(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
夫々X方向とY方向に延在し所定の間隔で配置された複数の電極を有するタッチパネルの前記電極に現れる信号を周期的に取り込んでタッチの有無に応ずる検出データを生成するタッチパネルコントローラ、を含む半導体装置であって、
前記タッチパネルコントローラは、前記信号の取り込みに用いる複数本の電極を複数本単位で分割した複数個のグループ毎に検出回路を有し、前記各グループ内で時分割に順次選択された電極からの信号を前記夫々の検出回路が入力して検出データを生成するタッチ検出スキャンと、前記各グループ内で全選択された電極からの信号を前記夫々の検出回路が入力して検出データを生成するノイズ検出スキャンとを行う、半導体装置。
請求項1において、検出回路の入力と対応する複数の電極の夫々の間にスイッチを有し、前記スイッチにより前記タッチ検出スキャンにおける前記グループ内の検出電極の時分割選択と、前記ノイズ検出スキャンにおける前記グループ内の検出電極の全選択が行われる、半導体装置。
請求項1において、前記タッチ検出スキャンで検出した検出データに基づいてタッチの有無を判別し、前記ノイズ検出スキャンで検出した検出データに基づいてノイズレベルを判別するプロセッサを有する、半導体装置。
請求項7の半導体装置と、タッチパネルと、液晶表示パネルとを有し、半導体装置は前記液晶表示パネルの表示制御と前記タッチパネルによるタッチ検出制御を行う、電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される実施の形態について概要を説明する。実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0014】
〔1〕<タッチ検出スキャンで検出用電極を時分選択、ノイズ検出スキャンで検出用電極を全選択>
半導体装置(1)は、夫々X方向とY方向に延在し所定の間隔で配置された複数の電極を有するタッチパネル(4)の前記電極に現れる信号を周期的に取り込んでタッチの有無に応ずる検出データを生成するタッチパネルコントローラ(2)、を含む。前記タッチパネルコントローラは、前記信号の取り込みに用いる複数本の電極(RX1_1〜RXm_n)を複数本単位で分割した複数個のグループ毎に検出回路(12_1〜12_m)を有し、前記各グループ内で時分割に順次選択された電極からの信号を前記夫々の検出回路が入力して検出データを生成するタッチ検出スキャンと、前記各グループ内で全選択された電極からの信号を前記夫々の検出回路が入力して検出データを生成するノイズ検出スキャンとを行う。
【0015】
これによれば、検出用の複数本の電極を複数本単位で分割したグループ毎に検出回路を配置し、ノイズ検出にも検出回路を流用するから、これらの点でタッチパネルコントローラをオンチップした半導体装置の小型化を実現することができる。更に、ノイズ検出スキャンは検出用電極を全選択して各グループにおけるノイズの総量を検出するから、タッチ検出スキャンと同様のスキャン手法で電極単位にノイズを検出可能にする手法に比べてノイズ検出に要する時間を短縮することができる。タッチパネルコントローラによるタッチ検出方式は相互容量方式又は自己容量方式の何れであってもよいことは言うまでもない。
【0016】
〔2〕<検出回路を共有する電極の時分割スイッチ>
項1において、検出回路の入力と対応する複数の電極の夫々の間にスイッチ(SW1_1〜SWm_n)を有し、前記スイッチにより前記タッチ検出スキャンにおける前記グループ内の検出電極の時分割選択と、前記ノイズ検出スキャンにおける前記グループ内の検出電極の全選択が行われる。
【0017】
これによれば、グループ内での検出電極の選択を容易に行うことが可能になる。
【0018】
〔3〕<フレームレートの期間にタッチ検出スキャンとノイズ検出スキャン>
項2において、表示のフレームレートの期間に前記タッチ検出スキャンと前記ノイズ検出スキャンの実行を制御する制御部(10)を有する。
【0019】
これによれば、表示のフレームレートの期間毎に、タッチ検出スキャンによるタッチ有無の判別にノイズ検出スキャンによる検出結果を反映することが可能になり、タッチ座標の判別制度の向上に資することができる。
【0020】
〔4〕<相互容量方式の場合>
