特許第6242573号(P6242573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242573
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】車路認識方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20171127BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20171127BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20171127BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
   B60R1/00 A
   B60R21/00 624F
   B60R21/00 624B
   G06T1/00 330A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-270596(P2012-270596)
(22)【出願日】2012年12月11日
(65)【公開番号】特開2014-86071(P2014-86071A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年7月30日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0119992
(32)【優先日】2012年10月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100176603
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 允史
(72)【発明者】
【氏名】呉榮哲
(72)【発明者】
【氏名】兪炳▲ヨン▼
【審査官】 相羽 昌孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−048641(JP,A)
【文献】 特開2001−124570(JP,A)
【文献】 特開平05−342500(JP,A)
【文献】 特開2008−273251(JP,A)
【文献】 特開2007−310595(JP,A)
【文献】 特開平10−031799(JP,A)
【文献】 特開2005−010892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
B60R 1/00
B60R 21/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行方向の道路の左側及び右側にある固定物の位置を検出する対象検出器(object detector)と、前方の路面映像を撮影する映像撮影機とを利用して、車両が位置した車路を認識する方法であって、
前記対象検出器によって前記固定物の位置を得る段階;
前記映像撮影機によって前記前方の路面映像を得る段階;
前記左側及び右側にある前記固定物の位置に基づいて走行道路の全体幅Widthを計算する段階;
前記路面映像から走行車路の幅Lane_Wを計算する段階;及び
前記計算された走行車路の幅Lane_Wと前記走行道路の全体幅Widthに基づいて前記車両が位置している車路Current_Laneを計算する段階;
を含み、
前記対象検出器はドップラー効果を利用するレーダーであって、
前記固定物の位置を得る段階は、
前記車両から一定距離の前方に位置した左側及び右側の固定物から反射して受信された各レーダービームと前記車両の進行方向との間に形成する左側偏向角度Angle_L及び右側偏向角度Angle_Rを検出する段階を含み、
前記走行道路の全体幅を計算する段階は、
前記反射して受信されたレーダービームから前記左側固定物及び右側固定物と前記レーダーとの間の距離Distance_L、Distance_Rを計算する段階と、
前記計算された左側固定物及び右側固定物と前記レーダーとの間の距離と、前記左側偏向角度及び右側偏向角度と、を利用して前記走行道路の全体幅Widthを得る段階と、を含み、
前記車両が位置している車路Current_Laneを計算する段階は、
前記左側偏向角度Angle_L及び右側偏向角度Angle_R、前記走行道路の全体幅Width、前記左側固定物及び右側固定物と前記レーダーとの間の距離Distance_L、Distance_R、及び前記走行車路の幅Lane_Wを利用して前記車路Current_Laneを計算することを特徴とする、車路認識方法。
【請求項2】
前記左側固定物は中央分離帯であり、前記右側固定物はガードレールであって、
前記レーダービームが受信されなければ、走行車路の認識を終了する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の車路認識方法。
【請求項3】
前記走行道路の全体幅を計算する段階は、
下記公式によって計算することを特徴とする、請求項1に記載の車路認識方法。
Width=(Distance_L×sin(Angle_L))+(Distance_R×sin(Angle_R))
【請求項4】
前記車両が位置している車路を計算する段階は、
