(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光導波路が形成された光導波路デバイスと、該光導波路デバイスに接続される光ファイバとがハウジング内に収容され、該ハウジング内において該光ファイバおよび光導波路デバイスがユニット保持部材を用いて保持されている光モジュールパッケージであって、
前記ハウジングは、前記光導波路デバイスと前記光ファイバとを接続したファイバユニットが前記光ファイバを軸芯方向に沿って伸ばしたまま前記ユニット保持部材とともに収容されるハウジング本体と、該ハウジング本体を覆うカバー体とを有し、
前記ユニット保持部材は、第1の保持部材および第2の保持部材からなり、該第1の保持部材および第2の保持部材は、直に接触しながら対向する直接対向状態において前記ファイバユニットを係止した状態で収容し得るユニット収容部を内側に形成し、
前記ハウジング本体または前記カバー体が複数の係止部を有し、該複数の係止部は、前記ユニット保持部材の外表面であって、互いに交差することなく対立するように配置された2つの対立表面の配置間隔に応じた間隔をおいて形成されるか、または、前記カバー体を前記ハウジング本体にかぶせたときに対向する位置に形成され、
さらに前記ハウジング本体または前記カバー体における前記複数の係止部に挟まれたスペースが前記ユニット保持部材の収容スペースに設定され、
前記ハウジング本体および前記カバー体がそれぞれ前記複数の係止部を構成する係止部を少なくとも1つ有し、前記ハウジング本体における前記係止部の配置パターンと、前記カバー体における前記係止部の配置パターンとが共通し、
前記ハウジング本体は、概ねU字状に形成されたU字状体の本体底部に前記係止部を構成する底係止部が複数形成され、前記カバー体は、前記ハウジング本体に上側からかぶさり、かつ前記ハウジング本体の前記本体底部につながる2つの本体壁部に外側から密着する2つのカバー壁部および該2つのカバー壁部をつなぐ天端部を有する概ねU字状に形成され、該天端部に前記係止部を構成する天端係止部が複数形成されている光モジュールパッケージ。
光導波路が形成された光導波路デバイスと、該光導波路デバイスに接続される光ファイバとがハウジング内に収容され、該ハウジング内において該光ファイバおよび光導波路デバイスがユニット保持部材を用いて保持されている光モジュールパッケージであって、
前記ハウジングは、前記光導波路デバイスと前記光ファイバとを接続したファイバユニットが前記光ファイバを軸芯方向に沿って伸ばしたまま前記ユニット保持部材とともに収容されるハウジング本体と、該ハウジング本体を覆うカバー体とを有し、
前記ユニット保持部材は、第1の保持部材および第2の保持部材からなり、該第1の保持部材および第2の保持部材は、直に接触しながら対向する直接対向状態において前記ファイバユニットを係止した状態で収容し得るユニット収容部を内側に形成し、
前記ハウジング本体または前記カバー体が複数の係止部を有し、該複数の係止部は、前記ユニット保持部材の外表面であって、互いに交差することなく対立するように配置された2つの対立表面の配置間隔に応じた間隔をおいて形成されるか、または、前記カバー体を前記ハウジング本体にかぶせたときに対向する位置に形成され、
さらに前記ハウジング本体または前記カバー体における前記複数の係止部に挟まれたスペースが前記ユニット保持部材の収容スペースに設定され、
前記ハウジング本体が前記複数の係止部を有し、該複数の係止部は、前記ハウジング本体の長手辺に沿った長手方向に沿って離れて配置され、該長手方向に沿った間隔が、前記ユニット保持部材の前記2つの対立表面のうちの長手方向に沿った長手対立面の配置間隔に対応した長さに設定され、
前記ハウジング本体は、概ねU字状に形成されたU字状体の本体底部に前記複数の係止部を構成する2つの底係止部が形成され、さらに該U字状体の前記本体底部につながる2つの本体壁部にも前記複数の係止部を構成する壁係止部がそれぞれ形成され、
前記カバー体は、前記ハウジング本体に上側からかぶさり、かつ前記本体壁部に外側から密着する2つのカバー壁部および該2つのカバー壁部をつなぐ天端部を有する概ねU字状に形成され、該それぞれのカバー壁部に、前記壁係止部に外側から係合する係合部が形成されている光モジュールパッケージ。
前記カバー体を前記ハウジング本体にかぶせ、かつ前記本体壁部の前記本体底部につながらない開放端部に前記天端部を接触させたときに、前記天端係止部と前記底係止部との間隔が、前記ユニット保持部材における前記2つの対立表面の配置間隔よりもわずかに小さくなるように構成されている請求項1記載の光モジュールパッケージ。
前記第1の保持部材および第2の保持部材は、前記ユニット収容部に臨むデバイス受部をそれぞれ有し、前記ファイバユニットは、前記光ファイバが接続されるファイバコネクタが前記光導波路デバイスの両側に接続され、
前記第1の保持部材および第2の保持部材それぞれの前記デバイス受部は、前記光導波路デバイスを係止するデバイス係止部の両側に前記ファイバコネクタを係止するコネクタ係止部が該デバイス係止部から離れた位置に形成され、
前記カバー体は、前記天端係止部が前記デバイス係止部に応じた位置に配置されるが、前記コネクタ係止部に応じた位置には配置されない偏在配置構造を有する請求項1または3記載の光モジュールパッケージ。
光導波路が形成された光導波路デバイスと、該光導波路デバイスに接続される光ファイバとがハウジング内に収容され、該ハウジング内において該光ファイバおよび光導波路デバイスがユニット保持部材を用いて保持されている光モジュールパッケージであって、
前記ハウジングは、前記光導波路デバイスと前記光ファイバとを接続したファイバユニットが前記光ファイバを軸芯方向に沿って伸ばしたまま前記ユニット保持部材とともに収容されるハウジング本体と、該ハウジング本体を覆うカバー体とを有し、
前記ユニット保持部材は、第1の保持部材および第2の保持部材からなり、該第1の保持部材および第2の保持部材は、直に接触しながら対向する直接対向状態において前記ファイバユニットを係止した状態で収容し得るユニット収容部を内側に形成し、
前記ハウジング本体または前記カバー体が複数の係止部を有し、該複数の係止部は、前記ユニット保持部材の外表面であって、互いに交差することなく対立するように配置された2つの対立表面の配置間隔に応じた間隔をおいて形成されるか、または、前記カバー体を前記ハウジング本体にかぶせたときに対向する位置に形成され、
さらに前記ハウジング本体または前記カバー体における前記複数の係止部に挟まれたスペースが前記ユニット保持部材の収容スペースに設定され、
前記ハウジング本体は、周壁部の内側が該周壁部よりも窪んだ構造を備えた槽状体の該周壁部よりも内側の収容凹部によって前記収容スペースが形成され、該収容凹部に臨む内壁部のうちの、前記ハウジング本体の長手辺に沿った長手方向に沿って配置された長手内壁部によって前記複数の係止部が形成され、かつ前記収容凹部が、深さの深い深底部の外側に該深底部よりも浅い浅底部を備えた段差構造を有し、
前記第1の保持部材が前記槽状体の前記収容凹部に嵌合し、かつ前記収容凹部の段差構造に応じた形状を有する第1の段差凸部を有し、該第1の段差凸部の前記長手方向に沿った2つの長手端面によって前記2つの対立表面が形成されている光モジュールパッケージ。
前記第1の保持部材および前記第2の保持部材は、ともに柔軟なゴム弾性を有する部材を用いた板状に形成され、そのそれぞれによって前記ファイバユニットを挟み込み、その外側を前記カバー体と前記ハウジング本体によって挟み込み、さらに前記カバー体を前記ハウジング本体に装着したときに、それぞれが前記ハウジング本体、前記カバー体それぞれの凹部に応じて変形しつつ前記ファイバユニットに密着する請求項6記載の光モジュールパッケージ。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0038】
第1の実施の形態
(光モジュールパッケージの構造)
まず、
図1〜
図7を参照して本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールパッケージ200の構造について説明する。ここで、
図1は本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールパッケージ200を示す分解斜視図、
図2はハウジング本体1を短手方向中央で長手方向に沿って切断したときの断面図、
図3は一部を破断して示したハウジング本体1の要部を示す斜視図である。
図4はハウジング本体1に第1、第2の保持部材10、30を収容した状態を示す正面図、
図5はファイバユニット9を収容した状態の第1、第2の保持部材10、30を示す斜視図である。