項1において、前記電極は、X方向に延在しY方向に所定間隔で配列された複数のX電極(RX1_1〜RXm_n)と、Y方向に延在しX方向に所定間隔で配列された複数のY電極(TY1〜TYj)である。前記検出回路は複数本のX電極を複数本単位で分割したグループ毎に設けられる。前記タッチ検出スキャンにおいて前記検出回路は、複数のY電極を順次駆動したとき駆動したY電極と前記グループ単位で時分割に選択される複数のX電極との間に形成される容量成分に応ずる信号を取り込んでX電極とY電極の交点毎の検出データを生成する。前記ノイズ検出スキャンにおいて前記検出回路は、複数のY電極の順次駆動を抑止した状態で前記各グループにおいて全選択された複数のX電極との間に形成される容量成分に応ずる信号を取り込んでX電極毎の検出データを生成する。
【0021】
これによれば、マルチタッチ検出に対応可能な相互容量方式でタッチ検出を行う場合には検出回路が配置されるX電極側で検出回路の数の削減効果を得ることができる。尚、自己容量方式でタッチ検出を行う場合には検出回路が配置されるX電極及びY電極の双方で検出回路の数の削減効果を得ることができる。
【0022】
〔5〕<ノイズ検出スキャンにおいて全Y電極を駆動停止>
項4において、前記ノイズ検出スキャンにおいて複数のY電極を駆動停止状態とする。
【0023】
これによれば、検出回路でノイズ成分だけを積み上げて検出することができる。
【0024】
〔6〕<タッチの有無の判別とノイズレベルの判別を行うプロセッサ>
項1において、前記タッチ検出スキャンで検出した検出データに基づいてタッチの有無を判別し、前記ノイズ検出スキャンで検出した検出データに基づいてノイズレベルを判別するプロセッサを有する。
【0025】
これによれば、プロセッサを別チップで構成する場合に比べてシステムの小型化、そして、タッチ判別結果を得るまでの時間短縮、に資することができる。
【0026】
〔7〕<表示ドライバを内蔵>
項1において、前記タッチパネル(4)の下に配置された液晶パネル(5)の表示制御を行う表示ドライバ(3)を更に備える。
【0027】
これによれば、液晶ドライバを別チップで構成する場合に比べてシステムの小型化、そして、表示タイミングに同期したタッチ検出の容易化、に資することができる。
【0028】
〔8〕<半導体装置、タッチパネル及び液晶表示パネルを有する電子機器>
電子機器(30)は、項7の半導体装置、タッチパネル、及び液晶表示パネルを有し、半導体装置は前記液晶表示パネルの表示制御と前記タッチパネルによるタッチ検出制御を行う。
【0029】
これによれば、タッチ検出と表示機能が組み込まれたパネルモジュールのような電子機器における表示画面の周囲に対する額縁様の枠の小型化に資することができる。
【0030】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0031】
図2には液晶表示とタッチ検出のためのパネルモジュールを備えた携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)の概略が例示される。
【0032】
同図に示される携帯情報端末は、特に制限されないが、パネルモジュール30、サブプロセッサ(SMPU)31、ホストプロセッサ(HMPU)32、及びその他周辺機器(PRPHL)33を有して成る。
【0033】
パネルモジュール30は、タッチパネル(TP)4、表示パネル(LCD)5、タッチパネルコントローラ(TPC)2、及び表示ドライバ(LCDDRV)3を有して成る。特に制限されないが、タッチパネルコントローラ2及び表示ドライバ4は例えばCMOS集積回路製造技術によって1個の半導体チップに形成された1チップの半導体装置(DRVIC)1とされる。特に図示はしないが、半導体装置1にはサブプロセッサ31を含んでもよいし、また、タッチパネルコントローラ2及び表示ドライバ3を別々の半導体装置として実現してもよい。
【0034】
表示パネル5は、特に図示はしないが、例えばガラス基板上に表示規模に応じて透明電極及び液晶による画素が形成され、表示ライン単位で画素の選択端子には駆動電極が複数本形成され、画素の信号端子には駆動電極と交差する方向に信号電極が複数本形成されている。
【0035】
表示ドライバ3はホストプロセッサ32から画像データを入力し、表示タイミングに同期しながら、複数本の走査電極によって画素を表示ライン単位で順次走査駆動し、走査駆動された表示ラインの画素には表示データに応ずる階調信号を複数本の信号電極に並列的に供給する制御を行う。これによって、表示フレーム期間毎に表示フレーム単位の画像データが表示パネル5に表示可能になる。
【0036】
