(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本開示の実施形態の生体情報登録装置を示す図である。
図1に示す生体情報登録装置1は、画像取得部2と、特徴量抽出部3と、特徴量登録部4と、記憶部5とを備える。なお、画像取得部2や記憶部5は、生体情報登録装置1の外部に設けられてもよい。
【0018】
図2は、生体情報登録方法を示すフローチャートである。
まず、画像取得部2は、利用者の手の撮像画像を取得する(S11)。例えば、画像取得部2は、撮像装置であって、単板の撮像素子とベイヤー配列のRGBの各カラーフィルタにより利用者の手を撮影する。また、画像取得部2は、利用者の手に近赤外線を照射し、その反射光を撮影している。静脈に流れている赤血球の中のヘモグロビンは、近赤外線を吸収するため、例えば、
図3に示すように、撮像画像において反射光が弱くなっている静脈像の部分が黒くなる。なお、画像取得部2は、さらに、撮像画像から利用者の手のひらの領域のみの画像を取得してもよい。
【0019】
次に、特徴量抽出部3は、画像取得部2により取得される画像から静脈像を示す静脈データ及び特徴量を抽出する(S12)。例えば、特徴量抽出部3は、
図4に示すような静脈データを抽出する。
【0020】
そして、特徴量登録部4は、特徴量抽出部3により抽出される静脈データ及び特徴量を記憶部5に記憶させる(S13)。例えば、特徴量登録部4は、特徴量抽出部3により抽出される利用者10人分の静脈データ及びその静脈データに対応する特徴量を、
図5に示すように、登録静脈データ01〜10及び登録特徴量01〜10として記憶部5に記憶させる。
【0021】
図6は、本開示の実施形態の生体認証装置を示す図である。なお、
図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
図6に示す生体認証装置6は、画像取得部2と、特徴量抽出部3と、記憶部5と、照合部7と、判定部8とを備える。なお、画像取得部2や記憶部5は、生体認証装置6の外部に設けられてもよい。
【0023】
図7は、生体認証方法を示すフローチャートである。
まず、画像取得部2は、利用者の手の撮像画像を取得する(S21)。
【0024】
次に、特徴量抽出部3は、画像取得部2により取得される画像から静脈データ及び特徴量を抽出する(S22)。
【0025】
次に、照合部7は、特徴量抽出部3により抽出される特徴量と予め記憶部5に記憶される登録特徴量との比較結果により、予め記憶部5に記憶されている複数の登録静脈データを絞り込み、その絞り込んだ登録静脈データと特徴量抽出部3により抽出される静脈データとの類似度を求める(S23)。
【0026】
そして、判定部8は、照合部7により求められる類似度により、本人であるか否かを判定する(S24)。
【0027】
例えば、照合部7は、特徴量抽出部3により抽出される照合特徴量と、記憶部5に記憶されている登録特徴量との差分の絶対値をスコアとして、対応する登録静脈データとともに記憶部5に記憶させる。
図8(a)に示す例では、特徴量抽出部3により抽出される照合特徴量00と記憶部5に記憶されている登録特徴量01との差分の絶対値81がスコアとして登録静脈データ01とともに記憶部5に記憶され、照合特徴量00と登録特徴量02との差分の絶対値67がスコアとして登録静脈データ02とともに記憶部5に記憶され、・・・、照合特徴量00と登録特徴量10との差分の絶対値30がスコアとして登録静脈データ10とともに記憶部5に記憶されている。なお、スコアが小さくなる程、そのスコアに対応する、照合静脈データと登録静脈データとの類似度が大きくなる確率が高くなるものとする。
【0028】
次に、照合部7は、記憶部5に記憶されているスコアを昇順でソートする。
図8(b)に示す例では、ソートの結果、スコアが上から順番に3、4、・・・81となり、そのソートに伴って、登録静脈データが上から順番に登録静脈データ06、07、・・・01と並び替えられている。
【0029】
次に、照合部7は、登録静脈データの個数を、ソート後の登録静脈データの上位所定%に絞り込む。
図8(c)に示す例では、上位30%の登録静脈データ06、07、03に絞り込まれている。
【0030】
次に、照合部7は、特徴量抽出部3により抽出される照合静脈データと、絞り込んだ登録静脈データとの類似度を求める。
図9(a)に示す例では、照合静脈データ00と登録静脈データ06との類似度として90が求められ、照合静脈データ00と登録静脈データ07との類似度として40が求められ、照合静脈データ00と登録静脈データ03との類似度として1000が求められている。
【0031】
次に、照合部7は、絞り込んだ登録静脈データにそれぞれ対応する類似度のうち、閾値以上の類似度を抽出し、その抽出した類似度を降順でソートする。
図9(b)の例では、閾値50以上の類似度90、1000が抽出され、その抽出された類似度90、1000を降順でソートした結果、上から順番に類似度1000、90と並んでいる。
【0032】
次に、照合部7は、ソート後の類似度のうち、最も大きい類似度を照合用の類似度として求める。
図9(c)に示す例では、最も大きい類似度1000が照合用の類似度として求められている。
【0033】
そして、判定部8は、照合部7により求められる類似度が閾値以上であるとき、本人であると判定する。
【0034】
次に、
図2に示す特徴量抽出処理(S12)や
図7に示す特徴量抽出処理(S22)について説明する。
【0035】
図10は、特徴量抽出処理を示すフローチャートである。
まず、特徴量抽出部3は、画像取得部2により取得される画像を所定の分割パターンにより複数のエリアに分割する(S31)。例えば、特徴量抽出部3は、画像を横方向に3つ、縦方向に2つ分割する場合(分割パターンP1)、
図11(a)に示すように、6つのエリアa〜fを取得する。また、特徴量抽出部3は、画像を横方向に2つ、縦方向に3つ分割する場合(分割パターンP2)、
図11(b)に示すように、6つのエリアg〜lを取得する。このように画像を分割することにより、分割パターンP1で分割されたエリア間の境界線上にある静脈データは、正しく認識されない可能性があるが、分割パターンP2の境界線上にはならないため、分割パターンP2では正しく認識される。そのため、静脈データの欠落を相互に補完することができる。また、画像を分割して個々のエリアで特徴量を抽出する場合は、画像を分割しないで画像全体において特徴量を抽出する場合に比べて、特徴量が平均化され難いため、特徴量を精度良く抽出することができる。なお、分割パターンは、
図11(a)や
図11(b)に示すものに限定されない。
【0036】
次に、特徴量抽出部3は、分割後の複数のエリアのうち、1つのエリアを選択する(S32)。例えば、特徴量抽出部3は、
図11(a)に示す6つのエリアa〜fのうち、エリアcを選択する。
【0037】
次に、特徴量抽出部3は、その選択したエリア内の静脈像をベクトル化して得られる複数のセグメントのうち、着目セグメントを選択するとともに(S33)、ペアセグメントを選択する(S34)。例えば、特徴量抽出部3は、
図12に示すように、エリアc内のセグメントc1〜c3のうち、セグメントc1を着目セグメントとして選択し、セグメントc2をペアセグメントとして選択する。
【0038】
次に、特徴量抽出部3は、特徴量を算出する(S35)。
次に、特徴量抽出部3は、着目セグメントの近傍にもうペアセグメントがないか否かを判断し(S36)、ペアセグメントがあると判断した場合(S36:No)、S34の処理に戻り、ペアセグメントがないと判断した場合(S36:Yes)、選択したエリア内にまだ選択されていない着目セグメントがないか否かを判断する(S37)。例えば、特徴量抽出部3は、
図12に示すように、着目セグメントc1とセグメントc3との距離Lが閾値以上であるとき、着目セグメントc1の近傍にもうペアセグメントがないと判断する。
【0039】