図6はハウジング本体1を切断して示したカバー体装着前の光モジュールパッケージ200の側面図、
図7はハウジング本体1とカバー体2の一部を破断して示した光モジュールパッケージ200の斜視図である。
【0039】
光モジュールパッケージ200は、ハウジング本体1とカバー体2とを有するハウジング1Aと、ファイバユニット9と、第1の保持部材10と、第2の保持部材30とを有している。
【0040】
光モジュールパッケージ200は、ハウジング本体1の2つの底係止突起4、4が第1の保持部材10の側面10a、10bを係止し、4つの壁係止突起3、3,3,3が第1、第2の保持部材10、30の側面10c、10d、30c、30dを係止して第1、第2の保持部材10、30の動きを規制する。これにより、光モジュールパッケージ200は、ファイバユニット9を接着剤や樹脂を用いてハウジング1Aに固定することなく、しかも、光ファイバをチューブ状の部材に挿通することなく製造できるため、製造に要する手間や時間を軽減できる。
【0041】
ハウジング本体1は、金属またはプラスチックからなり、概ねU字状に形成されたU字状体である。ハウジング本体1は、
図1に示すように、本体底部1aと、互いに対向する2つの本体壁部1b、1cとを有している。ハウジング本体1は、本体底部1aの内側の短手辺に沿った方向(短手辺に沿った方向を「短手方向」ともいう)の幅(短手幅)がLに設定されている。また、ハウジング本体1は、第1、第2の保持部材10、30とともに、ファイバユニット9の光ファイバ部材6等を所定の長さで収容し得るだけの長さを有している。
【0042】
そして、本体底部1aは2つの底係止突起4、4が形成されている。各底係止突起4は、本体底部1aを外側から内側に向かって局所的に突出させるなどして形成されている(
図2参照)。
【0043】
底係止突起4、4はハウジング本体1の長手辺に沿った方向(長手辺に沿った方向を「長手方向」ともいう)に沿って一直線上に並ぶ位置に配置されている。底係止突起4、4は平面視形状が概ね矩形状であり、4つある側部のうちのひとつ(側部4a)が互いに向かい合っている。そして、底係止突起4、4の長手方向に沿った間隔(側部4aの長手方向に沿った間隔)がL4に設定されている。このL4は、第1の保持部材10の後述する配置間隔L10に対応している。
【0044】
ハウジング本体1では、底係止突起4、4に挟まれたスペースが第1、第2の保持部材10、30の収容スペース16に設定されている。
【0045】
本体壁部1b、1cはそれぞれ2つの壁係止突起3、3が形成されている。各壁係止突起3も底係止突起4と同様に、本体壁部1b、1cを外側から内側に向かって局所的に突出させるなどして形成されている。
【0046】
そして、本体壁部1b、1cのそれぞれにおいて、2つの壁係止突起3、3の長手方向に沿った間隔がL4よりも短い。そのため、すべての壁係止突起3が収容スペース16に配置されている。また、各壁係止突起3、3の形成されている箇所の高さ(本体底部1aからの高さ)が第1保持部材10と第2の接続部分30が接触する部分の高さに対応している(
図4参照)。
【0047】
さらに、本体壁部1bの2つの壁係止突起3、3と、本体壁部1cの2つの壁係止突起3、3とが、互いに向き合う位置に配置されている。それぞれの短手方向に沿った間隔が
図4に示すL3である。このL3は、第1の保持部材10の後述する配置間隔W10に対応している。
【0048】
カバー体2は、ハウジング本体1と同様に、金属またはプラスチックからなり、概ねU字状に形成されたU字状体である。カバー体2は、天端部2aと、互いに対向する2つのカバー壁部2b、2cとを有し、ハウジング本体1に上側からかぶさる大きさに形成されている。また、天端部2aの短手幅がハウジング本体1の短手幅Lよりわずかながら大きく、カバー壁部2b、2cはハウジング本体1の本体壁部1b、1cに応じた大きさで形成されている。カバー体2をハウジング本体1にかぶせると、
図7に示すように、カバー壁部2b、2cがハウジング本体1の本体壁部1b、1cに外側から密着し、天端部2aによってハウジング本体1の上面が覆われる。
【0049】
そして、カバー壁部2b、2cにはそれぞれ2つの係合突起8、8が形成されている。各係合突起8は、壁係止突起3と同様に、カバー壁部2b、2cを外側から内側に向かって局所的に突出させるなどして形成されている。また、各係合突起8は各壁係止突起3に対応した位置に配置され、それぞれの形状も各壁係止突起3に対応している。カバー体2をハウジング本体1にかぶせると、各係合突起8が各壁係止突起3に外側から係合する。
【0050】
ファイバユニット9は、光導波路デバイス5に光ファイバ部材6と、テープ状光ファイバ部材7とが接続され、これらが一つにまとまっている。
【0051】
光導波路デバイス5は、
図28に示すように、光導波路5aが形成された光導波路基板5bと、ファイバコネクタ5c、5dとを有し、これらが一体となった構造を有している。
【0052】
光導波路5aは、単心の導波路コアから多心の導波路コアが分岐するように形成されている。光導波路5aによって、単心の導波路コアから入射した光を多心の導波路コアに均等に分岐させることができる。
【0053】
ファイバコネクタ5cは単芯の光ファイバ部材6が接続されるコネクタで、図示しない接着剤を用いて光導波路基板5bの一端部に固定されている。ファイコネクタ5dは多芯のテープ状光ファイバ部材7が接続されるコネクタで、図示しない接着剤を用いて光導波路基板5bの他端部に固定されている。
【0054】
光ファイバ部材6は単芯の光ファイバの周囲を被覆材で覆った構造を有している。テープ状光ファイバ部材7は互いに平行に配置された複数本(例えば8本)の光ファイバの周囲を被覆材で覆い、テープ状にした構造を有している。
【0055】
次に、第1の保持部材10、第2の保持部材30について、主に
図1を参照しながら説明する。図示した第1、第2の保持部材10、30は、共通する形状を有しているが、それぞれの形状は共通でなくてもよい。ただし、第1、第2の保持部材10、30は、それぞれの後述する凸部11、13、31、33の表面を直に接触させながら対向させた状態(この状態を直接対向状態ともいう)において、後述するユニット収容部15を側面10a,10b,10c,10dよりも内側に形成する。
【0056】
第1、第2の保持部材10、30は、本発明に係るユニット保持部材103を構成している。第1、第2の保持部材10、30は、柔軟なゴム弾性を有する部材を用いて形成されている。例えば、第1、第2の保持部材10、30は、工業用ゴムパッキング材として使用されるクロロプレンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルニトリルゴム、多硫化ゴム、天然ゴム、その他シリコンゴム、フッ素ゴム、ポリアクリルゴム、ポリウレタンゴム等のゴムを用いて形成することができる。
【0057】
第1の保持部材10は、ハウジング本体1に収容し得る大きさの厚肉板状体である。第1の保持部材10は、4つの側面10a,10b,10c,10dによって囲まれている。
【0058】
第1の保持部材10は、長手方向両側に2つの凸部11、13を有し、その間の部分が凸部11、13よりも窪んだデバイス受部12となっている。凸部11は、その表面11cに幅の狭い溝状のファイバ受部11aが形成されている。ファイバ受部11aは光ファイバ部材6の外形に応じた形状に形成されている。凸部13は、その表面13cに幅の広い溝状のファイバ受部13aが形成されている。ファイバ受部13aはテープ状光ファイバ部材7の外形に応じた形状に形成されている。デバイス受部12は、光導波路デバイス5の外形寸法に応じた形状(詳しくは、長手方向の寸法が共通するが、厚さはほぼ半分)を有している。デバイス受部12に臨む端面11b、13bが光導波路デバイス5の長さに応じた間隔を隔てて配置されている。
【0059】
そして、第1の保持部材10では、4つの側面10a,10b,10c,10dのうち、側面10a、10bが
交差することなく対立し、側面10c、10dが
交差することなく対立している。側面10a、10bが本発明における
対立表面に相当し、側面10c、10dも同じく
対立表面に相当する。これらのうち、側面10a、10bは長手方向に沿って離れて配置されているから、本発明における
長手対立面に相当し、側面10c、10dは短手方向に沿って離れて配置されているから、
短手対立面に相当する。
【0060】
また、
図5に示すように、側面10a、10bの配置間隔がL10に設定されている。配置間隔L10は第1の保持部材10の長さであり、底係止突起4、4の間隔L4に対応している。さらに、側面10c、10dの配置間隔がW10に設定されている。配置間隔W10は、第1の保持部材10の幅であり、壁係止突起3、3の間隔L3に対応している。
