特許第6242721号(P6242721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242721
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】紙葉類移載機構
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/38 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   B07C5/38
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-50577(P2014-50577)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-174007(P2015-174007A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽山 恭一
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−316098(JP,A)
【文献】 特開2003−181382(JP,A)
【文献】 特開2013−215665(JP,A)
【文献】 特開2002−019959(JP,A)
【文献】 米国特許第05993132(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 1/00−99/00
B65G 57/00−57/32,60/00−61/00
B65H 31/00−31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の紙葉類を立位状態で順次重ねて集積する集積部と、
前記集積部において前記複数の紙葉類を移載方向に移動させる紙葉類移動部と、
前記移載方向で前記集積部に連続するように配置され、前記紙葉類移動部によって前記移載方向に移動する前記複数の紙葉類を収納する収納ケースと、
前記複数の紙葉類を前記収納ケースの内部に移動させるために前記収納ケースにおいて前記集積部側の壁部の少なくとも一部を開閉する開閉部と、
前記収納ケースを支持する支持台と、
前記支持台の表面上において前記収納ケースを移動させるケース移動部と、
前記紙葉類移動部を前記複数の紙葉類に接触しないように前記集積部の内部に収容する状態と前記紙葉類移動部を前記複数の紙葉類の少なくとも一部に接触するように露出する状態とを切り替える切替部と、
を備える、
紙葉類移載機構。
【請求項2】
前記支持台は、
車輪を備える、
請求項1に記載の紙葉類移載機構。
【請求項3】
前記支持台は、
前記収納ケースを鉛直方向に昇降する昇降部を備える、
請求項1または請求項2記載の紙葉類移載機構。
【請求項4】
前記集積部において前記複数の紙葉類を集積方向で支持する支持部を備え、
前記支持部は、前記紙葉類移動部によって前記複数の紙葉類が前記移載方向に移動する際に前記複数の紙葉類を支持しつつ前記紙葉類移動部に連動して前記複数の紙葉類とともに前記移載方向に移動する、
請求項1から請求項3の何れか1つに記載の紙葉類移載機構。
【請求項5】
操作者の入力操作に応じて前記紙葉類移動部の駆動を指示する操作部を備える、
請求項1から請求項4の何れか1つに記載の紙葉類移載機構。
【請求項6】
前記集積部の下方に設けられ、前記収納ケースを次の作業部位へ移動させる払出部を備える、
請求項1から請求項5の何れか1つに記載の紙葉類移載機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙葉類移載機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、区分集積された紙葉類を次の作業部位へ移動させるために、区分集積された紙葉類を収納するケースを移動させる台車またはコンベヤーがある。これらの台車やコンベヤーは、作業者の手作業によって移載されたケースを次の作業部位へ移動させるために用いられる。しかしながら、紙葉類を収納するケースの重量が過大になると、移載時の作業者の負担が増大して、作業環境が悪化する場合がある。また、集積された紙葉類の移載のために、小包などの荷物を自動搬送する装置を流用すると、過剰性能となり、非効率な装置となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−215665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、区分集積された紙葉類の移載および移動に要する作業の負担を軽減することができる紙葉類移載機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の紙葉類移載機構は、集積部と、紙葉類移動部と、収納ケースと、開閉部と、支持台と、ケース移動部と、切替部と、を持つ。