次に、特徴量抽出部3は、未選択の着目セグメントがあると判断した場合(S37:No)、S33の処理へ戻り、未選択の着目セグメントがないと判断した場合(S37:Yes)、未選択のエリアがないか否かを判断する(S38)。例えば、特徴量抽出部3は、
図12に示すセグメントc1〜c3をすべて着目セグメントとして選択すると、エリアc内に未選択の着目セグメントがないと判断する。
【0040】
そして、特徴量抽出部3は、未選択のエリアがあると判断した場合(S38:No)、S32の処理に戻り、未選択のエリアがないと判断した場合(S38:Yes)、特徴量抽出処理を終了する。
【0041】
次に、
図10に示すS35の特徴量算出処理について説明する。
図13は、S35の特徴量算出処理を示すフローチャートである。
【0042】
まず、特徴量抽出部3は、着目セグメントについて着目分割セグメントを選択する(S41)。
【0043】
次に、特徴量抽出部3は、ペアセグメントについてペア分割セグメントを選択する(S42)。
【0044】
次に、特徴量抽出部3は、特徴量として、着目分割セグメントとペア分割セグメントとの関連性を示す特徴量を算出する(S43)。
【0045】
次に、特徴量抽出部3は、選択可能なペア分割セグメントのうち、最後のペア分割セグメントでないと判断した場合(S44:No)、次のペア分割セグメントを選択し(S42)、着目分割セグメントと次のペア分割セグメントとの関連性を示す特徴量を算出する(S43)。
【0046】
また、特徴量抽出部3は、選択可能なペア分割セグメントのうち、最後のペア分割セグメントであると判断した場合(S44:Yes)、選択可能な着目分割セグメントのうち、最後の着目分割セグメントであるか否かを判断する(S45)。
【0047】
次に、特徴量抽出部3は、選択可能な着目分割セグメントのうち、最後の着目分割セグメントでないと判断した場合(S45:No)、次の着目分割セグメントを選択し(S41)、最後のペア分割セグメントになるまでS42〜S44を繰り返す。
【0048】
そして、特徴量抽出部3は、選択可能な着目分割セグメントのうち、最後の着目分割セグメントであると判断した場合(S45:Yes)、特徴量算出処理を終了する。
【0049】
例えば、
図11(a)に示すように、分割パターンP1により画像が分割され、エリアcが選択され、
図12に示すように、セグメントc1が着目セグメントc1として選択され、セグメントc2がペアセグメントc2として選択された場合を考える。
【0050】
まず、特徴量抽出部3は、
図14(a)に示すように、着目セグメントc1のすべての端点及び変曲点を求め、それらの点を点c11〜c16とし、
図14(b)に示すように、点c11を点Aとし、点Aから直線距離len離れた着目セグメントc1上の点を点Bとし、点Aと点Bを通る直線ABを着目分割セグメントABとする。
【0051】
次に、特徴量抽出部3は、
図14(a)に示すように、ペアセグメントc2のすべての端点及び変曲点を求め、それらの点を点c21〜c26とし、
図14(b)に示すように、点c21を点Cとし、点Cから直線距離len離れたペアセグメントc2上の点を点Dとし、点Cと点Dを通る直線CDをペア分割セグメントCDとする。
【0052】
次に、特徴量抽出部3は、θ1=acos(AB・CD/|AB||CD|)*(180/π)を演算することにより、
図14(b)に示すように、着目分割セグメントABとペア分割セグメントCDがなす角度θ1を算出する。なお、エリアcを2次元座標に置き換えたときの点Aの座標位置を(xa、ya)、点Bの座標位置を(xb、yb)、点Cの座標位置を(xc、yc)、点Dの座標位置を(xd、yd)とする。また、AB・CD=(xb−xa)(xd−xc)+(yb−ya)(yd−yc)とし、|AB|=((xb−xa)
2+(yb−ya)
2)
1/2とし、|CD|=((xd−xc)
2+(yd−yc)
2)
1/2とする。
【0053】
次に、特徴量抽出部3は、角度θ1についてヒストグラム(度数分布)hist1_P1[Area][n]を求める。なお、P1は分割パターンP1を示し、[Area]は画像分割後のエリアを示し、[n]はヒストグラムの階級数を示している。例えば、180度を6度単位で区切って30個の角度領域(階級)を設定する場合では、その30個の角度領域にそれぞれ対応するカウンタ値sdir(0)〜sdir(29)のうち、角度θ1が含まれる角度領域のカウンタ値をインクリメントし、ヒストグラムhist1_P1[c][30]={sdir(0),sdir(1),…,sdir(29)}を求める。例えば、このとき算出された角度θ1が30度であった場合、特徴量抽出部3は、30度から35度までの角度領域に対応するカウンタ値sdir(5)をインクリメントし、hist1_P1[c][30]={0,0,0,0,0,1,0,…,0}を求める。
【0054】
次に、特徴量抽出部3は、
図14(c)に示すように、次の点c22を点Cとし、点Cから直線距離len離れたペアセグメントc2上の点を点Dとし、点Cと点Dを通る直線CDを次のペア分割セグメントCDとする。
【0055】
次に、特徴量抽出部3は、着目分割セグメントABと次のペア分割セグメントCDがなす角度θ1を算出する。
【0056】
次に、特徴量抽出部3は、その角度θ1が含まれる角度領域のカウンタ値をインクリメントし、ヒストグラムhist1_P1[c][30]={sdir(0),sdir(1),…,sdir(29)}を求める。例えば、このとき算出された角度θ1が43度であった場合、特徴量抽出部3は、42度から47度までの角度領域に対応するカウンタ値sdir(7)をインクリメントし、hist1_P1[c][30]={0,0,0,0,0,1,0,1…,0}を求める。
【0057】
このように、ペアセグメントc2においてペア分割セグメントCDを選択することができなくなるまで、点c11を基準とする着目分割セグメントABとペア分割セグメントCDとがなす角度θ1を繰り返し算出し、それら角度θ1についてそれぞれヒストグラムhist1_P1[c][30]={sdir(0),sdir(1),…,sdir(29)}を求める。
【0058】
次に、特徴量抽出部3は、次の点c12を点Aとし、点Aから直線距離len離れた着目セグメントc1上の点を点Bとし、点Aと点Bを通る直線ABを次の着目分割セグメントABとし、点c21を点Cとし、点Cから直線距離len離れたペアセグメントc2上の点を点Dとし、点Cと点Dを通る直線CDをペア分割セグメントCDとする。
【0059】
次に、特徴量抽出部3は、角度θ1を算出し、その角度θ1が含まれる角度領域のカウンタ値をインクリメントし、ヒストグラムhist1_P1[c][30]={sdir(0),sdir(1),…,sdir(29)}を求める。
【0060】
このように、選択可能な着目分割セグメントABと、選択可能なペア分割セグメントCDとのすべての組合せにおいて、それぞれ、角度θ1を算出し、それら角度θ1についてヒストグラムhist1_P1[c][30]={sdir(0),sdir(1),…,sdir(29)}を求める。
【0061】
次に、特徴量抽出部3は、同様にして、
図11(a)に示す画像の他のエリアa、b、d、e、fについて、それぞれ、ヒストグラムhist1_P1[a][30]、hist1_P1[b][30]、hist1_P1[d][30]、hist1_P1[e][30]、hist1_P1[f][30]を求める。
【0062】
そして、特徴量抽出部3は、hist1_P1[a][30]〜hist1_P1[f][30]に対して、それぞれ、正規化処理を行う。例えば、特徴量抽出部3は、ヒストグラムhist1_P1[a][30]のsdir(0),sdir(1),…,sdir(29)の合計、hist1_P1[b][30]のsdir(0),sdir(1),…,sdir(29)の合計、・・・、及びhist1_P1[f][30]のsdir(0),sdir(1),…,sdir(29)の合計の総和をALLcnt1とし、以下のように各カウンタ値を総和ALLcnt1で除算して各カウンタ値の比率を整数で表すことにより、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist1_P1[a][30]〜hist1_P1[f][30]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第1の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0063】
