特許第6242617号(P6242617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242617
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】車両用ストライカ
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/04 20140101AFI20171127BHJP
   E05B 83/00 20140101ALI20171127BHJP
   B60N 2/015 20060101ALI20171127BHJP
   B60N 2/44 20060101ALI20171127BHJP
   B60N 2/30 20060101ALN20171127BHJP
【FI】
   E05B85/04
   E05B83/00 D
   B60N2/015
   B60N2/44
   !B60N2/30
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-146371(P2013-146371)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2015-17456(P2015-17456A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 和明
(74)【代理人】
【識別番号】100091764
【弁理士】
【氏名又は名称】窪谷 剛至
(74)【代理人】
【識別番号】100103366
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 礼至
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】光本 敏成
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−003610(JP,A)
【文献】 特開2007−196721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック部材に係合される略棒状の被係合部を有する車両用ストライカにおいて、
前記車両用ストライカは、前記被係合部と所定の隙間を有して配置される補強用ブラケットと、固定台とを備え、
前記被係合部は、略U字状のループ部からなり、このループ部の両基端が前記固定台に固設されており、
前記補強用ブラケットは、前記固定台に固設されるとともに、前記ループ部の外周面との間に、前記ロック部材に所定の荷重より小さな荷重が生じ前記被係合部が撓んでも前記ループ部が接することが無い所定の隙間を有しており、
前記ロック部材に所定以上の荷重が生じ、前記被係合部が前記所定の隙間以上に撓もうとした際に、前記ループ部が前記補強用ブラケットに当接し、前記被係合部の移動が規制される車両用ストライカ。
【請求項2】
前記被係合部は、2本のロッド部と、それら2本のロッド部を連結する連結部とを有する略U字状のループ部のうち、一方のロッド部である請求項1記載の車両用ストライカ。
【請求項3】
前記補強用ブラケットと前記被係合部との前記所定の隙間は車両の前後方向に形成されたものである請求項1または2記載の車両用ストライカ。
【請求項4】
前記補強用ブラケットと前記被係合部との上下方向の隙間は前記前後方向に形成された隙間よりも小さい請求項3記載の車両用ストライカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両用シートに設けられたロック部材を係脱可能に係合する車両用ストライカに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シート、例えば、自動車用シートにあっては、ボディ側のストライカにシート側のロック部材を係合し、ロック部材とストライカとの係合時に、ロック部材とストライカとの相対的な移動を規制する移動規制部材を設け、この移動規制部材によりシートに、例えば、シートに対して前後方向、又は左右方向からの荷重が生じてもシート側のロック部材がストライカに確実にロックできるようにしたものや(特開平10−44847号公報)、ロック部材がストライカに対する位置ずれを防止する位置ずれ防止部を設けたものがある(特開2011−201453号公報)。
【0003】
このような自動車用シートにあっては、移動規制部材又は位置ずれ防止部により、ロック部材がストライカに確実にロックできるようにし、また、ロック部材のストライカに対する位置ずれを防止し、このような移動規制部材、位置ずれ防止部によりロック部材とストライカとのロック状態は確実に維持できるが、ストライカが変形するほどの荷重がシートに生じた際の、ストライカに対する補強対策はなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−44847号公報
【特許文献2】特開2011−201453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の技術では、ストライカとロック部材との補強対策は行われているが、ストライカに対する補強対策は行われていないので、ストライカに対する補強対策があれば、荷重がシートの前後方向や左右方向から生じ、シートのロック部材からの荷重がストライカに生じても、ストライカの変形量を抑えることにより安全性が保たれる。そのため、ストライカを補強するために、このストライカに一体的にブラケットを設け、このブラケットによりストライカの剛性を上げると、特に低荷重の際には、ストライカとブラケットは一体的に設けられているから、ブラケットからの荷重がボディ側へ生じ、ストライカとブラケットの両方に生じた荷重が同時にボディの固定箇所へ衝撃として伝わり、ボディとストライカ、ブラケットの固定箇所が破壊するおそれがある。特に、ボディの剛性が弱い車両においては顕著である。
