の任意のタイプのデバイスである。顧客1は、ダウンロードした投資アプリを利用して、投資信託や国債などの金融商品を購入することができ、その代金を、デビットカード120を利用して支払うことができる。投資促進システム100と顧客端末110の間のネットワークは、LAN(有線、無線)やインターネットなどの周知のネットワークであってよい。
【0016】
デビットカード120は、イシュアーである金融機関2によって発行されたデビットカードである。デビットカード120は、その発行時に、どの金融機関の預金口座から代金の引き落とし(すなわち、出金)を行うのかを予め指定しておくことができる。本明細書では、顧客1が金融機関2に保有している顧客口座131をデビットカード120の出金元口座として指定することとする。なお、デビットカード120のイシュアーは、銀行であることが多いが、銀行と共同発行者となり得るクレジットカード会社などの他の金融機関であってもよい。
【0017】
投資促進システム100は、第1の銀行システム130および第2の銀行システム140とネットワークを介してそれぞれ接続されている。このネットワークは、専用線やインターネットなどの周知のネットワークであってよい。金融機関2は、第1の銀行システム130を制御し、金融機関3は、第2の銀行システム140を制御することができる。
【0018】
第1の銀行システム130は、金融機関2と取引のある預金者の口座(例えば、顧客1の預金口座である顧客口座131)を有する。第1の銀行システム130は、デビットカード決済が行われた際に、その決済額が、デビットカード120の所有者である顧客1の顧客口座131の残高の範囲内であるかどうかを判定し、決済額が残高の範囲内である場合には、その決済額を顧客口座131から出金する。出金された金額は、アクワイアラーを介して、デビットカード決済の相手方である加盟店の加盟店口座141に振り込まれることとなる。アクワイアラーは、加盟店と加盟店契約を締結しているので、デビットカード決済がある加盟店と顧客1の間で行われる場合には、アクワイアラーは自動的に選択される。
【0019】
第2の銀行システム140は、金融機関3と取引のある預金者の口座(例えば、金融商品の販売者である加盟店の加盟店口座141)を有する。本明細書では、金融機関3が投資アプリ上で金融商品を提供および販売しているので、金融機関3を加盟店として説明する。第2の銀行システム140は、デビットカード決済が行われた際に、加盟店(金融機関3)と顧客1の間で行われた売買(例えば、投資信託や国債などの金融商品の売買)の代金を第1の銀行システムからアクワイアラーを介して受け取り、加盟店口座141に入金することができる。
【0020】
本明細書では、説明の便宜上、顧客1、顧客端末110およびデビットカード120を一つしか
図1に示していないが、投資促進システム100を利用する顧客は複数存在することが可能であり、そのため、顧客端末110やデビットカード120も複数存在し得る。また、デビットカードのイシュアーである金融機関2および加盟店である金融機関3も複数存在することができる。
【0021】
(システム構成)
図2は、本発明に係る投資促進システム100のシステム構成図である。
図2に示すように、投資促進システム100は、一般的なコンピュータと同様に、バス210などによって相互に接続された制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、インターフェース(IF)部204および出力部205を備えることができる。また、投資促進システム100は、顧客マスタ206、加盟店マスタ207、金融商品マスタ208、および顧客資産DB209を備えることができる。
【0022】
制御部201は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、投資促進システム100内の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部203に格納されている各種プログラムを主記憶部202に読み出して実行することができる。主記憶部202は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶することができる。補助記憶部203は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0023】