hist1_P1[a][30]={sdir(0)/ALLcnt1,sdir(1)/ALLcnt1,…,sdir(29)/ALLcnt1}
hist1_P1[b][30]={sdir(0)/ALLcnt1,sdir(1)/ALLcnt1,…,sdir(29)/ALLcnt1}
hist1_P1[c][30]={sdir(0)/ALLcnt1,sdir(1)/ALLcnt1,…,sdir(29)/ALLcnt1}
hist1_P1[d][30]={sdir(0)/ALLcnt1,sdir(1)/ALLcnt1,…,sdir(29)/ALLcnt1}
hist1_P1[e][30]={sdir(0)/ALLcnt1,sdir(1)/ALLcnt1,…,sdir(29)/ALLcnt1}
hist1_P1[f][30]={sdir(0)/ALLcnt1,sdir(1)/ALLcnt1,…,sdir(29)/ALLcnt1}
【0064】
また、同様にして、分割パターンP2に対応するヒストグラムhist1_P2[g][30]〜hist1_P2[l][30]を求め、それらヒストグラムhist1_P2[g][30]〜hist1_P2[l][30]に対して、それぞれ、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist1_P2[g][30]〜hist1_P2[l][30]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第1の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0065】
次に、照合部7は、登録特徴量としてのhist1_P1[a][30]と、照合特徴量としてのhist1_P1[a][30]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist1_P1[b][30]と、照合特徴量としてのhist1_P1[b][30]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist1_P1[c][30]と、照合特徴量としてのhist1_P1[c][30]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist1_P1[d][30]と、照合特徴量としてのhist1_P1[d][30]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist1_P1[e][30]と、照合特徴量としてのhist1_P1[e][30]との差分の絶対値、及び登録特徴量としてのhist1_P1[f][30]と、照合特徴量としてのhist1_P1[f][30]との差分の絶対値の合計を、score11とする。
【0066】
また、照合部7は、登録特徴量としてのhist1_P2[g][30]と、照合特徴量としてのhist1_P2[g][30]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist1_P2[h][30]と、照合特徴量としてのhist1_P2[h][30]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist1_P2[i][30]と、照合特徴量としてのhist1_P2[i][30]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist1_P2[j][30]と、照合特徴量としてのhist1_P2[j][30]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist1_P2[k][30]と、照合特徴量としてのhist1_P2[k][30]との差分の絶対値、及び登録特徴量としてのhist1_P2[l][30]と、照合特徴量としてのhist1_P2[l][30]との差分の絶対値の合計を、score12とする。
【0067】
そして、照合部7は、score11とscore12の合計を
図8に示すスコアとする。
本開示の実施形態の生体認証装置6は、複数の登録静脈データを絞り込んだ後、その絞り込んだ登録静脈データと照合静脈データとの類似度を求めているため、複数の登録静脈データと照合静脈データとのそれぞれの類似度をすべて求める場合に比べて、照合処理時間の増加を抑えることができる。
【0068】
また、本開示の実施形態の生体情報登録装置1や生体認証装置6は、画像から特徴量を抽出する際、静脈像をベクトル化して得られる複数のセグメントのうちの2つのセグメントのそれぞれの分割セグメントがなす角度を、2つのセグメントのそれぞれの分割セグメントのすべての組合せにおいてそれぞれ求め、それら角度のヒストグラムを特徴量(第1の特徴量)としているため、静脈データの登録時と認証時とで、撮影環境や利用者の体勢が変化しても、特徴量の変動を少なくすることができ、登録特徴量や照合特徴量を精度良く抽出することができる。そのため、認証処理の精度の低下を抑えることができる。
【0069】
ところで、2つのセグメントがなす角度のヒストグラムを特徴量とする場合は、
図15(a)に示す2つのセグメントがなす角度と、
図15(b)に示す2つのセグメントがなす角度が同じであった場合、
図15(a)に示す2つのセグメントと、
図15(b)に示す2つのセグメントが同一であると判断されてしまう。
【0070】
そこで、2つのセグメントがなす角度の方向を求め、その方向のヒストグラム(度数分布)も特徴量とすることが考えられる。
【0071】
2つのセグメントがなす角度の方向のヒストグラムを特徴量(第2の特徴量)とする場合のその特徴量の算出方法について説明する。
【0072】
例えば、
図11(a)に示すように、分割パターンP1により画像が分割され、エリアcが選択され、
図12に示すように、セグメントc1が着目セグメントc1として選択され、セグメントc2がペアセグメントc2として選択された場合を考える。
【0073】
まず、特徴量抽出部3は、
図16(a)に示すように、着目セグメントc1のすべての端点及び変曲点を求め、それらの点を点c11〜c16とし、
図16(b)に示すように、点c11を点Aとし、点Aから直線距離len離れた着目セグメントc1上の点を点Bとし、点Aと点Bを通る直線ABを着目分割セグメントABとする。
【0074】
次に、特徴量抽出部3は、
図16(a)に示すように、ペアセグメントc2のすべての端点及び変曲点を求め、それらの点を点c21〜c26とし、
図16(b)に示すように、点c21を点Cとし、点Cから直線距離len離れたペアセグメントc2上の点を点Dとし、点Cと点Dを通る直線CDをペア分割セグメントCDとする。
【0075】
次に、特徴量抽出部3は、着目分割セグメントABとペア分割セグメントCDとのなす角度の方向θ2を求める。すなわち、特徴量抽出部3は、
図16(c)に示すように、点Aと点Cが2次元座標の原点と一致するように、着目分割セグメントABとペア分割セグメントCDをそれぞれ平行移動し、原点から平行移動後の点Bと点Dとを通る直線BDへ垂線をのばし、その垂線と直線BDとの交点Hの座標位置を
(Hx、Hy)とし、θ2=atan2(Hy,Hx)*(180/π)を演算することにより、原点を中心とする2次元座標のHx軸から垂線までの回転角度θ2を求め、その回転角度θ2を、着目分割セグメントABとペア分割セグメントCDとのなす角度の方向θ2とする。
【0076】
