(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体部は、前記外壁と前記内壁が略平行に延びる第1部分と、前記本体部の上端部に設けられ前記第1部分よりも前記外壁と前記内壁の間隔が広い第2部分とを有していることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した技術では、アッパーレールとサイドフレームが別部品であったため、乗物用シートを構成する部品が多くなってしまっていた。
【0005】
そこで、本発明は、クッションフレームが乗物の床に対してスライド移動可能な乗物用シートにおいて、部品点数を削減することができる乗物用シートを提供することを目的とする。
【0006】
そして、本発明は、サイドフレームを構成するアッパーレールの変形を抑制することができる乗物用シートを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、サイドフレームが、乗員を安定して支持することができる乗物用シートを提供することを目的とする。
【0008】
そして、本発明は、サイドフレームが、当該左右のサイドフレームを連結するパンフレームを安定して支持することができる乗物用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した目的を達成するため、本発明の乗物用シートは、前後方向に延び、乗物の床に固定された左右のロアレールと、前記ロアレールに係合し、前記ロアレールに対してスライド移動可能な左右のアッパーレールと、前記アッパーレールと一体にスライド移動可能に構成されたクッションフレームと、を備えた乗物用シートであって、前記アッパーレールは、本体部と、前記本体部の下端に設けられ、前記ロアレールに係合可能な係合部とを有し、左右の前記本体部を連結する連結部材をさらに備え、前記本体部は、上部が前記クッションフレームのサイドフレームを構成していることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、アッパーレールとサイドフレームが1部品で構成されるので、乗物用シートの部品点数を削減することができる。また、アッパーレールとサイドフレームを組み立てる工程が必要ないので、組立時の作業性が向上する。
【0011】
前記した乗物用シートにおいて、前記本体部は、1枚の板状部材からなり、外壁と、前記外壁の左右方向内側に配置され、上端が前記外壁の上端と連続した内壁とを有していることが望ましい。
【0012】
これによれば、例えば、アッパーレールの本体部を板状に形成する場合に比べて、本体部が変形しにくい。そしてこの本体部の上部でサイドフレームを構成することにより、サイドフレームの変形を抑制することができる。
【0013】
前記した本体部が外壁と内壁を有する乗物用シートにおいて、前記本体部は、前記外壁と前記内壁が略平行に延びる第1部分と、前記第1部分よりも前記外壁と前記内壁の間隔が広い第2部分とを有していることが望ましい。
【0014】
これによれば、本体部に左右方向外側へ突出するように屈曲した部分を設けることで、本体部の剛性を高くし、また、本体部の変形をより抑制することができる。
【0015】
前記した第2部分は、前記本体部の上端部に設けられていることが望ましい。
【0016】
これによれば、サイドフレームのうち乗員の荷重がかかる部分が幅広になっているので、乗員を安定して支持することができる。
【0017】
前記した本体部が前記第1部分と前記第2部分とを有する乗物用シートにおいて、前記連結部材は、板状部材からなるパンフレームを含み、前記第2部分の上面に、前記パンフレームが載っていることが望ましい。
【0018】
これによれば、サイドフレームのうちパンフレームを支持する部分が幅広になっているので、パンフレームを安定して支持することができる。
【0019】
前記した本体部が前記第1部分と前記第2部分とを有する乗物用シートは、クッションパッドと、左右の前記サイドフレームに架け渡され、前記クッションパッドを下側から支える弾性部材と、をさらに備え、前記第2部分には、前記弾性部材が係止される係止部が設けられていることが望ましい。
【0020】
これによれば、サイドフレームのうち剛性が高い部分に弾性部材を係止させ、シートフレーム全体としての剛性を高くすることができる。
【0021】
前記した乗物用シートにおいて、前記内壁は、第1孔を有し、前記外壁は、第2孔を有し、前記第1孔と前記第2孔は、左右方向から見て、重なる位置に設けられていることが望ましい。
【0022】
これによれば、第1孔と第2孔に部品を挿通させる場合に、作業がしやすい。また、本体部に複数の孔(第1孔と第2孔)を設けることで、本体部の軽量化を図ることができる。
【0023】