図2の実施形態では、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を同一のサーバコンピュータ内に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、システム100は、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を複数個使用することにより、複数のサーバコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成されることもできる。また、他の実施形態として、投資促進システム100用の複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部203を共有する実施形態にすることも可能である。
【0024】
IF部204は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供することができる。出力部205は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供することができる。
【0025】
本発明の一実施形態では、金融機関3は、関係の深い(例えば、金融持ち株会社傘下の、あるいは資本関係のある)銀行、証券会社、クレジットカード会社と連携して、各会社から受信した情報(例えば、顧客の銀行口座の入出金明細、顧客の証券口座の保有資産、取引履歴、カードの使用履歴、などの情報)をまとめて、投資アプリを通じて顧客に提供することができる。また、本発明の一実施形態では、投資促進システム100は、デビットカードの利用明細を取得することができる周知の家計簿アプリから、IF部204を介して、金融機関3とは異なる金融機関がイシュアーとなっているデビットカードのデビットカード番号およびカード利用明細を取得することもできる。家計簿は、日常生活で使用されるお金を管理するために記録されることが多いが、従来の紙ベースの家計簿の代替手段として、近年、家計簿アプリが広まってきている。デビットカードは、家計簿アプリと連携することができ、デビットカードに関連付けられる銀行口座を管理する銀行システムは、家計簿アプリを提供するシステムとデータ通信を行い、デビットカードの使用履歴を家計簿アプリで参照できるようにすることが行われている。本発明では、このような家計簿アプリと連携することにより、金融機関3とは異なる金融機関2がイシュアーとなった場合や、複数のデビットカードが利用される場合であっても、投資アプリ上で、デビットカードの利用明細を把握することが可能なように構成され得る。
【0026】
顧客マスタ206は、本発明に係る投資アプリの利用者である顧客の情報を格納するマスタテーブルである。
図3には、本発明に係る顧客マスタ206の一例が示されている。顧客マスタ206は、ユーザID301、パスワード(PW)302、ユーザ名303、属性情報304、および金融機関連携情報305を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることなく、他のデータ項目も含むように構成されることが可能である。
【0027】
ユーザID301は、投資アプリを使用するための利用者IDであり、パスワード302は、投資アプリを利用するためのパスワードであり、ユーザ名303は、ユーザID301に対応するユーザ名である。属性情報304は、住所、連絡先電話番号、メールアドレス、生年月日、年齢、性別などの顧客の属性情報である。金融機関連携情報305は、顧客1と取引のある銀行、証券会社、クレジットカード会社から、各種情報(顧客の銀行口座の入出金明細、顧客の証券口座の保有資産、取引履歴、カードの使用履歴、などの情報)を受信するために登録しておく、他の金融機関と情報連携するための情報である。
【0028】
図2に戻って説明すると、加盟店マスタ207は、アクワイアラーから受信した加盟店情報を格納するマスタテーブルである。
図4には、加盟店マスタ207の一例が示されている。加盟店マスタ207は、加盟店ID401、加盟店名称402、および加盟店口座403を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることなく、他のデータ項目も含むように構成されることが可能である。
【0029】
金融商品を投資アプリ上で販売することを希望する金融機関は、アクワイアラーと加盟店契約を締結する。アクワイアラーは、加盟店契約した金融機関の情報を投資促進システム100に送信し、投資促進システム100は、加盟店マスタ207に当該金融機関を加盟店として登録し、登録された口座は加盟店口座403となる。デビットカード120のカード番号の一部の値(例えば、先頭の6桁)は、イシュアーである金融機関を識別する番号であるので、この加盟店登録後は、投資促進システム100が提供する投資アプリ上でデビットカード決済が行われた場合に情報のやり取りが行われるアクワイアラーとイシュアーが特定されることとなる。
【0030】