集積部は、複数の紙葉類を立位状態で順次重ねて集積する。紙葉類移動部は、集積部において複数の紙葉類を移載方向に移動させる。収納ケースは、移載方向で集積部に連続するように配置され、紙葉類移動部によって移載方向に移動する複数の紙葉類を収納する。開閉部は、複数の紙葉類を収納ケースの内部に移動させるために収納ケースにおいて集積部側の壁部の少なくとも一部を開閉する。支持台は、収納ケースを支持する。ケース移動部は、支持台の表面上において収納ケースを移動させる。切替部は、紙葉類移動部を複数の紙葉類に接触しないように集積部の内部に収容する状態と紙葉類移動部を複数の紙葉類の少なくとも一部に接触するように露出する状態とを切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の紙葉類移載機構を備える紙葉類処理装置の構成を示す斜視図。
図2】実施形態の紙葉類移載機構の構成を模式的に示す斜視図であり、集積部の一部を省略して示す図。
図3】実施形態の紙葉類移載機構の構成を示す側面図。
図4】実施形態の紙葉類移載機構の構成を模式的に示す斜視図であり、集積部の一部を省略するとともに、支持台の収納ケースを省略して示す図。
図5】実施形態の紙葉類移載機構の収納ケースの構成を示す側面図。
図6】実施形態の紙葉類移載機構の集積部の構成を示す斜視図。
図7】実施形態の紙葉類移載機構の集積部の構成を示す平面図。
図8】実施形態の紙葉類移載機構の構成を模式的に示す斜視図であり、集積部から支持台の収納ケースに紙葉類を移載する状態を示す図。
図9】実施形態の紙葉類移載機構の構成を模式的に示す斜視図であり、紙葉類を収納した収納ケースを下降させて、搬送部に移動させる状態を示す図。
図10】実施形態の紙葉類移載機構の構成を模式的に示す斜視図。
図11】実施形態の紙葉類移載機構の搬送部を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の紙葉類移載機構を、図面を参照して説明する。
【0008】
実施形態の紙葉類処理装置1は、図1に示すように、供給部2と、取出部3と、前処理部4と、排除集積部5と、読取認識部6と、印字部7と、区分集積部8と、を備えている。
供給部2は、操作者によって収集される書状などの複数の紙葉類を、水平面に対してほぼ垂直に立った立位状態で積層配置して保持するとともに、積層方向に移動させることによって積層方向先端側に存在する取出部3に供給する。
取出部3は、供給部2によって供給される複数の紙葉類のうちから積層方向における最先端の紙葉類を順次取り出して、前処理部4に向かう搬送路(図示略)に送り出す。
前処理部4は、取出部3によって取り出される複数の紙葉類のうちから排除対象の紙葉類を検出して、排除集積部5に向かう搬送路(図示略)に送り出すとともに、排除対象以外の紙葉類を読取認識部6に向かう搬送路(図示略)に送り出す。
排除集積部5は、前処理部4によって検出される排除対象の紙葉類を集積する。
読取認識部6は、前処理部4によって検出される排除対象以外の紙葉類に付与されている区分情報を取得し、この区分情報を印字部7および区分集積部8に出力する。
印字部7は、読取認識部6から出力される区分情報に応じて排除対象以外の紙葉類に所定情報を印字する。
区分集積部8は、読取認識部6から出力される区分情報に応じて排除対象以外の紙葉類を区分集積する。
【0009】
実施形態の紙葉類移載機構10は、区分集積部8に備えられている。
紙葉類移載機構10は、図2から図5に示すように、集積部11と、収納ケース12と、支持台13と、を備えている。
【0010】
集積部11は、集積ベース11aの表面上において複数の紙葉類Pを立位状態で順次重ねて集積する。集積部11は、図6および図7に示すように、区分搬送される紙葉類Pを集積部11内に押し込むように集積する押込機構21と、複数の紙葉類Pを集積方向Qで支持する集積パドル22と、集積パドル22に付勢力を付与する荷重機構23と、を備えている。
【0011】
押込機構21は、1対の搬送ベルト31、搬送ガイド32、1対の押込ローラ33、および送りスクリュー34を備えている。
1対の搬送ベルト31は、紙葉類Pを厚さ方向の両側から挟み込んだ状態で移動することにより、紙葉類Pを集積部11内に送り出す。搬送ガイド32は、紙葉類Pの流入側から側壁24に向かいストッパ25まで延びるように設けられている。1対の押込ローラ33は、紙葉類Pの押込方向Rに並んで配置された状態で紙葉類Pの集積方向Qに集積パドル22に対向して配置されている。送りスクリュー34は、1対の押込ローラ33よりも押込方向Rの上流側に配置され、円柱状の軸部の外周面上に螺旋状に設けられた羽部を有している。1対の押込ローラ33および送りスクリュー34は、駆動モータ(図示略)の駆動力によって回転駆動される。
【0012】
