特許第6242570号(P6242570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242570
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】画像読取装置、及び紙葉類処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20171127BHJP
   G07D 7/12 20160101ALI20171127BHJP
   G07D 7/20 20160101ALI20171127BHJP
【FI】
   H04N1/04 106A
   G07D7/12
   G07D7/20
   H04N1/12 Z
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-196535(P2012-196535)
(22)【出願日】2012年9月6日
(65)【公開番号】特開2014-53739(P2014-53739A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年3月6日
【審判番号】不服2016-15324(P2016-15324/J1)
【審判請求日】2016年10月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】猪狩 精司
(72)【発明者】
【氏名】三浦 淳二
【合議体】
【審判長】 篠原 功一
【審判官】 清水 正一
【審判官】 冨田 高史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−199182(JP,A)
【文献】 特開平8−139848(JP,A)
【文献】 特開平9−284489(JP,A)
【文献】 特開2001−285586(JP,A)
【文献】 特開2003−244434(JP,A)
【文献】 特開2007−179101(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/031242(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 - 1/20
G07D 7/00 - 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送部により搬送される紙葉類に可視光と赤外光とを照射する照明部と、
前記紙葉類により反射された可視光及び赤外光を受光し、可視画像と赤外画像とを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像範囲の内の前記紙葉類の側縁部と重なる位置に設けられ、可視光を拡散反射し、赤外光を前記紙葉類に比べて低い反射率で反射する赤外光低反射部と、前記紙葉類の搬送方向と直交する方向の中央部に設けられ、可視光及び赤外光を拡散反射する拡散反射部材とを有する背景部材と、
可視画像の前記拡散反射部材に対応する画素の明るさに基づいて前記撮像部により撮像した可視画像の明るさを補正し、赤外画像の前記拡散反射部材に対応する画素の明るさに基づいて前記撮像部により撮像した赤外画像の明るさを補正する補正回路と、
前記補正回路により補正された可視画像と赤外画像とのそれぞれに基づいて特徴量を算出する画像処理部と、
を具備し、
前記画像処理部は、前記赤外画像における前記紙葉類のエッジを検出し、検出されたエッジに基づいて前記可視画像及び前記赤外画像からそれぞれ前記紙葉類に対応する領域を抽出し、抽出した領域の前記可視画像及び前記赤外画像の傾き及び位置を補正し、傾き及び位置が補正された前記可視画像及び前記赤外画像のそれぞれに基づいて前記特徴量を算出する画像読取装置。
【請求項2】
前記撮像部は、
可視光を撮像し、可視画像を取得する可視光センサと、
赤外光を撮像し、赤外画像を取得する赤外光センサと、
同一の光軸で光を受光し、受光した光を可視光と赤外光とに分光し、分光された可視光を前記可視光センサに結像させ、分光された赤外光を前記赤外光センサに結像させる分光部材と、