【0006】
本発明は、荷重がシートに生じその荷重による衝撃がシート側のロック部材からストライカに発生しても、補強用ブラケットにより変形量を抑えることができ、ボディへの衝撃が緩和できる車両用ストライカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成すべく、本発明に係る車両用ストライカは、
ロック部材に係合される略棒状の被係合部を有する車両用ストライカにおいて、
前記被係合部と所定の隙間を有して配置される補強用ブラケットを備え、
ロック部材に所定以上の荷重が生じ、前記被係合部が前記所定の隙間以上に撓もうとした際に、
該被係合部が前記補強用ブラケットに当接し、該被係合部の移動が規制されるものである。
【0008】
ロック部材に荷重が生じた際には、その荷重が特に低荷重では、ロック部材が係合する被係合部と補強用ブラケットは隙間を有して一体的に設けられていず、被係合部とは遊びである隙間を形成して補強用ブラケットが配置されているので、被係合部の変形する撓みを補強用ブラケットとの隙間で吸収することができ、一方、大荷重が生じた際には、被係合部が変形するが、被係合部の変形である撓みが補強用ブラケットとの隙間以上になれば、補強用ブラケットに被係合部が接するが、被係合部は補強用ブラレットで移動が規制されているので、被係合部と補強用ブラケットとの間に形成した隙間、補強用ブラケットにより、荷重を段階的に吸収することができ、被係合部と補強用ブラケットのボディへの固定箇所へ同時に衝撃が生じることがなく、ストライカによるボディへの衝撃も緩和でき、安全性の向上が図られる。
【0009】
前記被係合部は、2本のロッド部と、それら2本のロッド部を連結する連結部とを有する略U字状のループ部のうち、一方のロッド部である。ロック部材は略U字状のループ部の被係合部の一方のロッド部に係合しているので、被係合部のループ部によりロック部材の荷重を吸収できる。
【0010】
前記補強用ブラケットと前記被係合部との前記所定の隙間は車両の前後方向に形成されたものであり、車両に生じた前後方向の荷重は、前記所定の隙間、補強用ブラケットと、段階的に吸収することができる、
【0011】
前記補強用ブラケットと前記被係合部との上下方向の隙間は前記前後方向に形成された隙間よりも小さい。前後方向からの荷重よりも上下方向からの荷重が小さいので、同じ隙間を取る必要がなく、その分、空間が広くなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、荷重がシートに生じその荷重による衝撃がストライカに発生しても、ストライカの変形量を抑えることにより、ボディへの衝撃が緩和できて安全性の向上が図られる車両用ストライカが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る一実施形態の車両用シートである自動車用シートの斜視図である。
図2図1に示すシートバックの要部の一部断面図である。
図3図2に示すストライカの斜視図である。
図4図3に示すIV―IV線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態につき、図1乃至図4に基づき説明する。
本発明に係る車両用ストライカの一実施形態として、自動車用シートの場合につき説明する。この自動車用シート1は、図1に示すように、シートクッションSCとシートバックSBからなる。シートバックSBはボディ側であるボディ側壁Bに固定したストライカ2に、シートバックSBの側面に設けたロック部材3を係脱可能に係合してなり、ロック部材3のストライカ2への係合を解除してシートクッションSC側に図示矢印に示すように前倒しすることができる。シートクッションSCは、その前脚部4を車床5にヒンジ部6で枢着して、シートバックSBを前倒させた後、ヒンジ部66によりシートバックSBとともにシートクッションSCを前回動させることができる構成からなっている。
【0015】
図2に示すように、シートバックSBのロック部材3は、従来周知のように、ロック部材3のラッチ3aがストライカ2に係脱可能に係合して、シートバックSBをボディ側壁Bにロックしている。
そして、ストライカ2は、ボディ側壁Bに固定する固定台2aと、この固定台2aからシートバックSB方向に延びる逆U字形状の被係合部であるループ部2bと、補強用ブラケット8からなり、このループ部2bの両基端2c、2cが固定台2aに固設されており、この固定台2aがネジによりボディ側壁Bに固定されている。
ストライカ2のループ部2bは水平面上に、シートバックSB方向に延びており、前側ループ部6と後側ループ部7は水平面上に位置し、前側ループ部6にロック部材3のラッチ3aが係合している。すなわち、ストライカ2のループ部2bは進行方向の前後方向に対して直交している位置に設けられている。ロック部材3のラッチ3aはストライカ2の前側ループ部6に直交して係脱可能に係合している。
【0016】