図2に戻って説明すると、金融商品マスタ208は、投資アプリ上で金融機関3によって提供、販売される金融商品のマスタテーブルである。金融商品の情報は、金融機関3から提供される。
図5には、本発明に係る金融商品マスタ208の一例が示されている。金融商品マスタ208は、金融商品ID501、金融商品名502、説明503および加盟店ID401を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることなく、他のデータ項目も含むように構成されることが可能である。
【0031】
金融商品ID501は、金融機関3によって提供、販売される金融商品を識別する識別子であり、金融商品名502は、金融商品ID501に対応する金融商品の名前を示す。説明503は、金融商品の説明を含むことができる。加盟店ID401は、当該金融商品を提供、販売する加盟店としての金融機関を識別する識別子である。この加盟店ID401の存在により、複数の金融機関が扱う金融商品を提供することが可能となる。
【0032】
再び、
図2に戻って説明すると、顧客資産209は、顧客1が金融機関3および金融機関3と連携している他の金融機関(例えば、金融持ち株会社傘下の金融機関)に開設している口座で保有している金融資産の情報を格納することができる。顧客資産209は、予め定められたタイミングで情報がアップデートされ得る。保有している金融資産は、投資信託、国債、株式、債券など一般的なものであってよい。
【0033】
(処理フロー)
図6を参照しながら、本発明に係る投資促進システム100が関与する処理フローを説明する。本処理フローの前提として、顧客端末110は、投資促進システム100から予めダウンロードした投資アプリをインストール済みであり、顧客1は、投資アプリにログインして投資促進システム100にアクセス可能になっているものとする。金融機関3は、アクワイアラーと加盟店契約を締結しており、加盟店マスタ207に金融機関3の情報が登録されているものとする。また、金融商品の売買には金融機関2によって発行されたデビットカード120が利用され、金融機関2の第1の銀行システム130は、顧客1の顧客口座131を有しているものとする。
【0034】
S601にて、投資促進システム100は、金融商品マスタ208から金融商品を読み出して、投資アプリを通じてアクセスしている顧客端末110に対して売買可能な金融商品のリストを提供する。投資アプリの画面の一例を
図7(a)および(b)に示す。
図7(a)は、顧客端末110上で金融商品のリストを表示する商品選択画面の一例である。
図7(a)に例示されているように、リストには、金融商品名、基準価額、目論見書の閲覧状況および取扱上の説明などが表示されるが、これらの項目に限定されることなく、顧客1に対して有用な他の情報が含まれるように構成されていてもよい。
【0035】
顧客1によって顧客端末110を介して、当該リストから所望の金融商品が選択されたことに応答して、投資促進システム100は、金融商品マスタ208から金融商品を読み出して、
図7(b)に例示するような購入注文画面を、投資アプリを介して顧客端末110に提供する。
図7(b)に例示されているように、顧客1によって選択された金融商品についての詳細情報が顧客端末110のディスプレイに表示されているので、顧客1はその内容を確認の上、決済手段入力欄701において、決済手段と、決済手段としてカードが選択された場合には、カード番号を入力する。本明細書で説明する例では、決済手段入力欄701にて「デビットカード」が決済手段として選択され、当該デビットカード120のカード番号が入力される。
【0036】
S602にて、投資促進システム100は、
図7(b)の画面で注文ボタンが押下されたことに応答して、デビットカード番号、加盟店ID、日時、および決済金額などの決済情報(オーソリ)を、アクワイアラーを経由して、デビットカード120のイシュアーである金融機関2の第1の銀行システム130に対して送信する。上述したように、個々の金融商品はその販売元である加盟店が特定されているので、送信先となるアクワイアラーが特定される。また、デビットカード120は、その発行時にどの銀行口座から代金を引き落とすかを指定されており、デビットカード120のカード番号の一部の値(例えば、先頭の6桁)は、イシュアーである金融機関を識別する番号である。そのため、投資促進システム100は、決済情報(オーソリ)を、アクワイアラーを経由して、イシュアーである金融機関に対して送信することができる。なお、イシュアーとアクワイアラーが同一の金融機関である場合には、決済情報は、イシュアー兼アクワイアラーである金融機関に対して直接送信される。
【0037】