を具備する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記画像処理部は、検出されたエッジに基づいて前記可視画像及び前記赤外画像における前記紙葉類に対応した領域のスキュー量及び位置ずれ量を検出し、前記スキュー量及び位置ずれ量に基づいて前記可視画像及び前記赤外画像における前記紙葉類に対応した領域の傾き及び位置ずれが無くなる様に前記可視画像及び前記赤外画像を補正し、傾き及び位置が補正された前記可視画像及び前記赤外画像から前記特徴量を算出する請求項に記載の画像読取装置。
【請求項4】
紙葉類を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される前記紙葉類に可視光と赤外光とを照射する照明部と、
前記紙葉類により反射された可視光及び赤外光を受光し、可視画像と赤外画像とを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像範囲の内の前記紙葉類の側縁部と重なる位置に設けられ、可視光を拡散反射し、赤外光を前記紙葉類に比べて低い反射率で反射する赤外光低反射部と、前記紙葉類の搬送方向と直交する方向の中央部に設けられ、可視光及び赤外光を拡散反射する拡散反射部材とを有する背景部材と、
可視画像の前記拡散反射部材に対応する画素の明るさに基づいて前記撮像部により撮像した可視画像の明るさを補正し、赤外画像の前記拡散反射部材に対応する画素の明るさに基づいて前記撮像部により撮像した赤外画像の明るさを補正する補正回路と、
前記補正回路により補正された可視画像と赤外画像とのそれぞれに基づいて特徴量を算出する画像処理部と、
前記特徴量と、予め設定されたパラメータとに基づいて、紙葉類を識別する識別部と、
前記識別部の識別結果に基づいて、前記紙葉類を区分する区分処理部と、
を具備し、
前記画像処理部は、前記赤外画像における前記紙葉類のエッジを検出し、検出されたエッジに基づいて前記可視画像及び前記赤外画像からそれぞれ前記紙葉類に対応する領域を抽出し、抽出した領域の前記可視画像及び前記赤外画像の傾き及び位置を補正し、傾き及び位置が補正された前記可視画像及び前記赤外画像のそれぞれに基づいて前記特徴量を算出する紙葉類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像読取装置、及び紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の紙葉類の検査を行う紙葉類処理装置が実用化されている。紙葉類処理装置は、紙葉類の画像を読み取る画像読取装置を有する。紙葉類処理装置は、投入部に投入された紙葉類を1枚ずつ取り込み、画像読取装置に搬送する。
【0003】
画像読取装置は、照明とセンサとを備える。画像読取装置は、照明から搬送される紙葉類に光を照射し、センサにより反射光から紙葉類の光学的な特徴(特徴量)を検出する。紙葉類処理装置は、予め設定された種々のパラメータと、検出された特徴量との比較を行うことにより、紙葉類を識別する。また、画像読取装置は、安定して紙葉類から画像を読み取るための基準色部(例えば白色部)を有する背景板を備える。画像読取装置は、基準色部からの光に応じて画像を補正する。
【0004】
また、紙葉類が高速で搬送される場合、傾き(スキュー)及びずれ(スライド)が生じる。そこで、画像読取装置は、紙葉類の搬送時のエッジを検出し、検出されたエッジから紙葉類のスキュー及びスライドを検出し、検出したスキュー及びスライドに基づいて紙葉類の画像を補正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−199182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像読取装置の背景板は、紙葉類のエッジを検出する為に、反射光がセンサに入射しないように黒色領域が配置された領域を有する。しかし、背景板に黒色領域が配置されている場合、紙葉類の画像に影響を与えると言う課題がある。
【0007】