【0061】
第2の保持部材30も、第1の保持部材10と同様の厚肉板状体である。第2の保持部材30は、4つの側面30a,30b,30c,30dによって囲まれている。
【0062】
第2の保持部材30は、長手方向両側に2つの凸部31、33を有し、その間の部分がデバイス受部12と同様のデバイス受部32となっている。凸部31は、その表面31cにファイバ受部11aと同様のファイバ受部31aが形成されている。凸部33は、その表面33cにファイバ受部13aと同様のファイバ受部33aが形成されている。
【0063】
第2の保持部材30は第1の保持部材10と共通する形状を有しているので、第1の保持部材10と同じ長さおよび同じ幅を有している。
【0064】
そして、第1の保持部材10と第2の保持部材30とは、
図5に示すように凸部11と凸部31、凸部13と凸部33の表面をそれぞれ直に接触させながら対向させることができる。このとき、ファイバ受部11a、31aと、デバイス受部12、32と、ファイバ受部13a、33aとが一つにつながった空間が形成される。この空間がユニット収容部15である。ファイバ受部11a、31aが光ファイバ部材6に応じた形状を有し、ファイバ受部13a、33aがテープ状光ファイバ部材7に応じた形状を有する。また、デバイス受部12、32が光導波路デバイス5の外形寸法に応じた形状を有している。そのため、ユニット収容部15はファイバユニット9の外形寸法に応じたものとなり、ファイバユニット9をデバイス受部12,32などにより係止した状態で収容し得る形状になる。
【0065】
以上のような一対の第1、第2の保持部材10、30およびファイバユニット9がハウジング本体1に収容され、その上からカバー体2をかぶせることによって、光モジュールパッケージ200が構成されている。
【0066】
この場合、例えばまず、第1の保持部材10をハウジング本体1の収容スペース16に収容し、続いて、その第1の保持部材10にファイバユニット9を収容する。その際、デバイス受部12に光導波路デバイス5を嵌め込み、これと相前後して光ファイバ部材6およびテープ状光ファイバ部材7をそれぞれファイバ受部11a、13aに嵌め込む。
【0067】
次に、凸部11、13の表面11c、13cに、凸部31、33の表面31c、33cを直に接触させるようにして、第2の保持部材30を第1の保持部材10に重ね合わせる。すると、第1、第2の保持部材10、30によってユニット収容部15が形成されるので、
図5に示したように、ファイバユニット9を第1、第2の保持部材10、30によって挟みつつ保持できる。
【0068】
それから、ハウジング本体1にカバー体2をかぶせて係合突起8、8を壁係止突起3、3に嵌め込み、両者を係合させる。すると、
図7に示したように、天端部2aによって、第1、第2の保持部材10,30が覆われる。また、壁部2b、2cがハウジング本体1の本体壁部1b、1cに外側から密着して、ハウジング本体1とカバー体2とが一体になる。こうして、光モジュールパッケージ200が完成する。
【0069】
なお、前述の手順と異なり、予め第2の保持部材30をカバー体2に収容しておいてもよい。また、予め第1、第2の保持部材10,30によってファイバユニット9を保持しておき、これらをひとまとめにしてハウジング本体1に収容してもよい。
【0070】
(光モジュールパッケージ200の作用効果)
以上のように、光モジュールパッケージ200では、
図5に示したように、ファイバユニット9が第1、第2の保持部材10、30によって挟まれつつ保持され、その状態でハウジング本体1に収容されている。
【0071】
ハウジング本体1は概ねU字状体であり、本体壁部1b、1cに挟まれた細長いスペースに対して、ファイバユニット9を直接出し入れすることができる。そのため、ハウジング本体1は光ファイバ部材6およびテープ状光ファイバ部材7を曲げることなく軸芯方向に沿って伸ばしたまま、ファイバユニット9をハウジング本体1に収容できる。したがって、光モジュールパッケージ200では、ファイバユニット9をハウジング本体1に収容するにあたって、光ファイバ部材6等をチューブ状の部材に挿通する必要がないから、光モジュールパッケージ200は、製造に要する手間や時間を軽減することができる。
【0072】
また、第1、第2の保持部材10、30がファイバユニット9を挟みつつ保持している。この場合、第1、第2の保持部材10、30のデバイス受部12,32が光導波路デバイス5の外形寸法に応じた形状を有し、端面11b、13bが光導波路デバイス5の長さに応じた間隔を隔てて配置されている。そのため、端面11b、13bが光導波路デバイス5に当接して、これを長さ方向両側から挟み込む。こうして、光導波路デバイス5が長手方向に動かないようにその動きを第1、第2の保持部材10、30によって規制できる。
【0073】
そして、ハウジング本体1には、収容スペース16が確保されている。この収容スペース16は、前述したように、底係止突起4、4に挟まれたスペースである。そして、底係止突起4、4の長手方向に沿った間隔がL4であり、この間隔L4は、第1の保持部材10の配置間隔L10に対応している。
【0074】
そのため、第1、第2の保持部材10、30を収容スペース16に収容でき、しかも、第1の保持部材10を長手方向両側で底係止突起4、4の側部4a、4aに当接させることができる。また、すべての壁係止突起3が収容スペース16の内側に配置されていて、しかも、壁係止突起3、3の短手方向に沿った間隔L3が第1の保持部材10の配置間隔W10に対応している。そのため、第1の保持部材10を短手方向両側で壁係止突起3、3に当接させることもできる。
【0075】
すると、底係止突起4、4によって、第1の保持部材10を長手方向両側から挟み、長手方向に動かないように動きを規制することができる。さらに、壁係止突起3、3によって、第1の保持部材10を短手方向両側から挟み、短手方向に動かないように動きを規制することもできる。また、壁係止突起3、3の高さが第1保持部材10と第2の接続部分30が接触する部分の高さに対応しているから、第1の保持部材10とともに、第2の保持部材30を短手方向に動かないように動きを規制することもできる。
【0076】
したがって、光モジュールパッケージ200は、前述のようにして、ファイバユニット9、第1、第2の保持部材10、30をハウジング本体1に収容すれば、あとはカバー体2をかぶせるだけで製造することができる。光モジュールパッケージ200は、ファイバユニット9を接着剤や樹脂を用いてハウジング1Aに固定する必要がないので、製造に要する手間や時間をよりいっそう軽減することができる。
【0077】
さらに、カバー体2の係合突起8、8を壁係止突起3、3に嵌合させることで、接着剤や樹脂を用いることなくカバー体2とハウジング本体1とを一体化できるから、製造に要する手間や時間をよりいっそう軽減できる。
【0078】
(変形例)
図8を参照して変形例に係る第1、第2の保持部材40、50について説明する。第1、第2の保持部材40、50は、第1、第2の保持部材10、30と比較して、デバイス受部12,32の代わりにデバイス受部42,52を有する点で相違している。
【0079】
デバイス受部42,52は、デバイス受部12,32と比較して、光導波路デバイス5が嵌合する凹部である点で相違している。デバイス受部42,52は、長手方向だけでなく、短手方向からも光導波路デバイス5に当接し、光導波路デバイス5を長手方向、短手方向の双方から係止する。そのため、第1、第2の保持部材40、50を用いることによって、光導波路デバイス5の動きがより確実に規制され、ファイバユニット9をより確実に保持できるようになる。
【0080】
また、以上の説明では、
図4に示したように、1つの壁係止突起3が第1、第2の保持部材10、30の双方を係止していた。これに対し、図示はしないが、壁係止突起3を高さ方向に沿って2つ形成し、そのそれぞれの壁係止突起3によって、第1の保持部材10、第2の保持部材30をそれぞれ係止してもよい。こうすると、ハウジング1Aによる第1、第2の保持部材10、30の保持の強度が向上する。
【0081】
さらに、底係止突起4、4の間隔L4を第1の保持部材10の配置間隔L10よりも若干大きくしてもよい。こうすると、底係止突起4、4と、第1の保持部材10との間に若干の隙間が生まれるから、第1の保持部材10の熱膨張に伴う寸法の拡大を吸収できるようになる。
【0082】
さらにまた、ハウジング本体1と、カバー体2がそれぞれ壁係止突起3、係合突起8を有していた。ハウジング本体1と、カバー体2は、それぞれ壁係止突起3、係合突起8を有する代わりに後述する係止孔153、係合爪158のような係止孔、係合爪を有していてもよい。
【0083】
第2の実施の形態
(光モジュールパッケージの構造)