タッチパネル4は、特に制限されないが、表示パネル5の表面にそれと一体的に形成されたインセル構造、又は表示パネルの上に配置されたオンセル構造などを有し、複数の駆動電極(Y電極)TY1〜TYiと複数の検出電極(X電極)RX1_1〜RXm_nが誘電体を介して交差配置され、交差位置で対応するX電極とY電極に接続された容量Cxyが配置される。Y電極TY1〜TYiはY方向に延在し所定の間隔で配置された電極である。X電極RX1_1〜RXm_nはX方向に延在し所定の間隔で配置された電極である。特に制限されないが、タッチパネル4は、タッチパネルコントローラ2から駆動制御信号を受けてY電極TY1〜TYiを駆動するYドライバ(YDRV)20を備える。タッチパネル4のサイズが小さい場合にはタッチパネルコントローラ2がYドライバ20を備えてもよい。タッチパネル4は所謂互容量方式のタッチパネルとして動作される。
【0037】
タッチパネルコントローラ2はYドライバ20で駆動されたY電極とX電極RX1_1〜RXm_nとの間の容量Cxyなどの容量成分を介してX電極RX1_1〜RXm_nに現れる信号を周期的に積分して前記容量成分に応ずる検出データを生成する。タッチパネルコントローラ2は、特に制限されないが、入力スイッチ部(RXSW)11、検出部(RXDTC)12、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器(ADC)13、ADC13で変換されたデジタルデータを一時的に格納するスキャンバッファ(SCNRAM)14及びタッチパネルコントローラ2の全体的な制御を司る制御部(CNTLGC)10を有する。
【0038】
サブプロセッサ31はタッチパネルコントローラ2に対する初期設定や動作を制御する。また、サブプロセッサ31は、タッチパネルコントローラ2が取得した検出データに基づいて、指が接近したタッチ位置の演算及び外来ノイズの評価などを行う。特に制限されないが、サブプロセッサ31を省略する場合にはその機能をホストプロセッサ32で実現すればよい。
【0039】
ホストプロセッサ32は携帯情報端末の全体的な制御を司る。例えばホストプロセッサ32が表示データを生成すると、表示ドライバ3がその表示データを受け取って、表示タイミングに同期しながら表示データに応ずる表示信号を表示パネル5に供給する。また、ホストプロセッサ32は、サブプロセッサ31が演算した位置座標を受け取り、そのときの表示内容と位置座標との関係から、タッチパネル4からの入力操作を解析して、その入力に応答する制御を行う。
【0040】
周辺回路33として、特に制限されないが、携帯情報端末に必要な通信制御ユニット、画像処理ユニット、音声処理ユニット、及びその他データ処理用のアクセラレータなどを有する。
【0041】
図1にはタッチパネルコントローラ2における入力スイッチ部11及び検出部12の詳細が例示される。
【0042】
入力スイッチ部11は、特に制限されないが、X電極RX1_1〜RXm_nをn本単位で分割したm個のグループの各グループ内でX電極を選択して出力するm個の選択ユニット11_1〜11_mを有する。選択ユニット11_1〜11_mの夫々は、夫々に対応するm本のX電極を選択的に出力ノードに接続可能なスイッチSWをm個有する。例えば選択ユニット11_1はスイッチSW1_1〜SW1_nを有し、選択ユニット11_2はスイッチSW2_1〜SW2_nを有し、以下同様に、選択ユニット毎にm個のスイッチを有する。
【0043】
検出部12は前記選択ユニット11_1〜11_mの夫々の出力に接続された検出回路としての積分回路ユニット12_1〜12_mを有する。積分回路ユニット12_1〜12_mの出力はサンプルホール回路12_Aでホールドされ、ホールドされた信号は順次セレクタ12_Bで選択されてADC13に供給される。ADC13で変換された信号は例えば検出フレーム単位でスキャンバッファ14に一時的に格納され、サブプロセッサ31によるデータ処理に委ねられる。
【0044】
積分回路ユニット12_1は、例えばX電極RX1_1〜RX1_nをチャージするためのプリチャージ電圧VHSPと、X電極RX1_1〜RX1_nに電圧VHSPを選択的に印加するスイッチSWb、非反転入力端子(+)に基準電圧として電圧VHSPが印加されるオペアンプAMP、オペアンプAMPの反転入力端子(−)を選択的に対応するX電極RX1_1〜RX1_nに接続するスイッチSWbb、オペアンプAMPの反転入力端子(−)と出力端子との間に配置された積分コンデンサCs、積分コンデンサCsをリセットするためのスイッチSWaによって構成される。スイッチSWaは検出に使用するコンデンサCsに重畳された電荷をリセットする。特に制限されないが、スイッチWSbはY電極TY1〜TYiのパルス駆動期間にオフ状態にされ、スイッチSWbとSWbbは相補的にスイッチ制御される。特に図示はしないが、他の積分回路ユニット12_2〜12_mもそれと同様に構成される。
