特許第6242736号(P6242736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242736
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 13/00 20060101AFI20171127BHJP
   G07F 13/06 20060101ALI20171127BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   G07F13/00 A
   G07F13/06 101
   A47J31/40
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-79658(P2014-79658)
(22)【出願日】2014年4月8日
(65)【公開番号】特開2015-201048(P2015-201048A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2017年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデンホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000126849
【氏名又は名称】株式会社アペックス
(74)【代理人】
【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(72)【発明者】
【氏名】浅見 徹
(72)【発明者】
【氏名】松本 昭
(72)【発明者】
【氏名】清水 重雄
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−172939(JP,A)
【文献】 実開昭57−166285(JP,U)
【文献】 特開2009−213658(JP,A)
【文献】 特開2001−109937(JP,A)
【文献】 特開2013−184001(JP,A)
【文献】 特開平10−283565(JP,A)
【文献】 特開2002−140762(JP,A)
【文献】 米国特許第4366920(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 13/00 − 15/12
A47J 31/00 − 31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の粉末原料を貯蔵する原料容器を備え、当該原料容器から払い出される粉末原料を用いて飲料を生成して供給する飲料供給装置において、
前記原料容器の近傍に設けられるヒータと、
前記原料容器の近傍の温度を検知する温度センサと、
前記原料容器の近傍の相対湿度を検知する湿度センサと、
前記湿度センサよって得られる検知相対湿度が、前記温度センサよって得られる検知温度に対応する湿度閾値を超えるとき、前記ヒータを起動させる制御部と、
を備える、飲料供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ヒータの起動後に前記ヒータの作動を強制的に維持させる強制作動期間を設けると共に、当該強制作動期間の経過後に前記ヒータの運転を強制的に停止させ続ける強制停止期間を設け、当該強制停止期間の経過後に前記湿度閾値による前記ヒータの起動制御を可能とする、請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
前記湿度閾値は変更可能である、請求項1又は2に記載の飲料供給装置。
【請求項4】
前記原料容器の出口部の下方に配置され、前記粉末原料と液体とを混合調理して飲料を生成する調理部と、
前記出口部から払い出される前記粉末原料を前記調理部へ案内する案内管と、
を備え、
前記ヒータは、前記案内管における前記粉末原料の前記調理部への放出口近傍に設けられ、当該放出口近傍から前記出口部近傍に至る領域の空気を昇温可能であり、
前記温度センサは、前記出口部近傍に設けられ、当該出口部近傍の温度を検知し、
前記湿度センサは、前記出口部近傍に設けられ、当該出口部近傍の相対湿度を検知する、構成とした請求項1〜3のいずれか1つに記載の飲料供給装置。
【請求項5】
前記案内管の前方側を覆って、前記出口部近傍及び前記放出口近傍を含む領域を内側に形成するカバーと、
前記ヒータが取付けられ当該ヒータの熱を伝導させる熱伝導板であって、前記カバーの内側面に設けられ、前記ヒータの熱を前記領域に伝導させる熱伝導板と、
を更に備える、請求項4に記載の飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末原料を用いて飲料を生成して供給する飲料供給装置に関し、詳しくは、粉末原料の固化防止用のヒータを備える飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、飲料供給装置としては、インスタントコーヒー、ココア、抹茶、緑茶、クリーム等の粉末原料を用いて各種飲料を生成し、その飲料をカップに入れて利用者に提供するカップ式自動販売機等が知られている。この種の飲料供給装置は、飲料の粉末原料を貯蔵する原料容器を備え、この原料容器から払い出される粉末原料と液体等を混合調理して飲料を生成し提供するように構成されている。
