(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
弾性材料から形成されるとともに、前記凹セグメントの中のいずれか1つ又はいずれか複数のそれぞれにおいて、前記中間延設部に外周側から当接する状態で前記溝と係合するライナー部材をさらに具備する、請求項1の振動伝達部材。
前記均一セグメントの前記長手方向に垂直な前記断面積は、前記複数の凹セグメントのそれぞれにおける前記基端側延設部及び前記先端側延設部のそれぞれでの前記長手方向に垂直な前記断面積と、同一である、請求項1の振動伝達部材。
前記複数の凹セグメントの中で前記中間延設部の前記長手方向についての前記寸法が最も大きい凹セグメントには、前記均一セグメント、又は、前記複数の凹セグメントの中で前記中間延設部の前記長手方向についての前記寸法が最も小さい凹セグメントが、前記長手方向について少なくとも一方側に連続する、請求項1の振動伝達部材。
前記複数の凹セグメントの中で前記中間延設部の前記断面積が最も小さい凹セグメントには、前記均一セグメント、又は、前記複数の凹セグメントの中で前記中間延設部の前記断面積が最も大きい凹セグメントが、前記長手方向について少なくとも一方側に連続する、請求項1の振動伝達部材。
前記ハウジングに前記先端側から取付けられるとともに、前記振動伝達部材が挿通されるシャフト部であって、前記シャフト部の内部を通って前記振動伝達部材が延設されるシャフト部をさらに具備する、請求項6の超音波処置具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、
図1乃至
図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態の処置システム1を示す図である。
図1に示すように、処置システム1は、超音波処置具2と、トランスデューサユニット3と、エネルギー制御装置5と、を備える。超音波処置具2は、長手軸Cを有する。ここで、長手軸Cに沿う方向を長手方向(矢印C1及び矢印C2で示す方向)とする。そして、長手方向の一方側が先端側(矢印C1側)であり、先端側とは反対側が基端側(矢印C2側)である。
【0010】
超音波処置具2は、保持可能なハウジング6と、ハウジング6に先端側から連結されるシャフト部7と、シャフト部7の先端部に設けられるエンドエフェクタ8と、を備える。ハウジング6は、長手軸Cに対して交差する方向に沿って延設されるグリップ(固定ハンドル)11を備える。また、ハウジング6には、ハンドル(可動ハンドル)12が回動可能に取付けられている。ハンドル12がハウジング6に対して回動することにより、ハンドル12がグリップ11に対して開く又は閉じる。
【0011】
シャフト部7は、外装を形成する筒状のシース13と、シース13の内部に延設される可動部15と、を備える。シース13及び可動部15のそれぞれは、長手軸C(長手方向)に沿って延設され、例えば、シース13の中心軸は、長手軸Cと略同軸となる。ハウジング6の内部では、ハンドル12が可動部15の基端部に連結されている。ハンドル12がグリップ11に対して開く又は閉じることにより、可動部15は、ハウジング6及びシース13に対して長手方向について(長手軸Cに沿って)移動する。
【0012】
ハウジング6の内部からは、振動伝達部材(超音波プローブ)16が、先端側に向かって延設されている。振動伝達部材16は、64チタン又はジュラルミン等の振動伝達性が高い材料から形成されている。また、振動伝達部材16は、シャフト部7に挿通され、シャフト部7(シース13及び可動部15)の内部を通って長手軸Cに沿って延設されている。振動伝達部材16の先端部には、エネルギー付与部(プローブ処置部)17が形成されている。エネルギー付与部(第1の把持片)17は、シャフト部7の先端から先端側に向かって突出する。
【0013】
シース13の先端部には、把持部材(ジョー)18が回動可能に取付けられている。また、可動部(可動パイプ)15の先端部は、把持部材(第2の把持片)18に接続されている。ハンドル12の動作に対応して可動部15が長手軸Cに沿って移動することにより、把持部材18が回動し、エネルギー付与部17と把持部材18との間が開く又は閉じる。本実施形態では、エネルギー付与部17及び把持部材18によってエンドエフェクタ8が形成される。エネルギー付与部17と把持部材18との間が閉じることにより、エネルギー付与部17と把持部材18との間で、生体組織等の処置対象を把持可能となる。
【0014】
また、ハウジング6には、回転ノブ21が取付けられ、回転ノブ21は、シース13に対して固定されている。シース13をハウジング6に対して長手軸C回りに回転することにより、シャフト部7、エンドエフェクタ8及び振動伝達部材16が一緒にハウジング6に対して長手軸C回りに回転する。
【0015】
トランスデューサユニット3は、基端側からハウジング6に連結される。
図2は、トランスデューサユニット3の構成を示す図である。
図1及び
図2に示すように、トランスデューサユニット3は、トランスデューサケース22と、トランスデューサケース22の内部に配置される超音波トランスデューサ23と、を備える。ハウジング6の内部では、シャフト部7に基端側からトランスデューサケース22が取付けられる。超音波トランスデューサ23は、中継部材25と、中継部材25に取付けられる(本実施形態では4つの)圧電素子26と、中継部材25に取付けられる電極部材27A,27Bと、を備える。圧電素子26のそれぞれは、電極部材27A,27Bの間で挟まれている。
【0016】
ハウジング6の内部では、振動伝達部材16に基端側から中継部材25が接続され、振動伝達部材16に基端側から超音波トランスデューサ23が取付けられる。これにより、振動伝達部材16及び超音波トランスデューサ23によって、振動体ユニット10が形成される。本実施形態では、振動体ユニット10では、超音波トランスデューサ23が振動伝達部材16に取付けられた状態において、超音波トランスデューサ23(中継部材25)の先端面31Aに振動伝達部材16の当接面31Bが当接する。また、本実施形態では、超音波トランスデューサ23において先端面31Aから基端側に凹む係合溝32Aが形成され、振動伝達部材16において当接面31Bから基端側に突出する係合突起32Bが形成されている。係合溝32Aに係合突起32Bが係合することにより、振動伝達部材16が超音波トランスデューサ23に接続される。
【0017】
トランスデューサユニット3には、ケーブル33の一端が接続され、エネルギー制御装置5には、ケーブル33の他端が取外し可能に接続される。エネルギー制御装置5は、バッテリー又はコンセント等の電源35と、変換回路等を含むエネルギー出力部36と、CPU(Central Processing Unit)又はASIC(application specific integrated circuit)等を含むプロセッサ又は集積回路等である制御部37と、記憶媒体38と、を備える。エネルギー出力部36は、ケーブル33の内部に延設される電気配線(図示しない)等を介して超音波トランスデューサ23に電気的に接続されている。また、ハウジング6には、エネルギー操作入力部として操作ボタン41が取付けられている。処置システム1では、例えば、トランスデューサユニット3及びケーブル33の内部を通って信号経路(図示しない)が形成され、制御部37は、信号経路を通して伝達される操作信号等に基づいて、操作ボタン41で操作入力が行われているか否かを判断する。
