特許第6242592号(P6242592)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6242592-ソーラー設備を作動させるための方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242592
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】ソーラー設備を作動させるための方法
(51)【国際特許分類】
   F01D 17/10 20060101AFI20171127BHJP
   F01D 17/00 20060101ALI20171127BHJP
   F01D 17/08 20060101ALI20171127BHJP
   F01K 27/02 20060101ALI20171127BHJP
   F03G 6/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   F01D17/10 G
   F01D17/00 Q
   F01D17/08 A
   F01D17/10 C
   F01K27/02 Z
   F03G6/00 521
   F03G6/00 511
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-113790(P2013-113790)
(22)【出願日】2013年5月30日
(65)【公開番号】特開2013-249840(P2013-249840A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2016年5月23日
(31)【優先権主張番号】10 2012 209 139.4
(32)【優先日】2012年5月31日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・シャーケ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・モルゲンシュテルン
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ−フーゴ・ボッシュ
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/080021(WO,A2)
【文献】 米国特許第04484446(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 17/10
F01D 17/00
F01D 17/08
F01K 27/02
F03G 6/00
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラー設備を作動させるための方法であって、前記ソーラー設備は、過された生蒸気の生成と同時に直接蒸発が起きるソーラーフィールド(1)と、前記生蒸気を膨張させるためのタービン(2)と、電気エネルギーを発生させるために前記タービン(2)によって駆動される発電機(3)と、を含み、少なくとも一つのバルブ(7)が前記タービン(2)と関連付けられており、これを用いて、前記タービン(2)へと供給される生蒸気の量が調整され、それを用いて前記タービン(2)へと供給される生蒸気の量が調整される前記バルブ(7)あるいは各バルブ(7)は、前記タービン(2)の上流で生じる生蒸気圧力の実際の値が、前記タービンの上流の生蒸気の生蒸気温度に依存して決定される参照値に追従するように制御されることを特徴とする方法。
【請求項2】
それを用いて前記タービン(2)へと供給される生蒸気の量が調整される前記バルブ(7)あるいは各バルブ(7)は、前記バルブ(7)あるいは各バルブ(7)の上流で生じる生蒸気圧力の実際の値が、前記バルブ(7)あるいは各バルブ(7)の上流の前記生蒸気の前記生蒸気温度に依存して特定される参照値に追従するように制御されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生蒸気温度の実際の値は、このために、センサー(9)によって測定され、かつ、対応する前記実際の値はコントローラー(8)へと供給され、前記コントローラー(8)は、前記生蒸気温度の前記実際の値に依存して前記生蒸気圧力に関する参照値を発生させ、かつ、前記生蒸気圧力に関する前記参照値に依存して、前記生蒸気圧力の前記実際の値が前記生蒸気圧力に関する前記参照値に追従するように、前記バルブ(7)あるいは各バルブ(7)に関する制御変数を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コントローラー(8)は、センサー(10)によって検出されると共に前記コントローラー(8)に供給された前記生蒸気圧力の実際の値と、前記生蒸気圧力に関する前記参照値との間の制御偏差に依存して、前記バルブ(7)あるいは各バルブ(7)に関する前記制御変数を発生させることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記生蒸気圧力に関する前記参照値は、特性ライン(11)によって前記生蒸気温度の前記実際の値に基づいて特定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の方法を実施するための手段を備えたソーラー設備のコントローラー(8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載のソーラー設備を作動させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラー設備においては、電気エネルギーがソーラーエネルギーから発生させられる。このために、作動媒体、特に水が、ソーラー設備のソーラーフィールド内で蒸発させられ、そして蒸発させられた作動媒体はタービンに供給される。作動媒体はタービン内で膨張させられ、そして、こうして得られたエネルギーはソーラー設備の発電機を駆動するために使用される。発電機は電気エネルギーを発生させる。ソーラーフィールド内で発生させられ、タービンへと供給される作動媒体の蒸気はまた、生蒸気として知られている。
【0003】
本発明は、上記タイプのソーラー設備を作動させるための方法に関し、ソーラーフィールドは直接蒸発の原理で作動し、すなわち作動媒体は、一方ではソーラーフィールドにおいて、そのための回路内で蒸発させられ、他方ではタービン内で膨張させられる。
【0004】
たとえばソーラー設備のソーラーフィールドの日照不足によって、ソーラー設備を全負荷では作動させられず、部分負荷でしか作動させられない場合、これまでは、ソーラー設備を最適効率で作動させることはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