次に、特徴量抽出部3は、方向θ2についてヒストグラム(度数分布)hist2_P1[Area][n]を求める。なお、P1は分割パターンP1を示し、[Area]は画像分割後のエリアを示し、[n]はヒストグラムの階級数を示している。例えば、360度を8度単位で区切って45個の角度領域(階級)を設定する場合では、その45個の角度領域にそれぞれ対応するカウンタ値ddir(0)〜ddir(44)のうち、方向θ2が含まれる角度領域のカウンタ値をインクリメントし、ヒストグラムhist2_P1[c][45]={ddir(0),ddir(1),…,ddir(44)}を求める。例えば、このとき算出された方向θ2が15度であった場合、特徴量抽出部3は、8度から15度までの角度領域に対応するカウンタ値ddir(1)をインクリメントし、hist2_P1[c][
45]={0,1,0,…,0}を求める。
【0077】
次に、特徴量抽出部3は、次の点c22を点Cとし、点Cから直線距離len離れたペアセグメントc2上の点を点Dとし、点Cと点Dを通る直線CDを次のペア分割セグメントCDとする。
【0078】
次に、特徴量抽出部3は、着目分割セグメントABとペア分割セグメントCDがなす角度の方向θ2を算出する。
【0079】
次に、特徴量抽出部3は、その方向θ2が含まれる角度領域のカウンタ値をインクリメントし、ヒストグラムhist2_P1[c][45]={ddir(0),ddir(1),…,ddir(44)}を求める。例えば、このとき算出された方向θ2が23度であった場合、特徴量抽出部3は、16度から23度までの角度領域に対応するカウンタ値ddir(2)をインクリメントし、hist2_P1[c][
45]={0,1,1,0…,0}を求める。
【0080】
このように、ペアセグメントc2においてペア分割セグメントCDを選択することができなくなるまで、点c11を基準とする着目分割セグメントABとペア分割セグメントCDがなす角度の方向θ2を繰り返し算出し、それら方向θ2についてそれぞれヒストグラムhist2_P1[c][45]={ddir(0),ddir(1),…,ddir(44)}を求める。
【0081】
次に、特徴量抽出部3は、次の点c12を点Aとし、点Aから直線距離len離れた着目セグメントc1上の点を点Bとし、点Aと点Bを通る直線ABを次の着目分割セグメントABとし、点c21を点Cとし、点Cから直線距離len離れたペアセグメントc2上の点を点Dとし、点Cと点Dを通る直線CDをペア分割セグメントCDとする。
【0082】
次に、特徴量抽出部3は、方向θ2を算出し、その方向θ2が含まれる角度領域のカウンタ値をインクリメントし、ヒストグラムhist2_P1[c][45]={ddir(0),ddir(1),…,ddir(44)}を求める。
【0083】
このように、選択可能な着目分割セグメントABと、選択可能なペア分割セグメントCDとのすべての組合せにおいて、それぞれ、方向θ2を算出し、それら方向θ2についてヒストグラムhist2_P1[c][45]={ddir(0),ddir(1),…,ddir(44)}を求める。
【0084】
次に、特徴量抽出部3は、同様にして、
図11(a)に示す画像の他のエリアa、b、d、e、fについて、それぞれ、ヒストグラムhist2_P1[a][45]、hist2_P1[b][45]、hist2_P1[d][45]、hist2_P1[e][45]、hist2_P1[f][45]を求める。
【0085】
そして、特徴量抽出部3は、hist2_P1[a][45]〜hist2_P1[f][45]に対して、それぞれ、正規化処理を行う。例えば、特徴量抽出部3は、ヒストグラムhist2_P1[a][45]のddir(0),ddir(1),…,ddir(44)の合計、hist2_P1[b][45]のddir(0),ddir(1),…,ddir(44)の合計、・・・、及びhist2_P1[f][45]のddir(0),ddir(1),…,ddir(44)の合計の総和をALLcnt1とし、以下のように各カウンタ値を総和ALLcnt1で除算して各カウンタ値の比率を整数で表すことにより、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist2_P1[a][45]〜hist2_P1[f][45]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第2の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0086】
hist2_P1[a][45]={ddir(0)/ALLcnt1,ddir(1)/ALLcnt1,…,ddir(44)/ALLcnt1}
hist2_P1[b][45]={ddir(0)/ALLcnt1,ddir(1)/ALLcnt1,…,ddir(44)/ALLcnt1}
hist2_P1[c][45]={ddir(0)/ALLcnt1,ddir(1)/ALLcnt1,…,ddir(44)/ALLcnt1}
hist2_P1[d][45]={ddir(0)/ALLcnt1,ddir(1)/ALLcnt1,…,ddir(44)/ALLcnt1}
hist2_P1[e][45]={ddir(0)/ALLcnt1,ddir(1)/ALLcnt1,…,ddir(44)/ALLcnt1}
hist2_P1[f][45]={ddir(0)/ALLcnt1,ddir(1)/ALLcnt1,…,ddir(44)/ALLcnt1}
【0087】
また、同様にして、分割パターンP2に対応するヒストグラムhist2_P2[g][45]〜hist2_P2[l][45]を求め、それらヒストグラムhist2_P2[g][45]〜hist2_P2[l][45]に対して、それぞれ、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist2_P2[g][45]〜hist2_P2[l][45]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第2の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0088】
次に、照合部7は、登録特徴量としてのhist2_P1[a][45]と、照合特徴量としてのhist2_P1[a][45]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist2_P1[b][45]と、照合特徴量としてのhist2_P1[b][45]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist2_P1[c][45]と、照合特徴量としてのhist2_P1[c][45]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist2_P1[d][45]と、照合特徴量としてのhist2_P1[d][45]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist2_P1[e][45]と、照合特徴量としてのhist2_P1[e][45]との差分の絶対値、及び登録特徴量としてのhist2_P1[f][45]と、照合特徴量としてのhist2_P1[f][45]との差分の絶対値の合計を、score21とする。
【0089】
また、照合部7は、登録特徴量としてのhist2_P2[g][45]と、照合特徴量としてのhist2_P2[g][45]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist2_P2[h][45]と、照合特徴量としてのhist2_P2[h][45]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist2_P2[i][45]と、照合特徴量としてのhist2_P2[i][45]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist2_P2[j][45]と、照合特徴量としてのhist2_P2[j][45]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist2_P2[k][45]と、照合特徴量としてのhist2_P2[k][45]との差分の絶対値、及び登録特徴量としてのhist2_P2[l][45]と、照合特徴量としてのhist2_P2[l][45]との差分の絶対値の合計を、score22とする。