そこで、より高い精度で画像を読み取る画像読取装置、及び紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る画像読取装置は、搬送部により搬送される紙葉類に可視光と赤外光とを照射する照明部と、前記紙葉類により反射された可視光及び赤外光を受光し、可視画像と赤外画像とを撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像範囲の内の前記紙葉類の側縁部と重なる位置に設けられ、可視光を拡散反射し、赤外光を前記紙葉類に比べて低い反射率で反射する赤外光低反射部と、前記紙葉類の搬送方向と直交する方向の中央部に設けられ、可視光及び赤外光を拡散反射する拡散反射部材とを有する背景部材と、可視画像の前記拡散反射部材に対応する画素の明るさに基づいて前記撮像部により撮像した可視画像の明るさを補正し、赤外画像の前記拡散反射部材に対応する画素の明るさに基づいて前記撮像部により撮像した赤外画像の明るさを補正する補正回路と、前記補正回路により補正された可視画像と赤外画像とのそれぞれに基づいて特徴量を算出する画像処理部と、を具備し、前記画像処理部は、前記赤外画像における前記紙葉類のエッジを検出し、検出されたエッジに基づいて前記可視画像及び前記赤外画像からそれぞれ前記紙葉類に対応する領域を抽出し、抽出した領域の前記可視画像及び前記赤外画像の傾き及び位置を補正し、傾き及び位置が補正された前記可視画像及び前記赤外画像のそれぞれに基づいて前記特徴量を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置について説明するための図である。
図2図2は、一実施形態に係る画像読取装置について説明するための図である。
図3図3は、一実施形態に係る画像読取装置について説明するための図である。
図4図4は、一実施形態に係る画像読取装置について説明するための図である。
図5図5は、一実施形態に係る画像読取装置について説明するための図である。
図6図6は、一実施形態に係る画像読取装置について説明するための図である。
図7図7は、一実施形態に係る画像読取装置について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る画像読取装置、及び紙葉類処理装置について詳細に説明する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る紙葉類処理装置100の構成例を示す。
紙葉類処理装置100は、画像読取装置による検出結果に基づいて、紙葉類1の券種(denomination)及び世代(generation)などのカテゴリ(category)、紙葉類1の真偽(authentication)、並びに、紙葉類1の正損(fitness)などを識別することができる。
【0012】
紙葉類処理装置100は、供給部10、分離ローラ11、搬送系12、第1のゲート13、第1のスタッカ14、第2のゲート15、第2のスタッカ16、画像読取部20、制御部40、バッファメモリ50、辞書記憶部60、操作部70、表示部80、及び入出力部90を備える。また、紙葉類処理装置100は、第2のゲート15の後段に図示しない裁断部を備える。
【0013】
制御部40は、紙葉類処理装置100の各部の動作を統合的に制御する。制御部40は、CPU、ランダムアクセスメモリ、プログラムメモリ、及び不揮発性メモリなどを備える。CPUは、種々の演算処理を行う。ランダムアクセスメモリは、CPUにより行われる演算の結果を一時的に記憶する。プログラムメモリ及び不揮発性メモリは、CPUが実行する種々のプログラム及び制御データなどを記憶する。制御部40は、CPUによりプログラムメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理を行うことができる。
【0014】
供給部10は、紙葉類処理装置100に取り込む紙葉類1をストックする。供給部10は、重ねられた状態の紙葉類1をまとめて受け入れる。
【0015】
分離ローラ11は、供給部10の下端に設置される。供給部10に紙葉類1が投入される場合、投入された紙葉類1の集積方向の下端に接する。分離ローラ11は、回転することにより、供給部10にセットされる紙葉類1を集積方向の下端から1枚ずつ紙葉類処理装置100の内部に取り込む。
【0016】
分離ローラ11は、たとえば、1回転するごとに1枚の紙葉類1を取り込む。これにより、分離ローラ11は、紙葉類1を一定のピッチで取り込む。分離ローラ11により取り込まれた紙葉類1は、搬送系12に導入される。
【0017】
搬送系12は、紙葉類1を紙葉類処理装置100内の各部に搬送する搬送部である。搬送系12は、図示しない搬送ベルト及び図示しない駆動プーリなどを備える。搬送系12は、図示しない駆動モータにより駆動プーリを駆動する。搬送ベルトは、駆動プーリにより動作する。
【0018】
搬送系12は、分離ローラ11により取り込む紙葉類1を搬送ベルトにより一定速度で搬送する。なお、搬送系12において分離ローラ11に近い側を上流側、逆側を下流側として説明する。