前記計算された走行道路の全体幅と前記走行車路の幅Lane_Wに基づいて前記走行道路の全体車路数Total_Laneを計算する段階を含むことを特徴とする、請求項3に記載の車路認識方法。
【請求項5】
前記走行道路の全体車路数Total_Laneを計算する段階は、
前記走行道路の全体幅Widthを前記走行車路の幅Lane_Wで割って、割った商の整数値を前記全体車路数Total_Laneとすることを特徴とする、請求項4に記載の車路認識方法。
【請求項6】
前記車両が位置している車路Current_Laneを計算する段階は、下記公式;
(Current_Lane−0.5)×Lane_W=Distance_L×sinAngle_L
によって計算することを特徴とする、請求項3に記載の車路認識方法。
【請求項7】
車両に備えて、道路の左側及び右側に設けられた固定物の位置を検出する対象検出器;
車両に備えて、前記道路の路面映像を撮影する映像撮影機;及び
前記対象検出器及び前記映像撮影機の信号から前記車両が位置している車路を認識する制御器を含み、
前記制御器は、設定されたプログラムによって動作する一つ以上のマイクロプロセッサーであって、前記設定されたプログラムは、請求項1乃至6のいずれか一項の方法を行うための一連の命令を含むことを特徴とする、車路認識システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダーとカメラを利用して、車両が位置している車路(lane)を認識する車路認識方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、運転者は車両の運行中に車両が走行中の車路(lane)から外れないように、つまり、車路を離脱することなく当該走行車路を維持し続けるように注意しながら運転をする。
【0003】
このように運転者が運転中に車両が車路から外れないように継続的に注意を注ぐ理由は、車路離脱時に発生しうる交通事故を防止するためである。
【0004】
しかし、運転者は正常ではない道路区間を走行する時、または悪天候の状況で走行したり、居眠り運転をしたりする時、車路離脱を事前に認識できないため、大型事故を招く恐れがある。
【0005】
このような車路離脱による事故の問題点を解決するために、走行中に車路を認識して運転者が車路を離脱しないための役立つ車路(または車線)認識システムが多様に開発されて適用されている。
【0006】
しかし、従来の技術の実施例による車路認識システムは、通常、GPSと地図データを利用していて、費用経済的な側面及び利用側面で問題点が発生している。
【0007】
つまり、従来の技術の実施例による車路認識システムに適用されるGPSは、一般に数m〜数十m(例;5〜15m)の誤差を有しており、基地局との距離によって誤差が累積して車路を正確に認識するのに限界がある。
【0008】
また、従来の技術の実施例による車路認識システムは、車両の位置情報をGPSを基盤として獲得するため、走行中の車両が何車線に位置しているかを認識できなくて、初めて行く道及び複雑な交差路の運行中における運転者の車路変更時、適切に役立つことができないという問題点がある。
【0009】
この背景技術の部分に記載された事項は、発明の背景に対する理解を増進させるために作成されたもので、この技術が属する分野における通常の知識を有する者に既に知られた従来の技術ではない事項を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、レーダーを利用して固定障害物(例;ガードレール、中央分離帯)の位置を認識して、ガードレール及び/または中央分離帯を基準に走行方向の道路の全体幅を計算し、カメラを利用して現在の走行車路幅を検出すると共に、これより走行方向の道路の全体車路数及び自車が位置した車路を認識できる車路認識方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明の実施例による車路認識方法は、走行方向の道路の左側及び右側にある固定物の位置を検出する対象検出器(object detector)と、前方の路面映像を撮影する映像撮影機とを利用して、車両が位置した車路を認識する方法であって、前記対象検出器によって前記固定物の位置を得る段階;前記映像撮影機によって前記前方の路面映像を得る段階;前記左側及び右側にある前記固定物の位置に基づいて走行道路の全体幅Widthを計算する段階;前記路面映像から走行車路の幅Lane_Wを計算する段階;及び前記計算された走行車路の幅Lane_Wと前記走行道路の全体幅Widthに基づいて前記車両が位置している車路Current_Laneを計算する段階;を含むことができる。
【0012】
前記対象検出器はドップラー効果を利用するレーダーであって、前記固定物の位置を得る段階は、前記車両から一定距離の前方に位置した左側及び右側にある前記固定物から反射して受信されたレーダービーム間に形成するレーダービーム間角度を計算する段階;前記車両から一定距離の前方に位置した前記左側固定物及び右側固定物から反射して受信された各レーダービームと前記車両の進行方向との間に形成する左側偏向角度Angle_L及び右側偏向角度Angle_Rを検出する段階;及び前記レーダービーム間角度、前記左側偏向角度及び右側偏向角度に基づいて前記固定物の位置を計算する段階;を含むことができる。