【0090】
そして、照合部7は、スコア=α×(score11+score12)+β×(score21+score22)を演算することにより、
図8に示すスコアを求める。なお、α及びβは重み係数である。
【0091】
また、スコアを求める際、さらに他の特徴量を用いてもよい。
図17は、第3の特徴量を説明するための図である。
【0092】
まず、特徴量抽出部3は、画像取得部2により取得される画像から細い静脈像と太い静脈像を除いた後、その静脈像をサイズが異なる画像(例えば、256×256の画像)の中央に展開し、その画像をf(x,y)とする。
【0093】
次に、特徴量抽出部3は、式1に示すように、画像f(x,y)に対して二次元高速フーリエ変換を行い、空間周波数成分F(u,v)を求める。この二次元高速フーリエ変換は、まず、画像f(x,y)のx方向に各ラインの画素をフーリエ変換し、その後、そのラインの変換結果を、y方向にフーリエ変換する。なお、W1=exp(−j2π/M)、W2=exp(−j2π/N)とし、M,Nは、各々横方向,縦方向の画素数とする。
【0095】
次に、特徴量抽出部3は、P(u,v)=|F(u,v)|
2を演算することにより、パワースペクトルP(u,v)を求める。
【0096】
次に、特徴量抽出部3は、パワースペクトルP(u,v)を極座標形式のパワースペクトルP(r,θ)とし、式2に示す演算を行うことにより、原点を中心としたドーナツ型領域内のエネルギーp´(r)を求める。なお、θは、0〜πの範囲とする。
【0098】
そして、特徴量抽出部3は、p(r)=10000*p’(r)/Σp’(r)を演算することにより、各周波数のエネルギー比P(r)を第3の特徴量として求める。なお、rは、半径であって、ここでは、r=1〜32とし、10000は、整数型変換のための補正値である。
【0099】
このように、第3の特徴量は、静脈像の方向性と量を周波数成分で示すものであり、例えば、
図17に示すように、極座標系パワースペクトル空間において、原点を中心としたドーナツ型領域のエネルギーの和として表すことができる。ここでは、半径rを1から32まで変化させたときの32個の周波数分{p(1),p(2),…,p(32)}を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第3の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0100】
図18は、第4の特徴量を説明するための図である。
まず、特徴量抽出部3は、第3の特徴量と同様に、画像f(x,y)をフーリエ変換して、空間周波数成分F(u,v)を算出し、この空間周波数成分F(u,v)からパワースペクトルP(u,v)を算出する。
【0101】
次に、特徴量抽出部3は、パワースペクトルP(u,v)を極座標形式のパワースペクトルP(r,θ)とし、式3に示す演算を行うことにより、角度のエネルギーを求める。なお、wは、P(u,v)の定義域の大きさであり、θは、ここでは、180度を12等分した方向を示している。
【0103】
そして、特徴量抽出部3は、q(θ)=10000*q’(θ)/Σq’(θ)を演算することにより、各角度のエネルギー比q(θ)を第4の特徴量として求める。すなわち、12等分されたそれぞれの角度範囲におけるエネルギー比が算出される。なお、10000は、整数型変換のための補正値である。
【0104】
このように、第4の特徴量は、静脈像の方向性と量を角度成分で示すものであって、例えば、
図18に示すように、15度ずつの角度範囲におけるエネルギーの和として表すことができる。ここでは、角度θを0から180まで変化させたときの12個の角度成分{q(0),q(1),…,q(11)}を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第4の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0105】
なお、角度成分q(0)は、θが0から14度までの角度のエネルギーであるので、式4により算出され、以下、θを順次変更して12方向分まで算出される。
【0107】
図19は、第5の特徴量を説明するための図である。
まず、特徴量抽出部3は、例えば、
図11(a)に示すように、分割パターンP1により画像を分割し、1つのエリアを選択する。
【0108】
次に、特徴量抽出部3は、その選択したエリア内の静脈像をベクトル化して得られるセグメントにおいて隣接する2つの分割セグメントの湾曲方向をすべて求め、それら湾曲方向のヒストグラム(度数分布)を示す第5の特徴量を求める。例えば、特徴量抽出部3は、
図19(a)に示すように、セグメントc1のすべての端点及び変曲点を求め、それらの点を点c11〜c16とし、
図19(b)に示すように、点c11を点Aとし、点Aから直線距離len離れたセグメントc1上の点を点Bとし、点Aと点Bを通る直線ABを分割セグメントABとする。次に、特徴量抽出部3は、
図19(b)に示すように、点Bから直線距離len離れた着目セグメントc1上の点を点Cとし、点Bと点Cを通る直線CDを分割セグメントCDとする。次に、特徴量抽出部3は、座標A,B,Cを座標Bが原点になるように平行移動させた時の座標A,B,CをそれぞれA(xa,ya)、B(xb,yb)、C(xc,yc)とし、直線ACとこれに対する点Bからの垂線との交点の座標をH(Hx,Hy)とし、式5、6により座標H(Hx,Hy)を算出し、θ4=atan2(Hy,Hx)*(180/π)を演算することにより、分割セグメントABと分割セグメントCDとがなす角度の湾曲方向θ4を求める。
【0110】
次に、特徴量抽出部3は、湾曲方向θ4についてヒストグラムhist3_P1[Area][n]を求める。なお、P1は分割パターンP1を示し、[Area]は画像分割後のエリアを示し、[n]はヒストグラムの階級数を示している。例えば、エリアcを選択するとともに、360度を10度単位で区切って36個の角度領域(階級)を設定する場合では、その36個の角度領域にそれぞれ対応するカウンタ値curv(0)〜curv(35)のうち、湾曲方向θ4が含まれる角度領域のカウンタ値をインクリメントし、ヒストグラムhist3_P1[c][36]={curv(0),curv(1),…,curv(35)}を求める。例えば、このとき算出された角度θ1が330度であった場合、特徴量抽出部3は、330度から339度までの角度領域に対応するカウンタ値curv(33)をインクリメントし、hist3_P1[c][36]={0,…,0,1,0,0}を求める。なお、curv(0)は、0度から9度までの角度領域に含まれる湾曲方向θ4が積算された値を示しており、式7によって算出される。
【0112】
次に、特徴量抽出部3は、
図19(d)に示すように、次の点c12を点Aとし、点Aから直線距離len離れたセグメントc1上の点を点Bとし、点Aと点Bを通る直線ABを分割セグメントABとする。
【0113】
次に、特徴量抽出部3は、
図19(d)に示すように、点Bから直線距離len離れた着目セグメントc1上の点を点Cとし、点Bと点Cを通る直線BCを分割セグメントBCとして選択する。
【0114】
このように、セグメントc1において分割セグメントABを選択することができなくなるまで、湾曲方向θ4を繰り返し算出し、それら湾曲方向θ4についてそれぞれヒストグラムhist3_P1[c][36]={curv(0),curv(1),…,curv(35)}を求める。
【0115】
このヒストグラムhist3_P1[c][36]の作成は、他のエリアa、b、d、e、fについても同様に行われる。
【0116】