【0019】
画像読取部20は、搬送系12により搬送される紙葉類1から画像を取得する。画像読取部20は、例えば、カメラ、照明、背景板、画像取得部、画像処理部、及び制御部を備える。カメラ及び照明と背景板とは、互いに搬送系12を挟んで対向する位置に配置される。カメラは、例えば、Charge Coupled Device(CCD)またはCMOSなどのラインイメージセンサと、光をセンサに結像させるレンズとを備える。レンズは、紙葉類1上の反射光と、背景板上の反射光とを受光し、センサに結像させる。センサは、結像された光に応じて電気信号を生成し、画像を取得する。これにより、画像読取部20は、搬送系12により搬送される紙葉類1の画像を読み取る。
【0020】
さらに、画像読取部20は、取得した画像から特徴量を算出する。画像読取部20は、算出した特徴量と、画像とを制御部40に供給する。
【0021】
制御部40は、供給された特徴量に基づいて、紙葉類1の真偽を識別する。即ち、制御部40は、紙葉類1が真券(genuine)であるか、偽券(counterfeit)であるか識別する。
【0022】
また、制御部40は、供給された特徴量に基づいて、紙葉類1の券種及び世代などのカテゴリを識別する。
【0023】
さらに、制御部40は、供給された特徴量に基づいて、紙葉類1の正損を識別する。即ち、制御部40は、紙葉類1が再流通(recirculation)可能な正券(fit sheet)であるか、再流通不可能な損券(unfit sheet)であるかを識別する。
【0024】
第1のゲート13及び第2のゲート15は、搬送系12の画像読取部20より下流に設けられる。第1のゲート13及び第2のゲート15は、それぞれ制御部40の制御に基づいて動作する。制御部40は、紙葉類1に対する各種の識別の結果に応じて第1のゲート13及び第2のゲート15を制御する。
【0025】
第1のゲート13は、紙葉類1の搬送先を第1のスタッカ14と第2のゲート15とで切り替える。また、第2のゲート15は、紙葉類1の搬送先を第2のスタッカ16と裁断部とで切り替える。
【0026】
制御部40は、正券と判定した紙葉類1を第1のスタッカ14または第2のスタッカ16に搬送するように、第1のゲート13及び第2のゲート15を制御する。即ち、制御部40は、正券を種類毎に区分けして集積するように各部を制御する。
【0027】
また、制御部40は、損券と判定した紙葉類1を第2のゲート15の後段に設けられる裁断部に搬送するように、第1のゲート13及び第2のゲート15を制御する。即ち、制御部40は、損券と判定した紙葉類1を裁断部に搬送し、裁断部により裁断するように各部を制御する。
【0028】
バッファメモリ50は、種々の処理結果を記憶する。例えば、バッファメモリ50は、画像読取部20により取得された画像を記憶する。また、バッファメモリ50は、画像から算出された特徴量などを記憶する。なお、バッファメモリ50は、制御部40が備えるランダムアクセスメモリまたは不揮発性メモリなどにより代用されてもよい。
【0029】
辞書記憶部60は、上記の識別処理に用いられる種々のパラメータを記憶する。辞書記憶部60は、例えば、紙葉類のカテゴリ毎にパラメータを予め記憶する。制御部40は、辞書記憶部60により記憶されているパラメータと、上記の特徴量とに基づいて識別処理を行う。これにより、制御部40は、紙葉類のカテゴリ、真偽、及び正損を識別することができる。
【0030】
操作部70は、オペレータによる各種操作入力を操作部により受け付ける。操作部70は、オペレータにより入力される操作に基づいて操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部40に伝送する。表示部80は、制御部40の制御に基づいて種々の画面を表示する。例えば、表示部80は、オペレータに対して各種の操作案内、及び処理結果などを表示する。なお、操作部70と表示部80とは、タッチパネルとして一体に形成されていてもよい。
【0031】
入出力部90は、紙葉類処理装置100に接続される外部機器、または記憶媒体とデータの送受信を行う。例えば、入出力部90は、ディスクドライブ、USBコネクタ、LANコネクタ、またはデータの送受信が可能な他のインターフェースなどを備える。紙葉類処理装置100は、入出力部90に接続される外部機器、または記憶媒体からデータを取得することができる。また、紙葉類処理装置100は、入出力部90に接続される外部機器、または記憶媒体に処理結果を伝送することもできる。