【0003】
ここで、この種の粉末原料は吸湿し易く、この吸湿により粉末原料が固化する場合がある。このため、粉末原料が塊り(塊状)となり、詰まりが生じ、原料容器からの粉末原料の払い出しができなくなったり、塊りで一気に払い出されて指定量より多く払い出されたりする等の払い出し不良が発生するおそれがある。このため、この種の飲料供給装置においては、粉末原料の固化を防止するための対策がなされている。
【0004】
粉末原料の固化防止対策がなされた飲料供給装置としては、特許文献1に記載された飲料供給装置が知られている。特許文献1に記載された飲料供給装置は、粉末原料を貯蔵する原料容器を収容庫内に収納し、ヒータによりこの収容庫の内部の空気を暖めることにより、収容庫内の相対湿度を低下させて粉末原料の吸湿による固化の防止を図っている。そして、この飲料供給装置では、収容庫内の温度を検知する温度センサを備え、温度センサの検知温度が予め定められた温度に到達するまでヒータをオンにし、つまり、ヒータ運転を継続し、予め定められた温度を超えるとヒータをオフにするというヒータ制御を行っている。このように、粉末原料の固化防止のヒータ運転をするか否かを、予め定めた温度に基づいて一律に判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−237699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、一般的に、この種の粉末原料は空気に含まれる水蒸気量が多いと、吸湿量が多くなり固化し易い状態となる。したがって、粉末原料の周囲の空気の水蒸気量が多い状況下では、ヒータ運転をすべき状態であるといえる。
しかし、一般的に、大気圧下において、空気の温度が分かれば、その空気の飽和水蒸気量が分かるものの、温度だけでは、相対湿度やその空気に実際に含まれている水蒸気量は分からない。したがって、温度だけでは、粉末原料の固化防止のヒータ運転をすべき状態であるのか否かを正確に判断することはできない。
【0007】
そして、一般的に、空気の相対湿度が高いと、粉末原料は固化し易く、空気の相対湿度が低いと、粉末原料は固化し難い傾向にある。しかし、例えば、大気圧下において、相対湿度が同じで温度が異なる場合を想定したき、低温下にあってはその空気に含まれる水蒸気量は高温下より少ないため、粉末原料が固化する可能性が低いが、高温下にあってはその空気に含まれる水蒸気量は低温下より多いため、粉末原料が固化する可能性が高い。したがって、相対湿度を検知したとしても、その検知相対湿度だけでは、粉末原料の固化防止のヒータ運転をすべき状態であるのか否かを正確に判断することはできない。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の飲料供給装置では、粉末原料の固化防止のヒータ運転をするか否かを、単に予め定めた温度に基づいて一律に判断する構成であるため、ヒータを起動する必要のないときに起動させ、逆に、ヒータを起動する必要があるときに起動させないおそれがある。そして、粉末原料の固化を防止することが重要であるため、ヒータ運転を行うか否かの温度の閾値を、安全を期して必要以上に低く設定すると、粉末原料の固化防止のために必要以上の電力を消費し、ヒータ運転を停止するか否かの温度の閾値を、安全を期して必要以上に高く設定すると、必要以上の電力を消費する可能性がある。
また、粉末原料の固化防止のヒータ運転をするか否かを、単に相対湿度に基づいて判断することも考えられるが、この場合であっても、ヒータ運転をすべき状態であるのか否かを正確に判断することはできず、安全を期して必要以上の電力を消費する可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、このような実状に鑑み、ヒータの消費電力を抑制しつつ粉末原料の固化の防止を図ることが可能な、飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によると、飲料供給装置は、飲料の粉末原料を貯蔵する原料容器を備え、当該原料容器から払い出される粉末原料を用いて飲料を生成して供給する飲料供給装置において、前記原料容器の近傍に設けられるヒータと、前記原料容器の近傍の温度を検知する温度センサと、前記原料容器の近傍の相対湿度を検知する湿度センサと、前記湿度センサよって得られる検知相対湿度が、前記温度センサよって得られる検知温度に対応する湿度閾値を超えるとき、前記ヒータを起動させる制御部と、を備える構成とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、温度センサにより、原料容器の近傍の温度を検知し、湿度センサにより、原料容器の近傍の相対湿度を検知する。そして、制御部により、湿度センサの検知相対湿度が、温度センサの検知温度に対応する湿度閾値を超えるとき、原料容器近傍のヒータを起動させる。これにより、ヒータ運転をすべき状態であるのか否かを、そのときの検知温度に対応する湿度閾値と検知相対湿度とに基づいて判断することができる。したがって、例えば、温度が低いほど湿度閾値が高くなるように予め適切に設定すれば、低温下にあって水蒸気量が比較的低く固化し難い場合に、検知相対湿度が高くても、その検知相対湿度が湿度閾値を超えない限りヒータを起動させることはない。一方、高温下にあって水蒸気量が比較的多く固化し易い場合に、検知相対湿度が低くても、その検知相対湿度が湿度閾値を超えればヒータを起動させることができる。