次に、特徴量抽出部3は、ヒストグラムhist3_P1[a][36]のcurv(0),curv(1),…,curv(35)の合計、hist3_P1[b][36]のcurv(0),curv(1),…,curv(35)の合計、・・・、及びhist3_P1[f][36]のcurv(0),curv(1),…,curv(35)の合計の総和をALLcnt1とし、以下のように各カウンタ値を総和ALLcnt1で除算して各カウンタ値の比率を整数で表すことにより、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist3_P1[a][36]〜hist3_P1[f][36]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第5の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0117】
hist3_P1[a][36]={curv(0)/ALLcnt1,curv(1)/ALLcnt1,…,curv(35)/ALLcnt1}
hist3_P1[b][36]={curv(0)/ALLcnt1,curv(1)/ALLcnt1,…,curv(35)/ALLcnt1}
hist3_P1[c][36]={curv(0)/ALLcnt1,curv(1)/ALLcnt1,…,curv(35)/ALLcnt1}
hist3_P1[d][36]={curv(0)/ALLcnt1,curv(1)/ALLcnt1,…,curv(35)/ALLcnt1}
hist3_P1[e][36]={curv(0)/ALLcnt1,curv(1)/ALLcnt1,…,curv(35)/ALLcnt1}
hist3_P1[f][36]={curv(0)/ALLcnt1,curv(1)/ALLcnt1,…,curv(35)/ALLcnt1}
【0118】
また、同様にして、分割パターンP2に対応するヒストグラムhist3_P2[g][36]〜hist3_P2[l][36]を求め、それらヒストグラムhist3_P2[g][36]〜hist3_P2[l][36]に対して、それぞれ、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist3_P2[g][36]〜hist3_P2[l][36]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第5の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0119】
図20は、第6の特徴量を説明するための図である。
まず、特徴量抽出部3は、例えば、
図11(a)に示すように、分割パターンP1により画像を分割し、1つのエリアを選択する。
【0120】
次に、特徴量抽出部3は、その選択したエリア内の静脈像をベクトル化して得られるセグメントにおいてすべての分割セグメントの傾きを求め、それら傾きのヒストグラム(度数分布)を示す第6の特徴量を求める。例えば、特徴量抽出部3は、
図20(a)に示すように、セグメントc1のすべての端点及び変曲点を求め、それらの点を点c11〜c16とし、
図20(b)に示すように、点c11を点Aとし、点Aから直線距離len離れたセグメントc1上の点を点Bとし、点Aと点Bを通る直線ABを分割セグメントABとする。次に、特徴量抽出部3は、点A、Bの座標をそれぞれA(xa,ya)、B(xb,yb)とし、θ5=atan2(yb−ya,xb−xa)*(180/π)を演算することにより、分割セグメントABの傾きθ5を求める。なお、角度がマイナスの場合は、180度を加算し、180度以上の場合は、180度を減算する。これは、例えば、270度やマイナス90度の直線の傾きが90度と同じと見做すためである。次に、特徴量抽出部3は、傾きθ5についてヒストグラムhist4_P1[Area][n]を求める。なお、P1は分割パターンP1を示し、[Area]は画像分割後のエリアを示し、[n]はヒストグラムの階級数を示している。例えば、エリアcを選択するとともに、180度を10度単位で区切って18個の角度領域(階級)を設定する場合では、その18個の角度領域にそれぞれ対応するカウンタ値segdir(0)〜segdir(17)のうち、傾きθ5が含まれる角度領域のカウンタ値をインクリメントし、ヒストグラムhist4_P1[c][18]={segdir(0),segdir(1),…,segdir(17)}を求める。例えば、このとき算出された傾きθ5が45度であった場合、特徴量抽出部3は、40度から49度までの角度領域に対応するカウンタ値segdir(4)をインクリメントし、hist4_P1[c][18]={0,0,0,0,1,0,…,0}を求める。なお、segdir(0)は、0度から9度までの角度領域に含まれる傾きθ5が積算された値を示しており、式8によって算出されるものである。
【0122】
次に、特徴量抽出部3は、
図20(d)に示すように、次の点c12を点Aとし、点Aから直線距離len離れたセグメントc1上の点を点Bとし、点Aと点Bを通る直線ABを分割セグメントABとする。
【0123】
このように、セグメントc1において分割セグメントABを選択することができなくなるまで、傾きθ5を繰り返し算出し、それら傾きθ5についてそれぞれヒストグラムhist4_P1[c][18]={segdir(0),segdir(1),…,segdir(17)}を求める。
【0124】
このヒストグラムhist4_P1[c][18]の作成は、他のエリアa、b、d、e、fについても同様に行われる。
【0125】
次に、特徴量抽出部3は、ヒストグラムhist4_P1[a][18]のsegdir(0),segdir(1),…,segdir(17)の合計、hist4_P1[b][18]のsegdir(0),segdir(1),…,segdir(17)の合計、・・・、及びhist4_P1[f][18]のsegdir(0),segdir(1),…,segdir(17)の合計の総和をALLcnt1とし、以下のように各カウンタ値を総和ALLcnt1で除算して各カウンタ値の比率を整数で表すことにより、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist4_P1[a][18]〜hist4_P1[f][18]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第6の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0126】
hist4_P1[a][18]={segdir(0)/ALLcnt1,segdir(1)/ALLcnt1,…,segdir(17)/ALLcnt1}
hist4_P1[b][18]={segdir(0)/ALLcnt1,segdir(1)/ALLcnt1,…,segdir(17)/ALLcnt1}
hist4_P1[c][18]={segdir(0)/ALLcnt1,segdir(1)/ALLcnt1,…,segdir(17)/ALLcnt1}
hist4_P1[d][18]={segdir(0)/ALLcnt1,segdir(1)/ALLcnt1,…,segdir(17)/ALLcnt1}
hist4_P1[e][18]={segdir(0)/ALLcnt1,segdir(1)/ALLcnt1,…,segdir(17)/ALLcnt1}
hist4_P1[f][18]={segdir(0)/ALLcnt1,segdir(1)/ALLcnt1,…,segdir(17)/ALLcnt1}
【0127】
また、同様にして、分割パターンP2に対応するヒストグラムhist4_P2[g][18]〜hist4_P2[l][18]を求め、それらヒストグラムhist4_P2[g][18]〜hist4_P2[l][18]に対して、それぞれ、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist4_P2[g][18]〜hist4_P2[l][18]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第6の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0128】