これにより押込機構21において、1対の搬送ベルト31は、紙葉類Pを挟持して集積部11内に送り出す。搬送ガイド32は、紙葉類Pを送りスクリュー34および1対の押込ローラ33に向かい案内する。送りスクリュー34は、紙葉類Pを1対の押込ローラ33に向かい搬送する。1対の押込ローラ33は、1対の押込ローラ33と集積パドル22との間で複数の紙葉類Pを順次、ストッパ25に向かい押し込むことによって、複数の紙葉類Pを集積方向Qに順次重ねて集積する。
【0013】
集積パドル22は、側壁24に設けられたガイドレール35に沿ってスライド移動するスライダ36に連結されている。荷重機構23は、例えば可変荷重ばね機構などであって、集積パドル22に1対の押込ローラ33に向かう方向(つまり紙葉類Pの集積方向Qの反対方向)の付勢力を付与する。
これにより押込機構21が複数の紙葉類Pを集積方向Qに順次重ねて集積すると、集積パドル22は荷重機構23の付勢力によって集積方向Qで複数の紙葉類Pを支持しつつ、スライダ36のスライド移動によって集積方向Qに移動する。
【0014】
集積部11は、集積ベース11aの表面上において集積パドル22によって支持されている複数の紙葉類Pを集積方向Qに平行な移載方向Sに移動させる紙葉類移動部37を備えている。紙葉類移動部37は、集積ベース11aの内部に配置されるモータ(図示略)などによって駆動されるベルトであって、集積ベース11aの表面上で露出する部位が、集積ベース11a上に載置される複数の紙葉類Pの各下端部に接触して、移載方向Sに移動する。集積部11は、この紙葉類移動部37の駆動を操作者の入力操作に応じて指示する操作スイッチなどの操作部38を備えている。
これにより操作部38によって紙葉類移動部37の駆動が指示されると、紙葉類移動部37は、集積ベース11aの表面上で露出する部位を移載方向Sに移動させることによって、集積ベース11a上に載置される複数の紙葉類Pを移載方向Sに移動させる。集積パドル22は、荷重機構23の付勢力によって集積方向Qで複数の紙葉類Pを支持しつつ、紙葉類移動部37に連動して複数の紙葉類Pとともに移載方向Sに移動する。
【0015】
収納ケース12は、移載方向Sで集積部11に連続するように配置され、紙葉類移動部37によって移載方向Sに移動する複数の紙葉類Pを収納する。収納ケース12は、図5に示すように、複数の紙葉類Pを収納ケース12の内部に移動させるために収納ケース12において集積部11側の壁部12aを開閉する開閉部41を備えている。
開閉部41は、例えば収納ケース12の底部に設けられた蝶番などであって、操作者の手動操作によって壁部12aが集積部11側の外方に倒されるように操作されることによって、壁部12aを開放する。
【0016】
支持台13は、上部に設けられている支持ベース13aの表面上に収納ケース12を搭載している。支持台13は、支持ベース13aを鉛直方向に昇降する昇降部51を備えている。昇降部51は、アクチュエータ(図示略)により駆動されるリンク機構を備え、操作者によって操作される操作スイッチなどの支持台操作部56から出力される信号に応じて支持ベース13aを昇降させる。昇降部51は、図4および図8に示すように、収納ケース12を移載方向Sで集積部11に連続するように配置し、開放される壁部12aの内面と集積ベース11aの表面とを平行かつ同一高さに設定する場合に支持ベース13aを上昇させる。昇降部51は、図9に示すように、収納ケース12を集積部11の下方に設けられている払出部52に移動させる場合、または支持台13を払出部52に隣接して設けられている収容空間53に収容する場合に支持ベース13aを下降させる。
なお、集積部11の下方に設けられている払出部52は、図10および図11に示すように、収納ケース12を次の作業部位へ移動させるためのコンベヤー52aを備えている。
【0017】
支持台13は、底部に車輪54を備えている。これにより支持台13は、集積部11の下方において払出部52に隣接して設けられている収容空間53に出入りする場合、または収納ケース12を次の作業部位へ移動させる場合などにおいて、操作者の手動操作によって移動する。
【0018】
支持台13は、支持ベース13aの表面上において収納ケース12を移動方向Tに移動させるケース移動部55を備えている。ケース移動部55は、モータ(図示略)によって駆動されるベルトであって、支持ベース13aの表面上で露出する部位が、支持ベース13a上に載置される収納ケース12の底部に接触して、移動方向Tに移動する。なお、移動方向Tは、収納ケース12が集積部11における移載方向Sで集積部11に連続するように配置された状態で移載方向Sに平行に設定される。支持台13は、このケース移動部55の駆動を操作者の入力操作に応じて指示する操作スイッチなどの支持台操作部56を備えている。
これにより支持台操作部56によってケース移動部55の駆動が指示されると、ケース移動部55は、支持ベース13aの表面上で露出する部位を移動方向Tに移動させることによって、支持ベース13a上に載置される収納ケース12を移動方向Tに移動させる。
【0019】
以下に、上述した実施形態の紙葉類移載機構10の動作について説明する。