まず、
図9〜
図11を参照して本発明の第2の実施の形態に係る光モジュールパッケージ300の構造について説明する。ここで、
図9は本発明の第2の実施の形態に係る光モジュールパッケージ300を示す分解斜視図、
図10は光モジュールパッケージ300を短手方向中央で長手方向に沿って切断したときの断面図、
図11は一部を破断および省略して示した光モジュールパッケージ300の斜視図である。
【0084】
光モジュールパッケージ300は、ハウジング本体60とカバー体100とを有するハウジング106と、ファイバユニット89と、第1の保持部材70、第2の保持部材90とを有している。
【0085】
光モジュールパッケージ300は、ハウジング本体60の2つの長手内壁部63bb、63bbが第1の保持部材70の長手端面73bb、73bbを係止して第1の保持部材70の動きを規制する。これにより、光モジュールパッケージ300は、ファイバユニット89を接着剤や樹脂を用いてハウジング106に固定することなく、しかも、光ファイバをチューブ状の部材に挿通することなく製造できるため、製造に要する手間や時間を軽減できる。
【0086】
ハウジング本体60は、金属またはプラスチックからなり、槽状体の表側に収容凹部63が形成された構造を有している。ハウジング本体60は、長手方向両側に、表面の平坦な2つの平端部61、62を有し、その間の部分が平端部61、62よりも窪み、かつ平端部61、62および周壁部60dによって周囲を囲まれた収容凹部63となっている。
【0087】
平端部61は、その表面61cに幅の狭い溝状のファイバ受部61aが形成されている。ファイバ受部61aは光ファイバ部材6の外形に応じた形状に形成されている。平端部62は、その表面62cに幅の広い溝状のファイバ受部62aが形成されている。ファイバ受部62aはテープ状光ファイバ部材7の外形に応じた形状に形成されている。
【0088】
収容凹部63は、深さが深い深底部63bと、2つの浅底部63a、63aとを有している。収容凹部63は、第1の保持部材70の収容スペースとしての機能を有している。
【0089】
深底部63bには、長手方向中央に係止凸部63cが形成されている。浅底部63a、63aは、深底部63bの外側両方向に配置され、深さが深底部63bよりも浅く形成されている。深底部63bと浅底部63a、63aとをつなぐ部分が切り立った段差となっているため、収容凹部63は、かかる段差を備えた段差構造を有している。そして、収容凹部63に臨む内壁部のうちの、ハウジング本体60の長手方向に沿って配置された長手内壁部63bb、63bbが、第1の保持部材70の移動を規制する係止部としての機能を有している。
【0090】
さらに、ハウジング本体60は、係合突起64aを備えた本体係合部64を4つ備えている。
【0091】
次に、第1の保持部材70、第2の保持部材90について、主に
図9を参照しながら説明する。図示した第1の保持部材70と、第2の保持部材90とは、共通する形状を有している。ただし、両者は異なった形状を有していてもよい。
【0092】
第1、第2の保持部材70、90は、それぞれの後述する接触端部71、72、91、92の表面を直に接触させながら対向させた状態(この状態を直接対向状態ともいう)において、後述するデバイス受部73,93等によってユニット収容部75を形成する。ユニット収容部75は、
図10に示すように、ファイバユニット89をデバイス受部73,93等により係止した状態で収容し得る形状を有している。
【0093】
第1、第2の保持部材70、90は、第1、第2の保持部材10、30と同様に、工業用ゴムパッキング材として使用されるクロロプレンゴム等を用いて形成されている。
【0094】
第1の保持部材70は、長手方向両側に2つの接触端部71、72を有し、その間の部分が接触端部71、72よりも窪み、かつ接触端部71、72および周壁部70dに囲まれたデバイス受部73となっている。
【0095】
接触端部71は、その表面71cに幅の狭い溝状のファイバ受部71aが形成されている。ファイバ受部71aは光ファイバ部材6の外形に応じた形状に形成されている。接触端部72は、その表面72cに幅の広い溝状のファイバ受部72aが形成されている。ファイバ受部72aはテープ状光ファイバ部材7の外形に応じた形状に形成されている。
【0096】
デバイス受部73は、光導波路デバイス80の外形寸法に応じた形状(詳しくは、長手方向の寸法が共通するが、厚さはほぼ半分)を有している。デバイス受部73は、底部73bと、長さ方向中央に配置された係止凸部73cとを有している。
【0097】
また、デバイス受部73の裏面側が段差凸部70eとなっている。この段差凸部70eの長手方向に沿って離れた端面が長手端面73bb、73bbになっている。この段差凸部70eは、収容凹部63に嵌合し、かつ収容凹部63の段差構造に応じた形状を有している。また、長手端面73bb、73bbの配置間隔が長手内壁部63bb、63bbの配置間隔に対応し、各長手端面73bbの形状が長手内壁部63bbの形状に対応している。
【0098】
第2の保持部材90は、長手方向両側に2つの接触端部91、92を有し、その間の部分が接触端部91、92よりも窪んだデバイス受部93となっている。接触端部91は、その表面91cにファイバ受部71aと同様のファイバ受部91aが形成されている。接触端部92は、その表面92cにファイバ受部72aと同様のファイバ受部92aが形成されている。デバイス受部93は、デバイス受部73と共通する形状を有し、段差凸部70eに応じた段差凸部90eを有している。
【0099】
以上のような第1、第2の保持部材70、90は、接触端部71と接触端部91、接触端部72と接触端部92の表面をそれぞれ直に接触させながら対向させることができる。すると、
図10に詳しく示すように、ファイバ受部71a、91aと、デバイス受部73、93と、ファイバ受部72a、92aとが一つにつながった空間が第1、第2の保持部材70、90の内側に形成される。この空間がユニット収容部75である。
【0100】
ファイバ受部71a、91aが光ファイバ部材6に応じた形状を有し、ファイバ受部72a、92aがテープ状光ファイバ部材7に応じた形状を有する。また、デバイス受部73、93がともに光導波路デバイス80の外形寸法に応じた形状を有している。そのため、これらによって形成されるユニット収容部75はファイバユニット89をデバイス受部73、93等によって係止した状態で収容し得る形状を有する。
【0101】
ファイバユニット89は、
図9に示したように、光導波路デバイス80に光ファイバ部材6と、テープ状光ファイバ部材7とが接続され、これらが一つにまとまっている。光導波路デバイス80は、光導波路デバイス5と比較して外形が異なるが、その他は同じである。
【0102】
光導波路デバイス80は、平端部80a,80aの間に凹部80bが形成されている。そして、ファイバユニット89がユニット収容部75に収容されたときに、平端部80a,80aの長手方向の接触端部80d、80dがデバイス受部93に当接し、これにより、デバイス受部93によって長手方向の動きが規制される。また、デバイス受部93によって短手方向の動きも規制される。さらに、凹部80bと、裏側の凸部80cがそれぞれ係止凸部93c、73cに当接するから、光導波路デバイス80はデバイス受部73,93によって上下方向の動きも規制される。
【0103】
カバー体100は、ハウジング本体60と比較して、係合孔104aを備えたカバー係合部104を本体係合部64の代わりに有する点で異なるが、そのほかはハウジング本体60と同様の構造を備えた槽状体である。ただし、カバー体100は、表側の形状を変えるなどしてハウジング本体60と異なる形状にしてもよい。
【0104】
カバー体100は、収容凹部63と同様の収容凹部103が形成されている。収容凹部103は、係止凸部63cと同様の係止凸部103cが形成されている。収容凹部103は、段差凸部90eが嵌合する形成を有している。また、カバー体100は、ファイバ受部61a、62aと同様の図示しないファイバ受部が形成され、長手内壁部63bb、63bbと同様の長手内壁部を有している。
【0105】
(光モジュールパッケージ300の作用効果)
以上のように、光モジュールパッケージ300では、
図10に示したようにファイバユニット89が第1、第2の保持部材70、90によって挟まれつつ保持され、その状態でハウジング106(ハウジング本体60およびカバー体100)に収容されている。
【0106】