このように、粉末原料の固化防止のヒータ運転をするか否かを、温度及び相対湿度の検知結果に基づいて、正確に判断することができるため、固化防止に必要なときにヒータを起動させることができる。
【0012】
このようにして、ヒータの消費電力を抑制しつつ粉末原料の固化の防止を図ることが可能な、飲料供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態における飲料供給装置の概略正面図である。
図2】同上実施形態における粉末容器を含む要部を示す斜視図である。
図3図2に示す粉末容器を含む要部の断面図である。
図4図2に示すB部の拡大図である。
図5】同上実施形態における温度に対応して設定される湿度閾値を説明するための図である。
図6】制御部によるヒータの駆動制御を説明するための図である。
図7】制御部によるヒータの駆動制御を説明するための別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による飲料供給装置1の概略正面図であり、図2は、飲料供給装置1の後述する粉末容器10を含む要部を示す斜視図である。本実施形態においては、本発明に係る飲料供給装置を、飲料容器としてカップAを用いて、飲料を供給(販売)するカップ式自動販売機に適用した場合について、以下説明する。
この飲料供給装置1は、例えば、コーヒー、紅茶、緑茶、ココア等の粉末原料を用いて飲料を生成して提供(販売)するものであり、装置本体2の内部に、粉末原料を貯蔵する適宜個数(図2では6個)の原料容器10を備えている。飲料供給装置1は、この原料容器10から払い出される粉末原料を用いて飲料を生成して供給する。
【0015】
図1に示すように、装置本体2の前面(接客面)には、飲料商品を表示する表示部3と、利用者が購入商品を選択するための複数の商品選択スイッチ3aと、利用者が商品を購入する際に飲料の濃さ、砂糖入り,ミルク入り等の味付けや温度等を選択する補助選択スイッチ3bとが設けられている。商品選択スイッチ3aでは、例えば、カップAのサイズ(飲料の量)、氷の有り無し、また、コーヒー飲料では、エスプレッソコーヒーとレギュラーコーヒー等の種類等が選択できるようになっている。また、装置本体2の前面には、利用者によって硬貨が投入される硬貨投入口4aと、紙幣が投入される紙幣投入口4bと、投入金銭の金額や販売中であるか否か等を表示するデジタル表示器5と、投入金銭などの返却レバー6と、つり銭などを返却する硬貨返却口7と、新商品やお奨め商品の紹介や飲料商品の調理プロセス等の各種商品情報等を表示する液晶ディスプレイ部8と、が設けられている。また、装置本体2の前面中央部には、生成された飲料が入れられたカップAを利用者が取り出すための商品取出口9が設けられている。
【0016】
前記各原料容器10は、飲料の粉末原料を貯蔵するものであり、図2に示すように、上面を開口して縦長の箱状に形成される箱体10aと、箱体10aの上面開口に開閉可能に取付けられる蓋10bとを有する。各箱体10aは、支持台10c上で互いに側面を当接させて幅方向に並設されている。各箱体10aの上面開口から粉末原料が適宜投入され、この上面開口が蓋10bにより閉じられる。
なお、本実施形態においては、原料容器10は6個設けるものとして示したが、原料容器10の個数はこれに限らず適宜個数設けることができる。
【0017】
また、各原料容器10の前面下端側には、図2及び原料容器10を含む要部の断面図である図3に示すように、前方に向かって突設される筒状の出口部10dが備えられる。
なお、図2及び後述する図4においては、出口部10dの説明のために、図中右から2番目と3番目の原料容器10用の出口部10dを図示したが、実際には、後述する案内管10gによって出口部10dは外観からは見えない。
【0018】
さらに、原料容器10内の下端側には、図3に示すように、オーガスクリュー10eが設けられている。このオーガスクリュー10eは、その先端部が出口部10d内に位置するように配置されている。また、オーガスクリュー10eは、原料容器10の背面側に設けられるモータ10fによって回転駆動され、生成する飲料に応じた量の粉末原料を出口部10dから払い出すように構成されている。そして、筒状の出口部10dには、この出口部10dから払い出される粉末原料を下方に案内するように屈曲して形成される案内管10gが接続される。
なお、図2及び後述する図4においては、出口部10dを示すために、図中右から2番目と3番目の原料容器10用の案内管10gについては図示を省略したが、実際にはこの2番目及び3番目にも案内管10gが接続されている。
【0019】