S603にて、第1の銀行システム130は、受信した決済情報に含まれるデビットカード番号に基づいて、顧客1の預金口座である顧客口座131を特定し、決済金額が顧客口座131の残高の範囲内であるかどうかを判定する。第1の銀行システム130は、決済金額が顧客口座131の残高の範囲内であれば、決済金額に相当する金額を顧客口座131から出金するとともに承認通知を投資促進システム100に対して送信する。一方、残高の範囲外である場合には、投資促進システム100に対して決済不可(不承認)の通知を行う。承認通知が送信された場合、投資アプリ上で売買成立の旨が表示され、その後、
図8を参照して説明したように、加盟店からアクワイアラーを通じてイシュアーに対して売上提示が行われることとなる。
【0038】
S604にて、第1の銀行システム130は、売上提示を受信した後、出金額を、アクワイアラーの口座に対して振り込み、アクワイアラーは、その金額を、加盟店口座141に対して振り込む。イシュアーとアクワイアラーが同一の金融機関である場合には、第1の銀行システム130は、出金額を、加盟店口座141に対して振り込む。第2の銀行システム140は、受信した振込情報に基づいて、予め定められたタイミングで、加盟店口座141に対して入金処理を行う。
【0039】
S605にて、投資促進システム100は、提携している家計簿アプリを運営するサーバに対して、デビットカード決済を行ったデビットカード番号に基づいて、情報取得要求を送信することによって、デビットカードの利用明細情報を取得することができる。金融機関3がデビットカードのイシュアーである場合には、第2の銀行システム140内に顧客1が利用したデビットカード決済の明細情報が蓄積されているが、金融機関3とは異なる他の金融機関2がデビットカードのイシュアーである場合には、第1の銀行システム130から直接、デビットカードの利用明細情報を取得することができない場合がある。かかる場合、顧客1がデビットカード120を家計簿アプリに登録し、家計簿アプリに顧客口座131の情報を提供している場合には、投資促進システム100は、家計簿アプリが第1の銀行システム130から取得した顧客口座131のデビットカード利用明細情報を取得することができる。取得された利用明細情報は、投資促進システム100内に格納されてもよいし、あるいは、顧客端末110からの要求に応じて家計簿アプリ運営サーバからその都度取得されてもよい。取得されたデビットカードの利用明細情報は、投資アプリ上で、顧客1の他の口座情報(例えば、金融機関3の第2の銀行システム内にある顧客口座の情報)等と合わせて表示されることが可能である。すなわち、投資促進システム100は、顧客1が金融機関2、3と取引がある場合、それぞれの金融機関に存在する顧客口座の明細情報を統合して、顧客端末110に提供することができる。
【0040】
以上説明した実施形態によれば、顧客1は、金融機関3に開設した投資用口座(MRF口座)にその都度入金することなく、自身が保有するデビットカードを決済手段として利用することにより、デビットカードに関連付けられる預金口座をあたかも投資用口座として使用して、金融商品を購入することができるようになる。デビットカードのイシュアーは、任意の金融機関であってよく、特に限定されることはない。また、投資アプリ上でデビットカードの利用明細の情報を参照可能となる。
【0041】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 顧客
2、3 金融機関
100 投資促進システム
110 顧客端末
120 デビットカード
130 第1の銀行システム
131 顧客口座
140 第2の銀行システム
141 加盟店口座
201 制御部
202 主記憶部
203 補助記憶部
204 インターフェース(IF)部
205 出力部
206顧客マスタ
207 加盟店マスタ
208 金融商品マスタ
209 顧客資産
【要約】
【課題】デビットカードに関連付けられた預金口座を投資用口座とすることにより、金融商品に対する投資を促進する。
【解決手段】第1の金融機関によって制御される第1の銀行システムおよび第2の金融機関によって制御される第2の銀行システムと通信可能なように接続され、かつ第2の金融機関によって制御される、金融商品の売買を行うためのアプリケーションを制御する投資促進システムは、金融商品の販売元を加盟店に設定するとともに、金融商品の販売元に関連付けられる、第2の銀行システム内の口座を加盟店口座に設定する手段と、デビットカード番号、金融商品の販売元を示す加盟店識別情報、および決済金額を含むデビットカード決済情報を生成する手段と、生成されたデビットカード決済情報を第1の銀行システムに送信する手段と、第1の銀行システムからデビットカード決済情報の承認通知を受信した後、金融商品の取引に対する売上情報を第1の銀行システムに送信する手段を備える。
【選択図】
図1