ハウジング本体60およびカバー体100が、収容凹部63,103の長さ方向両側にそれぞれファイバ受部61a、62aおよびこれらと同様の図示しないファイバ受部を有する。そのため、光モジュールパッケージ300では、光ファイバ部材6等を曲げることなく軸芯方向に沿って伸ばしたまま、ファイバユニット89をハウジング106に収容できる。そのため、光モジュールパッケージ300も、光モジュールパッケージ200と同様、ファイバユニット89をハウジング106に収容するにあたって、光ファイバ部材6等をチューブ状の部材に挿通する必要がないから、製造に要する手間や時間を軽減することができる。
【0107】
また、第1、第2の保持部材70、90がファイバユニット89を係止した状態で収容しているから、ファイバユニット89が第1、第2の保持部材70、90によってその動きを規制される。
【0108】
しかも、ハウジング本体60の長手内壁部63bb、63bbが第1の保持部材70の長手端面73bb、73bbに当接し、これらを係止している。カバー体100の図示しない長手内壁部も、第2の保持部材90における長手端面73bbと同様の長手端面に当接し、これらを係止している。そのため、第1、第2の保持部材70、90によって、光導波路デバイス80の動きを規制できるだけでなく、ハウジング106によって、第1、第2の保持部材70、90が長手方向に動かないように、その動きを規制することもできる。
【0109】
また、段差凸部70eが収容凹部63に嵌合し、第2の保持部材90の段差凸部90eがカバー体100の収容凹部103に嵌合する。さらに、接触端部71、72が浅底部63a、63aに隙間なく嵌合し、同様に接触端部91、92がカバー体100の図示しない浅底部に隙間なく嵌合する。そのため、第1、第2の保持部材70、90はハウジング106によって短手方向の動きも規制されている。
【0110】
したがって、光モジュールパッケージ300は、ハウジング本体60に第1の保持部材70を収容した上で、ファイバユニット89を収容し、その上から第2の保持部材90をかぶせれば、あとはカバー体100をかぶせてハウジング本体60に装着するだけで製造することができる。したがって、光モジュールパッケージ300も、光モジュールパッケージ200と同様、ファイバユニット89を接着剤や樹脂を用いてハウジング106に固定する必要がないので、製造に要する手間や時間を軽減することができる。
【0111】
さらに、カバー体100のカバー係合部104を本体係合部64に係合させることで、カバー体100とハウジング本体60とを接着剤や樹脂を用いることなく一体化できるから、製造に要する手間や時間をよりいっそう軽減できる。
【0112】
(変形例)
図12〜
図14を参照して変形例に係る光モジュールパッケージ300Aについて説明する。光モジュールパッケージ300Aは、光モジュールパッケージ300と比較して、ハウジング106、第1、第2の保持部材70,
90の代わりに、ハウジング106A、第1、第2の保持部材70A,90Aを有する点で相違している。
【0113】
ハウジング106Aは、ハウジング本体60Aとカバー体100Aとを有している。ハウジング本体60Aは、ハウジング本体60と比較して、平端部61、62の代わりに平端部61A、62Aを有する点で相違している。平端部61A、62Aは、平端部61、62と比較して、それぞれファイバ受部61a、62aの代わりにファイバ受部66、62bを有する点と、長手方向の長さが長い点とで相違している。ファイバ受部66は、ファイバ受部61aよりも幅広である。ファイバ受部66は、浅底部63aに接続され、浅底部63aと同じ幅に形成されている。ファイバ受部62bはファイバ受部62aよりも長手方向の長さが長い。
【0114】
第1の保持部材70Aは、第1の保持部材70と比較して、接触端部71、72の代わりに接触端部71A、72Aを有する点で相違している。接触端部71A、72Aは、接触端部71、72よりも長手方向の長さが長い。接触端部71Aは、一方の浅底部63aおよびファイバ受部66に係合しつつ端部がファイバ受部66から突出する。接触端部72Aは、一方の浅底部63aおよびファイバ受部62bに係合しつつ端部がファイバ受部62bから突出する。さらに、接触端部71A、72Aの両端部の間隔がハウジング60Aの長手方向の長さよりも長い。
【0115】
第1の保持部材90Aは、第1の保持部材90と比較して、接触端部91、92の代わりに接触端部91A、92Aを有する点で相違している。接触端部91A、92Aは、接触端部91、92よりも長手方向の長さが長く、接触端部71A、72Aと共通する構造を有している。
【0116】
カバー体100Aは、カバー体100と比較して、ファイバ受部66に応じたファイバ受部105を有する点で相違している。
【0117】
以上のような光モジュールパッケージ300Aも、光モジュールパッケージ300と同様に、ファイバユニット89が第1、第2の保持部材70A、90Aによって挟まれつつ保持され、その状態でハウジング106Aに収容されている。
【0118】
そして、接触端部71A、72Aの両端部の間隔がハウジング60Aの長手方向の長さよりも長い。そのため、第1、第2の保持部材70A、90Aをハウジング本体60Aに収容し、カバー体100Aをかぶせると、
図13、
図14に示すように、接触端部71A、91A、72A、92Aの端部がハウジング本体60Aおよびカバー体100Aから外側に張出し、張出端部71B、91B、72B、92Bになる。光モジュールパッケージ300Aでは、光ファイバ部材6、テープ状光ファイバ部材7が張出端部71B、91B、72B、92Bに接着剤107を用いて固着されている。
【0119】
このような光モジュールパッケージ300Aも、ファイバユニット89を接着剤や樹脂を用いてハウジング106Aに固定する必要がないので、製造に要する手間や時間をよりいっそう軽減することができる。
【0120】
加えて、光モジュールパッケージ300Aは、張出端部71B等に光ファイバ部材6等が固着されているため、光ファイバ部材6等が曲がったときに光ファイバ部材6等がハウジング106Aに接触しにくくなる。また、光ファイバ部材6等が第1、第2の保持部材70A、90Aの隙間に入り込むおそれもなくなる。
【0121】
なお、第1
、第2の保持部材
70A、90Aの代わりに、第1
、第2の保持部材10,30のように、側面部分が一部開放された保持部材を用いてもよい。
【0122】
第3の実施の形態
(光モジュールパッケージの構造)
まず、
図15〜
図17を参照して本発明の第3の実施の形態に係る光モジュールパッケージ400の構造について説明する。ここで、
図15は本発明の第3の実施の形態に係る光モジュールパッケージ400を示す分解斜視図、
図16は光モジュールパッケージ400を短手方向中央で長手方向に沿って切断したときの断面図、
図17は光モジュールパッケージ400の斜視図である。
【0123】
光モジュールパッケージ400は、ハウジング本体110とカバー体130とを有するハウジング131と、ファイバユニット89と、第1、第2の保持部材120(120A,120B)とを有している。
【0124】
光モジュールパッケージ400は、ハウジング本体110の2つの内傾斜部113aa、113aaが第1の保持部材120Aを係止して第1の保持部材120Aの移動を規制する。これにより、光モジュールパッケージ400は、ファイバユニット89を接着剤や樹脂を用いてハウジング131に固定することなく、しかも、光ファイバをチューブ状の部材に挿通することなく製造できるため、製造に要する手間や時間を軽減できる。
【0125】
ハウジング本体110は、ハウジング本体60と比較して、収容凹部63の代わりに収容凹部113が形成されている点と、平端部61、62の代わりに平端部111、112が形成されている点とで相違している。
【0126】
収容凹部113は収容凹部63と比較して、浅底部63a、63a、深底部63bおよび係止凸部63cの代わりに、浅底部113a、113a、深底部113bおよび係止凸部113cを有する点で相違している。浅底部113aは浅底部63aと比較して、深底部113bにつながる部分が内傾斜部113aaになっている点で相違している。内傾斜部113aaは、収容凹部63aのような段差ではなく、浅底部113aと深底部113bとを緩やかな下り傾斜状につなぐ傾斜面である。深底部113b、係止凸部113cはそれぞれ深底部63b、係止凸部63cと同様である。
【0127】
平端部111、112はそれぞれ平端部61、62よりも長手方向の長さが短い点と、ファイバ受部111a、112aを有する点で相違している。ファイバ受部111a、112aは、それぞれファイバ受部61a、62aと比較して、長さが短い点で相違している。
【0128】
カバー体130は、ハウジング本体110と比較して、本体係合部64の代わりにカバー係合部104を有する点で異なるが、その他は共通する構造を有している。カバー体130は、収容凹部113と同様の収容凹部133を有している。なお、カバー体130は表面の形状を変えるなどしてハウジング本体110と異なる形状にしてもよい。