図21(a)及び
図21(b)は、第7の特徴量を説明するための図である。
まず、特徴量抽出部3は、例えば、
図21(a)に示すように、画像取得部2により取得される画像を分割パターンP1により7×7の49個のエリアに分割するとともに、
図21(b)に示すように、画像取得部2により取得される画像を分割パターンP2により8×8の64個のエリアに分割する。なお、分割パターンは、
図21(a)及び
図21(b)に示すものに限定されない。
【0129】
次に、特徴量抽出部3は、分割パターンP1により分割した49個の各エリア内の静脈像に対応する画素数seghist1を求める。
【0130】
次に、特徴量抽出部3は、各エリア内の静脈像の画素数seghist1についてヒストグラムhist5_P1[49]={seghist1(0),seghist1(1),…,seghist1(48)}を作成する。
【0131】
次に、特徴量抽出部3は、ヒストグラムhist5_P1[49]のseghist1(0),seghist1(1),…,seghist1(48)の総和をALLcnt1とし、以下のように各カウンタ値を総和ALLcnt1で除算して各カウンタ値の比率を整数で表すことにより、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist5_P1[49]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第7の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0132】
hist5_P1[49]={seghist1(0)/ALLcnt1,seghist1(1)/ALLcnt1,…,seghist1(48)/ALLcnt1}
また、同様にして、分割パターンP2に対応するヒストグラムhist5_P2[64]={seghist2(0),seghist2(1),…,seghist2(63)}を求め、そのヒストグラムhist5_P2[64]に対して、正規化処理を行い、正規化後のヒストグラムhist5_P2[64]を、上記照合特徴量又は上記登録特徴量(第7の特徴量)として記憶部5に記憶させる。
【0133】
次に、照合部7は、登録特徴量としてのp(1)と、照合特徴量としてのp(1)との差分の絶対値、登録特徴量としてのp(2)と、照合特徴量としてのp(2)との差分の絶対値、・・・、登録特徴量としてのp(32)と、照合特徴量としてのp(32)との差分の絶対値の合計を、score3とする。
【0134】
また、照合部7は、登録特徴量としてのq(0)と、照合特徴量としてのq(0)との差分の絶対値、登録特徴量としてのq(1)と、照合特徴量としてのq(1)との差分の絶対値、・・・、登録特徴量としてのq(11)と、照合特徴量としてのq(11)との差分の絶対値の合計を、score4とする。
【0135】
また、照合部7は、登録特徴量としてのhist3_P1[a][36]と、照合特徴量としてのhist3_P1[a][36]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist3_P1[b][36]と、照合特徴量としてのhist3_P1[b][36]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist3_P1[c][36]と、照合特徴量としてのhist3_P1[c][36]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist3_P1[d][36]と、照合特徴量としてのhist3_P1[d][36]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist3_P1[e][36]と、照合特徴量としてのhist3_P1[e][36]との差分の絶対値、及び登録特徴量としてのhist3_P1[f][36]と、照合特徴量としてのhist3_P1[f][36]との差分の絶対値の合計を、score51とする。
【0136】
また、照合部7は、登録特徴量としてのhist3_P2[g][36]と、照合特徴量としてのhist3_P2[g][36]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist3_P2[h][36]と、照合特徴量としてのhist3_P2[h][36]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist3_P2[i][36]と、照合特徴量としてのhist3_P2[i][36]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist3_P2[j][36]と、照合特徴量としてのhist3_P2[j][36]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist3_P2[k][36]と、照合特徴量としてのhist3_P2[k][36]との差分の絶対値、及び登録特徴量としてのhist3_P2[l][36]と、照合特徴量としてのhist3_P2[l][36]との差分の絶対値の合計を、score52とする。
【0137】
また、照合部7は、登録特徴量としてのhist4_P1[a][18]と、照合特徴量としてのhist4_P1[a][18]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist4_P1[b][18]と、照合特徴量としてのhist4_P1[b][18]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist4_P1[c][18]と、照合特徴量としてのhist4_P1[c][18]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist4_P1[d][18]と、照合特徴量としてのhist4_P1[d][18]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist4_P1[e][18]と、照合特徴量としてのhist4_P1[e][18]との差分の絶対値、及び登録特徴量としてのhist4_P1[f][18]と、照合特徴量としてのhist4_P1[f][18]との差分の絶対値の合計を、score61とする。
【0138】
また、照合部7は、登録特徴量としてのhist4_P2[g][18]と、照合特徴量としてのhist4_P2[g][18]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist4_P2[h][18]と、照合特徴量としてのhist4_P2[h][18]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist4_P2[i][18]と、照合特徴量としてのhist4_P2[i][18]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist4_P2[j][18]と、照合特徴量としてのhist4_P2[j][18]との差分の絶対値、登録特徴量としてのhist4_P2[k][18]と、照合特徴量としてのhist4_P2[k][18]との差分の絶対値、及び登録特徴量としてのhist4_P2[l][18]と、照合特徴量としてのhist4_P2[l][18]との差分の絶対値の合計を、score62とする。
【0139】