そして、ストライカ2のループ部2bは、図3図4に示すように、その基端側が補強用ブラケット8により、ループ部2bとの間に隙間11、12を形成して挟持されている。この補強用ブラケット8は、上側ブラケット9と下側ブラケット10からなり、ループ部2bを上下方向から挟持しており、上側ブラケット9の基端側は上方向に延出して、その上側延出部9aがストライカ2の固定台2aにネジ止めされ、下側ブラケット10の基端側は下方向に延出して、その下側延出部10aがストライカ2の固定台2aにネジ止めされ、ストライカ2の固定台2aに固設されている。上側ブラケット9と下側ブラケット10の上側延出部9aと下側延出部10aは補強用ブラケット8の基端側の強度を増すべくそれぞれ形成されているものである。
【0017】
さらに、上側ブラケット9と下側ブラケット10の基端側には、それぞれに前側に延出する前側足部9b、10bが形成され、ループ部2bの前側ループ部6が前方向に変形する際の補強を確実に行えるようにしている。すなわち、後方からの荷重に対しての補強を図っている。上側ブラケット9と下側ブラケット10には、その前後方向略中央には溶接用の孔9c、10cが形成され、前側端部9d、10dと後側端部9e、10eは互いにに重なりあるように形成されている。補強用ブラケット8は、上側ブラケット9と下側ブラケット10は下側延出部9a、10aがストライカ2の固定台2aに固設されるとともに、上側ブラケット9と下側ブラケット10とは、溶接用の孔9c、10cが形成されている前後方向中央部9f、10f、前側端部9d、10d、後側端部9e、10eの3か所において溶接固定され強度確保が図られている。前側端部9d、10dと後側端部9e、10eは互いにに重なり溶接固定されているので、前側端部9d、10d間と後側端部9e、10e間との固定強度が増す。
【0018】
次に、ストライカ2のループ部2bと補強用ブラケット8との隙間11、12につき説明する。上側ブラケット9と下側ブラケット10とは、前後方向中央部9f、10f、前側端部9d、10d、後側端部9e、10eの3か所において溶接固定され、上側ブラケット9と下側ブラケット10と、前側ループ部6と後側ループ部7との間には、シートに対しての上下部分に上下隙間11、同じくシートに対しての前後部分に前後隙間12が設けられ、前後隙間12が上下隙間11よりその隙間の間隔が広い。特に、自動車用シート1に生じる荷重の方向としては前後方向が多く、その荷重を吸収して補強用ブラケット8によりストライカ2をより補強するために、前後隙間12を広くしている。
【0019】
このような自動車用シート1では、ストライカ2を構成するループ部2bを補強用ブラケット8により挟持しているが、この補強用ブラケット8とループ部2bとの間には隙間11,12を形成しているので、シートバックSBに荷重が生じロック部材3からループ部2bに生じても、その荷重が低荷重では、ループ部2bと補強用ブラケット8は一体的に設けられていず、ループ部2bとは遊びである隙間11,12を形成して補強用ブラケット8がループ部2bを挟持しているので、ループ部2bで補強用ブラケット8との間の隙間11、12の分だけ撓み、ループ部2bで荷重を吸収することができる。ループ部2bのボディBへの固定箇所に荷重が生じるだけである。そのため、ループ部2bと補強用ブラケット8との荷重がボディ側壁Bへの固定箇所に同時に生じることがないので、ボディ側壁Bの剛性が弱い車両であっても、ストライカ2によるボディ側壁Bへの衝撃が低減できる。
【0020】
一方、大荷重が生じた際には、ストライカ2のループ部2bがその荷重に耐えられず撓んで変形するが、変形量が補強用ブラケット8との隙間11,12以上になれば、補強用ブラケット8によりループ部2bは補強されているので、ループ部2bの変形を補強用ブラケット8で吸収でき、ループ部2bと補強用ブラケット8との間に形成した隙間11,12により、荷重を段階的に吸収することができるので、ボディへ側壁Bへの衝撃も緩和できてストライカ2の変形量を抑えることができて安全性の向上が図られる。
【0021】
ストライカ2の補強用ブラケット8は、ループ部2bを上下から挟持し、補強用ブラケット8とループ部2bとの上下間の隙間11より、前後水平間の隙間12を大きくして、ループ部2bと補強用ブラケット8の間には上下間及び前後水平間に隙間11,12を形成しているので、ループ部2bからの衝撃は段階的に補強用ブラケット8に生じ、ボディへ側壁Bへの衝撃が緩和でき、特に、前後水平方向からの衝撃によりループ部2bが変形する際には、上下間の隙間11より前後水平間の隙間12が大きく形成されているので、その隙間分、時間差が生じて補強用ブラケット8に衝撃が伝わるが、補強用ブラケット8に接触してループ部2bの変形量を抑えることができ、その時間差分、ストライカ2によるボディ側壁Bへの衝撃が緩和される。
【0022】
補強用ブラケット8は、ループ部2bを上下から挟持し、補強用ブラケット8とループ部2bと間に隙間11、12を形成しているが、この隙間11,12はループ部2bの基端側から先端側に徐々に大きくしてもよい。ループ部2bが変形する際には、基端側より先端側の変形量、撓みが大きくなるからである。隙間11、12はループ部2bの基端側から先端側、即ち、ボディ側壁B側からシートバックSB側に徐々に大きくなるように補強用ブラケットにより8により、ループ部2bを挟持するように形成してもよい。
【符号の説明】
【0023】
2はストライカ
2bは被係合部たるループ部
8は補強用ブラケット
11は上下の隙間
12は前後の隙間












図1
図2
図3
図4