前記した乗物用シートにおいて、前記内壁は、第1孔を有し、前記外壁は、第2孔を有し、前記第1孔と前記第2孔は、左右方向から見て、異なる位置に設けられていてもよい。
【0024】
これによれば、第1孔と第2孔をずらして配置することで、本体部に第1孔と第2孔を設けたことで本体部が変形しやすくなるのを低減することができる。また、本体部に複数の孔(第1孔と第2孔)を設けることで、本体部の軽量化を図ることができる。
【0025】
前記した乗物用シートにおいて、前記外壁と前記内壁は、互いに固着されていることが望ましい。
【0026】
これによれば、外壁と内壁が固着されていない場合に比べて、本体部の剛性をより高くし、また、より本体部の変形を抑制することができる。
【0027】
前記した乗物用シートにおいて、前記サイドフレームは、左右方向における外側の面に、シートベルトを固定するための固定部が設けられていることが望ましい。
【0028】
このように、シートベルトに引っ張られる場合であっても、前記した構成によれば、アッパーレールの本体部やサイドフレームの変形を抑制することができる。
【発明の効果】
【0029】
本願発明によれば、アッパーレールとサイドフレームが1部品で構成されるので、乗物用シートの部品点数を削減することができる。また、アッパーレールとサイドフレームを組み立てる工程が必要ないので、組立時の作業性が向上する。
【0030】
本願発明によれば、アッパーレールの本体部を板状に形成する場合に比べて、本体部が変形しにくい。そしてこの本体部の上部でサイドフレームを構成することにより、サイドフレームの変形を抑制することができる。
【0031】
本願発明によれば、本体部に左右方向外側へ突出するように屈曲した部分を設けることで、本体部の剛性を高くし、また、本体部の変形をより抑制することができる。
【0032】
本願発明によれば、サイドフレームのうち乗員の荷重がかかる部分が幅広になっているので、乗員を安定して支持することができる。
【0033】
本願発明によれば、サイドフレームのうちパンフレームを支持する部分が幅広になっているので、パンフレームを安定して支持することができる。
【0034】
本願発明によれば、サイドフレームのうち剛性が高い部分に弾性部材を係止させ、シートフレーム全体としての剛性を高くすることができる。
【0035】
本願発明によれば、第1孔と第2孔に部品を挿通させる場合に、作業がしやすい。また、本体部に複数の孔(第1孔と第2孔)を設けることで、本体部の軽量化を図ることができる。
【0036】
本願発明によれば、第1孔と第2孔をずらして配置することで、本体部に第1孔と第2孔を設けたことで本体部が変形しやすくなるのを低減することができる。また、本体部に複数の孔(第1孔と第2孔)を設けることで、本体部の軽量化を図ることができる。
【0037】
本願発明によれば、外壁と内壁が固着されていない場合に比べて、本体部の剛性をより高くし、また、より本体部の変形を抑制することができる。
【0038】
本願発明によれば、シートベルトに引っ張られる場合であっても
、アッパーレールの本体部やサイドフレームの変形を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明において、前後、左右および上下は、乗物用シートに座る人を基準とする。また、左右方向内側および外側は、1つの乗物用シートを基準とする。
【0041】
本発明の乗物用シートの一例としての車両用シートは、
図1に示すような乗物の一例としての車体の床に固定されるスライダ機構SLと、スライダ機構SL上に配置されるシートフレームFとを備え、シートフレームFの外側に、ウレタンフォームなどからなるシートクッションを被せることで構成されている。また、車両用シートには、シートベルトSBが取り付けられている。
【0042】
スライダ機構SLは、左右一対のロアレール100と、左右一対のアッパーレール200とを主に備えている。ロアレール100は、前後方向に延び、図示しないブラケットにより車体の床に固定されている。アッパーレール200は、ロアレール100に係合し、ロアレール100に対して前後にスライド移動可能に構成されている。なお、ロアレール100およびアッパーレール200の詳細な構成については、後述する。
【0043】
シートフレームFは、着座部を構成するクッションフレームF1と、シートバックフレームF2とを有している。
【0044】
クッションフレームF1は、略矩形の枠状に形成されたフレームである。クッションフレームF1は、左右のサイドフレーム20がアッパーレール200の上部から構成され、アッパーレール200と一体に形成されている。これにより、クッションフレームF1は、アッパーレール200と一体にロアレール100に対して前後にスライド移動可能に構成されている。また、各サイドフレーム20の後部には、シートバックフレームF2を支持する支持板21が固定されている。