また、オーガスクリュー10eの上方には、オーガスクリュー10eが回転すると、オーガスクリュー10eのスクリューと噛合って回転する第1歯車10h1が設けられる。さらに、この第1歯車10h1の上方には、この第1歯車10h1と噛合ってそれぞれ回転する第2歯車10h2及び第3歯車10h3が設けられている。
これにより、モータ10fが駆動すると、オーガスクリュー10eの周囲の粉末原料がこのオーガスクリュー10eの回転軸方向に沿って出口部10dに向かって搬送される。これと同時に、オーガスクリュー10eの上方の粉末原料が第1歯車10h1〜第3歯車10h3によって撹拌されることで原料容器10(箱体10a)内に偏って残ることなく、オーガスクリュー10eに向かって搬送されると共に、粉末原料の塊状化が防止され、効率的に粉末原料を出口部10dから払い出すことができる。
【0020】
装置本体2の内部には、さらに、複数のカップAを収容すると共にカップAを一つずつ搬出するカップ搬出機(図示省略)と、カップ搬出機から搬出されたカップAを移動させるカップ移動機構11(図1図3参照)とが備えられる。
カップ搬出機は、カップ移動機構11のカップステージ11a上にカップAを落下搬出するように構成される。カップ移動機構11は、カップステージ11aを有し、このカップステージ11aを駆動させて、カップAを原料容器10の出口部10d及び案内管10gの下方位置と商品取出口9内との間で、例えば、図2に示すように、移動搬送可能に構成される。
【0021】
本実施形態においては、カップ移動機構11により原料容器10の出口部10dの下方にカップAが配置される。そして、お湯等の液体と、出口部10dから払い出されて案内管10gによって案内された粉末原料とが、カップA内に投入され、攪拌機等により混合されて調理される。このようにして、飲料が生成される。
なお、本実施形態において、このカップAが、本発明における「原料容器10の出口部10dの下方に配置され、粉末原料と液体とを混合調理して飲料を生成する調理部」に相当する。このようにして、飲料供給装置1は、出口部10dから払い出される粉末原料をカップ(調理部)Aへ案内する案内管10gを備えて構成される。
【0022】
また、原料容器10の近傍には、図2及び図3に示すように、ヒータ12と、カバー13と、熱伝導板14とが設けられている。これらヒータ12、カバー13及び熱伝導板14は、図3に示すように、原料容器10の前面下端側において、案内管10gを覆うように取り付けられている。
なお、図2において、ヒータ12、カバー13及び熱伝導板14については、組み付け前の状態(分解斜視図)を示している。
【0023】
前記ヒータ12は、パネル状に形成された電熱ヒータであり、通電されると発熱してその設置場所周囲の空気等を暖めるものである。ヒータ12の通電配線12aは、例えば図示省略するリレー(継電器)を介して電源部と接続されている。ヒータ12の駆動制御は、後述する制御部17により、例えばこのリレーを駆動操作することにより行われる。なお、ヒータ12の駆動制御については、後に詳述する。
【0024】
本実施形態において、ヒータ12は、図3に示すように、案内管10gにおける粉末原料のカップ(調理部)Aへの放出口10g1近傍に設けられ、この放出口10g1近傍から出口部10d近傍に至る領域Sの空気を昇温可能に構成される。
【0025】
具体的には、ヒータ12は、熱伝導板14に取り付けられ、この熱伝導板14とカバー13の後述する屈曲板13aとの間に配置される。
このように、ヒータ12を放出口10g1近傍に設けることにより、この放出口10g1からその上方の出口部10dに至る上記領域Sの空気を昇温させることができる。
【0026】
前記カバー13は、案内管10gの前方側を覆って、出口部10d近傍及び放出口10g1近傍を含む領域Sを内側に形成するものであり、例えば、断熱性の高い部材で形成される。
【0027】
具体的には、カバー13は、図2に示すように、案内管10gの形状に合わせて屈曲形成された屈曲板13aと、屈曲板13aの幅方向両端部にそれぞれ設けられる側板13bとを備え、下方及び背面側が開口形成され、図3に示すように、案内管10gの前方側及び上端等との間に隙間を設けて、原料容器10の支持部10c等に取り付け固定される。
【0028】
前記熱伝導板14は、ヒータ12が取付けられこのヒータ12の熱を伝導させる熱伝導板であって、カバー13の内側面に設けられ、ヒータ12の熱を領域Sに伝導させるものであり、熱伝導率の高い部材で形成される。
【0029】
具体的には、熱伝導板14は、図2に示すように、この外側面にヒータ12が取付けられると共に、カバー13の屈曲板13aの形状に合わせて屈曲形成される。
【0030】
そして、装置本体2の内部には、図3及び図2のB部拡大図である図4に示すように、温度センサ15と、湿度センサ16と、図1に示すように、制御部17とが設けられている。
なお、センサ保護のため、温度センサ15及び湿度センサ16は、図2及び図3に示すように、保護カバー18内に設けられている。図4においては、各センサ15,16の説明のため保護カバー18は図示省略されている。
【0031】