【0129】
第1、第2の保持部材120A,120Bは、第1、第2の保持部材70、90と同様、工業用ゴムパッキング材として使用されるクロロプレンゴム等の柔軟なゴム弾性を有する部材を用いて形成されている。
【0130】
第1、第2の保持部材120A,120Bは、図示のように、板状に形成されている。前述したように、第1、第2の保持部材70、90は、それぞれハウジング本体60、カバー体100に応じた形状を有していた。これに対し、第1、第2の保持部材120A,120Bは、外力が加わらない無外力状態で板状の部材であるが、それぞれハウジング本体110、カバー体130に応じた形状に変形する。
【0131】
(光モジュールパッケージ400の作用効果)
光モジュールパッケージ400では、ファイバユニット89が第1、第2の保持部材120A,120Bによって挟まれつつ保持され、その状態でハウジング131(ハウジング本体110およびカバー体130)に収容されている。
【0132】
光モジュールパッケージ400でも、光モジュールパッケージ300と同様に、光ファイバ部材6等を曲げることなく軸芯方向に沿って伸ばしたまま、ファイバユニット89をハウジング本体110に収容できる。そのため、光モジュールパッケージ400も、光モジュールパッケージ300と同様、製造に要する手間や時間を軽減することができる。
【0133】
また、第1、第2の保持部材120A,120Bは柔軟なゴム弾性を有する部材を用いて形成されている。そのため、第1、第2の保持部材120A,120Bがファイバユニット89を挟み込みながらハウジング本体110に収容され、そのハウジング本体110にカバー体130が装着されたときに、それぞれ収容凹部113,133に応じて変形しつつファイバユニット89に密着する。
【0134】
この場合、第1、第2の保持部材120A、120Bによって、ファイバユニット89の動きが規制される。
【0135】
また、収容凹部113については、内傾斜部113aaが第1の保持部材120Aに当接して、摩擦によって第1の保持部材120Aを係止する。収容凹部133についても、その内傾斜部が第2の保持部材120Bに当接して、摩擦によって第1の保持部材120Bを係止する。そのため、第1、第2の保持部材120A、120Bが長手方向に動かないようにその動きをハウジング131によって規制することもできる。
【0136】
また、第1の保持部材120Aが収容凹部113に嵌り込むことで、第1の保持部材120Aの短手方向の動きも規制される。同様に、第2の保持部材120Bが収容凹部133に嵌り込むことで、第2の保持部材120Bの短手方向の動きも規制される。
【0137】
したがって、光モジュールパッケージ400は、ハウジング本体110に第1の保持部材120Aを収容した上で、ファイバユニット89を収容し、その上から第2の保持部材120Bをかぶせれば、あとはカバー体130をかぶせてハウジング本体110に装着するだけで製造することができる。したがって、光モジュールパッケージ400も、光モジュールパッケージ300と同様、ファイバユニット89を接着剤や樹脂を用いてハウジング131に固定する必要がないので、製造に要する手間や時間をよりいっそう軽減することができる。
【0138】
特に、光モジュールパッケージ400は、板状の第1、第2の保持部材120A,120Bを有するため、光モジュールパッケージ300と異なった作用効果を奏する。
【0139】
前述した光モジュールパッケージ300では、ハウジング106に応じた形状に加工された第1、第2の保持部材70、90を予め用意しておく必要があった。
【0140】
しかし、光モジュールパッケージ400では、第1、第2の保持部材120A,120Bが板状であり、これらを予めハウジング131に応じた形状に加工しておく必要がない。したがって、光モジュールパッケージ400では、光モジュールパッケージ300よりも製造に要する手間や時間を軽減できるし、製造コストも軽減できる。
【0141】
(変形例)
図18〜
図20を参照して変形例に係る光モジュールパッケージ400Aについて説明する。光モジュールパッケージ400Aは、光モジュールパッケージ400と比較して、ハウジング本体110、第1、第2の保持部材120A,120B、カバー体130の代わりに、ハウジング本体110A、第1、第2の保持部材122A,122B、カバー体130Aを有する点で相違している。
【0142】
ハウジング本体110Aは、ハウジング本体110と比較して、平端部111、112の代わりに平端部111A、112Aを有する点で相違している。平端部111A、112Aは、平端部111、112と比較して、それぞれファイバ受部111a、112aの代わりにファイバ受部116、112bを有する点と、長手方向の長さが長い点とで相違している。ファイバ受部116は、ファイバ受部111aよりも幅広である。ファイバ受部116は、浅底部113aに接続され、浅底部113aと同じ幅に形成されている。ファイバ受部112bは浅底部113aに接続され、浅底部113aと同じ幅に形成されている。
【0143】
第1,第2の保持部材122A、122Bは、第1,第2の保持部材120A、120Bと比較して、長手方向の長さが長い点で相違している。第1,第2の保持部材122A、122Bの長手方向の長さはハウジング131Aよりも長い。
【0144】
カバー体130Aは、カバー体130と比較して、ファイバ受部116に応じたファイバ受部135を有する点と、長手方向の長さが長い点で相違している。
【0145】
以上のような光モジュールパッケージ400Aでも、光モジュールパッケージ400と同様に、ファイバユニット89が第1、第2の保持部材122A、122Bによって挟まれつつ保持され、その状態でハウジング131Aに収容されている。
【0146】
そして、第1,第2の保持部材122A、122Bの長手方向の長さがハウジング131Aよりも長いため、第1、第2の保持部材122A、122Bの長手方向の両側端部がハウジング131Aから張出す。そのため、
図19,20に示すように、光ファイバ部材6、テープ状光ファイバ部材7が接着剤136を用いてその張出している端部に固着されている。
【0147】
このような光モジュールパッケージ400Aも、ファイバユニット89を接着剤や樹脂を用いてハウジング131Aに固定する必要がないので、製造に要する手間や時間を軽減することができる。
【0148】
加えて、光モジュールパッケージ400Aは、第1,第2の保持部材122A、122Bの張出している端部に光ファイバ部材6等が固着されているため、光ファイバ部材6等が曲がったときに光ファイバ部材6等がハウジング131Aに接触しにくくなる。また、光ファイバ部材6等が第1、第2の保持部材122A、122Bの隙間に入り込むおそれもなくなる。
【0149】
なお、前述のハウジング131において、収容凹部113が内傾斜部113aaを有しているが、内傾斜部113aaではなく、ハウジング60のような段差構造を有していてもよい。
【0150】
第4の実施の形態
(光モジュールパッケージの構造)
まず、
図21〜
図25、
図27を参照して本発明の第4の実施の形態に係る光モジュールパッケージ500の構造について説明する。ここで、
図21は本発明の第4の実施の形態に係る光モジュールパッケージ500を示す分解斜視図、
図22は光モジュールパッケージ500を短手方向中央で長手方向に沿って切断したときの断面図である。
図23は、ハウジング本体151およびカバー体152のそれぞれを一部省略して示した斜視図である。
図24は、光モジュールパッケージ500の要部を示した正面図、
図25は同じく斜視図である。
図27は、第1の保持部材160を示す斜視図である。
【0151】
光モジュールパッケージ500は、ハウジング本体151とカバー体152とを有するハウジング151Aと、ファイバユニット99と、第1の保持部材160と、第2の保持部材170とを有している。
【0152】
光モジュールパッケージ500は、ハウジング本体151の底係止突起154と、カバー体152の天端係止突起159とが、それぞれ第1の保持部材160、第2の保持部材170を係止してそれらの動きを規制する。これにより、光モジュールパッケージ500は、ファイバユニット99を接着剤や樹脂を用いてハウジング151Aに固定することなく、しかも、光ファイバをチューブ状の部材に挿通することなく製造できるため、製造に要する手間や時間を軽減できる。
【0153】
ハウジング本体151は、前述したハウジング本体1と同様の概ねU字状に形成されたU字状体である。ハウジング本体151は、ハウジング本体1と比較して、2つの底係止突起4の代わりに4つの底係止突起154が形成されている点と、壁係止突起3の代わりに係止孔153が形成されている点と、位置合わせ部181が形成されている点とで相違している。