【0045】
ここまでの説明から明らかなように、12_1〜12_mの夫々の積分回路ユニットは1個当たりn本のX電極RXj_1〜RXj_n(1≦j≦m)に現れる信号の検出に共用されることになる。制御部10は、タッチ検出スキャンにおいて、選択ユニット11_1〜11_m毎に時分割で順次X電極RXj_1,…,RXj_nをスイッチSWj_1,…,SWj_nにより選択し、選択されたX電極からの信号を検出回路12_jが入力して検出信号を生成する。
図3にはタッチ検出スキャンにおけるスイッチSW1_1〜SWM_nによるX電極の選択状態が例示される。
図3においてパルスのハイ期間単位で当該X電極が対応するスイッチで選択されることを意味する。
図3ではX電極は連続して5回選択が繰返されるが、これは、Y電極のパルス駆動回数が5回とされることに対応されるものである。Y電極が5回連続的にパルス駆動回される期間を通してスイッチによる選択を持続させることも可能である。即ち、図の5回の連続パルスを単一の長いパルスに変更してもよい。
図3から明らかなように、1本のY電極のパルス駆動に対して全てのX電極RX1_1〜RXm_nに現れる信号を積分回路ユニット12_2〜12_mcで検出するにはtのn倍の時間を要する。tは夫々のX電極RX1_1〜RXm_nに専用の積分回路ユニットが配置されていたと仮定した場合に1本のY電極のパルス駆動に対して全てのX電極RX1_1〜RXm_nに現れる信号を積分回路ユニットで検出するのに要する時間である。
【0046】
ここで、タッチ検出スキャンにおける積分回路ユニット12_2〜12_mの積分動作について一例を説明する。例えばY電極TX1〜TYiはタッチ検出フレームの期間に同期して順次パルス駆動される。Y電極の1本当たりの駆動パルス数は望ましくは複数回とされる。夫々の積分動作に当たり、先ず、スイッチSWaが一旦オン状態にされることにより、コンデンサCsの電荷がリセットされる。次に、期間t毎に選択ユニット11_1〜11_mの夫々において順次スイッチSWj_1〜SWj_nを上位側(SWj_1側)からオンにして対応するX電極を選択した状態が形成される毎に、Y電極の非駆動期間にスイッチSWbをオン、スイッチSWbbをオフにすることにより、上記選択ユニット11_1〜11_mで選択された対応するX電極を電圧VHSPでプリチャージする。プリチャージされた状態でY電極TY1〜TYiが順次複数回ずつパルス駆動される。パルス駆動毎にスイッチSWbがオフ状態にされ、スイッチSWbbがオン状態にされる。このスイッチ状態で対応するY電極がパルス駆動されると(パルス電圧をVyとする)、当該Y電極上の交点容量Cxyを介して夫々プリチャージされているX電極には電荷(=Vy×Cxy)が移動し、これを反転入力端子(−)に受けるオペアンプAMPの出力電圧がその移動電荷に応ずる電圧分だけ下がる。その交点容量Cxyの近傍に指があればそれによる浮遊容量によって当該交点容量Cxyの容量値が減少する。例えば指の接近によって合成容量が容量値Cfだけ減少したとすれば、X電極のオペアンプAMPに入力される電荷はVy×(Cxy−Cf)となる。したがって、タッチ時のオペアンプAMPの出力のレベル低下は、非タッチ時のレベル低下よりも小さくなる。複数回の連続する夫々のパルス駆動毎に上記動作を繰返すことによって大きな信号量の検出信号を得ることができる。
【0047】
タッチパネルコントローラ2は上記タッチ検出スキャンのほかに、ノイズ検出スキャンを行う。ノイズ検出スキャンは、選択ユニット11_1〜11_mで夫々一括で全選択されたX電極RX1_1〜RXm_nからの信号を対応する夫々の積分回路ユニット12_2〜12_mが入力して検出信号を生成する動作である。上述の説明から明らかなようにタッチ検出スキャンはスイッチドキャパシタ動作を行うものであるから、電源ノイズや表示ドライバ3による表示パネルの駆動ノイズなどの影響を強く受ける。電源ノーズとして例えばACチャージャが備えるレギュレータの動作周波数に大きく依存する、対地グランドに対する端末グランドの揺れがある。ノイズ検出スキャンはそのようなノイズ量を検出するためのものである。