前記温度センサ15は、原料容器10の近傍の温度を検知するものであり、検知温度Tに対応する信号が制御部17に出力されるように構成されている。
本実施形態において、温度センサ15は、出口部10d近傍に設けられ、この出口部10d近傍の温度を検知するように構成される。
【0032】
具体的には、温度センサ15は、複数並設される原料容器10のうち、例えば最も固化し易い粉末原料が貯蔵される原料容器10の出口部10dの下方に、より具体的には、この出口部10dと支持台10cとの間に、配置される。
このように原料容器10の出口部10dの近傍に設けられた温度センサ15により得られる検知温度Tは、原料容器10内において吸湿し易い出口部10d内の温度と略同一とみなすことができる。なお、出口部10d内に温度センサ15の検知部を挿入して直接出口部10d内の空気温度を測定してもよい。
【0033】
前記湿度センサ16は、原料容器10の近傍の相対湿度を検知するものであり、検知相対湿度RHに対応する信号が制御部17に出力されるように構成されている。
本実施形態において、湿度センサ16は、出口部10d近傍に設けられ、この出口部10d近傍の相対湿度を検知するように構成される。
【0034】
具体的には、湿度センサ16は、複数並設される原料容器10のうち、例えば最も固化し易い粉末原料が貯蔵される原料容器10の出口部10dの下方に、より具体的には、この出口部10dと支持台10cとの間に、温度センサ15と共に配置される。
ここで、互いに連通する領域内の異なる場所で、空気の相対湿度を測定する場合、測定場所の空気の温度が互いに異なると、互いに連通する領域内の空気であっても、相対湿度は異なる値を示す。本実施形態においては、上記のように、案内管10gの放出口10g1を介して出口部10d内と連通する出口部10dの近傍(下方)に、湿度センサ16を設ける構成であるため、出口部10d内の空気の温度と同一とみなすことができる温度雰囲気下で相対湿度を検知することができる。このため、この湿度センサ16により得られる検知相対湿度RHは、案内管10gの放出口10g1を経由して出口部10d内に存在する空気の相対湿度と略同一とみなすことができる。
なお、例えば、湿度センサ16の検知部への粉末原料の付着を防止可能に、出口部10d内に湿度センサ16の検知部を位置させて、出口部10d内の空気の相対湿度を直接的に測定可能に構成してもよい。
【0035】
前記制御部17は、図1に示すように、装置本体2内の適宜箇所に設けられ、ヒータ12の駆動を制御すると共に、オーガスクリュー10e駆動用のモータ10f、カップ移動機構11及びカップ搬出機等の各種機器の駆動制御や販売管理等を行うものである。制御部17は、例えば、マイクロコンピュータによって構成され、各センサ15,16及び各スイッチ3a,3b等と接続されている。
【0036】
ここで、出口部10d近傍において、相対湿度が同じで温度だけが異なる場合を想定した場合、低温下にあってはその空気に含まれる水蒸気量は高温下より少ないため、粉末原料が固化する可能性が低いが、高温化にあってはその空気に含まれる水蒸気量は低温下より多いため、粉末原料が固化する可能性が高い。したがって、低温下の粉末原料が固化するおそれがある危険相対湿度(閾値)は、高温下における危険相対湿度(閾値)より高い、つまり、粉末原料が固化するおそれがある危険相対湿度は、温度によって異なる。
例えば、後述する図5に示すように、実験等により、所定温度Taにおける危険相対湿度(閾値)が分かっていたとして、この閾値RH(Ta)を温度に拘わらずヒータ12を運転させるか否かの代表閾値RH(Ta)として一律に用いてしまうと、図5に網掛けして示した温度T<Taにおける領域において、粉末原料の固化防止運転が不要な時にヒータ12を運転してしまったり、図5に網掛けして示した温度T>Taにおける領域において、固化防止運転が必要な時にヒータ12を運転しなかったりする可能性がある。
具体的には、例えば、上記所定温度より低温下において、相対湿度が上記危険相対湿度(閾値)を超えたときに、ヒータ12を起動させることとすると、粉末原料が固化する可能性のない相対湿度下であっても、ヒータ12を運転させることになる。逆に、上記所定温度より高温下において、相対湿度が上記危険相対湿度(閾値)を超えたときに、ヒータ12を起動させることとすると、粉末原料が固化する可能性のある相対湿度下であっても、ヒータ12を運転させないことになる。
上記のように粉末原料が固化するおそれがある危険相対湿度が温度によって異なることに着目し、制御部17は、ヒータ12を以下のように制御するように構成されている。
【0037】
制御部17は、湿度センサ16よって得られる検知相対湿度RHが、温度に対応して予め設定される湿度閾値のうち、温度センサ15よって得られる検知温度Tに対応する湿度閾値RH(T)を超えるとき、ヒータ12を起動させるように構成されている。
【0038】
図5は、温度に対応して、制御部17に温度に対応して予め設定される湿度閾値を説明するための図であり、実験等により得られる粉末原料の固化特性を示す図である。図5において、横軸は出口部10d近傍の温度Tを示し、縦軸は温度Tに対応する湿度閾値RH(T)を示す。ここで、湿度閾値RH(T)とは、その温度Tにおいて、粉末原料が固化するおそれがある危険相対湿度を示す。