【0154】
各底係止突起154は
本体底部1aを外側から内側に向かって局所的に突出させるなどして形成されている。底係止突起154は、底係止突起4と異なり、4つすべてが第1の保持部材160の底部160eに当接する位置に配置されている。4つのうち2つが
本体底部1aの長手方向両側付近に配置され、残り2つが長手方向中央付近に配置されている。
【0155】
係止孔153は、本体壁部1b、1cの一部を矩形状に切り欠くなどして形成した貫通孔である。係止孔153は本体壁部1b、1cにそれぞれ3つずつ形成されている。各係止孔153は本体壁部1b、1cの長手方向に沿ってほぼ等間隔に配置されている。
【0156】
位置合わせ部181は、本体壁部1b、1cをそれぞれ外側から内側に向かって局所的に突出させるなどして形成されている。位置合わせ部181は、本体壁部1b、1cそれぞれの長手方向両側付近の、後述する縮幅部161f、163fに応じた位置に形成されている。
【0157】
カバー体152は、前述したカバー体2と同様の概ねU字状に形成されたU字状体である。カバー体152は、カバー体2と比較して、4つの天端係止突起159が形成されている点と、係合突起8の代わりに係合爪158が形成されている点と、位置合わせ部182が形成されている点とで相違している。
【0158】
天端係止突起159は、前述した底係止突起4と同様に、天端部152aを外側から内側に向かって局所的に突出させるなどして形成されている。また、4つすべてが第2の保持部材170の底部170eに当接する位置に配置されている。4つのうち2つが天端部152aの長手方向両側付近に配置され、残り2つが長手方向中央付近に配置されている。
【0159】
そして、光モジュールパッケージ500では、カバー体152をハウジング本体151にかぶせたときに、4つの天端係止突起159と、4つの底係止突起154とがそれぞれ天端部152aから本体底部1aに向かう上下方向に沿って対向する。こうして、光モジュールパッケージ500では、
図22に示すように、各天端係止突起159と、各底係止突起154とによって挟まれたスペース176が確保されるので、このスペース176が第1、第2の保持部材160,170の収容スペースに設定されている。
【0160】
また、光モジュールパッケージ500では、4つの底係止突起154の配置パターンと、4つの天端係止突起159の配置パターンとが共通している。すなわち、底係止突起154の個数と、天端係止突起159の個数とがともに4つで等しく、各底係止突起154の位置関係(底部1a上の位置)と、各天端係止突起159の位置関係(天端部152a上の位置)とが共通している。これにより、
図23に示すように、各天端係止突起159が各底係止突起154と対向する位置に配置されている。そのため、光モジュールパッケージ500において、各天端係止突起159と各底係止突起154とを結ぶ直線を考えると、この直線は本体底部1aおよび天端部152aと直交している。
【0161】
さらに、ハウジング本体151と、カバー体152は、底係止突起154と、天端係止突起159の配置に関する偏在配置構造を有している。本実施の形態において、偏在配置構造とは、底係止突起154と、天端係止突起159とがそれぞれ本体底部1a、天端部152a上に均等な間隔をおいて配置されるのではなく、特定の位置に偏って配置された構造を意味している。光モジュールパッケージ500の場合、偏在配置構造とは、底係止突起154等が、後述する第1,第2の保持部材160,170のデバイス係止部164a,174aに応じた位置に配置されるが、コネクタ係止部164b、174bに応じた位置には配置されない構造を意味している(
図22参照)。
【0162】
光モジュールパッケージ500では、カバー体152をハウジング本体151にかぶせると、本体壁部1b、1cの本体底部1aにつながらない開放端部1eに天端部152aを接触させることができる。そのときに、各天端係止突起159と、対応する各底係止突起154との上下方向に沿った間隔(それぞれの最も突出している部分の間隔)が、第1、第2の保持部材160,170における2つの底面160e,170eの配置間隔よりもわずかに小さくなる。
【0163】
係合爪158は、カバー壁部152b、152cに概ねT字状の切り込みを入れ、その下端部を折り目にして切り込みの内側をカバー壁部152b、152cの内側に折り曲げて形成した爪状の部分である。各係合爪158は、カバー壁部152b、152cにそれぞれに3つずつ形成され、ハウジング本体151の係止孔153に対応した位置に配置されている。そのそれぞれは、係止孔153に応じた大きさに形成されている。
【0164】
位置合わせ部182は、カバー壁部152b、152cをそれぞれ外側から内側に向かって局所的に突出させるなどして形成されている。位置合わせ部182は、ハウジング本体151の位置合わせ部181に対応した位置に配置され、そのそれぞれの形状も位置合わせ部181に対応している。カバー体152をハウジング本体151にかぶせると、各位置合わせ部182が各位置合わせ部181に外側から係合する。
【0165】
第1の保持部材160は、
図27に詳しく示すように、第1の保持部材10と比較して、凸部11,13の代わりに凸部161、163を有する点と、デバイス受部164を有する点とで相違している。第1の保持部材160の底面160eは、後述する底面170eとともに本発明における
対立表面に相当している。
【0166】
凸部161は、その表面にファイバ受部11aと同様のファイバ受部161aが形成されている。また、凸部161は、側面10c、10dと同様の側面160c、160dを有し、デバイス受部164につながる部分が幅の狭い縮幅部161fとなっている。
【0167】
凸部163は、その表面163にファイバ受部13aと同様のファイバ受部163aが形成されている。また、凸部163は、側面10c、10dと同様の側面160c、160dを有し、デバイス受部164につながる部分が幅の狭い縮幅部163fとなっている。
【0168】
デバイス受部164は、デバイス係止突起164aと、コネクタ係止突起164bと、ベース部164cとを有している。デバイス係止突起164aはベース部164c上に、その長手方向中央に形成され、ベース部164cよりも幾分厚さを大きくし、幅も大きくした部分である。コネクタ係止突起164bは、ベース部164c上のデバイス係止突起164aの両側の、デバイス係止突起164aから離れた位置に1つずつ形成されている。ベース部164cは、縮幅部161fと縮幅部163fとをつなぐ厚さのうすい帯状の部分である。
【0169】
第2の保持部材170は、第2の保持部材30と比較して、凸部31、33の代わりに凸部171、173を有する点と、デバイス受部174を有する点とで相違している。
【0170】
凸部171は、その表面にファイバ受部31aと同様のファイバ受部171aが形成されている。また、凸部171は、側面30c、30dと同様の側面170c、170dを有し、デバイス受部174につながる部分が幅の狭い縮幅部171fとなっている。
【0171】
凸部173は、その表面にファイバ受部33aと同様のファイバ受部173aが形成されている。また、凸部173は、側面30c、30dと同様の側面を有し、デバイス受部174につながる部分が幅の狭い縮幅部173fとなっている。
【0172】
デバイス受部174は、デバイス係止突起174aと、コネクタ係止突起174bと、ベース部174cとを有している。デバイス係止突起174aはベース部174c上に、その長手方向中央に形成され、ベース部174cよりも幾分厚さを大きくし、幅も大きくした部分である。コネクタ係止突起174bは、ベース部174c上のデバイス係止突起174aの両側の、デバイス係止突起174aから離れた位置に1つずつ形成されている。ベース部174cは、縮幅部171fと縮幅部173fとをつなぐ厚さのうすい帯状の部分である。
【0173】
第1、第2の保持部材160、170は、凸部161と凸部171、凸部163と凸部173の表面をそれぞれ直に接触させながら対向させることができる。すると、ファイバ受部161a、171aと、デバイス受部164、174と、ファイバ受部163a、173aとが一つにつながった空間を形成する。この空間はユニット収容部15と同様、ファイバユニット99をデバイス受部164,174等により係止した状態で収容し得る形状である。
【0174】
ファイバユニット99は、光導波路デバイス95に光ファイバ部材6と、テープ状光ファイバ部材7とが接続され、これらが一つにまとまっている。光導波路デバイス95は、光導波路基板95aと、ファイバコネクタ95b、95cとを有し、これらが一体となった構造を有している。