【0032】
図2は、画像読取部(画像読取装置)20の例を示す。
画像読取部20は、照明22、カメラ23、画像取得部24、画像処理部25、及び背景板27を備える。画像読取部20は、搬送系12により図2に示す矢印Aの方向に搬送されている紙葉類1から画像を読み取る。
【0033】
照明22は、搬送系12により搬送されている紙葉類1に対して光を照射する。照明22は、少なくともカメラ23の読取範囲より広い照射範囲に対して光を照射する。また、照明22は、少なくとも可視光と赤外光とを同時に紙葉類1に対して照射することができる構成を備える。
【0034】
照明22は、光源と、光学系とを備える。光源は、光を射出する素子である。例えば、光源は、LED、有機EL、冷陰極管、ハロゲン光源、蛍光灯、または他の発光素子及びその組み合わせを備える。光学系は、光源から放射された光を集光及び導光し、カメラ23の読取範囲に照射させる。
【0035】
カメラ23の読取範囲に紙葉類1が存在する場合、照明22の光は、紙葉類1に照射される。紙葉類1に照射された光の一部は、紙葉類1の表面で反射する。また、紙葉類1に照射された光の一部は、紙葉類1を透過する。
【0036】
カメラ23は、CCD、またはCMOSなどのフォトダイオードがライン状に配列されたフォトダイオードアレイ(ラインイメージセンサ)と、このラインイメージセンサに光を結像させる例えばレンズなどの光学系とを備える。ラインイメージセンサは、受光した光を電気信号、即ち画像に変換するライン状に配列された複数の撮像素子(画素)を備える。
【0037】
ラインイメージセンサは、受光した光に応じて電荷を蓄積する。また、カメラ23は、ラインイメージセンサの各画素に蓄積された電荷に応じたアナログの電圧レベルを所定のタイミングで画像取得部24に出力する。
【0038】
なお、カメラ23は、複数のセンサにより同軸で入射した光を撮像する機能を有する。この為に、カメラ23は、複数のラインイメージセンサを備える。また、光学系は、1つの光軸で入射した光を分光し、複数のラインイメージセンサに結像させることができる。カメラ23の構成については後述する。
【0039】
画像取得部24は、カメラ23から供給されたアナログ信号をA/D変換し、さらにAGC補正などの補正を行う。画像取得部24は、カメラ23から連続的に供給されたアナログ信号に対してA/D変換及びAGC補正を行い、画像を取得することができる。
【0040】
画像処理部25は、画像取得部24により取得した画像に基づいて、紙葉類1の位置の検出(スライド量の検出)、傾きの検出(スキュー量の検出)、画像の補正、及び画像特徴量の演算を行なう。画像処理部25は、制御部40に算出した特徴量を送信する。
【0041】
制御部40は、供給された特徴量に基づいて、紙葉類1の真偽、券種、及び正損などを識別する。
【0042】
図2及び図3に示すように、背景板(背景部材)27は、細長い矩形状である。背景板27は、カメラ23の撮像範囲を含む位置に設けられ、紙葉類1の搬送方向aに直交する方向で紙葉類1の搬送エリアの先まで延出している。背景板27は、紙葉類1と対向する面を有する。背景板27の紙葉類1と対向する面には、光を拡散反射、且つ、高反射率で反射する拡散反射部28と、特定の波長域の光の反射率が低い特定波長低反射部29とが設けられている。
【0043】
拡散反射部28は、白基準部として機能し、照明2から入射された光を様々な方向へ反射させる。拡散反射部28は、照明2から入射した可視光の波長域の光と、赤外光の波長域の光とを拡散反射する。
【0044】
特定波長低反射部29は、特定の波長域の光を吸収し、その他の波長域の光を拡散反射する。特定波長低反射部29は、照明2から入射した可視光の波長域の光を拡散反射し、赤外光の波長域の光を反射させないように吸収する。特定波長低反射部29は、赤外光を紙葉類1に比べて低い反射率で反射する素材により構成されている。即ち、特定波長低反射部29は、赤外光を紙葉類1に比べて低い反射率で反射する赤外光低反射部である。
【0045】
特定波長低反射部29は、例えば、背景板27の長手方向の両端部に設けられている。各特定波長低反射部29は、搬送される紙葉類1の側縁部と重なる位置に設けられている。また、背景板27の表面の特定波長低反射部29を除く領域には、拡散反射部28が設置されている。即ち、特定波長低反射部29と拡散反射部28は、並んで設置されている。