先ず、集積部11は、押込機構21によって集積ベース11aの表面上に複数の紙葉類Pを立位状態で順次重ねて集積し、集積パドル22によって複数の紙葉類Pを集積方向Qで支持する。この前後の適宜のタイミングにおいて、図8に示すように、支持台13が操作者によって収容空間53から引き出される。そして、操作者による操作スイッチ(図示略)の操作に応じて、収納ケース12が昇降部51の駆動によって移載方向Sで集積部11に連続するように配置される。収納ケース12の集積部11側の壁部12aは操作者の手動操作によって開放され、昇降部51の駆動によって壁部12aの内面と集積ベース11aの表面とが平行かつ同一高さに設定される。
【0020】
次に、所定数の紙葉類Pが集積ベース11aの表面上に集積された時点などにおいて、操作者の入力操作に応じて操作部38によって紙葉類移動部37の駆動が指示されると、紙葉類移動部37は、集積ベース11aの表面上で露出する部位を移載方向Sに移動させる。これにより集積ベース11aの表面上に積載されている複数の紙葉類Pは、集積方向Qで集積パドル22によって支持されながら、移載方向Sで収納ケース12の内部に向かい移動する。
【0021】
次に、複数の紙葉類Pが集積部11から収納ケース12の内部に移載されると、収納ケース12の壁部12aは操作者の手動操作によって閉鎖される。そして、図9に示すように、操作者による操作スイッチ(図示略)の操作に応じて、昇降部51の駆動によって支持ベース13aの表面と払出部52の表面とが平行かつ同一高さに設定される。
次に、支持台13が操作者によって収容空間53に収容され、支持ベース13aが移動方向Tで払出部52に連続するように配置される。そして、操作者の入力操作に応じて支持台操作部56によってケース移動部55の駆動が指示されると、ケース移動部55は、支持ベース13aの表面上で露出する部位を移動方向Tに払出部52に向かい移動させる。これにより支持ベース13aの表面上の収納ケース12は、図11に示すように、移動方向Tで払出部52に向かい移動し、払出部52のコンベヤー52aに移載されて、次の作業部位へ移動する。
【0022】
以上説明した実施形態によれば、紙葉類移動部37、収納ケース12の壁部12aを開放する開閉部41、およびケース移動部55を持つことにより、区分集積された複数の紙葉類Pの移載および移動に要する操作者の作業負担を軽減することができる。複数の紙葉類Pを集積ベース11aの表面上でスライド移動させる紙葉類移動部37を持つことにより、区分集積される複数の紙葉類Pの向きおよび重なり順序を変化させること無しに、移載方向Sに移動させることができる。集積部11側の壁部12aが開放し、壁部12aの内面と集積ベース11aの表面とが平行かつ同一高さに設定される収納ケース12を持つことにより、複数の紙葉類Pを持ち上げる必要無しに、収納ケース12の内部に収納することができる。複数の紙葉類Pを収納する収納ケース12を支持ベース13aの表面上でスライド移動させるケース移動部55を持つことにより、収納ケース12を持ち上げる必要無しに移動させることができる。
【0023】
さらに、昇降部51を持つことにより、収納ケース12の開放した壁部12aの内面と集積ベース11aの表面とを平行かつ同一高さで連続するように設定することができ、複数の紙葉類Pをスライド移動だけで集積部11から収納ケース12の内部に移載することができる。さらに、支持ベース13aの表面と払出部52の表面とを平行かつ同一高さで連続するように設定することができ、複数の紙葉類Pを収納する収納ケース12をスライド移動だけで支持台13から払出部52に移動させることができる。
【0024】
さらに、紙葉類移動部37、並びに昇降部51およびケース移動部55を駆動するための操作部38および支持台操作部56を持つことにより、複数の紙葉類Pの移載状態および収納ケース12の移動状態などを操作者が詳細に調整することができる。例えば、複数の紙葉類Pを集積部11から収納ケース12の内部に移載する際に、複数の紙葉類Pの集積状態が乱れないような調整を容易に行なうことができる。
【0025】
さらに、紙葉類移動部37に連動して移載方向Sに移動する集積パドル22を持つことにより、押込機構21による複数の紙葉類Pの集積時に加えて、紙葉類移動部37による複数の紙葉類Pの移載時において複数の紙葉類Pを適正に支持することができる。
【0026】
さらに、支持台13を収容する収容空間53を集積部11の下方に払出部52に隣接して持つことにより、支持台13の保管および払出部52の設置のためのスペースを削減することができる。
【0027】
以下、変形例について説明する。
上述した実施形態では、集積部11の紙葉類移動部37、並びに支持台13の昇降部51およびケース移動部55は、モータ(図示略)またはアクチュエータ(図示略)によって駆動されるとしたが、これに限定されない。