【0018】
操作ボタン41での操作入力を検出したことに基づいて、制御部37は、エネルギー出力部36を駆動する。これにより、エネルギー出力部36は、電源35からの電力を例えば所定の周波数の交流電力に変換し、変換された電気エネルギーを出力する。そして、エネルギー出力部36から超音波トランスデューサ23に電気エネルギーが供給されることにより、電極部材27,28の間に電圧(例えば所定の周波数の交流電圧)が印加される。これにより、圧電素子26のそれぞれは、電流(例えば所定の周波数の交流電流)を超音波振動に変換し、超音波トランスデューサ23で超音波振動が発生する。
【0019】
超音波トランスデューサ23で発生した超音波振動は、超音波トランスデューサ23の先端面31A及び振動伝達部材16の当接面31Bを通して振動伝達部材16に伝達される。そして、振動伝達部材16において、基端側から先端側へエネルギー付与部17まで超音波振動が伝達される。エネルギー付与部17は、エネルギー付与部17と把持部材18との間で把持される処置対象に、伝達された超音波振動を付与することにより、超音波振動を用いて処置対象を処置する。本実施形態では、振動伝達部材16が超音波振動を伝達することにより、振動伝達部材16を含む振動体ユニット10は、所定の共振周波数(例えば47kHz)で振動する(共振する)。この際、振動体ユニット10は、振動方向が長手方向(長手軸C)に対して略平行な縦振動を行う。
【0020】
図3は、振動伝達部材16の構成を示す図である。
図2及び
図3に示すように、本実施形態では、振動体ユニット10が所定の共振周波数で振動することにより、超音波トランスデューサ23には、振動腹Ap及び振動節Npが発生し、振動伝達部材に複数の振動腹Ai(i=0,1,…,k,k+1,k+2,k+3)及び複数の振動節Nj(j=0,1,…,k,k+1,k+2)が発生する。この際、振動腹Apは、超音波トランスデューサ23の基端(振動体ユニット10の基端)に位置し、振動腹A0は、超音波トランスデューサ23と振動伝達部材16との接続位置(当接面31B)に位置する。また、振動腹Apと振動腹A0の間は、所定の共振周波数での振動の半波長に相当し、振動節Npは振動腹Apと振動腹A0との間に発生する。
【0021】
また、振動伝達部材16に発生する振動腹Aiの中では、振動腹A0が最も基端側に位置し、振動腹Ak+3が最も先端側に位置するものとする。そして、振動腹Aiの自然数iは、先端側に向かって1ずつ大きくなる。同様に、振動伝達部材16に発生する振動節Njの中では、振動節N0が最も基端側に位置し、振動節Nk+2が最も先端側に位置するものとする。そして、振動節Njの自然数jは、先端側に向かって1ずつ大きくなる。また、振動節Njのそれぞれは、振動腹(対応するAj)と振動腹(対応するAj+1)との間の半波長部分に、発生する。振動伝達部材16が所定の共振周波数で振動する状態では、振動腹Ak+3は、振動伝達部材16の先端(振動体ユニット10の先端)に位置する。
【0022】
振動伝達部材16には、振幅を拡大する部位として例えばステップホーン(振幅拡大部)42が形成されている。ステップホーン42は、当接面31Bに対して先端側に設けられる。ステップホーン42では、基端側から先端側へ向かって、長手軸Cに略垂直な断面積が減少する。振動体ユニット10(振動伝達部材16)が所定の共振周波数で振動する状態では、振動節N0がステップホーン42に位置する。いずれの振動腹Aiもステップホーン42から離れて位置するため、ステップホーン42では、超音波振動の振幅が拡大される。なお、所定の共振周波数での振動の振動腹A0と振動腹A1との間の半波長部分は、ステップホーン42が設けられるため、振動節N0を中心として長手方向について非対称な形状となる。振動腹A0と振動腹A1との間の半波長部分では、ステップホーン42より先端側の部位において、長手軸Cに垂直な振動伝達部材16の断面積が一定Seqとなる。
【0023】
また、振動伝達部材16には、内周側に凹む溝43,51及びホーン(振幅拡大部)46,53が形成されている。溝43,51のそれぞれは、長手軸C回りについて全周に渡って形成されている。溝43には、リング状のライナー部材45が外周側から取付けられ、溝51には、リング状のライナー部材52が外周側から取付けられる。ライナー部材45,52のそれぞれは、例えば電気絶縁性を有するとともに耐熱性を有するゴム等の弾性材料から形成され、対応する溝(43,51の対応する1つ)と係合する。また、ライナー部材45には、シャフト部7の可動部15が外周側から当接し、ライナー部材52には、シャフト部7のシース13が外周側から当接する。ホーン46は、溝43の先端から先端側に向かって延設され、ホーン53は、溝51の先端から先端側に向かって延設される。ホーン46,53のそれぞれでは、基端側から先端側へ向かって、長手軸Cに略垂直な断面積が減少する。また、ホーン53の先端は、エネルギー付与部17と連続している。
【0024】
振動体ユニット10(振動伝達部材16)が所定の共振周波数で振動する状態では、振動節Nk+1が溝43に位置し、振動節Nk+2が溝51に位置する。このため、振動伝達部材16からシャフト部7へライナー部材45,52を通して超音波振動が伝達されることが、防止される。また、振動体ユニット10が所定の共振周波数が振動する状態では、振動腹Ak+2は、ホーン46の先端に対して先端側に位置し、振動腹Ak+3は、ホーン53の先端に対して先端側に位置する。いずれの振動腹Aiもホーン46,53から離れて位置するため、ホーン46,53のそれぞれでは、超音波振動の振幅が拡大される。なお、所定の共振周波数での振動の振動腹Ak+1と振動腹Ak+2との間の半波長部分は、ホーン46が設けられるため、振動節Nk+1を中心として長手方向について非対称な形状となる。同様に、所定の共振周波数での振動の振動腹Ak+2と振動腹Ak+3との間の半波長部分は、ホーン53が設けられるため、振動節Nk+2を中心として長手方向について非対称な形状となる。また、振動腹Ak+1と振動腹Ak+2との間の半波長部分では、溝43より基端側の部位において、長手軸Cに垂直な振動伝達部材16の断面積がSeqとなる。
【0025】
振動伝達部材16では、複数のセグメントZm(m=1,2,…,k)が延設されている。セグメントZmは、長手方向についてステップホーン42と溝43との間に設けられ、長手方向について互いに対して異なる領域に延設されている。セグメントZmの中では、セグメントZ1が最も基端側に位置し、セグメントZkが最も先端側に位置する。そして、セグメントZmの自然数mは、先端側に向かって1ずつ大きくなる。セグメントZk以外のセグメントZmのそれぞれの先端は、セグメントZm+1の基端と連続する。例えば、セグメントZ1の先端は、セグメントZ2の基端と連続し、セグメントZk−1の先端は、セグメントZkの基端と連続する。なお、セグメントZmは、互いに対して別部材ではなく、単一の部材である振動伝達部材16に全てのセグメントZkが形成される。このため、セグメントZmは、ヤング率E等の物性が互いに対して略均一となる。
【0026】