【0013】
前記左側固定物は中央分離帯であり、前記右側固定物はガードレールであって、前記レーダービームが受信されなければ、走行車路の認識を終了する段階を含むことができる。
【0014】
前記走行道路の全体幅を計算する段階は、前記反射して受信されたレーダービームから前記左側固定物及び右側固定物と前記レーダーとの間の距離Distance_L、Distance_Rを計算する段階;前記計算された左側固定物及び右側固定物と前記レーダーとの間の距離と、前記左側偏向角度及び右側偏向角度を変数にする下記公式によって、前記走行道路の全体幅Widthを得る段階;を含むことができる。
【0015】
Width=(Distance_L×sin(Angle_L))+(Distance_R×sin(Angle_R))
好ましくは、前記車両が位置している車路を計算する段階は、前記計算された走行道路の全体幅と前記走行車路の幅Lane_Wに基づいて前記走行道路の全体車路数Total_Laneを計算する段階を含むことができる。
【0016】
前記走行道路の全体車路数Total_Laneを計算する段階は、前記走行道路の全体幅Widthを前記走行車路の幅Lane_Wで割って、割った商の整数値を前記全体車路数Total_Laneとすることができる。
【0017】
前記車両が位置している車路Current_Laneを計算する段階は、下記公式によって計算できる。
(Current_Lane−0.5)×Lane_W=Distance_L×sin(Angle_L)
また、前記課題を解決するための本発明の他の実施例による車路認識方法は、走行方向道路の中央分離帯の位置を検出する対象検出器(objectdetector)と、前方の路面映像を撮影する映像撮影機とを利用して、車両が位置した車路を認識する方法であって、前記対象検出器によって前記中央分離帯の位置を得る段階;前記映像撮影機によって前記前方の路面映像を得る段階;前記路面映像から走行車路の幅Lane_Wを計算する段階;及び前記計算された走行車路の幅Lane_Wと前記中央分離帯の位置に基づいて前記車両が位置している車路Current_Laneを計算する段階;を含むことができる。
【0018】
そして、前記課題を解決するための本発明の他の実施例による車路認識システムは、車両に備えて、道路の左側及び右側に設けられた固定物の位置を検出する対象検出器;車両に備えて、前記道路の路面映像を撮影する映像撮影機;及び前記対象検出器及び前記映像撮影機の信号から前記車両が位置している車路を認識する制御器を含み、前記制御器は、設定されたプログラムによって動作する一つ以上のマイクロプロセッサーであって、前記設定されたプログラムは、前記本発明の実施例による車路認識方法を行うための一連の命令を含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
上述のように、本発明の実施例によれば、精密地図と精密GPS及び車路認識のためのインフラの助けがなくても、車両に具備された対象検出器(レーダー)と映像撮影機(カメラ)を利用して(自車)車両が現在位置している車路を認識することができる。
【0020】
また、本発明の実施例によれば、走行方向の道路(片道)の全体車路数、及び車両がどの車路に位置しているかを認識できるので、道路案内システム(例;ナビゲーション)及び車路変更支援システムなどに効果的に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例による車路認識システムのブロック構成図である。
図2】本発明の実施例の車路認識システムに適用されるレーダーとカメラの感知領域を示した図面である。
図3】本発明の実施例による車路認識方法のフローチャートである。
図4】本発明の実施例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明はここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化することもできる。
【0023】
明細書の全体にわたって部材番号と共に表すアルファベットL、Rは、特に他の説明がない限りそれぞれ左側(left)、右側(right)を意味する。また、明細書の全体において、ある部分がある構成要素を含むという時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことを意味する。
【0024】
図1は、本発明の実施例による車路認識システムのブロック構成図である。
【0025】
本発明の実施例による車路認識システムは、走行方向の道路(片道)の全体車路数と、車両が位置している車路を認識する車路認識システムである。
【0026】
このような本発明の実施例による車路認識システムは、車両100に備えて、道路の左側及び/または右側に設けられた固定物10L、10Rの位置を検出する対象検出器110;前記車両100に備えて、道路の路面映像を撮影する映像撮影機120;及び前記対象検出器110及び前記映像撮影機120の信号に基づいて車両100が現在位置している車路を認識する制御器130とを含む。
【0027】