全負荷および部分負荷の両方において最適効率で作動させることができるソーラー設備が求められている。
【0006】
これに鑑みて、本発明の目的は、ソーラー設備を作動させるための新規な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載のソーラー設備を作動させるための方法によって解決される。本発明によれば、それを用いてタービンへと供給される生蒸気の量が調整されるバルブあるいは各バルブは、タービンの上流で生じる生蒸気圧力の実際の値が、タービンの上流の生蒸気の生蒸気温度に依存して決定される参照値に追従するように制御される。
【0008】
タービンの上流で生じる生蒸気圧力の実際の値が、対応する参照値(この参照値はタービンの上流の生蒸気温度の実際の値に依存して決定される)に追従するように、それを用いてタービンへと供給される生蒸気の量の調整がなされるバルブあるいは各バルブを制御することが、本発明によって、初めて提案される。このようにすることで、最適効率でのソーラー設備の作動が部分負荷でも可能である。
【0009】
有利なさらなる展開によれば、生蒸気温度は、この目的のために、センサーによって測定され、そして、対応する実際の値はコントローラーへと供給され、コントローラーは、生蒸気温度の実際の値に依存して生蒸気圧力に関する参照値を発生させ、かつ、生蒸気圧力に関する参照値に依存して、生蒸気圧力の実際の値が生蒸気圧力に関する参照値に追従するように、バルブあるいは各バルブに関する制御変数を決定する。コントローラーによって、この方式でソーラー設備を作動させることによって、ソーラー設備の特に簡単かつ好ましい効率最適化運転が可能となる。
【0010】
本発明はさらに、本発明に基づく方法を実施するための手段を備えたソーラー設備のコントローラーに関する。
【0011】
本発明の好ましい、さらなる展開は、従属請求項および以下の説明に開示されている。本発明の実施形態について、図面を参照して、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ソーラー設備のセクションを示す図である。
図2】ソーラー設備を作動させるための本発明に基づく方法を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、ソーラーフィールド1、タービン2、そして発電機3を備えたソーラー設備の概略セクションを示している。作動媒体、特に水は、ソーラー設備のソーラーフィールド1内で蒸発させられる。ソーラーフィールド1内で発生させられた生蒸気は、膨張のためにタービン2へと供給される。生蒸気がタービン2内で膨張させられるとき、エネルギーが得られ、これを用いて発電機3を、電気エネルギーを発生させるために駆動させることができる。
【0014】
図示する実施形態では、ソーラー設備のソーラーフィールド1は、予熱器4、エバポレーター5、そして過熱器6を備える。作動媒体は、予熱器4内で、蒸発温度まで予熱される。作動媒体の実際の蒸発はエバポレーター5内で生じる。蒸気は過熱器6内で過熱され、そして過熱器6は、膨張のためにタービン2に続いて供給される生蒸気を供給する。
【0015】
膨張のためにタービン2に供給される生蒸気の量は、少なくとも一つのバルブ7によって調整可能である。バルブ7、あるいは各バルブ7は、タービン2の一体型コンポーネント部分であってもよい。
【0016】
本発明の趣旨の範囲で、それを用いてソーラー設備を作動させるためにタービン2に供給される生蒸気の量が調整されるバルブ7あるいは各バルブ7は、タービン2の上流で生じる生蒸気圧力pの実際の値pISTが、タービン2の上流の生蒸気の生蒸気温度Tの実際の値TISTに依存して決定される、対応する参照値pSOLLに追従するように制御される。
【0017】
バルブ7あるいは各バルブ7は、好ましくは、このバルブ7のあるいは各バルブ7の直ぐ上流で生じる生蒸気圧力pの実際の値pISTが、既に述べたように、バルブ7あるいは各バルブ7の直ぐ上流の生蒸気の生蒸気温度Tの実際の値TISTに依存して決定される、対応する参照値pSOLLに追従するように制御される。
【0018】
コントローラー8が、本発明に基づく方法を実施するために使用される。タービン2の上流あるいはバルブ7または各バルブ7の上流の生蒸気温度の実際の値TISTは、コントローラー8に供給される。生蒸気温度のこの実際の値TISTは、センサー9によって特定される。生蒸気温度のこの実際の値に依存して、コントローラー8は、タービン2の上流のあるいはバルブ7または各バルブ7の上流の生蒸気の生蒸気圧力に関する参照値pSOLLを決定し、そして生蒸気圧力に関するこの参照値pSOLLに依存して、コントローラー8は、生蒸気圧力の実際の値pISTが生蒸気圧力に関する参照値pSOLLに追従するように、バルブ7または各バルブ7に関する制御変数Xを決定する。
【0019】
コントローラー8における、生蒸気温度の実際の値TISTに依存する生蒸気圧力に関する参照値pSOLLの決定は、好ましくは、特性ライン7によって実施される。図2は代表的な特性ライン11を示しており、これは、生蒸気温度の実際の値TISTに依存する生蒸気圧力に関する参照値pSOLLを決定するために使用される。
【0020】
図2の特性ラインにおいては、約30barの生蒸気圧力pSOLLに関する参照値が、約310℃の実際の生蒸気温度TISTにおいて特定される。約280℃の生蒸気の温度TISTにおいて、約19.5barの生蒸気圧力に関する参照値pSOLLが生成される。
【0021】
既に述べたように、コントローラー8は、生蒸気圧力の実際の値PISTが生蒸気圧力の参照値pSOLLに追従するように、生蒸気圧力に関する参照値pSOLLに依存して、バルブ7あるいは各バルブ7に関する制御変数Xを決定する。このために、制御変数Xは、好ましくは、生蒸気圧力の参照値pSOLLと生蒸気圧力の実際の値PISTとの間の制御偏差に依存して生成される。図1によれば、生蒸気圧力の実際の値PISTはセンサー10によって決定され、そしてコントローラー8に供給される。
【0022】
本発明によれば、部分負荷だけでなく全負荷においても最適効率でソーラー設備を作動させることが可能である。したがって、特に、そこでの日照不足のためにソーラーフィールド1内で生蒸気がほとんど生じない場合に、タービン2を、発電機3によって最大の電気エネルギーを生み出すために最適効率で作動させることができる。本発明は、生蒸気の利用可能な量、有効なエンタルピー低下、そしてソーラー設備の個々のコンポーネント群のローディングの最適な組み合わせを伴ったソーラー設備の作動を可能とする。
【符号の説明】
【0023】
1 ソーラーフィールド
2 タービン
3 発電機
4 予熱器
5 エバポレーター
6 過熱器
7 バルブ
8 コントローラー
9 センサー
10 センサー
11 特性ライン
図1
図2