【0046】
なお、カメラ23の撮像範囲に搬送される紙葉類1は、図3に示すように、傾きのない通常搬送状態の他に、位置ずれ、若しくは傾きが生じた状態、即ち、スライド/スキュー搬送状態(斜め搬送状態)で搬送される場合がある。この為、背景板27の特定波長低反射部29は、搬送される紙葉類1の側縁部と重なる可能性のある位置bを含むように設置されている。
【0047】
背景板27の特定波長低反射部29は、図4に示されるように、基材としての背景板27のカメラ23と対向する側に特定の波長を吸収する材料が設置されて構成される。
【0048】
上記したように、照明22は、可視光と赤外光とを紙葉類1及び背景板27に照射する。カメラ23の読み取り位置に紙葉類1が存在する場合、照明22から放出された可視光及び赤外光の一部は、紙葉類1の表面で拡散反射する。
【0049】
また、照明22から放出された可視光及び赤外光の一部は、紙葉類1を透過し、紙葉類1の背後にある背景板27に照射する。紙葉類1を透過した可視光及び赤外光は、背景板27の拡散反射部28に照射された場合拡散反射する。またさらに、紙葉類1を透過した可視光は、背景板27の特定波長低反射部29に照射された場合拡散反射される。またさらに、紙葉類1を透過した赤外光は、背景板27の特定波長低反射部29に照射された場合特定波長低反射部29により吸収される。
【0050】
カメラ23は、レンズ231、複数のセンサ232、及び分光部材233を備える。レンズ231は、光を受光し、受光した光をセンサ232に結像させる光学系である。レンズ231は、所定の範囲から光を受光し、センサ232に結像させる。
【0051】
カメラ23は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)、及び赤外(IR)の光をそれぞれ検出する複数のラインイメージセンサ232を備える。即ち、カメラ23は、赤色を検出してR信号を生成するラインイメージセンサ232r、緑色を検出してG信号を生成するラインイメージセンサ232g、青色を検出してB信号を生成するラインイメージセンサ232b、及び赤外光を検出してIR信号を生成するラインイメージセンサ232irを備える。
【0052】
分光部材233は、1つの光軸で入射した光を赤、緑、青、及び赤外光の4つの波長域の光に分光するプリズムを有する。分光部材233は、入射した光から赤色の光を分光し、分光した光をラインイメージセンサ232rに結像させる。分光部材233は、入射した光から緑色の光を分光し、分光した光をラインイメージセンサ232gに結像させる。分光部材233は、入射した光から青色の光を分光し、分光した光をラインイメージセンサ232bに結像させる。分光部材233は、入射した光から赤外光を分光し、分光した光をラインイメージセンサ232irに結像させる。即ち、分光部材233は、同一の光軸で入射した光を異なる波長を有する複数の光に分光する。
【0053】
カメラ23は、ラインイメージセンサ232r、232g、及び232bにより検出した信号を可視画像用の電気信号として画像取得部24に出力する。画像取得部24は、可視画像用の電気信号に基づいて、可視画像を取得することができる。
【0054】
また、カメラ23は、ラインイメージセンサ232irにより検出した信号を赤外画像(IR画像)用の電気信号として画像取得部24に出力する。画像取得部24は、赤外画像用の電気信号に基づいて、赤外画像を取得することができる。
【0055】
カメラ23の読み取り位置に紙葉類1が存在しない場合、照明22から放出された可視光及び赤外光は、背景板27に照射される。背景板27の特定波長低反射部29に照射された可視光は、特定波長低反射部29により拡散反射される。また、背景板27の特定波長低反射部29に照射された赤外光は、特定波長低反射部29により吸収される。
【0056】
即ち、カメラ23の撮像範囲に紙葉類1が存在する場合、紙葉類1の表面で拡散反射した可視光及び赤外光がカメラ23のレンズ231に入射する。また、カメラ23の撮像範囲に紙葉類1が存在する場合、紙葉類1を透過し、背景板27の拡散反射部28及び特定波長低反射部29により反射された可視光がカメラ23のレンズ231に入射する。
【0057】