振動体ユニット10が所定の共振周波数で振動する状態では、セグメントZmのそれぞれは、互いに対して隣り合う対応する2つの振動腹(対応するAm,Am+1)の間の半波長部分に相当する。例えば、セグメントZ1は、互いに対して隣り合う振動腹A1,A2の間の半波長部分に相当し、セグメントZkは、互いに対して隣り合う振動腹Ak,Ak+1の間の半波長部分に相当する。また、セグメントZmのそれぞれでは、対応する2つの振動腹(対応するAm,Am+1)の間の振動節(対応するNm)を中心として、半波長部分が長手方向について対称な形状になる。例えば、セグメントZ1では、振動腹A1,A2の間の振動節N1を中心として、半波長部分が長手方向について対称になり、セグメントZkでは、振動腹Ak,Ak+1の間の振動節Nkを中心として、半波長部分が長手方向について対称になる。また、セグメントZmのそれぞれは、対応する2つの振動腹(対応するAm,Am+1)の間の半波長部分の長手方向についての寸法(対応するLm)を有する。
【0027】
セグメントZmは、複数の凹セグメントZamを備え、凹セグメントZamのそれぞれには、対応する振動腹(対応するAm,Am+1)の間の半波長部分に、内周側へ向かって凹む溝(対応するVm)が形成される。
図3では、セグメントZ1,Z2,Zkのそれぞれは、凹セグメントZamの1つである。凹セグメントZamのそれぞれでは、溝(対応するVm)が、長手軸C回りについて全周に渡って形成されている。振動体ユニット10(振動伝達部材16)が所定の共振周波数で振動する状態では、凹セグメントZamのそれぞれにおいて、対応する振動腹(対応するAm,Am+1)の間の振動節(対応するNm)が、溝(対応するVm)に位置する。例えば、凹セグメントZa1では、溝V1に振動節N1が位置し、凹セグメントZakでは、溝Vkに振動節Nkが位置する。凹セグメントZamのそれぞれでは、長手方向について溝(対応するVm)の略中央位置に振動節(対応するNm)が位置する。したがって、凹セグメントZamのそれぞれは、溝(対応するVm)を中心として長手方向について対称な形状となる。
【0028】
なお、セグメントZmの中の2つ以上が凹セグメントZamであればよく、ある実施例では、セグメントZmの全てが凹セグメントZamとなる。また、別のある実施例では、セグメントZmの少なくとも2つ以上は、凹セグメントZamで、セグメントZmにおいて凹セグメントZam以外は、均一セグメントZbmとなる。この場合、均一セグメントZbmのそれぞれでは、振動腹(対応するAm,Am+1)の間の半波長部分に溝が形成されず、半波長部分において基端から先端まで長手方向(長手軸C)に略垂直な断面積がSeqで略均一になる。
【0029】
凹セグメントZamのそれぞれは、基端側延設部(対応するXm)、先端側延設部(対応するYm)及び中間延設部(対応するMm)を備える。凹セグメントZamのそれぞれでは、基端側延設部(対応するXm)は、長手方向について対応する2つの振動腹(対応するAm,Am+1)の間の半波長部分の基端から溝(対応するVm)の基端まで延設され、先端側延設部(対応するYm)は、長手方向について溝(対応するVm)の先端から半波長部分の先端まで延設されている。また、凹セグメントZamのそれぞれでは、中間延設部(対応するMm)は、長手方向について基端側延設部(対応するXm)と先端側延設部(対応するYm)との間に連続し、長手方向について溝(対応するVm)の基端から溝(対応するVm)の先端まで延設されている。例えば、凹セグメントZa1では、半波長部分の基端である振動腹A1から溝V1の基端まで基端側延設部X1が延設され、溝V1の先端から半波長部分の先端である振動腹A2まで先端側延設部Y1が延設されている。そして、基端側延設部X1と先端側延設部Y1との間に、中間延設部M1が連続する。
【0030】
凹セグメントZamのそれぞれは溝(対応するVm)を中心として長手方向について対称であるため、凹セグメントZamのそれぞれでは、基端側延設部(対応するXm)の長手方向についての寸法が、先端側延設部(対応するYm)の長手方向についての寸法と略同一になる。そして、凹セグメントZamのそれぞれでは、基端側延設部(対応するXm)の長手軸Cに略垂直な断面積及び先端側延設部(対応するYm)の長手軸Cに略垂直な断面積が、互いに対して略同一となる。また、凹セグメントZamのそれぞれでは、基端側延設部(対応するXm)及び先端側延設部(対応するYm)のそれぞれにおいて、長手方向について基端から先端まで長手方向に略垂直な断面積がSeqで略均一になる。したがって、本実施形態では、全ての基端側延設部Xm、全て先端側延設部Ym及び全ての均一セグメントZbmは、互いに対して長手方向に略垂直な断面積がSeqで略同一になる。すなわち、長手方向についてセグメント(最基端セグメント)Z1の基端からセグメント(最先端セグメント)Zkの先端との間では、溝Vm(中間延設部Mm)以外の部位において、長手方向に略垂直な断面積がSeqで略均一になる。
【0031】
凹セグメントZamのそれぞれでは、溝(対応するVm)が形成されるため、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)は、基端側延設部(対応するXm)及び先端側延設部(対応するYm)のそれぞれの長手方向に略垂直な断面積Seqに比べて、小さくなる。また、本実施形態では、凹セグメントZamのそれぞれにおいて、中間延設部の長手方向についての寸法(対応するWm)は、基端側延設部(対応するXm)及び先端側延設部(対応するYm)のそれぞれの長手方向についての寸法に比べて小さくなる。
【0032】
また、本実施形態では、凹セグメントZa1(セグメントZ1)において、中間延設部M1に、リング状のライナー部材55が取付けられる。ライナー部材55は、ゴム等の弾性材料から形成され、溝V1と係合する。ライナー部材55は、長手方向について溝V1の基端から溝V1の先端に渡る範囲において中間延設部M1に外周側から当接し、溝V1において長手軸C回りの全周に渡って中間延設部M1に当接する。また、ライナー部材55には、シャフト部7が外周側から当接する。振動体ユニット10が所定の共振周波数で振動する状態では、振動節N1が溝V1に位置する。このため、振動伝達部材16からシャフト部7へライナー部材55を通して超音波振動が伝達されることが、防止される。シャフト部7は、ライナー部材45,52,55を介して振動伝達部材16を支持し、シャフト部7と振動伝達部材16が接触しない状態を維持する。
【0033】
また、凹セグメントZamの中の少なくとも2つは、溝(対応するVm)の長手方向についての寸法及び溝(対応するVm)の深さの少なくとも一方が、互いに対して異なる。このため、凹セグメントZamの中の少なくとも2つは、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)及び中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)の少なくとも一方が、互いに対して異なる。
【0034】
凹セグメントZamは、溝が設けられない均一セグメントZbmとは、半波長部分の長手方向についての寸法Lmが、異なる。均一セグメントZbmに比べて、凹セグメントZamは、半波長部分の長手方向についての寸法Lmが、小さい(短い)。また、凹セグメントZamの中でも、中間延設部Mmの長手方向についての寸法Wm及び中間延設部Mmの長手方向に略垂直な断面積Smの少なくとも一方が互いに対して異なれば、半波長部分の長手方向についての寸法Lmが互いに対して異なる。実際に、凹セグメントZamの中では、中間延設部Mm(溝Vm)の長手方向についての寸法Wmが大きいほど、半波長部分の長手方向についての寸法Lmが、小さい(短い)。また、凹セグメントZamの中では、中間延設部Mmの長手方向に略垂直な断面積Smが小さいほど(溝Vmの深さが深いほど)、半波長部分の長手方向についての寸法Lmが、小さい(短い)。