図5から分かるように、温度Tが高いほど湿度閾値RH(T)が低くなる傾向にあり、RH(T)とTとの間には下記(1)式の関係が成り立つ。
RH(T)=−C×T+B ・・・(1)
但し、Cは粉末原料に応じて実験により定まる傾きを示す所定の定数であり、Bは切片、つまり、温度0℃における湿度閾値を示す所定の定数である。
【0039】
ここで、原料容器10内に種々の粉末原料が貯蔵されており、粉末原料の種類によって固化の発生のし易さが異なるため、例えば、固化の発生し易い粉末原料について実験により上記(1)式を予め求め、この固化し易い粉末原料についての湿度閾値をヒータ12の起動制御に用いる。
制御部17は、予め上記(1)式に相当する演算式が記憶設定される記憶部(図示省略)を有し、温度センサ15によって得られる検知温度Tと予め設定される演算式((1)式)とに基づいて検知温度Tに応じて湿度閾値RH(T)を算定し、検知相対湿度RHが算定した湿度閾値RH(T)を超えるか否かを判定するように構成されている。このように、制御部17は、上記(1)式の演算式が予め設定されることで、温度に対応する湿度閾値が予め設定される。そして、制御部17は、検知相対湿度RHが算定した湿度閾値RH(T)を超えるとき(RH>RH(T)のとき)、ヒータ12を起動させる。つまり、図5に示すように、(1)式で示される線を固化するか否かの目安の境界線とし、制御部17は、この線より上方の領域を固化領域とみなし、下方の領域を非固化領域とみなして、ヒータ12の起動制御を行う。
【0040】
具体的には、図示省略するが、ヒータ12はリレーを介して電源部と接続されており、制御部17は、このリレーを駆動操作することにより、ヒータ12の駆動制御を行う。
【0041】
次に、本実施形態に係る飲料供給装置1の制御部17によるヒータ制御動作について、図5を参照して説明する。なお、制御部17には固化の発生し易い粉末原料について上記(1)式に相当する演算式が予め記憶されているものとする。
【0042】
温度センサ15により検知されて得られた検知温度Tに対応する信号が制御部17に出力されると共に、湿度センサ16により検知されて得られた検知相対湿度RHに対応する信号が制御部17に出力される。このとき、制御部17は、検知温度Tを予め記憶設定された演算式((1)式)中のTに入力して、検知温度Tに応じた湿度閾値RH(T)を算出する。そして、制御部17は、湿度センサ16からの検知相対湿度RHが算出して得た湿度閾値RH(T)を超えるか否かを判定する。この湿度閾値RH(T)の算出、及び、検知相対湿度RHと算出した湿度閾値RH(T)との比較判定は、温度及び相対湿度のサンプリング毎にそれぞれ行われる。制御部17は、検知相対湿度RHが算定した湿度閾値RH(T)を超えるとき(RH>RH(T)のとき)、ヒータ12を起動させる。そして、制御部17は、ヒータ12を起動後、例えば、湿度閾値RH(T)の算出、及び、検知相対湿度RHと算出した湿度閾値RH(T)との比較判定を、適宜サンプリング間隔で入力される検知温度T及び検知相対湿度RH毎に継続して行い、検知相対湿度RHが算出した湿度閾値RH(T)以下となるときに、ヒータ12への通電を遮断しヒータ運転を停止させる。
【0043】
かかる本実施形態による飲料供給装置1によれば、温度センサ15により、原料容器10の近傍の温度を検知し、湿度センサ16により、原料容器10の近傍の相対湿度を検知する。そして、制御部17により、湿度センサ16の検知相対湿度RHが、温度センサ15の検知温度Tに対応する湿度閾値RH(T)を超えるとき、原料容器10近傍のヒータ12を起動させる。これにより、ヒータ運転をすべき状態であるのか否かを、そのときの検知温度Tに対応する湿度閾値RH(T)と検知相対湿度RHとに基づいて適切に判断することができる。したがって、例えば、粉末原料の固化特性に応じて、温度が低いほど湿度閾値RH(T)が高くなるように予め適切に設定すれば、低温(T1)下にあって水蒸気量が比較的低く固化し難い場合に、検知相対湿度RHが高くても、その検知相対湿度RHが湿度閾値RH(T1)を超えない限りヒータを起動させることはない。一方、高温(T2)下にあって水蒸気量が比較的多く固化し易い場合に、検知相対湿度RHが低くても、その検知相対湿度RHが湿度閾値RH(T2)を超えればヒータを起動させることができる。
このように、粉末原料の固化防止のヒータ運転をするか否かを、温度及び相対湿度の検知結果に基づいて、正確に判断することができるため、固化防止に必要なときにヒータを起動させることができる。
このようにして、ヒータの消費電力を抑制しつつ粉末原料の固化の防止を図ることが可能な、飲料供給装置を提供することができる。
【0044】
また、本実施形態においては、ヒータ起動後、湿度閾値RH(T)の算出、及び、検知相対湿度RHと算出した湿度閾値RH(T)との比較判定を、適宜サンプリング間隔で入力される検知温度T及び検知相対湿度RH毎に継続して行い、検知相対湿度RHが算出した湿度閾値RH(T)以下となるときに、ヒータ12への通電を遮断しヒータ運転を停止させる構成とした。