また、照合部7は、登録特徴量としてのseghist1(0)と、照合特徴量としてのseghist1(0)との差分の絶対値、登録特徴量としてのseghist1(1)と、照合特徴量としてのseghist1(1)との差分の絶対値、・・・、登録特徴量としてのseghist1(48)と、照合特徴量としてのseghist1(48)との差分の絶対値の合計を、score71とする。
【0140】
また、照合部7は、登録特徴量としてのseghist2(0)と、照合特徴量としてのseghist2(0)との差分の絶対値、登録特徴量としてのseghist2(1)と、照合特徴量としてのseghist2(1)との差分の絶対値、・・・、登録特徴量としてのseghist2(63)と、照合特徴量としてのseghist2(63)との差分の絶対値の合計を、score72とする。
【0141】
そして、照合部7は、スコア=α×(score11+score12)+β×(score21+score22)+γ(score3)+δ×(score3)+ε×(score4)+ζ×(score51+score52)+λ×(score61+score62)+μ×(score71+score72)を演算することにより、
図8に示すスコアを求める。なお、α、β、γ、δ、ε、ζ、λ、及びμは重み係数である。また、第3の特徴量〜第7の特徴量はすべて使用しなくてもよく、第3の特徴量〜第7の特徴量のうちの1以上の特徴量のみを使用してもよい。
【0142】
このように、本開示の実施形態の生体情報登録装置1や生体認証装置6は、画像取得部2により取得される画像から7種類の特徴量(第1〜第7の特徴量)を抽出し、それら特徴量を登録静脈データの絞り込みに用いることで、その絞り込みの精度を上げることができ、さらに精度良く照合処理を行うことができる。
【0143】
なお、例えば、
図15(c)に示すセグメントに対して求めた第4の特徴量や第5の特徴量と、
図15(d)に示すセグメントに対して求めた第4の特徴量や第5の特徴量は、互いに同じものになるおそれがあるが、さらに第1の特徴量及び第2の特徴量を用いることで、
図15(c)に示すセグメントに対して求めた特徴量と、
図15(d)に示すセグメントに対して求めた特徴量とを互いに区別することができるようになる。
【0144】
図22は、本開示の実施形態の生体情報登録装置1や生体認証装置6を構成するハードウェアの一例を示す図である。
【0145】
図22に示すように、生体情報登録装置1や生体認証装置6を構成するハードウェアは、制御部1201と、記憶部1202と、記録媒体読取装置1203と、入出力インタフェース1204と、通信インタフェース1205とを備え、それらがバス1206によってそれぞれ接続されている。なお、画像処理装置1を構成するハードウェアは、クラウドなどを用いて実現してもよい。
【0146】
制御部1201は、例えば、Central Processing Unit(CPU)、マルチコアCPU、プログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いることが考えられ、
図1に示す特徴抽出部3、特徴量登録部4、及び、
図6に示す照合部7、判定部8に相当する。
【0147】
記憶部1202は、
図1、
図6に示す記憶部5に相当し、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリやハードディスクなどが考えられる。なお、記憶部1202は、実行時のワークエリアとして用いてもよい。また、生体認証装置1の外部に他の記憶部を設けてもよい。
【0148】
記録媒体読取装置1203は、制御部1201の制御により、記録媒体1207に記録されるデータを読み出したり、記録媒体1207にデータを書き込んだりする。また、着脱可能な記録媒体1207は、コンピュータで読み取り可能なnon-transitory(非一時的)な記録媒体であって、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどが考えられる。磁気記録装置は、例えば、ハードディスク装置(HDD)などが考えられる。光ディスクは、例えば、Digital Versatile Disc(DVD)、DVD−RAM、Compact Disc Read Only Memory(CD−ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などが考えられる。光磁気記録媒体は、例えば、Magneto-Optical disk(MO)などが考えられる。なお、記憶部1202もnon-transitory(非一時的)な記録媒体に含まれる。
【0149】
入出力インタフェース1204は、入出力部1208が接続され、利用者により入出力部1208から入力された情報をバス1206を介して制御部1201に送る。また、入出力インタフェース1204は、制御部1201から送られてくる情報をバス1206を介して入出力部1208に送る。
【0150】
入出力部1208は、
図1、
図6に示す画像取得部2に相当し、例えば、撮像装置などが考えられる。また、入出力部1208は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウスなど)、タッチパネル、Cathode Ray Tube(CRT)ディスプレイ、プリンタなどが考えられる。
【0151】
通信インタフェース1205は、Local Area Network(LAN)接続やインターネット接続を行うためのインタフェースである。また、通信インタフェース1205は必要に応じ、他のコンピュータとの間のLAN接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースとして用いてもよい。
【0152】
このようなハードウェアを有するコンピュータを用いることによって、生体情報登録装置1や生体認証装置6が行う各種処理機能が実現される。この場合、生体認証装置1が行う各種処理機能の内容を記述したプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各処理機能(例えば、特徴抽出部3、特徴量登録部4、照合部7、判定部8)がコンピュータ上で実現される。各種処理機能の内容を記述したプログラムは、記憶部1202や記録媒体1207に格納しておくことができる。
【0153】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの記録媒体1207が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に記録しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0154】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、記録媒体1207に記録されたプログラム、又は、サーバコンピュータから転送されたプログラムを、記憶部1202に記憶する。そして、コンピュータは、記憶部1202からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、記録媒体1207から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0155】
なお、本開示の実施形態では、手のひらの静脈を用いて認証を行う画像処理装置を例示して説明したが、これに限らず、生体のその他の特徴検出部位であればどこでもよい。
【0156】
たとえば、生体のその他の特徴検出部位は、静脈に限らず、生体の血管像や、生体の紋様、生体の指紋や掌紋、足の裏、手足の指、手足の甲、手首、腕などであってもよい。
【0157】
なお、認証に静脈を用いる場合、生体のその他の特徴検出部位は、静脈を観察可能な部位であればよい。
【0158】
なお、生体情報を特定可能な生体のその他の特徴検出部位であれば認証に有利である。たとえば、手のひらや顔などであれば、取得した画像から部位を特定可能である。
【0159】
また、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。