【0035】
ある実施例では、全ての凹セグメントZamにおいて中間延設部Mmの長手方向に略垂直な断面積Smが略同一で、かつ、少なくとも凹セグメントZa1,Za2,Zakで互いに対して中間延設部(M1,M2,Mk)の長手方向についての寸法(W1,W2,Wk)が異なる。そして、W2<Wk<W1の関係が成り立つ。また、別のある実施例では、全ての凹セグメントZamにおいて中間延設部Mmの長手方向についての寸法Wmが略同一で、かつ、少なくとも凹セグメントZa1,Za2,Zakで互いに対して中間延設部(M1,M2,Mk)の長手方向に略垂直な断面積(S1,S2,Sk)が異なる。そして、S2>Sk>S1の関係が成り立つ。これらの実施例のそれぞれでは、少なくとも凹セグメントZa1,Za2,Zakで互いに対して半波長部分の長手方向についての寸法(L1,L2,Lk)が異なり、L2>Lk>L1の関係が成り立つ。
【0036】
前述のように本実施形態では、前述の実施例のように、凹セグメントZamの中の少なくとも2つは、半波長部分の長手方向についての寸法(対応するLm)が互いに対して異なる。したがって、本実施形態では、セグメントZm(凹セグメントZam及び均一セグメントZbm)の中の少なくとも2つは、対応する振動腹(対応するAm,Am+1)の間の半波長部分の長手方向についての寸法(対応するLm)が互いに対して異なる。
【0037】
ライナー部材55が溝V1と係合する凹セグメントZa1では、中間延設部M1の長手方向についての寸法W1が所定の長さWrefとなり、中間延設部M1の長手方向に略垂直な断面積S1が所定の断面積Srefとなる。所定の長さWref及び所定の断面積Srefは、振動伝達部材16を形成する材料のヤング率E等の物性に関係なく、既定の値である。すなわち、振動伝達部材16を形成する材料の物性に対応して、所定の長さWref及び所定の断面積Srefは、変化しない。ある実施例では、所定の長さWrefは、3.4mmである。
【0038】
なお、ライナー部材55は、凹セグメントZa1にのみ取付けられているが、これに限るものではない。ある実施例では、凹セグメントZamのいずれか1つ又はいずれか複数のそれぞれにライナー部材(55)が取付けられ、他の凹セグメント(対応するZam)には、ライナー部材(55)は取付けられない。この場合も、ライナー部材(55)が取り付けられる凹セグメント(対応するZam)のそれぞれでは、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)が所定の長さWrefとなり、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)が所定の断面積Srefとなる。
【0039】
また、ライナー部材55が取付けられない凹セグメント(対応するZam)の少なくとも1つは、ライナー部材55が取付けられる凹セグメント(対応するZam)とは、中間延設部Mmの長手方向についての寸法Wm及び中間延設部Mmの長手方向に略垂直な断面積Smの少なくとも一方が、異なる。したがって、ライナー部材55が取付けられない凹セグメント(対応するZam)のいずれか1つ又はいずれか複数のそれぞれでは、寸法(対応するWm)が所定の長さWrefとは異なるか、及び、断面積(対応するSm)が所定の断面積Srefとは異なるか、の少なくとも一方である。ある実施例では、ライナー部材55が凹セグメントZa1にのみ取付けられ、凹セメントZa2,Zakのそれぞれにおいて、寸法(W2,Wkの対応する1つ)が、凹セグメントZa1の寸法W1に相当する所定の長さWrefとは異なる。別のある実施例では、ライナー部材55が凹セグメントZa1にのみ取付けられ、凹セグメントZa2,Zakのそれぞれにおいて、断面積(S2,Skの対応する1つ)が、凹セグメントZa1の断面積S1に相当する所定の断面積Srefとは異なる。
【0040】
また、凹セグメントZamの中で中間延設部Mmの長手方向についての寸法Wmが最も大きい凹セグメント(対応するZam)には、溝が設けられない均一セグメント(対応するZbm)、又は、凹セグメントZamの中で寸法Wmが最も小さい凹セグメント(対応するZam)が、長手方向について少なくとも一方側に連続する。ある実施例では、凹セグメントZa1は、凹セグメントZamの中で寸法Wmが最も大きく、凹セグメントZ1mの先端側(長手方向について一方側)に、均一セグメントZb2、又は、凹セグメントZamの中で寸法Wmが最も小さい凹セグメントZa2が、連続する。
【0041】
また、凹セグメントZamの中で中間延設部Mmの長手方向に略垂直な断面積Smが最も小さい凹セグメント(対応するZam)には、溝が設けられない均一セグメント(対応するZbm)、又は、凹セグメントZamの中で断面積Smが最も大きい凹セグメント(対応するZam)が、長手方向について少なくとも一方側に連続する。ある実施例では、凹セグメントZa1は、凹セグメントZamの中で断面積Smが最も小さく、凹セグメントZ1mの先端側(長手方向について一方側)に、均一セグメントZb2、又は、凹セグメントZamの中で断面積Smが最も大きい凹セグメントZa2が、連続する。
【0042】
次に、振動伝達部材16の製造方法について説明する。ここで、振動伝達部材16の製造においては、部材ごとに製造元のロットが異なることがある。製造元のロットが部材ごとに異なると、ヤング率E等の物性が異なる。このため、振動伝達部材16の製造においては、まず、振動伝達部材16を形成する材料のヤング率Eを含む物性を特定する。
【0043】
そして、ヤング率E等の物性に基づいて、振動体ユニット10(振動伝達部材16)が所定の共振周波数で振動する状態での振動腹Ai及び振動節Njの位置を特定する(決定する)。そして、セグメントZmのそれぞれを、互いに対して隣り合う対応する2つの振動腹(対応するAm,Am+1)の間の半波長部分に形成する。この際、セグメントZmは、長手方向について互いに対して異なる領域に形成され、セグメントZmのそれぞれは、対応する振動腹(対応するAm,Am+1)の間の振動節(対応するNm)を中心として長手方向について対称に、形成される。
【0044】
そして、セグメントZmのそれぞれについて、凹セグメント(対応するZam)にするか、又は、溝が形成されない均一セグメント(対応するZbm)にするか否かを、ヤング率E等の物性に基づいて決定する。これにより、セグメントZmの中の複数は、凹セグメントZamとして形成され、セグメントZmの中の凹セグメントZam以外は、均一セグメントZbmとして形成される。凹セグメントZamのそれぞれでは、振動腹(対応するAm,Am+1)の間の振動節(対応するNm)が溝(対応するVm)に位置する状態に、半波長部分に溝(対応するVm)が形成される。
【0045】