また、カメラ23の撮像範囲に紙葉類1が存在しない場合、背景板27の拡散反射部28及び特定波長低反射部29により反射された可視光がカメラ23のレンズ231に入射する。またさらに、カメラ23の撮像範囲に紙葉類1が存在しない場合、背景板27の拡散反射部28により反射された赤外光がカメラ23のレンズ231に入射する。
【0058】
即ち、背景板27の特定波長低反射部29上では、赤外光が反射されない。この為、カメラ23の撮像範囲に紙葉類1が存在しない場合、特定波長低反射部29からは赤外光がカメラ23のレンズ231に入射しない。この為、特定波長低反射部29は、赤外光を撮像したIR画像上では黒色として写る。また、カメラ23の撮像範囲に紙葉類1が存在する場合、紙葉類1上で反射された赤外光がカメラ23のレンズ231に入射する。この為、紙葉類1は、赤外光を撮像したIR画像上では白色として写る。
【0059】
また、背景板27の特定波長低反射部29は、紙葉類1を透過した可視光を拡散反射し、再び紙葉類1に裏面から入射させることができる。この結果、背景板27は、紙葉類1の裏当てが拡散反射部28である箇所と特定波長低反射部29である箇所とでの輝度の差を少なくすることができる。
【0060】
図5及び図6は、カメラ23により撮像された画像の例を示す。図5は、カメラ23により撮像された可視画像の例を示す。また、図6は、カメラ23により撮像されたIR画像の例を示す。
【0061】
図5に示されるように、可視画像には、紙葉類1と背景板27の拡散反射部28及び特定波長低反射部29とが写りこんでいる。なお、上記したように、背景板27の拡散反射部28及び特定波長低反射部29は、可視光を拡散反射する。この為、可視画像では、背景板27の拡散反射部28と特定波長低反射部29との間に輝度の差が生じない。またさらに、紙葉類1の拡散反射部28と重なる領域と、紙葉類1の特定波長低反射部29と重なる領域と、の間にも輝度の差が生じない。この結果、背景板27は、可視光波長域では、拡散反射部28と特定波長低反射部29との領域の影響を紙葉類1の画像に与えないように白色板として機能することができる。
【0062】
また、図6に示されるように、IR画像には、紙葉類1と背景板27の拡散反射部28及び特定波長低反射部29とが写りこんでいる。なお、図6に示されたIR画像及び図5に示された可視光画像は、同じタイミングで撮像された画像である。なお、上記したように、背景板27の拡散反射部28は赤外光を拡散反射し、特定波長低反射部29は赤外光を吸収する。この為、赤外画像では、背景板27の拡散反射部28が白色として写り、特定波長低反射部29が黒色として写る。
【0063】
また、紙葉類1は、赤外光を拡散反射する。この為、赤外画像では、紙葉類1は白色(または白色に近い色)として写る。この結果、IR画像では、紙葉類1と特定波長低反射部29との間で大きな輝度の差が生じる。これにより、カメラ23は、紙葉類1のエッジを検出する為の画像を取得することができる。
【0064】
図7は、画像読取部20の信号処理の例を示す。
画像取得部24は、アンプ241、アナログ/ディジタル変換回路(A/D変換回路)242、及び補正回路243を備えている。
【0065】
アンプ241は、カメラ23からの入力信号(画像)を増幅して出力信号として出力する。A/D変換回路242は、入力信号であるアナログ信号をディジタル信号に変換して出力信号として出力する。補正回路243は、予め記憶されているカメラ23の各撮像素子の特性に基づいて入力信号のムラを補正する。また、補正回路243は、カメラ23から受信した画像のうちの背景板27の拡散反射部28に対応する画素の明るさと、規定の明るさの値とに基づいて、アンプ241の増幅率を算出し補正する。即ち、補正回路243は、カメラ23から受信した画像のうちの背景板27の拡散反射部28に対応する画素の明るさが規定の明るさの値になるように補正を行なう。
【0066】
また、画像処理部25は、位置・傾き検出部251、位置・傾き補正部252、及び画像特徴量演算部253を備えている。
【0067】
位置・傾き検出部251は、画像取得部24から受信したIR画像に基づいて、搬送された紙葉類1のエッジを検出する。これにより、位置・傾き検出部251は、紙葉類1の搬送時の位置ずれ(スライド量)、及び傾き(スキュー量)を検出する。なお、位置・傾き検出部251は、IR画像の特定波長低反射部29に対応する領域の輝度と、紙葉類1に対応する領域の輝度との差に基づいて、紙葉類1のエッジを検出する。
【0068】