前記対象検出器110は、本発明の実施例では、一例として電波反射波のドップラー効果を利用して固定物及び/または移動体の認知に幅広く利用されているレーダー(またはレーダーセンサ)に形成することができ、他の例としては前記レーダーに相当するレーダースキャナーに形成することができるが、本発明の保護範囲がこれに限定されることと理解してはならない。これとは異なる構成であっても実質的に道路の固定物である中央分離帯及び/またはガードレールの位置を検出できる構成であれば、本発明の技術的な思想が適用可能である。前記対象検出器として前記レーダーの構成及び作用に関しては当業者に自明であるので、さらなる詳細な記載を省略する。
【0028】
前記映像撮影機120は、本発明の実施例では、一例として幅広く利用されているCCD(charge coupled device)を含む映像カメラに形成することができるが、本発明の保護範囲がこれに限定されたことと理解してはならない。これとは異なる構成であっても実質的に道路の路面を撮影できる構成であれば、本発明の技術的な思想が適用可能である。前記映像撮影機として前記カメラの構成及び作用に関しては当業者に自明であるので、さらなる詳細な記載を省略する。
【0029】
前記制御器130は、設定されたプログラムによって動作する一つ以上のマイクロプロセッサーを含んで構成され、前記設定されたプログラムは、後述する本発明の実施例による車路認識方法を行うための一連の命令で形成される。
【0030】
本発明の実施例では、前記制御器130は、車両のマルチメディアを制御するマルチメディア制御システム、及び車両のボディー電装品を制御するボディー制御モジュール(BCM;body control module)に含まれて構成される。または、前記制御器130は、前記マルチメディア制御システム及びボディー制御モジュールを含むことができる。
【0031】
後述する本発明の実施例による車路認識方法において、その一部のプロセスは、カメラと係る前記マルチメディア制御システムによって行われ、他の一部プロセスは、前記レーダーと係るBCMによって行われるようにすることができる。しかし、本発明の保護範囲が後述する実施例によって限定されることと理解してはならない。本発明の実施例における説明とは異なる組み合わせで制御器を実現することができる。
【0032】
以下、本発明の実施例による車路認識方法について、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図3は、本発明の実施例による車路認識方法を示したフローチャートである。
【0034】
本発明の実施例による車路認識方法は、走行方向の道路の全体車路数及び/または車両が位置している車路を認識するプロセスで形成された車路認識方法である。
【0035】
このような本発明の実施例による車路認識方法は、レーダー110によって走行方向の左側及び/または右側にある固定物10L、10Rの位置を得る段階(S110);カメラ120によって車両100の前方の路面映像を得る段階(S210);前記左側及び/または右側にある固定物10L、10Rの位置に基づいて走行道路の全体幅Widthを計算する段階(S120);前記路面映像から走行車路の幅Lane_Wを計算する段階(S220);及び前記計算された走行車路の幅Lane_Wと前記走行道路の全体幅Widthに基づいて前記車両が位置している車路Current_Laneを計算する段階(S310);を含むことができる。
【0036】
前記固定物の位置を得る段階(S110)は、前記車両100から一定距離の前方に位置した左側及び/または右側にある固定物10L、10Rから反射して受信されたレーダービーム間に形成するレーダービーム間角度を計算する段階;前記車両100から一定距離の前方に位置した前記左側及び/または右側固定物10L、10Rから反射して受信された各レーダービームと前記車両の進行方向との間に形成する左側及び/または右側偏向角度Angle_L、Angle_Rを検出する段階;及び前記レーダービーム間角度、前記左側及び/または右側偏向角度に基づいて前記固定物の位置を計算する段階;を含むことができる。
【0037】
一方、前記固定物の位置を得る段階110は、走行車路にガードレールがない場合、前記車両100から一定距離の前方に位置した左側固定物10Lである中央分離帯から反射して受信されたレーダービームのみを受信して、その位置を計算するようにする。
【0038】
また、本発明の実施例による車路認識方法は、前記レーダービームが受信されなければ、走行車路の認識を終了する段階(S102、104)を含むことができる。
【0039】
以下、上述のように構成された本発明の実施例による車路認識方法の作用について、具体的に説明する。
【0040】
図3に示されているように、制御器130はレーダー110を制御して、車両100が走行している道路の左側及び右側に設けられた固定物である中央分離帯10Lとガードレール10Lがあるかを確認する(S102)。つまり、制御器130はレーダー110を制御してレーダービームを送出して、反射波の受信有無により中央分離帯の固定物10L及び/またはガードレールの固定物10Rがあるかを判断する。
【0041】
本発明の実施例において、車両100の左側にある固定物として前記中央分離帯を例として挙げたが、本発明の保護範囲がこれに限定されることと理解してはならない。前記中央分離帯とは異なるものでも、道路の中央を分離するための施設物であって、レーダービームを反射できる施設物であれば、本発明の技術的な思想が適用可能である。