そして、凹セグメントZamのそれぞれに、基端側延設部(対応するXm)、先端側延設部(対応するYm)及び中間延設部(対応するMm)を形成する。この際、凹セグメントZamのそれぞれにおいて、基端側延設部(対応するXm)の長手方向についての寸法を、先端側延設部(対応するYm)の前記長手方向についての寸法と同一にするとともに、基端側延設部(対応するXm)の長手方向に略垂直な断面積を、先端側延設部(対応するYm)の長手方向に略垂直な断面積と同一にする。また、凹セグメントZamのそれぞれにおいて、中間延設部(対応するMm)の長手方向に垂直な断面積(対応するSm)を、基端側延設部(対応するXm)及び先端側延設部(対応するYm)のそれぞれの長手方向に垂直な断面積に比べて、小さくする。
【0046】
また、振動伝達部材16の製造においては、ライナー部材(55)を形成する。そして、凹セグメントZamのいずれか1つ又はいずれか複数のそれぞれにおいて、ライナー部材(55)を溝(対応するVm)と係合させ、中間延設部(対応するMm)にライナー部材(55)を取付ける。凹セグメントZamを形成する際には、ライナー部材(55)が取付けられる凹セグメント(対応するZam)のそれぞれにおいて、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)が所定の長さWrefに形成され、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)が所定の断面積Srefに形成される。この際、振動伝達部材16のヤング率E等の物性に関係なく、ライナー部材(55)が取付けられる凹セグメント(対応するZam)のそれぞれでは、寸法(対応するWm)が所定の長さWrefに形成され、断面積(対応するSm)が所定の断面積Srefに形成される。
【0047】
そして、ライナー部材(55)が取付けられない凹セグメント(対応するZam)の中から少なくとも1つを選択する。そして、選択した1つ凹セグメント(対応するZam)又は選択した複数の凹セグメント(対応するZam)のそれぞれにおいて、ヤング率E等の物性に基づいて、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)及び中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)の少なくとも一方を調整する。
【0048】
図4は、セグメントZmのそれぞれについて凹セグメント(対応するZam)にするか否の決定、及び、いずれか1つの凹セグメント(対応するZam)又はいずれか複数の凹セグメント(対応するZam)のそれぞれにおける中間延設部(対応するMm)の寸法(対応するWm)及び断面積(対応するSm)の少なくとも一方の調整を説明する図である。
図4に示すように、振動伝達部材16では、ヤング率EがEα、Eβ、Eγ(Eα>Eβ>Eγ)と部材ごとにばらつくことがある。ここで、ヤング率Eαの材料から形成される振動伝達部材16(α)に関しては、関連する部位等を参照符号及び(α)で示す。同様に、ヤング率Eβの材料から形成される振動伝達部材16(β)に関連する部位等は参照符号及び(β)で示し、ヤング率Eγの材料から形成される振動伝達部材16(γ)に関連する部位等は参照符号及び(γ)で示す。
【0049】
図4に示す実施例では、いずれの振動伝達部材16においても(すなわち、ヤング率E等の物性に関係なく)、凹セグメントZa1にのみライナー部材55が取付けられる。このため、いずれの振動伝達部材16においても、中間延設部M1の寸法W1が所定の長さWrefに形成され、中間延設部M1の断面積S1が所定の断面積Srefに形成される。本実施例では、ヤング率E等の物性に対応させて、凹セグメントZakの中間延設部Mkの長手方向についての寸法Wkが、少なくとも調整される。なお、本実施例では、いずれの振動伝達部材16においても、凹セグメントZakの中間延設部Mkの長手方向に略垂直な断面積Skは略同一になり、物性に対応させた断面積Skの調整は行われない。また、本実施例では、ヤング率E等の物性に対応させて、少なくともセグメントZ2について、凹セグメントZa2にするか、又は、均一セグメントZb2にするか、が決定される。そして、セグメントZ2を凹セグメントZa2にする場合は、物性に対応させて、凹セグメントZa2の中間延設部M2の長手方向についての寸法W2が、調整される。なお、本実施例では、セグメントZ2が凹セグメントZa2になるいずれの振動伝達部材16においても、凹セグメントZa2の中間延設部M2の長手方向に略垂直な断面積S2は略同一になり、物性に対応させた断面積S2の調整は行われない。
【0050】
ここで、例えば、ヤング率E等の物性が互いに対して同一である材料からあるセグメントZmのそれぞれを形成するとする。物性が同一である場合、セグメントZmのそれぞれでは、溝(対応するVm)の長手方向についての寸法が大きいほど、半波長部分の長手方向についての寸法(対応するLm)が短くなる。一方、セグメントZmのそれぞれでは、溝(対応するVm)の長手方向についての寸法が小さいほど、半波長部分(対応するLm)の長手方向についての寸法が長くなり、溝が存在しない場合が、半波長部分の長手方向についての寸法(Lm)が最も長くなる。
【0051】
本実施例では、ヤング率EがEαの振動伝達部材16(α)の凹セグメントZak(α)における寸法Wk(α)に比べ、ヤング率EがEαより小さいEβの振動伝達部材16(β)の凹セグメントZak(β)における寸法Wk(β)を、小さくする。また、振動伝達部材16(α)の凹セグメントZa2(α)における寸法W2(α)に比べ、振動伝達部材16(β)の凹セグメントZa2(β)における寸法W2(β)を、小さくする。これにより、振動伝達部材16(α),16(β)では、互いに対するヤング率Eのばらつきの共振周波数及び長手方向についての全長Lallへの影響が、寸法W2,Wkの調整によって打消される。したがって、振動伝達部材16(α),16(β)では、互いに対して共振周波数が同一に調整され、長手方向についての全長Lallも互いに対して同一に調整される。すなわち、振動伝達部材16(α),16(β)はいずれも、超音波振動を伝達する状態において所定の共振周波数(例えば47kHz)で振動し、長手方向についての全長(Lall(α),Lall(β))が所定の寸法Lconstとなる。前述のように、物性に対応させて適宜の長さのセグメントZmを長手軸Cに沿って配置することにより、共振周波数を調整するとともに、振動伝達部材16の全長Lallが適宜調整される。
【0052】
また、本実施例では、ヤング率EがEβの振動伝達部材16(β)の凹セグメントZak(α)における寸法Wk(β)に比べ、ヤング率EがEβより小さいEγの振動伝達部材16(γ)の凹セグメントZak(γ)における寸法Wk(γ)を、小さくする。また、振動伝達部材16(γ)では、セグメントZ2(γ)を、均一セグメントZb2(γ)として形成する。これにより、振動伝達部材16(β),16(γ)では、互いに対するヤング率Eのばらつきの共振周波数及び長手方向についての全長Lallへの影響が、寸法Wkの調整及びセグメントZ2(γ)を均一セグメントZb2(γ)にしたことによって打消される。したがって、振動伝達部材16(β),16(γ)では、互いに対して共振周波数が同一に調整され、長手方向についての全長Lallも互いに対して同一に調整される。すなわち、振動伝達部材16(β),16(γ)はいずれも、超音波振動を伝達する状態において所定の共振周波数(例えば47kHz)で振動し、長手方向についての全長(Lall(β),Lall(γ))が所定の寸法Lconstとなる。
【0053】