位置・傾き補正部252は、位置・傾き検出部251により検出した紙葉類1の位置ずれ、及び傾きが無くなる様に可視画像及びIR画像を補正する。位置・傾き補正部252は、位置・傾き検出部251により検出された紙葉類1のエッジに基づいて、紙葉類1に対応する領域を可視画像及びIR画像からそれぞれ抽出する。位置・傾き補正部252は、位置・傾き検出部251により検出したスライド量及びスキュー量に基づいて、可視画像及びIR画像からそれぞれ抽出された紙葉類1の画像を補正する。これにより、位置・傾き補正部252は、ずれ及び傾きの無い紙葉類1の可視画像及び紙葉類1のIR画像を取得することができる。
【0069】
画像特徴量演算部253は、紙葉類1の可視画像及び紙葉類1のIR画像から、それぞれ特徴量を算出する。画像特徴量演算部253は、紙葉類1の可視画像及び紙葉類1のIR画像をそれぞれ空間ベクトルまたは他の数値などに変換することにより、それぞれの特徴量を算出する。画像特徴量演算部253は、算出した特徴量を制御部40に送信する。
【0070】
上記したように、制御部40は、画像読取部20から供給された特徴量をバッファメモリ50に記憶する。また、制御部40は、辞書記憶部60に記憶されている判定基準としてのパラメータを読み出す。
【0071】
制御部40は、辞書記憶部60から読み出したパラメータと、バッファメモリ50に格納した特徴量とを比較する。制御部40は、比較結果に基づいて、紙葉類1の券種、紙葉類1の真偽、及び紙葉類1の正損などを判定する。
【0072】
上記したように、画像読取部20は、カメラ23の撮像範囲に対応する背景板27上の領域に特定の波長の光を吸収する特定波長低反射部29と、拡散反射部28とを備える。さらに、特定波長低反射部29は、搬送される紙葉類1の側縁部と重なる可能性のある範囲に設けられている。背景板27は、全域で可視光を拡散反射し、且つ、特定波長低反射部29上で赤外光が反射されないように構成されている。この結果、画像読取部20は、赤外光により紙葉類1のエッジを容易に検出することができる。また、画像読取部20は、より背景板27の影響が少ない紙葉類1の可視画像を取得することができる。
【0073】
これにより、画像読取部20は、紙葉類1の画像の傾きをより容易に補正することができ、且つより鮮明な紙葉類1の画像を取得することができる。この結果、より高い精度で画像を読み取る画像読取装置、及び紙葉類処理装置を提供することができる。
【0074】
なお、上記した実施形態では、画像読取部20のカメラ23は、分光部材233により1つの光軸で受光した光を4tの波長域の光に分光する構成であるとして説明したが、この構成に限定されない。分光部材233は、さらに多色の光に分光する構成であってもよい。この場合、画像読取部20のカメラ23は、1つの光軸で入射した光を各色に分光する分光部材233と、各色に対応した複数のラインイメージセンサ232を備える。
【0075】
また、上記した実施形態では、背景板27は、背景板27の長手方向の両端部に設けられた特定波長低反射部29と、背景板27の表面の特定波長低反射部29を除く領域に設けられた拡散反射部28とを備える構成であると説明したが、この構成に限定されない。特定波長低反射部29は、背景板27の全域にわたって設けられていてもよい。この場合、裏当てが均一となるため、画像読取部20は、より均一な紙葉類1のIR画像を取得することができる。
【0076】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…紙葉類、2…照明、10…供給部、11…分離ローラ、12…搬送系、13…第1のゲート、14…第1のスタッカ、15…第2のゲート、16…第2のスタッカ、20…画像読取部、22…照明、23…カメラ、24…画像取得部、25…画像処理部、27…背景板、28…拡散反射部、29…特定波長低反射部、40…制御部、50…バッファメモリ、60…辞書記憶部、70…操作部、80…表示部、90…入出力部、100…紙葉類処理装置、231…レンズ、232…ラインイメージセンサ、232r…ラインイメージセンサ、232g…ラインイメージセンサ、232b…ラインイメージセンサ、232ir…ラインイメージセンサ、233…分光部材、241…アンプ、242…アナログディジタル変換回路、243…補正回路、251…位置・傾き検出部、252…位置・傾き補正部、253…画像特徴量演算部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7