【0045】
そして、クッションフレームF1は、サイドフレーム20(アッパーレール200)の前端部同士を連結する連結部材の一例としてのパンフレーム30と、サイドフレーム20の後端部同士を連結する円筒状の連結パイプ40とを有している。また、クッションフレームF1は、サイドフレーム20に架け渡される弾性部材の一例としてのSバネ50を有している。
【0046】
パンフレーム30は、板状部材の一例としての板金からなり、左右端部が左右のアッパーレール200の上面に載せられ、アッパーレール200に溶接などによって固定されている。
【0047】
Sバネ50は、左右方向に延びるバネであり、前後方向で複数回屈曲するように形成されている。そして、Sバネ50は、前後方向に複数並んで設けられており、それぞれの左右の端部がサイドフレーム20に係止されている。このSバネ50は、クッションフレームF1に被せられるクッションパッドCを下側から支持するようになっている。
【0048】
シートバックフレームF2は、略矩形の枠状に形成されたフレームであり、クッションフレームF1の後部に、公知のリクライニング機構RLを介して回動自在に連結されている。これにより、シートバックフレームF2は、クッションフレームF1に対し前後に傾動可能となっている。
【0049】
次に、スライダ機構SLの詳細な構成について説明する。なお、右側のロアレール100およびアッパーレール200と、左側のロアレール100およびアッパーレール200とは、左右対称に形成されているので、
図2および
図4では、左側のロアレール100およびアッパーレール200のみを図示し、右側のロアレール100およびアッパーレール200については図示を省略している。
【0050】
スライダ機構SLは、左右のロアレール100と、左右のアッパーレール200と、
図2に示すように、各ロアレール100とアッパーレール200の間に設けられる転動体60とを備えている。
【0051】
ロアレール100は、板金を屈曲させて形成されている。ロアレール100は、アッパーレール200の下で左右方向に延びるベース部110と、ベース部110の左右方向外側(左側のロアレール100については左側)の端部から延出する外側ガイド部120と、ベース部110の左右方向内側(左側のロアレール100については右側)の端部から延出する内側ガイド部130とを有している。
【0052】
外側ガイド部120は、後述するアッパーレール200の外側係合部220を囲うように、上に凸となる略U字状に形成されている。この外側ガイド部120は、ベース部110の左右方向外側の端部から上方へ延びる第1外側壁部121と、第1外側壁部121の左右方向内側に配置される第2外側壁部122と、第1外側壁部121の上端と第2外側壁部122の上端を連結する外側連結部123とを有している。
【0053】
内側ガイド部130は、後述するアッパーレール200の内側係合部230を囲うように、上に凸となる略U字状に形成されている。この内側ガイド部130は、ベース部110の左右方向内側の端部から上方へ延びる第1内側壁部131と、第1内側壁部131の左右方向外側に配置される第2内側壁部132と、第1内側壁部131の上端と第2内側壁部132の上端を連結する内側連結部133とを有している。
【0054】
アッパーレール200は、前後方向に延びる本体部210と、本体部210の下端から左右方向外側へ延出する外側係合部220と、本体部210の下端から左右方向内側へ延出する内側係合部230とを有している。この本体部210、外側係合部220および内側係合部230は、1枚の板状部材の一例としての板金を成形してなる。
【0055】
本体部210は、外壁211と、外壁211の左右方向内側に配置された内壁212と、外壁211の上端と内壁212の上端とを繋ぐ上壁213とを有している。また、外壁211の下端からは、外側係合部220が連続して延び、内壁212の下端からは、内側係合部230が連続して延びている。
【0056】
本体部210は、外壁211と内壁212が屈曲しており、外壁211と内壁212が略平行に延びる第1部分210Aと、第1部分210Aよりも外壁211と内壁212の間隔が広い第2部分210Bとを有している。そして、第2部分210Bは、本体部210の上端部に形成されている。
【0057】
具体的に、外壁211は、上端部が左右方向外側へ出っ張るように屈曲している。この外壁211は、上下方向に延びる第1外壁211Aと、第1外壁211Aの上端から左右方向外側かつ上方へ延びる第2外壁211Bと、第2外壁211Bの上端から左右方向内側かつ上方へ延びる第3外壁211Cとを有している。そして、第3外壁211Cの上端は、上壁213に繋がっている。