前述のように本実施例では、凹セグメントZamの少なくとも1つ(例えばZa2,Zak)のそれぞれにおいて、ヤング率E等の物性に基づいて、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)を調整する。また、セグメントZmのいずれか1つ(例えばZ2)又はいずれか複数のそれぞれについては、ヤング率E等の物性に基づいて、凹セグメント(対応するZam)にするか、又は、均一セグメント(対応するZbm)にするかが、決定される。これにより、物性に関係なく、全ての振動伝達部材16において、共振周波数が所定の共振周波数に調整され、長手方向についての全長Lallが所定の寸法Lconstに形成される。
【0054】
また、本実施例では、凹セグメントZamのいずれか1つ又はいずれか複数(例えばZa2,Zak)のそれぞれは、物性に基づく寸法(対応するWm)の調整によって、ライナー部材55が取付けられる凹セグメント(例えばZa1)とは、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)が異なる。すなわち、凹セグメントZamの少なくとも1つ(例えばZa2,Zak)のそれぞれは、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)が、所定の長さWrefとは異なる。これにより、いずれの振動伝達部材16においても、凹セグメントZamの少なくとも2つ(例えばZa1,Zak;Za1,Za2,Zak)は、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)が互いに対して異なる状態に、形成される。
【0055】
別のある実施例でも、いずれの振動伝達部材16においても(すなわち、ヤング率E等の物性に関係なく)、凹セグメントZa1にのみライナー部材55が取付けられる。ただし、本実施例では、ヤング率E等の物性に対応させて、凹セグメントZakの中間延設部Mkの長手方向に略垂直な断面積Skが、少なくとも調整される。なお、本実施例では、いずれの振動伝達部材16においても、凹セグメントZakの中間延設部Mkの長手方向についての寸法Wkは略同一になり、物性に対応させた寸法Wkの調整は行われない。
【0056】
ここで、例えば、ヤング率E等の物性が互いに対して同一である材料からあるセグメントZmのそれぞれを形成するとする。物性が同一である場合、セグメントZmのそれぞれでは、溝(対応するVm)の深さが大きいほど、半波長部分の長手方向についての寸法(対応するLm)が短くなる。一方、セグメントZmのそれぞれでは、溝(対応するVm)の深さが小さいほど、半波長部分(対応するLm)の長手方向についての寸法が長くなり、溝が存在しない場合が、半波長部分の長手方向についての寸法(Lm)が最も長くなる。
【0057】
本実施例では、ヤング率EがEαの振動伝達部材16(α)の凹セグメントZak(α)における断面積Sk(α)に比べ、ヤング率EがEαより小さいEβの振動伝達部材16(β)の凹セグメントZak(β)における断面積Sk(β)を、大きくする。これにより、振動伝達部材16(α),16(β)では、互いに対するヤング率Eのばらつきの共振周波数及び長手方向についての全長Lallへの影響が、断面積Skの調整によって打消される。したがって、振動伝達部材16(α),16(β)では、互いに対して共振周波数が同一に調整され、長手方向についての全長Lallも互いに対して同一に調整される。すなわち、振動伝達部材16(α),16(β)はいずれも、超音波振動を伝達する状態において所定の共振周波数(例えば47kHz)で振動し、長手方向についての全長(Lall(α),Lall(β))が所定の寸法Lconstとなる。
【0058】
前述のように本実施例では、凹セグメントZamの少なくとも1つ(例えばZak)のそれぞれにおいて、ヤング率E等の物性に基づいて、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)を調整する。これにより、物性に関係なく、全ての振動伝達部材16において、共振周波数が所定の共振周波数に調整され、長手方向についての全長Lallが所定の寸法Lconstに形成される。
【0059】
また、本実施例では、凹セグメントZamの少なくとも1つ(例えばZak)のそれぞれは、物性に基づく寸法(対応するWm)の調整によって、ライナー部材55が取付けられる凹セグメント(例えばZa1)とは、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)が異なる。すなわち、凹セグメントZamのいずれか1つ(例えばZak)又はいずれか複数のそれぞれは、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)が、所定の断面積Srefとは異なる。これにより、いずれの振動伝達部材16においても、凹セグメントZamの少なくとも2つ(例えばZa1,Zak)は、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)が互いに対して異なる状態に、形成される。
【0060】
また、別のある実施例では、凹セグメントZamのいずれか1つ(例えばZak)又はいずれか複数のそれぞれにおいて、ヤング率E等の物性に基づいて、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)及び中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)を調整する。これにより、物性に関係なく、全ての振動伝達部材16において、共振周波数が所定の共振周波数に調整され、長手方向についての全長Lallが所定の寸法Lconstに形成される。
【0061】
また、本実施例では、凹セグメントZamの少なくとも1つ(例えばZak)のそれぞれは、物性に基づく寸法(対応するWm)及び断面積(対応するSm)の調整によって、ライナー部材55が取付けられる凹セグメント(例えばZa1)とは、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)が異なるとともに、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)が異なる。すなわち、凹セグメントZamのいずれか1つ(例えばZak)又はいずれか複数のそれぞれは、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)が、所定の長さWrefとは異なるとともに、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)が、所定の断面積Srefとは異なる。これにより、いずれの振動伝達部材16においても、凹セグメントZamの少なくとも2つ(例えばZa1,Zak)は、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)及び中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)が互いに対して異なる状態に、形成される。
【0062】