これにより、粉末原料の固化防止運転が不要なときにヒータ12を確実に停止させることができるため、ヒータを最小限に運転して粉末原料の固化の防止を図ることが可能な、飲料供給装置を提供することができる。
【0045】
また、本実施形態においては、案内管10gの前方側を覆って、出口部10d近傍及び放出口10g1近傍を含む領域Sを内側に形成するカバー13と、ヒータ12が取付けられヒータ12の熱を伝導させる熱伝導板14であって、カバー13の内側面に設けられ、ヒータ12の熱を領域Sに伝導させる熱伝導板14とを備える構成とした。
これにより、カバー13の内側に、出口部10d近傍及び放出口10g1近傍を含む領域Sを区画形成することができるため、ヒータ12により効率的に領域S内の空気を昇温させることができる。さらに、熱伝導板14を設けることにより、ヒータ12から発生する熱を領域Sに効率的に伝熱させることができ、より効率的に領域Sの空気を昇温させることができる。
なお、本実施形態においては、カバー13及び熱伝導板14を設ける構成で説明したが、これに限らず、熱伝導板14だけ設けてもよいし、カバー13だけ設けてもよい。カバー13だけ設ける場合は、カバー13の内側面にヒータ12を取り付けて構成する。また、カバー13及び熱伝導板14のいずれも設けなくてもよい。
【0046】
そして、本実施形態においては、制御部17は、検知温度Tと予め設定される演算式((1)式)とに基づいて、湿度閾値RH(T)を算定する構成とした。これにより、検知温度Tに応じた湿度閾値RH(T)を容易かつ正確に定めることができる。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態においては、ヒータ12の停止は、湿度閾値RH(T)により行うものとして説明したが、オペレータ等により、装置本体2の前面の扉が開けられた場合は、ヒータ12を強制停止させてもよい。
【0049】
また、上記実施形態においては、制御部17は、湿度閾値によりヒータ12を起動後、引き続き、湿度閾値によるヒータ12の運転制御を行うものとしたが、ヒータ12の運転制御は、これに限らない。
制御部17は、例えば、図6及び図7に示すように、湿度閾値によりヒータ12の起動後にヒータ12の作動を強制的に維持させる強制作動期間を設けると共に、この強制作動期間の経過後にヒータ12の運転を強制的に停止させ続ける強制停止期間を設け、この強制停止期間の経過後に湿度閾値によるヒータ12の起動制御を可能とするように構成してもよい。
なお、図6及び図7において、縦軸はヒータ12へ供給される電流値Iを示し、横軸は経過時刻tを示す。また、図6及び図7において、検知相対湿度RHが算定した湿度閾値RH(T)を超える(RH>RH(T))ていると、制御部17により判定されたときを時刻0[min]とする。また、強制作動期間は適宜長さ(例えば15分間)で設定でき、上記強制停止期間も適宜長さ(例えば5分間)で設定できる。
【0050】
具体的には、制御部17は、図6に示すように、例えば、制御部17は、検知相対湿度RHが算定した湿度閾値RH(T)を超えると判定すると(時刻0[min])、ヒータ12を起動させ、その後、検知温度T及び検知相対湿度RHに拘わらず、ヒータ12への通電を時刻15[min]まで強制的に継続させ、時刻15[min]を超えたところでヒータ12への通電を、リレーを介して強制的に遮断させる。そして、制御部17は、その後、検知温度T及び相対湿度RHに拘わらず、ヒータ12への通電遮断を5分間、強制的に継続させる。そして、制御部17は、時刻20[min]を超えたところで、湿度閾値によるヒータ12の起動制御を再開し、検知相対湿度RHが算定した湿度閾値RH(T)を超えている(RH>RH(T)のとき)と判定した場合、ヒータ12を起動させ、その後、同様に、時刻35[min]まで強制作動期間を設けると共に、時刻35[min]を超えた後、時刻40[min]まで強制停止期間を設ける。そして、以後同様の制御を行う。
【0051】
また、図7に示すように、制御部17は、強制停止期間の終期である時刻20[min]を超えたところで、検知相対湿度RHが湿度閾値RH(T)以下であると判定した場合は、ヒータ12への通電遮断を継続する。そして、制御部17は、検知相対湿度RHと湿度閾値RHとを継続してモニタリングしそれらの比較判定を行い、例えば、x分後に、検知湿度RHが湿度閾値RH(T)を超えていると判定した場合、ヒータ12を起動させ、その後、同様にして、強制作動期間及び強制停止期間を設けて、ヒータ12の駆動制御を行う。
【0052】
このように、ヒータ12の強制作動期間及び強制停止期間を設けて、ヒータ12の駆動制御を行うことにより、例えば、上記実施形態のように、ヒータ12の通電制御を、リレーを介して行う構成とした場合に、リレーの寿命に対応して、リレー寿命期間内におけるリレーのON/OFF回数を制限することができる。