紙葉類移動部37、昇降部51、およびケース移動部55の少なくとも何れか1つは、モータ(図示略)またはアクチュエータ(図示略)の駆動力が作用していない状態において、操作者の手動による所定以上の操作力によって駆動されてもよい。操作者の手動による所定以上の操作力は、例えば紙葉類移動部37に対しては、紙葉類移動部37を備えていない集積ベース11aの表面上で複数の紙葉類Pを移動させるために要する力よりも小さく設定されている。操作者の手動による所定以上の操作力は、例えばケース移動部55に対しては、ケース移動部55を備えていない支持ベース13aの表面上で収納ケース12を移動させるために要する力よりも小さく設定されている。これにより、例えば紙葉類移動部37は、集積ベース11aに載置される複数の紙葉類Pに対して移載方向Sに所定以上の操作力が操作者によって入力された場合に、複数の紙葉類Pの移動をアシストするようにして、複数の紙葉類Pとともに移載方向Sに移動する。例えばケース移動部55は、支持ベース13a上に載置される収納ケース12に移動方向Tに所定以上の操作力が操作者によって入力された場合に、収納ケース12の移動をアシストするようにして、収納ケース12とともに移動方向Tに移動する。
【0028】
上述した実施形態では、紙葉類移動部37、並びに昇降部51およびケース移動部55を駆動するための操作部38および支持台操作部56を備えるとしたが、これに限定されない。
操作部38および支持台操作部56は省略されてもよく、適宜のセンサなどから出力される信号に応じて、紙葉類移動部37、並びに昇降部51およびケース移動部55が自動的に駆動されてもよい。
【0029】
上述した実施形態では、収納ケース12の壁部12aは外側に倒れるようにして開放されるとしたが、これに限定されない。例えば、壁部12aは、収納ケース12から取り外されることによって開放されてもよい。
また、収納ケース12の壁部12aは、複数の紙葉類Pを収納ケース12の内部に移動させるために、少なくとも一部が開放されてもよい。
【0030】
上述した実施形態では、集積部11の紙葉類移動部37において集積ベース11aの表面上で露出する部位は、集積ベース11a上に載置される複数の紙葉類Pの各下端部に接触する状態と接触しない状態とが切り替えられ。例えば、紙葉類移動部37は、操作部38が操作されていない場合には複数の紙葉類Pの各下端部に接触しないように集積ベース11aの内部に収容され、操作部38が操作される場合に複数の紙葉類Pの各下端部に接触してもよい。
上述した実施形態では、支持台13のケース移動部55において支持ベース13aの表面上で露出する部位は、支持ベース13a上に載置される収納ケース12の底部に接触する状態と接触しない状態とが切り替えられてもよい。例えば、ケース移動部55は、支持台操作部56が操作されていない場合には収納ケース12の底部に接触しないように支持ベース13aの内部に収容され、支持台操作部56が操作される場合に収納ケース12の底部に接触してもよい。
【0031】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、紙葉類移動部37、収納ケース12の壁部12aを開放する開閉部41、およびケース移動部55を持つことにより、区分集積された複数の紙葉類Pの移載および移動に要する操作者の作業負担を軽減することができる。複数の紙葉類Pを集積ベース11aの表面上でスライド移動させる紙葉類移動部37を持つことにより、区分集積される複数の紙葉類Pの向きおよび重なり順序を変化させること無しに、移載方向Sに移動させることができる。集積部11側の壁部12aが開放し、壁部12aの内面と集積ベース11aの表面とが平行かつ同一高さに設定される収納ケース12を持つことにより、複数の紙葉類Pを持ち上げる必要無しに、収納ケース12の内部に収納することができる。複数の紙葉類Pを収納する収納ケース12を支持ベース13aの表面上でスライド移動させるケース移動部55を持つことにより、収納ケース12を持ち上げる必要無しに移動させることができる。
【0032】
さらに、昇降部51を持つことにより、収納ケース12の開放した壁部12aの内面と集積ベース11aの表面とを平行かつ同一高さで連続するように設定することができ、複数の紙葉類Pをスライド移動だけで集積部11から収納ケース12の内部に移載することができる。さらに、支持ベース13aの表面と払出部52の表面とを平行かつ同一高さで連続するように設定することができ、複数の紙葉類Pを収納する収納ケース12をスライド移動だけで支持台13から払出部52に移動させることができる。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0034】
10…紙葉類移載機構、11…集積部、11a…集積ベース、12…収納ケース、12a…壁部、13…支持台、13a…支持ベース、22…集積パドル、23…荷重機構、37…紙葉類移動部、38…操作部、41…開閉部、51…昇降部、52…払出部、54…車輪、55…ケース移動部、56…支持台操作部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11