【0058】
内壁212は、上端部が左右方向内側へ出っ張るように屈曲している。この第1外壁211Aと略平行に上下方向に延びる第1内壁212Aと、第1内壁212Aの上端から左右方向内側かつ上方へ延びる第2内壁212Bと、第2内壁212Bの上端から左右方向外側かつ上方へ延びる第3内壁212Cとを有している。そして、第3内壁212Cの上端は、上壁213に繋がっている。
【0059】
また、第3外壁211Cの上端は、第1外壁211Aよりも左右方向外側に位置しており、第3内壁212Cの上端は、第1内壁212Aよりも左右方向内側に位置している。これにより、上壁213の幅は、第1外壁211Aと第1内壁212Aの間隔よりも広くなっている。
【0060】
そして、第1外壁211Aと第1内壁212Aとで本体部210の第1部分210Aが構成され、第2外壁211Bおよび第3外壁211Cと、第2内壁212Bおよび第3内壁212Cと、上壁213とで、本体部210の第2部分210Bが形成されている。
【0061】
外側係合部220は、先端が上方へ向くように屈曲している。外側係合部220は、外壁211の下端から左右方向外側へ延びる第1外側延出部221と、第1外側延出部221の左右方向外側の端部からさらに左右方向外側へ向かうとともに上方へ向かうように延びる第2外側延出部222と、第2外側延出部222の上端から上方へ延びる第3外側延出部223と、第3外側延出部223の上端から左右方向内側へ向かうとともに上方へ向かうように延びる第4外側延出部224とを有している。
【0062】
内側係合部230は、先端が上方へ向くように屈曲している。内側係合部230は、内壁212の下端から左右方向内側へ延びる第1内側延出部231と、第1内側延出部231の左右方向内側の端部からさらに左右方向内側へ向かうとともに上方へ向かうように延びる第2内側延出部232と、第2内側延出部232の上端から上方へ延びる第3内側延出部233と、第3内側延出部233の上端から左右方向外側へ向かうとともに上方へ向かうように延びる第4内側延出部234とを有している。
【0063】
そして、アッパーレール200は、外側係合部220が外側ガイド部120に係合し、内側係合部230が内側ガイド部130に係合するように、ロアレール100に対して組み付けられている。
【0064】
具体的には、第1外側壁部121は外側係合部220の左右方向外側に配置され、外側係合部220を左右方向外側から覆っている。また、第2外側壁部122は外側係合部220の先端と本体部210の間に配置されている。そして、第1内側壁部131は内側係合部230の左右方向内側に配置され、内側係合部230を左右方向内側から覆っている。また、第2内側壁部132は内側係合部230の先端と本体部210の間に配置されている。
【0065】
そして、アッパーレール200の本体部210には、シートベルトSBを固定するための固定部201が設けられている。また、アッパーレール200には、
図1に示すように、Sバネ50を係止するための係止部202が設けられている。また、アッパーレール200の後部には、支持板21が取り付けられている。
【0066】
固定部201は、アッパーレール200の後部に設けられている。固定部201は、
図2に示すように、第1内壁212Aに設けられた第1孔201Aと、第1外壁211Aに設けられた第2孔201Bとからなる。この第1孔201Aと第2孔201Bは、左右方向から見て、重なる位置に設けられている。これにより、シートベルトSBのシートベルトアンカーSB1に挿通されたボルトBがこの第1孔201Aと第2孔201Bに挿通可能となっており、シートベルトアンカーSB1がアッパーレール200の左右方向外側の面に固定されるようになっている。
【0067】
係止部202は、
図3に示すように、本体部210の第2部分210Bに設けられている。係止部202は、第2部分210Bの左右方向内側の面、すなわち、第3内壁212Cの一部を切り起こすことで形成され、切り起こすことで形成された孔にSバネ50の端部が挿通されている。
【0068】
図4に示すように、支持板21は、例えば板金からなり、側面視略L字状に形成されている。この支持板21には、連結パイプ40やリクライニング機構RLが取り付けられる取付部21Aが設けられている。そして、支持板21は、本体部210の外壁211と内壁212の間に挟み込まれており、溶接などによってアッパーレール200に固着されている。なお、支持板21には、固定部201に対応する位置に、第1孔201Aや第2孔201Bよりも大きい孔が形成されている。なお、図を見やすくするため、
図2においては、支持板21を省略している。
【0069】