【0048】
上記タッチ検出スキャンとノイズ検出スキャンの制御は制御部10のシーケンス制御論理に従って行われる。例えば、表示のフレームレートの期間に前記タッチ検出スキャンと前記ノイズ検出スキャンとの双方を実行してよい。また、フレームレートの期間毎に前記タッチ検出スキャンを単数又は複数回行い、フレームレートの複数期間毎に前記ノイズ検出スキャンを行うようにしてもよい。
【0049】
ノイズ検出スキャン時の動作はタッチ検出スキャン時に動作に比べて以下の点で相違がある。第1の相違点は、選択ユニット11_1〜11_mで夫々のX電極を全選択とすることである。
図4にはノイズ検出スキャンにおけるスイッチSW1_1〜SWM_nによるX電極の選択状態が例示される。第2の相違点はY電極TY1〜TYiを駆動させないことである。これにより、Y電極TY1〜TYiから電荷を注入せずに積分動作を行うことになる。したがって、夫々の積分回路ユニット12_2〜12_mには、外来ノイズの影響による情報だけが積上げられていくことになる。尚、
図4の連続的な選択回数は5回に限定されない。
【0050】
上記実施の形態によれば、検出用の複数本のX電極RX1_1〜RXm_nを複数本単位で分割したグループ毎に検出回路としての積分回路ユニット12_1〜12_mを配置し、ノイズ検出にも積分回路ユニット12_1〜12_mを流用するから、これらの点でタッチパネルコントローラ2をオンチップした半導体装置1の小型化を実現することができる。更に、ノイズ検出スキャンは検出用のX電極RX1_1〜RXm_nを選択ユニット11_1〜11_mXで全選択して各グループにおけるノイズの総量を検出するから、タッチ検出スキャンと同様のスキャン手法で電極単位にノイズを検出可能にする手法に比べてノイズ検出に要する時間を短縮することができる。
図3と
図4を比べれば明らかなように、ノイズ検出スキャンに要する処理時間はタッチ検出スキャンに要する時間の1/nで済む。表示のフレームレートの期間に前記タッチ検出スキャンと前記ノイズ検出スキャンを実行する場合に、限られた時間内で、タッチ検出スキャン動作時間を制限することなく必要なノイズ検出スキャンを行うことが容易になる。
【0051】
更に、ノイズ検出スキャンにおいてY電極TY1〜TUYiを全て駆動停止するから、積分回路ユニット12_1〜12_mでノイズ成分だけを積み上げて検出することができる。したがって、外来ノイズの大きさを解析する場合にタッチの有無を考慮することを要しないから、外来ノイズの判別が容易になって当該判別精度の向上に資することができる。
【0052】
また、タッチパネルコントローラ2をオンチップした半導体装置1の小型化を実現することができるから、半導体装置1、タッチパネル4、及び液晶表示パネル5を備えて、タッチ検出と表示機能が組み込まれたパネルモジュール30は、表示画面の周囲に対する額縁様の枠の小型化が実現される。
【0053】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0054】
例えば、上記実施の形態では相互容量方式でタッチ検出を行う場合を一例としたが、本発明はそれに限定されず、自己容量方式でタッチ検出を行う場合にも本発明は適用可能である。例えば自己容量方式でタッチ検出を行う場合には検出回路をX電極及びY電極の双方に配置することになり、その場合には、検出回路が配置されるX電極及びY電極の双方で検出回路の数の削減効果を得ることができる。
【0055】
半導体装置がオンチップする回路モジュールは上記実施の形態に限定されず適宜変更可能である。最も小規模であればタッチパネルコントローラだけをオンチップすればよく、必要に応じて、表示ドライバ、サブプロセッサ、ホストプロセッサ、その他の回路モジュール、更にはシステムオンチップ化も可能である。
【0056】
表示パネルは液晶表示素子が形成されたパネルに限定されず、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスパネルなど、他の表示セル若しくは他の表示形式のパネルであってもよい。
【0057】
電子機器はパネルモジュールや携帯情報端末に限定されない。カーナビゲーション装置におけるタッチ入力及び表示システムなどであってもよい。
【0058】
また、積分回路ユニット12_1〜12_mの構成も上記実施の形態に限定されずスイッチドキャパシタ動作する別の回路形式などに適宜変更可能であり、また、スイッチSW1_1〜SWm_nの数も適宜決定すればよい。