【0175】
光導波路基板95aは、光導波路基板5bと外形が異なるが、光導波路基板5bと同様の光導波路が形成されている。光導波路基板95aは、例えばアルミナ結晶体によって形成されている。ファイバコネクタ95b、95cは、ファイバコネクタ5c、5dと外形が異なるが,ファイバコネクタ5c、5dと同様に図示しない接着剤を用いて光導波路基板95aに固定されている。ファイバコネクタ95b、95cは、例えば石英を用いて形成されている。
【0176】
以上のような一対の第1、第2の保持部材160、170およびファイバユニット99がハウジング本体151に収容され、その上からカバー体152をかぶせることによって、光モジュールパッケージ500が構成されている。
【0177】
この場合、例えばまず、第1の保持部材160をハウジング本体151に収容し、続いて、その第1の保持部材160にファイバユニット99を収容する。次に、第2の保持部材170を第1の保持部材160に重ね合わせ、ファイバユニット99を第1、第2の保持部材160、170によって挟みつつ保持する。それから、ハウジング本体151にカバー体152をかぶせ、各係合爪158を係止孔153に嵌め込んで係合させる。こうすると、光モジュールパッケージ500が完成する。
【0178】
(光モジュールパッケージ500の作用効果)
以上のように、光モジュールパッケージ500は、光モジュールパッケージ200と同様の概ねU字状のハウジング151Aによってファイバユニット99を保持しているから、光モジュールパッケージ200と同様に、製造に必要とされる手間や時間を軽減することができる。
【0179】
また、4つの底係止突起154すべてが第1の保持部材160の底部160eに当接する位置に配置され、4つの天端係止突起159すべてが第2の保持部材160の底部170eに当接する位置に配置されている。そのため、第1、第2の保持部材160,170をハウジング本体151に収容し、その上からカバー体152をかぶせると、4つの底係止突起154、天端係止突起159によって、第1、第2の保持部材160,170を挟み込むようにして保持することができる。
【0180】
そのため、光モジュールパッケージ500では、底係止突起154と、天端係止突起159とによって、第1、第2の保持部材160,170を、長手方向はもちろん、短手方向にも動かないように動きを規制できる。
【0181】
しかも、各天端係止突起159と、各底係止突起154との間隔が、第1、第2の保持部材160,170の底面160e,170eの配置間隔よりもわずかに小さい。したがって、4つの底係止突起154、天端係止突起159が単に底部160e、170eに当接するだけでなく、食い込みながらこれらを押圧するから、第1、第2の保持部材160,170をより強固に保持することができる。
【0182】
また、デバイス受部164,174のデバイス係止突起164a、174aと、コネクタ係止突起164b,174bとによって、光導波路基板95aと、ファイバコネクタ95b、95cとを別々に係止している。光導波路基板95aと、ファイバコネクタ95b、95cとは異なった材料で形成されているため、温度変化に伴い伸縮する大きさが異なる。
【0183】
したがって、仮に、光導波路基板95aとファイバコネクタ95b、95cとに、ひとつにつながった平面を接触させたとすると、伸縮する大きさの相違に伴うひずみがその平面に発生するなどのため、その平面が光導波路基板95a等を保持する力が低下するおそれがある。この点、光モジュールパッケージ500では、光導波路基板95aに接するデバイス係止突起164a、174aと、ファイバコネクタ95b、95cに接するコネクタ係止突起164b,174bとが離れた位置に形成されているため、光導波路基板95aとファイバコネクタ95b、95cの伸縮する大きさの相違に伴う保持力低下のおそれはない。
【0184】
しかも、底係止突起154、天端係止突起159が偏在配置構造で配置されている。光導波路基板95aと、ファイバコネクタ95b、95cとは、温度変化に伴い伸縮する大きさが異なる。そのため、コネクタ係止部164b、174bに応じた位置にも底係止突起154、天端係止突起159を形成すると、底係止突起154、天端係止突起159と、第1,第2の保持部材160,170との接触部分に、伸縮する大きさの相違に伴うひずみが発生しやすく、これによって、ハウジング本体151およびカバー体152の保持力が低下するおそれがある。
【0185】
しかし、光モジュールパッケージ500では、底係止突起154、天端係止突起159が偏在配置構造で配置されているため、上記のような保持力低下のおそれはなく、ハウジング本体151およびカバー体152によって、第1、第2の保持部材160,170を確実に保持することができる。
【0186】
さらに、ハウジング本体151とカバー体152がそれぞれ位置合わせ部181,182を有するため、ハウジング本体151とカバー体152の位置合わせが簡単かつ確実に行える。
【0187】
また、位置合わせ部181,182は、それぞれハウジング本体151とカバー体152の内側に突出しているが、縮幅部161f、163fに応じた位置に形成されているから、第1、第2の保持部材160,170には接触しない。位置合わせ部181,182を第1、第2の保持部材160,170に接触する位置に形成した場合、位置合わせ部181,182からの押圧に伴う第1、第2の保持部材160,170の形状等の変化によって、底係止突起154、天端係止突起159が第1、第2の保持部材160,170を押圧する力が変化し、ハウジング本体151とカバー体152が第1、第2の保持部材160,170を保持する力が全体として低下するおそれがある。
【0188】
しかし、光モジュールパッケージ500では、第1、第2の保持部材160,170が位置合わせ部181,182から押圧されることがないため、ハウジング本体151とカバー体152の保持力が低下することもない。
【0189】
そして、各天端係止突起159の配置パターンと、各底係止突起154の配置パターンとが共通している。そのため、
図24に示すように、各天端係止突起159から第2の保持部材170にかかる圧力f159と、各底係止突起154から第1の保持部材160にかかる圧力f154とは、方向が反対で大きさがほぼ等しく、反対方向から同じ位置に向かう。そのため、圧力f159と圧力f154とが互いに打ち消し合い、モーメント(moment)を形成しないので、ハウジング151Aによって第1、第2の保持部材160,170をより安定的に保持することができる。
【0190】
以上のように、光モジュールパッケージ500は、ファイバユニット99を接着剤や樹脂を用いてハウジング151Aに固定する必要がないので、製造に要する手間や時間を軽減することができる。
【0191】
(変形例)
図26を参照して変形例に係る光ジュールパッケージ500Aについて説明する。光ジュールパッケージ500Aは、光ジュールパッケージ500と比較して、第1、第2の保持部材160、170の代わりに第1、第2の保持部材160A、170Aを有する点で相違している。第1、第2の保持部材160A、170Aは、第1、第2の保持部材160、170よりも凸部161、163、171,173の長手方向の長さが大きく形成されているため、第1、第2の保持部材160A、170Aの長手方向の端部がハウジング151Aから張出している。
【0192】
そして、光ジュールパッケージ500Aでは、光ファイバ部材6等が、第1、第2の保持部材160A、170Aの張出している部分に接着剤167を用いて固着されている。
【0193】
このような光モジュールパッケージ500Aも、ファイバユニット99を接着剤や樹脂を用いてハウジング151Aに固定する必要がないので、製造に要する手間や時間をよりいっそう軽減することができる。
【0194】
加えて、光モジュールパッケージ500Aは、光モジュールパッケージ300Aと同様に、光ファイバ部材6等が曲がったときに光ファイバ部材6等がハウジング151Aに接触しにくいし、光ファイバ部材6等が第1、第2の保持部材160A、170Aの隙間に入り込むおそれもない。
【0195】
光モジュールパッケージ500、500Aでは、底係止突起154と天端係止突起159がそれぞれ4つずつ形成されていた。底係止突起154と天端係止突起159は少なくとも1つずつ形成されていればよい。
【0196】
以上の説明は、本発明の実施の形態についての説明であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができる。又、各実施形態における構成要素、機能、特徴あるいは方法ステップを適宜組み合わせて構成される装置又は方法も本発明に含まれるものである。