【実施例1】
【0014】
製造例1 サルナシ果実の熱水抽出物
サルナシの果実の乾燥物20gに精製水400mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してサルナシの熱水抽出物を11.8g得た。
【0015】
製造例2 サルナシ果実の50%エタノール抽出物
サルナシの果実の乾燥物20gに50%エタノール400mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、サルナシの50%エタノール抽出物を7.0g得た。
【0016】
製造例3 サルナシ果実のエタノール抽出物
サルナシの果実の乾燥物40gにエタノール1000mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、サルナシのエタノール抽出物を7.6g得た。
【0017】
製造例4 サルナシ果実の50%1,3‐ブチレングリコール抽出物
サルナシの果実20gに50%1,3‐ブチレングリコール400mLを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、サルナシの50%1,3‐ブチレングリコール抽出物を380g得た。
【実施例2】
【0018】
処方例1 化粧水
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実の熱水抽出物(製造例1) 2.0
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜6及び11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
【0019】
比較処方例1 従来の化粧水
処方例1において、サルナシの果実の熱水抽出物(製造例1)を精製水に置き換えたものを、従来の化粧水とした。
【0020】
処方例2 クリーム
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実の50%エタノール抽出物(製造例2) 1.0
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.1,3−ブチレングリコール 8.5
14.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0021】
処方例3 乳液
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実のエタノール抽出物(製造例3) 0.01
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0022】
処方例4 ゲル剤
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実の熱水抽出物(製造例1) 1.0
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3−ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜5と、成分1及び6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
【0023】
処方例5 パック
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実の50%エタノール抽出物(製造例2) 1.0
2.サルナシ果実の
50%1,3‐ブチレングリコール抽出物(製造例4) 5.0
3.ポリビニルアルコール 12.0
4.エタノール 5.0
5.1,3−ブチレングリコール 8.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
8.クエン酸 0.1
9.クエン酸ナトリウム 0.3
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜11を均一に溶解し製品とする。
【0024】
処方例6 ファンデーション
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実のエタノール抽出物(製造例3) 1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
10.ベントナイト 0.5
11.プロピレングリコール 4.0
12.トリエタノールアミン 1.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.二酸化チタン 8.0
15.タルク 4.0
16.ベンガラ 1.0
17.黄酸化鉄 2.0
18.香料 適量
19.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、続いて、成分1及び10〜13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14〜17を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この油相に水相をかき混ぜながら加え、乳化する。その後、冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0025】
処方例7 浴用剤
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実の熱水抽出物(製造例1) 1.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 適量
4.香料 適量
5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする
[製造方法]成分1〜5を均一に混合し製品とする。
【0026】
処方例8 軟膏
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実の50%エタノール抽出物(製造例2) 1.0
2.サルナシ果実の
50%1,3‐ブチレングリコール抽出物(製造例4) 5.0
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
4.モノステアリン酸グリセリン 10.0
5.流動パラフィン 5.0
6.セタノール 6.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.プロピレングリコール 10.0
9.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分3〜6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2及び7〜9を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0027】
処方例9 散剤
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実の熱水抽出物(製造例1) 1.0
2.乾燥コーンスターチ 39.0
3.微結晶セルロース 60.0
[製造方法]成分1〜3を混合し、散剤とする。
【0028】
処方例10 錠剤
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実のエタノール抽出物(製造例3) 5.0
2.乾燥コーンスターチ 25.0
3.カルボキシメチルセルロースカルシウム 20.0
4.微結晶セルロース 40.0
5.ポリビニルピロリドン 7.0
6.タルク 3.0
[製造方法]成分1〜4を混合し、次いで成分5の水溶液を結合剤として加えて顆粒成型する。成型した顆粒に成分6を加えて打錠する。1錠0.52gとする。
【0029】
処方例11 錠菓
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実の50%エタノール抽出物(製造例2) 2.0
2.乾燥コーンスターチ 49.8
3.エリスリトール 40.0
4.クエン酸 5.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
6.香料 0.1
7.精製水 0.1
[製造方法]成分1〜4及び7を混合し、顆粒成型する。成型した顆粒に成分5及び6を加えて打錠する。1粒1.0gとする。
【0030】
処方例12 飲料
処方 配合量(部)
1.サルナシ果実の熱水抽出物(製造例1) 0.05
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.香料 0.1
5.精製水 94.8
[製造方法]成分2及び3を少量の水に溶解する。次いで、成分1、4及び5を加えて混合する。
【0031】
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
【実施例3】
【0032】
実験例1 ヒアルロン酸合成酵素2(HAS2)の測定
ヒト線維芽細胞NB1RGBを60mm dishに1×10
5個播種し、コンフルエントになった時点で、終濃度が1又は10μg/mLになるように試料を添加した。コントロールには、試料を希釈した溶媒を添加した。24時間培養後、総RNAの抽出を行った。細胞からの総RNAの抽出はTRIZOL Reagent(Invitrogen)を用いて行い、総RNA量は分光光度計(NanoDrop)を用いて260nmにおける吸光度により求めた。mRNA発現量の測定は、細胞から抽出した総RNAを基にしてリアルタイムRT−PCR法により行った。リアルタイムRT−PCR法には、SuperScriptIII Platinum Two−Step qRT−PCR Kit with SYBR Green(Invitrogen)を用いた。すなわち、500ngの総RNAを逆転写反応後、PCR反応(95℃:15秒間、60℃:30秒間、40cycles)を行った。その他の操作は定められた方法に従い、HAS2の発現量を、内部標準であるβ―actin mRNAの発現量に対する割合として求めた。HAS2発現率は、コントロールのHAS2 mRNAの発現量に対する試料添加群のHAS2 mRNAの発現量の比率として算出した。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
【0033】
HAS2用のプライマーセット
TGGATGACCTACGAAGCGATTA(配列番号1)
GCTGGATTACTGTGGCAATGAG(配列番号2)
β―Actin用のプライマーセット
CACTCTTCCAGCCTTCCTTCC(配列番号3)
GTGTTGGCGTACAGGTCTTTG(配列番号4)
【0034】
実験結果を表1に示した。その結果、本発明のサルナシの熱水抽出物及び50%エタノール抽出物は、優れたヒアルロン酸合成促進作用を示した。
【表1】