転動体60は、外側係合部220および内側係合部230それぞれに対し、前後方向に離れた2箇所に設けられている。各転動体60は、第1ボール61および2つの第2ボール62を有している。そして、第1ボール61および第2ボール62は、リテーナー70に互いに間隔をあけた状態で保持されている。なお、図を見やすくするため、
図2においては、リテーナー70を省略している。
【0070】
図2に示すように、第1ボール61は、外側ガイド部120と内側ガイド部130の下部に配置されている。外側ガイド部120側の第1ボール61は、ロアレール100のベース部110と第1外側壁部121の隅と、アッパーレール200の第2外側延出部222とに挟まれており、この間で転がるようになっている。内側ガイド部130側の第1ボール61は、ロアレール100のベース部110と第1内側壁部131の隅と、アッパーレール200の第2内側延出部232とに挟まれており、この間で転がるようになっている。
【0071】
第2ボール62は、第1ボール61よりも小さいボールである。2つの第2ボール62は、第1ボール61の上で、前後に離れて配置されている。外側ガイド部120側の第2ボール62は、ロアレール100の第1外側壁部121と外側連結部123の隅と、アッパーレール200の第4外側延出部224とに挟まれており、この間で転がるようになっている。内側ガイド部130側の第2ボール62は、ロアレール100の第1内側壁部131と内側連結部133の隅と、アッパーレール200の第4内側延出部234とに挟まれており、この間で転がるようになっている。
【0072】
以上のように構成された車両用シートの作用および効果について説明する。
アッパーレール200の本体部210の上部でサイドフレーム20を構成したことにより、アッパーレール200とサイドフレーム20が1部品で構成されるため、車両用シートの部品点数を削減することができる。そして、組立時のずれも生じないので、部品としての精度が高くなる。また、車両用シートを製造する際、アッパーレール200とサイドフレーム20を組み立てる工程がないため、組立時の作業性が向上する。
【0073】
車体に取り付けられた車両用シートにおいては、車両用シートに設けられた図示しないレバーを操作し、着座部(クッションフレームF1)を前後に移動させると、アッパーレール200がロアレール100に対してスライド移動する。
【0074】
アッパーレール200がロアレール100に対してスライド移動するときには、アッパーレール200の外側係合部220が、ロアレール100の第1外側壁部121と第2外側壁部122の間を前後に移動し、アッパーレール200の内側係合部230がロアレール100の第1内側壁部131と第2内側壁部132の間を前後に移動する。このとき、ロアレール100とアッパーレール200の間には、この間で転がる転動体60が設けられているので、アッパーレール200はロアレール100に対して滑らかにスライドすることができる。
【0075】
そして、アッパーレール200の本体部210には、左右方向外側の面にシートベルトSBがシートベルトアンカーSB1を介して固定されているので、車両の衝突時など、シートベルトSBにかかる負荷によってアッパーレール200が左右方向内側かつ前側へ引っ張られることがある。
【0076】
本実施形態においては、アッパーレール200の本体部210が、外壁211と、上壁213によって上端が外壁211と連続した内壁212とを有しているので、例えば、本体部を1枚の壁のみで構成する場合に比べて、本体部210が変形しにくい。また、このアッパーレール200の本体部210の上部でクッションフレームF1のサイドフレーム20を構成しているので、サイドフレーム20も変形しにくい。これにより、アッパーレール200がシートベルトSBに引っ張られたときの、アッパーレール200やサイドフレーム20の変形を抑制することができる。
【0077】
また、本体部210には、外壁211と内壁212を屈曲させることで、外壁211と内壁212が略平行に延びる第1部分210Aと、第1部分210Aよりも外壁211と内壁212の間隔が広い第2部分210Bとを設けられているので、このような第2部分210Bを設けていない場合に比べて、外壁211と内壁212が屈曲部によって補強され、本体部210の剛性が高くなる。また、本体部210がより変形しにくい。
【0078】
そして、第2部分210Bは、本体部210の上端部に設けられているので、本体部210の上端部、すなわち、サイドフレーム20の上端縁の幅が広くなっている。これにより、サイドフレーム20により乗員を安定して支持することができる。また、サイドフレーム20が固定されているパンフレーム30を安定して支持することができる。さらに、クッションパッドCにサイドフレーム20の端縁があたらないので、クッションパッドCが傷つきにくい。
【0079】