前述の実施例等を含む本実施形態では、凹セグメントZamの少なくとも1つのそれぞれにおいて、物性に基づいて寸法(対応するWm)及び断面積(対応するSm)の少なくとも一方が調整される中間延設部(対応するMm)は、振動節(対応するNm)及びその近傍に渡って設けられる。すなわち、凹セグメントZamのいずれか1つ又はいずれか複数のそれぞれでは、振動節(対応するNm)及びその近傍において、寸法(対応するWm)及び断面積(対応するSm)が調整される。セグメントZmのそれぞれの半波長部分では、振動節(対応するNm)において超音波振動による応力が極大となり、振動節(対応するNm)及びその近傍で応力が大きくなる。したがって、凹セグメントZamの少なくとも1つのそれぞれでは、超音波振動による応力が大きい領域において、中間延設部(対応するMm)の寸法(対応するWm)及び断面積(対応するSm)の少なくとも一方が物性に基づいて調整される。このため、凹セグメントZamの少なくとも1つでの中間延設部(対応するMm)の寸法(対応するWm)及び断面積(対応するSm)の少なくとも一方の調整の、共振周波数及び振動伝達部材16の長手方向についての全長Lallへの影響が、大きくなる。したがって、凹セグメントZamの少なくとも1つでの中間延設部(対応するMm)の寸法(対応するWm)及び断面積(対応するSm)の少なくとも一方の調整によって、ヤング率E等の物性のばらつきが共振周波数及び振動伝達部材16の長手方向についての全長Lallへ与える影響が、適切に打消される。
【0063】
また、本実施形態では、振動伝達部材16の製造において、凹セグメントZamの中で中間延設部Mmの長手方向についての寸法Wmが最も大きい凹セグメント(対応するZam)には、溝が設けられない均一セグメント(対応するZbm)、又は、凹セグメントZamの中で寸法Wmが最も小さい凹セグメント(対応するZam)を、長手方向について少なくとも一方側に連続させる。そして、凹セグメントZamの中で中間延設部Mmの長手方向に略垂直な断面積Smが最も小さい凹セグメント(対応するZam)には、溝Vmが設けられない均一セグメント(対応するZbm)、又は、凹セグメントZamの中で断面積Smが最も大きい凹セグメント(対応するZam)を、長手方向について少なくとも一方側に連続させる。
【0064】
次に、振動伝達部材16の作用及び効果について説明する。本実施形態では、振動伝達部材16を形成する材料のヤング率E等の物性が部材ごとにばらついても、全ての振動伝達部材16において、共振周波数が所定の共振周波数に調整される。このため、振動伝達部材16を備える超音波処置具2において、振動伝達部材16に設けられるホーン(例えば42,46,53)での変性比等が製品ごとにばらつくことが、抑制される。これにより、エネルギー付与部17での超音波振動の振幅及び振動速度が製品ごとにばらつくことが抑制される。したがって、ヤング率E等の物性に関係なく、エネルギー付与部17で安定して処置対象が処置される。
【0065】
また、本実施形態では、振動伝達部材16を形成する材料のヤング率E等の物性が部材ごとにばらついても、全ての振動伝達部材16において、長手方向についての全長Lallが所定の寸法Lconstに形成される。これにより、振動伝達部材16を備える超音波処置具2において、ライナー部材(43,51,55)の振動伝達部材16への取付け位置及びシャフト部7から先端側への振動伝達部材16の突出長さ等が、製品ごとにばらつくことが防止される。すなわち、振動伝達部材16の長手方向についての全長Lallのばらつかないため、超音波処置具2の製造及び処置性能等への影響が小さくなる。これにより、超音波処置具2の製造における手間等が低減されるとともに、より安定して処置対象が処置される。
【0066】
また、凹セグメントZamのそれぞれでは、振動節(対応するNm)(溝(対応するVm))を中心として半波長部分が長手方向について対称な形状になり、振動節(対応するNm)が溝(対応するVm)に位置する。このため、凹セグメントZamのそれぞれでは、半波長部分の先端(対応するAm+1)での振幅が半波長部分の基端(対応sするAm)での振幅に対して略同一となる。このため、本実施形態では、セグメント(最先端セグメント)Zkの先端での超音波振動の振幅が、セグメント(最基端セグメント)Z1の基端での超音波振動の振幅に対してほとんど変化しない。このため、溝Vmが設けられても、エネルギー付与部17において、超音波振動の振幅が安定する。
【0067】
また、本実施形態では、ライナー部材(55)が取り付けられる凹セグメント(対応するZam)のそれぞれでは、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)が所定の長さWrefとなり、中間延設部(対応するMm)の長手方向に略垂直な断面積(対応するSm)が所定の断面積Srefとなる。このような構成にすることにより、振動伝達部材16がシャフト部7によってライナー部材(55)を介して適切に支持されるとともに、ライナー部材(55)を通してのシャフト部7への超音波振動の伝達がさらに適切に防止される。
【0068】
また、本実施形態では、凹セグメントZamの中で中間延設部Mmの長手方向についての寸法Wmが最も大きい凹セグメント(対応するZam)には、溝が設けられない均一セグメント(対応するZbm)、又は、凹セグメントZamの中で寸法Wmが最も小さい凹セグメント(対応するZam)が、長手方向について少なくとも一方側に連続する。そして、凹セグメントZamの中で中間延設部Mmの長手方向に略垂直な断面積Smが最も小さい凹セグメント(対応するZam)には、均一セグメント(対応するZbm)、又は、凹セグメントZamの中で断面積Smが最も大きい凹セグメント(対応するZam)が、長手方向について少なくとも一方側に連続する。これにより、溝Vmを設けても、振動伝達部材16において振動している状態での曲げ強度が局所的に低下することが、防止される。
(変形例)
なお、前述の実施形態等では、ハンドル12は、グリップ11に対して先端側に位置し、開動作及び閉動作のそれぞれにおいて長手方向に対して略平行に移動するが、これに限るものではない。例えば、ある変形例では、ハンドル12がグリップ11に対して基端側に位置してもよく、別のある変形例では、開動作及び閉動作のそれぞれにおいて、長手方向に対して交差する方向に沿ってハンドル12が移動してもよい。また、ある変形例では、回転ノブ21は、設けられなくてもよい。
【0069】
また、ある変形例では、超音波トランスデューサ23に中継部材25が設けられず、圧電素子26及び電極部材27A,27Bが直接的に振動伝達部材16に取付けられてもよい。また、ホーン(42,46,52)の位置及び数等も、前述の実施形態等に限定されるもとではない。例えば、ある変形例では、振動伝達部材16に少なくとも1つのホーン(42,46,51)が設けられ、ホーンのそれぞれは、振動伝達部材16において長手方向についてセグメントZmとは異なる領域に位置する。そして、所定の共振周波数で振動伝達部材16が振動する状態では、ホーンのそれぞれは、いずれの振動腹Aiからも長手方向について離れて位置する。
【0070】