【0042】
また、本発明の実施例において、車両100の右側にある固定物として前記ガードレールを例として挙げたが、本発明の保護範囲がこれに限定されることと理解してはならない。
前記ガードレールとは異なるものでも、道路の最右側を警戒するための施設物であって、前記レーダービームを反射できる施設物であれば、本発明の技術的な思想が適用可能である。
【0043】
前記レーダー110に前記反射波のいずれも受信されなくて、前記制御器130に前記反射波のいずれも入力されなければ、制御器130は前記レーダー110に異常があることと判断するか、または走行車路を認識するための固定物であるガードレールと中央分離帯が全てないことと判断して、本発明の実施例による車路認識のプロセスを終了する(S104)。
【0044】
一方、前記レーダー110に前記反射波が受信されれば、制御器130は左側固定物10L 及び右側固定物10Rからそれぞれ反射したレーダービーム反射波と、車両100の進行方向との間に形成する角度Angle_L、Angle_R(図4参照)を検出する(S110)。
【0045】
制御器130は、前記検出された角度Angle_L、Angle_Rに基づいて前記左側固定物10L及び右側固定物10Rの位置を計算して得ることができる(S110)。
【0046】
また、制御器130は、前記左側固定物10L及び右側固定物10Rからそれぞれ反射したレーダービーム反射波間の角度も検出する(S110)。前記検出されたこれら角度はメモリ(図示せず)に保存されて用いられる。
【0047】
これと共に、制御器130は、前記レーダービーム反射波に基づいて前記左側固定物10L及び右側固定物10Rと前記レーダー110との間の距離Distance_L、Distance_Rを計算する。前記計算された距離Distance_L、Distance_Rはメモリ(図示せず)等に保存されて用いられる。
【0048】
上記のように角度Angle_L、Angle_Rが検出されて、距離Distance_L、Distance_Rが計算されたら、制御器130は、下記公式により前記車両100が走行する方向の道路の全体幅Widthを計算して得る。
【0049】
Width=(Distance_L×sin(Angle_L))+(Distance_R×sin(Angle_R))
前記角度Angle_L、Angle_R及び距離Distance_L、Distance_R、そして道路の全体幅Widthを求めるプロセスは当業者に自明であるので、本明細書でこれに対する詳細な説明は省略する。
【0050】
一方、S102段階で左側固定物10L及び右側固定物10Rからレーダービーム反射波があれば、制御器130はカメラ120を制御して、図2に示したように車両100の前方の路面を撮影する。カメラ120が路面を撮影すれば、制御器130はカメラ120から撮影された路面映像を受信する(S210)。
【0051】
前記撮影された路面映像が制御器130に入力されれば、制御器130は入力された路面映像から車路間の幅、つまり、車路幅Lane_Wを計算する(S220)。計算された車路幅Lane_Wはメモリ(図示せず)等に保存されて用いられる。
【0052】
前記のように行って、前記角度Angle_L、Angle_R、距離Distance_L、Distance_R、道路の全体幅Width、及び車路幅Lane_Wが求められたら、制御器130は、これら値に基づいて走行方向の道路(片道)の全体車路数Tatal_Lane、及び車両100が位置している現在位置車路Current_Laneを下記公式により計算して求める(S310)。
【0053】
Total_Lane=(Width)/(Lane_W)
(Current_Lane−0.5)×Lane_W=Distance_L×sin(Angle_L)
前記全体車路数Tatal_Laneを求める時、割った商の整数値が全体車路数であり、小数点以下は車路に含まれない路肩の幅でありうる。
【0054】
前記説明では左側固定物10L及び右側固定物10Rが全てある場合、つまり、中央分離帯及びガードレールが全てある場合を例に挙げて説明したが、本発明の実施例の他の例としてガードレールはなくて中央分離帯だけがある場合に、全体車路数を計算できないが、現在車両が位置する車路を計算できる。つまり、レーダー110を利用して中央分離帯の位置を確認し、カメラ120を利用して車路幅を求めれば、制御器130は前記中央分離帯の位置から最も近い車路幅から車路番号を順に決めることができる。
【0055】
本発明の実施例の他の例として、前記のように中央分離帯だけがあって、ガードレールがない場合にも、車路番号を順に決められるので、これをナビゲーションに適用すればナビゲーションの性能が向上することができる。
【0056】
したがって、本発明の実施例は、レーダーとカメラを利用して走行道路の全体幅及び車両が位置している車路を認識することができる。このように認識された走行道路の全体車路数及び現在車両が位置している車路の情報は、ナビゲーション及び車路変更システム等に活用されるのは上述の通りである。
【0057】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0058】
100 車両
110 対象検出器(レーダー)
120 映像撮影機(カメラ)
130 制御器
図1
図2
図3
図4