また、Sバネ50を本体部210のうち剛性が高い第2部分210Bに係止させているので、シートフレームF全体としての剛性感を高くすることができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0081】
なお、以下の説明において、前記実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明は省略する。また、以下の変形例においても、前記実施形態と同様に、右側のロアレール100およびアッパーレール200と、左側のロアレール100およびアッパーレール200とは、左右対称に形成されているので、
図5および
図6では、左側のロアレール100およびアッパーレール200のみを図示し、右側のロアレール100およびアッパーレール200については図示を省略している。
【0082】
前記実施形態では、アッパーレール200の外壁211と内壁212は離れて配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図5に示すように、外壁211と内壁212は、第1部分210Aにおいて接しており、溶接部Wに示すように、スポット溶接などによって固着されていてもよい。
【0083】
これによれば、外壁211と内壁212が固着されていない場合に比べて、本体部210の剛性が向上し、また、本体部210の変形を抑制することができる。
【0084】
前記実施形態では、アッパーレール200の外壁211と内壁212を屈曲させて、第1部分210Aと第2部分210Bを設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図6に示すように、本体部210を構成する外壁214と内壁215は、上端から下端まで屈曲せずに真っ直ぐに延び、本体部210の上端から下端まで外壁214と内壁215が略平行になっていてもよい。この場合、外壁214と上壁213の角の一部、および、内壁215と上壁213の角の一部を凹ませた変形部216を設けてもよい。これによれば、本体部210の剛性を高くすることができる。
【0085】
前記実施形態では、第1孔201Aと第2孔201Bが、左右方向から見て、重なる位置に設けられていたが、本発明はこれに限定されず、
図6に示すように、第1孔201Aと第2孔201Bは、左右方向から見て、異なる位置に設けられていてもよい。これによれば、第1孔201Aと第2孔201Bをずらして配置することで、本体部210に第1孔201Aと第2孔201Bを設けたことによる本体部210の変形を低減することができる。
【0086】
なお、この場合は、シートベルトアンカーSB1に挿通されるボルトBを第2孔201Bにのみ挿通させ、シートベルトアンカーSB1をアッパーレール200に固定してもよい。
【0087】
前記実施形態では、アッパーレール200には、シートベルトSBをシートベルトアンカーSB1を介して固定するための固定部201が設けられており、一例として、左側のアッパーレール200の固定部201に、シートベルトSBのシートベルトアンカーSB1が固定される構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、右側のアッパーレール200の固定部201には、シートベルトSBのタングを係留するためのバックルが固定されていてもよい。
【0088】
前記実施形態では、アッパーレール200が1枚の板金(板状部材)を成形することで形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図7に示すように、アッパーレール300は、2枚の板金を組み合わせて形成されていてもよい。
【0089】
具体的には、アッパーレール300は、外側壁部材301と、外側壁部材301の左右方向内側に貼り合わされた内側壁部材302とを有している。そして、外側壁部材301と内側壁部材302によって、アッパーレール300の本体部310が構成されている。
【0090】
このように2枚の板金からアッパーレール300を構成することで、アッパーレール300およびアッパーレール300によって構成されるサイドフレーム20の変形を抑制することができる。
【0091】
前記実施形態では、アッパーレール200の後部に取り付けられた支持板21に連結パイプ40やシートバックフレームF2が取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、連結パイプ40とシートバックフレームF2は、アッパーレール200の後部に回動可能に支持されていてもよい。これによれば、支持板21が不要になるので、車両用シートを構成する部品をより削減することができる。また、第1外壁211Aを他部よりも後方へ突出させ、当該突出部に連結パイプ40やシートバックフレームF2を取り付けてもよい。