また、長手方向についてセグメントZmとは異なる領域で振動伝達部材16に取付けられるライナー部材(45,52)の位置及び数等も、前述の実施形態等に限定されるものではない。例えば、ある変形例では、長手方向についてセグメントZmとは異なる領域で、少なくとも1つライナー部材(45,52)が振動伝達部材16に取付けられる。そして、所定の共振周波数で振動伝達部材16が振動する状態では、ライナー部材のそれぞれに、振動節Njのいずれか1つが位置する。また、超音波振動に加えて別の処置エネルギーがエンドエフェクタ8に供給されてもよい。例えば、ある変形例では、エネルギー付与部17に超音波振動が伝達されるとともに、エネルギー付与部17及び把持部材18に高周波電気エネルギーが供給される。この場合、エネルギー付与部17と把持部材18との間で、把持される処置対象を通して、高周波電流が流れる。
【0071】
また、ある変形例では、エンドエフェクタ8に把持部材18が設けられなくてもよい。この場合、グリップ11、ハンドル12及び可動部15等も設けられず、エネルギー付与部17は、フック形状、ヘラ形状又はキュレット形状等を有する。本変形例では、エネルギー付与部17を処置対象に接触させた状態で、エネルギー付与部17(エンドエフェクタ8)に超音波振動を伝達する。そして、伝達された超音波振動を付与することにより、超音波振動を用いて処置対象を処置する。この場合も、超音波振動に加えて別の処置エネルギーがエネルギー付与部17に供給されてもよい。
【0072】
前述の実施形態等では、振動伝達部材(16)は、超音波トランスデューサ(23)で発生した超音波振動を伝達することにより、所定の共振周波数で振動する。振動伝達部材(16)は、長手方向について互いに対して異なる領域に延設される複数のセグメント(Zm)を備え、セグメント(Zm)のそれぞれは、振動伝達部材(16)が所定の共振周波数で振動する状態において、互いに対して隣り合う対応する2つの振動腹(対応するAm,Am+1)の間の半波長部分に相当する。セグメント(Zm)のそれぞれでは、対応する2つの振動腹(対応するAm,Am+1)の間の振動節(Nm)を中心として、半波長部分が長手方向について対称になる。複数のセグメント(Zm)は、複数の凹セグメント(Zam)を備え、凹セグメント(Zam)のそれぞれでは、半波長部分において内周側へ凹む溝(対応するVm)が形成されるとともに、対応する2つの振動腹(対応するAm,Am+1)の間の振動節(Nm)が溝(Vm)に位置する。凹セグメント(Zam)のぞれぞれは、長手方向について半波長部分の基端から溝(対応するVm)の基端まで延設される基端側延設部(対応するXm)と、長手方向について溝(対応するVm)の先端から半波長部分の先端まで延設される先端側延設部(対応するYm)と、長手方向について溝(対応するVm)の基端から溝(対応するVm)の先端まで延設される中間延設部(対応するMm)と、を備える。凹セグメント(Zam)のそれぞれでは、基端側延設部(対応するXm)の長手方向についての寸法が、先端側延設部(対応するYm)の長手方向についての寸法と同一であるとともに、基端側延設部(対応するXm)の長手方向に垂直な断面積が、先端側延設部(対応するYm)の長手方向に垂直な断面積と同一である。凹セグメント(Zam)のそれぞれでは、中間延設部(対応するMm)の長手方向に垂直な断面積(対応するSm)が、基端側延設部(対応するXm)及び先端側延設部(対応するYm)のそれぞれの長手方向に垂直な前記断面積に比べて、小さい。複数の凹セグメント(Zam)の中の少なくとも2つは、中間延設部(対応するMm)の長手方向についての寸法(対応するWm)及び中間延設部(対応するMm)の長手方向に垂直な断面積(対応するSm)の少なくとも一方が、互いに対して異なる。
【0073】
以上、本発明の実施形態等について説明したが、本発明は前述の実施形態等に限るものではなく、発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形ができることは、もちろんである。
【0074】
以下、特徴的な事項を付記する。
(付記項1)
超音波トランスデューサが取付けられ、前記超音波トランスデューサで発生した超音波振動を伝達することにより、所定の共振周波数で振動する振動伝達部材の製造方法であって、
前記振動伝達部材を形成する材料のヤング率を含む物性を特定することと、
前記所定の共振周波数で前記振動伝達部材が振動する状態での振動腹及び振動節の位置を前記物性に基づいて特定することと、
長手方向について互いに対して異なる領域に延設される複数のセグメントを形成することであって、前記セグメントのそれぞれを、互いに対して隣り合う対応する2つの振動腹の間の半波長部分に形成することと、
前記セグメントのそれぞれにおいて、前記半波長部分を、前記対応する2つの振動腹の間の振動節を中心として前記長手方向について対称に形成することと、
前記複数のセグメントの中から複数の凹セグメントを形成することであって、前記凹セグメントのそれぞれにおいて、前記半波長部分に内周側へ凹む溝を形成し、前記対応する2つの振動腹の間の前記振動節が前記溝に位置する状態に前記溝を形成することと、
前記凹セグメントのそれぞれにおいて、前記長手方向について前記半波長部分の基端から前記溝の基端まで基端側延設部を、前記長手方向について前記溝の先端から前記半波長部分の先端まで先端側延設部を、前記長手方向について前記溝の前記基端から前記溝の前記先端まで中間延設部を、それぞれ形成することと、
前記凹セグメントのそれぞれにおいて、前記基端側延設部の前記長手方向についての寸法を、前記先端側延設部の前記長手方向についての寸法と同一にするとともに、前記基端側延設部の前記長手方向に垂直な断面積を、前記先端側延設部の前記長手方向に垂直な断面積と同一にすることと、
前記凹セグメントのそれぞれにおいて、前記中間延設部の前記長手方向に垂直な断面積を、前記基端側延設部及び前記先端側延設部のそれぞれの前記長手方向に垂直な前記断面積に比べて、小さくすることと、
前記凹セグメントの少なくとも1つのそれぞれにおいて、前記物性に基づいて、前記中間延設部の前記長手方向についての寸法及び前記中間延設部の前記長手方向に垂直な前記断面積の少なくとも一方を調整することにより、前記振動伝達部材の前記長手方向についての全長を所定の寸法に調整するとともに、前記振動伝達部材の共振周波数を前記所定の共振周波数に調整することと、
を具備する。
【0075】
(付記項2)
付記項1の製造方法であって、
弾性材料からライナー部材を形成することと、
前記複数の凹セグメントのいずれか1つ又はいずれか複数のそれぞれにおいて、前記中間延設部に外周側から前記ライナー部材を当接し、前記ライナー部材を前記溝と係合することと、
を具備する。
【0076】
(付記項3)
付記項2の製造方法であって、
前記ライナー部材が前記溝と係合する前記凹セグメントのそれぞれにおいて、前記中間延設部の前記長手方向についての前記寸法を、所定の長さに形成するとともに、前記中間延設部の前記長手方向に垂直な前記断面積を所定の断面積に形成することを具備する。
【0077】
(付記項4)
付記項3の製造方法であって、
前記ライナー部材が取付けられない前記凹セグメントの中から、前記中間延設部の前記長手方向についての前記寸法及び前記中間延設部の前記長手方向に垂直な前記断面積の少なくとも一方が調整される前記少なくとも1つの凹セグメントを選択することを具備する。
【0078】
(付記項5)
付記項4の製造方法であって、
選択された前記凹セグメントのそれぞれにおいて、前記中間延設部の前記長手方向についての前記寸法を、前記所定の長さとは異ならせること、及び、
選択された前記凹セグメントのそれぞれにおいて、前記中間延設部の前記長手方向に垂直な前記断面積を、前記所定の断面積とは異ならせること、
の少なくとも一方を行うことを、具備する。