なお、この場合、強制作動期間において、検知相対湿度RHが湿度閾値RH(T)以下になっている場合や、強制停止期間において、検知相対湿度RHが湿度閾値RH(T)を超えている場合も想定される。しかしながら、通常、飲料供給装置1の全体のピーク消費電力の抑制のためヒータ12の発熱容量は低く抑えられているため、ヒータ12の熱による装置本体2内の相対湿度の低下はゆっくりと進む。したがって、このような短期間(例えば15分間)の強制作動期間に、検知相対湿度RHが湿度閾値RH(T)以下になる瞬間が重なることは、リレー寿命期間内において比較的少ないため、全体としてはヒータ12の消費電力を抑制することができる。また、短期間(例えば5分間)の強制停止期間内にRH>RH(T)となったとしても、その後、直ぐに強制作動期間に移行するため、粉末原料が実際に固化する可能性は低い。
このようにして、リレーの寿命を考慮して、ヒータ12の強制作動期間及び強制停止期間を設けることにより、リレーの寿命を考慮しつつ、ヒータ12の消費電力を抑えて粉末原料の固化の防止を図ることが可能である。
【0053】
また、湿度閾値によりヒータ12を起動させ、その後、強制作動期間及び強制停止期間を設け、湿度閾値による起動制御を再開する場合について説明したが、例えば、オペレータ等により、扉が開けられてヒータ12を強制停止させた後、扉が閉められた場合や、電源投入直後等においては、内部の温湿度状況が分からないため、湿度閾値に依らず、ヒータ12を強制起動させ、その強制起動後、強制作動期間及び強制停止期間を設け、湿度閾値による起動制御を再開するように構成してもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、温度に対応する湿度閾値は変更可能に構成するとよい。この場合、例えば、粉末原料の種別、設置場所及び季節等に応じてオペレータ等により、制御部17に設定されている(1)式の傾きCや切片Bの値を適宜変更して設定できるように構成する。また、これに限らず、制御部17に傾きCや切片Bが異なる複数種の(1)式を予め設定し、オペレータ等により、その複数の(1)式の中から使用するものを適宜選択できるように構成してもよい。
【0055】
そして、上記実施形態において、ヒータ12の運転制御のための湿度閾値は、(1)式に示す演算式と検知温度Tとに基づいて、制御部17が都度算出するものとしたが、これに限らない。例えば、温度センサ15の検知精度(検知刻み)に応じた間隔の温度毎に、予め実験等により湿度閾値RH(T)を求めておき、温度Tと湿度閾値RH(T)とを対応させたデータテーブルのデータを予め制御部17に設定してもよい。この場合、制御部17は、データテーブルの中から、検知温度Tと一番近い温度に対応する湿度閾値RH(T)を選択し、この選択した湿度閾値RH(T)と検知相対湿度RHとの比較を行うように構成する。この構成において、例えば、データデーブルの数値をオペレータ等により変更できるように構成したり、制御部17に複数種のデータテーブルを予め設定し、オペレータ等によりその複数のデータテーブルの中から使用するものを適宜選択できるように構成したりしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態において、カップAを調理部とし、案内管10gは出口部10dから払い出される粉末原料をカップAに直接的に案内し、案内管10gの放出口10g1近傍にヒータ12を設ける場合で説明したが、これに限らない。例えば、図示を省略するが、案内管10gの先端部に案内管10gを介して払い出される粉末原料を一時保留又はカップAへ案内するシュータを取り付け、このシュータにおける粉末原料のカップAへの放出口近傍にヒータ12を設ける構成としてもよい。この場合、案内管10g及びシュータ全体が本発明に係る「案内管」に相当し、シュータの放出口が本発明に係る「放出口」に相当する。
また、カップAを調理部として説明したが、これに限らず、例えば、案内管10gとカップAとの間や、上記シュータとカップAとの間に、粉末原料と液体とを混合調理するミキシングボウルを設けてもよい。この場合、このミキシングボウルが本発明に係る「調理部」に相当する。
【0057】
そして、上記実施形態において、ヒータ12は案内管10gの放出口10g1近傍に設けられ、温度センサ15は出口部10d近傍に設けられ、この出口部10d近傍の温度を検知し、湿度センサ16は出口部10d近傍に設けられ、この出口部10d近傍の相対湿度を検知する、構成としたが、これに限らない。ヒータ12は原料容器10の近傍に設けられ、温度センサ15は原料容器10の近傍の温度を検知し、湿度センサ16は原料容器10の近傍の相対湿度を検知する構成であればよい。
【0058】
また、上記実施形態において、飲料供給装置1は、有料で飲料を提供する自動販売機に適用した場合で説明したが、これに限らず、例えば、粉末原料を用いてお茶等を無料で提供するいわゆるティーサーバー等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1・・・・・・飲料供給装置
10・・・・・原料容器
10d・・・・出口部
10g・・・・案内管
10g1・・・放出口
12・・・・・ヒータ
13・・・・・カバー
14・・・・・熱伝導板
15・・・・・温度センサ
16・・・・・湿度センサ
17・・・・・制御部
A・・・・・・カップ(調理部)
S・・・・・・領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7